以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<実施形態1>>
図1に、本発明に係る実施形態1の電気掃除機の外観斜視図を示し、図2に、掃除機本体から集塵装置や吸引ホースを取り外した状態の外観斜視図を示す。なお、上下方向、左右方向、前後方向については図1に示す方向とする。なお、左右方向は、掃除機本体1側から見たものである。
電気掃除機Sは、掃除機本体1と、掃除機本体1に着脱自在に設けられるサイクロン方式の集塵装置10とを備えている。
掃除機本体1は、吸引ホース2を介して手元ハンドル3と接続され、手元ハンドル3は延長管6を介して、塵埃などを吸込む吸口体7と接続されている。集塵装置10には、吸口体7で吸い込まれた塵埃などのごみが集塵される。
掃除機本体1には掃除機本体1を自在に移動するための左右の一対の車輪15aと、前部の一つのキャスタ15bとが備えられている。なお、後部には、掃除機本体1を後ろ側に傾けた際にその後部を傷めないように、一つのローラ15cが備わっている(図4参照)。
手元ハンドル3には、掃除機本体1に内蔵される電動送風機14(図4参照)や、吸口体7に設けられる電動回転ブラシ(図示せず)などの駆動制御を担う操作部4を備えている。操作部4には、運転を開始する際、押下する(強・中・弱)ボタンや、運転を停止する際に押下する(切)ボタンなどの操作ボタン5が配置されている。
<掃除機本体1>
図2に示すように、掃除機本体1は、上ケース1aと下ケース1bとが組み合わされ外殻が形成されている。上ケース1aおよび下ケース1bは、軽量な樹脂材料で形成されている。下ケース1bの前部には、塵埃を含む空気が吸い込まれるホース取り付け口11が開口されている。
図3に、掃除機本体の上ケースを取り外した状態の斜視図を示し、図4に、掃除機本体を側方から見た掃除機本体の中央断面図を示す。
ホース取り付け口11は、掃除機本体1内の塵埃を含む空気が通過する導入管20(図3、図4参照)に接続されている。
掃除機本体1の内部には、図4に示すように、モータケース16内に、吸口体7(図1参照)での吸引力を発生する電動送風機14が収納されている。また、電動送風機14で吸引した塵埃を除去した後の空気の流路には排気を清浄化するプリーツ状の高捕塵フィルタ29が配置されている。
図2に示す掃除機本体1の正面左側には、ホース取り付け口11と、導入管20を介して流体的に接続される導入管出口12が備わっている。導入管出口12は、掃除機本体1にセットされる集塵装置10に流体的に接続されている。集塵装置10は、吸口体7で吸込んだ塵埃などのごみを含む空気をごみと空気とに分離し、ごみを収容するものである。
一方、掃除機本体1の正面上部には、電動送風機14と連通するダクト21(図3参照)へのダクト入口部13が備わっている。ダクト入口部13は、集塵装置10で塵埃などのゴミを除去した後に空気が吸い込まれる口である。ダクト入口部13には、電動送風機14への塵埃除去後の空気に含まれる異物の侵入を抑制するために保護フィルタ(図示せず)が設けられている。保護フィルタは格子状のフィルタカバー17(図2参照)で覆われている。
<集塵装置10>
集塵装置10は、図2の白抜き矢印α1に示すように、掃除機本体1の前上部が後側に傾斜した状態で着脱自在に取り付けられる(図4参照)。集塵装置10は、ゴミが外筒30内に溜まった際に、図2に示すように、掃除機本体1から取り外され、ゴミ捨て後に掃除機本体1に取り付けられる。
掃除機本体1には、集塵装置10を掃除機本体1に取り付けた際に容易に気密を保持できるように、集塵装置10の位置決めのための構造や固定するための構造を備えている。
図2に示す掃除機本体1における凹状の取っ手収納部22には、集塵装置10の後方に備えている取っ手35が収納される(図4参照)。これは、集塵装置10を掃除機本体1にセットする際の集塵装置10の位置決めのための構造となっている。
また、掃除機本体1における集塵装置10の取り付け箇所の下部には、集塵装置10の底蓋31(図2参照)の底面との嵌合部1a1が設けられ、集塵装置10の固定のための構造としている。そして、掃除機本体1の上部に設けた蓋体19で、集塵装置10の上部を固定する構成である。
図4に示すように、集塵装置10が掃除機本体1に取り付けられた状態では、集塵装置10は、ダクト21と流体的に接続されている。ダクト21は、ホース取り付け口11に隣接する導入管20およびフィルタカバー17で覆われる保護フィルタに隣接する。
電動送風機14は、上流側にゴミを除去後の保護フィルタを通った空気が流れるダクト21が流体的に接続される一方、下流側に高捕塵フィルタ29が流体的に接続されている。
<掃除機本体1内に吸い込まれた塵埃を含む空気の流路>
集塵装置10が掃除機本体1に取り付けられた状態では、縦断面図の図4に示すように、ホース取り付け口11から高捕塵フィルタ29に至るまで、一連の流路となっている。
電気掃除機Sの掃除機本体1において、吸口体7から掃除機本体1に吸込まれた空気は図4に示す矢印β1〜β8のように流れる。
具体的には、吸口体7(図1参照)で吸い込まれた塵埃などを含む空気は、ホース取り付け口11から掃除機本体1内の導入管20に流入し(図4の矢印β1)、導入管20内を通って導入管出口12を通って集塵装置10に至る(図4の矢印β2)。 集塵装置10内に入った塵埃などを含む空気は内筒40の廻りを回る気流となる(図4の矢印β3)。この気流により発生する遠心力で空気と塵埃を分離し、空気は内筒40内に吸い込まれ、一部の気流(図4の矢印β4)は集塵装置10の下部へ流れる。塵埃は、この気流(図4の矢印β4)により、外筒30内面に沿って落下し、集塵装置10の下部に溜まる。
集塵装置10の下部への気流(図4の矢印β4)は、円筒状の傘部40の外周面に沿って上昇し(図4の矢印β5)、内筒40内に吸い込まれる。
内筒40内には、後記するメッシュ部材42aを通過した遠心分離しきれなかった微細な塵埃を含む空気が流れ、集塵装置10に設けた捕塵フィルタ32で微細な塵埃が除去される。そして、塵埃が除去された空気は、ダクト21を通過して、電動送風機14に吸い込まれる(図4の矢印β6)。そして、電動送風機14に吸い込まれた空気は、高捕塵フィルタ29を通過して残留する異物などが除去され(図4の矢印β7)、掃除機本体1の後下部の排出口76から外部に排出される(図4の矢印β8)。
ここで、高捕塵フィルタ29は、捕塵フィルタ32で捕集できなかった微細な塵埃や電動送風機14のカーボンブラシ(図示せず)の摩耗屑を、塵埃除去後の空気から取り除き、ほぼ塵埃を含まないきれいな空気にして、掃除機本体1の外部へ排出する。
なお、詳細は省略するが、上述の掃除機本体1に吸い込まれた空気の流路付近の各部品の接続部(接触部)にはパッキング(図示せず)が設けられ、運転中の気密が保持されている。
<コードリール23と導入管20>
図4に示す電動送風機14を収納するモータケース16は、図3に示すように、掃除機本体1右側後方に配置され、左側後方にはコンセント等から電動送風機などへ電力を供給するための電源コード23aを収納するためのコードリール23が配置されている。本実施形態では、モータケース16およびコードリール23の配置の関係上、導入管20および導入管出口12を左側に配置しているがこの限りではなく、導入管20などを右側に配置しても構わない。
導入管20を掃除機本体1の中央ではなく、左右の側部どちらかに寄せて配置するのは、詳細は後記するが集塵装置10の外筒30の内周面の接線方向(掃除機本体1の左右の側部何れかに位置する)から、吸込んだ空気を流入させ旋回流を発生させ易くするためである。したがって、導入管20の配置により、旋回流の回転方向は異なるが、回転方向は時計廻りまたは反時計廻りのどちらでも構わない。例えば、導入管20を左側に配置した場合は時計回りの旋回流となる。本実施形態では、時計回りの旋回流としている。
なお、例えば、導入管20を左側(若しくは中央)に配置し、導入管出口12が右側になるような曲がり部の多い導入管20の形状にしても構わないが、圧力損失が増加する。そのため、導入管20は、図3に示すような配置とし、導入管20での圧力損失の増加を極力抑えるため、ホース取り付け口11から可能な限り大きな半径で導入管出口12と繋がるような形状としている。また、導入管20内の容積や断面積も、圧力損失の増加を極力抑えるために可能な限り大きく形成している。
<集塵装置10>
次に、集塵装置10について図5から図8を用いて説明する。図5に集塵装置10の正面図を示し、図6に集塵装置10の左側面図を示す。また、図7に集塵装置10の背面図を示し、図8に集塵装置10の分解図を示す。
集塵装置10は、吸口体7で吸込んだ塵埃などを含む空気を、塵埃などのごみと空気とに分離し、塵埃などのごみを集める機能をもつ。
集塵装置10は、概ね外筒30、内筒40、捕塵フィルタ32(図4参照)を収納するフィルタケース33、および底蓋31で形成されている。外筒30の上部にフィルタケース33、下部に底蓋31が配置されている。そして、外筒30内に外筒30と同心状に内筒40を備えている。
詳細は後記するが、集塵装置は、外筒30と内筒40との間に塵埃の分離・集塵のための空間を有している。つまり、外筒30と内筒40とで形成される空間のうち、上部に塵埃分離部10Aを備え、下部に塵埃集塵部10Bを備える。
塵埃分離部10Aは、塵埃と該塵埃を運んだ空気とを分離する空間である。塵埃収容部 10Bは、塵埃を集めて収容する空間である。
<外筒30>
外筒30は、図8、図10に示すように、上下が開口した略円筒形状を有し、側面に導入管出口12から塵埃を含む空気が流入される流入管38を備えている。流入管38は外筒30の内面と接線で繋がるように形成されている。流入管38には、外筒30への接続部であり導入管出口12から塵埃を含む空気が流入される開口部38aが形成されている(図7、および図16乃至図20参照)。また、流入管38の開口部38との対面(流入管38と外筒30が接続する部分の開口)は絞り部38bを備えており、開口部38aよりも開口面積を小さくしている。
流入管38の絞り部38bは、外筒30壁面の一部である外筒絞り壁30bで形成されており、縦辺38b1と鉛直方向から上部が外側に下部が内側に傾斜する第2の縦辺38b2と水平方向の第1・第2の横辺38b3、38b4を略台形形状の開口である。本実施例では、上部の横辺38b3と下部の横辺38b4との差を約3mm(=S6)としている。これは、絞り部38bを通過する空気の風量および風速を絞り部38bの上部および下部で変えるためである。絞り部38b上部は下部よりも幅を狭くすることで流速を高め、下部は上部よりも幅が広いため流量が多くなる。絞り部38b上部の流速を高めることで、塵埃分離部10Aでの塵埃分離性能を向上させ、絞り部38b下部の流量を多くすることで塵埃収容部10Bへのごみ搬送力を向上することができる。これにより、多くの塵埃を塵埃収容部10Bに堆積しつつ吸込力の持続を実現できる。
また、図18に示すように、外筒絞り壁30bは、外筒30の半径と異なった曲率となっており、外筒30肉厚(約2mm)よりも大きく内側に突出している。言い換えると、外筒絞り壁30bは外筒30壁面を内側へ押し込むように外筒30と一体となった形状である。本実施例では、外筒30壁面と外筒絞り壁30bとの隙間は約1mmとしている。また、外筒30壁面と外筒絞り壁30bは段差がないように滑らかな曲面で繋げることで、旋回流の乱れを極力減らすようにしている。外筒絞り壁30bの曲率はこの限りではなく、外筒30半径や外筒30と内筒40とで形成される空間の大きさによって異なるが、旋回流が内筒40の外周面近傍に行き過ぎない程度の曲率としている。言い換えると、外筒絞り壁30bの延長線上が内筒40の外周面に接しないようにしている。
このように、外筒絞り壁30bを外筒30よりも内側へ突出させることで、流入管38から流入した空気流と旋回流の合流時の衝突を和らげることができ、集塵装置10内で発生する流体音(騒音)を低減することができ、また旋回流の乱れも低減するため塵埃分離性能の向上などにも効果的である。
また、絞り部38bには、下部に外筒30壁面を延長した延長部30cを設けている。延長部30cは、略三角形状をしており、流入管38の縦辺38b1へ向かうほど低くなるような斜辺30c1としている。延長部30cを略三角形状にしているのは、四角形状で流入管38の縦辺38b1まで延長すると、吸い込んだ流れに対抗する壁面が形成され、気流の乱れが発生するためである。従って、延長部30cは略三角形状が良いが、流入管38の縦辺38b1へ向かって円弧状に延長しても構わない。延長部30cは、前記したように外筒30を延長したものであるため、外筒絞り壁30bと接する面で段差が生じる形状となる。この段差は、繋がりを目立たなくするように外筒絞り壁30bと延長部30cとの接続部を滑らかなRで繋いでも構わない。この延長部30cは、吸い込んだ空気を外側(外筒30の内周面30nに沿わせる流れにするために設けており、延長部30cにより、塵埃の分離性能を向上することができる。本実施例では、延長部30cの高さHを約9mmとし、流入管38の縦辺38b1から約10mmの位置までを繋いだ斜辺30c1としている。
以上のように、絞り部38bは、上部を広くした外筒絞り壁30bと略三角形状の延長部30cで形成されており、絞り部38bの横辺38b2と延長部30cの斜辺30c1との交点が流入管38の縦辺38b1からもっとも広くなっている。また、絞り部38bの上部幅と下部幅の差や、外筒絞り壁30bの外筒30内側への突出量、延長部30cの高さHや幅は本実施例の限りではなく、外筒30や内筒40の直径や高さ等により変わるもので、集塵装置10の形状によって最適な寸法とする必要がある。
以上のように、第1の縦辺38b1は、上述したように、外筒30の内周面30nの接線に沿って形成され、開口部38aが外筒30の内周面30nの接線に沿った形状であることで、塵埃などを含んだ空気が外筒30の内周面30nに沿った回転状の気流となる。
そして、前記した絞り部38bの形状により、導入管出口12から集塵装置10の外筒30内に流入する空気は、外筒30の中心軸O(集塵装置10の中心軸)廻りの気流となり、中心軸Oを中心として時計廻りに外筒30内を旋回する。この旋回する気流により、塵埃分離部10Aにおいて、空気に含まれる塵埃が遠心力によって分離される。
加えて、絞り部38bの第2の縦辺38b2が、上部が外側に下部が内側に傾斜する構成として絞り部38bを上部に比べて下部広がりの開口とすることで、上部の流速を高めて塵埃分離性能を向上し、下部広がりは分離した塵埃などを含む空気をより下方に多く吸込み、ごみと空気の分離を促進する気流とすることができる。
さらに、図5に示すように、外筒30は、上部は円筒形状を有し、略中央部から下方がテーパ状の円錐台形状に拡大していく形状で中心軸Oを鉛直方向にした状態で約11度傾斜している。外筒30の下部をテーパ状に広げることで外筒30の容積を拡大し、より多くの塵埃を外筒30の下部に堆積できる。
また、図6に示すように、外筒30は、集塵装置10を持ち運ぶための取っ手35を備えている。取っ手35の上部には、ごみを排出(廃棄)する際に押下するごみ捨てボタン35aを備えている。外筒30の前方下側には、底蓋31が回転自在に支持される回転軸31aを有している。
また、図11に示すように、外筒30は、内周面の下部に略三角形状の縦リブ30dを有しており、塵埃収容部10Bに吸引された塵埃は、縦リブ30dを起点に堆積する。縦リブ30dの高さは、前記のテーパ状の円錐台形状以下としている。縦リブ30dの高さおよび幅、形状、個数はこの限りでなく、集塵装置10の形状によって最適な寸法とする必要がある。
<フィルタケース33>
外筒30上部に設けられるフィルタケース33は、上面部が蓋構造となっており、フィルタケース上部33aとフィルタケース下部33bとに分割される。フィルタケース下部33bは外筒30上部と一体に形成され、捕塵フィルタ32(図8参照)を受けるフィルタ受け部34が収納されている。
フィルタ受け部34は、外筒30に設けたフィルタケース下部33bに全体が収まるようにフィルタケース下部33bの内壁面をオフセットした形状(フィルタケース下部33bの内壁面より縮径した形状)であり、フィルタケース下部33bに容易に着脱できる最大寸法で形成されている。
図8に示すように、フィルタ受け部34の略中心部は開口しており、後記する内筒40と流体的に連通している。さらに、フィルタ受け部34の外殻の底面には、気密部材34aを備えている。気密部材34aはフィルタケース下部33bの底面と接することにより、フィルタ受け部34とフィルタケース下部33bとの気密をとっている。
図9に集塵装置10のフィルタケース上部33aと捕塵フィルタ32を取り外したときの外観図を示し、図10に図9においてフィルタ受け部34を取り外したときの外観図を示す。
フィルタ受け部34の外殻上部の外周に固定リブ34bが設けられている。図9の白抜き矢印α2に示すように、フィルタ受け部34をフィルタケース下部33bの所定の位置に装着した後、図9中矢印方向に回すことで、フィルタケース下部33bに設けた固定レール33c(図10参照)と固定リブ34b(図9参照)とが嵌合し、フィルタケース下部33bとフィルタ受け部34とを気密を保った状態で固定することができる。図8に示すように、フィルタ受け部34の上面は鍔状の捕塵フィルタ受け部34cを設けており、後記する捕塵フィルタ32の外周に設けたパッキング32aの下面側に圧接される。
捕塵フィルタ32は、通気面積を拡大するためにプリーツ状(山折状)に折られており、円状の枠体に接着されている。前記したように、フィルタ受け部34に捕塵フィルタ32を装着すると、パッキング32aの下面側とフィルタ受け部34に備えた捕塵フィルタ受け部34cとが接し、パッキング32aの上面側は、フィルタケース上部33aと接する。こうして、フィルタケース上部33aとフィルタ受け部34とが外部空間に対して気密に封止される。
フィルタケース上部33aには、後方に爪部、前方にロック機構37を備えており、爪部をフィルタケース下部33bの係止部に引っ掛け、前方のロック機構37により外筒30と固定が可能となる。よって、フィルタケース下部33bに、フィルタ受け部34、及び捕塵フィルタ32を装着しフィルタケース上部33aを装着することで、捕塵フィルタ32前後の気密を保持することが可能となる。
図8に示すように、フィルタケース上部33aの外観面には、上面に集塵装置10を持つための持ち手55、前方に掃除機本体1と固定するためのクランプ部50、及びクランプ部50を駆動するボタン60を備えている。フィルタケース上部33aの後方には、電動送風機14と流体的に接続される開口部39が設けられる。
図4に示すように、開口部39は保護フィルタ及びフィルタカバー17を介しダクト21と接続される。フィルタカバー17は、捕塵フィルタ32と同様に外周部の前後面にゴム部材等で成型されたパッキングが設けられ、開口部39とダクト21との間の気密が保持されている。
フィルタケース上部33a上部の持ち手55は、集塵装置10を掃除機本体1に装着する際に、掃除機本体1に設けられる蓋体19で覆われる。これは、掃除機本体1を持ち運ぶ際に、本体ハンドル18(図1参照)ではなく、持ち手55(図2参照)を持ち上げることを防止するためである。
<蓋体19>
蓋体19は、掃除機本体1上部に設けられる回転軸部に回転自在に支持され、該回転軸部に蓋体19が開く方向に付勢されるねじりバネ(図示せず)を備えている。
蓋体19は、図2の開いた状態(蓋体19が直立した状態)から前方へ倒す際にねじりバネの弾性による捩り力が加わり、蓋体19底面の前側に設けた爪部19aを、フィルタケース上部33aのクランプ部50に係合して蓋体19が閉じた状態となる。この際、蓋体19にねじりバネが元の状態に戻ろうとする弾性力が加わり、その反作用として集塵装置10を掃除機本体1側へ押し付けることができる。この構成により、集塵装置10と掃除機本体1との気密保持と、集塵装置10の掃除機本体1への固定とが両立されている。
蓋体19を閉じた状態において、フィルタケース上部33aのボタン60(図1参照)を押下すると、クランプ部50が解除され、蓋体19がねじりバネの弾性力で持ち上がり持ち手55が現われる。持ち手55が現われた状態で、ユーザが持ち手55を引き上げることで集塵装置10を掃除機本体1から容易に取り外すことができる(図2参照)。
換言すると、蓋体19が開いた状態では、持ち手55を引き上げることで集塵装置10が掃除機本体1から外れる。このように、蓋体19が閉じた状態では、持ち手55で掃除機本体1を持ち上げられない構造となっており、掃除機本体1を持ち上げる場合と集塵装置10を持ち上げる場合との誤動作の防止を図っている。
<内筒40>
図11(a)に図6のB−B断面図を示し、図11(b)に図11(a)のC部拡大図を示す。また、図12に内筒40の分解図を示す。
次に、内筒40について説明する。
図11(a)に示すように、内筒40は、略円筒状であり、前記したように、外筒30と同心状となるように集塵装置10に設けられている。
内筒40は、上側に設けられる吸気部42を有する上部円筒41と下側に設けられる筒体46を内包した傘部44とを含み構成されている。
<上部円筒41>
図12に示すように、上部円筒41の吸気部42は、格子状の枠体(支骨)によって形成されている。本実施形態では上下方向の枠体(支骨)としているが、上下左右方向に枠体(支骨)のある格子状でも構わない。吸気部42は、外周面に亘ってメッシュ部材42aが掛け渡されている。メッシュ部材42aは被覆またはインサート成型などによって枠体(支骨)に保持されている。吸気部42にメッシュ部材42aを設けることで、上部内筒41はフィルタ機能を有し、内筒40内部への微細な塵埃の流入を抑制している。
本実施形態では、メッシュ部材42aは、ポリエステルを使用しているが、金属(例えば、ステンレスなど)でもよく、枠体(支骨)ではなく小径の貫通孔(金型で成型可能なφ2mm程度の孔)を複数設けた吸気部42でも構わない。貫通孔は、枠体(支骨)にメッシュ部材42aを掛け渡した場合と違い、強度や破れに対し有効であり、二次成型が不要といったメリットがある。しかし、貫通孔の径(開口面積)は、メッシュ部材42aの開口面積よりも大きくなると、内筒40の内部への微細な塵埃の流入に対してはデメリットとなる。
前記したように、上部内筒41は、上方に隣接するフィルタ受け部34の略中心部の開口と連通している。本実施形態では、内筒40の上面部にフランジ部40aを有し、フランジ部40aをフィルタ受け部34の底面に固定する構成としているが、内筒40の上面とフィルタ受け部34の底面を一体に形成してもよい。或いは、フランジ部40aを設けずに、内筒40がフィルタ受け部34と着脱可能な構造にしても構わない。
内筒40の下部には、傘部44を備えている。
<傘部44>
傘部44は、上部内筒41と同心状に一体に略円筒状に設けられ、上面が上部内筒41に連続して軸孔44oを除いて閉塞されている。傘部44の外周面44aには第1円環状リブ44a1が設けられる。
図11(a)に示すように、第1円環状リブ44a1は傘部44の外周面44aに対し略垂直方向に突出(凸設)して設けられ、また傘部44の全周に渡り集塵装置10の中心軸O(外筒の中心軸)に対し略垂直になるように設けたことを特徴としている。
第1円環状リブ44a1の高さは、例えば傘部44の外周面44aから約3mm(=s1)(図11(b)参照)である。円環状リブ44a1は、外筒30内で吸込まれた塵埃を含む空気から分離された塵埃の舞い上がりを抑制または防止する。加えて、円環状リブ44a1は外筒30内の下部に分離された塵埃を下方に圧縮する働きをする。
傘部44は、底面が開口して、その内部に空間44kを有する形状である。
そして、傘部44内の空間44kを内包するように傘部44の形状を小さくした細径部45aを有する内傘部45が設けられている。
<内傘部45>
図11(a)に示すように、内傘部45は、傘部44の下端縁の下方に外方に突出する太径部45bを細径部45aの下方に有する段付きの円筒形状を有している。
内傘部45は、太径部45bと細径部45aとの間であって傘部44の下端縁の下方の位置には、太径部45bから外方に突出して円環状に形成される第2円環状リブ45b1が凸設されている。第2円環状リブ45b1は太径部45bの外周面に対し略垂直に設けられ、また太径部45bの全周に渡り集塵装置10の中心軸Oに対し略垂直方向になるように設けている。
図11(b)に示すように、第2円環状リブ45b1は、傘部44の外周面44aから約1mm(=s2)の高さを有しており、傘部44の外周面44aに形成される第1円環状リブ44a1より約2mm(=s3)低い高さに形成されている。
第2円環状リブ45b1は、内傘部45の太径部45bから約3mm(=s4)の高さを有している。
ここで、傘部44の外周面44aの円環状リブ44a1と外筒30の内面30nとの間の距離s5は、例えば約8.5〜9mmである。
第1円環状リブ44a1の高さや第2円環状リブ45b1の高さは、傘部44および内傘部45と外筒30の内面30nとの間の距離によって適宜変更されるものである。
内傘部45内には、下方に凸状の円錐形状を有する筒体46(図11(a)参照)が設けられている。
<筒体46>
筒体46は、内傘部45と同心状に設けられ、底面46tに向かって先細りになるようなテーパ形状を有している。内傘部45の底面46tは閉塞され略半球状に形成されている。筒体46を先細りになるテーパ形状にすることで、外筒30下部の先太りのテーパ部と合わせて下向きに拡大する空間を有する容器形状となるため、ごみ捨ての際にごみが落下しやすくなる(図15参照)。
前記したように、内傘部45は、傘部44内に一部が内包されている。詳細は後記するが、内傘部45が上下方向に摺動する機構を設けることで、ごみ捨て時の排出のアシストが行われている。
内傘部45は、吸口体7からのごみの吸引時などのごみ捨て時以外は傘部44内に収まっている。内傘部45は、ごみ捨て時に圧縮ばね47の伸長方向の弾性力により下方へ摺動し、外筒30内の塵埃を下方の外部空間(ごみ箱など)に向けて押し出す。
内傘部45の上下の摺動距離は、傘部44の空間44kの高さ未満(図15参照)としている。換言すると、内傘部45の上面45aは、傘部44の底面44bを下方に越えないようにしている。これは、ごみ捨て時の傘部44の底面44bと内傘部45の上面45aとの間に隙間ができないようにすることで、傘部44の底面44bと内傘部45の上面45aとの間への塵埃が挟まる可能性を低減するためである。また、内傘部45は、傘部44内の空間44kを容易に摺動できる必要最小限のクリアランス(空間)を設けている。
また、傘部44は塵埃が堆積する部分であるため、内傘部45とのクリアランスが小さすぎるとクリアランス内に塵埃が噛み込み、摺動しにくくなることも考えられる。本実施形態では、塵埃の噛み込みを考慮したクリアランスを設け、内傘部45の外周に複数のリブ45r(図12参照)を設けることで内傘部45に対する案内とし、傘部44、内傘部4 5間のクリアランスを大きくしたことによる摺動する際のガタつきを低減している。
更に、内傘部45の細径部45aの下方に太径部45bを設け、内傘部45が傘部44の空間44kに収まった状態で、太径部45bの上面と傘部44の底面44bが接するようにしている。これにより、塵埃吸引時の傘部44と内傘部45内との隙間への塵埃の入り込みを抑制している。
また、前記したように、外筒30の後方側には上面視で略D字様にカットした形状にしているため、外筒30内に収容される内筒40の傘部44および内傘部45の形状も、外筒30の形状をオフセットするように上面視で略D字様にカットした形状にしている。これにより、外筒30と傘部44との隙間を一定に保ち、隙間へのごみの挟まりを抑制することができる。
<内傘部45の摺動機構>
次に、集めたごみの排出をアシストする内傘部45の摺動機構について説明する。
図11(a)に示すように、内傘部45の摺動機構は、内傘部45の内方にバネ座を形成したベース部材48を有している。ベース部材48は、圧縮ばね47の受けとなり、圧縮ばね47の下方への弾性力を、三角錐状の筒体46に伝達する部材である。
ベース部材48は、その略中央に圧縮ばね47を収容するバネケース48cと、圧縮ばね47が挿通されるバネ軸48jとを有している。そして、傘部44にはバネケース48cに入れ子状となるピストン部44pを備えている。ベース部材48のバネ軸48jには、内傘部45の摺動機構のストッパ49をネジn1で締結して固定できる構造となっている。
図12に示すように、ベース部材48のバネケース48c内に上方から圧縮ばね47を、バネ軸48jを挿通して挿入し、上部円筒41および傘部44と一体になった入れ子状のピストン部44p(図11(a)参照)で圧縮ばね47を上方から押すように装着する。その後、ストッパ49を、バネ軸48jにネジn1で固定することで、内傘部45の摺動機構が構成される。
ストッパ49は傘部44の上面に備えたストッパ受け部44u(図11(a)、図12参照)まで摺動する。そのため、前記したように、内傘部45の摺動距離は傘部44の空間44kの高さ未満であるため、内傘部45の摺動機構のストッパ49の高さも摺動距離と略同等となっている。そして、ベース部材48に設けたバネケース48cの外周は、筒体46で覆われている。筒体46は、内傘部45を間に挟んで、ベース部材48に係合して固定される。
このような摺動機構において、圧縮ばね47が最も自然長に近い状態が、内傘部45が最も外筒30から飛び出した状態であり(図15参照)、図11(a)に示すように、底蓋31を閉じると圧縮ばね47が圧縮された状態になる。そのため、ごみ捨て時に後記の底蓋31のロックを解除すると、図15に示すように、圧縮ばね47が自然長に近い伸長状態になることから内傘部45が下向きに飛び出し、内傘部45、筒体46などで塵埃を外部空間に押し出す。
<底蓋31>
図11(a)に示すように、底蓋31は、中央部が下方に突出した深さをもった皿状に形成され、中央部に突出した部分の反対側に凹みとなる窪み部31bを有している。底蓋31は皿状にすることで構造体に曲率をもたせて強度を向上させている。また、底蓋31の窪み部31bは、筒体46の底面46tの球形状の球半径(曲率)よりも大きくしており、窪み部31bの深さは、底蓋31が開状態(外筒30の底面に対して垂直状態となる開状態)(図15参照)で窪み部31bに水平になる面ができないようにしている。換言すると、窪み部31bの深さは極力浅くしている。これは、ごみ排出の際に窪み部31bに塵埃が残らないようにするためである。
また、底蓋31内には、図11などに示すような底面リブ31cを設けている。これは、外筒30内の下部テーパ内を旋回する塵埃の回転を阻止し、底面リブ31cを基点に塵埃を下方に向けて圧縮するためである。底面リブ31cは、底蓋31内の外周側に底蓋31の深さと略同等の高さから、中心に向うほど低くなるような略三角形状をしており、前側と左右に配置している。このような底面リブ31cは、集塵容積や傘部44の形状等により調整を行っているため、形状はこの限りではない。
また、本実施形態では、窪み部31bを底蓋31とは別体で形成しており、底蓋31の開閉での筒体46との摩擦による部材の磨耗を低減するようにPOM(polyoxymethylene:ポリアセタール)などの材料を用いているが、底蓋31と一体で成形しても構わない。
<集塵装置10内でのごみの集積作用>
次に、集塵装置10内でのごみの集積作用について説明する。
ユーザが操作部4に設けられた操作ボタン5を押下して運転を開始すると、電動送風機14が回転し空気を吸口体7(図1参照)から吸い込む。 前記したように、吸口体7(図1参照)で吸い込まれた塵埃などを含む空気は、図4に示すように、ホース取り付け口11から掃除機本体1内の導入管20に流入し(図4の矢印β1)、導入管20内を通って導入管出口12を介して集塵装置10に至る(図4の矢印β2)。
集塵装置10に至った塵埃などを含む空気は、図7に示す開口部38aを通過して集塵装置10内に流入する。
図13に集塵装置10内の気流を表わした図6のB−B断面図を示す。
集塵装置10内の外筒30の接線方向に流入した塵埃などを含む空気は、図13の矢印γ1のように、旋回流となり、外筒30内で外筒30内面に沿って上部内筒41廻りを旋回する。これにより、塵埃に遠心力が働き、塵埃と空気は分離される。塵埃などのごみは空気に比べ重いので、図13の矢印γ2のように、外筒30の内面30nに沿って落下する。つまり、塵埃集塵部10内の上部である塵埃分離部10Aにて、塵埃と空気とは分離される。分離された空気の多くは上部内筒41に設けた吸気口42より内筒40の内部に流入する(図13の矢印γ8)。
一方、遠心力で分離された塵埃は、重力と一部の空気流により外筒30と傘部44との間の塵埃集塵部10Bの入口を通り、塵埃集塵部10B内に搬送される。このとき、塵埃には遠心力が働いているため、塵埃集塵部10B内の微細なごみを含む空気は、底蓋31の上を、図13の矢印γ3のように旋回する。
このとき、本実施形態の特徴とするように、上部よりも下部の幅を広く設けた絞り部38bの形状により、矢印γ1の旋回流を強め分離性能を向上し、矢印γ2の風量が多くなることで塵埃集塵部10Bへの塵埃の搬送力を強めることができる。
そして、電気掃除機1の使用を続けると、徐々に塵埃が堆積し、底蓋31に設けた底面リブ31cを基点に塵埃の旋回が止まり、ドーナツ状に堆積する。塵埃集塵部10B内に流入した空気は、筒体46、内傘部45の形状に沿って、傘部44の外周付近から上部内筒41側へ流れる。具体的には、逆三角錐状の筒体46の壁面に沿って旋回しつつ上昇して内傘部45の内部を通過して内傘部45の太径部45bの外周面に沿って旋回しつつ上昇する(図13の矢印γ4)。
そして、内傘部45の太径部45bの上縁の第2円環状リブ45b1に当たり、第2円環状リブ45b1近傍廻りの旋回流が発生する(図13の矢印γ5)。旋回流によりごみが遠心力により分離され落下して外筒30内の下部に堆積する。加えて、下方への気流が発生し、外筒30内の下部に溜まる塵埃を下方に圧縮する(図13の矢印γ5a)。
さらに、太径部45bの上縁の第2円環状リブ45b1を乗り越えた微細なごみを含む空気はさらに上方の傘部44の外周面44aに沿って上昇するが、傘部44の第1円環状リブ44a1に当たって、第1円環状リブ44a1近傍廻りの旋回流が発生する(図13の矢印γ6)。旋回流によりごみが遠心力により分離され落下して外筒30内の下部に堆積するとともに下方への気流が発生し、外筒30内の下部に溜まる塵埃を下方に圧縮する(図13の矢印γ6a)。
そして、ごみが第2円環状リブ45b1、第1円環状リブ44a1で除去された空気のみが、図13の矢印γ7のように、上部円筒41の吸気部42に吸い込まれ、掃除機本体1のダクト入口部13(図3、図4参照)に流入し、前記したように、掃除機本体1の外部空間に排気される。
従って、内傘部45の第2円環状リブ45b1と傘部44の第1円環状リブ44a1とを設けることにより、外筒30内の下部のごみの舞い上がりを抑制でき、外筒30内の下部に堆積されるごみを下方に向けて圧縮することができる。
そして、塵埃がごみ捨てラインである傘部44の第1円環状リブ44a1まで達したら、ごみ捨てを行う。ごみ排出機構は、前記したように、吸引した塵埃の量が少ない場合でも、内傘部45のごみ排出機構、および外筒30の下方に向けて開く態様のテーパ形状により、塵埃の排出が促進され円滑に行われる。
<ごみ捨て時の動作>
図14に底蓋31を閉じた状態の図5のA−A断面図を示し、図15にごみを排出する際(底蓋31が開いた状態)の図5に示すA−A断面図を示す。
以上のようなごみ排出機構において、ごみ捨て時の動作を説明する。
底蓋31は、集塵装置10に設けた取っ手35上部に備えたごみ捨てボタン35aを押下することで解除される(図15参照)。
底蓋31は取っ手35の反対側に掃除機本体1に回転自在に支持される回転軸31aが設けられる一方、取っ手35側には底蓋31の開閉機構が設けられている。
取っ手35の上部に備えたごみ捨てボタン35aが押下されると、取っ手35内のロッド80が下向きに移動し、スライドクランプ81の爪部83が外れ、底蓋31が開口する構成である。
底蓋31の回転軸31aには、底蓋31を開く方向に付勢するねじりバネが備わっており、爪部83が外れることで底蓋21はねじりバネの弾性力で開く(図15参照)。ごみ捨てボタン35aの押下を解除すると、スライドクランプ81に設けたバネ80bが自然長に戻るため、ロッド80は上方に戻り、スライドクランプ81はごみ捨てボタン35aの押下前の位置に戻る。
底蓋31が開くと同時に、圧縮ばね47によって内傘部45および筒体46が下向きに飛び出す。これにより、内筒40の一部である内傘部45は、底蓋31が閉じた状態の位置よりも底蓋31が開いた状態の位置が、外筒30の下面の開口30a寄りの位置となる(図15参照)。
ごみ捨て後、底蓋31を閉じる際、下方に飛び出した筒体46の底面46tと、底蓋31の中央に設けた窪み部31bが接触し、内傘部45および筒体46は上方へ押される。
筒体46の底面46tと窪み部31bは球状の曲率をもって接するため、底蓋31を閉じる動作で底蓋31の角度が変わっても、筒体46の底面47と窪み部31bとの接触面積を一定に保つことができ、また、曲面同士を接触させることで常に垂直方向に力が加わるため、内傘部45は傘部内44にスムーズに収まる。
そして、底蓋31を略水平状態まで閉じると、クランプ受けが爪部83と接触し、スライドクランプ81は、スライドクランプ81に設けたバネが縮む方向に移動し、爪部83がクランプ受けを乗り越えた時点でバネが戻り、底蓋31は気密を保持した状態でロックされる。
上記構成によれば、傘部44の外周面44aに外方に突出する円環状の第1円環状リブ44a1を設けるとともに、内傘部45に第1円環状リブ44a1より低い高さで外方に突出する円環状の第2円環状リブ45b1を設けている。
内傘部45の外周面45aに第2円環状リブ45b1を設けることで、第2円環状リブ45b1底面側の太径部45b廻りを旋回する流れが発生するため、塵埃収容部10Bから塵埃分離部10Aへのごみの戻りを抑制することができる。
つまり、外筒30の下部に落下した塵埃が舞い上がった場合にも、第2円環状リブ45b1底面側の太径部45b廻りを旋回する流れにより落下させるとともに、外筒30の下部の塵埃を下方へ圧縮する気流により圧縮力を得ることができる。
また、傘部44の外周面44aに第1円環状リブ44a1を設けるので、傘部44の第1円環状リブ44a1底面側を旋回する流れが発生するため、塵埃収容部10Bから塵埃分離部10Aへのごみの戻りを抑制することができる。
つまり、第2円環状リブ45b1を超えて舞い上がった塵埃を傘部44の第1円環状リブ44a1底面側を旋回する流れにより落下させるとともに、第1円環状リブ44a1により外筒30の下部の塵埃を下方へ圧縮する気流により圧縮力を得ることができる。
傘部44の外周面44aに第1円環状リブ44a1を設けるとともに、内傘部45に第1円環状リブ44a1より低い高さで外方に突出する円環状の第2円環状リブ45b1を設けることで 塵埃分離部10Aへのごみの戻りを抑制することで、内筒30への塵埃付着を低減することができ、吸込み力(初期風量)を持続することができる。
また、ごみは第1円環状リブ44a1よりも下側に堆積するため、ごみ捨てのタイミングを明確にでき、第1円環状リブ44a1をごみ捨てラインとすることが可能である。
第1円環状リブ44a1をごみ捨てラインとすることで、外筒40側にごみ捨てラインを設けることなく、更に全方向からごみ捨てのタイミングを把握することができる。
これにより、外筒30の下部に堆積される塵埃の舞い上がりを抑制または防止するとともに、外筒30の塵埃を下方に圧縮して効果的に外筒30の下部に塵埃を堆積させることが可能になる。
従って、集塵装置10に接続する流入管38の絞り部38bの形状により、塵埃収容部10Bへの塵埃堆積量を増やしつつ、吸込み力を持続させることができる集塵部をもつ電気掃除機Sを実現することができる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、様々な実施形態が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分り易く説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、十分な塵埃収容部10Bを備えた集塵装置10ならば、塵埃収容部10Bへの搬送力を高める目的ではなく、分離性能の向上を目的とするならば、絞り部38bの下部の幅よりも上部の幅を大きくしたものであってもよい。