JP6416306B1 - 背板固定構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】背板を簡単かつ確実に固定する。
【解決手段】固定部材により背板が固定される背板固定構造体であって、背板が固定される本体10と、本体10の所定の位置に設けられ、背板の周縁部を収容する溝11と、溝11を形成する一対の対向面11b,11cに平行な本体の一端面10bから、一方の対向面11bを貫通した状態で溝11に連通し、固定部材が挿通される第1の孔部12aと、溝11を挟むようにして第1の孔部12aと同軸に他方の対向面11cに形成されて固定部材の先端が挿入される第2の孔部12bと、第2の孔部12bに挿入された先端と係合するように第2の孔部12bに設けられた係合部材5とを備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【解決手段】固定部材により背板が固定される背板固定構造体であって、背板が固定される本体10と、本体10の所定の位置に設けられ、背板の周縁部を収容する溝11と、溝11を形成する一対の対向面11b,11cに平行な本体の一端面10bから、一方の対向面11bを貫通した状態で溝11に連通し、固定部材が挿通される第1の孔部12aと、溝11を挟むようにして第1の孔部12aと同軸に他方の対向面11cに形成されて固定部材の先端が挿入される第2の孔部12bと、第2の孔部12bに挿入された先端と係合するように第2の孔部12bに設けられた係合部材5とを備えることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
本発明は、家具の背板を固定する背板固定構造体に関する。
従来、天板、底板、背板及び側板を組み合わせて構成される箱物家具が知られている。箱物家具の側板においては、背板の端部が嵌め込まれる溝が形成されている。側板の溝に嵌め込まれた背板の端部と溝との隙間には固定具の楔部が差し込まれ、金槌等の工具で固定具を叩いて楔部を溝に打ち込むことにより、背板が側板の溝に隙間なく固定される(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、家具における強度は、主として背板が担っている。このため、家具においては、背板がその他の板、つまり、天板、底板及び側板の溝に適切に差し込まれた状態を維持することが重要である。特許文献1に記載された家具においては、例えば、側板又は背板に負荷がかかると、背板の端部と溝との間の隙間が広がり固定具が滑り落ちて背板が溝から外れることがある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、背板を簡単、確実かつ強固に固定することを可能にする背板固定構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、固定部材により背板が固定される背板固定構造体であって、前記背板が固定される本体と、前記本体の所定の位置に設けられ、前記背板の周縁部を収容する溝と、前記溝を形成する一対の対向面に平行な前記本体の一端面から、一方の前記対向面を貫通した状態で前記溝に連通し、前記固定部材が挿通される第1の孔部と、前記溝を挟むようにして前記第1の孔部と同軸に他方の前記対向面に形成されて前記固定部材の先端が挿入される第2の孔部と、前記第2の孔部に設けられて該第2の孔部に挿入された前記先端と連結する係合部材とを備えることを特徴とする。
また、前記第1の孔部及び前記第2の孔部は、前記溝の延在方向に沿って複数形成されていることが好ましい。
また、前記係合部材は、筒状に形成されてその内周面に前記固定部材の外周面と係合する環状に突出した凸部又は窪んだ凹部が形成されていることが好ましい。
また、前記係合部材の内周面に、前記固定部材の外周面と螺合する螺合部が形成されていることが好ましい。
本発明により、背板を簡単、確実かつ強固に固定することができる。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において種々の形態をとりうる。
<背板固定構造体の構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る背板固定構造体を備えた家具を、天板を取り外した状態において背板側から見た斜視図である。図2は、図1の破線領域IIを拡大して示す斜視図である。図3は、本発明の一実施の形態に係る背板固定構造体の平面図である。図4は、背板を収容する背板固定構造体の溝の部分を拡大して示す図である。図5は、背板固定構造体に背板を固定する固定部材の構成を説明するための図である。図6(a)は、固定部材が挿通される筒状部材の構成を説明する断面図であり、図6(b)は、固定部材と係合する係合部材の構成を説明する断面図である。
図1は、本発明の一実施の形態に係る背板固定構造体を備えた家具を、天板を取り外した状態において背板側から見た斜視図である。図2は、図1の破線領域IIを拡大して示す斜視図である。図3は、本発明の一実施の形態に係る背板固定構造体の平面図である。図4は、背板を収容する背板固定構造体の溝の部分を拡大して示す図である。図5は、背板固定構造体に背板を固定する固定部材の構成を説明するための図である。図6(a)は、固定部材が挿通される筒状部材の構成を説明する断面図であり、図6(b)は、固定部材と係合する係合部材の構成を説明する断面図である。
図1に示すように、背板固定構造体は、例えば、組立式の家具100において、当該家具の枠部を構成する一対の側板10、底板20及び天板(図示せず。)として、背板30が固定される構造体である。以下の本実施の形態においては、側板10を例にして背板固定構造体を説明する。家具100は、一対の側板10,10同士の間に棚板(図示せず。)を有していてもよい。また、側板10、底板20及び天板は、それぞれ略同一の厚さ寸法を有する。
説明の便宜上、家具100の背板30の側を後側R、背板30とは反対側を前側F、家具100の底板20の側を下側D、天板(図示せず。)の側を上側Uとする。
説明の便宜上、家具100の背板30の側を後側R、背板30とは反対側を前側F、家具100の底板20の側を下側D、天板(図示せず。)の側を上側Uとする。
図2乃至図4に示すように、側板(本体)10は、平面視矩形の木製の板材により形成されている。側板10は、背板30の周縁部31を収容する溝11を有する。溝11は、側板10の後側Rの端部近傍の内面に形成されている。なお、側板10、底板20及び天板に形成されている溝11の位置は、前後方向FBにおいてほぼ同じ位置にある。
本実施の形態において、溝11は、上下方向UDにおいて、側板10の上端と下端との間に亘って形成されているが、上端及び下端から所定の間隔をおいた位置から形成されていてもよい。溝11は、図4に示すように、家具100の内部空間を臨む内向面11aと、当該内向面11aに対してほぼ垂直に延在し、互いに対向する対向面11b,11cとを備える。対向面11b,11cの間において背板30が挟持される。溝11の幅w、即ち、対向面11b,11c間の間隔は、固定される背板30の板厚dとほぼ同じ大きさか、又は少し小さくなっていてもよい(w≦d)。
上下方向UDにおいて溝11の上下端部近傍には、背板30を側板10に固定するための固定部材6が挿入される挿入孔12が形成されている。挿入孔12は、第1の孔部12aと、第2の孔部12bとを有する。なお、挿入孔12の数は、特に限定されず、側板10の上下方向UDにおいて互いに所定の間隔をあけて複数設けられている。
第1の孔部12aは、側板10に背板30を固定する後述する固定部材(図5参照。)6が挿通される孔である。第1の孔部12aは、後側Rを臨み溝11の一対の対向面11b,11cと平行な端面10bから対向面11bを貫通して溝11に連通した貫通孔である。
第2の孔部12bは、溝11を挟んで第1の孔部12aと対向し、当該第1の孔部12aと同軸上に対向面11cから所定の深さに形成され、固定部材6の先端部位63が挿入される有底孔である。第2の孔部12bは、対向面11cから側板10の前側Fに向かって所定の深さに形成された止まり孔として機能する。
第1の孔部12aには、固定部材6を挿通させるための円筒状の筒状部材4が固定されており、第2の孔部12bには、固定部材6の先端と係合する円筒状の係合部材5が固定されている。
ここで、筒状部材4及び係合部材5を説明する便宜上、背板固定構造体の構成要件ではないが、固定部材6の構成についてまず図5を用いて説明する。固定部材6は、金属、木材又は合成樹脂等により形成されており、第1の孔部12a及び第2の孔部12bに挿通・挿入される雄部材である。具体的に、固定部材6は、筒状部材4を挿通した後、係合部材5に挿入されて当該係合部材5と一体化される円柱状の部材である。固定部材6は、軸部61と、軸部61の基端部において一体に形成された頭部66とを有する。
軸部61は、筒状部材4の収容孔41(図6(a)参照。)及び係合部材5の収容孔51(図6(b)参照。)に挿入される部分であり、円柱部位62と、先端部位63とを備えている。円柱部位62は、筒状部材4及び背板30の貫通孔(図8(a)参照。)30aを挿通する部位であり、外周面は凹凸のなく平坦に形成されている。円柱部位62の外径Odは、背板30の貫通孔31aの内径Idと同じか、又は少し大きくなっている(Od≧Id)。
先端部位63は、係合部材5の収容孔51に挿入されて当該係合部材5と一体に係合される部位であり、外周面に、径方向内側へ円弧状に窪んだ複数の凹部63aを有する。凹部63aは、軸線x1を中心として先端部位63の全周にわたって環状に形成されており、軸線x1方向において互いに所定の間隔だけ離間して複数配置されている。先端部位63の凹部63aが形成されている面63cは、円柱部位62の外周面と面一である。なお、本実施の形態においては、3つの凹部63aが形成されているが、凹部の数はこれに限定されない。
先端部位63の先端部64は、テーパ部64aと円柱部64bとを有しており、円柱部64bの先端面64mから軸線x1に沿って固定部材6の基端側(頭部66)に向かって形成された所定の幅のスリット64sを有する。
図6(a)に示すように、筒状部材4は、固定部材6の円柱部位62を収容する収容孔(収容部)41が形成された円筒形状を有する。筒状部材4は、金属、木材又は合成樹脂等により形成されている。筒状部材4の収容孔41が形成された内周面は、凹凸の無い平坦状に形成されている。筒状部材4は、その外周面に断面三角形状の突起片42を軸線x2に沿って所定の間隔毎に複数備えている。突起片42は、軸線x2に直交する平面上に沿って設けられており、各突起片42は、筒状部材4の外周面に軸線x2を中心として環状に形成されている。
各突起片42は、軸線x2に対して所定の角度で前側Fに向かって軸線x2に近づくように斜めに形成された傾斜面42aと、軸線x2に対して垂直な角度で形成された垂直面42bとを有する。筒状部材4は、傾斜面42aが前側Fを向き、垂直面42bが後側Rを向くように第1の孔部12aにおいて固定されている。
図6(b)に示すように、係合部材5は、固定部材6の先端部位63を収容する収容孔(収容部)51が形成された円筒形状を有する雌部材である。係合部材5は、金属、木材又は合成樹脂等により形成されている。係合部材5は、その外周面に断面三角形状の突起片52を軸線x2に沿って所定の間隔毎に複数備えている。突起片52は、軸線x2に直交する平面上に沿って設けられており、各突起片52は、係合部材5の外周面に環状に形成されている。
各突起片52は、軸線x2に対して所定の角度で係合部材5の底部5a側(前側F)に向かって軸線x2に近づくように斜めに形成された傾斜面52aと、軸線x2に対して垂直な角度で形成された垂直面52bとを有する。係合部材5は、傾斜面52aが前側Fを向き、垂直面52bが後側Rを向くように第2の孔部12bにおいて固定されている。
固定部材6の先端部位63を収容する係合部材5の収容孔51は、筒状部材4の軸線x2と同心であり、底部5aの存在により止まり孔として形成されている。係合部材5は、収容孔51を画成する内周面53に固定部材6の先端部位63の凹部63aと係合する凸部53aを有する。凸部53aは、軸線x2に沿った断面において径方向の内方へ円弧状に膨らんで形成されている。凸部53aは、軸線x2を中心として全周にわたって環状に形成され、軸線x2に沿って互いに所定の間隔だけ離間されて配置されている。凸部53a同士の間隔は、先端部位63の凹部63a同士の間隔と同じである。
係合部材5の底部5aには、その中心に固定部材6の後側Rへ向かって突出した円柱状の突出ピン(突出部)55が当該底部5aと一体に形成されている。突出部としての突出ピン55は、その直径が一定の円柱部分55aと、当該円柱部分55aの先端側から直径が次第に縮径するテーパ部分55bとを有する。
なお、固定部材6に凹部63aの代わりに凸部を形成し、係合部材5に凸部53aの代わりに凹部を形成してもよい。また、固定部材6の円柱部位62の外周面に軸線x1に沿って凹部63a又は凸部が形成されていてもよく、この場合、筒状部材4の内周面に凸部又は凹部が形成されていればよい。
本発明に係る背板固定構造体は、上述の、側板(本体)10、当該側板10における溝11、挿入孔(第1の孔部12a、第2の孔部12b)12、筒状部材4及び係合部材5を含むものである。なお、本発明に係る背板固定構造体には、本体として底板20及び天板が含まれてもよい。
<背板固定構造体の製造方法>
次に、図4及び図7を参照して、背板固定構造体の製造方法について説明する。図7は、背板固定構造体の一製造工程を示す図である。
次に、図4及び図7を参照して、背板固定構造体の製造方法について説明する。図7は、背板固定構造体の一製造工程を示す図である。
図7に示すように、側板10の基材となる板材10Aの端面10Abから、所定の深さだけ前側Fに向かって挿入孔12を穿孔する。挿入孔12の深さは、後述する挿入部材Isの長さと一致する。挿入孔12は、上下方向UDにおいて所定の間隔をおいて複数形成される。挿入孔12は、背板30の周縁部31に形成された貫通孔30aと整合するようになっている。
挿入部材Isは、細長い有底の円筒状の部材である。挿入部材Isは、挿入孔12に挿入される前側Fに係合部材5と、後側Rに筒状部材4とを一体に有している。筒状部材4と係合部材5とは、互いに所定の間隔Sが空けられており、当該所定の間隔Sの外周面には突起片が形成されていない。
挿入孔12の形成後、挿入部材Isを係合部材5の側から各挿入孔12に挿入する。挿入部材Isは、当該挿入部材の後側Rの端部に、例えば、板材を置いて木槌、金槌等により打ち込むことで挿入孔12に簡単に挿入することができる。
次いで、図4に示すように、例えば、板材10Aを上下方向UDにおいて上端から他端に亘って溝11を切削加工により形成する。溝11の形成は、挿入部材Isをその軸線を横切って二分するように実施される。溝11の切削は、挿入部材Isにおいて筒状部材4と係合部材5との間の間隔Sの範囲内において実施される。これにより、挿入部材Isは二分されて、筒状部材4は、第1の孔部12a内に、係合部材5は、第2の孔部12b内に固定された状態になり背板固定構造体が完成する。
<背板の固定方法>
次に、図8及び図9を用いて、側板10に背板30を固定する方法を説明する。図8は、側板の溝に背板を挿入する工程を示す図であり、図8(a)は、側板の溝に背板を雄挿入する前の状態を示す図であり、図8(b)は、側板の溝に背板を挿入した状態を示す図である。図9は、側板と背板を固定部材により固定する工程を示す図であり、図9(a)は、固定部材を挿入する状態を示す図であり、図9(b)は、固定部材が係合部材と係合して背板が側板に固定された状態を示す図である。
次に、図8及び図9を用いて、側板10に背板30を固定する方法を説明する。図8は、側板の溝に背板を挿入する工程を示す図であり、図8(a)は、側板の溝に背板を雄挿入する前の状態を示す図であり、図8(b)は、側板の溝に背板を挿入した状態を示す図である。図9は、側板と背板を固定部材により固定する工程を示す図であり、図9(a)は、固定部材を挿入する状態を示す図であり、図9(b)は、固定部材が係合部材と係合して背板が側板に固定された状態を示す図である。
図8(a)に示すように、背板30の一周縁部31を溝11に挿入する。具体的には、背板30が、溝11の内向面11aに当接するまで背板30を挿入する。背板30と内向面11aが当接した状態において、図8(b)に示すように、側板10の第1の孔部12a及び第2の孔部12bと、背板30の貫通孔3おaとは連通した状態になる。
次いで、図9(a)に示すように、固定部材6を先端部位63側から側板10の第1の孔部12a、背板30の貫通孔30a、第2の孔部12bの順に挿入していく。固定部材6は、図9(b)に示すように、固定部材6の先端部位63の凹部63aと、係合部材5の凸部53aが互いに係合するまで押し込まれる。
側板10に背板30を収容する溝11の対向面11b,11cに、第1の孔部12a及び第2の孔部12bが互いに向かい合って同軸に形成され、さらに、第2の孔部12bに係合部材5が予め固定されているので、固定部材6を挿入するだけで、側板10に背板30を極めて容易に固定することができる。背板30は、固定部材6により側板10の溝11において確実に固定されるので、仮に、背板30に荷重がかかった場合であっても背板30が溝11から外れることを確実に防ぐことができる。
また、側板10の溝11の幅wは、背板30の板厚dと同じか、又はそれより少し小さいので、背板30は、側板10の溝11に対してはめあいの関係にある。この構成において、固定部材6を挿入してその先端部位63を係合部材5と係合させるので、側板10に対して背板30をより強固に固定することができる。
また、固定部材6の円柱部位62の直径Odは、背板30の貫通孔31aの内径Idと同じか、又は少し大きく形成されている(Id≦Od)ので、固定部材6の挿入時に円柱部位62と背板30の貫通孔30aとの間に、例えば、中間ばめ等のはめあいが形成される。これにより、背板30は、当該固定部材6の円柱部位62において側板10に対して強固に固定されている。
第1の孔部12a及び第2の孔部12bは、側板10の上下方向UDに沿って複数設けられているので、側板10に対する背板30の確実な固定を複数箇所において確保することができる。
また、係合部材5の内周面53には、固定部材6の凹部63aと係合する凸部53aが形成されているので、固定部材6と係合部材5との係合力はさらに高まり、背板30をさらに強固に側板10の溝11において固定することができる。
固定部材6の円柱部位62に凹部が形成され、第1の孔部12aに設けられた筒状部材4の内周面に固定部材6の凹部63aと係合する凸部が形成されていると、固定部材6と筒状部材4との間に係合状態が確保されるので、背板30をさらに強固に側板10に固定することができる。
<変形例1>
次に、図10及び図11を用いて固定部材6及び係合部材5の変形例1について説明する。図10は、変形例1に係る固定部材6Aの構成を説明するための図である。図11は、変形例1に係る係合部材5Aの構成を説明するための図である。なお、変形例1における筒状部材については、筒状部材4の構成と同じであるためその説明は省く。
次に、図10及び図11を用いて固定部材6及び係合部材5の変形例1について説明する。図10は、変形例1に係る固定部材6Aの構成を説明するための図である。図11は、変形例1に係る係合部材5Aの構成を説明するための図である。なお、変形例1における筒状部材については、筒状部材4の構成と同じであるためその説明は省く。
図10に示すように、固定部材6Aは、係合部材5Aに挿入される雄部材である。固定部材6Aは、円柱状に形成されており、係合部材5Aの収容孔51Aに挿入されて当該係合部材5Aと一体化される。図10に示すように、固定部材6Aは、筒状部材に収容される円柱部位61Aと、係合部材5Aの収容孔51Aに収容される先端部位66Aとを備える。円柱部位61A及び先端部位66Aは、固定部材6Aの軸部である。
円柱部位61Aは、先端部位66Aとは反対側に頭部62Aを備えている。頭部62Aは、平面視円形の部位であり、円柱部位61Aよりも大きな直径を有している。頭部62Aには、その外面に、例えば、六角レンチと係合させられる六角形の窪み63Aを有している。
円柱部位61Aの外周面の先端部位66Aの近傍に、径方向内側へ円弧状に窪んだ複数の環状の凹部61Aaが形成されている。凹部61Aaは、軸線x1を中心として円柱部位61Aの全周にわたって環状に形成されており、軸線x1方向において互いに所定の間隔だけ離間して複数配置されている。円柱部位61Aの少なくとも凹部61Aaは、係合部材5Aの収容孔51Aに挿入される。なお、本実施の形態においては、2つの凹部61Aaが形成されているが、凹部の数はこれに限定されない。
先端部位66Aは、テーパ部67Aと、円柱状の部分の外周面に形成された雄ねじ部68Aとを有する。雄ねじ部68Aは、固定部材6Aの先端部位66Aが係合部材5Aに収容されて係合された際に、係合部材5Aの雌ねじ部57Aと螺合する部分である。
図11に示すように、係合部材5Aは、収容孔(収容部)51Aを持った円筒形状を有し、固定部材6Aを収容する雌部材である。係合部材5Aは、その外周面に断面三角形状の環状の突起片52Aを軸線x2に沿って所定の間隔毎に複数備えている。突起片52Aは、軸線x2に対して所定の角度で底部5Aaに向かって軸線x2に近づくように斜めに形成された傾斜面52Aaと、軸線x2に対して垂直な角度で形成された垂直面52Abとを有する。
固定部材6Aを収容する係合部材5Aの収容孔51Aは、軸線x2と同心であり、底部5Aaの存在により止まり孔として形成されている。収容孔51Aは、円筒状の大径の孔部53Aと、当該孔部53Aよりも小さな直径を有して孔部53Aと同心の小径の孔部55Aとを備える。
孔部53Aは、孔部55Aに対して固定部材6Aが挿入される挿入口側(後側R)に設けられている。孔部53Aは、孔部55Aに対して係合部材5Aの底部5Aa側(前側F)に設けられている。
係合部材5Aは、孔部53Aの内周面54Aに固定部材6Aにおける円柱部位61Aの凹部61Aaと係合する2つの凸部54Aaを有する。凸部54Aaは、軸線x2に沿った断面において径方向内側へ円弧状に突出して形成されている。凸部54Aaは、軸線x2を中心として内周面54Aの全周にわたって環状に形成され、軸線x2に沿って互いに所定の間隔だけ離間されて配置されている。係合部材5Aの凸部54Aa同士の間隔は、固定部材6Aにおける円柱部位61Aの凹部61Aa同士の間隔と同じである。
係合部材5Aには、孔部55Aの内周面56Aに対して固定部材6Aにおける先端部位66Aの雄ねじ部68Aと螺合する雌ねじ部(螺合部)57Aが形成されている。孔部55Aは、固定部材6Aの先端部位66Aのうち少なくとも雄ねじ部68Aを部分的に収容する深さ(軸線x2に沿った長さ)を有している。
係合部材5Aに対して固定部材6Aを完全に係合させる場合、まず、固定部材6Aを係合部材5Aに挿入し、固定部材6Aの凹部61Aaと係合部材5Aの凸部54Aaとが係合した状態で、六角レンチを固定部材6Aの頭部62Aの窪み63Aに嵌め込む。そして、六角レンチを回して固定部材6Aが回動させられると、固定部材6Aの雄ねじ部68Aと、係合部材5Aの雌ねじ部57Aとが螺合する。
なお、固定部材6Aの円柱部位61Aに凹部61Aaの代わりに凸部を形成し、係合部材5Aの孔部53Aに凸部54Aaの代わりに凹部を形成してもよい。また、固定部材6Aの円柱部位61Aの外周面に軸線x1に沿って凹部又は凸部が形成されていてもよく、この場合、筒状部材の内周面に凸部又は凹部が形成されていればよい。
<変形例2>
次に、図12及び図13を用いて固定部材6及び係合部材5の変形例2について説明する。図12は、変形例2に係る固定部材6Bの構成を説明するための図である。図13は、変形例2に係る係合部材5Bの構成を説明するための図である。なお、変形例2における筒状部材については、筒状部材4の構成と同じであるためその説明は省く。
次に、図12及び図13を用いて固定部材6及び係合部材5の変形例2について説明する。図12は、変形例2に係る固定部材6Bの構成を説明するための図である。図13は、変形例2に係る係合部材5Bの構成を説明するための図である。なお、変形例2における筒状部材については、筒状部材4の構成と同じであるためその説明は省く。
固定部材6Bは、係合部材5Bに挿入されて係合部材5Bと連結される雄部材である。図12に示すように、固定部材6Bは、係合部材5Bの収容孔51Bに挿入されて当該係合部材5Bと一体化される。固定部材6Bは、2つの円柱部位を有する。具体的には、固定部材6Bは、大径の円柱部位61Bと、当該円柱部位61Bよりも小径の円柱部位62Bとを備えている。円柱部位61B及び円柱部位62Bは、固定部材6Bの軸部である。
円柱部位61Bは、頭部63Bを備えている。頭部63Bは、平面視円形の部位であり、円柱部位61Bよりも大きな直径を有している。頭部63Bは、その外面に、例えば、六角レンチと係合させられる六角形の窪み63Baを有する。
円柱部位61Bの円柱部位62Bの近傍の外周面には、雄ねじ部61Baが形成されている。雄ねじ部61Baは、後述する係合部材5Bの雌ねじ部54Baと螺合する部分である。つまり、円柱部位61Bの少なくとも雄ねじ部61Baは、係合部材5Aの収容孔51Bに挿入される。
円柱部位62Bの外周面には、径方向内側へ円弧状に窪んだ凹部62Baを有する。なお、本実施の形態においては、4つの凹部62Baが形成されているが、凹部の数はこれに限定されない。凹部62Baは、軸線x1を中心として円柱部位62Bの全周にわたって環状に形成されており、軸線x1方向において互いに所定の間隔だけ離間して配置されている。
固定部材6Bにおいては、少なくとも円柱部位61Bの雄ねじ部61Ba及び円柱部位62Bが当該固定部材6Bの先端(先端部位)となる。
図13に示すように、係合部材5Bは、収容孔(収容部)51Bを持った円筒形状を有し、固定部材6Bを収容する雌部材である。係合部材5Bは、その外周面に、その外周面に断面三角形状の環状の突起片52Bを軸線x2に沿って所定の間隔毎に複数備えている。突起片52Bは、軸線x2に対して所定の角度で底部5Ba側(前側F)に向かって軸線x2に近づくように斜めに形成された傾斜面52Baと、軸線x2に対して垂直な角度で形成された複数の垂直面52Bbとを有する。
固定部材6Bを収容する収容孔51Bは、軸線x2と同心であり、底部5Baの存在により止まり孔として形成されている。収容孔51Bは、円筒状の大径の孔部53Bと、孔部53Bよりも小さな直径を有して孔部53Bと同心の小径の孔部55Bとを有する。
孔部53Bは、孔部55Bに対して固定部材6Bが挿入される挿入口側(後側R)に設けられている。孔部55Bは、孔部53Bに対して係合部材5Bの底部5Ba側(前側F)に設けられている。
係合部材5Bは、孔部53Bの内周面54Bに、固定部材6Bにおける円柱部位61Bの雄ねじ部61Baと螺合する雌ねじ部(螺合部)54Baを有する。係合部材5Bは、孔部55Bにおける内周面56Bに固定部材6Bにおける円柱部位62Bの凹部62Baと係合す凸部56Baを有する。係合部材5Aにおける孔部55Bの凸部56Baは、軸線x2に沿った断面において径方向内側へ円弧状に突出して形成されている。凸部56Baは、軸線x2を中心として内周面56Bの全周にわたって環状に形成され、軸線x2に沿って互いに所定の間隔だけ離間されて配置されている。凸部56Ba同士の間隔は、凹部62Ba同士の間隔と同じである。
係合部材5Bと固定部材6Bとの係合は、次のように行われる。まず、固定部材6Bが係合部材5Bに挿入されて、固定部材6Bの雄ねじ部61Baの先端が、係合部材5Bの雌ねじ部54Baと係合した状態で、六角レンチを固定部材6Bの頭部63Bの窪み63Baに嵌め込む。次いで、六角レンチを回して固定部材6Bを回動させる。これにより、固定部材6Bの雄ねじ部61Baと係合部材5Bの雌ねじ部54Baとの螺合が進行して、固定部材6Bの凹部62Baと係合部材5Bの凸部56Baとがそれぞれ互いに係合するようになる。
なお、固定部材6Bの円柱部位61Bに凹部62Baの代わりに凸部を形成し、係合部材5Aの孔部55Bに凸部56Baの代わりに凹部を形成してもよい。また、固定部材6Bの円柱部位61Bにおいて雄ねじ部61Baと頭部63Bとの間の外周面の所定の位置に、軸線x1に沿って凹部又は凸部が形成されていてもよく、この場合、筒状部材の内周面に凸部又は凹部が形成されていればよい。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、側板10の内面には、棚板を載置するためのビス等が挿入される孔15が形成されていてもよい(図3参照。)。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られるものではなく、本発明の範囲を超えない範囲で適宜変更が可能である。例えば、側板10の内面には、棚板を載置するためのビス等が挿入される孔15が形成されていてもよい(図3参照。)。
天板及び底板20は、側板10と同様の構成を有していてもよい。この場合、家具100における背板30と天板及び底板20との連結は、固定部材を用いて実施することもできる。また、天板及び底板20と側板10との連結は、公知の他の連結器具を用いてもよい。
また、円柱部位62の外径Odは、背板30の貫通孔31aの内径Idより小さくてもよい(Od<Id)。
4 筒状部材
5 係合部材
53 内周面
53a 凸部
6 固定部材
63a 凹部
68A,61Ba 螺合部
10 側板(本体)
10b 端面
11 溝
11a 内向面
11b,11c 対向面
12 挿通孔
12a 第1の孔部
12b 第2の孔部
20 底板(本体)
30 背板
31 周縁部
5 係合部材
53 内周面
53a 凸部
6 固定部材
63a 凹部
68A,61Ba 螺合部
10 側板(本体)
10b 端面
11 溝
11a 内向面
11b,11c 対向面
12 挿通孔
12a 第1の孔部
12b 第2の孔部
20 底板(本体)
30 背板
31 周縁部
Claims (4)
- 軸線に沿って互いに離間した複数の凹部又は複数の凸部、及び雄側螺合部を外周面に有する固定部材により背板を固定する背板固定構造体であって、
前記背板が固定される本体と、
前記本体の所定の位置に設けられ、前記背板の周縁部を収容する溝と、
前記溝を形成する一対の対向面に平行な前記本体の一端面から、一方の前記対向面を貫通した状態で前記溝に連通し、前記固定部材が挿通される第1の孔部と、
前記溝を挟むようにして前記第1の孔部と同軸に前記本体の他方の前記対向面に形成されて前記固定部材の先端が挿入される第2の孔部と、
前記第2の孔部に設けられて該第2の孔部に挿入された前記先端と係合する係合部材とを備え、
前記係合部材は、その全体が前記第2の孔部に収容されており、かつ、筒状に形成されて、その内周面に軸線に沿って互いに離間した、前記固定部材の前記複数の凹部と係合する突出した複数の凸部、又は前記固定部材の前記複数の凸部と係合する窪んだ複数の凹部が形成されていると共に、前記固定部材の前記雄側螺合部と螺合する雌側螺合部が形成されている
ことを特徴とする背板固定構造体。 - 前記第1の孔部及び前記第2の孔部は、前記溝の延在方向に沿って複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の背板固定構造体。
- 前記第1の孔部に設けられて前記固定部材が挿通される筒状部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の背板固定構造体。
- 前記固定部材は、前記筒状部材に挿通される部位の外周面に凹部又は凸部を有し、
前記筒状部材は、内周面に前記固定部材の外周面と係合する凸部又は凹部を有することを特徴とする請求項3に記載の背板固定構造体。
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JP2017074207A JP6416306B1 (ja) | 2017-04-04 | 2017-04-04 | 背板固定構造体 |
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JPS631439U (ja) * | 1986-06-20 | 1988-01-07 | ||
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JP3778711B2 (ja) * | 1998-11-11 | 2006-05-24 | 大建工業株式会社 | 組立式箱形家具 |
DE19962167A1 (de) * | 1999-12-22 | 2001-06-28 | Ikea Internat A S Humlebaek | Verbindung zwischen zwei Konstruktionsteilen, insbesondere Möbelteilen |
-
2017
- 2017-04-04 JP JP2017074207A patent/JP6416306B1/ja active Active
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