JP6413973B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CZ法(チョクラルスキー法)によるシリコン単結晶の製造方法に関する。
従来、シリコン単結晶は、主にCZ法によって引き上げられて製造されている。この方法は、一般に、黒鉛ルツボの内側に配置された石英ルツボ内にシリコン多結晶原料を入れ、黒鉛製ヒーターによって加熱して溶融し、その融液に上軸ワイヤーの下端に取り付けられた種結晶を浸漬し、上軸を回転させながら、低速で引き上げることで、シリコン単結晶を成長している。
一般に石英ルツボと黒鉛ルツボとの間には、黒鉛ルツボのSiC化を防止し、黒鉛ルツボのライフを向上させる為に黒鉛シートを敷設することがあり、例えば、特許文献1には、短冊型の黒鉛シートを黒鉛ルツボの分割面の全面に沿って敷設することが開示されている。また、特許文献2には、花弁形状の黒鉛シートを敷設し、黒鉛ルツボ底部の曲面部をほぼ全面的に覆い、SiC化を防止することが記載されている。これらの技術は、黒鉛シートを黒鉛ルツボに敷設し、黒鉛ルツボ底部内面のSiC化を防止することで、黒鉛ルツボ分割面での減耗を防止し、黒鉛ルツボのライフを向上させることが目的である。
そして、黒鉛シートのメーカーは、黒鉛ルツボ底部内面の全面を覆うことができる全面型の黒鉛シートが、黒鉛ルツボ底部全面のSiC化を抑制できるため、ライフアップの効果が高いと推奨している。しかし、全面型の黒鉛シートは単価が高く、単結晶引上げ時に毎バッチ使用すると、黒鉛ルツボの単価よりも黒鉛シート代金が高くなってしまうため、単価の安い短冊状の黒鉛シート片を使用することが一般的である。また、短冊状の黒鉛シート片を使用する場合は、減耗量が多い黒鉛ルツボの分割面に沿って敷設することが一般的である。
また、近年、デバイスの高集積度化が進み、デバイス製造工程では微細な塵埃が回路の短絡、欠損を引き起こすため、クリーン度100以上の清浄度の高いクリーンルームで処理がなされている。ここで、クリーン度とは、空気1立方フィート(1cf)に含まれる粒径0.5μm以上の塵埃(粒子個数)がいくつあるかの数字で表すものであり、例えば、クリーン度100は粒径0.5μm以上の塵埃(粒子個数)が、空気1立方フィート当たりに100個の清浄度を意味する。デバイス工程のクリーン度が向上してくると、それに伴ってデバイス作製の基板に使用するシリコン単結晶の製造工程として、汚染防止の為にクリーン度の高い製造工程が要求されるようになった。
こうした要求に応じて、シリコン単結晶の汚染防止対策として、シリコン単結晶の製造に使用する原材料は高純度であると共に、クリーン度の高い工程で使用できるもの(具体的には、塵埃の発生が防止されたもの)が要求されるようになった。こうして、使用する石英ルツボも単に高純度の合成石英粉で製造されているだけでなく、クリーン度の高い工程で製造され、塵埃の発生が防止されたものを使用するようになった。
石英ルツボは一般的にはクリーン度10000のクリーンルームで、回転式の成形型の中に石英粉を所定厚さに堆積させ、内側からアーク放電で溶融しながら成形されていく。このような製法により、石英ルツボの内面は石英粉が完全に溶融して、全体が均一なガラス状となる。このとき、石英ルツボの外面は石英粉が溶けずにそのまま熱で焼結した状態であり、面状態が粗く、石英粉が剥がれ落ちやすい状態になっている。
これに対し、クリーン度1000のクリーンルームで石英ルツボを製造する場合は、外面の石英粉が剥がれ落ちやすい状態を改善する為に外表面の研磨、洗浄等により外面の面粗さを小さくし、石英粉がほとんど剥がれ落ちないようにしている。
特開2008−254978号公報 特開2005−281029号公報
特に、上記のような外表面の面粗さが小さい石英ルツボを使用し、シリコン単結晶を製造する場合、シリコン原料溶融後に石英ルツボが軟化し、黒鉛ルツボの内周面に密着した際、黒鉛ルツボの分割面より離れた箇所では気密に圧着したような状態となる。そして、この圧着部分で黒鉛と石英の下記式のような反応で発生するCOガスが閉じ込められる。
(石英と黒鉛の反応式) SiO+C → SiO+CO
このようにして発生したガスが、図6に示すように、黒鉛ルツボ103aと石英ルツボ103bの圧着部分で、軟化している石英ルツボ103bをシリコン融液107側に膨張させてしまうという現象が発生するようになった。
この現象がシリコン単結晶の製造中に発生すると、図7のように単結晶の引上げ中や引上げ後の残湯の融液面に石英ルツボの膨張部分が突出し、その後の単結晶成長が出来なくなり、単結晶の製造を中断しなければならない。特に、1つの石英ルツボから複数本の単結晶を引き上げるマルチプーリングの場合、単結晶の引上げ本数が少なくなり、コストアップになる。また、石英ルツボに残った融液量が多い状態でシリコン単結晶の製造を中断した場合、多量のシリコン融液が固化する際の体積膨張で石英ルツボが膨張して、黒鉛ルツボが破損し、大きな損害が出ることになる。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、シリコン単結晶の製造中の、石英ルツボ内面の膨らみの発生を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数に分割された黒鉛ルツボの内側に石英ルツボを配置し、該石英ルツボにシリコン多結晶原料を収容し、該シリコン多結晶原料をヒーターで加熱してシリコン融液とし、該シリコン融液にシリコン種結晶を着液して回転させながら引き上げることにより、シリコン単結晶を引き上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、前記黒鉛ルツボと前記石英ルツボとの間に、少なくとも、前記黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する黒鉛シート片を配置して、前記黒鉛ルツボ、前記石英ルツボ、及び前記黒鉛シート片から区画される、少なくとも、前記黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する隙間を形成することで、該隙間から前記分割面に、前記石英ルツボと前記黒鉛ルツボとの間に生じるガスを誘導し気抜き可能とすることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
本発明のように黒鉛シート片を配置し、少なくとも、黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する隙間を形成することで、石英ルツボと黒鉛ルツボとの間に発生するガスを気抜きすることができるため、石英ルツボの底における膨らみの発生を抑制することができる。
このとき、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、前記黒鉛シート片として、厚み0.4mm以上1mm以下、幅30mm以上150mm以下のものを用いることが好ましい。
このように、黒鉛シート片の厚みを0.4mm以上とすることで、石英ルツボ外面と黒鉛ルツボ内面の密着箇所において発生するCOガスを分割面まで十分に誘導できる隙間を確実に形成することができる。また、黒鉛シート片の厚みを1mm以下とすることで、黒鉛シートの可撓性が高まり、黒鉛ルツボ内に該シートを設置する際に該シートがルツボ内面形状に沿って密着しやすくなる。黒鉛シート片の幅を30mm以上とすることで、石英ルツボ底の膨れが発生しやすい箇所をカバーしやすくなる。さらに、黒鉛シート片の幅を150mm以下とすることで、必要以上に幅が広くなり、黒鉛シートの使用コストがアップすることを抑制できる。
またこのとき、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、前記黒鉛シート片を前記黒鉛ルツボと前記石英ルツボとの間に配置する際に、前記黒鉛ルツボの内側に配置された前記石英ルツボが前記シリコン融液を収容した場合に前記石英ルツボの膨らみが発生する部分と相対する位置に、前記黒鉛シート片の端部を位置させることが好ましい。
このように黒鉛シート片を配置して、シリコン融液を収容時に石英ルツボの膨らみが発生しやすい部分に、予め隙間を形成しておくことで、膨らみの発生をより確実に抑制できる。
このとき、前記石英ルツボとして、外周面を研磨によって平滑化されたものを用いることができる。
特に、外周面を平滑化された石英ルツボを用いる場合に、膨らみが発生し易いため、本発明のシリコン単結晶の製造方法を適用し、膨らみの発生を抑制することが好適である。また、外周面を平滑化された石英ルツボを用いれば、石英粉の剥がれ落ちが少ないため、引上げ炉内が汚染され難い。
本発明のシリコン単結晶の製造方法であれば、シリコン単結晶の製造中の、石英ルツボ内面の膨らみの発生を抑制することができる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法の一例を示したフロー図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法に使用できるシリコン単結晶製造装置の概略を示す側方断面図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法における、黒鉛シート片の配置例を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法における、黒鉛ルツボの外観を示す概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法における、黒鉛シート片の別の配置例を示す概略図である。 石英ルツボに膨らみが発生した際のルツボの側方断面図である。 石英ルツボの膨らみがシリコン融液面から突出した場合を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記のように、シリコン単結晶の製造時に、原料融液を収容した石英ルツボに膨らみが発生してしまい、石英ルツボの膨張部分が融液面から突出してしまうことで、シリコン単結晶の引上げを続行することができなくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明者等はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、石英ルツボと黒鉛ルツボの間に、少なくとも、黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する黒鉛シート片を配置することで隙間を形成し、該隙間から分割面に、石英ルツボと黒鉛ルツボとの間に生じるガスを誘導し気抜きすれば、ガスの発生による石英ルツボの膨張を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
図1に示すように、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、主に、複数に分割された黒鉛ルツボの内側に黒鉛シート片を挟んで石英ルツボを配置する工程(図1のS101)、石英ルツボにシリコン多結晶原料を収容する工程(図1のS102)、シリコン多結晶原料をヒーターで加熱してシリコン融液を作製する工程(図1のS103)、シリコン融液にシリコン種結晶を着液して回転させながら引き上げることにより、シリコン単結晶を引き上げる工程(図1のS104)を有する。
このような本発明のシリコン単結晶の製造方法には、図2のようなシリコン単結晶製造装置を使用することができる。図2に示すように、シリコン単結晶製造装置1は、中空のチャンバ2で外観を構成し、チャンバ2はメインチャンバ2aと、メインチャンバ2aに連接固定されたプルチャンバ2bとから構成される。
チャンバ2の中心部にはルツボ3が配設される。このルツボ3は二重構造であり、複数に分割された黒鉛ルツボ3aの内側に石英ルツボ3bが配置されている。また、ルツボ3の下方には、ルツボ3を支持し、回転させるためのペディスタル6が設けられている。尚、このペディスタル6をシリコン単結晶の引上げ中に昇降させることで、ルツボ3を昇降させることができる。
二重構造からなるルツボ3の外側には黒鉛製のヒーター4が配設され、ヒーター4の外側周辺には断熱材のシールド5が同心円状に配設される。ヒーター4は、石英ルツボ3bに収容されたシリコン多結晶原料を加熱して溶融し、シリコン融液7とする。また、メインチャンバ2aの天井部から、シリコン単結晶を導通するための開口部を有する整流筒13が下方に延設されている。
上記のように、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、まず、複数に分割された黒鉛ルツボの内側に石英ルツボを配置する工程を行う(図1のS101)。即ち、図2に示したシリコン単結晶製造装置1のルツボ3のように複数に分割された黒鉛ルツボ3aの内側に石英ルツボ3bを配置する。
この際に本発明では、黒鉛ルツボと石英ルツボとの間に、図3に示すように、少なくとも、黒鉛ルツボ3aの内周の湾曲部から分割面8に達する黒鉛シート片9を配置する。なお、図4に示すように、ここでいう黒鉛ルツボ3aの湾曲部11とは、黒鉛ルツボの直胴部10と底部14との間に位置する湾曲した部分のことを言う。また、「少なくとも、黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する黒鉛シート片」とは、黒鉛シート片9の一部が、黒鉛ルツボ3aの内面の湾曲部11上、及び分割面8上に位置することで、隙間が湾曲部から分割面に通じ、気抜きができるように配置されたものであればよいことを意味する。よって、例えば、黒鉛シート片9の一端が湾曲部11上、他端が分割面8上に位置する態様などに限定されることは無い。例えば、図3、4に示すように、黒鉛ルツボ3aの内周の一方の湾曲部から分割面8を通って他方の湾曲部に達するように黒鉛シート片9を配置してもよい。
上記のように黒鉛シート片9を配置することにより、黒鉛ルツボ3aの内側に石英ルツボ3bを配置した際に、黒鉛ルツボ3a、石英ルツボ3b、及び黒鉛シート片9から区画される、少なくとも、黒鉛ルツボ3aの内周の湾曲部11から分割面8に達する隙間が形成される。そして、この隙間から分割面8に、石英ルツボ3bと黒鉛ルツボ3aとの間に生じるガスを誘導し、ルツボ3から気抜きすることができる。
このように黒鉛シート片9を配置することで、たとえ、シリコン多結晶原料の溶融後に石英ルツボ3bが軟化し、黒鉛ルツボ3aの内面に密着してしまっても、黒鉛シート片9の存在により、黒鉛ルツボ3aと石英ルツボ3bとが気密に圧着したような状態となるのを防ぐことができる。また、黒鉛ルツボ3aの内周面と石英ルツボ3bの外周面との密着箇所において発生するCOガスを、黒鉛シート片の厚みで形成される僅かな隙間で分割面8まで誘導して黒鉛ルツボの外側に排出できる。その結果、シリコン単結晶の製造中、シリコン融液面に石英ルツボ3bの膨張部分が突出し、その後の単結晶成長が出来なくなるという現象の発生を抑制でき、長時間の操業が必要となる複数の単結晶を製造するマルチプーリングにおいて予定した引上げ本数が少なくなったり、融液量が多い状態で単結晶の引き上げを中断し、黒鉛ルツボが破損したりするなどのコストアップや損害の発生を防止できる。
尚、黒鉛シート片としては、酸処理した天然黒鉛を高温膨張処理させた後、圧縮加工して、例えば短冊形のシート片にしたものを用いることができる。このような黒鉛シート片は、高い耐熱性、可撓性を有する。また、ハロゲンガスで高純度処理したものは、高純度黒鉛と同等の純度となる。
また、本発明のシリコン単結晶の製造方法では、黒鉛シート片9を黒鉛ルツボ3aと石英ルツボ3bとの間に配置する際に、黒鉛ルツボ3aの内側に配置された石英ルツボ3bがシリコン融液7を収容した場合に石英ルツボ3bの膨らみが発生する部分と相対する位置に、黒鉛シート片9の端部を位置させることが好ましい。これは、例えば、図3に示すように、黒鉛ルツボ3aにおける石英ルツボ3bの膨れ発生位置に相対する位置12に、黒鉛シート片9の端部を位置させればよい。
このように、予め、膨らみが発生し易い部分に相対する位置に黒鉛シート片9の端部を位置させれば、膨らみが発生し易い部分において発生するCOガスを隙間により確実に分割面に誘導し気抜きできる。そのため、より確実に膨らみの発生を抑制できる。
また、石英ルツボ3bがシリコン融液7を収容した場合に石英ルツボ3bの膨らみが発生する部分は、予め、他の単結晶の製造時において膨らみが発生した石英ルツボにおいて、膨らみが発生した部分の位置を調べておくことで求めることができる。
また、図5に示すように、膨れ発生位置に相対する位置12の数に合わせて、黒鉛シート片9の端部を枝分かれさせて、より大きな面積に渡って膨れ発生位置に相対する位置12に黒鉛シート片9の端部が位置するように黒鉛シート片の形状を調整しても良い。図5では、端部がY字形状となっている黒鉛シート片9を図示している。
また本発明のシリコン単結晶の製造方法では、黒鉛シート片9として、厚み0.4mm以上1mm以下、幅30mm以上150mm以下のものを用いることができる。黒鉛ルツボ3aの内面に配置する黒鉛シート片9の厚みを0.4mm以上とすることで、石英ルツボ3bの外面と黒鉛ルツボ3aの内面の密着箇所において発生するCOガスを分割面8まで十分に排出できる隙間をより確実に形成できる。また、黒鉛シート片9の厚みを1mm以下とすることで、黒鉛シート片9の可撓性が高まり、黒鉛ルツボ3a内に黒鉛シート片9を配置する際に、黒鉛シート片9が黒鉛ルツボ3aの内面形状に沿って密着しやすくなる。そして、黒鉛シート片9の幅を30mm以上とすることで、石英ルツボ3bの膨らみが発生し易い箇所をカバーしやすくなる。さらに、黒鉛シート片9の幅を150mm以下とすることで、必要以上に幅が広くなり、黒鉛シート片9の使用コストがアップするのを抑止できる。
また、石英ルツボとして、外周面を研磨によって平滑化されたものを用いることができる。外周面を平滑化された石英ルツボにおいて、膨らみが特に発生し易いため、本発明のシリコン単結晶の製造方法を適用し、膨らみの発生を抑制することが好適である。また、外周面を平滑化された石英ルツボを用いれば、石英粉の剥がれ落ちが少ないため、引上げ炉内が汚染され難い。
黒鉛ルツボ3aの内側に石英ルツボ3bを配置する工程(図1のS101)の完了後、シリコン単結晶製造装置1において、石英ルツボ3bにシリコン多結晶原料を収容する工程(図1のS102)を実施する。
続いて、シリコン多結晶原料をヒーター4で加熱してシリコン融液7を作製する工程(図1のS103)を行う。
続いて、シリコン融液7にシリコン種結晶を着液して回転させながら引き上げることにより、シリコン単結晶を引き上げる工程(図1のS104)を行う。
以上のようにして、本発明のシリコン単結晶の製造方法によりシリコン単結晶を製造できる。また、単結晶の引上げ後、石英ルツボ3b内に追加のシリコン多結晶原料を充填し、1つのルツボから複数本の単結晶を引き上げるマルチプーリングを行っても良い。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示す本発明のシリコン単結晶の製造方法に従い、図2に示すシリコン単結晶製造装置1において、シリコン単結晶を製造した。
黒鉛ルツボとしては、2分割されたものを用いた。石英ルツボとしては、研磨により外表面の面粗さを小さくした、クリーン度1000のクリーンルームで製造した合成石英ルツボを用いた。そして、2分割の黒鉛ルツボの内周面において、図3、図4に示したように、黒鉛ルツボの分割面と直交する方向で、後述する比較例において石英ルツボの内面が膨らんで盛り上がってしまった部分に相対する湾曲部の位置に黒鉛シート片の端部が位置し、かつ、分割面上に黒鉛シート片の中央部が位置するように、厚さ0.4mm、幅80mmの黒鉛シート片を敷設した。
続いて、黒鉛シート片が敷設された黒鉛ルツボ内に、直径22インチ(約550mm)の石英ルツボを載置し、該石英ルツボ内に100kgのシリコン多結晶を充填した。その後、チャンバ内を密封し、真空置換後にアルゴンガスを流しながら、黒鉛ヒーターに通電して加熱し、シリコン多結晶原料を溶融し、シリコン融液とした。
次に、上軸ワイヤーに取り付けた種結晶をシリコン融液の融液面に浸し、回転させながら引き上げて、70kgのシリコン単結晶を育成してチャンバ内より取り出した。その後、石英ルツボ内の30kgの残湯にシリコン多結晶原料を追加充填し、2本目の単結晶を育成し、さらに同様の原料の追加充填と単結晶の育成を繰り返し、3本の単結晶を育成した。
予定した3本引きの単結晶育成の終了後、ヒーター通電を切電後、炉内が低温になるまで放置冷却し、解体して黒鉛ルツボ内の石英ルツボを確認したところ、石英ルツボの底部が融液側に膨れて盛り上がっていることは確認されなかった。
以上のような単結晶の製造を、10個の石英ルツボを使用し、各石英ルツボで上記同様に黒鉛シート片を配置して3本ずつの単結晶製造を行い、計30本の単結晶を製造したが、石英ルツボの底膨れは一度も発生しなかった。
(比較例)
図2に示すシリコン単結晶引上装置において、従来のように2分割の黒鉛ルツボの分割面に沿って黒鉛シートを敷設し、実施例と同様の合成石英ルツボを黒鉛シートが敷かれた黒鉛ルツボ上に配置し、単結晶の製造を行った。
続いて、実施例と同様に、黒鉛ルツボ内に載置された直径22インチ(約550mm)の石英ルツボに100kgのシリコン多結晶原料を充填し、チャンバ内を密封し、真空置換後にアルゴンガスを流しながら、黒鉛ヒーターに通電して加熱し、シリコン多結晶原料を溶融した。原料溶融後に上軸ワイヤーに取り付けた種結晶を融液面に浸し、回転させながら引き上げ、70kgのシリコン単結晶を育成してチャンバ内から取り出した。
その後、30kgの残湯にシリコン多結晶原料を追加充填し、2本目の単結晶を育成しようとしたところ、図7に示すように、シリコン多結晶原料の追加前に融液面から石英ルツボの底部の膨らみが突出していることが確認された。
これにより、その後の単結晶の育成ができなくなり、シリコン単結晶の製造を中断した。ヒーターへの通電を切断した後に、炉内が低温になるまで放置冷却し、解体して黒鉛ルツボ内の石英ルツボを確認したところ、黒鉛ルツボの湾曲部の小R部分に相対する位置で、石英ルツボがシリコン融液側に膨れて盛り上がっていることが確認された。
また、比較例において、10個の石英ルツボを使用し、各石英ルツボで3本ずつの単結晶製造を行ったところ、3本目の引上げ開始前に湯面から膨らみが突出して2本引きで終了したケースと2本目の引上げ中に湯面から膨らみが突出して単結晶の引上げを中断したケースも発生した。シリコン単結晶の育成途中で引上げを中断したバッチでは、融液量が多い状態で切電せざるを得なかったため、シリコン融液の固化膨張により石英ルツボが膨張し、黒鉛ルツボが破損してしまった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…シリコン単結晶製造装置、 2…チャンバ、 2a…メインチャンバ、
2b…プルチャンバ、 3…ルツボ、 3a…黒鉛ルツボ、 3b…石英ルツボ、
4…ヒーター、 5…シールド、 6…ペディスタル、
7…シリコン融液、 8…分割面、 9…黒鉛シート片、 10…直胴部、
11…湾曲部、 12…膨れ発生位置に相対する位置、 13…整流筒、
14…底部。

Claims (4)

  1. 複数に分割された黒鉛ルツボの内側に石英ルツボを配置し、該石英ルツボにシリコン多結晶原料を収容し、該シリコン多結晶原料をヒーターで加熱してシリコン融液とし、該シリコン融液にシリコン種結晶を着液して回転させながら引き上げることにより、シリコン単結晶を引き上げるチョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造方法であって、
    前記黒鉛ルツボと前記石英ルツボとの間に、少なくとも、前記黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する黒鉛シート片を配置して、前記黒鉛ルツボ、前記石英ルツボ、及び前記黒鉛シート片から区画される、少なくとも、前記黒鉛ルツボの内周の湾曲部から分割面に達する隙間を形成することで、
    該隙間から前記分割面に、前記石英ルツボと前記黒鉛ルツボとの間に生じるガスを誘導し気抜き可能とすることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記黒鉛シート片として、厚み0.4mm以上1mm以下、幅30mm以上150mm以下のものを用いることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記黒鉛シート片を前記黒鉛ルツボと前記石英ルツボとの間に配置する際に、前記黒鉛ルツボの内側に配置された前記石英ルツボが前記シリコン融液を収容した場合に前記石英ルツボの膨らみが発生する部分と相対する位置に、前記黒鉛シート片の端部を位置させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記石英ルツボとして、外周面を研磨によって平滑化されたものを用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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