JP2015218087A - 単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底部、湾曲部、及び直胴部とからなり、内部に保持したシリコン融液から単結晶シリコンを引き上げるための石英ガラスるつぼ11であって、気泡を含有する不透明石英ガラスからなる外層13と、実質的に気泡を含有しない透明石英ガラスからなる内層12とを有し、前記直胴部の内表面の一部に、上下方向を長手方向とした溝21が形成されており、かつ、溝21は、るつぼ11が前記シリコン融液を保持する際に、溝21が前記シリコン融液の初期状態における融液面と接するように形成されており、前記底部及び前記湾曲部には溝21が形成されていない単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ11。
【選択図】図1
Description
に適用可能である。
図1及び図2に示した単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ11を、以下の工程を経て作製した。まず、粒径50〜500μmの天然石英粉を回転する内径570mmのモールド内に供給し、外層となる厚さ25mmの粉体層からなる成型体を成型した。次に、アーク放電により該成型体の内部から加熱溶融すると同時に、その高温雰囲気中に合成石英ガラス粉を100g/minの割合で供給し、泡の無い透明ガラス層(内層)を全内面領域にわたり、1〜3mmの厚さで形成した。溶融が終了した後、冷却して直径555〜560mmの石英ガラスるつぼを得た。この石英ガラスるつぼについて、高さH(底部の外表面の中心点から、直胴部の上端までの高さ)が370mmとなるよう上端部をカットし、石英ガラスるつぼを作製した。次に、この石英ガラスるつぼに対して、直胴部内面において、石英粉ブラスト処理で長さ74mm、深さ0.1mmの溝21を4本形成した石英ガラスるつぼ11を作製した。溝形成位置は高さHに対して、0.6×Hから0.8×Hの範囲とした。溝形成処理は、上端部が下になるように石英ガラスるつぼをひっくり返した状態で内壁面に対して行った。ブラスト材として使用した高純度天然石英粉について粒度分布を測定したところ粒径106μm〜355μmの占める割合は87重量%であった。
実施例1と比べて溝21の本数を8本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動は生じなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例1と比べて溝21の深さを0.5mmに、溝21の本数を8本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動は生じなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例1と比べて溝21の深さを0.7mmに、溝21の本数を8本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動は生じなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例4と比べて、溝21の下端を高さ0.2×Hに変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。これにより、溝21が直胴部の下端近く、すなわち湾曲部との境界付近にまで形成された。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動の発生はなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。ただし、製造した単結晶の歩留まりがやや低下した。これは、溝21を直胴部の下端近くにまで形成したため、直胴部の下端近くにおいて、長時間シリコン融液31と接触することによる侵蝕が進んだためと考えられる。
実施例1と比べて溝21の深さを1.0mmに変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動は生じなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例1と比べて溝21の深さを1.0mmに、溝21の本数を12本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動は生じなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例1と比べて溝21の深さを1.0mmに、溝21の本数を2本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動が発生したが、振動は若干見られた程度で、操業に影響がないレベルであった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。また、製造した単結晶の歩留まりも良好であった。
実施例1と比べて溝21の深さを1.2mmに、溝21の本数を8本に変更した石英ガラスるつぼ11を作製した。この石英ガラスるつぼ11を用いて、実施例1と同様にシリコン融液31から単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動の発生はなかった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。ただし、製造した単結晶の歩留まりがやや低下した。これは、溝21を深く形成したため、シリコン融液31による侵蝕が進んだためと考えられる。
単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼを、以下の工程を経て作製した。まず、粒径50〜500μmの天然石英粉を回転する内径570mmのモールド内に供給し、厚さ25mmの粉体層からなる成型体を成型した。次に、アーク放電により該成型体の内部から加熱溶融すると同時に、その高温雰囲気中に合成石英ガラス粉を100g/minの割合で供給し、泡の無い透明ガラス層を全内面領域にわたり、1〜3mmの厚さで形成した。溶融が終了した後、冷却して直径555〜560mmの石英ガラスるつぼを得た。この石英ガラスるつぼについて、高さが370mmとなるよう上端部をカットし、石英ガラスるつぼを作製した。この石英ガラスるつぼには、実施例1〜9のような溝を形成しなかった。
実施例4と比べて、溝の長さをるつぼ底部の中心まで形成するように変更した石英ガラスるつぼを作製した。すなわち、溝を直胴部だけでなく、湾曲部及び底部に形成した。この石英ガラスるつぼを用いて単結晶シリコンの引き上げを行ったところ、液面振動の発生はなかった。なお、シリコン融液の初期状態における融液面の高さは約260mmであった。2回目及び3回目の引き上げでも液面振動の傾向は同様であった。ただし、製造した単結晶の歩留まりが、大幅に低下した。これは、溝を湾曲部及び底部にも形成したため、長時間のシリコン融液31との接触により侵蝕が大幅に進んだためと考えられる。
21…溝、 22…粗面、 31…シリコン融液、 32…融液面。
Claims (8)
- 底部、湾曲部、及び直胴部とからなり、内部に保持したシリコン融液から単結晶シリコンを引き上げるための石英ガラスるつぼであって、
気泡を含有する不透明石英ガラスからなる外層と、実質的に気泡を含有しない透明石英ガラスからなる内層とを有し、
前記直胴部の内表面の一部に、上下方向を長手方向とした溝が形成されており、かつ、該溝は、前記るつぼが前記シリコン融液を保持する際に、該溝が前記シリコン融液の初期状態における融液面と接するように形成されており、前記底部及び前記湾曲部には前記溝が形成されていないことを特徴とする単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。 - 前記底部の外表面の中心点から、前記直胴部の上端までの高さをHとしたときに、0.5×H〜0.9×Hの高さの範囲内に前記溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記溝の深さが、前記るつぼの内表面から0.1mm〜1.0mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記溝の横幅が、0.1mm〜5.0mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記溝が、前記直胴部の内表面に4本以上形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記溝と溝の間の領域が粗面となっていることを特徴とする請求項5に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記溝及び/又は前記粗面が、石英粉を用いたブラスト処理により形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
- 前記ブラスト処理が乾式又は湿式であることを特徴とする請求項7に記載の単結晶シリコン引き上げ用石英ガラスるつぼ。
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