JP6413363B2 - 物流管理システム及び物流管理方法 - Google Patents

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本発明は、アンテナと物品識別用タグを備えた物流管理システムと、その物流管理方法に関するものである。
300MHz以上の周波数の電波の送受信によって識別情報が読み取り可能な非接触型情報記録媒体は、離れたところからも情報を読み取ることができるため、近年、物流業界にも適用されてきている。特に、UHF帯波を使用したUHF帯対応RFID(無線周波数ID:Radio Frequency IDentification)システムを用いている。
このRFIDシステムによって、例えば、ゲートにアンテナ等の読み取り装置を設け、ICタグが配された識別対象物がゲートを通過する際に識別情報を読み取ることにより、様々な入出荷役品の管理や在庫管理等に利用されている。
例えば、特許文献1に、倉庫等における物品の管理を、容易且つ確実に、また、リアルタイムで行うことが可能な物流管理システムが記載されている。
特許文献1に記載されている物流管理システムでは、リーダライタのアンテナを倉庫内の壁等の必要に応じた適切な位置に設置するとともに、物品識別用タグを物品に取り付けて、物品の管理を行っている。
特開2001−31218号公報 特開2008−147752号公報
しかし、電波方式のRFIDシステムでは、特許文献2のように、電波が物品の運搬装置等の金属面で反射すると電波の伝達方向が変わる。そのため、電波が意図しない方向に伝達することで、読んではいけない領域に置いた物品の物品識別用タグを読んでしまう問題が発生する。
例えば、工場内の物流管理システムにおいて、物品を搬送してその物品識別用タグを読取る搬送路を設け、その搬送路から外れた領域に、一度物品識別用タグを読取った検査済みの物品を積んでおく運用が成されている。
この場合に、リーダライタのアンテナから、物品識別用タグを読取るためのRFID探索電波を送信するが、そのRFID探索電波が、フォークリフト等の運搬装置の金属面で反射して、検査済みの物品を積んだ領域に達して、その物品の物品識別用タグを読んでしまうという問題が発生し得た。
とりわけ、電波が金属面で反射して達した領域に存在する物品識別用タグと、正常に電波が達した領域の物品の物品識別用タグとを識別できない事が大きな問題点であった。
また、物品の運搬装置の金属面の凹凸が原因して、RFID探索電波の予想もしない反
射波が干渉を起こすことがある。それにより、想定された読取り領域から外れた飛び地的な領域に詰まれた検査済み物品の位置に達して、その位置の物品識別用タグを読取ってしまう不具合が発生する問題も発生する。
そのように電波が金属面で反射して想定外の領域に配置した物品の物品識別用タグを読んでしまう事象が発生することが発生し易いため、その事象の対策を行う運用設計がとても難しいという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、本発明の課題は、物流管理システムを構成する際に、容易に規定範囲内の物品の物品識別用タグのみを読取ることが可能な物流管理システムを得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、物品識別用タグを設置した物品を運搬装置によって物品搬送方向に搬送する規定範囲内の物品の前記物品識別用タグを読取り前記物品を管理する物流管理システムであって、特定の方向へ選択的にRFID探索電波Wを送信可能であるとともに、その特定の方向から選択的にRFIDからの応答電波を受信可能という指向性のあるアンテナに接続されたRFID検出手段を備え、前記アンテナの正常な読取範囲外の領域に設置した規定範囲外判定タグを備え、前記RFID検出手段とRFID読取範囲判定システムを制御するコントローラ部を備え、前記RFID検出手段が、前記アンテナからRFID探索電波を送信して前記物品識別用タグからの応答電波を受信して前記物品識別用タグの情報を読み取り、前記RFID読取範囲判定システムが、前記物品識別用タグからの応答電波と前記規定範囲外判定タグからの応答電波とを検出した場合に前記物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する処理を行い、搬送経路の境界部分に電波吸収体を設置したことを特徴とする物流管理システムである。
本発明は、この構成により、大規模な設備を設けなくても物品の検出領域の範囲を容易に区別でき、RFID探索電波の伝達経路が異常な状態にある場合を低コストの設備で検出することができる効果がある。
また、本発明は、物品識別用タグを設置した物品を運搬装置によって物品搬送方向に搬送する規定範囲内の物品の前記物品識別用タグを読取り前記物品を管理する物流管理方法であって、特定の方向へ選択的にRFID探索電波Wを送信可能であるとともに、その特定の方向から選択的にRFIDからの応答電波を受信可能という指向性のあるアンテナに接続されたRFID検出手段を備え、前記アンテナの正常な読取範囲外の領域に規定範囲外判定タグを設置し、コントローラ部が前記RFID検出手段とRFID読取範囲判定システムを制御し、前記RFID検出手段が、前記アンテナからRFID探索電波を送信して前記物品識別用タグからの応答電波を受信して前記物品識別用タグの情報を読み取り、前記RFID読取範囲判定システムが、前記物品識別用タグからの応答電波と前記規定範囲外判定タグからの応答電波とを検出した場合に前記物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する処理を行い、搬送経路の境界部分に電波吸収体を設置したことを特徴とする物流管理方法である。
また、本発明は、物品識別用タグを設置した物品を運搬装置によって物品搬送方向に搬送する規定範囲内の物品の前記物品識別用タグを読取り前記物品を管理する物流管理方法であって、
アンテナに接続されたRFID検出手段を備え、
前記アンテナの正常な読取範囲外の領域に規定範囲外判定タグを設置し、
コントローラ部が前記RFID検出手段とRFID読取範囲判定システムを制御し、
前記RFID検出手段が、前記アンテナからRFID探索電波を送信して前記物品識別用タグからの応答電波を受信して前記物品識別用タグの情報を読み取り、
前記RFID読取範囲判定システムが、前記物品識別用タグからの応答電波と前記規定範囲外判定タグからの応答電波とを検出した場合に前記物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する処理を行うことを特徴とする物流管理方法である。
また、本発明は、上記の物流管理方法であって、前記RFID検出手段が、前記アンテナから前記RFID探索電波を送信し、該RFID探索電波に応答した前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの応答電波を受信し、前記コントローラ部がRFID分類手段を用いて、該応答電波の信号から前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの情報を区別して取得し、電波規定範囲外伝達判定手段を用いて、前記各タグから取得した情報に基づき、前記アンテナから前記規定範囲外判定タグの応答を受信した場合に、該アンテナが受信した物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する動作をすることを特徴とする物流管理方法である。
本発明によれば、アンテナが送信するRFID探索電波の伝達する規定範囲を外れた外の領域に規定範囲外判定タグを配置し、その規定範囲外判定タグからの応答電波をアンテナで受信して、アンテナが送信したRFID探索電波が規定範囲の外に達する異常な状態を検出することにより、規定範囲内の物品を規定範囲外の物品と区別できる。それにより、物流管理において、物品の誤検出を容易に避けることができる効果がある。
それにより、大規模な設備を設けなくても、物品の検出領域の範囲を容易に区別できるようになり、RFID読取範囲判定システムのコストを低減できる効果がある。
本発明の第1の実施形態のRFID読取範囲判定システムを備えた物流管理システムの概略構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態のRFID読取範囲判定システムの規定範囲外判定タグの配置位置の概略構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態のRFID読取範囲判定システムが用いるRFIDの回路構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のRFID読取範囲判定システムが行う動作を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1と図2を用いて、本実施形態のRFID読取範囲判定システム1を備えた物流管理システムの構成を説明する。図1は、物流管理システムにおける本実施形態のRFID読取範囲判定システム1の概略構成を示す平面図である。図2(a)は、1つの運搬装置4の物品2と指向性のあるアンテナ6との関係をあらわす平面図であり、図2(b)は、その側面図である。
なお、本実施形態は、ダイポールアンテナ等のような指向性の無いアンテナ6を用いる場合にも適用可能である。
(RFID読取範囲判定システムの構成)
図1に示すように、例えば、コンテナ等の物品2を搬送する倉庫内の物流管理システムにおいて、複数のアンテナ6を備えたRFID読取範囲判定システム1を構成する。
物流管理システムでは、コンテナ等の物品2にRFIDで構成した物品識別用タグ5を
取り付け、その物品識別用タグ5にRFID探索電波Wを放射する。
次に、そのRFID探索電波Wに対して物品識別用タグ5が応答して応答電波によって発信する情報をRFID読取範囲判定システム1のアンテナ6で読取り、コントローラ部10で物品識別用タグ5を識別して物品2を管理する。
すなわち、図2のように、倉庫内でコンテナから成る物品2に物品識別用タグ5を取り付けて、倉庫内で図1のように、その物品2をフォークリフト等の運搬装置4を用いて物品搬送方向Dに移動させて搬送する。物品2は、その物品搬送方向Dに沿った二本の点線間の規定範囲内の搬送経路を搬送する。
なお、物品識別用タグ5は、物品2の他に、物品2を搬送する台車等の運搬台3に取り付けてもよく、また、規定範囲は二本の線の間の領域に限られず、任意の多角形状の規定範囲を定めることもできる。
ここで、RFID読取範囲判定システム1は、そのアンテナ6がRFID探索電波Wを放射する領域の外側に、すなわち、アンテナ6の正常な読取範囲外の領域に、規定範囲外判定タグ7を設置する。
(アンテナ)
各アンテナ6a、6bは、特定の方向へ選択的にRFID探索電波Wを送信可能であるとともに、その特定の方向から選択的にRFIDからの応答電波を受信可能という指向性のあるアンテナを用いる。
また、これらのアンテナ6には、ダイポールアンテナ等の指向性が無いアンテナ6を用いることも可能である。更に、RFID探索電波Wを送信するアンテナと、RFIDからの応答電波を受信するアンテナを別のアンテナで構成することも可能である。
本実施形態では、アンテナ6を用いて電波を送受信して物品識別用タグ5のRFIDを検出する。すなわち、物品識別用タグ5として、アンテナ6と物品識別用タグ5のRFIDの間で、800MHzのUHF帯以上の周波数の電波を利用する電波式RFIDを用いる。
アンテナ6と物品識別用タグ5のRFIDの間で電波を送受信することで、アンテナ6と物品識別用タグ5との間の距離を数メートル隔てることができる効果がある。
本実施形態では、一例として、図1のように、2つのアンテナ6を用いた場合について説明する。すなわち、第1アンテナ6aと、第2アンテナ6bの2つのアンテナ6から構成したRFID読取範囲判定システム1の場合を説明する。なお、RFID読取範囲判定システム1のアンテナ6の数は、これに限定するものではなく、1つ、又は、3つ以上であってもよい。
各アンテナ6a、6bは、例えば、RFID探索電波Wの送受信方向を、図1の二本の点線間の規定範囲内の領域の搬送経路の物品搬送方向Dに垂直な方向に向ける。そのRFID探索電波Wは、物品搬送方向Dに垂直な方向から約90度の範囲で放射状に広がる範囲に送受信する。
ここで、図2(a)のように、搬送経路の境界部分に電波吸収体8を設置して、RFID探索電波Wを電波吸収体8で吸収させることで、RFID探索電波Wが搬送経路の領域の外側に広がらないようにすることもできる。
以下の説明では、第1アンテナ6aが送信するRFID探索電波Wを「第1アンテナ送信RFID探索電波W」と記載する場合がある。同様に、以下の説明では、第2アンテナ6bが送信するRFID探索電波Wを「第2アンテナ送信RFID探索電波W」と記載する場合がある。
ここで、本実施形態では、上述した第1アンテナ送信RFID探索電波Wと、第2アンテナ送信RFID探索電波Wとして、同じ強度で同じ周波数のRFID探索電波Wを用いる場合を説明する。
一方、その変形例として、第1アンテナ送信RFID探索電波Wと第2アンテナ送信RFID探索電波Wを、強度を異ならせて区別できるようにしてシステムを構成することも可能である。
(物品識別用タグ)
図2のように、物品識別用タグ5を物品2に取り付ける。物品識別用タグ5は、図3のように、RFID用ICチップ20とRFIDアンテナ21から成るRFIDで構成する。
(規定範囲外判定タグ)
図3のように、規定範囲外判定タグ7を、物品識別用タグ5と同様にRFID用ICチップ20とRFIDアンテナ21から成るRFIDで構成する。
図1の平面図のように、各規定範囲外判定タグ7を、アンテナ6によるRFID探索電波Wの放射領域の外側の、読取範囲外の領域に設置する。
各規定範囲外判定タグ7a、7bのRFID用ICチップ20に記憶するデータは、物品識別用タグ5のRFID用ICチップ20に記憶したデータ内容とは明確に異なる内容にする。すなわち、各規定範囲外判定タグ7a、7bのRFID用ICチップ20に記憶するデータを、アンテナ6が本来の読み取り対象としている物品2のデータと、明確に異ならせることで、両者を明確に区別できるようにする。
本実施形態では、図1のように、2つの規定範囲外判定タグ7(7a、7b)を用いる場合について説明するが、規定範囲外判定タグ7の数は、これに限定するものではなく、任意の数の規定範囲外判定タグ7を、アンテナ6のRFID探索電波Wの放射領域の外側に設置して用いることができる。
第1規定範囲外判定タグ7aを、第1アンテナ6a及び第2アンテナ6bが送信するRFID探索電波Wが通常の場合には到達し得ない位置に配置する。
具体的には、第1規定範囲外判定タグ7aは、第1アンテナ6aが放射する第1アンテナ送信RFID探索電波Wの送信方向の背後で、かつ、第2アンテナ6bが放射する第2アンテナ送信RFID探索電波Wの送信範囲から離れた位置に配置する。こうして、第1規定範囲外判定タグ7aは、第1アンテナ送信RFID探索電波Wと、第2アンテナ送信RFID探索電波Wに応答しない位置に配置する。
第2規定範囲外判定タグ7bを、第2アンテナ6bが放射する第2アンテナ送信RFID探索電波Wの送信方向の背後で、かつ、第1アンテナ6aが放射する第1アンテナ送信RFID探索電波Wの送信範囲から離れた位置に配置する。
こうして、第2規定範囲外判定タグ7bを、第1アンテナ送信RFID探索電波Wと、第2アンテナ送信RFID探索電波Wに応答しない位置に配置する。
図2(a)の平面図のように、アンテナ6が送信したRFID探索電波Wが、物品2あるいは運搬装置4で反射されて、アンテナ6の正常な読取範囲外の領域に設置した規定範囲外判定タグ7に達した場合は、規定範囲外判定タグ7がそのRFID探索電波Wを受信してアンテナ6に応答するための応答電波を出力する。その応答電波は最初の電波の伝達経路を逆にたどって、アンテナ6まで戻る。
(RFID読取範囲判定システムの構成)
図1のように、物流管理システムにおけるRFID読取範囲判定システム1を、RFID検出手段9と、コントローラ部10と表示手段11で構成する。RFID検出手段9とコントローラ部10との接続には、有線を用いてもよく、また、無線を用いてもよい。
(リーダライタ)
RFID検出手段9には、互いに独立した複数のポート(入出力端子)を設け、各ポートには、それぞれ、複数のアンテナ6を個別に接続し、各アンテナ6a、6bとRFID検出手段9により、RFIDシステムにおけるリーダライタを構成させる。
本実施形態では、一例として、RFID検出手段9の構成を、独立した2つのポートに2つのアンテナ6a、6bが個別に接続されている場合を説明する。
RFID検出手段9は、コントローラ部10のプログラムで制御されて、各アンテナ6a、6b毎に異なる時間に、RFID探索電波Wを送信する。そして、RFID検出手段9は、そのRFID探索電波Wに応答した物品識別用タグ5及び各規定範囲外判定タグ7a、7bからの応答電波を、それぞれのアンテナ6a、6bから受信する。
RFID検出手段9は、物品識別用タグ5及び各規定範囲外判定タグ7a、7bから受信した応答電波から得たRFIDタグの信号をコントローラ部10へ伝達する。
(コントローラ部)
コントローラ部10は、パーソナルコンピュータ等の計算制御手段で構成し、RFID分類手段12と、電波規定範囲外伝達判定手段13と記憶手段14で構成する。
(RFID分類手段)
コントローラ部10のRFID分類手段12は、その応答電波の信号から、その物品識別用タグ5及び各規定範囲外判定タグ7a、7bのRFID用ICチップ20からの情報を区別して取得し電波規定範囲外伝達判定手段13へ出力する。
(電波規定範囲外伝達判定手段)
コントローラ部10の電波規定範囲外伝達判定手段13は、RFID分類手段12から入力された情報信号に基づき、各アンテナ6a、6bから放射したRFID探索電波Wが、各規定範囲外判定タグ7a、7bまで到達する不具合を判定する。
すなわち、電波規定範囲外伝達判定手段13は、RFID分類手段12から受信した、物品識別用タグ5から受信したか、各規定範囲外判定タグ7a、7bから受信したかが区別された情報に基づき、各アンテナ6a、6bが各規定範囲外判定タグ7a、7bの応答を受信したか否かを判定する。
電波規定範囲外伝達判定手段13は、アンテナ6a又は6bが規定範囲外判定タグ7a
、7bからの応答電波を受信した異常な場合は、物品識別用タグ5から受信した応答電波の誤検出と判定する。そして、RFID探索電波Wが規定された範囲外に到達する異常状態が発生した事を、ディスプレイに警告メッセージを表示したり警告音を発生すること等によって、操作者に通知する。
電波規定範囲外伝達判定手段13は、規定範囲外判定タグ7a、7bからの応答電波が無い場合に物品識別用タグ5から受信した応答電波から取得した物品識別用タグ5のRFID用ICチップ20の情報を記憶手段14に記憶させる。
(変形例1)
変形例1として、RFID読取範囲判定システムを、電波規定範囲外伝達判定手段13の機能を備えたリーダライタ(RFID検出手段9)と、コントローラ部10と表示手段11で構成することもできる。
(RFID読取範囲判定システムの動作)
次に、図1と図2を参照しつつ、図3のフローチャートを用いて、本実施形態のRFID読取範囲判定システム1の動作を説明する。
図1のように、RFID読取範囲判定システム1のコントローラ部10が、入力された動作指令や、制御権限を有する管理者等による外部からの動作指令により動作を開始する。
(ステップS1)
先ず、RFID読取範囲判定システム1のコントローラ部10が、RFID検出手段9を制御して、図2(a)の平面図のようにアンテナ6からRFID探索電波Wを、物品2の物品識別用タグ5に向けて送信する。
(ステップS2)
次に、物品2の物品識別用タグ5及び規定範囲外判定タグ7のRFIDアンテナ21が、アンテナ6からのRFID探索電波Wを受信する。そして、RFID用ICチップ20の制御回路24が、そのRFID探索電波Wの信号を処理した上で、記憶回路25から読み出した物品2の情報を乗せた応答電波を作成してRFIDアンテナ21から送信する。
(ステップS3)
RFID読取範囲判定システム1のアンテナ6が、その物品識別用タグ5及び規定範囲外判定タグ7のRFIDアンテナ21からの応答電波を受信して、その応答電波の信号をRFID検出手段9に信号を出力する。RFID検出手段9は、その信号をコントローラ部10に伝達する。
(ステップS4)
コントローラ部10は、RFID分類手段12が、受信した信号のデータを読み取り、そのデータの持つ情報に従って、物品識別用タグ5からの情報と、各規定範囲外判定タグ7a、7bからの情報とを区別して読取り、その情報を、記憶手段14に記憶する。
(ステップS5)
次に、電波規定範囲外伝達判定手段13が、物品識別用タグ5からの応答電波と規定範囲外判定タグ7a、7bからの応答電波とを一緒に受信したか否かを判定する。
(ステップS6)
物品識別用タグ5からの応答電波を受信した際に、規定範囲外判定タグ7a、7bから
の応答電波を受信していなかった場合は、RFID探索電波Wの伝達状態を正常と判定し、取得した物品識別用タグ5のRFID用ICチップ20が記憶している情報を記憶手段14に記憶させる。次に、ステップS1に戻る。
(ステップS7)
一方、電波規定範囲外伝達判定手段13は、物品識別用タグ5からの応答電波を受信した際に、規定範囲外判定タグ7a、7bからの応答電波を受信した場合は、RFID探索電波Wの伝達状態を異常として、そのアンテナ6が受信した物品識別用タグ5については、応答電波の誤検出と判定する動作を行う。
また、各アンテナ6a、6bから各規定範囲外判定タグ7a、7bまでのRFID探索電波Wの到達不具合を判定した判定結果を記憶手段14に記憶させる。
(ステップS8)
そして、電波規定範囲外伝達判定手段13は、各アンテナ6a、6bから各規定範囲外判定タグ7a、7bまでのRFID探索電波Wの到達不具合を、ディスプレイ(図示せず)等に警告メッセージとして表示する。次に、ステップS1に戻る。
以上のようにして、各規定範囲外判定タグ7を、どのアンテナ6a、6bが送信するRFID探索電波Wも到達し得ない位置に配置したRFID読取範囲判定システム1を用いて、RFID探索電波Wの電波伝達状態の異常状態を検出する。
すなわち、RFID読取範囲判定システム1が、ステップS5において、各アンテナ6a、6bのうち一つのアンテナ6がいずれかの規定範囲外判定タグ7の応答を受信したか否かを判定する。
そして、いずれかの規定範囲外判定タグ7の応答を受信した場合は、ステップS7で、各アンテナ6a、6bから放射したRFID探索電波Wの異常な伝達経路が発生したと判定する。その場合には、そのアンテナ6が検出した物品識別用タグ5を規定の読取り範囲外の物品識別用タグ5として、そのタグの応答電波の誤検出と判定する動作を行う。
(第1の実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
本実施形態のRFID読取範囲判定システム1では、アンテナ6が送信するRFID探索電波Wの伝達する規定範囲を外れた外の領域に規定範囲外判定タグ7を配置しアンテナ6が規定範囲外判定タグ7からの応答電波を受信することで、RFID探索電波Wの伝達経路が異常な状態にある場合を検出することができる効果がある。
すなわち、物品2を運搬するフォークリフト等の運搬装置4の金属面によってRFID探索電波Wが反射して規定範囲外の物品の物品識別用タグ5にRFID探索電波Wが達する、RFID探索電波Wの異常な伝送経路が発生した場合に、それを異常状態であると判定する。
そのように、異常状態における規定範囲外の物品識別用タグ5の検出不具合があった場合には、そのデータを廃棄する。それにより、規定範囲外の物品識別用タグ5からの応答電波の誤検出を判定して物流管理の誤りを防止できる効果がある。
その結果、従来必要であった、規定範囲外の物品の物品を、アンテナ6による物品の検出範囲から完全に遮蔽するなどの大規模な設備を設けなくても、物品の検出領域の範囲を
容易に区別できるようになる。これにより、RFID読取範囲判定システム1のコストを低減できる効果がある。
また、本実施形態のRFID読取範囲判定システム1は、搬送経路の変更や、アンテナ6の設置位置の変更等、倉庫内におけるRFID読取範囲判定システム1の設置環境が変化しても、各アンテナ6のRFID探索電波Wが本来到達し得ない領域に各規定範囲外判定タグ7を配置するだけで、倉庫内におけるRFID読取範囲判定システム1の設置環境の変化に対応することが可能となる。
その結果、高い汎用性を発揮することが可能となるとともに、運用コストの増加を低減することが可能となる効果がある。
なお、本実施形態のRFID読取範囲判定システム1では、規定範囲外判定タグ7を配置する際に、規定範囲外判定タグ7を支持するタグ支持体を用いたが、これに限定するものではなく、例えば、規定範囲外判定タグ7を、倉庫の壁面や床面に直接配置してもよい。また、例えば、規定範囲外判定タグ7を、倉庫の床に埋め込んで配置してもよい。
また、本実施形態のRFID読取範囲判定システム1では、図1には、物品2の水平方向にのみ、各アンテナ6を配置した場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、物品2の水平方向に加え、物品2の鉛直方向にも各アンテナ6を配置してもよい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態のRFID読取範囲判定システム1として、共通する領域のRFIDを探索する複数のアンテナ6を設けることができる。そのアンテナ6のいくつかは、RFID探索電波Wを、物品搬送方向Dに垂直とは限らない方向に、例えば45度方向に傾けた方向に向けて送信する。
このRFID読取範囲判定システム1において、規定範囲外判定タグ7からの応答電波を受信したアンテナ6がある一方、規定範囲外判定タグ7からの応答電波を受信していないアンテナ6がある場合に、規定範囲外判定タグ7からの応答電波を受信したアンテナ6の受信した物品識別用タグ5の情報だけを無効と判定する。
そして、規定範囲外判定タグ7からの応答電波を受信していないアンテナ6の受信した物品識別用タグ5の情報を有効と判定して記憶手段14に記憶する。
1・・・RFID読取範囲判定システム
2・・・物品
3・・・運搬台
4・・・運搬装置
5・・・物品識別用タグ
6、6a、6b・・・アンテナ
7・・・規定範囲外判定タグ
7a・・・第1規定範囲外判定タグ
7b・・・第2規定範囲外判定タグ
8・・・電波吸収体
9・・・RFID検出手段
10・・・コントローラ部
11・・・表示手段
12・・・RFID分類手段
13・・・電波規定範囲外伝達判定手段
14・・・記憶手段
20・・・RFID用ICチップ
21・・・RFIDアンテナ
22・・・無線処理回路
23・・・電源回路
24・・・制御回路
25・・・記憶回路
D・・・物品搬送方向
W・・・RFID探索電波

Claims (4)

  1. 物品識別用タグを設置した物品を運搬装置によって物品搬送方向に搬送する規定範囲内の物品の前記物品識別用タグを読取り前記物品を管理する物流管理システムであって、
    特定の方向へ選択的にRFID探索電波Wを送信可能であるとともに、その特定の方向から選択的にRFIDからの応答電波を受信可能という指向性のあるアンテナに接続されたRFID検出手段を備え、
    前記アンテナの正常な読取範囲外の領域に設置した規定範囲外判定タグを備え、
    前記RFID検出手段とRFID読取範囲判定システムを制御するコントローラ部を備え、
    前記RFID検出手段が、前記アンテナからRFID探索電波を送信して前記物品識別用タグからの応答電波を受信して前記物品識別用タグの情報を読み取り、
    前記RFID読取範囲判定システムが、前記物品識別用タグからの応答電波と前記規定範囲外判定タグからの応答電波とを検出した場合に前記物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する処理を行い、搬送経路の境界部分に電波吸収体を設置したことを特徴とする物流管理システム。
  2. 請求項1記載の物流管理システムであって、前記RFID検出手段が、前記アンテナから前記RFID探索電波を送信し、該RFID探索電波に応答した前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの応答電波を受信し、前記コントローラ部が、該応答電波の信号から前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの情報を区別して取得するRFID分類手段を有し、該情報に基づき、前記アンテナが前記規定範囲外判定タグの応答を受信した場合に、物品識別用タグから受信した応答電波の誤検出と判定する動作をする電波規定範囲外伝達判定手段を有することを特徴とする物流管理システム。
  3. 物品識別用タグを設置した物品を運搬装置によって物品搬送方向に搬送する規定範囲内の物品の前記物品識別用タグを読取り前記物品を管理する物流管理方法であって、
    特定の方向へ選択的にRFID探索電波Wを送信可能であるとともに、その特定の方向から選択的にRFIDからの応答電波を受信可能という指向性のあるアンテナに接続されたRFID検出手段を備え、
    前記アンテナの正常な読取範囲外の領域に規定範囲外判定タグを設置し、
    コントローラ部が前記RFID検出手段とRFID読取範囲判定システムを制御し、
    前記RFID検出手段が、前記アンテナからRFID探索電波を送信して前記物品識別用タグからの応答電波を受信して前記物品識別用タグの情報を読み取り、
    前記RFID読取範囲判定システムが、前記物品識別用タグからの応答電波と前記規定範囲外判定タグからの応答電波とを検出した場合に前記物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する処理を行い、搬送経路の境界部分に電波吸収体を設置したことを特徴とする物流管理方法。
  4. 請求項3記載の物流管理方法であって、前記RFID検出手段が、前記アンテナから前記RFID探索電波を送信し、該RFID探索電波に応答した前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの応答電波を受信し、前記コントローラ部がRFID分類手段を用いて、該応答電波の信号から前記物品識別用タグ及び前記規定範囲外判定タグからの情報を区別して取得し、電波規定範囲外伝達判定手段を用いて、前記各タグから取得した情報に基づき、前記アンテナから前記規定範囲外判定タグの応答を受信した場合に、該アンテナが受信した物品識別用タグからの応答電波の誤検出と判定する動作をすることを特徴とする物流管理方法。
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