JP6412432B2 - ガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造 - Google Patents

ガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造 Download PDF

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Description

この発明は、ガス圧により計量膜を作動させて計量室に対しガスを出入りさせるようにしたガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造およびその関連技術に関する。
ガス圧で作動するメカニカル方式の膜式ガスメータは、ケース本体と、そのケース本体の上部を覆うように取り付けられる上ケースとを備えている。上ケース内は、流入室と流出室とに仕切られており、流入室に対応してガス流入口が形成されるとともに、流出室に対応してガス流出口が形成されている。そして、メータ外部からガス流入口を通って上ケースの流入室に導入されたガスは、ケース本体の計量室に導入されて計量された後、上ケースの流出室およびガス流出口を通ってメータ外部に排出されるようになっている。
ケース本体に設けられる計量室は通常、前後にそれぞれ一対ずつ、計4つ形成されており、各一対の計量室は計量膜によって仕切られるとともに、各計量室に対応して吸排気路がそれぞれ形成されている。そして計量膜がガス圧で作動することによって、各吸排気路を介して各計量室に対しガスの出入りが順次行われるようになっている。
図8は従来の膜式ガスメータにおけるケース本体に計量膜等を取り付けた状態で示す斜視図である。同図に示すように、ケース本体9の前部における計量室用凹部を閉塞するように計量膜91が設けられ、この計量膜91を介して腹板93がケース本体9の前面にねじ止め固定されている。腹板93は、計量膜91を覆う計量室カバー部931と、ケース本体9の前面に設けられた吸排気路の開口部(吸排気口)を覆う吸排気口カバー部932とを一体に有している。
計量室カバー部931の内部(計量室)と吸排気口カバー部932の内部とは連通されており、吸排気口92を介して計量室に対しガスの出入りが行われるようになっている。
また計量膜91には、その外周縁部に沿って計量室外周シール部911が一体に形成されており、このシール部911によってケース本体9と腹板93との間における計量室外周縁部の気密性が確保されるようになっている。
さらにこのガスメータにおいては図9に示すように、腹板93を取り付ける前に予め、腹板93の裏面側における計量室カバー部931における吸排気口カバー部932に対応する部分に、腹板ブリッジ94と称される部品を固定しておき、その腹板ブリッジ94によって、計量膜91の計量室外周シール部911における吸排気口カバー部931に対応する部分をケース本体9側に押し付けて気密性を確保するようにしている(特許文献1)。
実開平3−91924号公報
しかしながら、上記従来のガスメータにおいては、以下に説明するように腹板93や腹板ブリッジ94の組付作業が困難であり、ひいてはガスメータ自体の組付作業が困難であるという課題を抱えている。
すなわち腹板93をケース本体9に取り付ける場合には図9に示すように、あらかじめ腹板93の裏面側における吸排気口カバー部931に腹板ブリッジ94を接着しておき、そのブリッジ付腹板93をケース本体9にねじ止め固定するようにしている。このねじ止め固定時には、腹板93の裏面側における視認し難い箇所で、腹板ブリッジ94が所定位置に正確に当たっているかを確認するという面倒な作業が必要となる。そればかりか、腹板93に腹板ブリッジ94が確実に接着されていないと、腹板ブリッジ94の位置ずれや脱落が生じて、組付不良が発生してしまう。このため、腹板93に対し腹板ブリッジ94を精度良く慎重に接着する必要があり、腹板ブリッジ94の取付作業も面倒となり、ひいてはガスメータ自体の組立作業が困難になるという課題を抱えている。
なお上記特許文献1には、腹板ブリッジ94を、吸排気口92の外周縁部に配置されるシール部材(パッキン)に一体に形成して、そのシール部材の設置と同時に、腹板ブリッジ94の設置を行えるようにして、ガスメータの組立作業性を向上させるようにした技術も開示されている。
しかしながら、腹板ブリッジ94をシール部材に一体に形成しようとすると、シール部材が立体形状で複雑な形状となるため、シール部材自体の製作作業が面倒になるという別の課題が発生してしまう。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、腹板および腹板ブリッジの組付作業を容易に行えて、ガスメータの組立作業を簡単に行うことができるガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造およびその関連技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]前面に計量室用凹部および吸排気口が設けられたケース本体と、前記計量室用凹部にその凹部を閉塞するように配置された計量膜と、前記ケース本体の前面に取り付けられ、かつ前記計量膜および前記吸排気口を覆う計量室カバー部および吸排気口カバー部が設けられた腹板とを備え、前記計量膜の外周縁部における前記吸排気口カバー部に対応する部分が、腹板ブリッジを介して前記腹板によって前記ケース本体側に押し付けられるようにしたガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造であって、
前記腹板ブリッジに係合部が形成されるともに、
前記係合部に対応して、前記ケース本体に被係合部が形成され、
前記係合部および前記被係合部が係合することにより、前記腹板ブリッジが前記ケース本体に対し位置決めされた状態で取り付けられていることを特徴とするガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造。
[2]前記係合部は、係合凸部および係合凹部のいずれか一方によって構成されるとともに、前記被係合部が残り一方によって構成され、
前記係合凸部が前記係合凹部に嵌め込まれて位置固定されている前項1に記載のガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造。
[3]前面に計量室用凹部および吸排気口が設けられたケース本体と、前記計量室用凹部にその凹部を閉塞するように配置された計量膜と、前記ケース本体の前面に取り付けられ、かつ前記計量膜および前記吸排気口を覆う計量室カバー部および吸排気口カバー部が設けられた腹板とを備えたガスメータにおいて、前記計量膜の外周縁部における前記吸排気口カバー部に対応する部分に設けられ、かつその部分を前記ケース本体側に押し付けるための腹板ブリッジであって、
係合部を備え、
前記係合部が、前記ケース本体に設けられた被係合部に係合することにより、前記ケース本体に対し位置決めされた状態に取付可能に構成されていることを特徴とするガスメータにおける腹板ブリッジ。
[4]前項1または2に記載の腹板ブリッジの取付構造を備えたガスメータの組付方法であって、
前記ケース本体の前記計量室用凹部に前記計量膜を配置し、
次いで、前記腹板ブリッジの前記係合部を前記ケース本体の前記被係合部に係合して、前記腹板ブリッジを前記ケース本体に位置決め状態に取り付け、
その後、前記計量室カバー部によって前記計量膜を覆い、かつ前記吸排気口カバー部によって前記吸排気口を覆う態様に、前記腹板を前記ケース本体の前面に取り付けるようにしたことを特徴とするガスメータの組立方法。
発明[1]のガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造によれば、腹板を取り付ける前の状態で、腹板ブリッジをケース本体の所定位置に設置するだけで取り付けることができるため、腹板ブリッジを腹板裏面に接着固定する等の面倒な接着作業が不要となり、腹板ブリッジの取付作業を簡単に行うことができる。さらに腹板ブリッジの係合部をケース本体の被係合部に係合させるだけで簡単に、腹板ブリッジの位置決めを行えるとともに、腹板ブリッジを安定状態に保持できて不用意な位置ずれ等の不具合も確実に防止することができる。
なお本発明において、腹板ブリッジは単独で他の部材に対し別体に形成されるものであるため、例えばシール部材に腹板ブリッジを一体形成する場合等と比較して、腹板ブリッジ等の部品を簡単に製作することができる。
発明[2]のガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造によれば、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
発明[3]のガスメータにおける腹板ブリッジによれば、上記と同様にして同様の効果を得ることができる。
発明[4]のガスメータの組立方法によれば、上記と同様に、腹板ブリッジの面倒な接着固定作業が不要となり、ガスメータの組立作業を簡単に行うことができる。
図1はこの発明の実施形態である腹板ブリッジの取付構造が適用可能なガスメータのケース本体を示す斜視図である。 図2は実施形態のガスメータにおける腹板ブリッジ取付部周辺をブリッジ取付状態で示す拡大斜視図である。 図3は実施形態のガスメータにおける腹板ブリッジ取付部周辺をブリッジ取外状態で示す拡大斜視図である。 図4は実施形態のケース本体に計量膜等を取り付けた状態で示す斜視図である。 図5は実施形態に採用された計量膜を示す正面図である。 図6は実施形態のガスメータにおける腹板ブリッジ取付部周辺を示す断面図であって、図(a)は分解した状態の断面図、図(b)は組付状態の断面図である。 図7は実施形態のガスメータに採用された腹板ブリッジを示す斜視図である。 図8は従来のガスメータにおけるガスメータ本体に計量膜等を取り付けた状態出示す斜視図である。 図9は従来のガスメータにおける腹板を示す背面図である。
図1はこの発明の実施形態である腹板ブリッジの取付構造が適用可能なガスメータのケース本体1を示す斜視図、図2はガスメータにおける腹板ブリッジ取付部周辺をブリッジ取付状態で示す拡大斜視図、図3は腹板ブリッジ周辺をブリッジ取外状態で示す拡大斜視図である。
なお本実施形態のガスメータにおけるケース本体1のガス計量部分において、前側半分の構成は後側半分の構成に対し面対称で実質的に同一の構成を有している。よって本実施形態の説明では、前側半分の構成を詳細に説明し、後側半分の構成については必要に応じて要部のみを説明するものとする。さらに本発明においては、既述した通りケース本体1の計量部分に関しては、前後対称形状であるため、ケース本体1の「前面」を、ケース本体1の「後面」に置き換えることも可能であり、ケース本体1の「前面」を、ケース本体1の「前面および後面」に置き換えることも可能である。
まず図1に示すように、ケース本体1は、鋳造加工によって形成された鋳造品(鋳物)によって構成されており、そのケース本体1の前面には、ガスメータ組立状態で計量室として構成される計量室用凹部15が形成されている。さらにケース本体1の上部一側部(上部右側部)には、4つの吸排気路20,21が形成されており、このうちの一つの吸排気路20の一端開口である吸排気口2がケース本体1の前面における計量室用凹部15の右上に開口されている。
ケース本体1の前面における計量室用凹部15の周縁部である計量室外周縁部11と、吸排気口2の外周縁部である吸排気口外周縁部12とは、後述の腹板4を密着固定できるように形成されている。
なお本実施形態においては、ケース本体1における計量室外周縁部11における吸排気口外周縁部12に対応する部分、換言すると、計量室外周縁部11における計量室用凹部15と吸排気口2との境界に配置される部分によって、境界部13が構成されている。本実施形態において、この境界部13は、計量室外周縁部11の一部である。よって計量室外周縁部11という場合には、境界部13も含まれる。
また図2および図3に示すように、吸排気口外縁部12の内側には、計量室外周縁部11に隣接し、かつその計量室外周縁部11に沿って間隔をおいて2つの係合凹部(係合孔)25が形成されている。
図4は実施形態のケース本体に計量膜等を取り付けた状態で示す斜視図、図5は計量膜3を示す正面図である。
図1〜図5に示すように計量室用凹部15には計量膜3が取り付けられる。計量膜3は、円盤状の膜本体35と、膜本体35の外周縁部に沿って形成される計量室外周シール部31とを備えている。さらに本実施形態においては、計量室外周シール部31の周方向の一部に、外側に突出するようにして吸排気口外周シール部32が一体に形成されている。計量室外周シール部31は、上記ケース本体1における計量室外周縁部11に対応する形状に形成されるとともに、吸排気口外周シール部32は、吸排気口外周縁部12に対応する形状に形成されている。
なお本実施形態において、計量室外周シール部31における吸排気口外周シール部32に対応する部分によって、境界シール部33が構成されている。本実施形態において、この境界シール部33は、計量室外周シール部31の一部である。よって計量室外周シール部31という場合には、境界シール部33も含まれる。
さらにこの境界シール部33は、計量室外周シール部(計量膜外周縁部)31のうち、後述の吸排気路カバー部46に対応する部分に相当する。
図2〜図4に示すようにこの計量膜3の計量室外周シール部31が、ケース本体1における計量室外周縁部11に沿って配置されるとともに、吸排気口外周シール部32が、吸排気口外周縁部12に沿って配置される。この配置状態では、計量膜3の境界シール部33が、ケース本体1の計量室外周縁部11における境界部13に配置されている。
図3および図7に示すように腹板ブリッジ5は、計量膜3の境界シール部33に対応して円弧状に形成されたブリッジ本体53と、ブリッジ本体53の両端部に設けられ、かつ外側方に屈曲する屈曲片54と、各屈曲片54の先端に設けられ、かつ裏面側に突出する係合凸部(係合ピン)55とを備えている。
図2および図6に示すようにこの腹板ブリッジ5の係合凸部55がケース本体1の係合凹部25に嵌まり込むとともに、ブリッジ本体53が計量膜3の境界シール部33上に設置される。この設置状態では、係合凸部55が係合凹部25に嵌り込んで係合することにより、腹板ブリッジ5のケース本体1に対する位置決めが図られて、ブリッジ本体53が境界シール部33上に精度良く正確に配置されている。さらに係合凸部55が係合凹部25に係合することによって、腹板ブリッジ5の位置ずれが防止され、ブリッジ本体53が境界シール部33上に安定した状態で仮保持されている。
なお本実施形態においては、係合凸部55が係合部として構成されるとともに、係合凹部25が被係合部として構成されている。
図4に示すように、腹板4は、ケース本体1の前面側における所領領域のほぼ全域をカバーできる形状に形成されており、計量膜4の膜本体35に対応して形成された計量室カバー部45と、ケース本体1の吸排気口2に対応して形成された吸排気口カバー部46と、計量室カバー部45の外周に設けられた計量室外周縁部41と、吸排気口カバー部46の外周に設けられた吸排気口外周縁部42とを備えている。
計量室カバー部45は、表面側が凸状で裏面側が凹状のドーム状に形成され、計量膜3の膜本体35の前面側をカバーできるように構成されている。吸排気口カバー部46は、表面側が凸状で裏面側が凹状のトンネル状に形成され、ケース本体1の前面における吸排気口2をカバーできるように構成されている。計量室外周縁部41の裏面側は、ケース本体1の計量室外周縁部11に対応して形成されており、計量室外周縁部11に密着できるように形成されている。腹板4の吸排気口外周縁部42の裏面側は、ケース本体1の吸排気口外周縁部12に対応して形成されており、その吸排気口外周縁部12に密着できるように形成されている。
また図4および図6に示すように、計量室カバー部45と吸排気口カバー部46とは連通接続されており、この連通部43を介して計量室カバー部45の内部と、吸排気口カバー部46の内部との間でガスの往き来が行われるようになっている。
また吸排気口外周縁部42における連通部43の両側縁部に対応する部分は、表面側が凸状で裏面側が凹状の位置決め用凹段部44,44が形成されている。この凹段部44は、腹板ブリッジ5の両端部に対応して形成されており、腹板ブリッジ5の両端部を嵌め込むことができるように構成されている。
この腹板4の計量室外周縁部41が計量膜3の計量室外周シール部31を介してケース本体1の計量室外周縁部11に配置されるとともに、腹板4の吸排気口外周縁部42が計量膜3の吸排気口外周シール部32を介してケース本体1の吸排気口外周縁部12に配置される。さらに腹板ブリッジ5の両端部が腹板4の凹段部44に嵌め込まれて固定される。これにより腹板4の計量室カバー部45が、ケース本体1の計量室用凹部15上の計量膜3を覆うように配置されるとともに、腹板4の吸排気口カバー部46が、ケース本体1の吸排気口2を覆うように配置される。そしてこの状態で、腹板4の計量室外周縁部41および吸排気口外周縁部42の所定位置にねじ(図示省略)が貫通されて、ケース本体1の計量室外周縁部11および吸排気口外周縁部12にねじ込まれて、腹板4の計量室外周縁部41および吸排気口外周縁部42が、ケース本体1の計量室外周縁部11および吸排気口外周縁部12に圧接した状態に固定される。この固定状態では、腹板4の計量室外周縁部41および吸排気口外周縁部42が、計量膜3の計量室外周シール部31および吸排気口外周シール部32を介してケース本体1の計量室外周縁部11および吸排気口外周縁部12に密着するため、ケース本体1および腹板4間の気密性が確保される。さらに腹板ブリッジ5は腹板4によってケース本体1側に押し込まれることにより、腹板ブリッジ5が計量膜3の境界シール部33を介してケース本体1の境界部13に密着するため、ケース本体1および計量膜3間の気密性が確保される。
なお本実施形態においては、ケース本体1の計量室用凹部15と計量膜3とによって囲まれた空間部が、内側計量室として構成されるとともに、計量膜3と腹板4とによって囲まれた空間部が、外側計量室として構成されている。そしてこの外側計量室が、腹板4の吸排気口カバー部46および連通部43を介して排気口2に連通されるものである。
本実施形態において、ケース本体1に、計量膜3、腹板ブリッジ5および腹板4を組み付ける手順は特に限定されるものではないが、例えば以下の手順で組み付けられる。
まずケース本体1に、計量膜3を設置する。続いてケース本体1に腹板ブリッジ5を取り付ける。この場合既述したように、腹板ブリッジ5の係合凸部55をケース本体1の係合凹部25に嵌め込んで、ブリッジ本体53を計量膜3の境界シール部33上に配置した状態に位置決め保持する。その後、腹板4をケース本体1にねじ止め固定する。
ここで、本実施形態においては、腹板ブリッジ5をケース本体1に組み付ける際には、腹板4を取り付ける前の状態で、腹板ブリッジ5をケース本体1の所定位置に設置するだけで取り付けることができるため、従来のように腹板ブリッジを腹板の裏面側に位置合わせしつつ慎重に接着固定する場合と比較して、面倒な接着剤による接着作業が不要となり、腹板ブリッジ5の取付作業を簡単に行うことができる。
さらに腹板ブリッジ5の係合凸部55をケース本体1の係合凹部25に嵌め込むだけで簡単に、腹板ブリッジ5の位置決めを行えるとともに、腹板ブリッジ5を安定状態に保持できて不用意な位置ずれ等の不具合も確実に防止することができる。
また本実施形態においては、腹板4をケース本体1に組み付ける際には、腹板4を計量膜3上に配置してケース本体1にねじ止め固定するだけで固定できるため、従来のように腹板裏面に接着した腹板ブリッジが位置ずれしたり、脱落したりするような不具合を防止でき、腹板4の組付作業をスムーズに行うことができる。
さらに本実施形態においては、係合凸部55を腹板ブリッジ5の両端部に形成しているため、腹板ブリッジ5を両端の二点で支持できて、腹板ブリッジ5をより一層安定した状態にケース本体1に取り付けることができ、位置ずれ等の不具合をより一層確実に防止することができる。
このように本実施形態のガスメータによれば、腹板4および腹板ブリッジ5の取付作業を簡単かつ正確に行うことができ、ひいてはガスメータ自体の組立作業を簡単かつ正確に行うことができる。
また本実施形態のガスメータにおいては、腹板ブリッジ5を単独で別体に形成するものであるため、腹板ブリッジ等の組立部品を簡単に製作することができる。すなわち上記特許文献1に示す従来のガスメータのように、シール部材(パッキン)に腹板ブリッジを一体形成する場合には、ブリッジ付シール部材の形状が立体的で複雑な形状となるため、そのような複雑形状のシール部材を製作するのが困難である。これに対し、本実施形態のガスメータにおいては、腹板ブリッジ5を単独に形成するものであるため、シンプルな形状とすることができ、製作作業を簡単に行うことができる。
なお、本実施形態においては、既述した通りケース本体1の前部に内外2つの対をなす計量室が設けられるとともに、後部にも前部と同様に内外2つの対をなす計量室が設けられ、計4つの計量室が前後に並んで設けられている。そしてこれらの4つの計量室が、ケース本体1に設けられた上記の4つの吸排気路20,21(図1参照)にそれぞれ連通接続されている。またケース本体1にはその上部を覆うように上ケースが取り付けられる。この上ケース内は、流入室と流出室とに仕切られており、流入室に対応してガス流入口が形成されるとともに、流出室に対応してガス流出口が形成されている。そしてメータ外部からガス流入口を通って上ケースの流入室に導入されたガスは、吸排気路20,21を介して各計量室に順次導入されて順次計量された後、吸排気路20,21を介して上ケースの流出室に順次導入され、さらにそのガスがガス流出口を通ってメータ外部に排出されるようになっている。
ところで上記実施形態においては、計量膜3として、吸排気口外周シール部32が一体に形成されたものを用いているが。それだけに限られず、本発明においては、計量膜に対し、吸排気口外周シール部を別体に形成するようにしても良い。
また上記実施形態においては、係合凸部55を腹板ブリッジ5に形成し、係合凹部25をケース本体1に形成しているが、それだけに限られず、本発明においては、係合凹部を腹板ブリッジ側に形成し、係合凸部をケース本体側に形成するようにしても良い。
さらに本発明においては、腹板ブリッジに設けられる係合部の形成位置や形成数は、特に限定されるものではなく、係合部を1つまたは3つ以上形成したり、係合部を腹板ブリッジの両端部以外の位置に形成するようにしても良い。
また上記実施形態においては、本発明の腹板ブリッジ取付構造をケース本体の前面側に適用する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明の腹板ブリッジ取付構造は、ケース本体の後面側にも上記と同様に採用することができる。さらに本発明の腹板ブリッジ取付構造は、ケース本体の前面側および後面側の双方に採用しても良いし、いずれか一方のみに採用するようにしても良い。
この発明のガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造は、ガス圧で作動するメカニカル方式のガスメータに好適に採用することができる。
1:ケース本体
2:吸排気口
25:係合凹部(被係合部)
3:計量膜
31:計量室外周シール部(外周縁部)
4:腹板
45:計量室カバー部
46:吸排気口カバー部
5:腹板ブリッジ
55:係合凸部(係合部)

Claims (4)

  1. 前面に計量室用凹部および吸排気口が設けられたケース本体と、前記計量室用凹部にその凹部を閉塞するように配置された計量膜と、前記ケース本体の前面に取り付けられ、かつ前記計量膜および前記吸排気口を覆う計量室カバー部および吸排気口カバー部が設けられた腹板とを備え、前記計量膜の外周縁部における前記吸排気口カバー部に対応する部分が、腹板ブリッジを介して前記腹板によって前記ケース本体側に押し付けられるようにしたガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造であって、
    前記腹板ブリッジに係合部が形成されるともに、
    前記係合部に対応して、前記ケース本体に被係合部が形成され、
    前記係合部および前記被係合部が係合することにより、前記腹板ブリッジが前記ケース本体に対し位置決めされた状態で取り付けられていることを特徴とするガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造。
  2. 前記係合部は、係合凸部および係合凹部のいずれか一方によって構成されるとともに、前記被係合部が残り一方によって構成され、
    前記係合凸部が前記係合凹部に嵌め込まれて位置固定されている請求項1に記載のガスメータにおける腹板ブリッジの取付構造。
  3. 前面に計量室用凹部および吸排気口が設けられたケース本体と、前記計量室用凹部にその凹部を閉塞するように配置された計量膜と、前記ケース本体の前面に取り付けられ、かつ前記計量膜および前記吸排気口を覆う計量室カバー部および吸排気口カバー部が設けられた腹板とを備えたガスメータにおいて、前記計量膜の外周縁部における前記吸排気口カバー部に対応する部分に設けられ、かつその部分を前記ケース本体側に押し付けるための腹板ブリッジであって、
    係合部を備え、
    前記係合部が、前記ケース本体に設けられた被係合部に係合することにより、前記ケース本体に対し位置決めされた状態に取付可能に構成されていることを特徴とするガスメータにおける腹板ブリッジ。
  4. 請求項1または2に記載の腹板ブリッジの取付構造を備えたガスメータの組付方法であって、
    前記ケース本体の前記計量室用凹部に前記計量膜を配置し、
    次いで、前記腹板ブリッジの前記係合部を前記ケース本体の前記被係合部に係合して、前記腹板ブリッジを前記ケース本体に位置決め状態に取り付け、
    その後、前記計量室カバー部によって前記計量膜を覆い、かつ前記吸排気口カバー部によって前記吸排気口を覆う態様に、前記腹板を前記ケース本体の前面に取り付けるようにしたことを特徴とするガスメータの組立方法。
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