JP2015025822A - 熱式空気流量センサ - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、検出精度の高い熱式空気流量センサを提供することである。
【解決手段】
上記目的を達成するために、本発明の熱式空気流量センサは、ダイアフラムに形成される発熱抵抗体を有する半導体素子と、前記半導体素子を搭載する側の搭載面と、一方が前記搭載面のうち前記ダイアフラムの裏面側に対応する領域に開口する孔と、を有する支持部材と、前記半導体素子と前記支持部材とを接着し、孔を有するシート接着剤と、前記支持部材に形成される孔と、前記シート接着剤に形成される孔とを用いて形成される連通通路と、を有する。
【選択図】 図1
Description
一方、LSIやマイコンなどの半導体回路素子を樹脂で封止する場合は、回路素子とリードフレームはシート接着剤を用いて接着されることが多い。シート接着材の一般的な使用方法は、半導体回路ウエハの状態で裏面側にシート接着材を貼り付けて、ダイシング工程で個片化する際にシート接着層も同時に切断することによって、半導体回路チップ裏面全面にシート接着材が張り付いた状態となる。これによって、個片化された半導体回路素子をそのままリードフレーム上に実装することができるので、溶剤式の接着材を使用する時のように溶剤を印刷する工程が省けるといった利点がある。
電子素子と支持基板との接着について、特許文献1に記載の発明がある。
特許文献1には、取付ベースと電子部品との間を接着固定するための電子部品用接着シートに、平面視で各々所定面積を有する複数の開口部が形成されていることが開示されている。特許文献1によれば、電子部品とシート接着剤を張り合わせる際のエア巻き込みによる凸部形成を防止することができるので、取付ベースと電子部品の密着性を向上できる。
しかしながら、特許文献1で扱われている電子部品はICチップなどを代表とした、裏面加工が施されていない集積回路チップである。それゆえ特許文献1は、流量検出素子の薄膜部の裏面領域を密封しないようにするといった課題についてはなんら考慮がされていない。
本発明の目的は、検出精度の高い熱式空気流量センサを提供することである。
本発明の熱式空気流量センサは、吸入空気1を自動車の内燃機関(図示せず)に供給するための吸気管路5内に、ハウジング3と、半導体パッケージ2とを設ける。
ハウジング3は、外部と電気的に接続するためのコネクタ部12と、回路が配設される回路室16と、ハウジング3を吸気管路5に固定するフランジ部4と、吸入空気1の一部を取り込む副通路6を備えている。
コネクタ部12は、コネクタ端子8を有している。コネクタ端子8は、一端が回路室16に延伸して半導体パッケージ2と回路室16内で電気的に接続され、もう一端がコネクタ部12の嵌合部に延伸して外部端子と電気的に接続される。
ハウジング3は回路室16とコネクタ部12の嵌合部に連通する連通孔9が構成されている。連通孔9により、回路室16を吸気管外と連通しており、回路室16が密閉されることを防止している。
半導体パッケージ2は、リードフレーム10と半導体基板20と回路素子と温度センサとを封止樹脂60により一体成型することにより作成される。また、半導体パッケージ2は、流量検出部7を吸入空気にさらすように、樹脂60で覆わずに部分的に露出する領域を有している。流量検出部7は、副通路6内に設けられ、副通路6内を流れる流体の流量から、吸入空気1の流量を算出する。
図1の構造体の外周部は、封止樹脂60によって封止されるが、流量検出部であるダイアフラム25を含む領域を部分的に露出するための開口部61が封止樹脂60に形成されている。また、リードフレーム10に形成された換気孔11と外気とを連通するための開口部62が、封止樹脂60の開口部61が形成されている反対側に形成されている。開口部62を設けることにより、流量検出素子15やリードフレーム10を封止樹脂60により封止した場合でも、ダイアフラム裏面が外気と連通し、密封状態となることを回避できる。
流量検出素子15とリードフレーム10とを封止樹脂60で一体に封止して作成した半導体パッケージ2は、空気流量を検出するために、ダイアフラム25を直接測定媒体である吸入空気にさらす必要がある。封止樹脂60から部分的に露出し、測定媒体に曝されていなければならない。これを実現する方法として、流量検出素子15を実装したリードフレーム10を下金型80と上金型81で挟み込む。この時、下金型80、上金型81を問わずに封止樹脂を流し込む挿入口82が設けられている。さらに、開口部61を形成するために、上金型81とは別の金型である入れ駒83を上金型81に挿入するような構造としており、この入れ駒83を上部から荷重をかけて流量検出素子15の表面と密着させる。
また、下金型にはリードフレーム10に形成された換気孔11に封止樹脂が流れ込まないように突起部が形成されている。この突起部とリードフレーム10とを、換気孔11を含む領域とで密着させることで開口部62が形成されるようになる。この状態で挿入口82から封止樹脂60を流し込めば、図2に示した半導体パッケージを製造することができる。
本発明の第二実施例について図4から図6を用いて説明する。なお、第一実施例と同じ構成については説明を省略する。
次に、図4の構造体を用いて、ダイアフラム25を含む領域を部分的に露出するように樹脂封止した構造について図5を用いて示す。
図5に示されるように、基板支持部材70に形成された換気孔72と外気とを連通するような開口部63が封止樹脂60に設けられている。上記構成により、封止樹脂60で流量検出素子15とリードフレーム10と基板支持部材70とを一体に封止する場合でも、ダイアフラム25の裏面側の空洞部が密封されることを防いでいるので、流量検出誤差を抑制することができる。そのため、本発明の第二実施例は、検出精度の高い熱式流量センサを提供することができる。
第二実施例を用いた熱式流量計について図6を用いて説明する。
流量検出部7が副通路6内に配置され、換気孔72および開口部63が回路室16内に配置されている。ダイアフラム25の裏面側の空洞部は、シート接着剤30に設けられる換気孔35と、基板支持部材70に設けられる換気孔71と、基板支持部材70とリードフレーム10とによって形成された連通路と、基板支持部材70に設けられる換気孔72と、封止樹脂60にも設けられる開口部63とを介して回路室16内に連通される。また、回路室16はハウジング3に設けられた換気孔9を介して吸気管外と連通している。上記構成によって、ダイアフラム25の裏面側の空洞部が密封されることを防止している。
第二実施例の利点としては、ダイアフラム25の裏面側の空洞部をダストなどの汚損物が流れている副通路と連通するのでなく、回路室16を介して吸気管外の外気と連通することができるので、ダイアフラム25の裏面側の空洞部にダストなどの汚損物が飛来することを抑制でき、耐汚損性が向上することができる点である。また、副通路6を流れるダストやオイルなどにより開口部63や換気孔72が塞がることがないので、信頼性が向上する。
図7(b)および図7(c)に示されるように、本発明の第三実施例のシート接着剤30には複数の換気孔35が形成されている。多数個設けられた換気孔35は、所定の間隔で36,37設けられている。ここで、所定の間隔とは、隣り合う連通孔の中心間の距離のことを示す。上述したとおり、換気孔35はダイアフラムの裏面側の空洞部とリードフレーム10に設けられた換気孔11とを連通するように設けられる必要がある。そこで、所定の間隔36,37の内最も大きい間隔を、ダイアフラム裏面開口端部24の領域とリードフレーム10に形成された換気孔11の領域とが一致する領域の最小寸法よりも小さくしている。上記構成により、ダイアフラム裏面開口端部24の領域には、シート接着剤30に設けられた複数個の換気孔35のうち、少なくともひとつが必ず位置するようになるので、ダイアフラム25裏面側の空洞部の密封を回避することができる。
本発明の第三実施例によれば、シート接着剤30を流量検出素子に貼り付ける際の位置合わせが不要となり、製造工程を簡略化できるので、より低コストにダイアフラム25の裏面側の空洞部の密封を防止できる。そのため、本発明の第三実施例によると流量検出誤差を抑制することができるので、検出精度の高い熱式流量センサを提供することができる。
また、換気孔35の寸法は、半導体基板の外周部27とダイアフラム裏面開口端部24の間隔の最小寸法28よりも小さくなるように構成されている。封止樹脂60で流量検出素子15などを樹脂封止する場合、換気孔の寸法が大きすぎると、流量検出素子15の接着面とリードフレーム10との間にダイアフラム25の裏面側の空洞部と検出素子15外とを連通するような隙間が発生してしまう。この隙間から封止樹脂60がダイアフラム25の裏面側へ漏れてしまう虞があるところ、上記構成によって該連通するような隙間が形成されないようにしているので、封止樹脂60がダイアフラム25の裏面側の空洞部に漏れ出ることを防止することができる。そのため、樹脂成形時の信頼性が向上する。
本発明の第三実施例のシート接着剤30を、本発明の第一実施例および本発明の第二実施例に適応すると、ダイアフラム25の裏面側の空洞部の密封を、低コストに実現できる。
なお、本発明の第一実施例から第二実施例における換気孔35は、説明上円の形状としているが、その形状が正方形や長方形、あるいはだ円などのその他の形状であっても同様の効果が得られる。
2・・・半導体パッケージ
3・・・ハウジング
4・・・フランジ部
5・・・吸気管路
6・・・副通路
7・・・流量検出部
8・・・コネクタ端子
9・・・換気孔
10・・・リードフレーム
11・・・換気孔
12・・・コネクタ部
15・・・流量検出素子
16・・・回路室
20・・・半導体基板
21・・・発熱抵抗体
22・・・上流側温抵抗体
23・・・下流側温抵抗体
24・・・ダイアフラム裏面開口端部
25・・・ダイアフラム
26・・・絶縁膜層および抵抗体層の積層構造膜
27・・・半導体素子裏面外周部
28・・・ダイアフラム裏面開口端から半導体素子裏面外周部との最小寸法
30・・・シート接着剤
35・・・換気孔
36・・・所定の間隔
37・・・所定の間隔
40・・・電極パッド
50・・・ボンディングワイヤ
60・・・封止樹脂
61・・・開口部
62・・・開口部
63・・・開口部
70・・・基板支持部材
71・・・換気孔
72・・・換気孔
73・・・溝
80・・・モールド下金型
81・・・モールド上金型
82・・・樹脂流し口
83・・・入れ駒
Claims (9)
- ダイアフラムに形成される発熱抵抗体を有する半導体素子と、
前記半導体素子を搭載する側の搭載面と、一方が前記搭載面のうち前記ダイアフラムの裏面側に対応する領域に開口する孔と、を有する支持部材と、
前記半導体素子と前記支持部材とを接着し、孔を有するシート接着剤と、
前記支持部材に形成される孔と、前記シート接着剤に形成される孔とを用いて形成される連通通路と、
を有する熱式空気流量センサ。
- 前記シート接着剤は所定の間隔ごとに形成される多数の孔を有する請求項1に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記シート接着剤に形成される多数の孔の最大寸法は、ダイアフラム裏面開口端から半導体素子裏面外周部との最小寸法よりも小さい請求項2に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記支持部材と前記流量検出素子とを一体に封止する樹脂を有し、
前記樹脂は、前記ダイアフラムを露出させるための第一の開口部と、前記支持部材に設けられた孔を露出させるための第二の開口部とを有している請求項3に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記所定の間隔は、前記ダイアフラム裏面開口領域と前記支持基板に形成された換気孔領域とが一致する領域の最小寸法よりも小さい請求項2に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記支持部材はリードフレームであることを特徴とする請求項1に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記支持部材と接着されるリードフレームを有し、
前記支持部材は、一方が前記搭載面のうち前記半導体素子に覆われていない領域に開口する第二の孔と、前記搭載面と対向する面に設けられた溝と、を有し、
前記連通通路は、前記第二の孔と前記溝とを用いて形成される請求項1に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記支持部材と接着され、前記支持部材側の面に形成される溝を有するリードフレームを有し、
前記支持部材は、一方が前記搭載面のうち前記半導体素子に覆われていない領域に開口する第二の孔を有し、
前記連通通路は、前記第二の孔と前記溝とを用いて形成される請求項1に記載の熱式空気流量センサ。
- 前記リードフレームと前記支持部材と前記半導体素子とを一体に封止する樹脂を有し、
前記樹脂は、前記ダイアフラムを露出させるための第一の開口部と、前記支持部材に設けられた第二の孔を露出させるための第二の開口部とを有している請求項7または請求項8に記載の熱式空気流量センサ。
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