JP6411639B2 - 食材提案装置、食材提案方法及び食材提案プログラム - Google Patents
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Description
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
症状とは、ユーザが自身の健康状態について心配している点である。例えば症状の代表例として、血圧が高い、血糖値が高い、肥満である等、特定の疾病との関連が明確なものが挙げられる。症状は、必ずしも特定の疾病との関係が明確なものである必要はない。例えば、肌のキメが乱れている、肌にくすみがある、肌が脂っぽい、化粧ノリが悪い、目のクマが目立つ、髪がまとまらない、フケが多い、口臭がきつい、体がだるい、胃の調子が悪い、食欲がない、肩が凝る、等も症状となり得る。また、症状は、身体的なものだけではなく、心理的なものも含む。例えば、集中力がない、イライラする等もまた、症状となり得る。
図1に沿って、食材提案装置1の構成を説明する。食材提案装置1は、一般的なコンピュータである。食材提案装置1は、中央制御装置11、主記憶装置12、補助記憶装置13及び通信装置14を有する。また、食材提案装置1は、入力装置及び出力装置(図示せず)を有していてもよい。これらは、バスによって相互に接続されている。補助記憶装置13は、症状受付情報31、食材提案情報32、症状・栄養素情報33、食材・栄養素情報34及び食材群情報35を記憶している(詳細後記)。主記憶装置12における症状受付処理部21、必要栄養素決定部22、食材候補決定部23及び食材候補表示処理部24はプログラムである。以降、“○○部は”と主体を記した場合は、中央制御装置11が、補助記憶装置13から○○部を読み出し、主記憶装置12にロードしたうえで、○○部の機能(詳細後記)を実現するものとする。
図2に沿って、問診画面51を説明する。食材提案装置1の症状受付処理部21は、端末装置2の出力装置16に問診画面51を表示する。問診画面51は、問診欄52a、52b、52c、・・・を有する。問診欄52aは、ユーザに対して症状の有無を問う質問文“キメの乱れが気になりますか?”53a、“はい”ボタン54a及び“いいえ”ボタン55aを有する。問診欄52bは、質問文“毛穴は目立つほうですか?”53b、“はい”ボタン54b及び“いいえ”ボタン55bを有する。問診欄52cは、質問文“胃の調子が気になりますか?”53c、“はい”ボタン54c及び“いいえ”ボタン55cを有する。
図3に沿って、食材提案画面61を説明する。食材提案装置1の食材候補表示処理部24は、端末装置2の出力装置16に食材提案画面61を表示する。食材提案画面61は、食材アイコン62a、62b、62c、・・・、基準時点63、“確定”ボタン64、“献立のヒント”ボタン65及び“お勧め変更”ボタン66を有する。食材アイコン62a等は、問診画面51(図2)において入力された“はい”に対応する質問文の症状(複数ある場合もある)を改善する食材を示している。
説明の都合上、図4及び図5の説明を後回しにして、先に図6に沿って、症状受付情報31を説明する。症状受付情報31においては、ユーザID欄101に記憶されたユーザIDに関連付けて、ユーザ名欄102にはユーザ名が、送信時点欄103には送信時点が、症状ID欄104には症状IDが、症状欄105には症状が、回答欄106には回答が記憶されている。
ユーザ名欄102のユーザ名は、ユーザの氏名である。
送信時点欄103の送信時点は、ユーザが“登録”ボタン56(図2)を押下した時点の年月日時分秒である。
症状ID欄104の症状IDは、症状を一意に特定する識別子である。
症状欄105の症状は、前記した症状である。なお、質問文はもともと、例えば“キメの乱れが気になりますか?”という疑問文である。ここでは単純化及びわかり易さのために、“キメが乱れている”という肯定文が症状として記載されている。
回答欄106の回答は、“はい”又は“いいえ”のいずれかである。
図7に沿って、食材提案情報32を説明する。食材提案情報32においては、ユーザID欄111に記憶されたユーザIDに関連付けて、ユーザ名欄112にはユーザ名が、送信時点欄113には送信時点が、提案食材欄114には提案食材が、提案数欄115には提案数が、選択数欄116には選択数が記憶されている。
ユーザID欄111のユーザIDは、図6のユーザIDと同じである。
ユーザ名欄112のユーザ名は、図6のユーザ名と同じである。
送信時点欄113の送信時点は、ユーザが“確定”ボタン64(図3)を押下した時点の年月日時分秒である。
提案数欄115の提案数は、提案された(表示された)食材の数である。つまり、“( )”及び“〈 〉”の数である。
選択数欄116の選択数は、ユーザによって確定選択された食材の数である。つまり、 “〈 〉”の数である。
図8に沿って、症状・栄養素情報33を説明する。症状・栄養素情報33は、縦軸に症状を有し、横軸に栄養素を有するマトリクス(行列)を含む。そして、縦軸と横軸との交点のセルに、その症状の改善に対するその栄養素の有効度を示す値が記憶されている。さらに具体的には、縦軸には、症状IDが症状とともに並んでいる。ここでの症状ID及び症状は、図6の症状ID及び症状と同じである。図8では、症状は全部で10個あるが、ユーザはその数を任意に設定可能である。なお、“質問周期”については後記する。横軸には、栄養素ID(j01、j02、・・・)が栄養素(タンパク質、カリウム、・・・)とともに並んでいる。栄養素IDとは、前記した栄養素を一意に特定する識別子である。図8では、栄養素は全部で12個あるが、ユーザはその数を任意に設定可能である。もちろん、各症状の改善に効果のある栄養素は、実際には例示された12個以外にも存在する(図8は、説明用の簡略図である)。
症状が変化する時間的スケールは、症状により異なる。例えば、飲酒による不調(二日酔い等)は、翌日又は翌々日には改善される。したがって、症状受付処理部21が1日ごとに、“飲酒による不調が残っていますか?”のような質問文を表示することには意味がある。その一方で、便秘の改善には1週間程度を要し、肌の症状の改善には1か月程度を要し、高血圧の改善には数カ月を要する。
“2”は、その症状の改善に対して、その栄養素が非常に有効であることを示す。
“1”は、その症状の改善に対して、その栄養素が有効であることを示す。
“0”は、その症状の改善に対して、その栄養素が無効であることを示す。
“−1”は、その症状の改善に対して、その栄養素が有害であることを示す。
図10に沿って、食材・栄養素情報34を説明する。食材・栄養素情報34は、縦軸に食材を有し、横軸に栄養素を有するマトリクス(行列)を含む。そして、縦軸と横軸との交点のセルに、その食材に含まれるその栄養素の含有量を示す値が記憶されている。さらに具体的には、縦軸には、食材IDが食材とともに並んでいる。食材IDとは、食材を一意に特定する識別子である。図10では、食材は全部で16個あるが、ユーザはその数を任意に設定可能である。なお、“食材群”、“嗜好係数”及び“旬係数”については後記する。横軸には、図8及び図9と同様に、栄養素IDが栄養素とともに並んでいる。図10においても、栄養素は全部で12個あるが、ユーザはその数を任意に設定可能である。もちろん、各食材は、実際には例示された12個以外の栄養素も含む(図10は、説明用の簡略図である)。本実施形態においては、症状・栄養素情報33(図8、図9)の横軸と、食材・栄養素情報34(図10、図11)の横軸とは、栄養素の数、種類及び配列順序において、完全に一致していることが前提になっている。
自然物である食材に対して、自然条件の観点から入手しやすい季節(時期)とそうでない季節を定義することができる。自然条件の観点から入手しやすい季節を、その食材の旬と呼ぶ。旬は、当然食材ごとに異なるし、同じ食材であっても地域ごとに異なる。現在では、栽培・養殖技術の進歩により大抵の食材は季節を問わずに入手可能になっている。しかしながら、同じ食材であっても自然の恵みに育まれた場合と、人工的に育成された場合とでは、おのずと品質に差異が生じる。旬係数Hkは、例えば、“0≦Hk≦2”の範囲を有する値である。
特定のユーザが特定の期間に特定の食材を確定選択した回数を、そのユーザにその期間にその食材が提案された(食材提案画面61に表示された)回数で除算した値を、“選択率”として定義する。嗜好係数Tkは、選択率に応じて、例えば、0≦Tk≦2の範囲の値を取る。具体的には、嗜好係数の初期値は“1”である。食材候補決定部23は、常時選択率を監視しており、選択率が所定の閾値を超える場合、嗜好係数に対して例えば“1.2”を乗算する(上限は“2”である)。同様に、食材候補決定部23は、選択率が所定の(別の)閾値に満たない場合、嗜好係数に対して例えば“0.8”を乗算する。特例として、医師等の判断によりそのユーザがその食材の摂取を禁止されている又は制限されている場合(アレルギーである食材等)、嗜好係数には“−1”が固定的に設定される。図10からは直接読み取れないが、このように、嗜好係数は、食材、ユーザ及び期間の組み合わせに対して定義されることに留意するべきである。
食材候補決定部23は、症状の改善に対して有効な栄養素を含有する食材をユーザに提案する。しかしながら、ユーザが同じ食材ばかり摂取していると、栄養バランスが崩れ、むしろ健康を害するリスクが高まる。このような偏りを防止するには、共通の栄養素を含有するもの同士で、食材をいくつかの食材群に分類し、各食材群から少なくとも1つの食材が提案されるようにすればよい。食材群については、図12の説明としても後記する。
“3”は、その食材がその栄養素を特に多く含むことを示す。
“2”は、その食材がその栄養素を多く含むことを示す。
“1”は、その食材がその栄養素を含むことを示す。
“0”は、その食材がその栄養素を含まないことを示す。
ある食材に対して、含有量は一意に定義される。例えば、“さつまいも”は(採取された年の自然条件にも微妙に左右されるが)、ほぼ一定の化学的組成を有し、各栄養素の含有量はほぼ一定であると考え得る。一方、ある症状に対して、有効度が一意に定義されるかと言えば必ずしもそうではない。個々のユーザの体質、ある地理的条件における人間集団の体質によって、有効度は変化し得る。
図12に沿って、食材群情報35を説明する。食材群情報35においては、食材群ID欄121に記憶された食材群IDに関連付けて、食材群欄122には食材群が記憶されている。
食材群ID欄121の食材群IDは、食材群を一意に特定する識別子である。ここでは、1、2、・・・、7の数字が割り当てられている。
食材群欄122の食材群は、食材群の名称である。この名称によって、各食材群がどのような食材を含むかがおよそわかるようになっている。
食材は、いずれかの分類に属する。ユーザは、“1”〜“7”の食材群のそれぞれから少なくとも1つの食材を摂取することが好ましい。なお、食材群を細分化する程度(粒度)はユーザの設定次第である。例えば、“果物”をさらに産地別に分類してもよいし、“油脂類”をさらに動物性及び植物性に分類してもよい。
図13に沿って、処理手順を説明する。
ステップS201において、食材提案装置1の症状受付処理部21は、問診を実行する。具体的には、第1に、症状受付処理部21は、問診画面51(図2)を端末装置2の出力装置16に表示する。このとき、症状受付処理部21は、症状・栄養素情報33の質問期間欄を参照し、前回に症状の有無を問う質問文を表示した後、現時点までに質問周期の日数が経過していない質問文を表示しないものとする。または、前回の回答の“はい”ボタン又は“いいえ”ボタンのいずれかをデフォルト表示するものとする。
第3に、症状受付処理部21は、ステップS201の“第2”において受け付けたデータに基づいて、症状受付情報31(図6)の新たなレコードを作成し、記憶する。このとき記憶されるレコードの数は、問診欄の数(質問文の数)に等しい。
第2に、必要栄養素決定部22は、ステップS202の“第1”において取得した症状IDを検索キーとして、症状・栄養素情報33(図9)を検索し、該当するベクトル“Si,all”をすべて取得する。このとき、取得されるベクトルを“症状行ベクトル”と呼ぶ。症状行ベクトルの数は、ユーザが押下した“はい”ボタンの数に等しい。
いま加算症状行ベクトルを“ΣSi,all”と表すと、以下の式1が成立している。
ΣSi,all=αSi,all+βSi,all+γSi,all+・・・ (式1)
ここで、式1の右辺の各項における添え字“i”は、“はい”ボタンが押下された症状に対応している。例えばユーザが“はい”ボタンを押下した症状は、“キメが乱れている”(症状IDはi01)、“毛穴が目立つ” (症状IDはi03)及び“便秘である” (症状IDはi07)の3つであるとする。この場合、式1の右辺は、“αS1,all+βS3,all+γS7,all”となる。α、β、γ、・・・は、症状ごとにユーザが予め設定する重みであり正の値を取り得る。以降の説明では、単純化のため、α=β=γ=・・・=1であるとして説明を続ける。しかしながら、例えば“キメが乱れている”ことを重視したいユーザは、S1,allに乗算される重みを“2”に、他の重みを“1”に設定することもできる。
(食材,スコア)=(さつまいも,5),(さといも,4),(ゆであずき,6),(みかん,2),(レモン,1),(柿,3),(牛肩ロース肉,3),(牛もも肉,2),(豚肩ロース肉,4)
当該データを“食材スコアデータ”と呼ぶ。
(食材,スコア)1=(さつまいも,5),(さといも,4),(ゆであずき,6)
(食材,スコア)2=(みかん,2),(レモン,1),(柿,3)
(食材,スコア)3=(牛肩ロース肉,3),(牛もも肉,2),(豚肩ロース肉,4)
ここで添え字の“1”、“2”及び“3”は、食材群IDである。図12では食材群IDは、7つ存在する。しかしながら、ここでは簡単化のため、食材群IDは3つ存在するものとする。
(食材,スコア)1=(ゆであずき,6),(さつまいも,5),(さといも,4)
(食材,スコア)2=(柿,3),(みかん,2),(レモン,1)
(食材,スコア)3=(豚肩ロース肉,4),(牛肩ロース肉,3),(牛もも肉,2)
(食材,スコア)1=(ゆであずき,6),(さつまいも,5)
(食材,スコア)2=(柿,3),(みかん,2)
(食材,スコア)3=(豚肩ロース肉,4),(牛肩ロース肉,3)
第3に、食材候補表示処理部24は、ステップS210の“第2”において受け付けたデータに基づいて、食材提案情報32(図7)の新たなレコードを作成し、記憶する。前記の例では、食材候補表示処理部24は、新たなレコードの提案食材として、“(ゆであずき,6),〈さつまいも,5〉,(柿,3),〈みかん,2〉,(豚肩ロース肉,4),〈牛肩ロース肉,3〉”を記憶することになる。
その後、処理手順を終了する。
前記では、食材候補決定部23は、スコアの大きいものから順に提案するべき食材の候補を決定している。しかしながら、このようなルールを厳密に適用すると、入力された症状に対し、常に同じ食材の組み合わせが提案されることになりがちである。そこで、食材候補決定部23は、以下のパタン1又はパタン2の処理を実行してもよい。
(パタン1)
・食材群のそれぞれについて、所定の閾値以上のスコアを有する食材をp個取得する。
・p個の食材のうちから、食材群別候補数qに等しい個数(但しq<p)の食材を無作為に取得する。
パタン1によれば、類似のスコアを有する食材のうち、1つだけが常に候補として取得されることを回避できる。
・食材群のそれぞれから、それぞれの食材群別候補数に等しい個数の食材を無作為に抽出し、異種の食材群の候補からなる食材候補の集合を作成する。集合は、複数取得されることになる。
・集合に含まれる食材のスコアを合計し、その合計スコアの最も大きい集合を提案するべき食材の候補とする。
パタン2によれば、スコアが小さい食材であっても、他のスコアが大きい食材の助けを借りて、候補となることができる。
仮にスコアが小さくても、その食材が表示される候補となる可能性を高める方策として、食材候補決定部23は、以下のパタン3の処理を実行してもよい。
(パタン3)
・スコアに対して、スコアの値よりも有意に大きい所定の正の値を加算し、補正後スコアとする。例えば、さつまいものスコアが“2”であった場合、その“2”に“100”を加算し、“102”を補正後スコアとする。
・その食材の補正後スコアがすべての食材の補正後スコアの合計に占める比率に比例する確率で、表示するべき食材の候補を決定する。
改善するべき症状が客観的には存在していても、ユーザがそのことに気付いていない場合も多い。このとき、ユーザは、“気になる症状がないということですか?”と言う質問文に対して“はい”で回答することになる。しかしながら、このようなユーザに対しても、何らかの食材候補をなんらかの根拠で提案することが、隠れた症状を改善するためには必要である。そこで、図9の“i10”の行のベクトル“S10,all”の各成分をどのように決めるかが問題になる。そこで、必要栄養素決定部22は、以下のパタン4の処理を実行してもよい。
・図9において、すべての栄養素の列のベクトル“Sall,k”(但し、“all”は、“10”を含まない)の成分を合計する。
・合計値の大きい順に所定の数(例えば“5”)の栄養素を特定する。
・特定された栄養素に対応する有効度を“1”とする行のベクトル“S10,all”を作成する。ベクトル“S10,all”が有する12個の成分のうち、5個は“1”となる。
ユーザは、質問文に対して、“はい”又は“いいえ”のいずれかを常に容易に判断できるとは限らない。そこで、症状受付処理部21は、問診画面51において、追加的に“わからない”ボタンを各問診欄52a等に表示してもよい。そして、必要栄養素決定部22は、“わからない”を“はい”と同じであると看做して、症状行ベクトルを取得する。しかしながら、“わからない”の場合、必要栄養素決定部22は、症状行ベクトルの各成分にt(0<t<1)を乗算する。ユーザは、自身が他人よりも慎重な性格であると信じている場合、tを大きい値に設定し、そうでない場合は、tを小さい値に設定する。
ユーザが候補として表示された食材のすべてを確定選択することを、“完了する”と言う。なお、ユーザが完了すると、食材提案情報32(図7)の選択数を提案数で除算した比率(達成率)が100%になる。食材候補表示処理部24は、常時達成率を監視し、ユーザが完了したことを検知した時点で以下の処理のうちのいずれかを実行してもよい。
・ユーザに対してポイントを与える。ここでのポイントは、例えば確定選択された食材の生産者(販売者)が発行する電子マネーであってもよい。
・特定の食材群に含まれる食材を次回以降、表示するべき食材の候補に加える。この食材群は、例えば、特に他の食材の摂取に影響を与えないお菓子のような“ご褒美”的な食材を専ら含んでいてもよい。
達成率が100%にならなくても100%に徐々に近づいていることが可視化されると、ユーザは完了に向けての動機を維持しやすくなる。そこで、食材候補表示処理部24は、任意のタイミングで以下の処理を実行してもよい。
・食材提案情報32(図7)の送信時点、提案食材、提案数及び選択数、及び、食材・栄養素情報34(図11)の食材群に基づき、ユーザの達成率を、時系列かつ食材群ごとに算出する。
・算出した達成率の推移を、達成率推移画面71(図4)として端末装置2の出力装置16に表示する。
ユーザが質問文のそれぞれに対して丁寧に回答する時間を有さない場合も多い。また、複数の質問文に対して一通り回答した直後に、追加的に“はい”となるような症状を思いつくことも多い。メインの問診画面51(図2)に対して補助的又は省力的に使用できる画面があれば便利である。そこで、症状受付処理部21等は、以下の処理を実行してもよい。
・症状受付処理部21は、端末装置2の出力装置16に、会話画面81(図5)を表示する。会話画面81には、吹き出し“今気になることはありますか?”82が表示されている。
・症状受付処理部21は、ユーザが任意の方法で症状を入力するのを受け付ける。ここで、ユーザは、症状受付処理部21が表示する症状の選択肢のなかから1又は複数の症状を選択してもよいし、症状をテキスト入力してもよいし、音声入力してもよい。症状受付処理部21は、入力結果を、例えば、吹き出し“疲労感があります”83として表示する。
・食材候補決定部23は、前記した処理に準じて、表示するべき食材を決定する。ただし、ユーザは落ち着いて画面を視認できない状況にある場合が多い。よって、表示するべき食材の数は極力少ない方がよい(1つであってもよい)。
・食材候補表示処理部24は、例えば、吹き出し“食材としてレモンをお勧めします”84として、食材を表示する。
前記したように、症状・栄養素情報33(図9)は、ユーザの(又はユーザの集団の)体質そのものを示しており、その有効度(Si,j)は、適宜更新され、適切な食材の提供を担保しなければならない。そこで、必要栄養素決定部22は、所定の周期ごとに(例えば、月末ごとに)バッチ処理等で以下の処理を実行する。
・必要栄養素決定部22は、症状の改善度を横軸とし、食材の選択回数を縦軸とする座標平面(図14(a)参照)に、ユーザを示す図形をプロットする。プロットされた図形の数は、例えば、A社の女性営業職の数に一致する。そして、症状の改善度と食材の選択回数の相関係数rを算出する。周知のように、相関係数rは、“−1≦r≦1”の範囲の値を取る。
・相関係数rが所定の範囲(例えば0.8≦r)にある症状及び食材の組み合わせを特定する。例えば、“キメが乱れている”及び“うなぎ”の組み合わせが特定されたとする。
・必要栄養素決定部22は、食材・栄養素情報34(図11)の“うなぎ”の行のベクトル“F12,j”を取得する。なお、うなぎの食材IDは、“i12”である。
・必要栄養素決定部22は、症状・栄養素情報33(図9)において、有効度“S1,5 ”及び“S1,7”の値をより大きな値で更新する。例えば、既存の値“1”に“1.5”を乗算した値で既存の値を更新する。なお、症状“キメが乱れている”の症状IDは“i01”であり、栄養素“亜鉛”の栄養素IDは“j05”であり、栄養素“ビタミンE”の栄養素IDは“j07”である。
・−1≦r<rs1である場合、有効度Si,jを小さくする。
・rs1≦r<rs2である場合、有効度Si,jの更新は行なわない。
・rs2≦r≦1である場合、有効度Si,jを大きくする。
本実施形態は、以下の効果を奏する。
(1)自身の方法及びタイミングで食材を調理し摂取しようとするユーザは、症状の改善のために真に必要な食材を、適当な数の候補として知ることができる。特に、候補の数については、症状の入力数が少なくても充分な数の候補を知り、逆に症状の入力数が多くても、複数の症状の改善に同時に寄与する少数の候補を知ることができる。
(2)ユーザは、食材に対する嗜好を反映したうえで、必要な食材を知ることができる。さらに、提案された食材及びそのうち自身が選択した食材を適宜に記録することができる。
(3)ユーザは、特定の食材群に偏ることなく、必要な食材を知ることができる。
(5)ユーザは、自身の体質に有効な栄養素を見直すことができる。
(6)ユーザは、回答が同じになる質問文に対し、繰り返し回答する必要がなくなる。
(7)ユーザは、ベクトルを使用した数量的演算により、高い確度で必要な食材を知ることができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
2 端末装置
3 ネットワーク
4 外部システム
11 中央制御装置
12 主記憶装置(記憶部)
13 補助記憶装置(記憶部)
14 通信装置
15 入力装置
16 出力装置
21 症状受付処理部
22 必要栄養素決定部
23 食材候補決定部
24 食材候補表示処理部
31 症状受付情報
32 食材提案情報
33 症状・栄養素情報
34 食材・栄養素情報
51 問診画面
61 食材提案画面
71 達成率推移画面
81 会話画面
Claims (8)
- 症状と栄養素との組み合わせごとに、前記症状の改善に対する前記栄養素の有効度が記憶される症状・栄養素情報と、
食材と前記栄養素との組み合わせごとに、前記食材に含まれる前記栄養素の含有量が記憶される食材・栄養素情報と、
が格納される記憶部と、
ユーザが複数の前記症状を入力するのを受け付ける症状受付処理部と、
前記受け付けた複数の症状に基づいて、前記症状・栄養素情報を検索し、
前記受け付けた複数の症状の改善に対する前記有効度を前記栄養素ごとに取得する必要栄養素決定部と、
前記取得した有効度と、前記食材・栄養素情報に記憶される前記食材ごとの前記含有量とに基づいて、前記食材ごとにスコアを算出し、
前記算出したスコアの大小関係に基づき、予め設定された任意の数だけ前記ユーザに対して提案する前記食材を決定する食材候補決定部と、
前記決定した食材を表示する食材候補表示処理部と、
を有し、
前記食材・栄養素情報は、
前記食材に関連付けて、嗜好係数を記憶しており、
前記食材候補表示処理部は、
前記表示した食材を前記ユーザが選択するのを受け付け、
前記食材候補決定部は、
前記嗜好係数に基づいて前記スコアを算出し、
前記表示した食材と前記選択を受け付けた食材との比率に基づき、前記嗜好係数を更新すること、
を特徴とする食材提案装置。 - 前記食材・栄養素情報は、
前記食材に関連付けて、前記食材が属する食材群を記憶しており、
前記食材候補決定部は、
前記食材群のそれぞれから、前記ユーザに対して提案する前記食材を決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の食材提案装置。 - 前記症状受付処理部は、
前記ユーザが操作する端末装置に前記症状の有無を問う質問文を表示し、
前記食材候補表示処理部は、
前記端末装置に前記決定した食材をアイコンとして表示し、
前記選択を受け付けた食材のアイコンを、それ以外のアイコンから区別される態様で表示すること、
を特徴とする請求項2に記載の食材提案装置。 - 前記必要栄養素決定部は、
前記症状の改善度と前記食材が選択される回数と、に基づき、前記有効度を更新すること、
を特徴とする請求項3に記載の食材提案装置。 - 前記症状・栄養素情報は、
前記症状に関連付けて、質問周期を記憶しており、
前記症状受付処理部は、
前記質問周期に基づいて、前記症状の有無を問う質問文を表示すること、
を特徴とする請求項4に記載の食材提案装置。 - 前記症状・栄養素情報は、
複数の前記栄養素の前記有効度を成分に有する第1のベクトルが前記症状ごとに記憶されたものであり、
前記食材・栄養素情報は、
複数の前記栄養素の前記含有量を成分に有する第2のベクトルが前記食材ごとに記憶されたものであり、
前記食材候補決定部は、
前記第1のベクトルと前記第2のベクトルとの内積を算出することによって、前記スコアを算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の食材提案装置。 - 食材提案装置の記憶部は、
症状と栄養素との組み合わせごとに、前記症状の改善に対する前記栄養素の有効度が記憶される症状・栄養素情報と、
食材と前記栄養素との組み合わせごとに、前記食材に含まれる前記栄養素の含有量が記憶される食材・栄養素情報と、
を格納しており、
前記食材提案装置の症状受付処理部は、
ユーザが複数の前記症状を入力するのを受け付け、
前記食材提案装置の必要栄養素決定部は、
前記受け付けた複数の症状に基づいて、前記症状・栄養素情報を検索し、
前記受け付けた複数の症状の改善に対する前記有効度を前記栄養素ごとに取得し、
前記食材提案装置の食材候補決定部は、
前記取得した有効度と、前記食材・栄養素情報に記憶される前記食材ごとの前記含有量とに基づいて、前記食材ごとにスコアを算出し、
前記算出したスコアの大小関係に基づき、予め設定された任意の数だけ前記ユーザに対して提案する前記食材を決定し、
前記食材提案装置の食材候補表示処理部は、
前記決定した食材を表示装置に表示し、
前記食材・栄養素情報は、
前記食材に関連付けて、嗜好係数を記憶しており、
前記食材候補表示処理部は、
前記表示した食材を前記ユーザが選択するのを受け付け、
前記食材候補決定部は、
前記嗜好係数に基づいて前記スコアを算出し、
前記表示した食材と前記選択を受け付けた食材との比率に基づき、前記嗜好係数を更新すること、
を特徴とする前記食材提案装置の食材提案方法。 - 食材提案装置の記憶部に対し、
症状と栄養素との組み合わせごとに、前記症状の改善に対する前記栄養素の有効度が記憶される症状・栄養素情報と、
食材と前記栄養素との組み合わせごとに、前記食材に含まれる前記栄養素の含有量が記憶される食材・栄養素情報と、
を格納させ、
前記食材提案装置の症状受付処理部に対し、
ユーザが複数の前記症状を入力するのを受け付ける処理を実行させ、
前記食材提案装置の必要栄養素決定部に対し、
前記受け付けた複数の症状に基づいて、前記症状・栄養素情報を検索し、
前記受け付けた複数の症状の改善に対する前記有効度を前記栄養素ごとに取得する処理を実行させ、
前記食材提案装置の食材候補決定部に対し、
前記取得した有効度と、前記食材・栄養素情報に記憶される前記食材ごとの前記含有量とに基づいて、前記食材ごとにスコアを算出し、
前記算出したスコアの大小関係に基づき、予め設定された任意の数だけ前記ユーザに対して提案する前記食材を決定する処理を実行させ、
前記食材提案装置の食材候補表示処理部に対し、
前記決定した食材を表示する処理を実行させ、
前記記憶部に対し、
前記食材に関連付けて、嗜好係数が記憶される前記食材・栄養素情報を格納させ、
前記食材候補表示処理部に対し、
前記表示した食材を前記ユーザが選択するのを受け付ける処理を実行させ、
前記食材候補決定部に対し、
前記嗜好係数に基づいて前記スコアを算出し、
前記表示した食材と前記選択を受け付けた食材との比率に基づき、前記嗜好係数を更新する処理を実行させること、
を特徴とする前記食材提案装置を機能させるための食材提案プログラム。
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