JP6410434B2 - 荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム装置に関する。より具体的には、試料に対して荷電粒子ビームを照射してその照射位置から放出される荷電粒子を検出する荷電粒子ビーム装置に関する。
半導体ウェハ上のパターンの微細化に伴い、光学顕微鏡式検査装置では欠陥の検出、観察、そしてパターン幅の寸法測長が困難になってきており、走査電子顕微鏡(以下「SEM:Scanning Electron Microscopy」という)による画像撮像をベースにした検査、レビュー(再調査)、測長が行われている。以下、SEMを例にとって説明する。
SEMは、試料表面で収束する電子ビームを照射し、照射した位置から放出される2次電子あるいは反射電子を検出する。そして、電子ビームの照射位置を2次元的に移動させることにより2次元画像を撮像する。
電子ビームを照射したときに放出される2次電子数及び反射電子数の期待値は、照射する電子ビーム量を制御するビーム電流に比例する。ただし、放出される2次電子数や反射電子数にはばらつきが発生し、そのばらつきは放出される電子数の0.5乗に比例する。このばらつきが、SEMで検出した画像のノイズの主原因である。
撮像画像のS/Nを考えると、信号成分はビーム電流に比例し、ノイズ成分であるばらつきはビーム電流の0.5乗に比例するため、S/Nはビーム電流の0.5乗に比例する。この特性により、S/Nの良好な画像を得るには、できるだけ大きいビーム電流を用いて画像を撮像することが必要である。しかし、ビーム電流を大きくすると電子光学系の収差が大きくなり、高分解能の画像を得ることが出来ないという課題がある。つまり、分解能とS/Nはトレードオフの関係にある。
この課題への対策として、ビーム電流によらないS/N改善技術として、フレーム加算によるノイズ低減技術がある。これは同一領域の画像を複数撮像し、各画像をフレームとして、このフレームを足し合わせて最終的な画像を合成する方法である。この手法を用いた場合、S/Nはフレーム数の0.5乗に比例する。ただし、撮像時間はフレーム数に比例して増加する。
以上を整理すると、撮像画像のS/Nは、ビーム電流とフレーム数の積の0.5乗に比例し、撮像時間はフレーム数に比例する。
このような特性を持つSEMで半導体の欠陥をレビューする、あるいは半導体パターンの寸法を計測する場合、低倍率と高倍率の2種類の条件で連続して撮像することが一般的である。例えば、半導体の欠陥をレビューするレビューSEMにおいては、欠陥を検出する検査装置の出力する欠陥座標をもとに欠陥を高倍率で拡大して表示するが、検査装置の出力する欠陥座標の精度が低く、高倍画像内に欠陥が収まらない場合がある。そのため、高倍画像撮像の前に、低倍率の欠陥画像と参照画像を比較して欠陥位置を特定した上で、撮像領域を調整して高倍画像撮像を行う。測長SEMにおいても同様に、測定を行うパターンを決定するために、低倍画像を撮像し、次いで高倍率で画像を撮像し、この撮像画像から高精度にライン幅などを計測している。
このような連続撮像のスループットを向上するための方法として、低倍撮像時に大きいビーム電流に切り替えてフレーム数を少なくすることで、低倍撮像時の撮像時間を短縮する方法が考えられる。これは、高倍撮像時は分解能とS/Nの両方が求められるが、低倍撮像時はS/Nが高倍撮像時と同等であれば、分解能は高倍撮像時より低下してもよいという特徴を前提とした方法である。
ビーム電流の切り替えを実現する従来技術として、特許文献1では、ビーム電流を遮蔽する開口絞りに径の異なる複数の開口絞りを使用し、開口絞りを切り替えることでビーム電流を切り替えている。しかし、ビーム電流の切り替え比が開口絞りの径の加工ばらつきに依存する問題や、ビーム電流の切り替え時に半開角が変動するという問題がある。
特許文献2では、ビーム電流切り替えのために電磁レンズに静電レンズを重畳して静電レンズの収束作用の強さを変更することで、開口絞りで遮蔽されるビームの量を制御している。しかしながら、静電レンズを用いて電磁レンズと同等の収差を実現するためには、高電圧の安定電源が必要となるが、高速に切り替え可能な安定高圧電源は製作が容易ではないという問題や、レンズおよび電源の部品点数増加によるコストの問題がある。
上述の径の異なる開口絞りを切り替える方法や、静電レンズの収束作用の強さを切り替える方法によらないビーム電流切り替え技術の従来技術としては、特許文献3がある。特許文献3の光学系は、3段以上の電磁レンズで構成されており、電磁レンズの収束作用の強さを変更することで、ビーム電流と半開角とビームの試料表面の収束位置のいずれか一つ以上を切り替えることが可能である。
電磁レンズは、同程度のレンズ作用と収差を実現する場合、静電レンズに比べて小さい電源で制御が可能である。また、ビーム電流の制御には、電磁レンズと開口絞りを使用し、電磁レンズの収束作用の強さによってビーム電流を制御するため、所望のビーム電流に正確に調整することがより容易である。また、特許文献1、2の方法と比較すると、ビーム電流や半開角の切り替えのための光学系の追加を必要としないため、光学系の位置決めの経時変動による光軸ずれが生じにくい。
特表2010-519698号公報 特開2009-26749号公報 特開平5-242845号公報
電磁レンズの収束作用の強さを切り替える場合、電磁レンズの誘導性リアクタンスによるレンズ電流のリンギングと応答遅れによる経時変動により、切り替え後に荷電粒子ビームが通過する軌道上の磁束密度が経時変動する。さらに、この磁束密度の経時変動に、レンズの磁路材料における磁気余効による経時変動が重畳される。したがって、電磁レンズの収束作用の強さが複雑に経時変動する。尚、リンギングとは、信号の強さの変更時に信号が振動しながら収束値に遷移する状態、または、その様子のことである。このため、電磁レンズの収束作用の強さを切り替える際には、以下のような課題がある。
第1に、電磁レンズの収束作用の強さがリンギングするため単位時間当たりの電磁レンズの収束作用の強さの変動量が大きくなり、1画像撮像中に許容できる変動量に収束するまでの待機時間が長くなるという課題がある。
第2に、電磁レンズの収束作用の強さの変動が1画像撮像中に許容できる変動量に収まるまでの待機時間は、レンズ電流の切り替え幅によって変化するが、電流の切り替え幅と待機時間の関係の把握が困難であるという課題がある。このため、小さな電流切り替え幅の場合でも、最大の電流切り替え幅の場合の待機時間か、それより長い時間待機してから撮像を開始する必要がある。
第3に、電磁レンズの収束作用の強さが定常状態に収束するまでの待機時間が長いという課題がある。
その結果、電磁レンズの収束作用の強さを変更することで、ビーム電流、半開角、ビームの試料表面の収束位置のいずれか一つ以上を切り替える構成の荷電粒子ビーム装置において、ビーム電流、半開角、ビームの試料表面の収束位置を高速に切り替えて撮像することが出来ないという課題がある。
本願発明による課題を解決する手段のうち代表的なものを例示すれば、荷電粒子ビーム装置であって、荷電粒子ビームを試料に照射する荷電粒子ビーム源と、電磁レンズと、電磁レンズの収束作用の強さを制御するためのレンズ制御電源と、レンズ制御電源に対して電磁レンズと並列に接続され、電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時のレンズ電流を、単調増加または単調減少となるように制御する位相補償回路と、を有することを特徴とする。
荷電粒子ビーム装置において、ビーム電流、半開角、ビームの収束位置を高速に切り替えて撮像することがより容易となる。
本発明の一実施の形態における荷電粒子ビーム装置の構成図。 位相補償回路の有無による電磁レンズの収束作用の強さの経時変動の差を示す図。 光学条件を切り替えて欠陥検査を実施するシーケンスを示すフローチャート。 複数の撮像条件の設定画面の例。 待機時間の設定モードを切り替えるための画面の例。 複数フレームを撮像する場合のレンズの収束作用の強さと待機時間の例。 複数の検出器を切り替える構成の荷電粒子ビーム装置の構成図。 高倍撮像領域と低倍撮像領域のビーム電流密度の差異の例。 光学条件を切り替えて測長を実施するシーケンスを示すフローチャート。 ビーム照射による表面帯電を行う場合のビーム電流値の一例。 ビーム照射後に欠陥検査を実施するシーケンスを示すフローチャート。 本発明の一実施の形態における荷電粒子ビーム装置の構成図。 待機時間調整メモリの例。
以下、実施例を、図面を用いて説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、異なる実施例のうち、同時に成立する内容については、その組合せも実施可能である。
本実施例では、本発明の一実施の形態によるレビューSEMの構成と、本実施例のレビューSEMを使用してビーム電流と半開角の両方を切り替えながら欠陥検査するシーケンスについて説明する。
図1は、本実施の形態におけるレビューSEMの構成図の一例である。本実施の形態のレビューSEMは、電子線源101と、コンデンサレンズ102、103と、対物絞り105と、電子線軸調整器104、106と、走査ユニット107と、対物電磁レンズ108と、対物静電レンズ109と、検出器110と、XYステージ112と、電子線源制御電源121と、位相補償回路122、124と、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物電磁レンズ制御電源129と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131と、ステージ駆動電源132と、システム全体を統括制御する演算装置133、メモリ134、2次記憶装置135、ウェハ情報記憶部136、演算装置133に付随する表示装置137、入力装置138、画像処理ユニット139、待機時間調整メモリ141、撮像条件メモリ142等により構成され、ウェハ111の欠陥を検査する。
本実施の形態によるレビューSEMは、コンデンサレンズ102、103のいずれも電磁レンズを使用している。そして、図1(b)に示した結線図の通り、コンデンサレンズ制御電源123に対して電磁レンズ102と並列に位相補償回路122が設置されており、コンデンサレンズ制御電源125に対して電磁レンズ103と並列に位相補償回路124が設置されている。
尚、図1(b)の通り、位相補償回路122は、コンデンサレンズ制御電源123からみてコンデンサレンズ102と並列に位置していれば良く、位相補償回路122は、コンデンサレンズ制御電源123に近い側に位置しても良いし、コンデンサレンズ102がコンデンサレンズ制御電源123に近い側に位置しても良い。これは、位相補償回路124についても同様である。
また、対物静電レンズ109には、ブースティング光学系やリターディング光学系を使用してもよい。
本実施の形態におけるレビューSEMにおいては、荷電粒子ビームとして、特に電子ビームが使用される。ビーム電流制御部は、コンデンサレンズ102と対物絞り105とコンデンサレンズ制御電源123と位相補償回路122を含む。半開角制御部は、コンデンサレンズ103とコンデンサレンズ制御電源125と位相補償回路124を含む。ビーム収束制御部は、物電磁レンズ108と、対物静電レンズ109と、対物電磁レンズ制御電源129と、対物静電レンズ制御電源130を含む。ビーム偏向制御部は、電子線軸調整器104、106と走査ユニット107を含む。ビーム走査部は、走査ユニット107を含む。信号ゲイン制御部は、検出値調整装置131によって実現される。待機時間の制御部、待機時間決定部、光学条件制御部、画像形成部は、演算装置133によって実現される。
次に、図1により、本実施の形態によるレビューSEMの動作を説明する。
電子ビーム源101が放射した電子ビームは、コンデンサレンズ102、103を通過し、電子ビーム軸調整器104、106により非点収差やアライメントずれが補正される。電子ビームは、対物絞り105によって遮蔽される。ウェハ111に照射されるビーム電流は、コンデンサレンズ102の収束作用の強さを変更することで対物絞り105による遮蔽量を変更することで制御される。さらに、電子ビームは、ウェハ111の所望の位置に照射されるように走査ユニット107により偏向され、対物電磁レンズ108、対物静電レンズ109により収束されてウェハ111の観察対象に対して照射される。ウェハ111に電子ビームが照射されると、ウェハ111から 2次電子および反射電子が放出され、電子検出器110で信号が検出される。検出値のゲイン調整・オフセット調整およびデジタル信号への変換が検出値調整装置131で実施され、デジタル信号がメモリ134に画像として格納される。この画像形成のことを本明細書では撮像と記載する。尚、ゲイン調整、オフセット調整において、検出器110の電圧制御または電流制御が必要な場合、検出器調整装置131によって実施される。
ステージ駆動電源132およびXYステージ112は、ウェハ111を移動させることで、ウェハ111の任意の位置の撮像を可能にしている。
2次記憶装置135は、メモリ134に格納された画像を記憶することが可能である。
画像処理ユニット139は、メモリ134、2次記憶装置135に格納された画像を元に、欠陥位置を検出する。この検出方法としては、欠陥位置の画像と参照画像との比較により、差分がある位置を欠陥として検出する方法が用いられる。参照画像は、欠陥位置の画像と同一のパターンの欠陥の無い画像である。
撮像条件メモリ142および2次記憶装置135は、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値と、走査ユニット制御電源128のいずれか一つ以上の制御値によって構成される組み合わせ複数格納することが可能である。
図13は、待機時間調整メモリ141の一例である。
待機時間調整メモリ141および2次記憶装置135は、図13の通り、ビーム電流および半開角の切り替え前後のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値と、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値変更開始時点から撮像開始時点までの待機時間140を指標値として、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値の組合せを1セットとして、複数セットを格納することが出来る。尚、待機時間調整メモリ141および2次記憶装置135には、これらの制御値の代わりに、制御値を算出するためのプログラムを格納してもよい。例えば、待機時間140の異なる制御値の組合せを複数セット格納する場合は、待機時間140が最短の場合の制御値と最長の場合の制御値を元に、その間の待機時間140における制御値を算出する方法が考えられる。
演算装置133は、画像処理ユニット139と、コンデンサレンズ制御電源123、125、電子線軸調整器制御電源126、127、走査ユニット制御電源128、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131、ステージ駆動電源132の制御と、その同期処理、並列処理が可能である。 したがって、演算装置133は、撮像条件メモリ142と待機時間調整メモリ141に格納された制御値を元に、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値を変更し、この変更から待機時間140経過以前に、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の制御値を変更し、待機時間140経過後に走査ユニット制御電源128を制御して撮像を開始することが可能である。表示装置137は、メモリ134、あるいは、2次記憶装置135に格納された画像を表示することが出来る。また、ユーザは、入力装置138を用いて、本装置の様々な動作の設定を行うことが出来る。
ここで、ビーム電流と半開角の切り替えについて詳しく説明する。
ウェハ111に照射されるビーム電流は、コンデンサレンズ102と対物絞り105とコンデンサレンズ制御電源123と位相補償回路122によるビーム電流制御手段によって制御される。半開角は、コンデンサレンズ103とコンデンサレンズ制御電源125と位相補償回路124による半開角制御手段によって制御される。ビーム電流と半開角は独立に制御することが可能である。
コンデンサレンズ102と対物絞り105を含むビーム電流制御手段を使用する場合、ビーム電流の増大時に半開角も連動して増大するが、コンデンサレンズ103によって半開角がビーム電流によらず一定となるように制御することが可能である。
また、ビーム電流の増大時に半開角が小さくなるように制御することも可能である。レビューSEMによる欠陥検査では、低倍撮像における欠陥位置抽出時に、ビーム電流を大きくして、フレーム数を少なくすることで撮像時間の短縮を行うことが出来る。この欠陥位置座標抽出時には、高さの異なる欠陥を像ぼけなく撮像する必要があり、深い焦点深度が要求される。このため、ビーム電流を大きくする際に、半開角が小さくなるように制御することが重要となる。
コンデンサレンズ102、103のいずれか一つ以上のレンズの収束作用の強さを変更する際、ウェハ111にビームが収束するように対物電磁レンズ108と対物静電レンズ109を調整する。
図2は、位相補償回路を設置しない場合(a)と、設置する場合(b)の電磁レンズの収束作用の強さの経時変動の一例である。
位相補償回路122、124を設置しない場合、電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時の変動は、図2(a)の通りになる。これは、電磁レンズの誘導リアクタンスに起因するレンズ電流のリンギングと応答遅れによる磁束密度の経時変動があることと、その磁束密度の経時変動に磁路材料における磁気余効が重畳されることによるものである。さらに、レンズ電流のリンギングは、レンズ電流の初期値と電流切り替え幅に依存するため、レンズの収束作用の強さの変動を予測することは困難である。また、レンズの収束作用の強さがリンギングするために、単位時間当たりの変動量が大きいという問題がある。レンズの収束作用の強さが変動する場合であっても、撮像中のレンズの収束作用の強さの変動による画質の変動が許容範囲内であれば、撮像を行うことが出来るが、単位時間当たりのレンズの収束作用の強さの変動量が大きいために画質の変動が許容範囲に収束するまでの時間が長くなるという問題が生じる。尚、画質の変動は、電磁レンズの収束作用の強さの変動によるビーム電流と半開角の変動や、ビーム電流の変動による像の明るさやコントラストのずれ、電磁レンズの収束作用の強さの変動に基づく視野ずれ、像のぼけ等によって生じる。画質の変動は、画像の明るさ、コントラスト、シャープネス、S/Nなどにより定量的に評価することが可能である。それぞれの算出方法の一例を次に説明する。明るさの変動は、画像に含まれる各画素値のオフセット変動量を求めることで算出可能である。コントラスト変動は、各画素値の最大値と最小値の差の変動を求めることで算出可能である。シャープネスの変動は、近傍の画素の画素値の画素間距離による微分値の変動を求めることで算出可能である。S/Nの変動は、画素値の信号成分の画素値のノイズ成分による除算値の変動を求めることで算出可能である。
一方、位相補償回路122、124を設置する場合、電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時の変動は、図2(b)の通りとなる。位相補償回路122、124をレンズ電流切り替え時のレンズ電流の過渡応答が単調増加(減少)となるように調整することで、レンズの収束作用の強さの経時変動は単調増加(減少)する。位相補償回路122、124は、抵抗やキャパシタを含む回路であり、これらの値を調整することによって、レンズ電流の過渡応答波形を調整することが可能である。
このように、本実施例に係る荷電粒子線装置は、荷電粒子ビームを試料に照射する荷電粒子ビーム源(101)と、電磁レンズ(102、103)と、電磁レンズの収束作用の強さを制御するためのレンズ制御電源(123、125)と、レンズ制御電源に対してコンデンサレンズと並列に接続され、電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時のレンズ電流を、単調増加または単調減少となるように制御する位相補償回路(122,124)と、を有することを特徴とする。
係る構成により、以下の効果を奏する。第1に、レンズ電流の応答遅れ時間が短縮されるため、電磁レンズの収束作用の強さが定常状態に収束するまでの時間が短縮される。
第2に、レンズ電流のリンギングを大幅に低減できるため、電磁レンズの収束作用の強さの変動が単調となり単位時間当たりの変動量が小さくなる。このため、1画像撮像中に許容できる変動量に収まるまでの時間が短くなり、レンズ電流切替時点から撮像を開始できる時点までの待機時間が短くなる。また、電磁レンズの収束作用の強さの変動が単調となるため、変動の予測が可能となる。
さらに、荷電粒子ビームの試料への照射により発生する2次荷電粒子を検出する検出器(110)と、検出器の信号に基づいて画像を形成する画像形成部と、電磁レンズの収束作用の強さを切り替えてから、試料の画像生成を開始するまでの待機時間を制御する待機時間制御部(それぞれ演算装置133)と、待機時間および電磁レンズの制御値に対応する荷電粒子ビーム装置の制御パラメータを複数格納する待機時間調整メモリ(141)とを有することをさらなる特徴とする。
係る構成により、レンズ電流の切り替えから撮像開始までの待機時間を制御することで、電磁レンズの収束作用の強さの経時変動中においても同一のレンズの収束作用の強さを再現して撮像することが可能となる。特に、待機時間制御部は、待機時間を、画像形成部による1画像の形成時間内における電磁レンズの収束作用の強さの変動に基づく画質の変動が所定の範囲内に収まる時間内に設定する。このように、レンズの収束作用の強さが過渡状態の場合においても、撮像時点における電磁レンズの収束作用の強さに合わせて、光学条件を調整することで、画質を欠陥検査に必要な許容範囲内に調整して撮像することが可能となる。
待機時間調整メモリが格納する制御パラメータは、少なくとも、荷電粒子ビームの偏向制御値、検出器の信号ゲインの制御値、または、荷電粒子ビームを収束させるためのビーム収束制御部の制御値の少なくとも1つを含む。尚、レンズの収束作用の強さが経時変動中の場合、切り替え開始から待機時間140経過後のレンズの収束作用の強さは、レンズ電源の制御値の切り替え前後の値と待機時間140によって予測可能である。このような理由から、待機時間調整メモリ141には、ビーム電流および半開角の切り替え後のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値だけでなく、ビーム電流および半開角の切り替え前のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値も格納しておくと良い。
次に、光学条件の調整方法について、説明する。コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値変更開始時点から待機時間140経過後のコンデンサレンズ102、103の収束作用の強さに対して最適な、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値を予め待機時間調整メモリ141、または、2次記憶装置135に格納しておき、電流および半開角の切り替え時に読み込めばよい。各制御値は、以下の手順で取得し、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納する。
まず、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値変更開始時点から待機時間140経過後、自動軸調整機能、自動ブライトネス・コントラスト調整機能、自動焦点調整機能に係る時間範囲において電磁レンズの収束作用の強さの変動の影響が許容範囲である場合には、これらの自動調整機能により、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の調整値を得る。一方、自動調整機能に係る時間範囲において電磁レンズの収束作用の強さの変動の影響が許容範囲でない場合には、待機時間140経過時点での電磁レンズの収束作用の強さを定常状態で再現することが可能なコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値を使用して、電磁レンズの収束作用の強さが定常状態に収束するまで待機して、自動調整機能により、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の調整値を得る。
待機時間140は、1画像撮像範囲内における画質の変動が許容範囲となる時間に設定する。1画像撮像において複数フレームの撮像を行う場合は、複数フレームの撮像時間内における画質の変動が許容範囲となる時間を待機時間140に設定する。
尚、上述の通り、位相補償回路122、124により電磁レンズのレンズ電流切り替え開始時点から撮像開始時点までの時間短縮が行えるようになるが、レンズ電流のノイズ成分が僅かに増大する可能性があることに注意が必要である。
図1は、ウェハ111へのビームの収束を対物電磁レンズ108と対物静電レンズ109によって行い、コンデンサレンズ102、103の強さの変動によるビーム収束位置の変動の抑制は、対物静電レンズ109のみで行い、対物電磁レンズ108の強さを変更しない場合の構成例を示しており、対物電磁レンズ108に並列に位相補償回路を設置していない。これは、電磁レンズに並列に位相補償回路を設置した場合、僅かではあるがレンズ電流のノイズ成分が増大する可能性があるためである。しかしながら、ビーム収束位置の変動の抑制は対物電磁レンズ108で行っても良く、この場合、対物電磁レンズ108と並列に位相補償回路を設置するものとする。
図3は、ビーム電流と半開角を切り替えながら欠陥画像の高速連続撮像を行うシーケンスを示すフローチャートである。図3により本実施例のレビューSEMによるウェハ上の欠陥画像を撮像するシーケンスを説明する。以下の動作は、演算装置133による制御により、自動的に実行可能である。また、一部は、入力装置138を用いて、手動で実行可能である。
S301で、欠陥検査を行うウェハ111がロードされる。
S302で、撮像する欠陥が選択される。
S303で、選択された欠陥が視野に入るようにステージ112の位置が調整される。この際の位置合わせは、予めウェハ情報記憶装置136に格納済みの欠陥位置座標データを元に実施される。この欠陥位置座標データは、光学式欠陥検査装置によって出力された
ものであり、位置精度がS309の高倍撮像時の視野に対して低いため、S303〜S307によって、欠陥が高倍撮像時の視野の中心付近に位置するように撮像領域を修正する必要がある。
S304で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物電磁レンズ制御電源129と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値が低倍撮像用に設定される。これらの制御値は、予め調整を行い撮像条件メモリ142、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納しておいた制御値が読み込まれる。
この際、待機時間調整メモリ141から待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値の切り替え開始時点から待機時間140が経過した時点で、S305の低倍撮像が開始される。
S306で、画像処理ユニット139により、S305で撮像を行った画像の画像処理が行われ、欠陥位置と視野の中心位置のずれ量の抽出が実施される。このずれ量を元に、S307で欠陥が視野の中心付近に位置する撮像領域となるように、走査ユニット制御電源128の制御値が調整される。この画像処理を行うために、同じパターンの欠陥の無い画像が参照画像として必要である。参照画像を欠陥検査の開始までに準備しない場合は、この参照画像の撮像がS305の直前に実施される。
S308で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値が高倍撮像用に設定される。ここでは、対物電磁レンズ制御電源129の制御値は変更されない。これらの制御値は、予め調整を行い、撮像条件メモリ142、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。
この際、待機時間調整メモリ141から待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ102、103の収束作用の強さの切り替え開始時点から待機時間140が経過した時点で、S309の高倍撮像が開始される。
S310で全ての欠陥の撮像が終了しているかの確認が実施される。終了していない場合は、S302に戻り、異なる欠陥の撮像が続行される。全ての欠陥の撮像が終了している場合、S311でウェハのアンロードが実施され、検査が終了する。
S309の高倍撮像時は高分解能と高S/Nの両方が求められるが、低倍撮像時はS/Nが高倍撮像時と同等であれば、分解能は高倍撮像時より低下してもよい。このため、S304におけるビーム電流をS308のビーム電流より大きく設定することにより、ビーム電流の比に反比例してS305における撮像フレーム数を少なくすることが可能となり、S305における撮像時間を短縮することが可能である。
S303とS304、S306およびS307とS308は、演算装置133によって並列処理される。これは、低倍撮像時のフレーム数を低減して得られた時間短縮効果がビーム電流の切り替えに要する時間によって相殺されることを回避するためのものである。
尚、S304とS308によって得られる異なる光学条件では、ウェハ111に照射されるビームの位置が異なる可能性がある。この光学条件の切り替えによる視野ずれ量は、検査の開始以前に予め求めておき、S308の視野調整時に視野ずれを打ち消すように補正しても良い。この視野ずれ量は、調整用試料を用いて、異なる光学条件で撮像し、画像比較する方法によって求める事が可能である。この際、両方の光学条件における撮像倍率を高く設定することで、高い精度で視野ずれ量を求めることが可能である。
これまで、切り替え前後のビーム電流および半開角の設定値を選択できない場合について説明したが、以下に、ビーム電流および半開角を選択できる場合について説明する。
図4は、撮像条件の設定画面の一例である。図4により、S304、S308で使用される撮像条件の設定について説明する。
撮像領域は、正方形の撮像領域の一辺の長さにより指定するものとし、数値により自由に指定可能である。同様に、走査速度も数値による指定が可能である。これらの設定に基づいて、走査ユニット制御電源128の制御値が決定される。その他に、画像サイズ、フレーム数の設定などが可能である。
ビーム電流および半開角は、予め設定された複数の選択肢から選択可能である。このためには、ビーム電流および半開角に対応するコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値を撮像条件メモリに格納しておく必要がある。
ビーム電流をM個、半開角をN個の選択肢から選択出来るようにするためには、待機時間を変更しない場合、待機時間調整メモリ141には、前述の制御値のセットをM*(M−1)*N*(N−1)セット格納しておく必要がある。M*(M−1)は同一のビーム電流を選択しない場合のビーム電流切り替えの取りうる全ての組合せの数、N*(N−1)は同一の半開角を選択しない場合の半開角切り替えの取りうる全ての組合せの数である。
ただし、M=1、N=1の場合、つまり、切り替え前後のビーム電流および半開角の設定値を選択しない場合には、ビーム電流および半開角の切り替え前のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値は自明であるため、待機時間調整メモリ141に格納しなくてもよい。
尚、コンデンサレンズ102、103の両方に電磁レンズを使用する場合について記載したが、いずれか一方には静電レンズを使用しても良い。コンデンサレンズ102に静電レンズを使用する場合には、位相補償回路122は無くてもよい。同様に、コンデンサレンズ103に静電レンズを使用する場合には、位相補償回路124は無くてもよい。
以上、図3、4を用いて、半開角とビーム電流の両者を制御する場合のフローチャートおよび設定画面について説明したが、必ずしも両者を制御しなくてはいけないわけではなく、半開角またはビーム電流の、いずれか一方を制御しても良い。
半開角のみを切り替える場合、図1において、特に荷電粒子ビーム源からの距離が遠いコンデンサレンズ103には電磁レンズを使用し、コンデンサレンズ103に並列に、位相補償回路124を設置する。コンデンサレンズ102は、電磁レンズ、静電レンズのどちらを使用してもよい。位相補償回路122は無くても良い。
また、図3のシーケンスが、以下の通り変更される。すなわち、S308で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源125と、電子線軸調整器制御電源127と、走査ユニット制御電源128と、対物静電レンズ制御電源130の制御値が高倍撮像用に設定される。ここでは、コンデンサレンズ制御電源123、対物電磁レンズ制御電源129、検出器調整装置131の制御値は変更されない。これらの設定値は、予め調整を行い撮像条件メモリ142、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。この際、待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ103の収束作用の強さの切り替え開始時点から待機時間経過した時点で、S309の高倍撮像が開始される。
尚、S304では、高さの異なる欠陥の探索を容易にするために、深い焦点深度を優先し半開角を小さくし、一方で、S308では、詳細な観察を行うため、高い分解能を優先し最適半開角に設定する必要がある。したがって、メモリ134、2次記憶装置135に予め格納しておくコンデンサレンズ制御電源125の調整値は、S304における半開角がS308の場合の半開角よりも小さくなるように設定する。
また、ビーム電流のみを切り替える場合、図1において、特に荷電粒子ビーム源からの距離が近いコンデンサレンズ102には電磁レンズを使用し、コンデンサレンズ102とコンデンサレンズ制御電源123の間に、位相補償回路122を設置する。コンデンサレンズ103は、電磁レンズ、静電レンズのどちらを使用しても良い。位相補償回路124は無くても良い。
また、図3のシーケンスが、以下の通り変更される。すなわち、S308で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値が高倍撮像用に設定される。ここでは、コンデンサレンズ制御電源125と対物電磁レンズ制御電源129の制御値は変更されない。これらの設定値は、予め調整を行い撮像条件メモリ142、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。この際、待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ102の収束作用の強さの切り替え開始時点から待機時間経過した時点で、S309の高倍撮像が開始される。
本実施例では、本発明の一実施の形態によるレビューSEMにおいて、待機時間140をモード選択により変更できる場合について説明する。
本実施例のレビューSEMの構成は、実施例1に準ずる。実施例1においては、待機時間調整メモリ141には、予め決定された待機時間140における制御値のみを格納する場合を説明したが、本実施例では、複数の異なる待機時間140における制御値を格納する。
図5は、待機時間140のモード選択画面の一例である。待機時間の設定方法について、図5により説明する。
待機時間140は、実施例1で説明したとおり、1撮像時間内の電磁レンズの収束作用の強さの変動による画質の変動が許容範囲になる値に設定する。ただし、スループット優先の場合と精度優先の場合では、画質の変動の許容範囲が異なる。したがって、図5のような表示画面を元に待機時間140のモード選択を行う。モード選択画面では、画質の変動が許容範囲に収まる範囲で待機時間を最短にするモードと画質の変動が最小となることを優先するモード等、予め設定された数種類の値から待機時間140を選択するモードを選択することが可能である。また、各モードの設定におけるビーム電流および半開角の撮像時間内の変動幅の予測値が表示される。
これらの複数の異なる待機時間140に対応するためには、待機時間調整メモリ141に、各待機時間140における制御値を予め求めて格納しておけば良い。この際の調整方法については実施例1の方法に準ずるものとする。尚、ビーム電流をM個、半開角をN個、待機時間をT個の選択肢から選択出来るようにするためには、待機時間調整メモリ141には、実施例1で記載した制御値のセットをM*(M−1)*N*(N−1)*Tセット格納すれば良い。
他の変形例として、実施例1では、1撮像ごとに待機時間140を設定し、1撮像ごとに光学条件を変更するのに対し、1走査、1画素ごとに異なる待機時間140を設定しても良い。
この場合、切り替え前後のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値と、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値変更開始時点から撮像開始時点までの待機時間140と、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値の組合せを待機時間調整メモリ141に予め格納しておく必要がある。
この際の各制御値の調整方法については実施例1の方法に準ずるものとする。
以上の方法により、1画像の撮像中において、電磁レンズの収束作用の強さの経時変動にあわせて光学条件を調整することが可能となる。その結果、待機時間140を実施例1より短縮することが可能である。
本実施例では、本発明の一実施の形態によるレビューSEMにおいて、1画像撮像において複数フレームの撮像を行う場合、各フレームごとに異なる待機時間140を設定し、各待機時間140に応じた制御値を待機時間調整メモリ141に格納する場合について説明する。
本実施例のレビューSEMの構成は、実施例1に準ずる。実施例1では、複数のフレームを連続撮像する場合、複数のフレームの撮像を1撮像と捉える場合について説明したが、本実施例では、各フレームを異なる待機時間140における撮像として扱う場合について説明する。
図6は、複数フレームを撮像する場合のレンズの収束作用の強さと待機時間140の関係を示したものである。
図6により、複数フレームの撮像を行う場合の待機時間140について説明する。第1フレームの待機時間140をT1、1フレームの撮像時間をΔTとすると、第2フレームの撮像は、待機時間140をT2=T1+ΔTとする1フレームの撮像と言える。これを拡張すると、第Nフレームの撮像は、待機時間140をTN=T1+(N−1)*ΔTとする1フレームの撮像である。
尚、各フレームについて、レンズの収束作用の強さが異なるため、異なる複数の待機時間に対応する制御パラメータ、すなわち、フレーム全体の切り替え前後のコンデンサレンズ制御電源123、125の制御値と、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値変更開始時点から各フレームの撮像開始時点までの待機時間140と、電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値の組合せを待機時間調整メモリ141に予め格納しておく必要がある。各待機時間140における電子線軸調整器制御電源126、127、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値の調整方法については実施例1記載の方法に準ずるものとする。
以上の方法により、複数フレームの撮像において、各フレームごとに電磁レンズの収束作用の強さの経時変動にあわせて光学条件を調整することが可能となる。その結果、待機時間140を実施例1より短縮することが可能である。
本実施例では、本発明の一実施の形態によるレビューSEMとして、複数の電子検出器を搭載するレビューSEMの構成と、本実施例のレビューSEMを使用してビーム電流切り替え時に電子検出器を切り替えながら欠陥検査するシーケンスについて説明する。
実施例1〜3では、電子検出器110を1つだけ使用する場合について説明した。ここで、電子検出器110には、一般に、シンチレータとフォト・マルチプライヤの組合せが使用される。この場合、ビーム電流の切り替えに応じて検出器110のゲインを変更するためには、検出値調整装置131の電圧または電流による制御値を切り替える必要があるが、検出値調整装置131の制御値が切り替えられてから電子検出器110のゲインが切り替えられるまでに数10ms〜100ms程度要する。このため、電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時間を短縮可能であっても、待機時間140は検出器110のゲイン切り替え時間より長く設定する必要があるため、待機時間140の短縮が行えない場合がある。複数の電子検出器を切り替えながら欠陥検査することによって、係る課題が解決される。
図7は、本実施例のレビューSEMの構成図の一例である。本実施の形態のレビューSEMは、実施例1の構成に準ずるが、電子検出器110、検出値調整装置131の代わりに、電子検出器701、702、検出信号調整装置703、704、ExB偏向器705、ExB偏向器制御電源706等により構成される。
ExB偏向器705はExB(イークロスビー)方式の偏向器であり、ビームの軌道は偏向せず、2次電子および反射荷電粒子の軌道のみを偏向することが可能である。演算装置133によりExB偏向器制御電源706の設定値を変更することで、使用する検出器を切り替えることが可能である。
また、図3のシーケンスが、以下の通り変更される。すなわち、S304で、ビーム電流および半開角切り替え時に、低倍撮像用のビーム電流に対して調整済みの電子検出器701が使用されるようにアライナ制御電源706が演算装置133により制御される。そして、S308で、ビーム電流および半開角切り替え時に、高倍撮像用のビーム電流に対して調整済みの電子検出器702が使用されるようにアライナ制御電源706が演算装置133により制御される。
本実施例では、実施例1に記載のレビューSEMにおいて、帯電抑制を行って欠陥撮像を行うシーケンスについて説明する。
図8は、図3のシーケンスによって、低倍撮像と高倍撮像を連続して実施した場合の1フレーム当たりのビーム電流密度の差の一例を表わしている。
本実施の形態におけるレビューSEMにおいては、高速にビーム電流を切り替えて撮像することが可能であるが、図8の通り、低倍撮像の領域と高倍撮像の領域においてビーム電流密度が異なる場合、高倍撮像時に、視野の端部では低倍撮像時に照射されたビーム電流による帯電の影響を受けるため、像ゆれや、コントラストの変動などが生じる場合がある。その結果、高速にビーム電流を切り替える事が出来ても、高精度に欠陥撮像が出来ない可能性がある。
したがって、本実施例では帯電の影響を抑制して欠陥を撮像するためのシーケンスについて説明する。
本シーケンスは、実施例1に準ずるため、図3により、実施例1との差分について説明する。S305とS309において撮像領域に照射される1フレームあたりのビーム電流の密度は異なる場合が一般的であり、帯電しやすいウェハの欠陥撮像を行う場合、S309の撮像時にS305で照射されたビーム電流による表面の帯電の影響が残っており、ウェハ表面電位が撮像時間中に経時変動する。その結果、待機時間140を短縮すると、像ゆれ、像コントラストの変動などによる画質の変動が生じる場合がある。
この問題を回避するため、S305とS309において照射される1フレーム当たりのビーム電流の密度が一定になるように、ビーム電流、フレーム数、撮像時間、撮像領域を選択する。
ここで、S305におけるビーム電流値をIL、フレーム数をFL、1フレームの撮像時間をTL、撮像領域の面積をSLとし、S309におけるビーム電流値をIH、フレーム数をFH、1フレームの撮像時間をTH、撮像領域の面積をSHとして、それぞれのパラメータの決定方法について説明する。
S305とS309における1フレームあたりの電流密度を一定にする条件は、IL*TL/SL=IH*TH/SHと表わすことが出来る。
この式は、帯電の影響を抑制して欠陥を撮像するためには、ビーム電流値と1フレームの画像の撮像時間の積を撮像領域の面積で除した値が同一となるビーム電流値と撮像時間と撮像領域の面積のパラメータの組み合わせを複数撮像条件メモリ142に格納しておき、これらのパラメータの組み合わせを用いてビーム電流値の切り替えを実施する必要があることを示している。
また、S/NをS305とS309で一定にする条件は、IL*TL*FL=IH*TH*FHと表わすことが出来る。上記の2式を両立することにより、帯電による像ゆれ、像コントラストの変動を避けて欠陥撮像を実施することが出来る。
図4は、このような帯電抑制を行うためのパラメータ設定画面の一例である。ビーム電流、撮像領域、フレーム数、走査速度を元に、1フレームあたりの電流密度が常に計算され表示されるため、低倍撮像と高倍撮像の切り替え時に帯電による像ゆれ、像コントラストの飽和を抑制するように各パラメータを設定することが可能である。
本実施例では、本発明の一実施の形態による測長SEMの構成と、本実施の形態の測長SEMによる測長のシーケンスを説明する。本実施の形態の測長SEMは、実施例1の構成に準ずる。ただし、画像処理ユニット139は、ウェハ上に形成されたパターンの幅などの測長機能を有する。
図9は、本実施の形態の測長SEMによる測長のシーケンスを示すフローチャートの一例である。図9により、本実施の形態による測長SEMを用いた測長のシーケンスについて説明する。
S901で、パターンの測長を行うウェハ111がロードされ、S902で、測長対象のパターンが選択される。
S903で、選択された測長対象のパターンとの位置関係が分かっているアドレッシング用パターンが視野に入るようにステージ112の位置が調整される。この位置調整は、予めウェハ情報記憶装置136に登録しておいたアドレッシング用パターンの位置情報を元に実施される。尚、アドレッシング用パターンの登録とアドレッシング用パターンと測長対象のパターンの位置ずれ量の登録は、検査を開始する前に入力装置138によりユーザが行う必要がある。この登録作業は、S901とS902の間に行ってもよい。
S904で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物電磁レンズ制御電源129と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値が低倍撮像用に設定される。これらの設定値は、予め調整を行いメモリ134、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。
この際、待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値の切り替え開始時点から待機時間140が経過した時点で、S905の低倍撮像が開始される。
S906で、S905で撮像を行った画像の画像処理が行われ、アドレッシング用パターン位置と視野の中心位置のずれ量の抽出が実施され、S907で測長対象のパターンが視野の中心に位置する撮像領域となるように、走査ユニット制御電源128の制御値が調整される。
S908で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値が高倍撮像用に設定される。ここでは、対物電磁レンズ制御電源129の制御値は変更されない。これらの設定値は、予め調整を行いメモリ134、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。
この際、待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ102、103の収束作用の強さの切り替え開始時点から待機時間経過した時点で、S909の高倍撮像が開始される。
S910で、S909で撮像された画像の画像処理およびパターンの測長が実施され、測長値がパターンの位置座標情報とともに、メモリ134、2次記憶装置135に格納される。
コンデンサレンズ102の収束作用の強さの変動に起因してビーム電流が変動し、撮像された画像にコントラストの変動が生じるが、このコントラストの変動により測長値の変動が生じる可能性がある。したがって、S910における画像処理においては、コンデンサレンズ102の収束作用の強さの変動量の予測値からビーム電流の変動量を予測し、ビーム電流に反比例するようにコントラストを修正してもよい。その他の画像処理方法として、画像の走査開始位置周辺と走査終了位置周辺の画像のコントラストの違いからコントラストの変動量の位置依存性の近似関数を得て、近似関数を元にコントラストの補正を行ってもよい。
S911で全てのパターンの測長が終了しているかの確認が実施される。終了していない場合は、S902に戻り、異なるパターンの測長を続行する。全てのパターンの測長が終了している場合、S912でウェハのアンロードが実施され、測長が終了する。
ビーム電流およびフレーム数の設定については、実施例1と同様である。
本実施例では、実施例1に記載のレビューSEMまたは実施例6に記載の測長SEMにおいて、低倍画像撮像前にウェハ111の表面にビームの照射を行い、表面の帯電状態を意図的に変更する場合のシーケンスについて説明する。尚、説明を分かりやすくするために実施例1に記載のレビューSEMの場合について説明するが、実施例6に記載の測長SEMにおいても同様の手法を適用可能である。
図10は、ビーム照射時、低倍撮像時、高倍撮像時のビーム電流値を示した模式図である。図10のように、低倍撮像時よりも大きいビーム電流を照射し、その後、実施例1と同様に、低倍撮像用のビーム電流で低倍撮像を行い、その後、低倍撮像より小さいビーム電流で高倍撮像を行う。このような3種類のビーム電流を切り替えるためのシーケンスを以下に説明する。
図11は、倍画像撮像前にウェハ111の表面にビームの照射を行う場合の欠陥検査のシーケンスである。本シーケンスは実施例1に記載の図3のシーケンスと比較すると、S1101およびS1102が追加されている。実施例1記載のシーケンスとの差分について説明する。
S303と並列に、S1101が実施される。S1101で、演算装置133により、コンデンサレンズ制御電源123、125と、電子線軸調整器制御電源126、127と、走査ユニット制御電源128と、対物電磁レンズ制御電源129と、対物静電レンズ制御電源130と、検出値調整装置131の制御値がビーム照射用に設定される。これらの制御値は、予め調整を行い撮像条件メモリ142、待機時間調整メモリ141、2次記憶装置135に格納しておいたものが読み込まれる。
この際、待機時間調整メモリ141から待機時間140も同時に読み込まれ、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値の切り替え開始時点から待機時間140が経過した時点で、S1102のビーム照射が開始される。
ただし、S1102はウェハ111表面にビームを照射し帯電させることでS305およびS309における像コントラストを変更することが目的であるため、撮像する場合と比較して求められるビーム電流や半開角の許容範囲は大きい。したがって、待機時間140による制御を行わず、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値の切り替え後すぐにS1102を開始してもよい。
S1102で、ウェハ111にビームが照射され、S304で低倍撮像用に光学条件が切り替えられ、S305で欠陥位置周辺における低倍撮像が実施される。
ウェハ内に導電性の異なる欠陥がある場合で、かつ、通常の高倍撮像では欠陥が発見できないような場合であっても、S1102の処理によって帯電状態を変更することにより、像のコントラストが変化し、欠陥の抽出が容易となる場合がある。このような場合では、本実施例の方法が有効である。
尚、S1101、S304、S308のように、3種類以上のビーム電流に対応するためには、待機時間調整メモリ141に、各ビーム電流、各待機時間140における制御値を予め求めて格納しておく必要がある。この際の調整方法については実施例1の方法に準ずるものとする。
本実施例では、本発明の一実施の形態による汎用SEMの構成と、本実施の形態の汎用SEMによる観察の動作について説明する。
図12により、本実施の形態による汎用SEMの構成について説明する。本実施の形態における汎用SEMは、実施例1と重複する番号の構成要素に加えて、光学条件メモリ1201、試料1202、試料ステージ1203によって構成される。
次に、図12により、本実施の形態による汎用SEMの動作について説明する。ただし、実施例1と重複する部分については省略する。
試料1202に照射される電子ビームは、対物絞り105によって制限される。さらに、電子ビームは、試料1202の所望の位置に照射されるように走査ユニット107により偏向され、対物電磁レンズ108、対物静電レンズ109により収束されて試料1202の観察対象に対して照射される。試料1202に電子ビームが照射されると、試料1202から2次電子および反射電子が放出され、電子検出器110で信号が検出される。
試料ステージ1203およびステージ駆動電源132は、試料1202を移動させ、試料1202の任意の位置の撮像を可能にしている。
光学条件メモリ1201および2次記憶装置135は、コンデンサレンズ制御電源123、125の制御値と、電子線軸調整器制御電源126、127、走査ユニット制御電源128、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の各制御値の組合せを、複数格納することが出来る。
演算装置133は、コンデンサレンズ制御電源123、125、電子線軸調整器制御電源126、127、走査ユニット制御電源128、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の制御と、各制御の同期処理が可能である。
表示装置137は、メモリ134、あるいは、2次記憶装置135に格納された画像を表示することが出来る。また、ユーザは、入力装置138を用いて、本装置の様々な動作の設定を行うことが出来る。
尚、コンデンサレンズ102、103には電磁レンズを使用し、コンデンサレンズ102と並列に位相補償回路122を設置し、コンデンサレンズ103と並列に位相補償回路124を設置する。
次に、本実施の形態による汎用SEMを用いた試料1202の観察方法について説明する。
ユーザは、ビーム電流、半開角、ビーム収束位置、画像の明るさとコントラスト、電子線軸調整器制御電源126、127の制御値などを全て入力装置138によって任意の値に指定し、画質を調整することが可能である。演算装置133により、ユーザの各指定値に応じたコンデンサレンズ制御電源123、125、対物電磁レンズ制御電源129、対物静電レンズ制御電源130、検出値調整装置131の制御値が計算され、設定される。
ユーザは、表示装置137によって画質を確認しながら、画質が許容範囲となるように、ビーム電流、半開角、ビーム収束位置、画像の明るさとコントラスト、電子線軸調整器制御電源126、127の制御値を調整し、その後、入力装置138の操作により撮像を開始することが可能である。上述の通りに調整して得た各制御値は、光学条件メモリ1201に登録しておくことが可能である。また、登録しておいた各制御値を呼び出すことも可能である。
通常、ビーム電流制御手段および半開角制御手段に電磁レンズを使用する汎用SEMでは、入力装置138を用いてビーム電流、半開角の値を変更すると、コンデンサレンズ102、103の収束作用の強さの変動が収束するまで時間を要するため、ユーザは、表示装置137に表示されている画像を確認しながら、画質の変動が許容範囲になったところで入力装置138を操作して画像を2次記憶装置135に保存する。
しかし、本実施例の汎用SEMにおいては、位相補償回路122、124を設置しているため、コンデンサレンズ102、103の経時変動の収束時間が大幅に短縮されている。このため、ユーザが入力装置138を用いてビーム電流、半開角の変更を行ってから、再び入力装置138を操作して撮像を開始するまでに要する時間は、画質の変動が安定するまでの待機時間よりも長い。したがって、ユーザは、ビーム電流および半開角の変更後すぐに所望の画質での撮像を開始することが可能である。
101:電子線源、102:コンデンサレンズ、103:コンデンサレンズ、104:電子線軸調整器、105:対物絞り、106:電子線軸調整器、107:走査ユニット、108:対物電磁レンズ、109:対物静電レンズ、110:検出器、111:ウェハ、112:XYステージ、121:電子線源制御電源、122:位相補償回路、123:コンデンサレンズ制御電源、124:位相補償回路、125:コンデンサレンズ制御電源、126:電子線軸調整器制御電源、127:電子線軸調整器制御電源、128:走査ユニット制御電源、129:対物電磁レンズ制御電源、130:対物静電レンズ制御電源、131:検出値調整装置、132:ステージ駆動電源、133:演算装置、134:メモリ、135:2次記憶装置、136:ウェハ情報記憶部、137:表示装置、138:入力装置、139:画像処理ユニット、140:待機時間、141:待機時間調整メモリ、142:撮像条件メモリ、701:検出器、702、検出器、703:検出値調整装置、704:検出値調整装置、705:ExB偏向器、706:ExB偏向器制御電源、1201:光学条件メモリ、1202:試料、1203:試料ステージ

Claims (11)

  1. 荷電粒子ビームを試料に照射する荷電粒子ビーム源と、
    電磁レンズと、
    前記電磁レンズの収束作用の強さを制御するためのレンズ制御電源と、
    前記レンズ制御電源に対して前記電磁レンズと並列に接続され、前記電磁レンズの収束作用の強さの切り替え時のレンズ電流を、単調増加または単調減少となるように制御する位相補償回路と、
    前記荷電粒子ビームの前記試料への照射により発生する2次荷電粒子を検出する検出器と、
    前記検出器の信号に基づいて画像を形成する画像形成部と、
    前記電磁レンズの収束作用の強さを切り替えてから、前記試料の画像生成を開始するまでの待機時間を制御する待機時間制御部と、
    前記待機時間および前記電磁レンズの制御値に対応する制御パラメータを複数格納する待機時間調整メモリと、をさらに有する
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  2. 請求項において、
    前記待機時間制御部は、前記待機時間を、前記画像形成部による1画像の形成時間内における前記電磁レンズの収束作用の強さの変動に基づく画質の変動が所定の範囲内に収まる時間内に設定することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  3. 請求項において、
    前記待機時間制御部は、前記待機時間を、前記所定の範囲内の下限値に設定することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  4. 請求項において、
    前記制御パラメータは、前記荷電粒子ビームの偏向制御値、前記検出器の信号ゲインの制御値、または、前記荷電粒子ビームの前記試料への収束を制御するビーム収束制御部の制御値の少なくとも1つを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  5. 請求項1において、
    前記位相補償回路は、前記荷電粒子ビームの前記試料への収束を制御するビーム収束制御部、前記荷電粒子ビームのビーム電流を制御するビーム電流制御部、または、前記荷電粒子ビームの半開角を制御する半開角制御部のいずれかに設けられることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  6. 請求項において、
    前記制御パラメータには、前記画像の画質の変動が所定の範囲に収まる条件で待機時間を最短にするモードに対応する制御パラメータと、前記画像の画質の変動を最小とするモードを含む複数のモードに対応する制御パラメータが含まれることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  7. 請求項において、
    複数の前記制御パラメータには、異なる前記待機時間に対応するものが含まれることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  8. 請求項において、
    前記荷電粒子ビーム源は、3種類以上のビーム電流に対応した前記荷電粒子ビームを前記試料に照射し、
    前記待機時間調整メモリは、前記3種類以上の前記ビーム電流に対応した前記制御パラメータを格納することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  9. 請求項において、
    前記荷電粒子ビームのビーム電流を制御するビーム電流制御部をさらに有し、
    前記ビーム電流制御部の制御値を切り替える際に、前記切り替えの開始前、または、前記切り替えの開始時点から前記待機時間内に前記待機時間調整メモリから読み込んだ制御値を用いることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  10. 請求項1において、
    前記荷電粒子ビームの収束部には、前記電磁レンズ、および、静電レンズが含まれ、
    前記荷電粒子ビームのビーム電流または半開角を変更する際に、前記電磁レンズの収束作用の強さを一定とし、前記静電レンズの収束作用の強さを切り替えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
  11. 請求項において、
    前記待機時間調整メモリは、前記制御パラメータとして、前記画像形成部による1画像の形成時間と前記荷電粒子ビームのビーム電流の積を前記画像における撮像領域で除した値が同一となる前記形成時間と前記ビーム電流と前記撮像領域の組み合わせ、を複数格納し、
    前記荷電粒子ビーム装置は、これらの前記制御パラメータの組み合わせを使用して、前記ビーム電流を切り替えることを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
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