JP6409937B1 - 造粒方法及び造粒装置 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 薬効成分を含む造粒用水溶液の液滴6を被覆剤からなる流動床3に投入し、被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させて、上記薬効成分を含む粒子9を成形する造粒方法において、被覆剤として水不溶性粒子を用い、かつ上記造粒用水溶液を射出するノズル5と上記流動床3との間に風防を設け、該風防7と上記ノズル5とを同電位に調整し、上記液滴6をこの風防を通過させて上記流動床3に投入する造粒方法。
【効果】 粒操作の作業性を向上させ、粒径の均一性が高く単分散系の粉末又は顆粒を得ることができ、また造粒粒子の保存用ビニール袋等に対する付着性が大幅に軽減されて、取扱性を顕著に改善し得る。更に、造粒後の乾燥工程を省略することが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薬効成分又は生体機能性成分を含有する水溶液から該薬効成分又は生体機能性成分を含有する粒子を成形する造粒方法及び造粒装置に関し、更に詳述すると造粒と同時に所定の被覆剤で粒子表面を被覆して被覆粒子を得ることができると共に、得られる粒子の取扱性に優れ、かつ粒度分布の狭い均一性の高い粒子を生産性よく得ることができる造粒方法及び造粒装置に関する。
医薬やサプリメントなどの補助食品の分野において、薬効成分やその他の生体機能性成分を含む溶液から粒子を成形して該薬効成分又は生体機能性成分を含む顆粒を製造し、これをそのまま顆粒剤とし、又はカプセルに充填してカプセル剤とし、或いはこの顆粒を打錠して錠剤を製することが行われている。
ここで、特開2004−250367号公報(特許文献1)では、上記顆粒を得る造粒方法として、薬効成分又は生体機能性成分を含有する溶液を流動する被覆剤からなる流動床に滴下して、被覆剤で被覆された粒子とし、これを乾燥させて被覆剤粒子を得る方法が提案されている。
しかしながら、本発明者らが上記方法を試験的に実施したところ、上記方法で得られた粒子は、保存用のビニール袋や取り扱い時に用いる用具(スコップ、スパーテル、その他の生産設備など)に付着しやすく、製造後の取扱性に劣るものであった。また、上記方法では、親水性の粉末からなる被覆剤を振動するベルト上で流動させて流動床を形成し、この流動床に薬効成分又は生体機能性成分を含有する溶液を滴下するが、その際にベルト上で流動する被覆剤の親水性粉末が周囲に飛散して作業性を大きく低下させることが知見された。
更に、この方法では、被覆粒子を回収した後に乾燥工程を必要とし、この乾燥工程が生産性を低下させる一因となり、また乾燥効率を考慮して加熱乾燥を行う場合には、その熱が薬効成分や生体機能性成分に悪影響を及ぼす可能性もある。
なお、上記特許文献1以外の先行技術文献としては、下記特許文献2〜11が挙げられる。
特開2004−250367号公報 特許第6092777号公報 特許第6117699号公報 特開2016−128400号公報 特表2014−521713号公報 特許第4879458号公報 特開2004−285021号公報 特表2017−508776号公報 特許第5080413号公報 特開2008−222567号公報 特公平04−070942号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、薬効成分又は生体機能性成分を含む核粒子の表面を被覆剤で被覆した被覆粒子を作業性及び生産性よく得ることができ、しかも得られる粒子が取扱時の用具等に付着しやすくなることもなく、取扱性に優れる粒子が得られる造粒方法及び造粒装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究をおこなった結果、薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、被覆剤を流動させた流動床に、所定量ずつ間欠的に射出して、薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形し造粒する場合に、上記造粒用水溶液を射出するノズルと上記流動床との間の所定範囲を包囲する風防を設けると共に、該風防と上記ノズルとを導通させて接地するなどの方法で両者を同電位に調節することにより、被覆剤の飛散を効果的に防止して造粒操作の作業性を顕著に改善し生産性を向上させことができ、しかも得られた粒子は、粒径の均一性が高く単分散系の粉末又は顆粒を得ることができ、また保存用ビニール袋や取扱時の用具に対する付着性が大幅に軽減されて、粒子の取扱性を顕著に改善し得ることが見出された。
そこで、本発明者らは、更に生産性をより向上させるべく検討を進めた結果、上記流動床を、上記特許文献1に記載の従来技術のような親水性の粒子ではなく、多孔質ないし毛細管現象が認められる水不溶性粒子を用いて形成することにより、液滴に付着した該水不溶性粒子及び流動床が射出された上記造粒用水溶液の液滴から効率よく水分を吸水除去して粒子を成形することができると共に、液滴表面に付着して吸水した水不溶性粒子は湿潤したり溶解することもないので成形後の乾燥操作を省略することが可能であり、生産性を大幅に向上させ得ることを見出し、本発明を完成したものである。
従って、本発明は、下記造粒方法及び造粒装置を提供するものである。
〔1〕 薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形する造粒方法において、
上記被覆剤として水不溶性粒子を用い、かつ上記造粒用水溶液を上記流動床に射出するノズルと上記流動床との間の所定範囲を包囲する風防を設けると共に、該風防と上記ノズルとを同電位に調整し、上記造粒用水溶液の液滴をこの風防の内側を通過させて上記流動床に投入することを特徴とする造粒方法。
〔2〕 上記風防を導電性材料で形成すると共に上記ノズルと導通させて接地することにより、上記ノズルと上記風防とを同電位とする〔1〕の造粒方法。
〔3〕 上記被覆剤が、結晶セルロース、コーンスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、ゼオライト、二酸化ケイ素、カンテン末、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、タルクから選ばれる1種又は2種以上の粉末である〔1〕又は〔2〕の造粒方法。
〔4〕 上記造粒用水溶液が、上記薬効成分又は生体機能性成分の溶出性を調節するための高分子物質を含有する〔1〕〜〔3〕のいずれかの造粒方法。
〔5〕 上記溶出性を調節する高分子物質がゼラチン、カラギーナン、寒天、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ヒプロメロースフタレート、ヒプロメロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート及びポリビニルアセテートフタレートから選ばれる1種又は2種以上である〔4〕の造粒方法。
〔6〕 薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形する造粒装置であり、
上記造粒用水溶液を射出するノズルを有し、該ノズルから造粒用水溶液を所定量ずつ間欠的に射出する射出部と、
該射出部の下方に上記ノズルと対向して配置され、上記被覆剤を流動した状態で保持する流動床形成部と、
上記ノズルと上記流動床形成部との間の所定範囲を包囲して配置され、該ノズルと同電位に調整された筒状の風防とを具備してなり、
上記ノズルから射出された上記造粒用水溶液の液滴が、上記風防の内側を通って上記流動床形成部に形成された流動床に投入されるように構成したことを特徴とする造粒装置。
〔7〕 上記風防が、導電性材料で形成されており、かつ上記ノズルと導通し接地されて該ノズルと同電位に調整された〔6〕の造粒装置。
〔8〕 上記流動床形成部が、上面が開放した粒子収容容器と、該粒子収容容器を振動させる振動機構とを具備してなり、上記粒子収容容器に上記被覆剤を収容して振動させることにより、該粒子収容容器内の被覆剤を流動させて、上記流動床を形成するように構成した〔6〕又は〔7〕の造粒装置。
本発明の造粒方法及び造粒装置によれば、造粒用水溶液の液滴を、被覆剤粒子からなる流動床に投入して、該液滴から水分を被覆剤に吸収させることにより粒子を成形し造粒する場合に、被覆剤の飛散を効果的に防止して造粒操作の作業性を顕著に改善し生産性を向上させることができ、しかも得られた粒子は、粒径の均一性が高く単分散系の粉末又は顆粒を得ることができ、また保存用ビニール袋や取扱時の用具に対する付着性が大幅に軽減されて、取扱性を顕著に改善し得る。
更に、液滴に付着した被覆剤の水不溶性粒子及び流動床が上記造粒用水溶液の液滴から効率よく水分を吸水除去して粒子を成形することができると共に、液滴表面に付着して吸水した水不溶性粒子は湿潤したり溶解することもないので成形後の乾燥操作を省略することが可能であり、生産性を大幅に向上させることが可能である。
本発明にかかる造粒装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の造粒方法は、上記のとおり、薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形するものである。
上記薬効成分又は生体機能性成分としては、水に溶解又は分散可能なものであればいずれのものでもよい。例えば、薬効成分としては、ジゴキシン、テオフィリン、プロカインアミド、N−アセチルプロカインアミド、アプリンジン、ジソピラミド、リドカイン、ピルジカイニド、プロパフェノン、メキシレチン、フレカイニド、キニジン、コハク酸シベンゾリン、アミオダロン、ピルメノール、ベプリジル、フェノバルビタール、ニトラゼパム、プリミドン、ジアゼパム、フェニトイン、カルバマゼピン、ゾニサミド、エトスクシミド、アセタゾールアミド、クロバザム、バルプロ酸ナトリウム、トリメタジオン、クロナゼパム、スルチアム、ガバペンチン、レベチラセタム、トピラマート、ラモトリギン、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシン、アルベカシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ボリコナゾール、シクロスポリン、タクロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、サリチル酸、メトトレキサート、ハロペリドール、ブロムペリドール、炭酸リチウム、イマチニブ、シクロフォスアミド、イホスファミド、メルファラン、ブスルファン、チオテパ、ニムスチン、ラニムスチン、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロミド、カルムスチン、ストレプトゾシン、ベンダムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、イリノテカン、ノギテカン、ドキソルビシン、エトポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、マイトマイシンC、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、ブレオマイシン、ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、バンデタニブ、スニチニブ、アキシチニブ、パゾパニブ、レンバチニブ、ラパチニブ、ニンテダニブ、ニロチニブ、クリゾチニブ、アレクチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、ソラフェニブ、ベムラフェニブ、ボルテゾミブ、シロリムス、テムシロリムスなどを例示することができる。
また、生体機能性成分とは、生体内に吸収されて生体に対して所定の作用を及ぼすものでサプリメント等の機能性食品などに用いられるものであり、例えば、コエンザイムQ10、ルテイン、クルクミノイド、シリマリン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、フコキサンチン、リコピン、セサミン、α−リポ酸、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ノコギリヤシエキス(オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸)、セントジョーンズワート(ヒペリシン)、ロイヤルゼリー(デセン酸)、ヘスペリジン、ノビレチン、ケルセチン、ケンフェロール、ミリシトリン、カテキン、ダイゼイン、グリシテイン、ゲニステイン、ミリセチン、スチルベン、及びこれらの利用可能な誘導体などを例示することができる。
なお、薬効成分又は生体機能性成分は、これらに限定されるものではなく、本発明の造粒方法に適用可能なものであれば、いずれのものも使用することができる。
上記薬効成分又は機能性成分を水に溶解又は分散して上記造粒用水溶液を調製する。この場合、該造粒用水溶液には、特に制限されるものではないが、上記薬効成分又は機能性成分の溶出性を調節するための高分子物質を配合することが好ましい。溶出性を調節する高分子物質としては、特に制限されるものではないが、ゼラチン、カラギーナン、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ヒプロメロースフタレート、ヒプロメロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレートなどを例示することができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。この溶出性を調節する高分子物質の配合量は、高分子物質の種類や目的とする溶出性などに応じて適宜設定され、特に制限されるものではないが、上記薬効成分又は機能性成分100質量部に対して1〜2000質量部、特に50〜600質量部とすることができる。
また、場合によっては賦形剤を配合することもでき、例えば、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、グリセリン、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース、還元水アメ、粉末還元麦芽糖水アメなどの賦形剤を適量用いることができる。
更に、この造粒用水溶液には、後述する被覆剤の流動床を用いた造粒操作に不都合を生じさせるものでなければ、必要に応じて甘味料、着色料、保存料、滑沢剤、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、香料、酸味料、調味料、pH調整剤などの適宜な添加剤を適量配合することができる。
例えば、上記保存料としてはパラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ε−ポリリジンなどが例示される。
ここで、特に制限されるものではないが、上記薬効成分又は機能性成分を疎水性液体に溶解又は分散させた液滴を水に分散させて造粒用水溶液とし、薬効成分又は機能性成分を含む疎水性液体が、上記水溶性高分子物質や賦形剤などを含む組成物中に分散した状態の顆粒を造粒することもできる。これにより、特許第6103111号公報に開示された性状の薬剤とすることもできる。
この場合、上記疎水性液体は、上記薬効成分や機能性成分を良好に溶解又は分散することができる界面活性剤ではない疎水性の液体であればよい。この場合、この疎水性液体における「疎水性」とは、上記造粒用水溶液に溶解することなく、上記薬効成分や機能性成分を含んだ液粒の状態で分散するものであればよい。より具体的には、例えば20℃で液体であり、かつ20℃における水への溶解度が10質量%以下のものであれば上記疎水性液体として用いることができる。
上記疎水性液体として具体的には、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、安息香酸ベンジル、オクチルデシルトリグリセリド、オレイン酸、クエン酸トリエチル、ジメチルポリシロキサン、シンナムアルデヒド、中鎖モノ・ジグリセリド、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、ピペロニルブトキシド、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、酪酸エチルなどを例示することができ、これらの1種又は2種以上を好適に使用することができる。
上記疎水性液体を用いて、上記特許第6103111号公報に開示された性状の薬剤を造粒する場合は、例えば後述する実施例1のように、上記疎水性液体に上記薬効成分又は機能性成分を溶解又は分散させた疎水性溶液を調製し、これを上記溶出性を調節する高分子物質などを溶解した水溶液に混合して、上記薬効成分又は機能性成分が溶解又は分散した疎水性液体の液粒が上記水溶液に均一に分散した造粒用水溶液を調製し、これを造粒操作に供すればよい。
なお、特に制限されるものではないが、上記造粒用水溶液の粘度は50〜50000mPa・sとすることができ、インクジェットヘッドでは対応し得ない50mPa・s以上の高粘度水溶液であっても造粒操作に供することができる。なお、特に制限されるものではないが、本発明方法における造粒用水溶液の好ましい粘度は、50〜100000mPa・s、より好ましくは50〜50000mPa・s、更に好ましくは150〜3000mPa・sである。
本発明の造粒方法は、上記造粒用水溶液を所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を該被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形する。
その場合に本発明では、上記流動床を形成する被覆剤として水不溶性粒子が用いられる。この被覆剤とされる水不溶性粒子としては、水不溶性で多孔質ないし毛細管現象が認められる吸湿性の粒子が好ましく用いられ、上記造粒用水溶液の液滴の表面に良好に付着して吸水し得、かつ人体に安全でかつ上記薬効成分や機能性成分と反応することがなく、また該薬効成分や機能性成分の効果や溶出性、生体吸収性などに対して不要な作用を及ぼさないものであればよい。
この被覆剤の水不溶性粒子として具体的には、特に制限されるものではないが、結晶セルロース、コーンスターチ(トウモロコシデンプン)、コメデンプン、コムギデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、ゼオライト、二酸化ケイ素、カンテン末、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、タルクなどを例示することができ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。ここで、上記デンプン類やカンテン末には熱水に溶解するものが存在するが、本発明造粒操作時の環境下における温度で水に不溶であれば水不溶性粒子として被覆剤に用いることができる。なお、これら水不溶性粒子の粒径は、特に制限されるものではないが、d50=5〜70μm、特にd50=10〜30μmとすることが好ましく、粒径が大きすぎると、上記造粒用水溶液の液滴表面への付着性に劣り、また吸水性も不十分となる場合があり、一方粒径が小さすぎると流動させた際に飛散しやすくなる。更に、特に制限されるものではないが、この被覆剤は安息角が60°以下、特に50°以下であることが好ましく、これにより得られた被覆粒子の流動性が向上して、当該被覆粒子を打錠する場合などの次工程における作業性や生産性をより向上させることができる。
上記被覆剤を流動させて流動床を形成するが、その流動方法としては公知の方法を採用することができ、例えば図1に示したように、上面が開放した粒子収容容器(パン)1と、これを振動させる振動機構部2とを具備するいわゆる開放パン型造粒機10を用い、該粒子収容容器(パン)1に上記被覆剤を収容し振動させることにより被覆剤を流動させて、上記粒子収容容器(パン)1内に上記被覆剤の流動床3を形成することができる。この場合、特に制限されるものではないが、粒子収容容器(パン)1を公転振動させて、被覆剤を転動させることにより流動床を形成することが好ましい。なお、流動床の形成はこの方法に限定されるものではなく、例えば振動コンベアを用い被覆剤を直線的に流動させて流動床を形成するようにしてもよい。
この被覆剤からなる流動床に、上記造粒用水溶液を所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を流動床に投入する。この場合、上記造粒用水溶液の射出は、公知の液剤定量吐出装置を用いて行うことができ、通常は、図1に示したように、液剤定量吐出装置4を流動床3の直上に配置して、該液剤定量吐出装置4のノズル5から上記造粒用水溶液を所定の吐出圧で射出して該造粒用水溶液の液滴6を流動床3に滴下するように設定される。
このとき、本発明では、図1に示されているように、上記液剤定量吐出装置4のノズル5と上記流動床3との間の所定範囲を包囲する筒状の風防7を設置して、上記ノズル5から射出される上記造粒用水溶液の液滴6がこの風防7の内側を通って上記流動床3に投入されるように設定すると共に、この風防7と上記ノズル5とを同電位に調整する。ここで、上記ノズル5と風防7とを同電位に調整する方法は、例えば図1に示されているように、風防7を導電性材料で形成して上記ノズル5と導通8させると共に接地することにより、両者を同電位に調整する方法が好適に採用される。この場合、上記風防7を形成する導電性材料は、導電性金属のほか、導電性高分子(PEDOT、ポリアニリン、ポリピロール)フィルム、又は金属酸化物粒子(ITO、ATO)、ナノ炭素粒子(カーボンナノチューブ、グラフェン)、金属微粒子(金、銀、銅、炭素、カーボンブラック、アルミニウム)等の金属材料を配合したフィルムやPVCフィルム等に上記金属微粒子を蒸着または印刷したものを用いることができる。なお、ノズル5と風防7とを導通させ接地する方法以外にも、イオナイザー(除電器)を用いて風防7とその内空間及びノズル5を除電することにより、両者を同電位(0電位)に調整することも可能であり、この場合には風防7を非導電性の材料で形成することも可能である。また、風防7を設置する範囲は、特に制限されるものではないが、ノズル5と流動床3との間の50%以上、特に80%以上、更には95%以上とすることが好ましく、この場合にノズル5の周囲を含む範囲を包囲する風防とすることもできる。なお、本発明における「風防とノズルが同電位」とは、両者の電位差0Vであることが好ましく、上述した両者の導通及び接地により容易にこのような同電位を達成することができるが、本発明では0.01〜10V程度の電位差であれば同電位とすることができる。
このようにして、上記流動床3に投入された上記造粒用水溶液の液滴6の表面に流動床3を形成する上記被覆剤の粒子が付着して吸水し、液滴から水分が除かれて上記薬効成分又は機能性成分を含む核粒子の表面に上記被覆剤が付着した造粒粒子9が成形される。この場合、上記造粒用水溶液の液滴からの吸水は、液滴表面に付着した被覆剤粒子自体の吸水性だけでなく、上記流動床3を形成する粒子間に形成される間隙の毛細管現象も吸水に寄与していると考えられる。
ここで、本発明では、上記のように、流動床3を形成する被覆剤として上述の水不溶性粒子を用いたことにより、該被覆剤は上記核粒子表面に付着して吸水した後でも湿潤したり溶解したりすることがなく、造粒後の乾燥工程を省略することができる。一方、上記特許文献1(特開2004−250367号公報)等に開示された従来法では、被覆剤として親水性の粒子が用いられるため、核粒子を脱水することにより湿潤し場合によっては溶解するため造粒後に別途乾燥工程が必要となる。
また、本発明では、上記風防7を設置すると共に、該風防7とノズル5とを同電位に調整したことにより、上記造粒操作時に上記流動床3を形成する被覆剤の飛散や風防7への付着を効果的に防止して作業性を大きく改善し、生産性を高めることができる。更に、このようにノズル5と同電位に調整した風防7を設置して造粒された粒子は、保存用のビニール袋やその後の工程に用いられるスコップ、スパーテルなどの用具や生産設備などに対する付着性が大きく軽減されて、取扱性に非常に優れるものとなる。
さらに、上記風防7とノズル5とを同電位に調整したことにより、ノズル5から射出され上記流動床3に投入されるまでの液滴6の飛翔が一定方向に安定化し、液滴6が流動床3の外に飛散することを効果的に防止して、生産性と工業的実用性を向上させることができる上、均一な液滴6を安定的に流動床3へと供給することができるので、得られる造粒粒子の粒径の均一性が高く、粒度分布の狭い単分散を達成することができる。
そして、このように流動床3内で成形された造粒粒子9は、篩いにかけられて分級され、表面が上記被覆剤で被覆された被覆粒子として回収される。この粒子表面の被覆剤は、そのまま薬剤や機能性食品のコーティング層とすることができ、被覆剤を適宜選択することにより、苦みのマスキングやpH応答性を付与するためのコーティング層とするも可能であり、長時間を要するコーティング工程を省略して生産性を更に向上させることも可能である。
また、場合によっては、造粒粒子9から上記被覆剤を剥離して核粒子のみからなる粒子とすることも可能である。被覆剤を剥離する方法は、特に制限されないが、例えば被覆剤の粒径を核粒子よりも大きく設定し、好ましくは10倍以上の粒径として、核粒子に付着しにくい被覆層とし、造粒後に被覆剤と共に篩いにかけることによって容易に被覆剤を剥離することができる。
なお、上記風防は、被覆剤による流動床を用いない造粒方法にも適用することができる。例えば、フッ素樹脂コーティング等により剥離性に優れる表面を有するフィルム、プレート、ベルトを移動させながら、これらに薬効成分又は生体機能性物質を含む分散液を射出し、これを剥がして乾燥させ、又はベルト等の上で乾燥させてから剥がし、粒子を回収する方法においても、上記風防を設けノズルと同電位に調整することにより、上述した取扱性に優れる粒子を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に示すが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
精製水28.6gにゼラチン11.9gを加え、55〜65℃に加温して、ゼラチン水溶液を得た。一方、クエン酸トリエチル7.14gにシクロスポリン(薬効成分)2.38gとパラオキシ安息香酸ブチル12.0mgを加え、55〜65℃に加温してシクロスポリンとパラオキシ安息香酸ブチルを溶解させ、薬効成分溶液を得た。
上記ゼラチン水溶液を55〜65℃で攪拌しながら上記薬効成分溶液を徐々に加えて混合し、造粒用水溶液を得た。この造粒用水溶液の水分量は57.1%であった。この造粒用水溶液の60℃における粘度をB型粘度計で測定したところ、220mPa・sであった。この造粒用水溶液は、シクロスポリンとパラオキシ安息香酸ブチルが完全に溶解したクエン酸トリエチルの液滴が、ゼラチン水溶液中に均一に分散されたものであった。
この造粒用水溶液45.0gを、吐出ノズル径0.3mmを備えた液剤定量吐出装置に仕込み、吐出圧0.5MPa、間欠射出数1万rpmに設定した。また、吐出ノズルから下方70cmに開放パン型造粒機(パン口径300mm)を設置し、パンに日局トウモロコシデンプン(D50=20μm)500gを被覆剤として収容し、90rpmにて公転振動させて、トウモロコシデンプン粉末を転動流動させ流動床を形成した。この状態で、液剤定量吐出装置から上記造粒用水溶液をトウモロコシデンプン粉末の流動床に向けて上記条件で射出させ、上記造粒用水溶液の液滴を上記トウモロコシデンプン粉末からなる被覆剤の流動床に投入した。このとき、液剤定量吐出装置と開放パン型造粒機の間に透明導電性PVCフィルム(格子状にカーボンブラックを印刷したもので、表面抵抗値は1×104〜1×105Ω)からなる筒状の風防を設置して、造粒用水溶液の液滴が通過する領域を包囲した。さらに、アース線で液剤定量吐出装置のノズル近傍の金属部ネジと上記風防のフィルムとを短絡させて、ノズルと風防とを導通させて接地した。
上記造粒用水溶液45.0gを吐出後、被覆剤のトウモロコシデンプン粉を回収して目開き91μmの篩いにかけ、造粒粒子43.1gと未造粒トウモロコシデンプン518gを分級した。この造粒粒子は上記薬効成分を含むクエン酸トリエチルの液滴が分散したゼラチン水溶液の乾燥ゲルを核粒子として、トウモロコシデンプンが粉衣された形態となっていた。この造粒粒子の水分を乾燥減量試験法で求めたところ10.5%であった。造粒粒子中のパラオキシ安息香酸ブチル含量は248μg/gだったことから、造粒粒子は、造粒用水溶液の吐出液滴がトウモロコシデンプン中で水分57.1%から約10%まで乾燥された核粒子と、造粒用水溶液の吐出液滴から水分を吸って約10%まで水分を抱えたトウモロコシデンプンとによって、質量比で1:1で構成されているものと推察された。
回収された造粒粒子は、保存用のポリエチレン袋やプラスチック製ボトル容器(低密度ポリエチレン製またはポリプロピレン製)の壁面に付着せず、飛散性が低い、取り扱いが容易な粒子であった。また、造粒粒子の粒度分布をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で観察したところ、平均粒径はd50が300μmで、d10は210μm、d90は380μmであり、粒径の均一性が高いものであった。
[実施例2]
精製水5.68gにゼラチン1.96gを加え、55〜65℃で加温して、ゼラチン水溶液を得た。ここにヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(Shin−Etsu AQOAT AS−HF)0.39gを混合し、ゼラチン−AS分散液を得た。一方、精製水0.88gに日局L−アルギニン0.01gを加えて溶解させ、アルギニン水溶液を得た。
上記ゼラチン−AS分散液を55〜65℃で攪拌しながらアルギニン水溶液を添加して混合し、Arg含有ゼラチン−AS水溶液を得た。このArg含有ゼラチン−AS水溶液は淡黄色透明な液体で、未溶解の粉末は見られず、pHは5.8であった。更に、クエン酸トリエチル0.20gにパラオキシ安息香酸ブチル5.08mgを加え、55〜65℃に加温してパラオキシ安息香酸ブチルを溶解させ、これをArg含有ゼラチン−AS水溶液に55〜65℃で攪拌しながら混合した。ここに、さらにメトトレキサート(薬効成分)0.78gを55〜65℃で攪拌しながら混合して造粒用水溶液を得た。この造粒用水溶液の60℃における粘度をB型粘度計で測定したところ、300mPa・sであった。
この造粒用水溶液10gを、実施例1と同様の造粒装置で同様にしてトウモロコシデンプン粉末の流動床に射出し、目開き91μmの篩いにかけ、造粒粒子6.8gと未造粒トウモロコシデンプン501gを分級した。この造粒粒子は上記薬効成分(メトトレキサート)を含む分散したArg含有ゼラチン−AS水溶液の乾燥ゲルを核粒子として、トウモロコシデンプンが粉衣された形態となっていた。この造粒粒子の水分を乾燥減量試験法で求めたところ10.3%であった。造粒粒子中のパラオキシ安息香酸ブチルの含量は687μg/gであったことから、造粒粒子中のメトトレキサートの含量は約10質量%に相当すると推察される。
この造粒粒子は、保存用のポリエチレン袋やプラスチック製ボトル容器(低密度ポリエチレン製またはポリプロピレン製)の壁面に付着せず、飛散性が低い、取り扱いが容易な粒子であった。また、造粒粒子の粒度分布をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で観察したところ、平均粒径はd50が280μmで、d10は200μm、d90は400μmであり、粒径の均一性が高いものであった。
更に、この造粒粒子5.0mgを37℃に温めた100mLの溶出試験第1液(pH1.2)に加えて混合したところ、60分後でも粒の形状を維持し崩壊しなかった。いっぽうで、同様にこの造粒粒子5.0mgを37℃に温めた100mLの溶出試験第2液(pH6.8)に加えて混合したところ、5分後には完全に崩壊し、メトトレキサートが放出された。このことから、造粒用水溶液に含有された溶出性を調製する高分子物質(ゼラチン及びヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)がpH応答性を付与していることが確認された。
[実施例3]
29.97gのポリエチレングリコール4000を55〜65℃に加温して、ポリエチレングリコール溶液を得た。一方、精製水3.33gに安息香酸デナトニウム(苦味成分)0.03gを溶解し、苦味成分水溶液を得た。ポリエチレングリコール溶液を55〜65℃で攪拌しながら苦味成分水溶液を徐々に加えて混合し、造粒用水溶液を得た。
この造粒用水溶液10gを、実施例1と同様の造粒装置で同様にしてトウモロコシデンプン粉末の流動床に射出し、目開き91μmの篩いにかけ、造粒粒子8.2gと未造粒トウモロコシデンプン460gを分級した。この造粒粒子は上記苦味成分(安息香酸デナトニウム)を均一に含むポリエチレングリコール水溶液の乾燥粒子を核粒子として、トウモロコシデンプンが粉衣された形態となっていた。この造粒粒子の水分を乾燥減量試験法で求めたところ6.2%であった。
回収された造粒粒子は、保存用のポリエチレン袋やプラスチック製ボトル容器(低密度ポリエチレン製またはポリプロピレン製)の壁面に付着せず、飛散性が低い、取り扱いが容易な粒子であった。また、造粒粒子の粒度分布をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で観察したところ、平均粒径はd50が310μmで、d10は200μm、d90は380μmであり、粒径の均一性が高いものであった。
更にこの造粒粒子を、水を使わず経口摂取したところ、苦味がマスキングされていることが確認された。
[実施例4]
精製水390gにEudragit S100(メタクリル酸コポリマーS)を100g添加し、水分散液を得た。その液を撹拌しながらアンモニア0.8g添加して部分中和を行った。更にその液を撹拌しながらクエン酸トリエチル50gを添加し、造粒用水溶液を得た。
この造粒用水溶液10gを、実施例1と同様の造粒装置で同様にしてトウモロコシデンプン粉末の流動床に射出し、目開き91μmの篩いにかけ、造粒粒子5.4gと未造粒トウモロコシデンプン320gを分級した。この造粒粒子はEudragitの乾燥粒子を核粒子として、トウモロコシデンプンが粉衣された形態となっていた。この造粒粒子の水分を乾燥減量試験法で求めたところ10.5%であった。
回収された造粒粒子は、保存用のポリエチレン袋やプラスチック製ボトル容器(低密度ポリエチレン製またはポリプロピレン製)の壁面に付着せず、飛散性が低い、取り扱いが容易な粒子であった。また、造粒粒子の粒度分布をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置で観察したところ、平均粒径はd50が250μmで、d10は190μm、d90は300μmであり、粒径の均一性が高いものであった。
更にこの造粒粒子を、日本薬局方 崩壊試験第1液(pH1.2)、第2液(pH6.8)およびリン酸緩衝液pH7.0に投入し、37℃にて崩壊試験を行ったところ、第1液および第2液では120分間崩壊せず、リン酸緩衝液pH7.0では15分後に崩壊した。
[比較例1]
実施例1と同様の造粒用水溶液45.0gを実施例1と同様に、吐出ノズル径0.3mmを備えた液剤定量吐出装置に仕込み、吐出圧0.5MPa、間欠射出数1万rpmに設定した。また、吐出ノズルから下方70cmに開放パン型造粒機(パン口径300mm)を設置し、パンにスクロース(D50=120μm)500gを被覆剤として収容し、90rpmにて公転振動させて、スクロース粉末を転動流動させ流動床を形成した。この状態で、実施例1と同様に風防を設置し、液剤定量吐出装置から上記造粒用水溶液をスクロース粉末の流動床に向けて上記条件で射出させ、上記造粒用水溶液の液滴を上記スクロースからなる被覆剤の流動床に投入した。
吐出された粒子はスクロース粉末と合体して粗大な塊をつくり、均一な粒子を得られなかった。吐出された水溶液によりスクロース表面が溶解したことが原因と推察された。
[比較例2]
液剤定量吐出装置と開放パン型造粒機の間に透明導電性PVCフィルムではなく、アクリル樹脂からなる筒状の風防を用い、風防とノズルとの導通及び接地が行われないこと以外は実施例1と同様に射出、分級した。
上記装置構成にて造粒操作を行い、造粒粒子32.6gを得た。回収された造粒粒子は、保存用のポリエチレン袋の壁面に付着し、取り扱いが困難な粒子であった。生産中はトウモロコシデンプンや被覆された粒子がアクリル樹脂製の風防に付着し、視認性、作業性が悪化した。また、射出された粒子が流動床に届く前に風防内壁に付着している様子も観察され、生産性が低下した。
下記表1に上記実施例1、比較例1,2の対比を示す。
Figure 0006409937
1 粒子収容容器(パン)
2 振動機構部
3 流動床
4 液剤定量吐出装置(射出部)
5 ノズル
6 造粒用水溶液の液滴
7 風防
8 導通線
9 造粒粒子
10 開放パン型造粒機(流動床形成部)

Claims (8)

  1. 薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形する造粒方法において、
    上記被覆剤として水不溶性粒子を用い、かつ上記造粒用水溶液を上記流動床に射出するノズルと上記流動床との間の所定範囲を包囲する風防を設けると共に、該風防と上記ノズルとを同電位に調整し、上記造粒用水溶液の液滴をこの風防の内側を通過させて上記流動床に投入することを特徴とする造粒方法。
  2. 上記風防を導電性材料で形成すると共に上記ノズルと導通させて接地することにより、上記ノズルと上記風防とを同電位とする請求項1記載の造粒方法。
  3. 上記被覆剤が、結晶セルロース、コーンスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、ゼオライト、二酸化ケイ素、カンテン末、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、タルクから選ばれる1種又は2種以上の粉末である請求項1又は2記載の造粒方法。
  4. 上記造粒用水溶液が、上記薬効成分又は生体機能性成分の溶出性を調節するための高分子物質を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の造粒方法。
  5. 上記溶出性を調節する高分子物質がゼラチン、カラギーナン、寒天、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、メタクリル酸コポリマー、ヒプロメロースフタレート、ヒプロメロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート及びポリビニルアセテートフタレートから選ばれる1種又は2種以上である請求項4記載の造粒方法。
  6. 薬効成分又は生体機能性成分を水に溶解又は分散した造粒用水溶液を、所定量ずつ間欠的に射出して、該造粒用水溶液の液滴を被覆剤からなる流動床に投入し、該液滴の表面に上記被覆剤を付着させて水分を被覆剤に吸水させることにより、上記薬効成分又は生体機能性成分を含む粒子を成形する造粒装置であり、
    上記造粒用水溶液を射出するノズルを有し、該ノズルから造粒用水溶液を所定量ずつ間欠的に射出する射出部と、
    該射出部の下方に上記ノズルと対向して配置され、上記被覆剤を流動した状態で保持する流動床形成部と、
    上記ノズルと上記流動床形成部との間の所定範囲を包囲して配置され、該ノズルと同電位に調整された筒状の風防とを具備してなり、
    上記ノズルから射出された上記造粒用水溶液の液滴が、上記風防の内側を通って上記流動床形成部に形成された流動床に投入されるように構成したことを特徴とする造粒装置。
  7. 上記風防が、導電性材料で形成されており、かつ上記ノズルと導通し接地されて該ノズルと同電位に調整された請求項6記載の造粒装置。
  8. 上記流動床形成部が、上面が開放した粒子収容容器と、該粒子収容容器を振動させる振動機構とを具備してなり、上記粒子収容容器に上記被覆剤を収容して振動させることにより、該粒子収容容器内の被覆剤を流動させて、上記流動床を形成するように構成した請求項6又は7記載の造粒装置。
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