JP6409880B2 - 相互作用エネルギーの算出方法、及び算出装置、並びにプログラム - Google Patents

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Description

本件は、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの算出方法、及び算出装置、並びに前記算出方法を実行するプログラムに関する。
あるタンパク質が体に悪影響を及ぼす機能部位を持つ場合、前記タンパク質をターゲットとする創薬では、前記タンパク質の前記機能部位と安定に結合するリガンドを設計することが必要である。前記リガンドが前記タンパク質に安定に結合することより、前記タンパク質の前記機能部位が塞がれる。その結果として、前記タンパク質による体への悪影響が抑制される。
前記タンパク質と前記リガンドとの結合が安定かどうかの判定には、一般的に、前記タンパク質と前記リガンドとの相互作用エネルギーを量子力学(QM;quantum mechanics)に基づく手法で高精度に求める技術が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
前記QMに基づく手法には、計算対象の原子の数が増えると、計算時間が指数関数的に増大してしまうという問題がある。タンパク質とリガンドとの複合体のみであれば、原子数は数千であっても、周囲に存在する水分子を含めると原子数は数万にもなり得る。そのため、水分子を含めたQM計算を実施することには、計算時間の点で問題がある。
そこで、前記相互作用エネルギー計算の効率化のために、水分子を一様な連続体としての溶媒で近似する技術が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。この提案の技術では、原子数が増大しないため、計算時間の指数関数的な増大は回避できる。
しかし、この提案の技術では、前記タンパク質及び前記リガンドの複合体と水とが水素結合する場合に連続体近似が破綻してしまう。そのため、適切な相互作用エネルギーを求めるには、水を明示的に考慮する必要があり、計算時間の効率化の点では、十分ではない。
複数の薬候補分子(リガンド)のうちから、タンパク質などの標的分子との相互作用エネルギーが大きい薬候補分子を予測することがある。その場合には、水分子の存在下で、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの各々を求める。そして、求められた複数の相互作用エネルギーを対比する。前記複数の相互作用エネルギーを対比する際には、相互作用エネルギーの絶対値よりも、求められた前記複数の相互作用エネルギーの値の相対的な関係の信頼性が重要である。そのため、相対的な関係の信頼性が高い複数の相互作用エネルギーを、効率的に算出することが求められる。しかし、前述の提案の技術では、そのような要求に対して、十分であるとはいえない。
Kazuo Kitaura, Eiji Ikeo, Toshio Asada, Tatsuya Nakano, Masami Uebayasi, Chemical Physics Letters, 313, (1999), 701−706 D. G. Fedorov, K. Kitaura, H. Li, J. H. Jensen, M. S. Gordon, J. Comput. Chem. 27, 976−985 (2006)
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、相対的な関係の信頼性が高い複数の相互作用エネルギーを、効率的に算出することができる相互作用エネルギーの算出方法、及び算出装置、並びに前記算出方法を実行するプログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の相互作用エネルギーの算出方法は、
計算機を用いて、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの各々を算出する、相互作用エネルギーの算出方法であって、
前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する工程と、
前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程と、
を含む。
開示のプログラムは、コンピュータに、
標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する工程と、
前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程と、
を実行させる。
開示の算出装置は、
標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する抽出部と、
前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する算出部と、
を備える。
開示の相互作用エネルギーの算出方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、相対的な関係の信頼性が高い複数の相互作用エネルギーを、効率的に算出することができる。
開示のプログラムによると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、相対的な関係の信頼性が高い複数の相互作用エネルギーを、効率的に算出することができる。
開示の算出装置によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、相対的な関係の信頼性が高い複数の相互作用エネルギーを、効率的に算出することができる。
図1は、開示の相互作用エネルギーの算出方法を説明するためのフローチャートである。 図2は、標的分子Pと薬候補分子Lとの複合体及び前記複合体を取り巻く水分子Wの模式図である。 図3は、第1の処理を説明するための模式図である。 図4は、第2の処理を説明するための模式図である。 図5は、第2の処理を説明するための模式図である。 図6Aは、非重複水分子抽出処理を説明するための模式図である。 図6Bは、非重複水分子抽出処理を説明するための模式図である。 図7は、計算対象水分子を抽出する工程の一例のフローチャートである。 図8は、相互作用エネルギーの各々を算出する工程の一例のフローチャートである。 図9は、開示の算出装置の構成例である。 図10は、開示の算出装置の他の構成例である。 図11は、開示の算出装置の他の構成例である。 図12は、実施例1の結果を示すグラフである。 図13は、比較例1の結果を示すグラフである。
(相互作用エネルギーの算出方法)
開示の相互作用エネルギーの算出方法は、計算機を用いて、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの各々を算出する、相互作用エネルギーの算出方法である。
前記相互作用エネルギーの算出方法は、計算対象水分子を抽出する工程と、相互作用エネルギーの各々を算出する工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記相互作用エネルギーの算出方法は、計算機を用いて行われる。前記相互作用エネルギーの算出方法に使用される前記計算機は、1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、複数の計算機に前記相互作用エネルギーの算出方法を分散させて実行させてもよい。
図1は、前記相互作用エネルギーの算出方法を説明するためのフローチャートである。
まず、前記計算対象水分子を抽出する工程を行う。この工程では、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する。
次に、前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程を行う。この工程では、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する。
標的分子と、薬候補分子との相互作用エネルギーの算出において、前記標的分子、及び前記薬候補分子とから形成される複合体を取り巻く水分子を陽に扱い、かつそれら水分子の全てを考慮すると、計算量が膨大になり、効率的な計算はできない。
一方、前記相互作用エネルギーの算出において、水分子を考慮しないと、計算の精度が大きく低下する。
開示の前記相互作用エネルギーの算出方法では、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、それらの相互作用エネルギーの全てには影響を与えない水分子を抽出し、その水分子のみを相互作用エネルギーの算出において、陽に扱う水分子として考慮する。そのような水分子は、相互作用エネルギーの算出において、考慮するか、考慮しないかにより、算出される複数の相互作用エネルギーの相対的な関係に変化を与える。そして、そのような水分子のみを相互作用エネルギーの算出において陽に扱う水分子として考慮すること、言い換えれば、そのような水分子以外の水分子を前記相互作用エネルギーの算出において陽に扱う水分子として考慮しないことにより、前記相互作用エネルギーの算出における計算量の増大を抑えることができる。また、そのような水分子を相互作用エネルギーの算出において陽に扱う水分子として考慮することで、複数の相互作用エネルギーの算出における相対的な関係の信頼性を高くできる。
<計算対象水分子を抽出する工程>
前記計算対象水分子を抽出する工程では、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない水分子を抽出する。本明細書、及び請求の範囲では、前記工程において抽出される前記水分子を、計算対象水分子と称する。
前記計算対象水分子を抽出する工程により抽出される前記計算対象水分子は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
前記標的分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タンパク質、RNA(リボ核酸、ribonucleic acid)、DNA(デオキシリボ核酸、deoxyribonucleic acid)などが挙げられる。
ここで、相互作用エネルギーに影響を与える水分子とは、前記相互作用エネルギーの算出において、その水分子を考慮する場合と、考慮しない場合とで、前記相互作用エネルギーの値が変わる水分子を意味する。
前記計算対象水分子を抽出する工程は、後述する第1の処理と、後述する第2の処理と、後述する非重複水分子抽出処理とを含むことが、算出される複数の相互作用エネルギーにおける相対的な関係の信頼性がより高くなる点で、好ましい。
なお、前記第1の処理、及び前記第2の処理は、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における処理である。
前記非重複水分子抽出処理は、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して行う処理である。
ここで、前記相互作用算出対象空間とは、一の相互作用エネルギーを算出する際の、標的分子と、一の薬候補分子とを含む空間を意味する。
<<第1の処理>>
前記第1の処理では、前記標的分子、及び一の薬候補分子の双方と相互作用する水分子を抽出する。本明細書、及び請求の範囲では、前記第1の処理において抽出される前記水分子を、相互作用水分子と称する。
ここでの相互作用は、非結合性の相互作用を意味し、例えば、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用などが挙げられる。
前記第1の処理で抽出される前記相互作用水分子は、通常、前記相互作用算出対象空間に、複数存在する。
前記第1の処理において前記相互作用水分子を抽出する方法としては、例えば、前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方との距離がしきい値以下にある水分子を、前記相互作用水分子として抽出する方法などが挙げられる。
前記しきい値は、予め計算機内にデフォルト値として定められた値を用いてもよいし、使用者が任意の値を設定してもよい。
前記しきい値としては、例えば、6Åなどが挙げられる。即ち、前記相互作用水分子を抽出する方法としては、例えば、前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方との距離が6Å以下にある水分子を、前記相互作用水分子として抽出する方法などが挙げられる。
前記標的分子と、前記水分子との距離とは、例えば、前記標的分子の表面と、前記水分子の酸素原子との距離である。
前記薬候補分子と、前記水分子との距離とは、例えば、前記薬候補分子の表面と、前記水分子の酸素原子との距離である。
<<第2の処理>>
前記第2の処理では、前記第1の処理で抽出された前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、水分子を抽出する。本明細書、及び請求の範囲では、前記第2の処理において抽出される前記水分子を、計算候補水分子と称する。
前記第2の処理では、前記第1の処理で抽出された前記相互作用水分子のうちから、前記水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記水分子の存在頻度に基づいて、前記計算候補水分子を抽出することが、算出される複数の相互作用エネルギーにおける相対的な関係の信頼性がより高くなる点で、好ましい。
前記計算候補水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記計算候補水分子の存在頻度は、分子動力学シミュレーションにより求めることが好ましい。
前記計算候補水分子の座標の揺らぎ幅は、例えば、前記標的分子、前記一の薬候補分子、及び前記相互作用水分子について、分子動力学シミュレーションを行い、前記相互作用水分子の座標を解析し、根平均二乗揺らぎ(Root Mean Square Fluctuation:RMSF)により評価することで求めることができる。ここで、前記RMSFを求める式を以下に示す。
ここで、前記式中、W(t)は、時刻tにおける相互作用水分子の座標を表し、WREFは、リファレンスとなる相互作用水分子の座標を表し、Tは、シミュレーション時間を表す。
前記RMSF(W)が小さい相互作用水分子は、標的分子及び一の薬候補分子の双方から近距離の座標に存在しつづけるため、前記標的分子と前記一の薬候補分子との相互作用への影響が大きい。
前記計算候補水分子の座標の揺らぎ幅に基づいて前記計算候補水分子を抽出する際には、しきい値を設けて抽出を行ってもよい。前記計算候補水分子の座標の揺らぎ幅に基づいて計算候補水分子を抽出する方法としては、例えば、前記RMSFが2Å以下の相互作用水分子を抽出する方法などが挙げられる。前記しきい値は、予め計算機内にデフォルト値として定められた値を用いてもよいし、使用者が任意の値を設定してもよい。
前記相互作用水分子の存在頻度は、例えば、前記標的分子、前記一の薬候補分子、及び前記相互作用水分子について、分子動力学シミュレーションを行い、前記分子動力学シミュレーションの全時間における全ての相互作用水分子を1つの空間に配置することで得られる相互作用水分子の密度分布から求めることができる。相互作用水分子の存在頻度が高い座標には、特定の水分子ではないが、頻繁に相互作用水分子が存在する。そのため、相互作用水分子の存在頻度が高い座標には、仮想的な水分子が常に存在すると仮定できる。相互作用水分子の存在頻度が高い座標に存在する仮想的な水分子は、座標の揺らぎ幅が小さい相互作用水分子と同様に、前記標的分子及び前記一の薬候補分子の双方から近距離の座標に存在しつづけるため、前記標的分子と前記一の薬候補分子との相互作用への影響が大きい。
なお、上記のとおり、前記相互作用水分子の存在頻度に基づいて抽出される相互作用水分子は、特定の水分子ではなく、仮想的な水分子である。
相互作用水分子の存在頻度が高い座標の選択方法としては、例えば、相互作用水分子の密度分布における任意の低密度領域の密度よりも高い密度(例えば、10倍以上の密度)の座標を選択する方法などが挙げられる。
前記分子動力学シミュレーションは、分子動力学計算プログラムを用いて行うことができる。前記分子動力学計算プログラムとしては、例えば、AMBER、CHARMm、GROMACS、GROMOS、NAMD、myPrestoなどが挙げられる。
<<非重複水分子抽出処理>>
前記非重複水分子抽出処理では、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する。
前記非重複水分子抽出処理は、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にある水分子を排除する処理であってもよい。
なお、前記第2の処理で抽出された前記計算候補水分子のうちで、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との複合体の全てにおいて同じ座標にある水分子は、標的分子と薬候補分子との相互作用エネルギー自体に影響を与えても、複数の相互作用エネルギーの相対的な関係には影響を与えない。そのため、そのような水分子を相互作用エネルギーの算出において考慮しても、計算量の増大になるだけである。
ここで、前記計算対象水分子を抽出する工程の一例である、前記第1の処理、前記第2の処理、及び前記非重複水分子抽出処理を、図2、図3、図4、図5、並びに図6A、及び図6Bを用いて説明する。
図2は、標的分子Pと薬候補分子Lとの複合体及び前記複合体を取り巻く水分子Wの模式図である。前記複合体は、一の相互作用算出対象空間内に存在している。前記複合体の周囲には、多数の水分子Wが存在している。
まず、前記第1の処理では、図3に示すように、多数の水分子Wのうちから、標的分子P、及び薬候補分子Lの双方と相互作用する水分子Wを抽出する。通常、抽出される水分子Wは、標的分子P、及び薬候補分子Lの双方に近距離にある水分子Wである。
次に、前記第2の処理では、図4及び図5に示すように、前記第1の処理で抽出された水分子Wのうちから、水分子Wの座標の揺らぎ幅(図4)、及び水分子Wの存在頻度(図5)の少なくともいずれかに基づいて、更に水分子を抽出する。水分子Wの存在頻度に基づいて抽出される水分子は、仮想的な水分子W’である。この仮想的な水分子W’の座標には、頻繁に水分子Wが存在する。
次に、前記非重複水分子抽出処理では、全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記第2の処理で抽出された水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子Wを抽出する。2つの薬候補分子を開示の前記相互作用エネルギーの算出方法に用いる場合の、前記非重複水分子抽出処理の一例を以下に説明する。図6Aに示すように、標的分子Pと一の薬候補分子L1とを含む相互作用算出対象空間において、前記第2の処理により、水分子W1、W2が抽出される。一方、図6Bに示すように、標的分子Pと他の薬候補分子L2とを含む相互作用算出対象空間において、前記第2の処理により、水分子W1が抽出される。この場合、水分子W1は、2つの相互作用算出対象空間において同じ座標に存在する。一方、水分子W2は、2つの相互作用算出対象空間において同じ座標に存在しない。したがって、前記非重複水分子抽出処理では、水分子W2が抽出される。
次に、前記計算対象水分子を抽出する工程の一例を説明する。
図7は、前記計算対象水分子を抽出する工程の一例のフローチャートである。
まず、一の薬候補分子を選択する。
次に、標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する水分子を抽出する(第1の処理)。
次に、前記第1の処理で抽出された前記水分子のうちから、前記水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、更に水分子を抽出する(第2の処理)。
次に、他の薬候補分子について、前記第1の処理、及び前記第2の処理を行うために、薬候補分子の変更を行う。
次に、前記他の薬候補分子について、前記第1の処理、及び前記第2の処理を行う。
前記標的分子との相互作用エネルギーを調べたい複数の薬候補分子について前記第1の処理、及び前記第2の処理が終われば、非重複水分子抽出処理に進む。
前記非重複水分子抽出処理では、複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記第2の処理で抽出された前記水分子のうちから、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との複合体の全てにおいて同じ座標にはない水分子を抽出する。
以上により、前記計算対象水分子を抽出する工程の一例が終了する。
<相互作用エネルギーの各々を算出する工程>
前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程では、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する。
ここで、陽に扱うとは、分子として明示的に考慮することを意味する。なお、陽に扱わない方法としては、連続体近似によって陰に扱う行う方法などが挙げられる。
前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程は、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、後述する処理Aと、後述する処理Bと、後述する処理Cとを含み、更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記薬候補水分子を考慮するときには、後述する処理Dとを含むことが、算出される複数の相互作用エネルギーにおける相対的な関係の信頼性がより高くなる点で、好ましい。
なお、これらの処理の順序は問わない。
<<処理A>>
前記処理Aでは、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する。
<<処理B>>
前記処理Bでは、前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する。
前記分極相互作用エネルギーとは、前記標的分子単体の状態から、前記標的分子が前記一の薬候補分子とともに前記複合体を形成した際に生じる、前記標的分子内の分極のエネルギーである。
前記分極相互作用エネルギーは、例えば、以下の方法で求めることができる。
前記標的分子単体の状態のエネルギー(EP0)を算出する。この際、前記標的分子の周囲には、仮想的な水分子を配置する。仮想的な水分子の配置は、例えば、連続体近似により行うことができる。
前記複合体における前記標的分子のエネルギー(EP1)を算出する。この際、前記複合体の周囲には、仮想的な水分子を配置する。仮想的な水分子の配置は、例えば、連続体近似により行うことができる。
そして、前記エネルギー(EP0)と前記エネルギー(EP1)との差から、前記分極相互作用エネルギーが求められる。
<<処理C>>
前記処理Cでは、前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する。
前記分極相互作用エネルギーとは、前記一の薬候補分子単体の状態から、前記一の薬候補分子が前記標的分子とともに前記複合体を形成した際に生じる、前記一の薬候補分子内の分極のエネルギーである。
前記分極相互作用エネルギーは、例えば、以下の方法で求めることができる。
前記一の薬候補分子が単体の状態のエネルギー(EL0)を算出する。この際、前記一の薬候補分子の周囲には、仮想的な水分子を配置する。仮想的な水分子の配置は、例えば、連続体近似により行うことができる。
前記複合体における前記一の薬候補分子のエネルギー(EL1)を算出する。この際、前記複合体の周囲には、仮想的な水分子を配置する。仮想的な水分子の配置は、例えば、連続体近似により行うことができる。
そして、前記エネルギー(EL0)と前記エネルギー(EL1)との差から、前記分極相互作用エネルギーが求められる。
<<処理D>>
前記処理Dでは、前記計算対象水分子水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する。
前記処理Dは、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときに行われる。
前記標的分子と、前記一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間において、前記計算対象水分子が存在しない場合には、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記処理Dは行われない。
前記処理Dにおいては、前記計算対象水分子は、前記標的分子の一部とみなされることが、算出される前記相互作用エネルギーの精度が向上する点で好ましい。
前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子は、前記処理A、前記処理B、及び前記処理Cにおいて考慮されることが、算出される前記相互作用エネルギーの精度が向上する点で好ましい。
前記計算対象水分子を考慮する際には、前記計算対象水分子を前記複合体の一部とみなすことが好ましい。
前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程は、例えば、量子力学(QM)計算により求められる。前記量子力学計算としては、例えば、分子軌道法による分子軌道計算が挙げられる。前記分子軌道計算としては、例えば、非経験的分子軌道計算(ab initio分子軌道計算)、半経験的分子軌道計算などが挙げられる。
前記非経験的分子軌道計算の方法論としては、例えば、ハートリー−フォック法、電子相関法などが挙げられる。
前記半経験的分子軌道計算の方法論としては、例えば、CNDO、INDO、AM1、PM3などが挙げられる。
前記非経験的分子軌道計算のプログラムとしては、例えば、Gaussian03、GAMESS、ABINIT−MP、Protein DFなどが挙げられる。
前記半経験的分子軌道計算のプログラムとしては、例えば、MOPACなどが挙げられる。
次に、前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程の一例を説明する。
図8は、前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程の一例のフローチャートである。
まず、前記標的分子と、一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギー(PIE)を算出する(処理A)。
次に、前記標的分子の分極相互作用エネルギー(分極IE)を算出する(処理B)。
次に、前記一の薬候補分子の分極相互作用エネルギー(分極IE)を算出する(処理C)。
そして、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間に前記計算対象水分子が存在する場合には、前記計算対象水分子と前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギー(PIE)を算出する(処理D)。一方、前記一の相互作用算出対象空間に前記計算対象水分子が存在しない場合には、前記処理Dは行わない。
次に、他の薬候補分子について、前記処理A、前記処理B、及び前記処理C、並びに、前記標的分子と、前記他の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間に前記計算対象水分子が存在する場合には、前記処理Dを行うために、薬候補分子の変更を行う。
次に、前記他の薬候補分子について、前記処理A、前記処理B、及び前記処理C、並びに、前記標的分子と、前記他の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間に前記計算対象水分子が存在する場合には、前記第処理Dを行う。
そして、前記標的分子との相互作用エネルギーを調べたい複数の薬候補分子について、前記処理A、前記処理B、前記処理C、及び前述の条件に応じて前記処理Dが終われば、本工程が終了する。
前記相互作用エネルギーの算出方法は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、各種周辺機器等を備えた通常のコンピュータシステム(例えば、各種ネットワークサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等)を用いることによって実現することができる。
(プログラム)
開示のプログラムは、コンピュータに、開示の前記相互作用エネルギーの算出方法を実行させるプログラムである。
前記相互作用エネルギーの算出方法の実行における好適な態様は、前記相互作用エネルギーの算出方法における好適な態様と同じである。
前記プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
前記プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記録媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto−Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などの記録媒体に記録しておいてもよい。前記プログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記録媒体に記録する場合には、必要に応じて随時、コンピュータシステムが有する記録媒体読取装置を通じて、これを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータ等)に前記プログラムを記録しておき、必要に応じて随時、前記外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することもできる。
前記プログラムは、複数の記録媒体に、任意の処理毎に分割されて記録されていてもよい。
(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
前記記録媒体は、前記プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体であってもよい。
(相互作用エネルギーの算出装置)
開示の相互作用エネルギーの算出装置の一態様は、抽出部と、算出部とを少なくとも備え、更に必要に応じて、その他の部を備える。
前記抽出部は、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する。
前記算出部は、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する。
開示の相互作用エネルギーの算出装置の他の一態様は、抽出部を備え、更に必要に応じて、その他の部を備える。
この態様における前記抽出部は、計算対象水分子を抽出する。
この態様における前記計算対象水分子は、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない。
この態様における前記計算対象水分子は、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として唯一考慮され、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ考慮される。
この態様における前記計算対象水分子は、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出するのに用いられる。
開示の相互作用エネルギーの算出装置の他の一態様は、算出部を備え、更に必要に応じて、その他の部を備える。
この態様における前記算出部は、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない、抽出された計算対象水分子のみを、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する。
前記相互作用エネルギーの算出装置における各部の処理方法の好適な態様は、前記相互作用エネルギーの算出方法における各工程の好適な態様と同じである。
前記算出装置は、前記プログラムが任意の処理毎に分割されて記録された複数の記録媒体をそれぞれに備える複数の算出装置であってもよい。
図9に、開示の算出装置の構成例を示す。
算出装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
CPU(Central Processing Unit)11は、演算(四則演算、比較演算等)、ハードウエア及びソフトウエアの動作制御などを行う。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。前記RAMは、前記ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、CPU11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。
記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部13には、CPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。
図10に、開示の算出装置の他の構成例を示す。
図10の構成例は、クラウド型の構成例であり、CPU11が、記憶部13等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、記憶部13等を格納するコンピュータ30と、CPU11を格納するコンピュータ40とが接続される。
ネットワークインターフェース部19、20は、インターネットを利用して、通信を行うハードウェアである。
図11に、開示の算出装置の他の構成例を示す。
図11の構成例は、クラウド型の構成例であり、記憶部13が、CPU11等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、CPU11等を格納するコンピュータ30と、記憶部13を格納するコンピュータ40とが接続される。
以下、開示の技術について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
開示の相互作用エネルギーの算出方法を、図1、図7、及び図8に示すフローに従って、実施した。
標的分子としては、タンパク質である血液凝固因子Xaを用いた。
薬候補分子としては、4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)を用いた。
タンパク質である血液凝固因子Xaと、4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)とは、それぞれの複合体構造が、PDB結晶構造(それぞれ1NFU, 1NFY, 1NFX, 1NFW)として知られている。
水分子の座標の揺らぎ幅、及び水分子の存在頻度を求める際には、前記PDB結晶構造を初期値とする分子動力学シミュレーションを10ns実施した。
なお、前記第1の処理においては、距離のしきい値を3Åとし、前記標的分子、及び前記薬候補分子との距離が3Å以内の水分子を抽出した。
また、前記第2の処理の、水分子の座標の揺らぎ幅に基づく水分子の抽出においては、RMSFの値のしきい値を2Åとし、RMSFの値が2Å以内の水分子を抽出した。
また、前記第2の処理の、水分子の存在頻度は、前記分子動力学シミュレーションの終わりの2nsにおける全ての水分子を1つの空間に配置することで得られる水分子の密度分布から求めた。そして、水分子の密度分布における任意の低密度領域の密度より密度が10倍高い座標を選択し、前記座標に仮想的な水分子が存在するものとした。
図7のフローに従って水分子の抽出を行ったところ、RRR近傍にのみ存在する水分子が2つ抽出できた。
次に、図8のフローに従って、血液凝固因子Xaと、4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)の各々との相互作用エネルギーを算出した。ここで、血液凝固因子XaとリガンドRRRとの相互作用エネルギーの算出においてのみ、抽出された2つの水分子を考慮した。
得られた4つの相互作用エネルギーと、血液凝固因子Xaと4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)の各々との相互作用エネルギーの実測値とを対比した。結果を図12に示した。横軸の数値が実測値であり、縦軸の数値が本方法で算出した相互作用エネルギー値(算出値)である。実測値と、算出値との間で線形の相関関係が得られた。
(比較例1)
実施例1において、水分子の抽出を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、血液凝固因子Xaと、4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)の各々との相互作用エネルギーを算出した。
得られた4つの相互作用エネルギーと、血液凝固因子Xaと4種類のリガンド(RRP, RTR, RDR, RRR)の各々との相互作用エネルギーの実測値とを対比した。結果を図13に示した。横軸の数値が実測値であり、縦軸の数値が本方法で算出した相互作用エネルギー値(算出値)である。実測値と、算出値との間で線形の相関関係が得られなかった。
実施例1は、比較例1と比べて、相互作用エネルギーの計算時間の増大はほとんどなかった。
10 算出装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス
19 ネットワークインターフェース部
20 ネットワークインターフェース部
30 コンピュータ
40 コンピュータ
L 薬候補分子
L1 一の薬候補分子
L2 他の薬候補分子
P 標的分子
W 水分子
W’ 仮想的な水分子

Claims (8)

  1. 計算機を用いて、標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの各々を算出する、相互作用エネルギーの算出方法であって、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する工程と、
    前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程と、
    を含み、
    前記計算対象水分子を抽出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における、
    前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する相互作用水分子を抽出する第1の処理と、
    前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、計算候補水分子を抽出する第2の処理と、
    を含み、
    更に、前記計算対象水分子を抽出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する処理、
    を含み、
    前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、
    前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Aと、
    前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Bと、
    前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Cと
    を含み、
    更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Dを含む、
    ことを特徴とする相互作用エネルギーの算出方法。
  2. 前記第2の処理が、前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度に基づいて、前記計算候補水分子を抽出する処理である、請求項1に記載の相互作用エネルギーの算出方法。
  3. 前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度が、分子動力学シミュレーションにより求められる、請求項1から2のいずれかに記載の相互作用エネルギーの算出方法。
  4. 前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子が、前記処理A、前記処理B、及び前記処理Cにおいて考慮される、請求項1から3のいずれかに記載の相互作用エネルギーの算出方法。
  5. コンピュータに、
    標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する工程と、
    前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程と、
    を実行させるプログラムであって、
    前記計算対象水分子を抽出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における、
    前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する相互作用水分子を抽出する第1の処理と、
    前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、計算候補水分子を抽出する第2の処理と、
    を含み、
    更に、前記計算対象水分子を抽出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する処理、
    を含み、
    前記相互作用エネルギーの各々を算出する工程が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、
    前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Aと、
    前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Bと、
    前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Cと
    を含み、
    更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Dを含む、
    ことを特徴とするプログラム。
  6. 標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない計算対象水分子を抽出する抽出部と、
    前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として前記計算対象水分子のみを考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する算出部と、
    を備え、
    前記抽出部が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における、
    前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する相互作用水分子を抽出する第1の処理と、
    前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、計算候補水分子を抽出する第2の処理と、
    を行い、
    更に、前記抽出部が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する処理、
    を行い、
    前記算出部における前記相互作用エネルギーの各々の算出が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、
    前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Aと、
    前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Bと、
    前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Cと、
    を含み、
    更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Dを含む、
    ことを特徴とする相互作用エネルギーの算出装置。
  7. 標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えず、
    前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として唯一考慮され、かつ、計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ考慮され、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出するのに用いられる、
    計算対象水分子、
    を抽出する抽出部を備え、
    前記抽出部が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における、
    前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する相互作用水分子を抽出する第1の処理と、
    前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、計算候補水分子を抽出する第2の処理と、
    を行い、
    更に、前記抽出部が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する処理、
    を行い、
    前記相互作用エネルギーの各々の算出が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、
    前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Aと、
    前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Bと、
    前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Cと、
    を含み、
    更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Dを含む、
    ことを特徴とする相互作用エネルギーの算出装置。
  8. 標的分子と、複数の薬候補分子の各々との相互作用エネルギーの少なくともいずれかに影響を与えるが、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの全てには影響を与えない、抽出された計算対象水分子のみを、前記相互作用エネルギーの各々の算出において陽に扱う水分子として考慮し、かつ、前記計算対象水分子が影響を与える相互作用エネルギーの算出においてのみ前記計算対象水分子を考慮して、前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々との前記相互作用エネルギーの各々を算出する算出部を備え、
    前記算出部における前記相互作用エネルギーの各々の算出が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子との一の相互作用エネルギーを算出する際に、
    前記標的分子と、前記一の薬候補分子との複合体における、前記標的分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Aと、
    前記複合体における前記標的分子の、前記標的分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Bと、
    前記複合体における前記一の薬候補分子の、前記一の薬候補分子単体に対する分極相互作用エネルギーを算出する処理Cと、
    を含み、
    更に、前記標的分子と、前記一の薬候補分子との前記一の相互作用エネルギーを算出する際に、前記計算対象水分子を考慮するときには、前記計算対象水分子と、前記一の薬候補分子とのペア相互作用エネルギーを算出する処理Dを含み、
    前記計算対象水分子の抽出が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子における一の薬候補分子とを含む一の相互作用算出対象空間における、
    前記標的分子、及び前記一の薬候補分子の双方と相互作用する相互作用水分子を抽出する第1の処理と、
    前記相互作用水分子のうちから、前記相互作用水分子の座標の揺らぎ幅、及び前記相互作用水分子の存在頻度の少なくともいずれかに基づいて、計算候補水分子を抽出する第2の処理と、
    を含み、
    更に、前記計算対象水分子の抽出が、
    前記標的分子と、前記複数の薬候補分子の各々とを含む全ての相互作用算出対象空間のうちの少なくとも前記計算候補水分子が存在する複数の相互作用算出対象空間を対比して、前記計算候補水分子のうちから、前記全ての相互作用算出対象空間において同じ座標にはない水分子を抽出する処理、
    を含む、
    ことを特徴とする相互作用エネルギーの算出装置。
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