JP6079411B2 - 座標データの変換方法、相互作用の計算方法、プログラム、記録媒体及び装置 - Google Patents

座標データの変換方法、相互作用の計算方法、プログラム、記録媒体及び装置 Download PDF

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Description

本件は、周期境界条件を設定して行う分子動力学計算により得られた座標データを、周期境界条件を用いない計算方法へ適用可能な座標データに変換する方法、及び前記方法を用い、対象タンパク質などの主計算対象分子と、薬剤候補化合物などの副計算対象分子との相互作用を計算する方法、それらの方法を実行するプログラム、前記プログラムを備えた記録媒体、並びに前記記録媒体を備えた装置に関する。
分子動力学(Molecular Dynamics、MD)計算では、周期境界条件を課した単位格子内に、計算対象分子、溶媒分子などを配置させ、各分子に含まれる原子間に働く力を各時間に対して計算する。そうすることで、時間発展に対する全原子の軌跡を求めることが可能である。前記MD計算は、例えば、GROMACS(グローマックス、Groningen Machine for Chemical Simulations、グローニンゲン・マシン・フォー・ケミカル・シミュレーションズ)などを用いて行われる(例えば、非特許文献1参照)。
分子動力学計算によって得られる結果構造データにおける各分子内の原子は、周期境界条件を除くと分子としての形状を保つとは限らない。また、計算対象分子間、計算対象分子と溶媒分子との間の相互配置も、周期境界条件を除くと初期の構成を保つとは限らない。
そのため、分子軌道(Molecular Orbital、MO)計算などにおいて周期境界条件を課さない物性解析を実施する際に、入力構造に前記MD計算の結果構造を用いるためには、計算結果の原子座標から、周期境界条件を除いた座標へと変換する際には、分子の形状を保つように適切な変換を施す必要が生じる。
そこで、前記GROMACSなどを用いる前記MD計算では、計算対象分子及び溶媒分子についての前記MD計算の結果座標から周期境界条件を除いた座標に変換する際に、通常、(1)周期境界による座標シフトを制限し、運動の結果座標としての原子座標に変換する方法、(2)指定した分子を中心として、分子の形状を保つように全ての原子座標を変換する方法、の2種類の方法が用いられる。
しかし、前記(1)の方法では、全ての分子は形状を保つものの、計算対象分子と溶媒分子との間の位置関係を保つとは限らず、計算対象分子の周囲で、存在すべき溶媒分子が消失してしまう可能性がある。また、前記(2)の方法でも、周期境界の近傍にある計算対象分子の周囲では、溶媒分子が消失してしまう可能性がある。そのため、計算対象分子の周囲に溶媒分子を最適に配置する座標変換は困難を伴う。特に前記MD計算結果から時間平均の座標を抽出して解析に用いることが可能な座標に変換することは困難である。なお、溶媒分子である水分子を考慮せず真空中で対象タンパク質と薬剤候補化合物との相互作用を計算すると、水分子が存在する場合に比べて20kcal/mol程度エネルギー値に差が生じることが知られている。
したがって、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能な座標データの変換方法、及び前記方法を用い、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算する方法、それらの方法を実行するプログラム、前記プログラムを備えた記録媒体、並びに前記記録媒体を備えた装置の提供が求められているのが現状である。
J. Chem. Theory Comput., 4: 435−447 (2008)
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能な座標データの変換方法、及び前記方法を用い、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算する方法、それらの方法を実行するプログラム、前記プログラムを備えた記録媒体、並びに前記記録媒体を備えた装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の相互作用の計算方法は、
周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データを用いた前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算方法であって、
前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を含む。
開示の座標データの変換方法は、
周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データの変換方法であって、
前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を含む。
開示のプログラムは、
コンピューターに、開示の前記相互作用の計算方法及び開示の前記座標データの変換方法のいずれかを実行させるプログラムである。
開示の記録媒体は、
開示の前記プログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体である。
開示の装置は、
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備える。
開示の相互作用の計算方法によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子が配置された座標データを用いて、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算することができる相互作用の計算方法を提供できる。
開示の座標データの変換方法によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能な座標データの変換方法を提供できる。
開示のプログラムによれば、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能なプログラム、又は計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子が配置された座標データを用いて、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算することができるプログラムを提供できる。
開示の記録媒体によれば、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能な記録媒体、又は計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子が配置された座標データを用いて、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算することができる記録媒体を提供できる。
開示の装置によれば、計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することが可能な装置、又は計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子が配置された座標データを用いて、主計算対象分子と、副計算対象分子との相互作用を計算することができる装置を提供できる。
図1は、従来技術による座標変換の結果を示す模式図である。 図2は、開示の技術による座標変換の結果の一例を示す模式図である。 図3は、従来技術による時間平均座標データを示す模式図である。 図4は、時間平均座標の取得の一例を示す図である。 図5は、開示の技術による時間平均座標データの一例を示す模式図である。 図6は、開示の技術の一例のフローチャートである。 図7は、開示の技術の他の一例のフローチャートである。 図8は、開示の技術に用いる記憶部のデータ構造例を示す図である。 図9は、開示の装置のハードウエア構成例である。
(座標データの変換方法、相互作用の計算方法)
開示の座標データの変換方法は、選択する工程を少なくとも含み、好ましくは時間平均座標データを取得する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記座標データの変換方法は、周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データの変換方法である。
開示の相互作用の計算方法は、選択する工程を少なくとも含み、好ましくは時間平均座標データを取得する工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記相互作用の計算方法は、周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データを用いた前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算方法である。
本明細書において前記周期境界条件とは、前記主計算対象分子、前記副計算対象分子、及び前記溶媒分子を包含する単位格子を規定し、仮想的にその単位格子を3次元方向(XYZ方向)に繰り返し無限に配置することである。
前記単位格子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記単位格子内に、前記主計算対象分子は、通常1つ配置され、前記副計算対象分子は、通常少なくとも1つ配置され、前記溶媒分子は、通常少なくとも1つ配置され、好ましくは複数配置される。
前記主計算対象分子としては、例えば、対象タンパク質などが挙げられる。
前記副計算対象分子としては、例えば、薬剤候補化合物などが挙げられる。前記薬剤候補化合物は、例えば、前記対象タンパク質との相互作用の計算対象となる化合物である。
前記分子動力学計算としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、GROMACS、amber(Assisted Model Building with Energy Refinement)、charmm、tinker、lammpsを用いて行うことができる。
前記相互作用としては、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、クーロン相互作用などが挙げられる。
<選択する工程>
前記選択する工程は、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子(以下、「基準単位格子」と称することがある)及び前記基準単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程である。
前記選択する工程を行うことにより、計算対象分子(主計算対象分子、副計算対象分子)の周囲の溶媒分子が消失することを避けることでき、前記計算対象分子の周囲の適した位置に溶媒分子を配置することができる。
前記基準単位格子に隣接する単位格子に存在する溶媒分子の座標データは、前記基準単位格子に存在する溶媒分子の座標データから1周期分(基準単位格子1つ分)座標がシフトした座標データである。
前記選択する工程においては、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する際に、前記一の溶媒分子の座標データから決定した代表的な一つの座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを選択することが好ましい。そうすることにより、データの計算量を少なくして処理速度を早くすることができる。
前記代表的な一つの座標データとしては、前記一の溶媒分子における一つの原子の座標データであってもよいし、前記一の溶媒分子を構成する原子の平均座標であってもよい。前記平均座標としては、例えば、重心となる座標などが挙げられる。
前記代表的な一つの座標データは、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかを原点とした相対的な座標データであることが好ましい。そうすることにより、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを計算する処理速度を早くすることができる。
<時間平均座標データを取得する工程>
前記時間平均座標データを取得する工程は、前記選択する工程の後に、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データから、所定の測定時間を選択して前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際に、一の時点(T)における前記一の溶媒分子の座標データが設定された第一の閾値を超える場合には、選択された前記測定時間の初期の時点(T)から前記一の溶媒分子の座標データが前記第一の閾値を超える直前の時点(Tm−1)までの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得し、更に、前記時点(T)から、前記時点(T)よりも後の時点であって次に設定された第二の閾値を超える時点(T)の直前の時点(Tn−1)及び前記第二の閾値を超えない場合には選択された前記測定時間の最後の時点(T)のいずれかまでの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから時間平均座標データを取得する工程である。
前記時間平均座標データを取得する工程を行うことにより、分子動力学計算により得られた座標データから時間平均座標データを取得する際に、周期境界を跨いで移動した溶媒分子が存在した場合でも、周期境界を跨いで生じる溶媒分子の座標の大きな変化を考慮した時間平均座標データの取得が可能になる。そうすることで、他原子又は他分子との座標の重なりを抑制することができる。
前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第一の閾値は、前記時点(T)から前記時点(Tm−1)までの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定されることが好ましい。
前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第二の閾値は、前記時点(T)から前記時点(Tn−1)及び前記時点(T)のいずれかまでの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定されることが好ましい。
前記第一の閾値、及び前記第二の閾値は、例えば、前記周期境界条件により規定された単位格子の大きさなどに応じて適宜設定することができる。
前記座標データの変換方法、及び前記相互作用の計算方法は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、各種周辺機器等を備えた通常のコンピュータシステム(例えば、各種ネットワークサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等)を用いることによって実現することができる。
従来技術であれば、周期境界条件を設定して分子動力学計算を行った結果座標を、周期境界条件を課さない座標に変換すると、図1に示すように、計算対象分子(主計算対象分子1、副計算対象分子2)の周囲に溶媒分子3が存在しない状態ができる。
しかし、開示の前記座標データの変換方法、及び前記相互作用の計算方法においては、前記選択する工程を含むことにより、周期境界条件を規定した基準単位格子及び前記基準単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の一の溶媒分子から主計算対象分子、及び副計算対象分子に最も距離が近い溶媒分子を選択することで、周期境界条件を課さない座標に変換しても、図2に示すように、計算対象分子(主計算対象分子1、副計算対象分子2)の周囲の適した位置に溶媒分子3を配置することができる。
また、従来技術であれば、周期境界条件を設定して分子動力学計算を行った結果座標を、周期境界条件を課さない座標に変換し、所定の時間における時間平均座標を求めようとすると、図3に示すように、ある時点の溶媒分子の座標3aと、他の時点の溶媒分子の座標3bとの時間平均座標3cが、主計算対象分子1の座標と重なるような不具合が生じることがある。
しかし、開示の前記座標データの変換方法、及び前記相互作用の計算方法は、前記時間平均座標データを取得する工程を含むことにより、例えば、時間平均座標を求めようとする測定時間において溶媒分子が周期境界を跨ぐような座標の変化をしていても、閾値を設けてそのような座標の変化に応じて複数の時間平均座標を取得すること(例えば、図4に示すように、溶媒分子の座標変化が小さい時間内において時間平均座標を取得すること)で、図5に示すように、溶媒分子の座標3aからの座標変化が小さい座標について時間平均座標3cを取得し、溶媒分子の座標3bからの座標変化が小さい座標について時間平均座標3dを取得することで、溶媒分子の時間平均座標が、主計算対象分子や副計算対象分子の座標と重なるような不具合が防ぐことができる。
(プログラム)
開示のプログラムは、コンピューターに、開示の座標データの変換方法、及び開示の相互作用の計算方法のいずれかを実行させるプログラムである。
前記プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
前記プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記憶媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto−Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などの記憶媒体に記録しておいてもよい。前記プログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記憶媒体に記録する場合には、必要に応じて随時、コンピュータシステムが有する記憶媒体読取装置を通じて、これを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータ等)に前記プログラムを記録しておき、必要に応じて随時、前記外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することもできる。
(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
(装置)
開示の装置は、開示の前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体を備える。
図6に開示の座標データの変換方法及び相互作用の計算方法の一例のフローチャートを示す。
まず、分子動力学計算を行うための準備として、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子について、分子の構造構築とデータの設定を行う。
続いて、分子動力学計算を実行する。分子動力学計算では、周期境界条件を設定して計算を行う。
続いて、分子動力学計算により得られた座標データについて選択する工程を行う。前記選択する工程の結果によっては、溶媒分子の座標データの変換を行う。
前記相互作用の計算方法においては、続いて、例えば、選択する工程の後の座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算が行われる。
図7に開示の座標データの変換方法及び相互作用の計算方法の他の一例のフローチャートを示す。
まず、分子動力学計算を行うための準備として、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子について、分子の構造構築とデータの設定を行う。
続いて、分子動力学計算を実行する。分子動力学計算では、周期境界条件を設定して計算を行う。
続いて、分子動力学計算により得られた座標データについて選択する工程を行う。前記選択する工程の結果によっては、溶媒分子の座標データの変換を行う。
続いて、前記選択する工程で得られた座標データに基づいて、時間平均座標データを取得する工程を行い、時間平均座標データを取得する。
前記相互作用の計算方法においては、続いて、例えば、時間平均座標データを取得する工程により得られた時間平均座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算が行われる。
図8に、図7のフローチャートの方法を行う際のハードウエア内の記憶部のデータ構造例を示す。
図7のフローチャート及び図8のデータ構造例を用いた開示の座標データの変換方法の一例を以下に説明する。
まず、分子動力学計算を行うための準備として、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子について、分子の構造構築とデータの設定を行う。具体的には、分子の構造の構築と、各データ構造体の設定を行う。
データ構造体としては、例えば、
(1)全分子データ構造体〔MD計算の各時点tにおける全分子データ構造体T[t]〕、
(2)分子データ構造体〔識別番号iの分子データ構造体M[i]〕、
(3)原子データ構造体〔識別番号kの原子データ構造体A[k]〕、及び
(4)中心座標データ構造体〔中心座標データ構造体C〕
を設定する。
〔全分子データ構造体〕
全分子データ構造体T[t]は、構成要素として、MD計算の構成分子数データT[t]→Nと、各分子の識別番号iに対応する分子データ構造体T[t]→M[i]とを有する。全分子データ構造体T[t]は、各時点tにおいて、識別番号iに基づいて各分子の構造体データ構造体M[i]を検索可能にする。
〔分子データ構造体〕
分子データ構造体M[i]は、構成要素として、識別番号iの分子を構成する原子数データM[i]→Nと、識別番号iの分子の構成原子の識別番号kに対応する識別番号データM[i]→A[k]とを有する。分子データ構造体M[i]は、識別番号データM[i]→A[k]に基づいて原子データ構造体A[k]を検索可能にする。
分子データ構造体M[i]は、対象分子識別フラグデータM[i]→FOを構成要素として有する。対象分子識別フラグデータM[i]→FOは、識別番号iの分子が、主計算対象分子であるか、副計算対象分子であるか、溶媒分子であるかを判別可能にする。
分子データ構造体M[i]は、識別番号iの分子の中心座標データ構造体M[i]→Cを構成要素として有する。中心座標データ構造体M[i]→Cを用いることで、溶媒分子の座標と計算対象分子(主計算対象分子及び副計算対象分子)の座標との距離を算出して、その溶媒分子と最も近い計算対象分子を判定する際に、代表値を用いて算出できるため、処理速度が早くなる。
分子データ構造体M[i]は、近接分子フラグデータM[i]→FMを構成要素として有する。
〔原子データ構造体〕
原子データ構造体A[k]は、構成要素として、所属分子の識別番号データA[k]→Mを有する。所属分子の識別番号データA[k]→Mに基づいて、原子kが所属する分子が検索可能になる。
MD計算結果の原子座標データは、原子データ構造体A[k]の構成要素であるMD計算座標データA[k]→C1に格納される。
周期境界を除く変換を施した座標データは、原子データ構造体A[k]の構成要素である変換後座標データA[k]→C2に格納される。変換後座標データA[k]→C2には、当初MD計算座標データと同じ座標データが格納される場合があるが、前記選択する工程が行われた際には、最終的な座標データは、前記選択する工程により選択された座標データである。
変換後座標データA[k]→C2を用いて前記時間平均座標データを取得する工程が行われた際には、得られた時間平均座標データは、原子データ構造体A[k]の構成要素である時間平均座標データA[k]→C3に格納される。
原子データ構造体A[k]は、時間平均フラグデータA[k]→FCを構成要素として有する。時間平均フラグデータA[k]→FCは、前記時間平均座標データを取得する工程において、前記第一の閾値、前記第二の閾値を設定するフラグデータである。原子データ構造体A[k]が、時間平均フラグデータA[k]→FCを構成要素として有することにより、前記時間平均座標データを取得する工程において、他原子との座標重なりを抑止可能な時間間隔を抽出して、抽出した時間での時間平均座標データA[k]→C3を取得可能にする。
〔対象分子識別フラグデータ〕
対象分子識別フラグデータM[i]→FOは、少なくともユーザが座標変換の中心に設定したい主計算対象分子1つについて、メインとしてのフラグを設定可能であり、副計算対象分子については複数個について、サブとしてのフラグを設定可能である。
対象分子識別フラグデータM[i]→FOを参照することで、識別番号iの分子が主計算対象分子か、副計算対象分子か、溶媒分子かが判別可能になる。
〔中心座標データ構造体〕
中心座標データ構造体Cは、構成要素として、座標データC→Cと、原点分子の識別番号データC→Mとを有する。
主計算対象分子を原点分子とすると、中心座標データ構造体Cの各構成要素は、例えば、以下のようになる。
<識別番号iの分子が主計算対象分子の場合>
識別番号iの分子が主計算対象分子の場合、識別番号データM[i]→C→Mは、自分子の識別番号iであり、座標データM[i]→C→Cは、識別番号iの分子を構成する原子の変換後座標データA[M[i]→A[k]]→C2の代表値である。ここで、代表値としては、例えば、分子の重心であってもよいし、予め決めた特定の原子の座標であってもよい。
<識別番号iの分子が副計算対象分子の場合>
識別番号iの分子が副計算対象分子の場合、識別番号データM[i]→C→Mは、主計算対象分子の識別番号であり、座標データM[i]→C→Cは、識別番号iの分子を構成する原子の変換後座標データA[M[i]→A[k]]→C2の代表値であり、かつ主計算対象分子の座標データM[i]→C→Cに対する相対座標である。
<識別番号iの分子が溶媒分子の場合>
識別番号iの分子が溶媒分子の場合、座標データM[i]→C→Cは、識別番号iの分子を構成する原子の変換後座標データA[M[i]→A[k]]→C2の代表値(座標)と、前記代表値を基準単位格子(周期境界条件で規定した単位格子)から前記基準単位格子に隣接する単位格子へ1周期分ずらした座標であって前記隣接する単位格子の数だけ存在する座標とのうち、主計算対象分子及び副計算対象分子のいずれかの識別番号iの分子を構成する原子の変換後座標データA[M[i]→A[k]]→C2の代表値との距離Rが最も小さくなる代表値(座標)であり、かつ主計算対象分子の座標データM[i]→C→Cに対する相対座標である。
識別番号データM[i]→C→Mは、原点分子とした主計算対象分子の識別番号である。
更に、識別番号iの分子が溶媒分子の場合には、上記の座標データM[i]→C→Cに基づいて、構成原子kの変換後座標データA[M[i]→A[k]]→C2は、座標データM[i]→C→Cに対応する変換後座標データに書き換えられる場合がある。
〔近接分子フラグデータ〕
近接分子フラグデータM[i]→FMは、前記距離Rが、事前に設定された適切な距離の閾値データの距離R0よりも小さい場合は真に設定し、大きい場合は偽に設定される。そうすることにより、近接分子フラグデータM[i]→FMが真となる分子データ構造体の識別番号を抽出できる。
そうすることにより、抽出した識別番号に変更がない(計算対象分子の近接溶媒分子の配置に大きな変更がない)連続時間ステップを抽出できるため、抽出した時間における平均座標を取得することにより、溶媒分子が計算対象分子(主計算対象分子及び副計算対象分子)の周囲に適切に配置された座標の取得が可能になる。
〔時間平均座標データ〕
時間平均座標データA[k]→C3は、変換後座標データA[k]→C2における、時間平均フラグデータA[k]→FCが真となる時点T0から次に真となる時点T1の間の平均座標データである。
時間平均フラグデータA[k]→FCは、通常は偽の値とするが、変換後座標データA[k]→C2と時間平均座標データA[k]→C3との距離Dが、事前に設定された適切な値D0を超えた場合に真とする。時間平均フラグデータA[k]→FCが真となる時点では、時間平均座標データA[k]→C3を求める計算が一度リセットされるため、例えば、周期境界を跨いで移動した溶媒分子が存在した場合でも、周期境界を跨いで生じる溶媒分子の座標の大きな変化を考慮した時間平均座標データの取得が可能になるため、他原子との座標重なりを抑制した平均座標の取得が可能になる。
開示の技術においては、例えば、MD計算を行い各時点tにおけるMD計算座標データを取得しつつ、中心座標データ構造体を利用して前記選択する工程を行い、変換後座標データに前記選択する工程により得られた座標データを格納していくことができる。即ち、MD計算座標データの取得と、前記選択する工程とを同時並行で行なってもよい。
また、MD計算を行い全ての各時点tにおけるMD計算座標データを取得した後に、中心座標データ構造体を利用して前記選択する工程を行い、変換後座標データに前記選択する工程により得られた座標データを格納していってもよい。
図9に、開示の装置のハードウエア構成例を示す。
装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
CPU(Central Processing Unit)11は、演算(四則演算、比較演算等)、ハードウエア及びソフトウエアの動作制御などを行う。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。前記RAMは、前記ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、CPU11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。
記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部13には、CPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データを用いた前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算方法であって、
前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を含むことを特徴とする相互作用の計算方法。
(付記2) 前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する際に、前記一の溶媒分子の座標データから決定した代表的な一つの座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを選択する付記1に載の相互作用の計算方法。
(付記3) 前記代表的な一つの座標データが、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかを原点とした相対的な座標データである付記2に記載の相互作用の計算方法。
(付記4) 前記選択する工程の後に、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データから、所定の測定時間を選択して前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際に、一の時点(T)における前記一の溶媒分子の座標データが設定された第一の閾値を超える場合には、選択された前記測定時間の初期の時点(T)から前記一の溶媒分子の座標データが前記第一の閾値を超える直前の時点(Tm−1)までの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得し、更に、前記時点(T)から、前記時点(T)よりも後の時点であって次に設定された第二の閾値を超える時点(T)の直前の時点(Tn−1)及び前記第二の閾値を超えない場合には選択された前記測定時間の最後の時点(T)のいずれかまでの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから時間平均座標データを取得する工程を含む付記1から3のいずれかに記載の相互作用の計算方法。
(付記5) 前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第一の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tm−1)までの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定され、前記第二の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tn−1)及び前記時点(T)のいずれかまでの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定される付記4に記載の相互作用の計算方法。
(付記6) 周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データの変換方法であって、
前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を含むことを特徴とする座標データの変換方法。
(付記7) 前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する際に、前記一の溶媒分子の座標データから決定した代表的な一つの座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを選択する付記6に記載の座標データの変換方法。
(付記8) 前記代表的な一つの座標データが、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかを原点とした相対的な座標データである付記7に記載の座標データの変換方法。
(付記9) 前記選択する工程の後に、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データから、所定の測定時間を選択して前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際に、一の時点(T)における前記一の溶媒分子の座標データが設定された第一の閾値を超える場合には、選択された前記測定時間の初期の時点(T)から前記一の溶媒分子の座標データが前記第一の閾値を超える直前の時点(Tm−1)までの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得し、更に、前記時点(T)から、前記時点(T)よりも後の時点であって次に設定された第二の閾値を超える時点(T)の直前の時点(Tn−1)及び前記第二の閾値を超えない場合には選択された前記測定時間の最後の時点(T)のいずれかまでの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから時間平均座標データを取得する工程を含む付記6から8のいずれかに記載の座標データの変換方法。
(付記10) 前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第一の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tm−1)までの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定され、前記第二の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tn−1)及び前記時点(T)のいずれかまでの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定される付記9に記載の座標データの変換方法。
(付記11) コンピューターに、付記1から5のいずれかに記載の相互作用の計算方法及び付記6から10のいずれに記載の座標データの変換方法のいずれかを実行させることを特徴とするプログラム。
(付記12) 付記11に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
(付記13) 付記12に記載のコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備えることを特徴とする装置。
1 主計算対象分子
2 副計算対象分子
3 溶媒分子
3a 溶媒分子の座標
3b 溶媒分子の座標
3c 時間平均座標
3d 時間平均座標
10 装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス

Claims (13)

  1. 周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データを用いた前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子の相互作用の計算方法であって、
    前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データでありかつ記憶部に記憶された座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を、CPUが実行することを特徴とする相互作用の計算方法。
  2. 前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する際に、前記一の溶媒分子の座標データから決定した代表的な一つの座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを選択する請求項1に記載の相互作用の計算方法。
  3. 前記代表的な一つの座標データが、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかを原点とした相対的な座標データである請求項2に記載の相互作用の計算方法。
  4. 前記選択する工程の後に、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データから、所定の測定時間を選択して前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際に、一の時点(T)における前記一の溶媒分子の座標データが設定された第一の閾値を超える場合には、選択された前記測定時間の初期の時点(T)から前記一の溶媒分子の座標データが前記第一の閾値を超える直前の時点(Tm−1)までの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得し、更に、前記時点(T)から、前記時点(T)よりも後の時点であって次に設定された第二の閾値を超える時点(T)の直前の時点(Tn−1)及び前記第二の閾値を超えない場合には選択された前記測定時間の最後の時点(T)のいずれかまでの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから時間平均座標データを取得する工程を、CPUが実行する請求項1から3のいずれかに記載の相互作用の計算方法。
  5. 前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第一の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tm−1)までの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定され、前記第二の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tn−1)及び前記時点(T)のいずれかまでの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定される請求項4に記載の相互作用の計算方法。
  6. 周期境界条件を設定して行う、主計算対象分子、副計算対象分子、及び溶媒分子の分子動力学計算により得られた座標データの変換方法であって、
    前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データでありかつ記憶部に記憶された座標データについて、前記周期境界条件により規定された単位格子及び前記単位格子に隣接する単位格子に存在する複数の前記一の溶媒分子の座標データから、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する工程を、CPUが実行することを特徴とする座標データの変換方法。
  7. 前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを前記一の溶媒分子の座標データとして選択する際に、前記一の溶媒分子の座標データから決定した代表的な一つの座標データを用いて前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかに距離が最も近い座標データを選択する請求項6に記載の座標データの変換方法。
  8. 前記代表的な一つの座標データが、前記主計算対象分子及び前記副計算対象分子のいずれかを原点とした相対的な座標データである請求項7に記載の座標データの変換方法。
  9. 前記選択する工程の後に、前記分子動力学計算により得られた各時点における一の溶媒分子の座標データから、所定の測定時間を選択して前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際に、一の時点(T)における前記一の溶媒分子の座標データが設定された第一の閾値を超える場合には、選択された前記測定時間の初期の時点(T)から前記一の溶媒分子の座標データが前記第一の閾値を超える直前の時点(Tm−1)までの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得し、更に、前記時点(T)から、前記時点(T)よりも後の時点であって次に設定された第二の閾値を超える時点(T)の直前の時点(Tn−1)及び前記第二の閾値を超えない場合には選択された前記測定時間の最後の時点(T)のいずれかまでの各時点の前記一の溶媒分子の座標データから時間平均座標データを取得する工程を、CPUが実行する請求項6から8のいずれかに記載の座標データの変換方法。
  10. 前記所定の測定時間における前記一の溶媒分子の時間平均座標データを取得する際の前記第一の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tm−1)までの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定され、前記第二の閾値が、前記時点(T)から前記時点(Tn−1)及び前記時点(T)のいずれかまでの前記一の溶媒分子の座標データの平均値からの距離として設定される請求項9に記載の座標データの変換方法。
  11. コンピューターに、請求項1から5のいずれかに記載の相互作用の計算方法及び請求項6から10のいずれに記載の座標データの変換方法のいずれかを実行させることを特徴とするプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
  13. 請求項12に記載のコンピュータが読み取り可能な記録媒体を備えることを特徴とする装置。
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