JP6610182B2 - 結合自由エネルギー計算の前処理方法、結合自由エネルギーの算出方法、及び装置、並びにプログラム - Google Patents

結合自由エネルギー計算の前処理方法、結合自由エネルギーの算出方法、及び装置、並びにプログラム Download PDF

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Description

本件は、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理方法、前記前処理方法を行うための装置、及び前記前処理方法を実行するプログラム、並びに結合自由エネルギーの算出方法に関する。
近年、薬候補分子を実験的に探索するのに要する膨大な費用と労力を削減するため、各種のコンピュータによるシミュレーションが行われている。薬候補分子の探索とは、標的疾患(ターゲットとする疾患)に関与する標的分子に対して強く相互作用する化合物(リガンド)を薬候補として探索することである。そこで、コンピュータによる標的分子立体構造に基づく化合物のスクリーニングが活発に行われている。
特に利用されている方法として、構造ベース薬剤設計方法(Structure−Based Drug Design,SBDD)が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。この方法は、標的分子や受容体の立体構造情報に基づいた分子設計法である。
コンピュータを用いて、標的分子と結合する薬候補分子を設計する場合、効率的に分子設計へのフィードバックを行うためには、標的分子に対する、薬候補分子の結合活性(結合自由エネルギー)を定量予測することが重要である。定量的結合活性予測においては、実験値と直接比較するために標準状態との関係を維持しながら計算する必要がある。
そのため、従来では、標的分子と薬候補分子との間の距離を拘束するためのポテンシャルを導入し、分子のとりうる構造空間を制限することが行われている。
しかし、従来では、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度が低下してしまうことがあった。
The Process of Structure−Based Drug Design", A.C. Anderson, Chemistry & Biology, 10, 787 (2003)
本件は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本件は、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる結合自由エネルギー計算の前処理方法、前処理方法を行うための装置、及び前記前処理方法を実行するプログラム、並びに標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる結合自由エネルギーの算出方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
開示の結合自由エネルギー計算の前処理方法は、
コンピュータを用い、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理方法であって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う。
開示の結合自由エネルギーの算出方法は、開示の前記結合自由エネルギー計算の前処理方法によって探索された初期構造を用いて、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギーを算出する。
開示のプログラムは、
コンピュータに、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を実行させるプログラムであって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う。
開示の装置は、
標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を行う装置であって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う探索部を有する。
開示の結合自由エネルギー計算の前処理方法によれば、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる。
開示の結合自由エネルギーの算出方法によれば、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる。
開示のプログラムによれば、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる。
開示の装置によれば、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの計算精度を向上できる。
図1は、アルケミカル経路計算法の一例の概念図である。 図2Aは、λ=0の時の構造(P)を表す図である。 図2Bは、λ=λの時の構造(P)を表す図である。 図3は、構造Pを維持するための拘束ポテンシャルを表す図である。 図4Aは、構造Pを維持するための拘束ポテンシャルにおける探索範囲を表す図である。 図4Bは、常温の熱揺らぎを超える拘束ポテンシャルにした際の探索範囲を表す図である。 図5は、探索範囲を広げた場合のシミュレーション結果を示す図である。 図6は、開示の結合自由エネルギーの算出方法の一例のフローチャートである。 図7は、開示の装置の構成例である。 図8は、開示の装置の他の構成例である。 図9は、開示の装置の他の構成例である。
創薬とは、医薬品の設計するプロセスを指す。前記創薬は、例えば、以下のような順で行われる。
(1) 標的分子の決定
(2) リード化合物等の探索
(3) 生理作用の検定
(4) 安全性・毒性試験
リード化合物等(リード化合物及びそれから派生する化合物)の探索においては、多数の薬候補分子の各々と、標的分子との相互作用を精度よく評価することが重要である。
コンピュータを用いて医薬品を設計するプロセスを、IT創薬と称することがある。IT創薬の技術は、創薬全般において利用可能である。その中でも、リード化合物等の探索にIT創薬の技術を利用することは、新薬開発の期間及び確率を高める上で有用である。
開示の技術は、例えば、高い薬理活性が期待されるリード化合物等の探索に利用できる。
(結合自由エネルギー計算の前処理方法)
開示の結合自由エネルギー計算の前処理方法は、コンピュータを用いて行う。
前記結合自由エネルギー計算の前処理方法は、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理方法である。
前記結合自由エネルギー計算は、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行われる。
拘束ポテンシャルの付加を利用したアルケミカル経路計算法における、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーの算出の際には、λでインデックスされた周囲環境と薬候補分子との相互作用を消去する過程(デカップリング過程)を計算する。しかし、λ=0(薬候補分子が完全に周囲と相互作用していること)の結合構造(薬候補分子と標的分子との結合構造)を初期構造に採用すると、収束速度が著しく低下する。
ここで、前記アルケミカル経路計算法とは、アルケミカル自由エネルギー計算(alchemical free energy calculation)、アルケミカル変換(alchemical transformation)などとも呼ばれ、仮想的な(アルケミカル)経路に沿った熱力学サイクルを用いた、結合自由エネルギーの算出方法である。
前記アルケミカル経路計算法は、例えば、Adv Protein Chem Struct Biol. 2011 ; 85: 27−80.に紹介されている。
前記アルケミカル経路計算法としては、例えば、図1及び以下の式により求められる計算法が挙げられる。
図1において、三日月状の物体が、標的分子(T)であり、円形の物体が、薬候補分子(L)である。上記式、及び図1において、Cは、静電相互作用を表し、LJは、ファンデルワールス相互作用を表し、Solvは、溶媒を表し、Cplxは、標的分子(T)と薬候補分子(L)との複合体を表し、Rは、バネ拘束ポテンシャルを表す。
上記式における右辺の第1、2、4、5、6項は、例えば、Bennett Acceptance Ratio(BAR)法により評価することができる。
ここで、λとは、標的分子と薬候補分子との状態を表すための係数である。
ここで、収束速度が著しく低下するとは、熱平衡構造に達するのが非常に遅くなることを意味する。
収束速度が著しく遅くなる問題は、初期状態は各λでの熱平衡構造でなければならないという理論適要請のためである。そこで、この問題を克服するために、従来、以下の(1)又は(2)のような方法がとられている。なお、λ=0の結合構造を構造Pと称することがある。
(1)各λで構造Pから、長時間のシミュレーションを行い、熱平衡構造を作成する。
(2)構造Pから、各λでシーケンシャルに短いシミュレーションを行った後、各λで熱平衡構造を作成する。
しかしながら、これらの方法では、拘束ポテンシャルを付加させたまま、各λでの熱平衡構造を得ないといけないため、十分に構造探索されておらず、その結果、計算される結合自由エネルギーの計算精度が低下することがあった。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、通常、初期構造を探索する際の拘束ポテンシャルは常温の熱揺らぎで行われるところ、前記探索を、常温の熱揺らぎを超える拘束により行うことで、熱平衡構造を探索する空間を広げることができ、それが、より安定な熱平衡構造を見つけ出せる可能性がある結果、結合自由エネルギーの計算精度を向上できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、開示の前記結合自由エネルギー計算の前処理方法においては、結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造の探索を行う際に、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にする。
前記初期構造は、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造である。
常温の熱揺らぎを超える拘束とは、言い換えれば、常温の熱揺らぎの範囲への拘束よりも緩やかな拘束ともいえる。
ここで、熱平衡構造の探索の一例を図を用いて説明する。
図2Aは、λ=0の時の熱平衡構造(P)を表す図である。図2Bは、λ=λの時の熱平衡構造(P)を表す図である。ここで、標的分子(T)は、RNAであり、薬候補分子(L)は、テオフィリンである。
λ=λの場合を考える。このλでの熱平衡構造が構造Pではなく、構造Pであったとする。この時、構造Pを維持するための拘束ポテンシャルを図3に示した6個の自由度(r、θ、θ、Φ、Φ、Φ)に付加して計算することを考える。ここでは、拘束ポテンシャルに調和ポテンシャルを用いる場合について説明する。。
図3において、6個の自由度は、標的分子Tの特定の原子A、及び原子Aに直接結合する原子Aと、薬候補分子Lの特定の原子B、及び原子B1に直接結合する原子Bとを用いて、設定される。
rは、標的分子Tと薬候補分子Lとの距離に関する自由度である。
θは、標的分子Tの原子Aと薬候補分子Lの原子Bとを結ぶ線分と、標的分子Tの原子Aと原子Aとを結ぶ線分とがなす角度に関する自由度である。
θは、薬候補分子Lの原子Bと標的分子Tの原子Aとを結ぶ線分と、薬候補分子Lの原子Bと原子Bとを結ぶ線分とがなす角度に関する自由度である。
Φは、標的分子Tの原子Aと原子Aとを結ぶ線分の回転に関する自由度である。
Φは、標的分子Tの原子Aと薬候補分子Lの原子Bとを結ぶ線分の回転に関する自由度である。
Φは、薬候補分子Lの原子Bと原子Bとを結ぶ線分の回転に関する自由度である。
6個の自由度のうちのひとつに対してポテンシャルを射影した模式図を、図4A及び図4Bに示す。図4Aでは、構造Pを維持するための拘束ポテンシャルに拘束される探索範囲では、安定な構造として構造Pが探索される。しかし、この場合、より安定な構造Pは探索されない。そこで、常温での構造揺らぎを許すバネ定数Kから、もっと大きな揺らぎを許すバネ定数K´に変更し、拘束ポテンシャルを、常温の熱揺らぎを超える拘束ポテンシャルとすることによって、図4Bに示すように、探索範囲が広くなり、より安定な構造Pの探索が可能になる。
ここで、常温とは、通常、25℃を指す。
常温の熱揺らぎを超える前記拘束は、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われることが、より安定な構造を探索しやすい点で、好ましい。
ここで、前記拘束を緩める程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、調和ポテンシャルにおけるバネ定数を、常温のバネ定数の1/8〜1/2〔拘束位置の分散として1/(81/2)〜1/(21/2)〕などが挙げられる。
ここで、図4Bに示すように探索範囲を広げた場合のシミュレーションを行った結果を図5に示す。図5の結果は、前述の6個の自由度のうち、角度θの拘束ポテンシャル(ここでは、調和ポテンシャルを用いた。)のパラメータKを1/4〔バネ定数を1/4:拘束位置の分散を1/2〕にした場合の、標的分子(RNA)に対する薬候補分子(テオフィリン)の角度のシミュレーション時間変化をプロットした結果である。従来の手法(常温の熱揺らぎ)の場合では脱出できなかった構造Pから抜けだして、構造Pを探索できていることが確認できる。
<標的分子>
前記標的分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、タンパク質、RNA(リボ核酸、ribonucleic acid)、DNA(デオキシリボ核酸、deoxyribonucleic acid)などが挙げられる。
(結合自由エネルギーの算出方法)
開示の結合自由エネルギーの算出方法では、開示の前記結合自由エネルギー計算の前処理方法によって探索された初期構造を用いて、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギーを算出する。
なお、標的分子と薬候補分子との結合自由エネルギーは、通常、溶媒中の前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギーである。前記溶媒は、通常、水である。
前記結合自由エネルギーの算出は、アルケミカル経路計算法により行われることが、計算精度が優れる点で好ましい。アルケミカル経路計算法は、前述のとおりである。
前記結合自由エネルギーの算出方法は、例えば、分子軌道法、分子動力学法などを用いて実行することができる。
前記分子軌道法による分子軌道計算としては、例えば、非経験的分子軌道計算(ab initio分子軌道計算)、半経験的分子軌道計算などが挙げられる。
前記非経験的分子軌道計算の方法論としては、例えば、ハートリー−フォック法、電子相関法などが挙げられる。
前記半経験的分子軌道計算の方法論としては、例えば、CNDO、INDO、AM1、PM3などが挙げられる。
前記非経験的分子軌道計算のプログラムとしては、例えば、Gaussian03、GAMESS、ABINIT−MP、Protein DFなどが挙げられる。
前記半経験的分子軌道計算のプログラムとしては、例えば、MOPACなどが挙げられる。
前記分子動力学法に用いるプログラムとしては、例えば、gromacs(グローマックス、Groningen Machine for Chemical Simulations)、amber(Assisted Model Building with Energy Refinement)、charmm、tinker、lammpsなどが挙げられる。
前記結合自由エネルギーの算出方法、及び前記結合自由エネルギー計算の前処理方法は、コンピュータを用いて行われる。前記結合自由エネルギーの算出方法、及び前記結合自由エネルギー計算の前処理方法に使用される前記コンピュータは、1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、複数のコンピュータに前記結合自由エネルギーの算出方法を分散させて実行させてもよい。例えば、複数のコンピュータに前記結合自由エネルギー計算の前処理方法を分散させて実行させてもよい。
前記結合自由エネルギーの算出方法、及び前記結合自由エネルギー計算の前処理方法は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク、各種周辺機器等を備えた通常のコンピュータシステム(例えば、各種ネットワークサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等)を用いることによって実現することができる。
ここで、前記結合自由エネルギーの算出方法の一例のフローチャートを図6に示す。
まず、前記結合自由エネルギー計算の前処理方法を実行する(前処理)。
そして、得られた初期構造を用いて、結合自由エネルギーの算出を行う(結合自由Eg算出)。
(プログラム)
開示のプログラムは、開示の前記結合自由エネルギー計算の前処理方法を実行するプログラムである。
前記プログラムは、使用するコンピュータシステムの構成及びオペレーティングシステムの種類・バージョンなどに応じて、公知の各種のプログラム言語を用いて作成することができる。
前記プログラムは、内蔵ハードディスク、外付けハードディスクなどの記憶媒体に記録しておいてもよいし、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、MOディスク(Magneto−Optical disk)、USBメモリ〔USB(Universal Serial Bus) flash drive〕などの記憶媒体に記録しておいてもよい。前記プログラムをCD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどの記憶媒体に記録する場合には、必要に応じて随時、コンピュータシステムが有する記憶媒体読取装置を通じて、これを直接、又はハードディスクにインストールして使用することができる。また、コンピュータシステムから情報通信ネットワークを通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュータ等)に前記プログラムを記録しておき、必要に応じて随時、前記外部記憶領域から情報通信ネットワークを通じてこれを直接、又はハードディスクにインストールして使用することもできる。
(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)
開示のコンピュータが読み取り可能な記録媒体は、開示の前記プログラムを記録してなる。
前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、内蔵ハードディスク、外付けハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどが挙げられる。
(装置)
開示の装置は、探索部を有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記探索部では、前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う。
前記装置は、開示の前記結合自由エネルギー算出の前処理方法を実行する。
図7に、開示の装置の構成例を示す。
装置10は、例えば、CPU11、メモリ12、記憶部13、表示部14、入力部15、出力部16、I/Oインターフェース部17等がシステムバス18を介して接続されて構成される。
CPU(Central Processing Unit)11は、演算(四則演算、比較演算等)、ハードウエア及びソフトウエアの動作制御などを行う。
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリである。前記RAMは、前記ROM及び記憶部13から読み出されたOS(Operating System)及びアプリケーションプログラムなどを記憶し、CPU11の主メモリ及びワークエリアとして機能する。
記憶部13は、各種プログラム及びデータを記憶する装置であり、例えば、ハードディスクである。記憶部13には、CPU11が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OSなどが格納される。
前記プログラムは、記憶部13に格納され、メモリ12のRAM(主メモリ)にロードされ、CPU11により実行される。
表示部14は、表示装置であり、例えば、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
入力部15は、各種データの入力装置であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス等)などである。
出力部16は、各種データの出力装置であり、例えば、プリンタである。
I/Oインターフェース部17は、各種の外部装置を接続するためのインターフェースである。例えば、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、USBメモリなどのデータの入出力を可能にする。
図8に、開示の装置の他の構成例を示す。
図8の構成例は、クラウド型の構成例であり、CPU11が、記憶部13等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、記憶部13等を格納するコンピュータ30と、CPU11を格納するコンピュータ40とが接続される。
ネットワークインターフェース部19、20は、インターネットを利用して、通信を行うハードウェアである。
図9に、開示の装置の他の構成例を示す。
図9の構成例は、クラウド型の構成例であり、記憶部13が、CPU11等とは独立している。この構成例では、ネットワークインターフェース部19、20を介して、CPU11等を格納する。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータを用い、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理方法であって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行うことを特徴とする結合自由エネルギー計算の前処理方法。
(付記2)
前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである付記1に記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法。
(付記3)
常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる付記1から2のいずれかに記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法。
(付記4)
付記1から3のいずれかに記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法によって探索された初期構造を用いて、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギーを算出することを特徴とする結合自由エネルギーの算出方法。
(付記5)
前記結合自由エネルギーの算出が、アルケミカル経路計算法により行われる付記4に記載の結合自由エネルギーの算出方法。
(付記6)
コンピュータに、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を実行させるプログラムであって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行うことを特徴とするプログラム。
(付記7)
前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである付記6に記載のプログラム。
(付記8)
常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる付記6から7のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を行う装置であって、
前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う探索部を有することを特徴とする装置。
(付記10)
前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである付記9に記載の装置。
(付記11)
常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる付記9から10のいずれかに記載の装置。
10 装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 出力部
17 I/Oインターフェース部
18 システムバス
19 ネットワークインターフェース部
20 ネットワークインターフェース部
30 コンピュータ
40 コンピュータ
L 薬候補分子
T 標的分子

Claims (11)

  1. コンピュータを用い、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理方法であって、
    前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行うことを特徴とする結合自由エネルギー計算の前処理方法。
  2. 前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである請求項1に記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法。
  3. 常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる請求項1から2のいずれかに記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の結合自由エネルギー計算の前処理方法によって探索された初期構造を用いて、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギーを算出することを特徴とする結合自由エネルギーの算出方法。
  5. 前記結合自由エネルギーの算出が、アルケミカル経路計算法により行われる請求項4に記載の結合自由エネルギーの算出方法。
  6. コンピュータに、標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を実行させるプログラムであって、
    前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行うことを特徴とするプログラム。
  7. 前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである請求項6に記載のプログラム。
  8. 常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる請求項6から7のいずれかに記載のプログラム。
  9. 標的分子と薬候補分子とに拘束ポテンシャルを付加して行う、前記標的分子と前記薬候補分子との結合自由エネルギー計算の前処理を行う装置であって、
    前記結合自由エネルギー計算を行う際の初期構造である、前記標的分子と前記薬候補分子との結合構造の探索を、前記標的分子と前記薬候補分子とに付加する拘束ポテンシャルによる拘束を常温の熱揺らぎを超える拘束にして行う探索部を有することを特徴とする装置。
  10. 前記拘束ポテンシャルが、調和ポテンシャルである請求項9に記載の装置。
  11. 常温の熱揺らぎを超える前記拘束が、角度の拘束ポテンシャルを調整することにより行われる請求項9から10のいずれかに記載の装置。
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