JP6409245B2 - 貯留タンク - Google Patents
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Description
これに対し、浮屋根が大きく変位した場合にも浮屋根の外周部とタンク本体の内周面との間に隙間が生じないよう、浮屋根の外周部をタンク本体の内周面に対して強く押し付けることが考えられる。しかし、これでは浮屋根の外周部とタンク本体の内周面との間の摩擦力が大きくなる。すると、タンク本体内の流体の変動に追従して浮屋根が変位しにくくなってしまう。
しかし、このような構成においては、シール材と浮屋根の外周部との間に、加圧用伸縮バッグを設ける必要がある。したがって、既設の貯留タンクに加圧用伸縮バッグを追設して特許文献2に開示されたような構成を実現しようとしても、シール材を浮屋根から取り外した後、シール材と浮屋根との間に加圧用伸縮バッグを取り付け、さらにシール材を再び取り付けなければならない。したがって、既設の貯留タンクに対し、シール材と浮屋根の外周部との間に加圧用伸縮バッグを追設するのは困難である。
この発明に係る貯留タンクは、上下方向に延びる有底筒状をなしたタンク本体と、前記タンク本体内に貯留された流体を上方から覆う浮屋根と、前記浮屋根の外縁部と前記タンク本体の内周面との間に配置され、前記タンク本体の前記内周面に対して上下方向に摺動可能とされた摺動体、及び前記摺動体を前記タンク本体の前記内周面側に向かって付勢する付勢部を有し、前記外縁部と前記内周面との間をシールする一次シール部と、前記一次シール部の下方に設けられて、前記タンク本体の前記内周面に接触することで前記外縁部と前記内周面との間をシールするシール部材、及び前記摺動体における前記浮屋根の前記外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合にのみ前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させる駆動部を備えた二次シール部と、を備える。
また、地震時等にタンク本体内で、浮屋根の外縁部がタンク本体内の内周面に接離する方向に変位することがある。これにより、浮屋根の変位にともなって、付勢部材に付勢された摺動体は、浮屋根の外縁部からの離間距離が変動する。地震が強大であると、摺動体がタンク本体の内周面から離間してしまうことがある。そこで、摺動体の浮屋根の外縁部からの離間距離が、予め設定した閾値を超えた場合、駆動部により、シール部材をタンク本体の内周面に接触させる。これによって、二次シール部のシール部材によって、浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間がシールされ、タンク本体内の流体が漏れるのを防ぐことができる。
この二次シール部は、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合にのみシール部材をタンク本体の内周面に接触させる。したがって、強大な地震等が発生していない通常時においては、一次シール部のみによって浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間がシールされる。これにより、通常時においては、浮屋根のタンク本体内での上下動が、二次シール部における摩擦力によって妨げられることが無い。
さらに、二次シール部は、一次シール部の下方に設けられているので、既存の貯留タンクに対して二次シール部を追設する場合であっても、一次シール部と浮屋根との間に二次シール部を設ける必要が無い。
このように構成することで、タンク本体の周方向の何れかの部位で、摺動体がタンク本体の内周面から離れそうになったときに、その部位でシール部材をタンク本体の内周面に接触させることで、浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間が迅速にシールされる。
このような構成において、カウンタウェイトは、ウェイト部材の荷重によって摺動体をタンク本体の内周面側に向かって付勢する。地震発生時に摺動体がタンク本体内の内周面に接離する方向に摺動体が変位したときには、カウンタウェイトが連動して揺動する。駆動部においては、このカウンタウェイトの揺動に応じ、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、シール部材をタンク本体の内周面に接触させることができる。
ここで、例えば浮屋根の変位を加速度計等で検出した場合には、タンクの周方向の、どの部位で摺動体がタンク本体の内周面から離れるかを特定するのは困難である。これに対し、上記構成のように周方向複数個所に設けたカウンタウェイトを用いることで、摺動体がタンク本体の内周面から離れそうになったときに、その部位のカウンタウェイトが揺動してシール部材をタンク本体の内周面に接触させるので、浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間を確実にシールすることができる。
このように構成することで、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えたことをスイッチで検知したときに、シール部材をタンク本体の内周面に確実に接触させることができる。
このように構成することで、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、カウンタウェイトの揺動動作によって連動するシール部材駆動機構の機械的な動作によって、シール部材をタンク本体の内周面に確実に接触させることができる。
このような構成では、電気的な配線等を用いる必要が無いので、貯留タンクを防爆仕様とする必要が無く、低コスト化を図ることができる。
このように構成することで、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、駆動部が開閉弁を開く。すると、ボンベからバッグに充填材が充填されてバッグが膨張し、タンク本体の内周面に接触する。これによって、バッグがシール部材として機能し、浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間をシールすることができる。
このように構成することで、摺動体における浮屋根の外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、駆動部は、ストッパによるシール部材の移動の規制を解除する。すると、付勢部材によって付勢されたシール部材が、タンク本体の内周面に向かって移動する。このシール部材がタンク本体の内周面に接触することで、浮屋根の外縁部とタンク本体の内周面との間をシールすることができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る貯留タンクの全体構成を示す立断面図である。
図1に示すように、貯留タンク10は、タンク本体11と、浮屋根20と、を備えている。
また、屋根部15の下面には、浮屋根20を必要に応じて昇降させるためのリフト装置17が設けられている。
また、タンク本体11の上部には、収容空間11S内の換気を図る換気塔18と、収容流体100が所定圧力以上となったときにタンク本体11外に放散する防爆仕様用のガス放散管19と、が設けられている。
また、タンク本体11は、後述するシール液Lをタンク本体11の下部から一次シール部30(図2参照)に循環させるシール液循環部(図示無し)を備えている。
図1、図2に示すように、浮屋根20は、浮屋根本体21と、ウェイト部22と、シール部23と、を備えている。
浮屋根本体21は、上方に向かって膨出したドーム状をなしている。なお、浮屋根本体21の形状はドーム状に限定されず、平板状であってもよい。このような浮屋根本体21は、タンク本体11の筒状壁14の内径よりも所定寸法小さな外径で形成されている。
一次シール部30は、ウェイト部22の外周面に設けられた摺動体31と、浮屋根本体21の外縁部21sに対して径方向外方に位置する筒状壁14の内周面14aに向かって摺動体31を付勢する付勢部32と、シール液Lと、を備えている。
このような摺動体31、および摺動体31を支持するベース板33は、タンク本体11の周方向に沿って連続し、平面視すると円弧状(円環状)をなしている。
上記摺動体31と膜体37とによって、浮屋根本体21の外縁部21sに設けられたウェイト部22とタンク本体11の筒状壁14の内周面14aとの間を閉塞している。
この実施形態において、バッグ51Aは、タンク本体11の筒状壁14の周方向に沿って連続する平面視円環状のチューブ状をなしている。
開閉弁54Aは、この実施形態において、電気信号によって開閉動作する電磁弁である。
スイッチ58は、一次シール部30のカウンタウェイト39のウェイト部材39dの下方に配置されている。カウンタウェイト39のウェイトロッド39cが揺動し、ウェイト部材39dが下降してスイッチ58に接触すると、スイッチ58は、ON状態とOFF状態との間で切り替わる。スイッチ58は、ON状態とOFF状態との間で切り替わると、所定の電気信号を出力する。スイッチ58から出力された電気信号は、配線59を介して開閉弁54Aに伝達される。開閉弁54Aは、スイッチ58から伝達された電気信号に応じ、開状態と閉状態との間で切り替わる。
図3に示すように、地震等により、浮屋根本体21がタンク本体11内で径方向に変位すると、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aに対して突き当たった摺動体31が、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aに対して接離する方向に相対変位する。浮屋根本体21の外縁部21sが筒状壁14の内周面14aから離間する方向に変位すると、付勢部32のカウンタウェイト39のウェイト部材39dによって付勢された摺動体31は、筒状壁14の内周面14a側に変位する。
弁駆動部55Aは、摺動体31が、リンク機構38による移動ストロークの限界に到達して筒状壁14の内周面14aから離間するに先立ち、図3に示すように、浮屋根本体21の外縁部21sからの摺動体31の離間距離が予め設定した閾値Dを超えると、カウンタウェイト39のウェイトロッド39cがスイッチ58に接触するようになっている。
ウェイトロッド39cがスイッチ58に接触し、スイッチ58が切り替わると、開閉弁54Aが開いてボンベ52から接続配管53を介して充填体が充填され、バッグ51Aが膨張する。
ここで、この実施形態では、駆動部55Aは、タンク本体11の筒状壁14の周方向に沿って間隔をあけて複数組が設けられているが、これら複数組の駆動部55Aのうちの少なくとも一つにおいてスイッチ58が切り替わったときには、全ての開閉弁54Aが開いてバッグ51Aの全周を膨張させるのが好ましい。
また、地震が強大であると、摺動体31がタンク本体11の内周面14aから離間してしまうことがある。そこで、摺動体31の浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が、予め設定した閾値Dを超えた場合、バッグ51Aを駆動部55Aによってタンク本体11の内周面14aに接触させる。これによって、二次シール部50Aのバッグ51Aによって、浮屋根20の外縁部21sとタンク本体11の内周面14aとの間がシールされ、タンク本体11内の収容流体100が漏れるのを防ぐことができる。
このような構成において、地震発生時に摺動体31がタンク本体11内の内周面14aに接離する方向に摺動体31が変位したときには、カウンタウェイト39が連動して揺動する。駆動部55Aにおいては、このカウンタウェイト39の揺動に応じ、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合に、バッグ51Aをタンク本体11の内周面14aに接触させることができる。
ここで、例えば浮屋根20の変位を加速度計等で検出した場合には、タンクの周方向の、どの部位で摺動体31がタンク本体11の内周面14aから離れるかを特定するのは困難である。これに対し、周方向複数個所に設けたカウンタウェイト39を用いることで、摺動体31がタンク本体11の内周面14aから離れそうになったときに、その部位のカウンタウェイト39が揺動してバッグ51Aをタンク本体11の内周面14aに接触させ、浮屋根20の外縁部21sとタンク本体11の内周面14aとの間をシールすることができる。
このように構成することで、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えたことをスイッチ58で検知したときに、バッグ51Aをタンク本体11の内周面14aに確実に接触させることができる。
このように構成することで、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合に、駆動部55Aが開閉弁54Aを開く。すると、ボンベ52からバッグ51Aに充填材が充填されてバッグ51Aが膨張し、タンク本体11の内周面14aに接触する。これによって、バッグ51Aがバッグ51Aとして機能し、浮屋根20の外縁部21sとタンク本体11の内周面14aとの間をシールすることができる。
次に、本発明にかかる貯留タンクの第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図5は、第2の実施形態における貯留タンクにおいて、二次シール部を構成するバッグの構成を示す平面図である。
図5に示すように、この実施形態における貯留タンク10は、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aと浮屋根本体21の外縁部21sとの間に、シール部23を備えている。この実施形態において、シール部23は、上記第1の実施形態と同様の一次シール部30(図2参照)と、以下に示すような二次シール部50Bと、を備えている。
これによって、シール液Lは、バッグ51Bと吊り膜56と膜体37との上方に留まる。ので、浮屋根本体21の外縁部21sとタンク本体11の筒状壁14の内周面14aとの間の閉塞状態が維持される。
このように構成することで、タンク本体11の周方向の何れかの部位で、摺動体31がタンク本体11の内周面14aから離れそうになったときに、その部位でバッグ51Bをタンク本体11の内周面14aに接触させることで、浮屋根20の外縁部21sとタンク本体11の内周面14aとの間が迅速にシールされる。
この二次シール部50Bは、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合にのみバッグ51Bをタンク本体11の内周面14aに接触させる。したがって、通常時においては、浮屋根20のタンク本体11内での上下動が、二次シール部50Bにおける摩擦力によって妨げられることが無い。
さらに、二次シール部50Bは、一次シール部30の下方に設けられているので、既存の貯留タンク10に対して二次シール部50Bを追設する場合であっても、一次シール部30と浮屋根20との間に二次シール部50Bを設ける必要が無い。
その結果、通常時には浮屋根20の動作を妨げるのを抑えつつ、地震発生時等には浮屋根20とタンク本体11との隙間から収容流体100が漏れるのを確実に抑え、しかも既存の貯留タンク10に対して容易に追設することが可能となる。
次に、本発明にかかる貯留タンクの第3の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第3の実施形態においては、上記第1、第2の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図6に示すように、この実施形態における貯留タンク10は、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aと浮屋根本体21の外縁部21sとの間に、シール部23を備えている。この実施形態において、シール部23は、上記第1の実施形態と同様の一次シール部30(図2参照)と、以下に示すような二次シール部50Cと、を備えている。
駆動ケーブル60は、一端がカウンタウェイト39のウェイトロッド39cに接続され、他端が開閉弁54Cに接続されている。
駆動部55Cは、浮屋根本体21の外縁部21sからの摺動体31の離間距離が予め設定した閾値Dを超えると、カウンタウェイト39のウェイトロッド39cが駆動ケーブル60を介して開閉弁54Cを操作し、開閉弁54Cが閉状態から開状態に切り替わる。これにより、ボンベ52から接続配管53を介して充填体が充填され、バッグ51Aが膨張する。
このような構成では、電気的な配線等を用いる必要が無いので、貯留タンク10を防爆仕様とする必要が無く、低コスト化を図ることができる。
この二次シール部50Cは、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合にのみバッグ51Aをタンク本体11の内周面14aに接触させる。したがって、通常時においては、浮屋根20のタンク本体11内での上下動が、二次シール部50Cにおける摩擦力によって妨げられることが無い。
さらに、二次シール部50Cは、一次シール部30の下方に設けられているので、既存の貯留タンク10に対して二次シール部50Cを追設する場合であっても、一次シール部30と浮屋根20との間に二次シール部50Cを設ける必要が無い。
その結果、通常時には浮屋根20の動作を妨げるのを抑えつつ、地震発生時等には浮屋根20とタンク本体11との隙間から収容流体100が漏れるのを確実に抑え、しかも既存の貯留タンク10に対して容易に追設することが可能となる。
上記第3の実施形態においても、バッグ51Aに代えて、上記第2実施形態で示したように、タンク本体11の筒状壁14の周方向に沿って、複数個のバッグ51B(図4参照)が配列されることで、全体として平面視円環状をなした構成を採用することが可能である。
次に、本発明にかかる貯留タンクの第4の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第4の実施形態においては、上記第1〜第3の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図8に示すように、この実施形態における貯留タンク10は、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aと浮屋根本体21の外縁部21sとの間に、シール部23を備えている。この実施形態において、シール部23は、上記第1の実施形態と同様の一次シール部30と、以下に示すような二次シール部50Dと、を備えている。
また、ホルダ72は、上部ホルダ部材72aと下部ホルダ部材72bとが、上下に間隔をあけて平行に配置されている。上部ホルダ部材72a、および下部ホルダ部材72bは、支持部材71から筒状壁14の径方向外方に向かって延びるとともに、筒状壁14の周方向に沿って連続し、平面視円環状に設けられている。
弾性部材73は、ホルダ72の上部ホルダ部材72aと下部ホルダ部材72bとの間に設けられ、筒状壁14の内周面14aに接離する方向に移動自在に保持されている。
スイッチ58は、一次シール部30のカウンタウェイト39のウェイト部材39dの下方に配置されている。カウンタウェイト39のウェイトロッド39cが揺動し、ウェイト部材39dが下降してスイッチ58に接触すると、スイッチ58は、ON状態とOFF状態との間で切り替わる。スイッチ58は、ON状態とOFF状態との間で切り替わると、所定の電気信号を出力する。スイッチ58から出力された電気信号は、配線59を介してストッパ機構75Dに伝達される。ストッパ機構75Dは、スイッチ58から伝達された電気信号に応じ、弾性部材73の拘束を解除する。
ウェイトロッド39cがスイッチ58に接触し、スイッチ58が切り替わると、ストッパ機構75Dによる弾性部材73の拘束が解除され、付勢部材74の付勢力によって、弾性部材73がホルダ72から筒状壁14の内周面14aに接近する方向に突出する。
ここで、駆動部76Dは、タンク本体11の筒状壁14の周方向に沿って間隔をあけて複数組が設けられている。これら複数組の駆動部76Dのうちの少なくとも一つにおいてスイッチ58が切り替わったときには、全てのストッパ機構75Dで弾性部材73の拘束を解除してもよいし、スイッチ58が切り替わった部位の弾性部材73のみの拘束を解除してもよい。
このように構成することで、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合に、駆動部76Dは、ストッパ機構75Dによる弾性部材73の移動の規制を解除する。すると、付勢部材74によって付勢された弾性部材73が、タンク本体11の内周面14aに向かって移動する。この弾性部材73がタンク本体11の内周面14aに接触することで、浮屋根20の外縁部21sとタンク本体11の内周面14aとの間をシールすることができる。
この二次シール部50Dは、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合にのみ弾性部材73をタンク本体11の内周面14aに接触させる。したがって、通常時においては、浮屋根20のタンク本体11内での上下動が、二次シール部50Dにおける摩擦力によって妨げられることが無い。
さらに、二次シール部50Dは、一次シール部30の下方に設けられているので、既存の貯留タンク10に対して二次シール部50Dを追設する場合であっても、一次シール部30と浮屋根20との間に二次シール部50Dを設ける必要が無い。
その結果、通常時には浮屋根20の動作を妨げるのを抑えつつ、地震発生時等には浮屋根20とタンク本体11との隙間から収容流体100が漏れるのを確実に抑え、しかも既存の貯留タンク10に対して容易に追設することが可能となる。
次に、本発明にかかる貯留タンクの第5の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第5の実施形態においては、上記第1〜第4の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図10に示すように、この実施形態における貯留タンク10は、タンク本体11の筒状壁14の内周面14aと浮屋根本体21の外縁部21sとの間に、シール部23を備えている。この実施形態において、シール部23は、上記第1の実施形態と同様の一次シール部30(図2参照)と、以下に示すような二次シール部50Eと、を備えている。
また、ホルダ72は、上部ホルダ部材72aと下部ホルダ部材72bとが、上下に間隔をあけて平行に配置されている。上部ホルダ部材72a、および下部ホルダ部材72bは、支持部材71から筒状壁14の径方向外方に向かって延びるとともに、筒状壁14の周方向に沿って連続し、平面視円環状に設けられている。
弾性部材73は、ホルダ72の上部ホルダ部材72aと下部ホルダ部材72bとの間に設けられ、筒状壁14の内周面14aに接離する方向に移動自在に保持されている。
駆動ケーブル60は、一端がカウンタウェイト39のウェイトロッド39cに接続され、他端がストッパ機構75Eに接続されている。
ここで、駆動部76Eは、タンク本体11の筒状壁14の周方向に沿って間隔をあけて複数組が設けられている。これら複数組の駆動部76Eのうちの少なくとも一つにおいてスイッチ58が切り替わったときには、全てのストッパ機構75Eで弾性部材73の拘束を解除してもよいし、スイッチ58が切り替わった部位の弾性部材73のみの拘束を解除してもよい。
このように構成することで、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合に、カウンタウェイト39の揺動動作による駆動部76Eの機械的な動作によって、弾性部材73をタンク本体11の内周面14aに確実に接触させることができる。
このような構成では、電気的な配線等を用いる必要が無いので、貯留タンク10を防爆仕様とする必要が無く、低コスト化を図ることができる。
この二次シール部50Eは、摺動体31における浮屋根20の外縁部21sからの離間距離が閾値Dを超えた場合にのみ弾性部材73をタンク本体11の内周面14aに接触させる。したがって、通常時においては、浮屋根20のタンク本体11内での上下動が、二次シール部50Eにおける摩擦力によって妨げられることが無い。
さらに、二次シール部50Eは、一次シール部30の下方に設けられているので、既存の貯留タンク10に対して二次シール部50Eを追設する場合であっても、一次シール部30と浮屋根20との間に二次シール部50Eを設ける必要が無い。
その結果、通常時には浮屋根20の動作を妨げるのを抑えつつ、地震発生時等には浮屋根20とタンク本体11との隙間から収容流体100が漏れるのを確実に抑え、しかも既存の貯留タンク10に対して容易に追設することが可能となる。
なお、本発明の貯留タンクは、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態およびその変形例では、一次シール部30として、シール液L、摺動体31を用いた構成を採用したが、一次シール部30については、他のいかなる構成のシール機構を採用してもよい。
また、貯留タンク10の全体構成は、他のいかなる構成であってもよく、例えばタンク本体11は、平面視円形の筒状に限らず、平面視多角形状等であってもよい。
さらに、貯留タンク10で貯蔵する収容流体100は、ガス状、液状のいずれであってもよく、その種類や用途についても、何ら問うものではない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
11 タンク本体
11S 収容空間
13 底盤部
14 筒状壁
14a 内周面
15 屋根部
16 配管
17 リフト装置
18 換気塔
19 ガス放散管
20 浮屋根
21 浮屋根本体
21s 外縁部
22 ウェイト部
22s 外周面
23 シール部
27 支柱
28 ガイドローラ
30 一次シール部
31 摺動体
32 付勢部
33 ベース板
35 ステー
36 ロッド
37 膜体
38 リンク機構
38a ブラケット
38b ピン
38c リンクプレート
38d ピン
38e リンクアーム
38f ピン
39 カウンタウェイト
39a ブラケット
39b ピン
39c ウェイトロッド
39d ウェイト部材
39e 連結ワイヤ
50A、50B、50C、50D、50E 二次シール部
51A、51B バッグ(シール部材)
52 ボンベ
53 接続配管
54A、54C 開閉弁
55A 駆動部
55C 駆動部(シール部材駆動機構)
56 吊り膜
57 ブラケット
58 スイッチ
59 配線
60 駆動ケーブル
71 支持部材
72 ホルダ
72a 上部ホルダ部材
72b 下部ホルダ部材
73 弾性部材
74 付勢部材
75D、75E ストッパ機構(ストッパ)
76D、76E 駆動部
100 収容流体(流体)
D 閾値
F 力
G 地盤
L シール液
Claims (7)
- 上下方向に延びる有底筒状をなしたタンク本体と、
前記タンク本体内に貯留された流体を上方から覆う浮屋根と、
前記浮屋根の外縁部と前記タンク本体の内周面との間に配置され、前記タンク本体の前記内周面に対して上下方向に摺動可能とされた摺動体、及び前記摺動体を前記タンク本体の前記内周面側に向かって付勢する付勢部を有し、前記外縁部と前記内周面との間をシールする一次シール部と、
前記一次シール部の下方に設けられて、前記タンク本体の前記内周面に接触することで前記外縁部と前記内周面との間をシールするシール部材、及び前記摺動体における前記浮屋根の前記外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合にのみ前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させる駆動部を備えた二次シール部と、
を備える貯留タンク。 - 前記シール部材は、前記タンク本体の周方向に沿って複数設けられ、
前記駆動部は、前記タンク本体の周方向の少なくとも一部の部位で前記摺動体における前記浮屋根の前記外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、前記閾値を超えた部位に設けられた前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させる
請求項1に記載の貯留タンク。 - 前記付勢部は、前記タンク本体の周方向に沿って複数設けられるとともに、それぞれの前記付勢部は、一端にウェイト部材が設けられ、他端に前記摺動体が連結され、前記タンク本体の前記内周面側に接離する方向における前記摺動体の変位に応じて揺動するカウンタウェイトにより構成され、
前記駆動部は、前記カウンタウェイトの揺動に応じて、前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させる
請求項1又は2に記載の貯留タンク。 - 前記駆動部は、前記カウンタウェイトの揺動に応じて前記摺動体における前記浮屋根の前記外縁部からの離間距離が閾値を超えたことを検知したときに、前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させるスイッチを備える
請求項3に記載の貯留タンク。 - 前記駆動部は、前記摺動体における前記浮屋根の前記外縁部からの離間距離が閾値を超えた場合に、前記カウンタウェイトの揺動動作に連動して前記シール部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させるシール部材駆動機構を備える
請求項3に記載の貯留タンク。 - 前記二次シール部は、
前記浮屋根の前記外縁部に設けられ、可撓性を有するとともに中空に形成された前記シール部材としてのバッグと、
前記バッグを膨張させて前記タンク本体の前記内周面に接触させるため、前記バッグ内に充填する充填体を収容したボンベと、
前記ボンベから前記バッグへの前記充填体の供給を断続する開閉弁と、
を備え、
前記駆動部は、前記開閉弁を開くことで前記バッグに前記充填体を充填して膨張させ、前記タンク本体の前記内周面に接触させる請求項1から5の何れか一項に記載の貯留タンク。 - 前記二次シール部は、 前記浮屋根の前記外縁部に設けられたホルダと、
前記ホルダに、前記タンク本体の前記内周面に向かって移動可能に保持された前記シール部材としての弾性部材と、
前記弾性部材を前記タンク本体の前記内周面に向かって付勢する付勢部材と、
前記弾性部材の前記タンク本体の前記内周面側への移動を規制するストッパと、を備え、
前記駆動部は、前記ストッパによる前記弾性部材の移動の規制を解除することで前記弾性部材を前記タンク本体の前記内周面に接触させる請求項1から5の何れか一項に記載の貯留タンク。
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