JP2005298022A - 浮屋根式貯蔵タンクの能動的液面揺動抑制システム - Google Patents

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Toichi Sakai
坂井藤一
Ryosuke Inoue
井上凉介
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Abstract

【課題】浮屋根式貯蔵タンクに地震動が作用した時に発生するスロッシングを抑制する。
【解決手段】上部を開口したタンク本体と、貯蔵されている液体の液面上に浮かべられ、かつ側板の内周面に対しシール装置6を介して昇降自在に周囲が摺接した浮屋根5とを有する浮屋根式貯蔵タンクに関し、シール装置6を気密構造とし、通常時には浮屋根5が昇降自在なようにシール装置6の内部空気圧力を低く保ち、地震時にスロッシング波高の計測ないし地震波観測データからのスペクトル値の算出により、スロッシングの成長が認められた場合、即時にシール装置6の内部空気圧力を高めるように、空気圧力可変装置10から高圧空気を供給する能動的内部空気圧力可変機構を設ける。このようにすれば、地震の作用によりスロッシングが発生しても、浮屋根はシール装置を介してタンク本体の側板に密着し、固定に近い状態になり、スロッシングの成長は抑制される。
【選択図】図3

Description

本発明は、耐震性に優れた浮屋根式貯蔵タンクのシステムに関するものである。
図1は従来の浮屋根式貯蔵タンクの一例を示すもので、図中1は上部を開口したタンク本体を示し、該タンク本体1は、基礎2上に据え付けられた底板3と、底板3上に立設された筒状の側板4とにより構成されている。前記タンク本体1内には、該タンク本体1内に貯蔵されている液体8の液面上に浮かべられ、かつ側板4の内周面に対しシール装置6を介して昇降自在に周囲が摺接した浮屋根5が収容されており、前記浮屋根5の上面外周には、周方向に分割されたフラップ状のウェザーシールド7がシール装置6の上方に位置するよう傾動自在に取り付けられている。而して、前記浮屋根5は、タンク本体1の内部に貯蔵されている液体8の量が増減して液面の位置が変化するのに追従し、シール装置6が側板4の内周面に摺接しながら昇降するようになっている。
このような浮屋根式貯蔵タンクにおいて、地震によってタンク本体1に強い振動が加わると、タンク本体1の内部に貯蔵されている液体8にスロッシング(液面揺動)と称される波動現象が発生し、特にタンク本体1に加わる振動とスロッシングとが共鳴すると、図2に示すように浮屋根5は大きな振幅で揺動するようになる。
このため、液体8がタンク本体1の上方から外部に溢流したり、浮屋根5の上面に滞留したりして、引火や汚染の原因となる危険性がある。また、側板4や浮屋根5及びシール装置6やウェザーシールド7等の設備も激しい動揺により破損・破壊される危険性がある。
一般に、貯蔵タンクにおけるスロッシングの固有周期は、次式で表される。
Figure 2005298022
Ts :スロッシング固有周期(sec)
D :タンク内径(m)
He :タンク貯蔵液位(m)
g :重力加速度(m/sec
ε :定数(=1.841)
前記のように、貯蔵タンクのスロッシング固有周期は、タンク規模と貯蔵液位によって一義的に決定され、内径20m〜100m程度の実際の大規模タンクでは、この固有周期は4,5sec〜10数secとなる。したがって、スロッシングはこの周期帯域の地震動と共鳴し、この周期帯域の地震動成分が大きい場合に大きな応答を生ずる。
前記の周期帯域の地震動は、加速度が卓越する通常の短周期地振動(〜3,4sec)と異なるので、やや長周期地震動と称される。やや長周期地震動の特徴は、主要な短周期地震動の継続時間がたかだか30sec〜40secと短いのに反し、継続時間が数分間以上ときわめて長いことであり、スロッシングがやや長周期地震動と共鳴する場合には、主要な短周期地震動が終息した後、やや長周期地震動の長い継続時間の中で過大に成長する。
本発明は、上述の実情に鑑みて考案したもので、地震動を受けた際に、貯蔵されている液体に生じるスロッシング(液面揺動)現象を抑制し得る浮屋根式貯蔵タンクのシステムを提供することを目的としている。
本発明は、上部を開口したタンク本体1と、貯蔵されている液体8の液面上に浮かべられ、かつ側板4の内周面に対しシール装置6を介して昇降自在に周囲が摺接した浮屋根5とを有する浮屋根式貯蔵タンクに関し、シール装置6を気密構造とし、通常時には浮屋根5が昇降自在なようにシール装置6の内部空気圧力を低く保ち、地震時に限界値を超えるスロッシング(液面揺動)波高が検出された場合、即時にシール装置6の内部空気圧力を高める能動的内部空気圧力可変機構を設けることを特徴とするものである。
このようにすれば、通常時および短周期地震動作用時には、浮屋根5はタンク本体1の側板4に昇降自在に摺接しており、やや長周期地震動が作用し、スロッシング(液面揺動)が発生して、波高がある限界値以上になると、浮屋根5はシール装置6を介してタンク本体1の側板4に固定に近い状態で密着するので、その後さらに長周期地震動が継続作用しても、過大なスロッシング(液面揺動)の発生を抑制することができる。
また、波高の検出に代えて、ないしはそれと併用して、地震計の地震波観測データから貯蔵液位に応じた固有周期に対する応答スペクトル値(周波数応答値)を迅速に算出し、これがある限界値を超える結果が検出された場合には、即時にシール装置6の内部空気圧力を高めることにより、浮屋根5はシール装置6を介してタンク本体1の側板4に固定に近い状態で密着するので、その後長周期地震動が継続作用しても、過大なスロッシング(液面揺動)の発生を抑制することができる。
ちなみに、波高と応答スペクトル値との関係は次式で表される。応答スペクトル値は、下記3種類のどれを用いてもよいが、速度応答スペクトル値を用いることが一般的である。
Figure 2005298022
η :最大波高(m)
Sa :加速度応答スペクトル値(m/sec
Sv :速度応答スペクトル値(m/sec)
Sd :変位応答スペクトル値(m)
前記の速度応答スペクトル値は、スロッシング挙動のように減衰定数が小さい場合、地震波の加速度フーリエスペクトル値と近似的に等しいので、地震波の観測データから直接に加速度フーリエスペクトル値を求めて、速度応答スペクトル値の代りに用いることも可能である。
スロッシングに関しては、地震波観測データとして直交する水平軸x及びy方向2成分の記録が重要である。これらの2成分の記録から前記の応答スペクトル値ないしは加速度フーリエスペクトル値を算出するには、次式のような近似的方法が用いられる。
Figure 2005298022
Smax :最大スペクトル値の近似値
Sx :x方向の記録から求まるスペクトル値
Sy :y方向の記録から求まるスペクトル値
上記した本発明の浮屋根式貯蔵タンクのシステムによれば、下記の如き優れた効果を奏し得る。
(I)通常時には、浮屋根は側板に昇降自在に摺接し、液面位置の変化に追随可能であり、地震時やや長周期地震動の継続的な作用によりスロッシング波高がある程度以上成長したことが検出された時には、シール装置の内部空気圧力を高めて、浮屋根がタンク側板に密着し、固定に近い状態になるようにし、それ以上の波高の成長を抑制する。特許文献1には、空気圧力により袋状部材を膨らませ、それにより液体の運動を直接拘束する方法による発明が述べられているが、本発明においてはシール装置により浮屋根を拘束する方法に拠っており、前記文献の方法とは異なるものである。
特許出願公開番号 特願平10−157795、内部液体動揺抑制型タンク
(II)地震時の初期に短周期地震動が作用する時には、シール装置の内部空気圧力は低いままであり、浮屋根はタンクの側板に昇降自在に摺接しているので、液面近傍の側板や浮屋根に過大な動圧力の発生を招来しない。内部空気圧力を高めるのは、主要な短周期地震動が終息し、やや長周期地震動がかなり継続的に作用した時である。本発明によれば、やや長周期地震動およびスロッシング挙動の特性を利用することにより、スロッシング成長の検出やシール空気圧力の制御に十分な時間的余裕を持つことができる。
(III)ある程度のスロッシング波高の成長を検出する方法として、たとえば特許文献1に述べられているように、直接波高を検出してもよいが、地震動のタンクへの作用方向には任意性があるので、タンク全周に多数の波高検出機構が必要になる。それに代り、ないしはそれと併用して、タンク近辺に設置された地震計の記録を迅速に解析し、応答スペクトル値ないしは加速度フーリエスペクトル値を算出して、これによりスロッシングの成長を検出する方法は、複数タンクのスロッシング検出も含めて、検出機構が少なくて済む特徴がある。
(IV)前記の応答スペクトル値ないしは加速度フーリエスペクトル値を算出し、これと限界値との大小を比較し、必要に応じシール装置の内部空気圧力を高めるような信号を発信する一連の機能を地震計に組み込んだ、タンク専用地震計をタンク近辺に設置することは、地震波データの記録とシール空気圧力制御解析を簡便に実施できるシステムである。
図3は本発明を実施する形態の一例を示す図であって、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図3に示すように、タンクにはスロッシング波高を検出する一手段として液面センサ9が設置されている。液面センサ9の計測結果から波高が限界値を超えると、信号が空気圧力可変装置10に送られ、空気圧力可変装置10においては、シール装置6の空気圧力が所定の圧力になるように制御された高圧空気の供給がシール装置6に対して行われる。
図3には、スロッシング波高の直接計測に代る、ないしはそれと併用される地震観測データの利用による検出・制御システムも示されている。すなわち、地震計11が記録する地震動の時刻暦データからタンク貯蔵液位に応じた応答スペクトル値ないしは加速度フーリエスペクトル値を算出し、これが限界値を超える場合に高圧空気の供給がシール装置に対して行われるように、信号が空気圧力可変装置10に送られる。この制御解析は、空気圧力可変装置でなされてもよいし、タンク専用に設計された地震計の中でなされてもよい。
浮屋根式貯蔵タンクを示す説明図である。 浮屋根式貯蔵タンクにスロッシングが発生した状態を示す説明図である。 シール装置の内部空気圧力を能動的に制御するシステムを示す説明図である。
符号の説明
1 タンク本体
4 側板
5 浮屋根
6 シール装置
8 液体
9 液面センサ
10 空気圧力可変装置
11 地震計

Claims (3)

  1. 上部を開口したタンク本体と、貯蔵されている液体の液面上に浮かべられ、かつ前記タンク本体の側板内周面に対しシール装置を介して昇降自在に周囲が摺接した浮屋根とを有する浮屋根式貯蔵タンクに関し、シール装置を気密構造とし、通常時においては浮屋根が昇降自在なようにシール装置の内部ガス圧力を低く保ち、地震時においては、予め設定した限界値を超えるスロッシング(液面揺動)波高が検出されたならば、浮屋根がタンク側板に密着し、固定に近い状態になるように、即時にシール装置の内部空気圧力を高める能動的内部空気圧力可変機構を設けたことを特徴とする浮屋根式貯蔵タンクのシステム。
  2. 請求項1に記載の浮屋根式貯蔵タンクにおいて、貯蔵液位に応じて一義的に決定される貯蔵タンクのスロッシング固有周期と固有周期に対するスペクトル限界値を予め算定しておき、地震時において、地震計の地震波観測データから貯蔵液位に応じた固有周期に対する応答スペクトル値(周波数応答値)ないしは加速度フーリエスペクトル値を迅速に算出し、このスペクトル値が限界値を超える結果が検出されたならば、浮屋根がタンク側板に密着し、固定に近い状態になるように、即時にシール装置の内部空気圧力を高める能動的内部空気圧力可変機構を設けたことを特徴とする浮屋根式貯蔵タンクのシステム。
  3. 請求項2に記載のシステムにおいて、地震計のデータ解析機能として、前記の応答スペクトル値ないしは加速度フーリエスペクトル値を算出し、これと限界値との大小を比較し、必要に応じシール装置の内部空気圧力を高めるような信号を発信する一連の機能を組み込んだ、タンク専用地震計を設置することを特徴とする浮屋根式貯蔵タンクのシステム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012509230A (ja) * 2008-11-21 2012-04-19 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー 液体衝撃圧力制御方法及びシステム
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CN114701996A (zh) * 2022-04-15 2022-07-05 鸣洋(武汉)化工工程有限公司 一种cnt导电浆料运输装置及运输系统

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