JP3794666B2 - 地震ブロック内での地震時ガス遮断方法 - Google Patents

地震ブロック内での地震時ガス遮断方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス事業者が大規模な地震発生直後に、2次災害の防止を図るためにガスの供給を遮断するための地震ブロック内での地震時ガス遮断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス事業者にとって、大規模な地震発生直後に、2次災害の防止を図るためにガスの供給を自動的に遮断することは地震時の緊急対応として重要な処置である。このことは、1995年1月に発生した兵庫県南部地震の後で通産省で組織された地震対策検討会の答申にも示され、地震計が示す揺れの指標を表すSI値が60カイン(kine)以上を記録するような地域では、即時にガスの供給を停止することがうたわれている。
【0003】
図11は、地表面での地震の揺れの大きさを表す指標となるSI値の定義を示す。SI値は、固有周期Tを有する1自由度系の地震に対する応答速度の最大値Sv(T)についての、斜線を施して示すようなT=0.1〜2.5までの区間の積分値の平均値として、次の第1式で算出することができる。
【0004】
【数1】
Figure 0003794666
【0005】
ガス事業者は、ガスの供給を行う導管網を適当な大きさの地震ブロック単位に分割し、地震ブロック内に配置される複数のガバナなどに地震の揺れを検知して、検知する揺れの大きさが予め設定される遮断値を超えるとガバナを遮断させて地震時にガスの即時供給停止を行う感震自動遮断システムを導入したり、地震ブロック内に地震計を設置して、地震計の指示値が予め設定される遮断値を超えると、地震ブロック内のガスの供給を即時に停止するようにしている。通常1つの地震ブロック内には、複数のガバナが設置され、感震自動遮断システムは、その複数のガバナ全てに設けられる。また、地震動を記録しておく必要もあるので、1つの地震ブロックには、少なくとも1つの地震計が設置される。1つの地震ブロック内では、複数のガバナに設けられる感震自動遮断装置の遮断値や、地震計の計測値に基づいて都市ガスへの即時供給停止を判断する遮断値は、1つの地震ブロック内で一律の値であり、たとえば前述の60カイン以上の値に対して余裕を見込んで40カインに設定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、ガス事業者は、ガス導管網を適当な大きさの地震ブロック単位に分割し、1つの地震ブロック内では、1つのSI値を遮断値として設定して、遮断値以上の揺れの大きさを示す地震動が発生すると、ガスの供給を停止するようにしている。実際にガスの供給を遮断する手法としては、たとえば幹線的な中圧導管網から支線的な低圧導管網にガスを供給する地点に設置される中圧ガバナに、前述のような感震自動遮断システムを設けるようにしている。
【0007】
しかしながら、1つの地震ブロック内でも、地盤の増幅特性の違いによって、よく揺れる地点である大きなSI値を記録する地点と、あまり揺れない地点であるSI値が大きくならない地点が存在し得る。一律に遮断値が設定されている感震自動遮断システムが揺れ方の異なる地域に配置されていると、実際に地震動が発生したときに、ガスの供給を即時に停止する遮断動作を行う判断が、感震自動遮断システム毎に異なってしまう結果となる。
【0008】
また、1つの地震ブロック内に地震計を設置して、地震計の検知するSI値に従ってガスの供給を停止するか否かの判断を行う場合には、地盤の増幅特性の違いにより、地震計の設置地点がよく揺れる地点であるかあまり揺れない地点であるかによって、その地震ブロックのガスの供給を即座に停止するか否かの判断が異なる結果になってしまう。
【0009】
本発明の目的は、地震ブロック内の地盤増幅特性を考慮して、地震発生時に適切にガス供給止することができる地震ブロック内での地震時ガス遮断方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガス事業者が導管網を分割して、地震発生時にガスの供給を停止するか否かの判断を行う地震ブロック内で、
地震動の揺れの大きさを計測する地震計と、地震動の揺れの大きさが遮断値以上となるとガスの供給を遮断する感震自動遮断装置とを設け、
地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値に関わる地盤の増幅特性を用いて、地震動の大きさを測定する地震計がガスの供給停止を判断するSI値となるときに、感震自動遮断装置の設置地点でのSI値の大きさを推定し、
推定されるSI値の大きさに基づいて、感震自動遮断装置の遮断値を設定しておき、
前記地震計は、地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値に関わる地盤の増幅特性を用いて、該地震ブロックの揺れを代表する地点を決定し、
決定された地点に設置することを特徴とする地震ブロック内での地震時ガス遮断方法である。
【0011】
本発明に従えば、1つの地震ブロック内に地震計と感震自動遮断装置とを設置しておく。感震自動遮断装置の遮断値を、感震自動遮断装置が設置されている位置での地盤の増幅特性を考慮し、地震計が設置されている位置でSI値が遮断値に達している時に合わせて設定しておく。地震計が遮断値を越える地震動を計測すると、感震自動遮断装置も遮断値を越えて、その地震ブロック内での都市ガスの供給を遮断することができる。
【0013】
また、ガス事業者が導管網を分割して定る地震ブロック内では、地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値に応じて、ガスの供給を停止するか否かの判断が行われる。地震ブロック内で揺れを代表する地点を、SI値に関わる地盤の増幅特性を用いて決定する。決定された地点にガスの供給停止を判断するための地震計を設置するので、地震計の計測値は地震ブロックでの全体的な地震動の揺れの大きさを代表し、極端に大き過ぎたり小さ過ぎたりすることがないので、ガスの供給を停止する判断を適切に行うことができる。
【0014】
さらに本発明は、前記地震ブロック内に設置される全ての遠隔制御を受けるガスの供給遮断装置を、前記地震計が予め設定される地震動の大きさを計測するときに、連動して作動させることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、ガス事業者が導管網を分割して地震ブロックを定める。地震ブロック内では、地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値について予め設定される地震動の大きさに応じて、ガスの供給を停止するか否かの判断が行われる。地震ブロック内で揺れを代表する地点を、SI値に関わる地盤の増幅特性などを用いて決定する。決定された地点にガスの供給停止を判断するための地震計を設置するので、地震計の計測値は地震ブロックでの全体的な地震動の揺れの大きさを代表し、極端に大き過ぎたり小さ過ぎたりすることがなく、ガスの供給を停止するか否かの判断を適切に行うことができる。地震ブロック内の全ての遠隔制御を受けるガス遮断装置は、地震計の計測値が予め設定される大きさを計測するときに連動して作動するので、地震発生時に地震ブロックとしての即時供給停止が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態で、ガス事業者が、導管網を複数の地震ブロック1,2,3,…に分割している状態を示す。ガス供給のための導管網10には、中圧導管11と、低圧導管12とが配設される。低圧導管12には、ガバナ13,14,15,16を介して中圧導管11から圧力を降下させたガスが供給される。低圧導管12からは、さらにガスの需要者にガスが供給される。1つの地震ブロック1,2,3,…内には、地震動による揺れの大きさを記録する地震計17,18が配置される。地震計17,18の計測データは、有線や無線電波などを介して、監視センタなどに伝達される。本実施形態では、地震計17,18の位置を地震ブロック1,2,3,…の揺れの大きさを代表する地点に設置し、かつ各ガバナ13,14,15,16に設ける感震自動遮断システムの遮断値を、その設置位置の地盤増幅特性に合わせて適切な値となるように設定する。
【0017】
図2は、本実施形態での地震計設置位置決定と各感震自動遮断装置での遮断値設定との手順を示す。ステップs1から手順を開始し、ステップs2では地震ブロック1,2,3,…の設定を行う。地震ブロック1,2,3,…は、ガス事業者による管理が適切に行うことができ、全てのガバナ13,14,15,16を遮断するときのガス供給停止の影響が及ぶ範囲として設定する。ステップs3では、設定された地震ブロック1,2,3,…内のガバナ13,14,15,16に、それぞれ感震自動遮断装置を設置する。感震自動遮断装置は、地震動による揺れが予め設定される遮断値に達すると、ガバナ13,14,15,16の1次側から2次側へのガスの供給を自動的に遮断する。感震自動遮断装置によるガスの供給遮断が行われると、地震動がなくなっても、遮断は自動的には回復されず、遮断解除のための操作を行って初めてガスの供給が可能となる。
【0018】
本実施形態では、各感震自動遮断装置の遮断値を設定するために、感震自動遮断装置の設置位置、すなわちガバナ13,14,15,16の設置位置で、常時微動の観測を行う。常時微動は、風や波などの自然的な力や、交通機関や工場などの人工的な力によって発生し、通常数10μm程度の振動である。ステップs5では、ステップs4で観測する常時微動の時間領域データを、周波数領域データに変換し、水平成分と鉛直成分との比を一定の周波数区間に亘って積分してVi値を算出する。Vi値は、地盤の増幅特性を表す。ステップs6では、算出されたVi値を、さらに経験的に求められる関係に従って、SI値に対応するように補正する。
【0019】
ステップs7では、各ガバナ13,14,15,16の設置位置でのVi値の補正値を比較して、極端に大きいか小さいかではなく、それぞれの地震ブロック1,2,3,…を代表すると考えられるVi値を示すガバナ13,14,15の位置に地震計17,18を設置するように決定する。ステップs8では、ステップs7で設置位置が決定される地震計17,18のうちの1つを基準として、Vi値の補正値の相対的な比較によって、各ガバナ13,14,15,16の位置で、基準となる地震計17,18がガス供給即時停止の遮断値に対応するSI値を検知するときの相対的なSI値を算出する。各ガバナ13,14,15,16では、相対的なSI値に基づいて、ガス供給即時停止を行う遮断値を設定する。設定される遮断値は、SI値の相対値そのものでもよく、さらには相対値に近い値でもよい。ステップs7での位置決定とステップs8での遮断値設定が終了すると、ステップs9で手順を終了する。
【0020】
図3は、地震計によって観測される地震動の波形を示す。図3(a)は加速度Aの波形を示し、図3(b)は速度Vの波形を示す。地震動は、一般に地下の震源地から発生し、基盤を伝播する。地表面へは、基盤から地盤中を地震波が通過して伝播される。地震波が地盤中を伝播する間に、地盤の深さや構造に応じて、地震波は増幅される。大きな地震時に、振幅が大きくなると、加速度Aの成分は飽和して非線形を示すことがあるけれども、速度成分は線形性を保つ。図3(a),(b)に示すような地震動を示す波形の前後で、ほとんど平坦な部分が常時微動の領域であり、高感度の振動センサを使用して常時観測が可能である。
【0021】
図4は、常時微動を観測して、観測結果からVi値を求めるための観測装置の概略的な構成を示す。観測点の地表面には、たとえば北南(NS)および東西(EW)方向を向いた2つの微動センサ21,22を設置する。さらに上下(UD)方向を向いた微動センサ23も設置する。各微動センサ21,22,23からの出力信号は、増幅器24で増幅され、シグナルコンディショナ25でノイズなどの除去が行われる。シグナルコンディショナ25の出力は、記録器26にリアルタイムで記録され、FFTアナライザ27で高速フーリエ変換(FFT)処理が行われて時間領域のデータから周波数領域のデータに変換される。FFT処理の結果は、メモリ28に記憶される。観測装置の動作用電力は、バッテリなどの電源29から供給される。このような観測装置は、移動可能であり、複数のガバナ13,14,15,16の位置に移動して常時微動の観測を行うことができる。メモリ28に記憶されるデータは、パーソナルコンピュータ30などを用いて、さらに解析や演算処理の対象とすることができ、Vi値の算出などにも用いることができる。
【0022】
図5は、図3に示す観測装置を用いて常時微動の観測からVi値を求める手順を示す。ステップa0から手順を開始し、ステップa1では各微動センサ21,22,23でそれぞれたとえば10組のデータを収集する。1つのデータは、たとえば0.01秒おきにサンプリングされ、2048点のサンプリングを行う。この場合に、1つのデータのサンプリングには、20.48秒を要する。ステップa2では、各成分をFFTアナライザ27でフーリエスペクトルに変換する。ステップa3では、水平方向の2成分を合成する。ステップa4では、0.3HzのParzemウインドウを用いて平滑化を行う。ステップa5では、水平成分および上下成分のそれぞれの相乗平均を求め、ステップa6では水平の2次元スペクトルHおよび上下スペクトルVを求める。ステップa7では、スペクトル比H/V−Rの計算を行い、ステップa8で手順を終了する。
【0023】
図6は、図5の手順の途中でのデータの波形の例を示す。図6(a)および図6(b)は、図5のステップa1で得られる水平成分および上下成分の微動の例を示す。図6(a)の水平成分は、2成分のうちの一方を示す。他方も同様な波形として得られる。図6(c)および図6(d)は、図5のステップa2で得られるフーリエスペクトルを示す。図6(e)は、図6(c)と図6(d)との比から求められる、H/V−Rの波形を示す。地盤の揺れやすさの程度を示し、地盤の増幅率に対応する指標としてのVi値は、次の第2式に従って算出される。
【0024】
【数2】
Figure 0003794666
【0025】
水平成分Hおよび上下成分Vは、それぞれ周期Tの関数として算出する。周期Tは、周波数の逆数である。積分区間T1〜T2は、Vi値が過去の振動の強震記録から得られる地盤の増幅率と対応するように設定する。
【0026】
図7は、図6の手順に従って求められるH/V−Rの変化の1例を示す。斜線を施して示す積分範囲の面積がVi値に対応する。兵庫県南部地震で得られたデータに基づくと、T1=0.1秒で、T2=5秒となる積分範囲を設定することが適切であると判明している。
【0027】
図8は、(a)で地盤の増幅率とVi値との関係を示し、(b)で地表面での最大速度とSI値との関係を示す。図7(a)に示すように、地盤の増幅率とVi値とは対応している。したがって、基盤に伝播する地震動の大きさが想定されれば、Vi値が求められている複数の地点で地盤で増幅されて地表面に伝わる地震動最大速度の比を求めることができる。また、図7(b)から、地表面での最大速度とSI値とは、点線で示す硬質な地盤と、実線で示す軟弱な地盤との違いはあっても、それぞれ対応関係にあることが判るので、地盤の種別に応じてVi値を補正すれば、補正したVi値の比がSI値の比と等しくなることが判る。SI値の比と対応するVi値の補正は、硬質の一般地盤では次の第3式に従って行い、軟弱な湾岸埋め立て地盤などでは次の第4式に従って行う。
【0028】
Vi補正値 = 1.2 × Vi値 …(3)
Vi補正値 = Vi値 …(4)
次の表1は、1つの地震ブロックについて、Vi値を補正してその比からSI値を求め、さらにガバナに設定する遮断SI値の値を示す。
【0029】
【表1】
Figure 0003794666
【0030】
表1に示す▲1▼〜▲9▼までの位置では、それぞれガバナが設置される。各位置でVi値を常時微動観測から求め、地盤の種別に応じて第3式または第4式に従って補正を行う。この補正値を比較し、たとえば▲6▼に示す位置がこの地震ブロックの代表として決定される。▲6▼の位置には、ガバナのそばに地震計が設置される。本実施形態では、もう1つ地震計をたとえば▲4▼位置のガバナに隣接させて設置する。代表の位置として決定した▲6▼での補正Vi値を1.0000とし、他の位置での補正Vi値比を算出する。▲6▼の位置でのSI値が60.0であるとすれば、他の位置でのSI値は補正Vi値比に従って変化する。各ガバナの遮断SI値は、地震計を設置する位置▲6▼での60.0を基準に、たとえば40.0,50.0,60.0にそれぞれ設定する。
【0031】
図9は、ある広域的な地域で、地震ブロック毎のSI値のばらつき状態と、地震計の設置位置の決定状態とを示す。1つの地震ブロック内では、たとえばガバナの設置位置に対応してSI値を求め、記号「□」として示す。地震計の設置位置は、ばらつきの平均値や、中間値、あるいは出現頻度が高い値となる位置に設定する。地震計設置位置でのSI値は記号「●」で示す。なお、地震計はガバナに隣接して設置しているけれども、ガバナと独立して設置することもできる。ただし、ガス事業者にとって、ガバナの位置に隣接して設置すれば、地震計設置用の用地の確保の点では有利である。
【0032】
図10は、本発明の実施の他の形態として、図1の実施形態と同様に、ガス事業者が、導管網を複数の地震ブロック1,2,3,…に分割し、ガス供給のための導管網10では、中圧導管11から低圧導管12に、ガバナ13,14,15,16を介して圧力を降下させたガスが供給される構成を示す。1つの地震ブロック1,2,3,…内で、前述のように地震動の揺れを代表する位置には、地震計17,18が配置される。地震計17,18の計測データは、有線や無線電波などを介して、各ガバナ13,14,15,16にそれぞれ設置される遮断装置33,34,35,36に伝達される。地震計17,18の位置が地震ブロック1,2,3,…の揺れの大きさを代表しているので、地震計17,18が予め設定されている60カインなどの供給停止のための閾値を超える地震動の大きさを計測すると、各遮断装置33,34,35,36は即時作動して、ガスの供給を遮断する。これによって、当該地震ブロック内の全てのガバナ13,14,15,16でのガスの供給停止が即時達成される。複数の地震計を設置するときには、計測値の代表値、たとえば平均値あるいは最大値などに基づいて、各遮断装置33,34,35,36を作動させればよい。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、地震ブロック内に設置する複数の感震自動遮断装置の設定値を、設置されている地点での地盤増幅特性の変化に合わせて、適切に設定することができる。揺れやすい地点では遮断値を大きく、揺れにくい地点では遮断値を小さくなるように設定することによって、大きな地震発生時の確実なガス供給の即時遮断による安全確保と、揺れの大きさが遮断値に至らない地震での誤った遮断の防止とを確実に行うことができる。
【0034】
また、地震ブロック内で代表的な地盤増幅特性を有する地点に地震計を設置して、検知する揺れの大きさに従ってガス供給即時停止か否かの判断を行うので、地震動の揺れに対して揺れやすさのばらつきを受けずに、適切なガス即時供給停止か否かの判断を行うことができる。
【0035】
さらに本発明によれば、地震ブロック内で代表的な地盤増幅特性を有する地点に地震計を設置して、計測する揺れの大きさが予め設定される大きさとなるときに、地震ブロック内の全ての遠隔制御を受けるガス遮断装置が連動して作動し、地震発生時に地震ブロックとしての即時供給停止を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態での地震ブロックの状態を示す簡略化した地図である。
【図2】図1の地震ブロックで、地震計設置位置の決定および感震自動遮断装置の遮断値の設定を行う手順を示すフローチャートである。
【図3】地震計によって観測される地震動の加速度および速度の波形図である。
【図4】常時微動の観測装置の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図5】図4の観測装置を用いてVi値を算出する手順を示すフローチャートである。
【図6】図5の手順の途中でのデータの波形を示すグラフである。
【図7】Vi値を算出する積分範囲を示すグラフである。
【図8】地震動の地盤の増幅率とVi値との関係、および地表面の最大速度とSI値との関係を示すグラフである。
【図9】複数の地震ブロックで、各ブロック毎のSI値の分布と地震計の設置位置との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施の他の形態での地震ブロックの状態を示す簡略化した地図である。
【図11】SI値の定義を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3,… 地震ブロック
10 導管網
13,14,15,16 ガバナ
17,18 地震計
21,22,23 微動センサ
27 FFTアナライザ
28 メモリ
30 パーソナルコンピュータ
33,34,35,36 遮断装置

Claims (2)

  1. ガス事業者が導管網を分割して、地震発生時にガスの供給を停止するか否かの判断を行う地震ブロック内で、
    地震動の揺れの大きさを計測する地震計と、地震動の揺れの大きさが遮断値以上となるとガスの供給を遮断する感震自動遮断装置とを設け、
    地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値に関わる地盤の増幅特性を用いて、地震動の大きさを測定する地震計がガスの供給停止を判断するSI値となるときに、感震自動遮断装置の設置地点でのSI値の大きさを推定し、
    推定されるSI値の大きさに基づいて、感震自動遮断装置の遮断値を設定しておき、
    前記地震計は、地表面での地震動の揺れの大きさを表す指標となるSI値に関わる地盤の増幅特性を用いて、該地震ブロックの揺れを代表する地点を決定し、
    決定された地点に設置することを特徴とする地震ブロック内での地震時ガス遮断方法。
  2. 前記地震ブロック内に設置される全ての遠隔制御を受けるガスの供給遮断装置を、前記地震計が予め設定される地震動の大きさを計測するときに、連動して作動させることを特徴とする請求項1記載の地震ブロック内での地震時ガス遮断方法。
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