JP5108287B2 - ガス流路用感震装置および感震方法 - Google Patents

ガス流路用感震装置および感震方法 Download PDF

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Description

本発明は、各家庭へのガス供給ライン中に設置されるガスメータなどに利用されるガス流路用感震装置および感震方法に関するもので、特に、地震のレベルや種別を特定して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定することにより、地震の状況に対応したより高度な保安機能やサービスの提供を可能とする技術に係る。
各家庭へのガス供給ラインの入り口には、ガス流量計を内蔵したガスメータが取り付けられている。ガスメータは、ガス供給ラインを通過するガス流量を計測し、計測されたガス流量は定期的な請求ガス料金の算出に利用される。かかるガスメータは、ガス流量の計測という基本的な機能に加えて、異常状態発生時にガス供給を遮断するという保安機能を有する。
この保安機能は、地震の検出やガスの圧力低下(何らかの原因でガスの元圧が異常に低下した場合)の検出、あるいは、ガス漏れまたは器具の消し忘れなどの異常な使用状態の検出に応答して、ガスメータのガス流路内に設けられた遮断弁によりガスを遮断する機能である。
図14は、従来のマイコン内蔵型のガスメータの構成例を示す外観図である。この図14に示すように、ガスメータは、以上のような保安機能を実現するための構成として、内蔵型のマイコン(図示せず)、ガスを遮断する遮断弁1、電源となるリチウム電池2、地震を検出する感震器3、圧力低下を検出する圧力スイッチ4、異常検出を光の点滅で表示する表示ランプ5、などを備えている。また、ガス遮断後の復帰を実現するための構成として、復帰ボタンおよびキャップ6を備えている。
このような従来のガスメータにおいて、感震器3としては、例えば、鋼球振動式感震器が使用されている。この鋼球振動式感震器は、メータに内蔵されるため、少々の傾斜状態でも自動水平調整が可能な構造になっている。
図15は、このような鋼球振動式感震器の動作原理図である。この図15に示すように、地震が発生すると、感震器に内蔵された鋼球7が左右に動くことで、リード線8の接点9がON/OFFする。このON/OFF信号のON時間、OFF時間およびON/OFF回数と時間をマイコンで判定し、ガスを遮断する。図16は、鋼球振動式感震器から出力されるON/OFF信号の一例を示す図である。
このような鋼球振動式感震器を内蔵した従来のガスメータは、震度5相当以上の地震を感知した場合に、流量に応じて、あるいは流量に拘らず、自動的にガスを遮断するようになっている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2006−71650 特開平9−72768 特開2003−149019 特開2003−149027 特開2003−149075 特願2006−283158
しかしながら、以上のような鋼球振動式感震器を内蔵した従来のガスメータには、大別して、感震器自体の性能の限界、自動復帰への非対応、設置環境への非対応、ガス器具種別への非対応、という4つの問題点があった。以下には、これらの問題点について順次説明する。
[感震器自体の性能の限界]
まず、震度5以上か否かといった震度または加速度の閾値判定しかできないため、正確な震度を検出することはできなかった。このことから、加速度の大きさおよび時間的な変化を検出することができないため、地震波の正確な把握はできなかった。このことは、保安機能の高度化の支障となっていた。
また、図15に示すように、鋼球の動作経路と接点との位置関係により震度の検出レベルを構造的に設定しているため、震度の検出レベルは固定であり、変更できなかった。その反面、鋼球の動作を利用していることから、精度には限界があるため、震度の検出レベルにバラツキがあり、実際には不要なケースで遮断されることがあった。このことは、安定したガス供給というサービス品質の低下につながっていた。
さらに、メータやガス配管に地震以外の原因で衝撃が加わって振動が発生した場合などでも、地震とそれ以外の振動との判別ができないため、地震として検出されてしまい、地震が全く発生していないにも拘らず遮断されることもあった。例えば、子供がボール遊びをしている際にそのボールまたは子供がメータや配管にぶつかった場合、あるいは、ガス配管に犬のリードをつないだ際にその犬の動作によってガス配管が強く引っ張られた場合などでも、それらの衝撃により発生した振動が地震と検出されてしまう可能性があった。このこともまた、サービス品質の低下につながっていた。
また、ガスメータが一定以上に傾いた場合には、地震の検出レベルが低下するという問題もあった。すなわち、鋼球振動式感震器が一定以上に傾くと、鋼球が転がりやすくなるため、過度に傾いてしまった場合には、振動の有無に拘らず接点がON状態で固定されてしまい、地震検出機能が損なわれる可能性があった。このこともまた、保安機能の高度化の支障となっていた。
[自動復帰への非対応]
また、従来のガスメータは、上記のように、地震発生時におけるガスの遮断を行うものではあったが、ガスを遮断した後に、ガス流路を復帰する機能はなかったため、遮断後のガス流路を復帰するためには、復帰ボタンを手動で操作する必要があった。このこともまた、サービス品質の低下につながっていた。
[設置環境への非対応]
近年、地震に対する関心の高まりから、一般住宅や集合住宅、商業施設やオフィスビル、あるいは、その他の各種の施設など、多種多様な建物において、地震に対応した構造が採用されるようになってきているが、これらの地震対応型の各種の建物に対して、上記のような従来の感震器を用いたガスメータをそのまま適用した場合には、新たな問題が発生する可能性がある。
例えば、一戸建ての一般住宅においては、図17に示すように、地盤11に固定された基礎12とその上に建設される建物13の間に、免震装置(アイソレータ、ダンパ、すべり支承など)14を設けて地震動に対する建物13の応答を低減する免震構造の採用が進んでいる。
このような免震構造の建物において、図18に示すような建物13の壁面に固定されているガスメータ15の場合を考えると、ガスメータ15の揺れ自体は低減されるため、所定の震度(例えば震度5強)を超えた地震が発生した場合であっても遮断しない可能性がある。この場合に、建物13内部のガス器具16に関しては、振動が低減されるため転倒などの危険性は低くなるが、その一方で、ガス配管17は、地盤11の地中を通り基礎12を経由して建物13内に配管されており、振動は低減されない。
すなわち、地震発生時には、免震構造の建物13自体の振動は小さくなるが、その結果、地盤11と基礎12の部分の振動は建物13自体の振動より相対的に大きくなる。この場合、基礎12と建物13の間には、非免震構造の場合に比べて大きなズレが生じるため、基礎12と建物13をつなぐ部分のガス配管17に大きな力が加わって亀裂などの損傷が発生し、ガス漏れを発生する可能性がある。
以上のように、免震構造を採用した建物の場合には、地震発生時に建物自体の揺れが小さくなることで基礎と建物との間に生じるズレに起因してガス配管が損傷し、ガス漏れが発生する可能性があるが、この場合に、従来のガスメータでは、ガスを遮断してガス漏れを防止することはできなかった。このことは、保安機能の高度化の支障となっていた。
もう一つの例は、集合住宅などの高層建築物で、特に靭性指向型の耐震構造の場合である。靭性指向型の耐震構造は、地震に対して逆らわない柔軟な構造であるため、高層建築物の場合、図19に示すように、一般的に、上の階になるほど振動が大きくなる傾向があるが、その一方で、振動のふしに当たる階18では、逆に振動が小さくなる場合がある。
この場合に、振動のふしに当たる階18で振動があまり大きくならず、その階に設置されたガスメータがガスを遮断しなかった場合であっても、近傍の階の振動が過度に大きくなって高層建築物全体の中で歪が生じ、ガス配管に亀裂などの損傷が発生してしまい、ガス漏れを発生する可能性がある。
以上のように、靭性指向型の耐震構造を採用した高層建築物の場合には、高層建築物全体の中での歪に起因してガス配管が損傷し、ガス漏れが発生する可能性があるが、この場合に、従来のガスメータでは、ガスを遮断してガス漏れを防止することはできなかった。このこともまた、保安機能の高度化の支障となっていた。
さらに、上記のような建物の構造環境だけでなく、地盤自体の構造環境によっても、建築物の振動特性は変化するが、従来のガスメータでは、建物や地盤の構造環境に応じてガスの遮断を適切に行うことはできなかった。そしてまた、ガスメータの感震精度は、ガス流路を構成する配管の仕方や、配管の固定方法、あるいは、ガスメータの大きさや重さによって影響を受けてしまうという問題もあった。
[ガス器具種別への非対応]
上記のように、従来のガスメータは、震度5相当以上の地震を感知した場合にガスを遮断していたが、ガス器具の種別によっては、より高い震度でガスを遮断可能な場合がある。例えば、ストーブやファンヒータの場合は、振動で遮断する安全装置が付いているため、これらのガス器具については、ガスメータによるガスの遮断は、家屋が倒壊する可能性のある震度6以上の場合のみで十分である。
これに対して、ガスコンロの場合は、そのような安全装置が付いていない上、使用中には鍋などを載せている可能性が高く、ガス供給中に載せている鍋が転倒するなどの不都合な事態を回避するためにストーブやファンヒータよりも低い震度でガスを遮断することが望ましい。その一方で、ガスコンロを使用していない場合に、弱い地震でガスが遮断され、使用中のガス器具が無駄に停止してしまうことも回避すべきである。
したがって、使用中のガス器具種別に応じて、柔軟にガスの遮断を行うことが望ましいが、従来のガスメータは、地震の際におけるガス器具種別に応じた遮断を考慮したものではなかったため、ガス器具種別に応じたガスの遮断は困難であった。ガス器具種別の考慮以前の問題として、従来のガスメータは、前述したように、震度の検出レベルが固定であり、変更できなかったため、ガスの遮断を柔軟に行うこと自体が困難であった。このことは、保安機能の高度化の支障となるとともに、サービス品質の低下につながっていた。
なお、ガス器具の種別を特定する技術としては、従来から、異常に長時間ガスが流れ続けた場合や異常に多量のガスが流れた場合にガスを遮断することを目的として、ガス流路を流れるガスの流量などの物理量データを検出し、得られた検出データに基づいてガス器具を判別する各種の技術が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その第1の目的は、地震をより正確に検出して、地震の状況および設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、地震をより正確に検出して、地震の状況、設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境、および使用中のガス器具の種別に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することである。
上記の第1の目的を達成するために、請求項1に記載のガス流路用感震装置は、地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震装置において、基本地震情報記憶手段、地震情報変換手段、加速度検出手段、設置環境対応型判定手段を有することを特徴としている。ここで、基本地震情報記憶手段は、基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する手段である。地震情報変換手段は、設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて基本地震情報記憶手段に記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する手段である。加速度検出手段は、設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する手段である。設置環境対応型判定手段は、地震情報変換手段で得られた地震判定情報と、加速度検出手段から電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られた検出データを比較して、地震の有無、または、ガス流路の遮断あるいは自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する手段である。設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報の何れか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、前記供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む
上記の第2の目的を達成するために、請求項1に記載のガス流路用感震装置は、地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震装置において、基本地震情報記憶手段、地震情報変換手段、ガスデータ検出手段、器具判別手段、加速度検出手段、設置環境対応型判定手段、器具種別対応型判定手段を有することを特徴としている。ここで、基本地震情報記憶手段は、基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する手段である。地震情報変換手段は、設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて基本地震情報記憶手段に記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する手段である。ガスデータ検出手段は、設置場所のガス流路を流れるガスに関する物理量データを検出する手段であり、器具判別手段は、ガスデータ検出手段で得られた検出データに基づいて、使用されているガス器具を判別し、使用中のガス器具の種別を示す器具種別信号を出力する手段である。加速度検出手段は、設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する手段であり、設置環境対応型判定手段は、地震情報変換手段で得られた地震判定情報と、加速度検出手段から電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られた検出データに基づき、地震の有無および地震のレベルまたは種別を判定する手段である。器具種別対応型判定手段は、複数種別のガス器具についてガス器具ごとに地震のレベルまたは種別に応じたガス流路の運用に関する器具別判定条件を記憶した判定条件記憶手段を備え、設置環境対応型判定手段により地震と判定された場合に、器具判別手段から出力された器具種別信号と判定条件記憶手段に記憶された器具別判定条件、および設置環境対応型判定手段で得られた地震のレベルまたは種別に基づき、ガス流路の遮断または警報の要否、あるいは、ガス流路の自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する手段である。また、設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報いずれか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む。
また、請求項2、2に記載のガス流路用感震方法は、請求項1、1に記載のガス流路用感震装置の機能を方法の観点からそれぞれ把握したものである。
請求項1、2に記載のガス流路用感震装置および感震方法によれば、予め定義された基本地震判定情報を、設置場所の建物構造、地盤構造、または供給設備などの設置環境に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換して、設置場所の加速度の検出データまたはそれから得られたデータと比較することにより、設置場所の建物や地盤の構造環境に応じて、地震のレベルや、ガス流路の遮断・自動復帰の要否を的確に判定することができる。したがって、地震をより正確に検出して、地震の状況および設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することができる。
請求項1、2に記載のガス流路用感震装置および感震方法によれば、予め定義された基本地震判定情報を、設置場所の建物構造、地盤構造、または供給設備などの設置環境に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換して、設置場所のガス流路を流れるガスの物理量の検出データに基づいてガス器具を判別するとともに、地震判定情報と設置場所の加速度の検出データに基づいて地震の状況を判定することができる。そして、得られた器具種別と地震の状況、および予め用意された器具別判定条件に基づき、使用中の器具と地震の状況に応じて、ガス流路の遮断・警報あるいは自動復帰の要否を的確に判定することができる。したがって、地震をより正確に検出して、地震の状況および使用中のガス器具の種別に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することができる。
以下には、本発明を適用した複数の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
図1は、本発明を適用した第1の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図1に示すように、本実施形態のガス流路用感震装置100は、基本地震波設定部101、変換関数設定部102、基本地震波記憶部103、地震波変換部104、加速度センサ部111、サンプリング部112、設置環境対応型地震判定部121、遮断・復帰制御部131、通信制御部132、遮断弁141、通信部142から構成されており、具体的には、ガスメータの一部に組み込まれる形で構成される。各部の詳細は次の通りである。
基本地震波設定部101は、基本的な地震情報となる地震波のパターンを基本地震波パターンとして設定し、基本地震波記憶部103に記憶させる。変換関数設定部102は、設置場所の設置環境に関する設置環境情報に基づき、それらの情報に応じた変換関数を設定し、地震波変換部104に記憶させる。ここで、設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報、およびガス流路を構成する供給設備環境に関する情報、の中から選択された情報を含む。
これらの設定部101,102による基本地震波パターンや変換関数の設定は、装置内の独立した設定機能として実現してもよいが、外部からの設定データの入力、受信で実現してもよく、また、それらを含めた複数の手法で選択的に設定できるようにしてもよい。また、基本地震波記憶部103は、コンピュータが通常有するメモリや各種の記憶装置の一部の領域として実現可能である。
地震波変換部104は、設置場所の設置環境に応じた変換関数を用いて、基本地震波記憶部103に記憶された基本地震波パターンを設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定パターンに変換する。加速度センサ部111は、設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する。サンプリング部112は、加速度センサ部111から出力される加速度を所定の時間間隔でサンプリングして振動波パターンに変換する。
このうち、加速度センサ部111は、加速度を検出する各種の方式のセンサにより実現可能である。また、地震波変換部104およびサンプリング部112は、それぞれ独立した電子回路により実現してもよいが、装置100を構成するプログラムの機能の一部と電子回路またはコンピュータとの組み合わせにより実現してもよい。
設置環境対応型地震判定部121は、地震波変換部104で得られた地震判定パターンと、サンプリング部112で得られた振動波パターンを比較して、地震の有無とそのレベルを判定し、地震と判定した場合には、その地震の震度レベルに応じてガス流路の遮断の要否を判定し、さらに、遮断が必要と判定した場合には、地震の震度レベルに応じてガス流路遮断後における自動復帰の要否を判定し、判定結果を遮断・復帰制御部131に出力するとともに、地震情報を通信制御部132に出力する。この設置環境対応型地震判定部121は、各種の電子回路またはコンピュータとこの設置環境対応型地震判定部121の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。
遮断・復帰制御部131は、設置環境対応型地震判定部121から判定結果が出力された際に、判定結果に応じて、遮断信号、復帰信号、あるいは復帰阻止信号を出力して遮断弁141を制御し、ガス流路を遮断させるか、または、地震停止後の自動復帰を行わせるか、あるいは自動復帰を阻止する。通信制御部132は、設置環境対応型地震判定部121から地震情報が出力された際に、この地震情報を、通信部142により、予め登録された宛先に送信させる。ここで、宛先となるのは、ホームオートメーション(HA)システム、あるいは、室内リモコン、パソコン、固定電話や携帯電話などの各種端末である。
これらの制御部131,132は、それぞれ独立した電子回路により実現してもよいが、両方の機能を有する単一の制御部として単一の電子回路により実現してもよいし、装置100を構成するプログラムの機能の一部と電子回路またはコンピュータとの組み合わせにより実現してもよい。
遮断弁141は、ガス流路を開閉して、ガス流路の遮断・復帰を行う遮断・復帰手段である。この遮断弁141は、従来技術について前述したように、ガスメータに一般的に設けられている基本的な構成要素である。通信部142は、地震情報を外部に通信する通信手段であり、既存の通信技術により容易に実現可能である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のガス流路用感震装置100による感震方法の手順について具体的に説明する。
図2は、ガス流路用感震装置100が検知対象とする地震の具体的な震度範囲と最大加速度、およびSI値の関係を示す図である。この図2に示すように、ガス流路用感震装置100は、震度4〜7の範囲の地震に対応する加速度を検出した場合に、地震判定を行う。
また、変換関数の設定に使用する設置場所の建物構造環境に関する情報は、具体的には、高層・低層の別を含む建物の種類に関する情報、耐震構造・制震構造・免震構造の別を含む建物の構造に関する情報、高層の場合における階数または地上からの高さに関する情報、の中から選択された情報を含む。また、設置場所の地盤構造環境に関する情報は、具体的には、埋め立ての有無、地質の差異、および地盤補強の有無などに基づく地盤の強度に関する情報を含む。さらに、設置場所の供給設備環境に関する情報は、具体的には、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む。
このような設置場所の建物構造環境、地盤構造環境、または供給設備環境に関する情報に基づいて設定される具体的な変換関数としては、数式または定数値が考えられるが、判定処理の容易化、装置構成の簡略化の観点からは、定数値の使用がより望ましい。
そのため、ここでは、具体的な変換関数として、ガス流路用感震装置100(を組み込んだガスメータ)が設置される住宅の種類、構造、階数(高層住宅の場合)といった設置環境別に、変換関数となる定数値を、図3に示すような変換関数テーブルとして地震波変換部104に記憶しているものとする。この場合に、地震波変換部104は、基本地震波パターンに、図3に示すような定数値の変換関数を積算して地震判定パターンに変換する処理を行うことになる。
例えば、図3の(a)に示すように、一般構造の個別住宅の場合は、変換関数を「1.0」としていることから、変換後の地震判定パターンは、基本地震波パターンと同じ大きさの振動波パターンとなる。これに対して、免震構造の個別住宅の場合は、低い震度で遮断するように、変換関数を「0.5」としていることから、変換後の地震判定パターンは、基本地震波パターンの半分の大きさの振動波パターンとなるため、免震構造により、地震の揺れが一般構造の個別住宅の半分となった場合にも、免震構造の個別住宅に設置したガス流路用感震装置100(の設置環境対応型地震判定部121)により地震を確実に検出できる。
なお、変換関数として、免震装置14(図17、図18)の振動の伝達関数またはそれに基づいて設定された関数を使用すれば、地震波に対して建物の振動をより正確に判定することができる。
また、図3の(b)に示すように、高層の集合住宅の場合は、ガス流路用感震装置100(を組み込んだガスメータ)を設置する階ごとに、変換関数を登録し、振動のふしに当たる階18(図19)では、低い震度で遮断できるように設定する。図3の(b)は、4階〜5階、および9階〜10階が、振動のふしに当たる階である一例を示しており、これらの階の変換関数は、他の階の変換関数「1.0」の半分「0.5」に設定されている。この場合に、振動のふしに当たる4階〜5階、および9階〜10階における地震の揺れが他の階の半分となった場合にも、それらの階に設置したガス流路用感震装置100(の設置環境対応型地震判定部121)により地震を確実に検出できる。
この場合、設置環境対応型地震判定部121は、設置場所の建物や地盤の構造環境に応じた複数のレベルの変換関数を用いて地震判定パターンやレベルを切り換えることにより、設置環境に応じた複数の震度レベル(例えば、震度5弱、震度5強、震度6以上のいずれか)を判定可能である。このようにして、地震を検出しその震度レベルを判定した場合には、設置環境対応型地震判定部121は、地震の震度レベルに応じて、遮断弁141の遮断の要否を判定し、震度レベルが所定レベル以上(例えば、震度5以上)である場合に「遮断が必要」と判定する。
そして、「遮断が必要」と判定した場合には、設置環境対応型地震判定部121は、さらに、地震の震度レベルに応じて、遮断弁141の自動復帰の要否を判定する。すなわち、被害が甚大でガス配管の損傷が予想される場合(例えば、震度6以上の場合)には「自動復帰が不要」と判定し、また、ガス配管が損傷しない程度と予想される場合(例えば、震度5の場合)には「自動復帰が必要」と判定する。
設置環境対応型地震判定部121は、以上のような判定結果を、遮断・復帰制御部131に出力することにより、遮断・復帰制御部131により遮断弁141を制御し、判定結果に応じたガス流路の遮断・自動復帰を実行させ、あるいは自動復帰の実行を阻止する。
遮断・復帰制御部131は、設置環境対応型地震判定部121から判定結果が出力された際に、判定結果が「遮断が必要」を含む場合には、遮断信号を出力して遮断弁141を制御し、ガス流路を遮断させる。また、判定結果が「自動復帰が必要」または「自動復帰が不要」を含む場合には、それに応じて復帰信号と復帰阻止信号を選択的に出力して遮断弁141を制御し、地震停止後の自動復帰を行わせるかあるいは自動復帰を阻止する。
設置環境対応型地震判定部121は、判定結果を遮断・復帰制御部131に出力すると同時に、通信制御部132に対して地震情報を出力することで、通信制御部132により通信部142を制御し、予め登録された宛先、すなわち、ホームオートメーション(HA)システム、あるいは、室内リモコン、パソコン、固定電話や携帯電話などの各種端末に地震情報を送信させる。送信された地震情報は、送信先の液晶ディスプレイなどの表示部に表示される。なお、地震情報は、地震の震度や最大加速度、SI値などの震度レベルに関する地震自体の情報だけでなく、ガス流路の遮断・自動復帰の実行、あるいは自動復帰の実行阻止に関する情報を含む。
[効果]
以上のような第1の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
まず、基本地震判定情報として予め定義された基本地震波パターンを、設置場所の建物構造環境、地盤構造環境、または供給設備環境に応じたレベルまたは種別の地震判定パターンに変換して、設置場所の加速度の検出データから得られた振動波パターンと比較することにより、設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境に応じて、地震の状況を的確に判定することができる。すなわち、設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境に応じた複数レベルの変換関数を用いて地震判定パターンやレベルを切り換えることにより、設置環境に応じた地震のレベル判定を的確に行うことができ、地震のレベルに応じたガス流路の遮断・自動復帰の要否判定を的確に行うことができる。
特に、本実施形態においては、変換関数設定部により、設置場所の建物構造、地盤構造、または供給設備に応じて的確な変換関数を容易に設定・変更することができるため、柔軟な運用が可能であり、設置環境に応じた的確な判定が可能である。また、基本地震波パターンを地震判定パターンに変換するための変換関数として定数値を使用しているため、判定処理を容易化でき、装置構成を簡略化できるという利点もある。また、図3に示すような変換関数テーブルを利用して、対象となる建物ごとに変換関数を柔軟に設定することによって、実際の設置環境に応じたより適切な判定が可能となる。
そして、遮断が必要な地震と判定した場合には、遮断弁によりガス流路を遮断することにより、ガス配管が損傷した場合でも確実にガス漏れを防止できる。さらに、地震のレベルに応じてガス流路の自動復帰を的確に判定可能であることから、ガス配管の損傷が予想される場合には遮断弁の自動復帰を阻止し、ガス配管に影響ない程度の場合には遮断弁を自動復帰させることができるため、ガス漏れを防止できる一方で、弱い地震によるガス流路遮断後の顧客の手動復帰を不要とし、安定したガス供給サービスを実現できる。また、地震に関する情報をHAや各種端末に送信して表示させることにより、地震に関する情報を顧客に対して迅速に通知することができる。
したがって、本実施形態によれば、地震をより正確に検出して、地震の状況および設置場所の建物や地盤の構造あるいは供給設備などの設置環境に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することができる。
[変形例]
なお、第1の実施形態の変形例としては、判定時において比較するデータの種類を、加速度の振動波パターン以外のデータに変更することが考えられる。
図4は、判定時において加速度の大きさを比較するようにした変形例に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図4に示すように、この変形例のガス流路用感震装置100Aは、第1の実施形態における基本地震波設定部101、基本地震波記憶部103、地震波変換部104、設置環境対応型地震判定部121を、基本加速度設定部101A、基本加速度記憶部103A、加速度変換部104A、設置環境対応型地震判定部121Aに、それぞれ置き換えたものである。また、第1の実施形態におけるサンプリング部112は削除されている。
ここで、基本加速度設定部101Aは、基本的な地震情報となる地震の加速度の大きさ(例えば、地震波の最大加速度)を基本加速度として設定し、基本加速度記憶部103Aに記憶させる。加速度変換部104Aは、設置場所の建物構造環境または地盤構造環境に応じた変換関数を用いて、基本加速度記憶部103Aに記憶された基本加速度を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定加速度に変換する。そして、設置環境対応型地震判定部121Aは、加速度変換部104Aで得られた地震判定加速度と、加速度センサ部111で得られた加速度を比較して、地震の有無とそのレベル、遮断および自動復帰の要否を判定する。
以上のように加速度の比較を行う図4の変形例においても、図2に示したような震度と最大加速度との関係から、加速度の振動波パターンを比較する第1の実施形態と同様に的確な地震判定が可能であるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5は、判定時においてSI値の大きさを比較するようにした変形例に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図4に示すように、この変形例のガス流路用感震装置100Bは、第1の実施形態における基本地震波設定部101、基本地震波記憶部103、地震波変換部104、サンプリング部112、設置環境対応型地震判定部121を、基本SI値設定部101B、基本SI値記憶部103B、SI値変換部104B、SI値計算部112B、設置環境対応型地震判定部121Bに、それぞれ置き換えたものである。
ここで、基本SI値設定部101Bは、基本的な地震情報となる地震の加速度から計算されるSI値を基本SI値として設定し、基本SI値記憶部103Bに記憶させる。SI値変換部104Bは、設置場所の建物構造環境または地盤構造環境に応じた変換関数を用いて、基本SI値記憶部103Bに記憶された基本SI値を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定SI値に変換する。また、SI値計算部112Bは、加速度センサ部111から出力される加速度からSI値を計算する。そして、設置環境対応型地震判定部121Bは、SI値変換部104Bで得られた地震判定SI値と、SI値計算部112Bで得られたSI値を比較して、地震の有無とそのレベル、遮断および自動復帰の要否を判定する。
以上のようにSI値の比較を行う図5の変形例においても、図2に示したような震度とSI値との関係から、加速度の振動波パターンを比較する第1の実施形態と同様に的確な地震判定が可能であるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1の実施形態および上記変形例に係る各ガス流路用感震装置100,100A,100Bにおいては、設置環境対応型地震判定部121,121A,121Bにより地震の有無とその震度レベルの判定に加えて、遮断および自動復帰の要否判定を行い、遮断・復帰制御部131により遮断信号や復帰信号、復帰阻止信号を出力して遮断弁141を制御する場合について説明したが、これは一例にすぎない。
別の例として、設置環境対応型地震判定部121,121A,121Bにより、所定レベル以上の地震の有無のみを判定して地震と判定した場合に、地震感知信号または遮断信号を出力して、遮断弁141に遮断を実行させるだけとし、自動復帰の要否判定を行わない単純な処理も可能である。この場合には、遮断が必要なレベルの地震が初性した場合に、少なくともガス流路を確実に遮断できるため、必要最小限の保安機能を確保することはできる。
[第2の実施形態]
[構成]
図6は、本発明を適用した第2の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図6に示すように、本実施形態のガス流路用感震装置200は、器具判別ユニット部201、加速度センサ部211、サンプリング部212、地震判定部221、器具種別対応型遮断・警報判定部222、判定条件記憶部223、遮断・復帰制御部231、警報・通信制御部232、遮断弁241、通信部242から構成されており、具体的には、ガスメータの一部に組み込まれる形で構成される。各部の詳細は次の通りである。
器具判別ユニット部201は、ガス流量検出部202、供給圧力検出部203、ガス温度検出部204、特徴抽出部205、器具判別部206、特徴記憶部207、から構成されている。ここで、ガス流量検出部202、供給圧力検出部203、ガス温度検出部204は、ガス流路に設けられてガス流路を流れるガスに関する物理量として、ガス流量、供給圧力、ガス温度をそれぞれ検出する。
特徴抽出部205は、検出部202〜204からの検出データを解析して特徴を抽出する。特徴記憶部207は、複数種類のガス器具についてガス器具ごとの特徴に関する特徴データを記憶する。器具判別部206は、特徴抽出部205で抽出された検出データの特徴と、特徴記憶部207に記憶された特徴データとを比較して、使用中のガス器具を判別し、ガス器具の種別を示す器具種別信号を出力する。
加速度センサ部211およびサンプリング部212は、第1の実施形態の加速度センサ部111およびサンプリング部112と同様の機能を有している。
地震判定部221は、サンプリング部212で得られた加速度の振動波パターンに基づき、地震であるかその他の振動(衝撃)であるかを判定し、地震と判定した場合には地震検知信号とその最大加速度を出力し、地震以外の衝撃と判定した場合には衝撃検知信号とその最大加速度を出力する。
判定条件記憶部223は、複数種別のガス器具についてガス器具ごとに地震のレベルまたは種別に応じたガス流路の運用に関する器具別判定条件を記憶する。器具種別対応型遮断・警報判定部222は、地震判定部221から地震検知信号および最大加速度が出力された場合に、器具判別部206から出力された器具種別信号と判定条件記憶部223に記憶された器具別判定条件、および地震判定部221から出力された最大加速度に基づき、ガス流路の遮断または警報の要否、あるいは、ガス流路の自動復帰の要否を判定し、判定結果を遮断・復帰制御部231に出力するとともに、警報信号・地震情報を警報・通信制御部232に出力する。
なお、地震判定部221および器具種別対応型遮断・警報判定部222は、各種の電子回路またはコンピュータとこれらの判定部221,222の機能を実現するために特化されたプログラムとの組み合わせにより実現可能である。また、判定条件記憶部223は、コンピュータが通常有するメモリや各種の記憶装置の一部の領域として実現可能である。
遮断・復帰制御部231および遮断弁241は、第1の実施形態の遮断・復帰制御部131および遮断弁141と同様の機能を有している。
これに対して、警報・通信制御部232および通信部242は、地震情報に加えて、警報信号を取り扱う。すなわち、警報・通信制御部232は、器具種別対応型地震判定部222から出力される地震情報に警報信号が付加されている場合に、この警報信号付きの地震情報を、通信部242により、予め登録された宛先に送信させる。ここで、宛先となるのは、第1の実施形態と同様に、ホームオートメーション(HA)システム、あるいは、室内リモコン、パソコン、固定電話や携帯電話などの各種端末である。
[作用]
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のガス流路用感震装置200による感震方法の手順について具体的に説明する。
まず、器具判別ユニット部201において、特徴抽出部205は、検出部202〜204からのガス流量、供給圧力、ガス温度という3種の物理量の検出データを解析して、検出データの特徴を抽出する。例えば、各ガス器具の特徴データとして、ガス流量範囲、ガス流量パターン、および、上記3種の物理量の相関関係(すなわち、流量−圧力、流量−温度、圧力−温度の相関関係)を含む特徴データが、特徴記憶部207に記憶されているものとする。
図7〜図10は、このような特徴データの一例を示す図であり、図7、図8は、各ガス器具の流量パターンに関する情報として、流量パターン波形、立上り・立下り流量パターン、起動時の流量パターン、および長時間流量パターンを示す図である。また、図9、図10は、各ガス器具のガス流量範囲と物理量の相関関係(流量−圧力相関、流量−温度相関、圧力−温度相関)、および通常時(地震が発生していない状態)における器具判別後の処置内容を示す図である。
このような特徴データが特徴記憶部207に記憶されている場合、特徴抽出部205は、検出部202〜204からの検出データについて、ガス流量の範囲、ガス流量のパターン、および、上記物理量の相関をそれぞれ解析して、解析結果を検出データの特徴として抽出する。器具判別部206は、解析結果として得られた、ガス流量の範囲、ガス流量のパターン、および、上記物理量の相関を含む検出データの特徴を、図7〜図10に示すような特徴データと比較して、ガス器具を判別し、ガス器具の種別を示す器具種別信号を器具種別対応型遮断・警報判定部222に出力する。なお、このような特徴データを用いた具体的な器具判別方法は、例えば、特許文献6に記載されている。
地震判定部221は、サンプリング部212で得られた加速度の振動波パターンに基づき、地震であるかその他の振動(衝撃)であるかを判定する。この場合の具体的な判定方法としては、例えば、P波(縦波)とS波(横波)の発生パターンによる判定方法(P波がきた後にS波がきた場合に地震と判定)や、振動の発生時間による判定方法(振動時間が所定時間より長い場合に地震と判定し、所定時間より短い場合に衝撃と判定)などが採用可能である。
P波(縦波)とS波(横波)の発生パターンによる判定方法を採用する場合には、加速度センサ部211を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向という3方向の加速度をそれぞれ検出するように設置し、サンプリング部212により、P波(縦波)とS波(横波)の発生パターンを出力すればよい。
地震判定部221は、地震と判定した場合には地震検知信号とその最大加速度を器具種別対応型遮断・警報判定部222に出力し、地震以外の衝撃と判定した場合には衝撃検知信号とその最大加速度を器具種別対応型遮断・警報判定部222に出力する。
器具種別対応型遮断・警報判定部222は、地震判定部221から地震検知信号および最大加速度が出力された場合に、器具判別部206から出力された器具種別信号と判定条件記憶部223に記憶された器具別判定条件、および地震判定部221から出力された最大加速度により示される震度レベルに基づき、ガス流路の遮断または警報の要否、および、ガス流路の自動復帰の要否を判定する。
例えば、器具別判定条件として、ガス器具の種別、警報を行う震度レベル、遮断を行う震度レベル、を含む器具別判定条件が、判定条件記憶部223に記憶されているものとする。図11は、このような器具別判定条件を定義した器具別判定テーブルの一例を示す図である。前述したように、ストーブやファンヒータの場合は、振動で遮断する安全装置が付いているが、ガスコンロの場合は、安全装置が付いていない上、使用中には鍋などを載せている可能性が高い。
そのため、この図11に示す例では、ガス供給中に載せている鍋が転倒するなどの不都合な事態を回避する目的で、ガスコンロについては、震度5弱で遮断する条件が定義されており、また、ストーブおよびファンヒータについては、震度5強で警報を発し、家屋が倒壊する可能性のある震度6以上の場合で遮断するという条件が定義されている。
器具種別対応型遮断・警報判定部222は、このような器具別判定条件に基づいて、ガス流路の遮断または警報の要否を判定するとともに、遮断が必要と判定した場合には、地震判定部221から出力された最大加速度に基づき、ガス流路の自動復帰の要否を判定する。
器具種別対応型遮断・警報判定部222は、この場合のガス流路の自動復帰の要否の判定を、例えば、第1の実施形態の設置環境対応型地震判定部121と同様の基準で行う。すなわち、被害が甚大でガス配管の損傷が予想される場合(例えば、震度6以上の場合)には「自動復帰が不要」と判定し、また、ガス配管が損傷しない程度と予想される場合(例えば、震度5の場合)には「自動復帰が必要」と判定する。
器具種別対応型遮断・警報判定部222は、以上のような判定結果を、遮断・復帰制御部231に出力することにより、遮断・復帰制御部231により遮断弁241を制御し、判定結果に応じたガス流路の遮断・自動復帰を実行させ、あるいは自動復帰の実行を阻止する。
器具種別対応型遮断・警報判定部222により、さらに、ガス器具の種別に応じてガス流路の自動復帰タイミング判定を行い、その判定結果を出力することも可能である。すなわち、ファンヒータなどのガス器具においては、安全装置の作動によるガス遮断後に着火リトライを行う機能を有するものが存在する。このような着火リトライが想定される器具については、器具種別対応型遮断・警報判定部222により、想定される着火リトライの時間経過後のタイミングで自動復帰を実行するように自動復帰タイミングを設定または変更し、この自動復帰タイミング変更を判定結果として遮断・復帰制御部231に出力することで、ガス器具に応じた適切なタイミングの自動復帰が可能となる。
器具種別対応型遮断・警報判定部222は、判定結果を遮断・復帰制御部231に出力すると同時に、警報・通信制御部242に対して警報信号・地震情報を出力することで、警報・通信制御部232により通信部242を制御し、予め登録された宛先、すなわち、ホームオートメーション(HA)システム、あるいは、室内リモコン、パソコン、固定電話や携帯電話などの各種端末に警報信号・地震情報を送信させる。警報信号が送信された場合には、送信先の液晶ディスプレイなどの表示部に警報表示される。例えば、「何時何分、地震を感知しました」などの簡潔明瞭な警報メッセージが表示される。
[効果]
以上のような第2の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
まず、設置場所のガス流路を流れるガスの物理量の検出データに基づいてガス器具を判別するとともに、設置場所の加速度から得られた振動波パターンと最大加速度に基づいて地震であるかその他の衝撃であるかを的確に判定することができ、地震のレベルを的確に判定することができる。そして、得られた器具種別と地震の最大加速度、および予め用意された器具別判定条件に基づき、使用中の器具と地震の震度レベル(最大加速度)に応じて、ガス流路の遮断・警報および自動復帰の要否を的確に判定することができる。
特に、本実施形態においては、ガス流量範囲の解析に加えて、ガス流量の詳細なパターン解析、複数の物理量の相関解析(流量−圧力相関、流量−温度相関、圧力−温度相関)の結果を、特徴データとして使用して、ガス器具の判別を行うことにより、ガス流量範囲のみでガス器具を判別する場合に比較して、ガス器具の判別精度を向上することができる。
また、本実施形態においては、器具別判定条件として、図11に示すような、ガス器具ごとに、警報を行う震度レベル、遮断を行う震度レベルをそれぞれ定義した器具別判定条件を設定することによって、個々のガス器具に応じてガス流路の遮断を行うか、警報のみを行うかを適切に判定可能である。そして、ガスコンロなどの安全装置が付いていないガス器具の使用中には、比較的弱い地震でもガス流路を遮断することにより、ガス供給中に載せている鍋が転倒するなどの不都合な事態を回避でき、ガス器具種別に対応した適切な保安機能を実現できる。また、ガス流路を遮断しない場合でも、地震発生に関する警報信号をHAや各種端末に送信して表示させることにより、警報メッセージなどの地震に関する警報を顧客に対して迅速に通知することができる。
したがって、本実施形態によれば、地震をより正確に検出して、地震の状況および使用中のガス器具の種別に応じてガス流路の遮断・復帰を適切に行うことを可能とし、保安機能およびサービス提供の高度化に貢献可能なガス流路用感震装置および感震方法を提供することができる。
[変形例]
なお、第2の実施形態において示した器具判別ユニット部201の構成とそれによる器具判別方法は、前述したように、ガス器具の判別精度に優れているが、本発明で採用可能な器具判別方法の一例にすぎない。すなわち、本発明においては、他の各種の器具判別方法を同様に適用可能であり、ガス器具を判別できる限り、同様の効果が得られるものである。
[第3の実施形態]
図12は、本発明を適用した第3の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図12に示すように、本実施形態のガス流路用感震装置300は、第1の実施形態におけるガス流路用感震装置の構成において、休眠モード中における衝撃の発生を監視する衝撃監視部301、衝撃の発生に関する情報を衝撃アラーム情報として記憶する衝撃アラーム情報記憶部302、衝撃アラーム情報を表示する表示部303を追加したものである。なお、他の部分は、第1の実施形態と同様である。
ここで、休眠モードについて簡単に説明する。一般に、マイコンを搭載したガスメータでは、運搬輸送中や在庫期間中の消費電力を抑えるために大半の機能を停止させて一部の機能だけを動作させる休眠モードと呼ばれる状態に設定・保持されるようになっている。例えば、ガスメータに設けられているテストスイッチがONされ一定時間(例えば40秒)が経過すると、ガスメータは休眠モードに入る。ガスメータは、この休眠モードで運搬輸送あるいは在庫される。ガスメータを設置するときには、テストスイッチが再度ONされ一定時間(例えば40秒)以内に復帰スイッチがONされた場合に休眠モードを解除する、といった運用がなされている。
本実施形態のガス流路用感震装置300において、第1の実施形態と異なる作用は次の通りである。
まず、休眠モード中に、衝撃監視部301は、加速度センサ部111とサンプリング回路112により検出した加速度の振動波パターンを監視して、所定以上の値の加速度を検知した場合に、衝撃の発生を示す衝撃アラームを表示部301に表示するともに、検知された衝撃に関する情報、すなわち、衝撃の発生日時、最大加速度、衝撃印加時間などの情報を、衝撃アラーム情報として衝撃アラーム情報記憶部302に記憶する。
また、衝撃監視部301は、予め設定された閾値以上の衝撃の発生を検出した場合には、遮断・復帰制御部131に衝撃アラーム信号を送信して、遮断弁141によるガス流路の自動復帰を阻止させる。
以上のような第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られることに加えて、さらに、次のような効果が得られる。
まず、休眠モード中の加速度の振動波パターンを監視して、運搬輸送途中や施工時の落下等の不適切な取り扱いを衝撃として検知し、記憶するとともに、衝撃アラーム表示を行うことができるため、休眠モード中の不適切な衝撃の発生を容易に把握・確認することができる。
また、衝撃アラーム情報記憶部302に記憶された衝撃アラーム情報は、通信部142を経由して専用の読出し装置により読出すことにより、衝撃の大きさや発生場所の特定を行うために有効利用できる。
衝撃アラーム発生時には、遮断弁141によるガス流路の自動復帰を阻止することにより、休眠モード中の衝撃により、ガスメータの部品や機能の一部が損なわれてしまったような場合でも、ガスメータを間違って使用すること(ヒューマンエラー)を確実に防止することができる。
[第4の実施形態]
図13は、本発明を適用した第4の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図である。この図13に示すように、本実施形態のガス流路用感震装置400は、第2の実施形態における地震判定部221を、第1の実施形態における設置環境対応型地震判定部121に置き換えるとともに、第1の実施形態の基本地震波設定部101、変換関数設定部102、基本地震波記憶部103、地震波変換部104、を追加することにより、第1の実施形態と同様の設置環境に応じた判定機能を持たせたものである。このような本実施形態のガス流路用感震装置400によれば、第1と第2の実施形態の両方の効果が得られる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が可能である。例えば、ガス流路用感震装置の具体的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は自由に選択可能である。また、本発明のガス流路用感震装置は、基本的にはガスメータに組み込まれるが、ガスメータ以外の機器に組み込むことも可能であり、さらに、ガス流路用感震装置単体の独立した装置として構成することも可能である。
本発明を適用した第1の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図。 ガス流路用感震装置が検知対象とする地震の具体的な震度範囲と最大加速度、およびSI値の関係を示す図。 第1の実施形態のガス流路用感震装置で使用する変換関数テーブルの一例を示す図。 第1の実施形態に係るガス流路用感震装置の変形例を示す機能ブロック図。 第1の実施形態に係るガス流路用感震装置の変形例を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第2の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図。 口火(炊飯器と風呂釜)とコンロについて、その流量パターン波形、立上り・立下り流量パターン、起動時の流量パターン、および長時間流量パターンを示す図。 ストーブとファンヒータについて、その流量パターン波形、立上り・立下り流量パターン、起動時の流量パターン、および長時間流量パターンを示す図。 口火(炊飯器と風呂釜)とコンロについて、ガス流量範囲と流量−圧力相関、流量−温度相関、圧力−温度相関、および器具判別後の処置内容を示す図。 ストーブとファンヒータについて、ガス流量範囲と流量−圧力相関、流量−温度相関、圧力−温度相関、および器具判別後の処置内容を示す図。 第2の実施形態のガス流路用感震装置で使用する器具別判定テーブルの一例を示す図。 本発明を適用した第3の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図。 本発明を適用した第4の実施形態に係るガス流路用感震装置の構成を示す機能ブロック図。 従来のマイコン内蔵型のガスメータの構成例を示す外観図。 従来のガスメータに使用されている鋼球振動式感震器の動作原理図。 図15に示す鋼球振動式感震器から出力されるON/OFF信号の一例を示す図。 免震構造の建物の一例を示す模式図。 図17に示す免震構造の建物における地震発生時のガス漏れ発生を説明する図。 靭性指向型の耐震構造の高層建築物の揺れの特徴を説明する図。
符号の説明
100,100A,100B,200,300,400…ガス流路用感震装置
101…基本地震波設定部
102…変換関数設定部
103…基本地震波記憶部
104…地震波変換部
111,211…加速度センサ部
112,212…サンプリング部
121…設置環境対応型地震判定部
131,231…遮断・復帰制御部
132…通信制御部
141,241…遮断弁
142,242…通信部
201…器具判別ユニット部
221…地震判定部
222…器具種別対応型遮断・警報判定部
223…判定条件記憶部
231…警報・通信制御部
301…衝撃監視部
302…衝撃アラーム情報記憶部
303…表示部
202…ガス流量検出部
203…供給圧力検出部
204…ガス温度検出部
205…特徴抽出部
206…器具判別部
207…特徴記憶部

Claims (23)

  1. 地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震装置において、
    基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する基本地震情報記憶手段と、
    設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて前記基本地震情報記憶手段に記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する地震情報変換手段と、
    設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する加速度検出手段と、
    前記地震情報変換手段で得られた地震判定情報と、前記加速度検出手段から電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られたデータを比較して、地震の有無、または、ガス流路の遮断あるいは自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する設置環境対応型判定手段を有し、
    前記設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報のいずれか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、
    前記供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む
    ことを特徴とするガス流路用感震装置。
  2. 前記加速度検出手段から出力される加速度を所定の時間間隔でサンプリングして振動波パターンに変換するサンプリング手段を有し、
    前記基本地震情報記憶手段は、基本となる地震波のパターンを基本地震波パターンとして記憶するように構成され、
    前記地震情報変換手段は、前記基本地震情報記憶手段に記憶された基本地震波パターンを設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定パターンに変換するように構成され、
    前記設置環境対応型判定手段は、前記地震情報変換手段で得られた地震判定パターンと、前記サンプリング手段で得られた振動波パターンを比較するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス流路用感震装置。
  3. 前記基本地震情報記憶手段は、基本となる地震の加速度の大きさを基本加速度として記憶するように構成され、
    前記地震情報変換手段は、前記基本地震情報記憶手段に記憶された基本加速度を設置場所に応じたレベルの地震判定加速度に変換するように構成され、
    前記設置環境対応型判定手段は、前記地震情報変換手段で得られた地震判定加速度と、前記加速度検出手段から出力される加速度またはその処理結果として得られた加速度を比較するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス流路用感震装置。
  4. 前記加速度検出手段から出力される加速度からSI値を計算するSI値計算手段を有し、
    前記基本地震情報記憶手段は、基本となる地震の加速度から計算されるSI値を基本SI値として記憶するように構成され、
    前記地震情報変換手段は、前記基本地震情報記憶手段に記憶された基本SI値を設置場所に応じたレベルの地震判定SI値に変換するように構成され、
    前記設置環境対応型判定手段は、前記地震情報変換手段で得られた地震判定SI値と前記SI値計算手段で得られたSI値を比較するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス流路用感震装置。
  5. 設置場所の設置環境情報に基づき前記変換関数を設定する関数設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  6. 建物構造環境に関する情報は、高層・低層の別を含む建物の種類に関する情報、耐震構造・制震構造・免震構造の別を含む建物の構造に関する情報、高層の場合における階数または地上からの高さに関する情報、の中から選択された情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  7. 前記変換関数は、免震構造の建物と基礎の間に使用される免震装置の振動の伝達関数に基づいて設定された関数を含むことを特徴とする請求項6に記載のガス流路用感震装置。
  8. 前記変換関数は、設置環境情報に応じて予め設定された定数値であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  9. 設置場所のガス流路の遮断・復帰を行う遮断・復帰手段と、
    前記設置環境対応型判定手段により地震と判定された場合または遮断が必要と判定された場合に、前記遮断・復帰手段を制御してガス流路を遮断させる制御信号を出力する遮断・復帰制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  10. 設置場所のガス流路の遮断・復帰を行う遮断・復帰手段と、
    前記設置環境対応型判定手段により自動復帰が必要と判定された場合に、前記遮断・復帰手段を制御してガス流路を自動復帰させる制御信号を出力する遮断・復帰制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  11. 設置場所のガス流路の遮断・復帰を行う遮断・復帰手段と、
    前記設置環境対応型判定手段により自動復帰が不要と判定された場合に、前記遮断・復帰手段を制御してガス流路の自動復帰を阻止する制御信号を出力する遮断・復帰制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  12. 前記設置環境対応型判定手段により得られた地震に関する情報を、予め宛先として登録されたホームオートメーションシステムまたは端末に対して送信する通信手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  13. 地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震装置において、
    基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する基本地震情報記憶手段と、
    設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて前記基本地震情報記憶手段に記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する地震情報変換手段と、
    設置場所のガス流路を流れるガスに関する物理量のデータを検出するガスデータ検出手段と、
    このガスデータ検出手段で得られた物理量の検出データに基づいて、使用されているガス器具を判別し、使用中のガス器具の種別を示す器具種別信号を出力する器具判別手段と、
    設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する加速度検出手段と、
    前記地震情報変換手段で得られた地震判定情報と、前記加速度検出手段から電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られた検出データを比較して、地震の有無および地震のレベルまたは種別を判定する設置環境対応型判定手段と、
    前記複数種別のガス器具についてガス器具ごとに地震のレベルまたは種別に応じたガス流路の運用に関する器具別判定条件を記憶した判定条件記憶手段を備え、前記設置環境対応型判定手段により地震と判定された場合に、前記器具判別手段から出力された器具種別信号と前記判定条件記憶手段に記憶された器具別判定条件、および前記設置環境対応型判定手段で得られた地震のレベルまたは種別に基づき、ガス流路の遮断または警報の要否、あるいは、ガス流路の自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する器具種別対応型判定手段を有し
    前記設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報のいずれか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、
    前記供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む
    ことを特徴とするガス流路用感震装置。
  14. 前記器具別判定条件は、使用中のガス器具がガスコンロである場合に他のガス器具より低レベルの地震で遮断するという条件を含むことを特徴とする請求項1に記載のガス流路用感震装置。
  15. 前記器具種別対応型判定手段は、使用中のガス器具が着火リトライの可能性がある器具である場合に、ガス流路の自動復帰タイミング判定を行い、自動復帰タイミングを、当該ガス器具の着火リトライの時間経過後にガス流路の自動復帰を行わせるタイミングに設定または変更するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項1に記載のガス流路用感震装置。
  16. 前記器具種別対応型判定手段により警報が必要と判定された場合に、予め宛先として登録されたホームオートメーションシステムまたは端末に対して警報信号を送信する通信手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  17. 前記ガスデータ検出手段で得られた検出データを解析して、検出データの特徴を抽出する特徴抽出手段を有し、
    前記器具判別手段は、前記ガス流路の供給先となる複数種別のガス器具についてガス器具ごとの特徴に関する特徴データを記憶した特徴データ記憶手段を備え、前記特徴抽出手段によって抽出された検出データの特徴と前記特徴データ記憶手段に記憶されている各ガス器具の特徴データとを比較して使用されているガス器具を判別し、使用中のガス器具の種別を示す器具種別信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  18. 前記加速度検出手段は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向という3方向の加速度をそれぞれ検出して3方向の電気信号に変換するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  19. 衝撃アラーム情報を記憶する衝撃アラーム情報記憶手段を備え、消費電力を抑制する休眠モード中に前記加速度検出手段から出力される加速度またはそれから得られたデータを監視して異常な衝撃の発生を検出した場合に、その衝撃の発生に関する情報を衝撃アラーム情報として前記衝撃アラーム情報記憶手段に記憶する衝撃監視手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項1のいずれか1項に記載のガス流路用感震装置。
  20. 前記衝撃監視手段で得られた衝撃アラーム情報または前記衝撃アラーム情報記憶手段に記憶された衝撃アラーム情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項19に記載のガス流路用感震装置。
  21. 設置場所のガス流路の遮断・復帰を行う遮断・復帰手段と、
    前記衝撃監視手段が予め設定された閾値以上の衝撃の発生を検出した場合に、前記遮断・復帰手段を制御してガス流路の自動復帰を阻止する制御信号を出力する遮断・復帰制御手段を有することを特徴とする請求項19または請求項2に記載のガス流路用感震装置。
  22. 地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震方法において、
    基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する基本地震情報記憶ステップと、
    設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて前記基本地震情報記憶ステップにより記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する地震情報変換ステップと、
    設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する加速度検出ステップと、
    前記地震情報変換ステップで得られた地震判定情報と、前記加速度検出ステップにより電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られたデータを比較して、地震の有無、または、ガス流路の遮断あるいは自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する設置環境対応型判定ステップを有し、
    前記設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報のいずれか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、
    前記供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む
    ことを特徴とするガス流路用感震方法。
  23. 地震を検出して設置場所のガス流路の遮断・復帰を決定するガス流路用感震方法において、
    基本的な地震情報として予め定義された情報を基本地震判定情報として記憶する基本地震情報記憶ステップと、
    設置場所の設置環境に関する設置環境情報に応じて予め設定された変換関数を用いて前記基本地震情報記憶ステップにより記憶された基本地震判定情報を設置場所に応じたレベルまたは種別の地震判定情報に変換する地震情報変換ステップと、
    設置場所のガス流路を流れるガスに関する物理量のデータを検出するガスデータ検出ステップと、
    このガスデータ検出ステップで得られた物理量の検出データに基づいて、使用されているガス器具を判別し、使用中のガス器具の種別を示す器具種別信号を出力する器具判別ステップと、
    設置場所の加速度を検出して電気信号に変換する加速度検出ステップと、
    前記地震情報変換ステップで得られた地震判定情報と、前記加速度検出ステップにより電気信号として出力される加速度の検出データまたはそれから得られた検出データを比較して、地震の有無および地震のレベルまたは種別を判定する設置環境対応型判定ステップと、
    前記複数種別のガス器具についてガス器具ごとに地震のレベルまたは種別に応じたガス流路の運用に関する器具別判定条件を記憶した判定条件記憶手段を用いて、前記設置環境対応型判定ステップにより地震と判定された場合に、前記器具判別ステップにより出力された器具種別信号と前記判定条件記憶手段に記憶された器具別判定条件、および前記設置環境対応型判定ステップで得られた地震のレベルまたは種別に基づき、ガス流路の遮断または警報の要否、あるいは、ガス流路の自動復帰の要否を判定し、判定結果を出力する器具種別対応型判定ステップを有し、
    前記設置環境情報は、建物構造環境に関する情報、地盤構造環境に関する情報のいずれか一方に加えて、ガス流路を構成する供給設備環境に関する情報を含み、
    前記供給設備環境に関する情報は、配管の仕方に関する情報、配管の固定方法に関する情報、ガスメータの大きさまたは重さに関する情報、の中から選択された情報を含む
    ことを特徴とするガス流路用感震方法。
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