JPH07229994A - 水シール装置及びその水シール装置を用いた原子炉設備 - Google Patents

水シール装置及びその水シール装置を用いた原子炉設備

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JPH07229994A
JPH07229994A JP6023983A JP2398394A JPH07229994A JP H07229994 A JPH07229994 A JP H07229994A JP 6023983 A JP6023983 A JP 6023983A JP 2398394 A JP2398394 A JP 2398394A JP H07229994 A JPH07229994 A JP H07229994A
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JP
Japan
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reactor
water
expansion
pressure
leak test
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Application number
JP6023983A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Matsuzaki
鉄夫 松崎
Koichi Saito
高一 斎藤
Wataru Sagawa
渉 佐川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】原子炉プラントにおける据付けコスト低減に寄
与し、既設プラントにおいては定期検査時の作業時間の
短縮及び、作業者の被ばく線量当量を低減する事にあ
る。 【構成】原子炉圧力容器と原子炉格納容器の取り合い部
及び、格納容器と原子炉建屋の取り合い部を通常時は空
間とし、燃料交換時等で原子炉ウエル空間部に水張り時
のみ本発明の、着脱可能なトーラス状の複数個の独立し
た気体加圧方式チューブと該複数個のチューブ間の局部
リーク試験が可能な機能を持ったウエル水シール装置を
装着し、シール性の確認試験を実施した後原子炉ウエル
空間に水張する。燃料交換後のウエル水抜が完了した時
点で、本発明のウエル水シール装置を取り除き除染保管
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水シール装置とその水
シール装置を利用している原子炉設備に関し、特には、
原子炉圧力容器と原子炉格納容器または原子炉格納容器
と原子炉建屋間に設けられた各空間部に設置するウエル
水シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に、原子炉圧力容器1と原子炉格納
容器2及び、原子炉格納容器2と原子炉建屋3の各接続
部に設けられたウエル水シール用としての各伸縮継手装
置5,6及び、原子炉ウエル空間部4の右半分を示す。
【0003】すなわち、原子炉圧力容器1を中心として
該原子炉圧力容器1の外側は原子炉格納容器2で包囲さ
れ、該原子炉格納容器2は原子炉建屋3で包囲されてい
る。原子炉圧力容器1と原子炉格納容器2の接合部及
び、原子炉格納容器2と原子炉建屋3の接合部は、使用
条件としてプラント運転中の温度差による変位差及び、
地震時の相対変位差等を吸収すること及び、強度を要さ
ないため固定の必要はなく、通常時は空間(間隙)が原
子炉圧力容器1を中心とした環状に存在していても問題
ないが、燃料交換時においては、放射線を水で遮蔽する
目的で、原子炉ウエル空間部4に水張りをする必要があ
る。このため、本原子炉ウエル空間部4へ水張時は水を
シールする目的で、伸縮継手5,6が常設されている。
【0004】一般に原子炉圧力容器1と原子炉格納容器
2間に設けられた伸縮継手5を燃料交換ベローズ,原子
炉格納容器と原子炉建屋間に設けられた伸縮継手6をウ
エルシールベローズと呼んでいる。以下、伸縮継手5を
ベローズ5と、伸縮継手6をベローズ6と、それぞれ言
い替える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の各ベローズ5,
6は、一般に機能上薄円筒状のステンレス鋼板を凹凸に
成型した継手であって、複雑で大型構造のため、建設プ
ラント及び、既設プラントにおいて以下の懸案事項があ
った。
【0006】(1)建設中のプラントにおいては、 a.据付作業工法が難しい上、原子炉圧力容器と原子炉
格納容器との間隙、及び原子炉格納容器と原子炉建屋と
の間隙を広く確保せざる得ず、全体が大型化する上、工
程も長引く問題があった。
【0007】b.据付け後の保管養生に手間取る問題が
あった。
【0008】c.大型で構造複雑なためコストが大であ
る問題があった。
【0009】(2)既設プラントにおいては、 a.万一、経年劣化による不具合発生時の補修が困難で
あった。
【0010】b.各定期検査の燃料交換時時に原子炉ウ
エル空間部への水張り、外交換時の水抜きの繰返しによ
りウエル水内の高放射性クラッドがベローズ5,6の凹
凸部に浸入付着しやすく、且つ除染が困難なため雰囲気
線量率が上昇する問題があった。
【0011】c.各ベローズ5,6部のシールが健全で
ある事の確認が困難であった。
【0012】したがって、以下の効果が達成されること
が好ましい。
【0013】(1)着脱が容易で、必要時のみ取付けるた
め経年劣化が比較的少ない。
【0014】(2)上記により着脱が容易なため、除染作
業が容易で放射線被ばく線量当量の低減が出来る。
【0015】(3)ウエル水張り前のシール性の健全の確
認が出来る。
【0016】(4)既設プラントにおいても、既設ベロー
ズと併用が可能な構造であため上記と同等の効果が得ら
れる。
【0017】(5)従来技術のベローズが不要になるた
め、該ベローズ設置場所を単純化し、原子炉ウエル空間
部の小型化が計れる事により、建設工程短縮と建設費の
低減・ウエル水張り時の水量の低減による定検工程の短
縮等の効果が得られる。
【0018】本発明の第1目的は、上記効果(1)〜(5)の
少なくとも一つを達成することにあり、第2目的は、上
記第1目的を達成するために使用されて好適なシール装
置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記第1目的を達成する
ための手段は、第1の手段が、原子炉ウエル空間底部の
原子炉圧力容器と原子炉格納容器との間隙及び原子炉格
納容器と原子炉建屋との間隙の少なくとも一方の間隙に
膨張収縮自在な水シール装置を備えている原子炉設備で
あり、第2の手段が、前記水シール装置は、弾性体で構
成されたトーラス状の複数の気体チューブを上下方向に
連ねて構成され、前記各気体チューブ個々に加圧設備が
接続されていることを特徴とした原子炉設備であり、第
3の手段が、大2の手段において、前記水シール装置
は、複数の気体チューブの上下間隔間にリーク試験圧付
与空間を前記水シール装置が装着される間隙を構成する
側面に接して備えており、前記リーク試験圧付与空間に
はリーク試験圧の加圧設備が接続されていることを特徴
とした原子炉設備であり、第4の手段が、第3の手段に
おいて、複数の気体チューブの内の下方の気体チューブ
への加圧ラインとリーク試験圧付与空間への加圧ライン
とが上方の気体チューブを貫通して上方の気体チューブ
よりも上方に抜け出ていることを特徴とした原子炉設備
であり、第5の手段が、第1の手段から第4の手段まで
のいずれか一手段において、水シール手段は間隙に着脱
自在に装着されていることを特徴とした原子炉設備であ
り、本発明の第2目的を達成するいための第6の手段
が、弾性体で構成されており、互いに区画されて上下に
連ねられたトーラス状の複数個の膨張収縮室と、前記各
膨張収縮室の個々に備わるシール圧力の供給口とから成
る水シール装置であり、同じく第7の手段が、第6の手
段において、前記各膨張収縮室の上下間隔間にリーク試
験圧付与空間をシール面側に開口して備えており、前記
リーク試験圧付与空間にはリーク試験圧の供給口が備え
られていることを特徴とした水シール装置であり、同じ
く第8の手段が、第7の手段において、リーク試験圧の
供給口と、上下の各膨張収縮室の内の下方へのシール圧
力の供給口には、上方の膨張収縮室内を貫通して前記上
方の膨張収縮室上方に抜ける加圧ラインが備えられてい
ることを特徴とした水シール装置である。
【0020】
【作用】第1の手段によれば、原子炉ウエル空間に水を
張る際には、水シール装置を原子炉圧力容器と原子炉格
納容器との間隙及び原子炉格納容器と原子炉建屋との間
隙の少なくとも一方の間隙内で膨張させてその間隙を塞
ぎ、原子炉ウエル空間底部からの水洩れを防ぎ、原子炉
ウエル空間に水を張らない場合には、その間隙内の水シ
ール装置を収縮させてその間隙で原子炉運転時のその間
隙周辺の部材の熱膨張や地震時の振動をぶつからないよ
うに許容する。
【0021】第2の手段によれば、複数の気体チューブ
が膨張収縮して第1の手段による作用が得られ、その
際、複数の気体チューブが個々に加圧設備から圧力を受
けるから、シールが多重化されてシールの信頼性が向上
する上、一方の気体チューブに圧力減少事故があって
も、他方の気体チューブがシールするに必要な圧力を受
けることが出来てより一層信頼性が向上する。
【0022】第3の手段によれば、第2の手段による効
果に加えて、加圧設備からリーク試験圧付与空間にリー
ク試験圧を付与してシール面でのシール状態が試験出来
る。第4の手段によれば、第3の手段による効果に加え
て、下方の気体チューブへの加圧ラインとリーク試験圧
付与空間への加圧ラインとが上方の気体チューブを貫通
して上方の気体チューブよりも上方に抜け出ることによ
り、それらの加圧ラインがシール面に接すること無くし
て上方の加圧設備へ接続できる、シール性能が良くな
る。
【0023】第5の手段によれば、第1から第4までの
いずれか一手段による効果に加えて、シールすべき間隙
に収縮させた水シール手段を挿入して、その水シール手
段を膨張させることによりその間隙をシールし、シール
解除する際は、水シール手段を収縮させることによりそ
の間隙から水シール手段を抜き出して撤去できる作用が
得られる。
【0024】第6の手段によれば、環状の間隙内にトー
ラス状の水シールが挿入されて複数個の膨張収縮室がそ
れぞれ独立したシール圧力の供給口からの圧力により各
膨張収縮室が独立して膨張できるので、その間隙を複数
の箇所で確実にシールすることが出来、一方の膨張収縮
室の圧力が低下する事故においてもシール圧力の供給口
が互いに独立しているから、他方の膨張収縮室内の圧力
低下は起こること無くシール状態を確実に維持する。
【0025】第7手段によれば、第6手段による作用に
加えて、リーク試験圧付与空間に試験圧力を加えてシー
ル状態を試験できる作用が得られる。
【0026】第8手段によれば、第7手段による作用に
加えて、加圧ラインがシール面に接しないからシールが
確実に成せる作用が得られる。
【0027】
【実施例】図1に示すように、原子炉容器1は原子炉格
納容器2に囲われており、原子炉格納容器2の周りはコ
ンクリートに鋼製ライナを施工した原子炉建屋3で囲わ
れている。
【0028】原子炉格納容器2には原子炉容器1の外周
囲沿いに支持板10が、原子炉建屋3の内周沿いに他の
支持板11がそれぞれ固定されている。
【0029】支持板10にはシール受け12が、他の支
持板11には他のシール受け13が環状に取付けられて
いる。
【0030】いずれのシール受け12,13も対面する
原子炉容器1または原子炉建屋3内面との間に間隙1
4,15が存在しており、その間隙14,15は原子炉
運転時の各所の熱膨張や地震などによる振動の動きによ
り接触事故の起こさない寸法とされている。
【0031】その寸法は、必ず必要であるから、原子炉
容器1内の燃料を交換する際に原子炉ウエル空間4内に
燃料等からの放射線を遮蔽する等の目的で水を張ると原
子炉ウエル空間4底部の前記間隙14,15から下方に
水洩れしてしまう。
【0032】その水洩れを防ぐために各間隙14,15
内には各水シール装置7,8が上方から挿入される。
【0033】水シール装置7,8は、図9に示すように
全体が環状に成っており、具体的には図3から図5まで
の各図に示す断面形状を有する。
【0034】即ち、水シール装置7,8は、ゴム等の弾
性体から成るトーラス状の気体チューブ16,17を上
下二連に接続してあり、その全体の断面が図3に示すよ
うに、上部の膨張収縮室Aと下部の膨張収縮室Bとから
成り、各膨張収縮室は収縮した自由状態にあっては、ほ
ぼ矩形の中空断面を成している。
【0035】その各膨張収縮室の上下間隔間は、へこん
でおり、そのへこみが各リーク試験圧付与空間18とし
て利用される。
【0036】図4,図5,図6のように、上部の膨張収
縮室Aには圧力供給口19が、下部の膨張収縮室Bには
圧力供給口20が、各リーク試験圧付与空間18には圧
力供給口21が形成されている。
【0037】そして、圧力供給口19には加圧ライン2
2が、圧力供給口20には加圧ライン23が圧力供給口
21には加圧ライン24が接続されている。
【0038】加圧ライン22には、図9に示すように、
加圧ポンプ25と真空ポンプ26とが接続される。
【0039】加圧ライン22と加圧ポンプ25とは弁2
7を介して接続され、加圧ライン22と真空ポンプ26
とは弁28を介して接続される。
【0040】さらに加圧ライン22の途中には、弁29
と圧力計30が取付けられている。加圧ライン23に
は、図9に示すように、加圧ポンプ31と真空ポンプ3
2とが接続される。
【0041】加圧ライン23と加圧ポンプ31とは弁3
3を介して接続され、加圧ライン23と真空ポンプ32
とは弁34を介して接続される。
【0042】さらに加圧ライン23の途中には、弁35
と圧力計36が取付けられている。加圧ライン24に
は、図9に示すように、加圧ポンプ37が接続される。
【0043】加圧ライン24の途中には、弁38と圧力
計39が取付けられている。
【0044】上記の構成で、原子炉容器1内の燃料を交
換する場合には、次のようにする。各間隙14,15の
内に各膨張収縮室A,Bが入るように水シール装置A,
Bを上方から降ろし入れる。
【0045】各間隙14,15の内に各膨張収縮室A,
Bが入るように水シール装置7,8を上方から降ろし入
れる際には、弁28を閉じ、弁27と弁29とを開け、
真空ポンプ26を作動させることにより、加圧ライン2
2を通じて膨張収縮室A内の圧力を低下させ、その低下
具合を圧力計30を見ながら膨張収縮室Aを収縮させ、
弁29を閉じることにより収縮を維持させ、同様に膨張
収縮室Bについても弁34を閉じ、弁33と弁35とを
開け、真空ポンプ32を作動させることにより、加圧ラ
イン23を通じて膨張収縮室B内の圧力を低下させ、そ
の低下具合を圧力計36を見ながら膨張収縮室Bを収縮
させ、弁35を閉じて収縮を維持させれば、各間隙1
4,15の間口にたいして水シール装置7,8の相対的
大きさが小さく固く維持できるから、各間隙14,15
内への水シール装置7,8の降ろし入れが容易と成る。
【0046】各間隙14,15が水シール装置7,8の
水平幅に比べて十分大きければ、水シール装置7,8を
各間隙14,15に降ろし入れる際に、各膨張収縮室
A,Bの圧力を大気圧以下に低下させる必要は無い。
【0047】水シール装置7,8を各間隙14,15に
降ろし入れた後に、真空ポンプ26,真空ポンプ32と
もに停止して弁29と弁35とを開けることで、各膨張
収縮室A,Bを大気圧に戻す。
【0048】その後に、弁27を閉じ、弁28と弁29
とを開けて、加圧ポンプPP1を作動させることによ
り、圧力計30を見ながら、加圧ライン22を通じて膨
張収縮室Aに圧力を供給して膨張収縮室Aを膨張する。
【0049】同様に、弁33を閉じ、弁34と弁35と
を開けて、加圧ポンプPP2を作動させることにより、
圧力計36を見ながら、加圧ライン23を通じて膨張収
縮室Bに圧力を供給して膨張収縮室Bを膨張する。
【0050】各膨張収縮室A,Bが膨張することにより
水シール装置7はシール受け12と原子炉容器1とに押
し付けられて密着し、シール装置8はシール受け13と
原子炉建屋3とに押し付けられて密着する。
【0051】このため、各間隙14,15は液密にシー
ルされる。
【0052】シール状態を検査するために、弁38を開
き、さらに加圧ポンプ37を作動させて加圧ライン24
を通じて各リーク試験圧付与空間18へ圧力計39を見
ながら圧力を加え、弁38を閉じ、加圧ポンプ37も停
止させる。
【0053】弁38を閉じた時点以後での圧力計39の
指針変化を観察して、変化が無ければ、シール状態が良
いと判断し、変化した場合には、シール状態が良いと判
断しない。
【0054】シール状態が良いと判断された後には、原
子炉容器1の蓋を開け、さらに原子炉ウエル空間部内に
水を張り、水中雰囲気で原子炉容器1内から燃料を取り
出し、新燃料を入れて、燃料交換を成す。
【0055】この燃料交換中は、燃料からの放射線は、
水により遮蔽される。
【0056】原子炉ウエル空間4部内に水を張った後
も、弁38を再度開けないかぎりはシール状態が圧力計
39で監視できる。
【0057】燃料交換を終了した後に、原子炉ウエル空
間4内の水を抜き出して、原子炉容器1に蓋をして、水
シール装置7,8によるシール状態を解除する。
【0058】シール状態の解除は、各弁29,35,3
8を開いて各膨張収縮室A,Bの圧力をポンプ側に排気
して低下させ、各膨張収縮室A,Bを膨張状態から収縮
させる。
【0059】これにより、水シール装置7,8によるシ
ール状態を解除する。
【0060】シール状態を解除を解除した後の水シール
装置7,8は各間隙14,15内に残存させても良い
が、原子炉運転再開後は高温で放射線雰囲気となる周囲
の雰囲気を考慮して、水シール装置7,8を各間隙1
4,15内から撤去する場合には、すでに述べてあると
おりに、真空ポンプ26,真空ポンプ32により各膨張
収縮室A,Bを大気圧以下に低下させて、各膨張収縮室
A,Bを自由状態の幅よりも小さく収縮し、上方へ水シ
ール装置7,8を各加圧ラインごと引き上げる。
【0061】引き上げられた水シール装置7,8と各加
圧ラインは必要に応じて放射線除線作業を加えて保管
し、再利用できるように待機させる。
【0062】このように撤去保管することにより、水シ
ール装置7,8が放射線を受けて弾性体材質等が劣化す
ることを防ぐ。
【0063】シール状態を解除を解除した後の水シール
装置7,8は各間隙14,15内に残存させても各膨張
収縮室A,Bには圧力が付与されておらず、且つ水シー
ル装置7,8が弾性体で構成されているから、原子炉運
転時の各部の熱膨張や地震時の変位を各間隙で吸収する
ことを妨げない。
【0064】以上が、本発明の水シール装置7,8を新
規の原子炉設備に採用する場合に都合の良い例である次
に、本発明の水シール装置7,8を利用して既存の原子
炉設備の原子炉ウエル空間4内に水を張る場合には以下
のとおりと成る。
【0065】即ち、図2のように、既存の原子炉ウエル
空間4底部は、原子炉格納容器2に固定された環状のベ
ローズ受け41,ベローズ受け42と、原子炉圧力容器
1に固定された環状のベローズ受け43と、原子炉建屋
3に固定された環状のベローズ受け44と、ベローズ受
け42とベローズ受け43との上下間隔間に装備された
ベローズ5と、ベローズ受け44とベローズ受け41と
の上下間隔間に装備されたベローズ6とを備えている。
【0066】ベローズ受け42には環状のシール受け1
2が固定され、環状のシール受け13は原子炉格納容器
2に固定され、環状のシール受け45はベローズ受け4
4に固定されている。
【0067】シール受け12と原子炉圧力容器1との間
隙14には既述の水シール装置7が上方から入れられ、
シール受け13とシール受け45との間隙15には既述
のシール装置8が上方から入れられている。
【0068】各間隙14,15内に各水シール装置7,
8が入りにくそうであれば、各シール装置7,8の各膨
張収縮室A,B内を真空ポンプ26,真空ポンプ32に
より減圧して、自由状態よりも収縮させ、各間隙14,
15内に各水シール装置7,8が極力入り易くする。
【0069】その他の内容は、先に既述の例と同じなの
で、以下省略し、以下に原子炉ウエル空間4内に燃料交
換時の水張りにつき説明する。
【0070】原子炉圧力容器1と原子炉格納容器2との
間隙14、及び原子炉格納容器2と原子炉建屋3との間
隙15からの水洩れはベローズ5,6が防いでいる。
【0071】しかし、原子炉運転時あるいは地震時に隣
接する部材間の相対的変位を受けて伸縮するものである
から、可動物であり、破損を想定した対策を配慮して置
くことが良策である。
【0072】既存の原子炉設備では、各間隙14,15
内に水シール装置7,8を上方から降ろし入れて、各膨
張収縮室A,Bを加圧して膨張させることで各間隙14,
15をシールする。
【0073】シール状態は先の例で既述したとおりに、
リーク試験圧付与空間18に圧力を加えてその圧力のリ
ーク状態を圧力計39で監視する。
【0074】この監視は、原子炉ウエル空間4内の水を
抜きおわるまで継続してシール状態を確認する。
【0075】リークが無いことを確認した後に、原子炉
容器1の蓋を開けて、原子炉ウエル空間部内に水を入れ
て水張りし、燃料交換を行う。
【0076】この例では、ベローズ5,6は原子炉ウエ
ル空間4内の水に接することは無いから、強度に放射線
汚染されることは無い。
【0077】燃料交換を終了した後は、原子炉ウエル空
間4内の水を排水し、その後に、各水シール装置7,8
内とリーク試験圧付与空間18内の圧力を抜き、必要に
応じては、各水シール装置7,8内の圧力を自由状態よ
りも減圧して収縮させる。
【0078】その後に、水シール装置7,8を上方に抜
き出して、放射線除線し、最使用のため保管する。
【0079】これらの実施例により、以下の効果があ
る。
【0080】新規の建設プラントにおいては従来技術の
ベローズ5,6が省略出来る事、その省略により原子炉
ウエル空間4が小型化される事、小型化とベローズの省
略により据付作業及び工程上での問題が解消出来、原価
低減への効果が大である。
【0081】上述の小型化は、図8に従来技術による原
子炉建屋3内原子炉ウエル空間4と本発明による水シー
ル装置7,8装着の構造比較断面図を示す通りに、半径
方向でL寸法だけ小型化が可能になる事を示している。
【0082】ベローズの場合には、ベローズ新設時もベ
ローズ交換時でも、ベローズ据付け時にそのベローズを
ベローズ受けと溶接等による据付作業を伴うから、据付
作業に水平方向に広い据付作業空間を必要とするが、本
発明の実施例ではシール装置の据付けに要する水平方向
の領域は少なく、図2に示す既設プラントに適用した例
でもベローズ据付け時の据付作業空間に据付けることが
出来る。
【0083】このようにして、小型化が可能になる。
【0084】既設プラントにおいては、万一、既設ベロ
ーズ5,6に経年劣化等による不具合が発生した場合及
び、可能性ある場合は予防保全として既設ベローズを設
置した状態で、本発明の水シール装置7,8設置用に一
部改造することにより併用して使用可能である。またウ
エル水張時には既設ベローズがウエル水に浸水しないた
め該ベローズの凹凸部に高放射性クラッドの付着がな
く、原子炉ウエル空間内の雰囲気線量率上昇低減に効果
があり、毎定期検査時の原子炉ウエル内作業時における
作業者の被ばく線量及び、作業工数に大幅な低減実現さ
れる。
【0085】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原子炉ウエル
空間底部の間隙をシール装置を水平方向に膨張収縮させ
て、原子炉ウエル空間への水張りと原子炉運転時や地震
時の変位吸収を可能としながら、原子炉ウエル空間の平
面積を小さく出来て原子炉建屋の小型化に貢献でき、さ
らには、既設プラントにおいては、既設のベローズとの
併用が可能な構造であり予防保全の観点からも効果大で
あり、原子炉ウエル水張り時クラッドを含んだ水にベロ
ーズが接水しないため、放射線被ばく線量の低減が可能
となる。
【0086】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、シールを上下多段にして多重シー
ル出来るから、シールの信頼性が向上する上、シールの
各段ごとに独立しているから各段のいずれかのシールが
不調でもシールの信頼性を失わない効果が得られる。
【0087】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
による効果に加えて、シール状態を試験することが出来
る効果が得られる。
【0088】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、下段シールへの加圧ラインがシー
ル面と接すること無くシール機能に干渉しないから、シ
ールの信頼性が一層良くなる効果が得られる。
【0089】請求項5の発明によれば、請求項1から請
求項4までのいずれか一項の発明による効果に加えて、
膨張収縮してフレキシブルで着脱自在であるため必要時
のみ取り付けが可能で、原子炉運転中の高温及び、高放
射線に接しないため経年劣化が低いという効果が得られ
る。
【0090】請求項6の発明によれば、シールを上下多
段にして多重シール出来るから、シールの信頼性が向上
する上、シールの各段ごとに独立しているから各段のい
ずれかのシールが不調でもシールの信頼性を失わない水
シール装置を提供できる効果が得られる。
【0091】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
による効果に加えて、シール状態を試験してシールの信
頼性を確認することが出来るという効果が得られる。
【0092】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
による効果に加えて、下段シールへの加圧ラインがシー
ル面と接すること無くシール機能に干渉しないから、シ
ールの信頼性が一層良くなる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原子炉建家内原子炉ウエル部構造
縦断面図。
【図2】本発明を従来技術に採用した原子炉建家内原子
炉ウエル部縦構造断面図。
【図3】本発明による水シール装置の本体縦断面図。
【図4】本発明による水シール装置のA室加圧ライン沿
いの縦断面図。
【図5】本発明による水シール装置のB室加圧ライン沿
いの縦断面図。
【図6】本発明による水シール装置のリーク試験圧加圧
ライン沿いの縦断面図。
【図7】従来技術による原子炉建家内原子炉ウエル構造
縦断面図。
【図8】従来技術と本発明による原子炉建家内原子炉ウ
エルの構造比較縦断面図。
【図9】本発明による水シール装置と圧力制御系統の全
体を要部断面にて表示した斜視図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…原子炉格納容器、3…原子炉
建屋、4…原子炉ウエル空間、5,6…ベローズ、7,
8…水シール装置、12,13,45…シール受け、1
4,15…間隙、16,17…気体チューブ、18…リ
ーク試験圧付与空間、22,23,24…加圧ライン、
25,31,37…加圧ポンプ、26,32…真空ポン
プ、27,28,29,33,34,35,38…弁、
30,36,39…圧力計。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉ウエル空間底部の原子炉圧力容器と
    原子炉格納容器との間隙及び原子炉格納容器と原子炉建
    屋との間隙の少なくとも一方の間隙に膨張収縮自在な水
    シール装置を備えている原子炉設備。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記水シール装置は、
    弾性体で構成されたトーラス状の複数の気体チューブを
    上下方向に連ねて構成され、前記各気体チューブ個々に
    加圧設備が接続されていることを特徴とした原子炉設
    備。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記水シール装置は、
    複数の気体チューブの上下間隔間にリーク試験圧付与空
    間を前記水シール装置が装着される間隙を構成する側面
    に接して備えており、前記リーク試験圧付与空間にはリ
    ーク試験圧の加圧設備が接続されていることを特徴とし
    た原子炉設備。
  4. 【請求項4】請求項3において、複数の気体チューブの
    内の下方の気体チューブへの加圧ラインとリーク試験圧
    付与空間への加圧ラインとが上方の気体チューブを貫通
    して上方の気体チューブよりも上方に抜け出ていること
    を特徴とした原子炉設備。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4までのいずれか一項
    において、水シール手段は間隙に着脱自在に装着されて
    いることを特徴とした原子炉設備。
  6. 【請求項6】弾性体で構成されており、互いに区画され
    て上下に連ねられたトーラス状の複数個の膨張収縮室
    と、前記各膨張収縮室の個々に備わるシール圧力の供給
    口とから成る水シール装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記各膨張収縮室の上
    下間隔間にリーク試験圧付与空間をシール面側に開口し
    て備えており、前記リーク試験圧付与空間にはリーク試
    験圧の供給口が備えられていることを特徴とした水シー
    ル装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、リーク試験圧の供給口
    と、上下の各膨張収縮室の内の下方へのシール圧力の供
    給口には、上方の膨張収縮室内を貫通して前記上方の膨
    張収縮室上方に抜ける加圧ラインが備えられていること
    を特徴とした水シール装置。
JP6023983A 1994-02-22 1994-02-22 水シール装置及びその水シール装置を用いた原子炉設備 Pending JPH07229994A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017096401A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 貯留タンク

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JP2017096401A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 貯留タンク

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