JP6408909B2 - 現像装置、現像方法、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法を利用した現像装置、現像方法、画像形成装置、画像形成方法に関する。
電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電荷像担持体上に静電潜像を形成する。次いで前記静電潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体にトナー像を転写した後、熱または圧力などにより記録媒体上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。このような画像形成装置としては、複写機やプリンターなどがある。
これらプリンターや複写機は近年アナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であると同時に、特にプリンターでは小型化が強く求められている。
従来、プリンターはネットワークにつながり、多人数がそのプリンターで印刷すると言う使われ方が多かったが、近年は個人の机にPCとプリンターを置き、手元で印刷すると言う需要も大きくなってきた。そのためにはプリンターの省スペース化が必要であり、プリンターは小型化の要求が強い。
また、このようなコンパクトなプリンターであっても高画質であり、長期間の使用においても画質変動が少ない高耐久性の要望も大きい。
ここでプリンターの小型化に着目すると、小型化には主に定着器の小型化と現像装置の小型化が有効である。特に、後者はプリンターの容積のかなりの部分を占めており、現像装置の小型化がプリンターの小型化には必須であると言える。
現像方式について考えると、プリンターの現像方式には2成分現像や1成分現像方式があるが、コンパクトと言う意味では1成分現像が適している。これは、キャリアなどの部材を使用しないためである。
次に、1成分現像での小型化について考えると、現像装置の小型化には静電潜像担持体やトナー担持体の径を小さくすることが有効である。また、高画質と言う観点ではトナー担持体と静電潜像担持体が接触配置された現像方式(以後、「接触現像方式」と呼ぶ)が好ましい。
しかし、トナー担持体を小径化した接触現像方式はトナーに対する負荷は大きくなり、長期間使用での画質低下が生じやすい。これは、トナー担持体が小径化することにより、例えばトナー担持体に接触配置されているトナー供給部材との通過回数が増えたり、曲率が大きくなるために当接部での当接圧が高くなるためである。
また、トナー供給部材は従来、トナー担持体と同方向に回転させ、両者の当接部での移動方向がそれぞれ逆方向であることが多かった。これは、現像しなかったトナーをかき取ると同時に、新たなトナーを供給することが容易であり、高画質化を達成しやすいためである。
このようにトナー担持体とトナー供給部材が同方向に回転する方式は高画質を得やすいものの、両者の当接部でそれぞれが逆方向に移動することにより、長期使用時のトナー劣化が生じやすいと言う課題があった。
これに対し、トナーに対する負荷を軽減し高耐久性を維持すると言う目的で近年トナー担持体とトナー供給部材を逆方向に回転させ、長期間の使用においても画質変動が少ない方式が採用され始めている。あるいは、トナー供給部材を用いないことでさらなる高耐久性を維持する試みもある(特許文献1および特許文献2参照)。
しかしながら、これらの現像装置では特有な課題が顕在化しやすい傾向にある。その一つが規制不良と呼ばれる課題である。規制不良とは、トナーを消費した直後の状態(以後、「黒後」と呼ぶ)のトナー担持体上のトナー量と、非印字領域などでトナーを消費していない状態(以後、「白後」と呼ぶ)のトナー担持体上のトナー量に違いが生じる現象である。具体的には、白後のトナー担持体上のトナー量が多くなる状態である。
このような規制不良が生じると、例えばゴーストと呼ばれる画像欠陥、非印字部に斑点状、波状のムラやトナー塊などが画像上に発生すると言う画像欠陥を生じる。
ここで規制不良について考えると、規制不良はトナー担持体上のトナーが鏡映力などによりトナー担持体に貼り付くことにより生じ、低温低湿環境下で特に発生しやすい。
付着力低減としては、特定の含水率と体積抵抗率を有するゾルゲル法によって製造されたシリカを用い、トナーの物理的付着力を低減する試みが提案されている(特許文献3参照)。
また、ゾルゲル法によって製造されたシリカと、乾式法により製造されたシリカを併用することにより流動性を良好なものとし、帯電安定性に優れるトナーも提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、これらの手法では特に低印字率での長期使用において効果は不十分であり、改善の余地があった。
一方、トナーの帯電量を下げ、鏡映力を低下させることにより規制不良は解消されるが、高温高湿環境下において非画像域でのカブリが悪化してしまい、低温低湿環境下での規制不良と高温高湿環境下でのカブリ抑制の両立には改善の余地があった。
特開2005−173484号公報 特開2006−154093号公報 特開2002−108001号公報 特開2012−189876号公報
本発明の目的は、高温高湿環境下でカブリが抑えられた画像が得られ、低温低湿環境下での規制不良が抑えられた現像装置、現像方法、画像形成装置および画像形成方法を提供することにある。
本発明は、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成するための現像装置において、
該現像装置が、
該静電潜像を現像するためのトナー、
該トナーを担持するためのトナー担持体、および、
該トナー担持体に担持された該トナーの層厚を規制するための規制部材
を有し、
該トナーが、
結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、
一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下である第一のシリカ微粒子、および、
一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下である第二のシリカ微粒子
を有する磁性トナーであり、
該第二のシリカ微粒子が、ゾルゲルシリカ微粒子であり、
該トナーのトータルエネルギーが、270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であり、
該トナー担持体が、基体、弾性層、および、ウレタン樹脂を含む表面層を有し、
該ウレタン樹脂が、下記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する
ことを特徴とする現像装置である。
Figure 0006408909
(構造式(1)中、
nは、1以上4以下の整数であり
は、各々独立に、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれるいずれかを表し、
(a)炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基、
(b)炭素数2以上8以下のアミノアルキル基、
(c)下記構造式(2)で示される基、
は、炭素数2以上4以下のアルキレン基を表す。)
Figure 0006408909
(構造式(2)中、
mは、2以上3以下の整数を表し、
は、炭素数2以上5以下のアルキレン基を表す。)
また、本発明は、現像装置を用い、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成する現像方法において、
該現像装置が、
該静電潜像を現像するためのトナー、
該トナーを担持するためのトナー担持体、および、
該トナー担持体に担持された該トナーの層厚を規制するための規制部材
を有し、
該トナーが、
結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、
一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下である第一のシリカ微粒子、および、
一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下である第二のシリカ微粒子
を有する磁性トナーであり、
該第二のシリカ微粒子が、ゾルゲル法によって製造されたシリカ微粒子であり、
該トナーのトータルエネルギーが、270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であり、
該トナー担持体が、基体、弾性層、および、ウレタン樹脂を含む表面層を有し、
該ウレタン樹脂が、上記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する
ことを特徴とする現像方法である。
また、本発明は、静電潜像担持体、
該静電潜像担持体の表面を帯電するための帯電手段、
帯電された該静電潜像担持体の表面に像露光光を照射して該静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成するための像露光手段、
該静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成するための現像装置、
中間転写体を介してまたは介さずに該静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、
該転写材に転写されたトナー像を該転写材に定着するための定着手段
を有する画像形成装置において、
該現像装置が、上記本発明の現像装置である
ことを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明は、静電潜像担持体の表面を帯電する帯電工程、
帯電された該静電潜像担持体の表面に像露光光を照射して該静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する像露光工程、
該静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成する現像工程、
中間転写体を介してまたは介さずに該静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程、および、
該転写材に転写されたトナー像を該転写材に定着する定着工程
を有する画像形成方法において、
該現像工程が、上記本発明の現像方法によって行われる工程である
ことを特徴とする画像形成方法である。
本発明によれば、高温高湿環境下でカブリが抑えられた画像が得られ、低温低湿環境下での規制不良が抑えられた現像装置、現像方法、画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
本発明に係るトナー担持体の一例を示す模式的断面図 本発明に係る現像装置の一例を示す模式的断面図 本発明に係る現像装置を有する画像形成装置の一例を示す模式的断面図 本発明に係る現像装置の一例を示す模式的断面図
本発明の現像装置は、
静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成するための現像装置において、
該現像装置が、
該静電潜像を現像するためのトナー、
該トナーを担持するためのトナー担持体、および、
該トナー担持体に担持された該トナーの層厚を規制するための規制部材
を有し、
該トナーが、
結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、
一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下である第一のシリカ微粒子、および、
一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下である第二のシリカ微粒子
を有する磁性トナーであり、
該第二のシリカ微粒子が、ゾルゲルシリカ微粒子であり、
該トナーのトータルエネルギーが、270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であり、
該トナー担持体が、基体、弾性層、および、ウレタン樹脂を含む表面層を有し、
該ウレタン樹脂が、下記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する
ことを特徴とする。
Figure 0006408909
構造式(1)中、
nは、1以上4以下の整数であり
は、各々独立に、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれるいずれかを表し、
(a)炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基、
(b)炭素数2以上8以下のアミノアルキル基、
(c)下記構造式(2)で示される基、
は、炭素数2以上4以下のアルキレン基を表す。
Figure 0006408909
構造式(2)中、
mは、2以上3以下の整数を表し、
は、炭素数2以上5以下のアルキレン基を表す。
本発明者らが詳細に検討したところ、
表面層に特定の化合物を含有するトナー担持体と、
ゾルゲル法により製造されたシリカを有し、特定の粉体特性をするトナーと、
を組み合わせて用いることにより、低温低湿環境下での規制不良と、高温高湿環境下でのカブリの回避を両立できることを見出した。
この理由について、以下に説明する。
まず、高温高湿環境下でのカブリに関し、トナーが帯電しにくい高温高湿環境下にて均一な帯電性を得るためには次の2つの条件が必要であると考えられる。一つは、部材の帯電性が高いことであり、もう一つは帯電機会が多いことである。一つ目の部材の帯電性に関しては、トナーはトナー担持体と接し、摩擦することにより帯電することが可能となる。そこで、本発明者らはトナー担持体の表面層に含有させる化合物を種々検討した結果、構造式(1)で示される化合物の帯電能が高いことを見出した。この理由については、構造式(1)で示される化合物は中心に窒素原子(N)を、そして窒素原子は孤立電子対(ローンペア)を有しているため、構造式(1)で示される化合物はルイス塩基である。ルイス塩基は電子供与性であるため、トナーは構造式(1)で示される化合物と接することにより、迅速な帯電を得ることができる。また、構造式(1)で示される化合物はイソシアネートとの反応によって構造式(1)で示される化合物の構造周辺に多数のウレタン基またはウレア基が生成した架橋構造が形成される。その結果、ミクロ的な硬度は高いものとなり、トナー規制部材とトナー担持体が当接する部分(以下、「規制部」と略す)にてトナーを規制する際もトナーがトナー担持体表面にめり込むことが少ない。この結果、トナーの良好な転がり性を維持できるようになり、トナーへの帯電性が向上する。
さらに、一般的に低分子量かつ多官能の化合物は立体障害によりすべての官能基が反応しにくくなる傾向がある。しかし、構造式(1)で示される化合物は分子内のアミノ骨格により末端の水酸基、アミノ基の反応性が高いため、未反応成分の生成が少ない。このことにより、帯電での均一性がさらに向上するとともに、上記架橋構造の均一性を高めることができるために非常に好ましい。
次に二つ目の帯電機会の多寡について説明する。トナーはトナー担持体により搬送され、規制部ではトナーにはトナー担持体で搬送される力と規制ブレードからの押圧による力が働く。その結果、トナー担持体表面のトナーはかき混ざるように入れ替わりながら搬送されていく。また、規制部でトナーが入れ替わることによりトナーはトナー担持体と接触し、摺擦を受ける。これによりトナーは帯電し、電荷を帯びるようになる。
ここで重要な点はトナーがトナー担持体上で入れ替わることであり、入れ替わりが良好なトナーは帯電機会が多いと考えられる。そこで、本発明に用いるトナーは、トータルエネルギーが270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であることが重要である。トータルエネルギーとは、トナーに圧力をかけて圧密した後、それをほぐすために必要な応力を示した物性値であり、規制部でのほぐれやすさを示す指標である。トータルエネルギーが355mJ/(g/ml)以下であるとトナーはほぐれやすい状態であり、トナー担持体上での入れ替わりが良好なものとなり好ましい。一方、トータルエネルギーが270mJ/(g/ml)より小さい場合、画像欠陥が生じる場合が多く好ましくない。トータルエネルギーを270mJ/(g/ml)より小さくするためには、例えば外添剤を多量に添加したり、後述するゾルゲル法により製造される第二のシリカ微粒子を多量に添加したりする必要がある。このような場合、多量に外添剤が存在することにより所望の帯電性が得られずにカブリを生じたり、トナー規制部材に外添剤が付着し、それが起点となり画像スジが生じやすくなったりしてしまう。このため、本発明に用いるトナーのトータルエネルギーは270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であることが重要である。
上述のように、本発明に用いるトナーはほぐれやすいトナーであるため、規制部での入れ替わり性が良好なものとなり、帯電機会を多く得ることが可能となる。
これまで述べてきたように、本発明に用いるトナー担持体は、表面層に構造式(1)で示される化合物を有しているため、帯電性が高い。また、本発明に用いるトナーは、そのトータルエネルギーが低く、ほぐれやすいため、帯電機会を多く得ることができる。これら2点の相乗効果により、帯電しにくい高温高湿環境下でも均一で高い帯電性を得ることができ、カブリを抑制できる。
さらに、トナー担持体が静電潜像担持体に接触配置される場合は、接触配置による課題も明らかになってきた。それは、トナー担持体上のトナーが静電潜像担持体との当接部(以後、「現像当接部」と略す)を通過する際に、トナーの帯電量が低下、あるいは、反転してしまい、カブリが悪化すると言う課題である。これは現像当接部の幅が広ければ広いほど顕著に生じる。
現像当接部通過によるトナー帯電量の低下の詳細は分かっていないが、これに対しても本発明は非常に有効である。これは、これまで述べてきたように、本発明に用いるトナー担持体は帯電性が高く、ミクロ的な硬度が高い。さらに、ほぐれやすいトナーであるため、現像当接部通過時であってもトナー担持体上でトナーは良好に転がることができ、トナーの帯電量を均一に高く維持することができる。このため、現像当接部が広い場合であっても現像当接部通過時にトナーの帯電性が低下せず、カブリが悪化することは無い。
次に、低温低湿環境下での規制不良に関して説明する。これまで述べてきたように本発明に用いるトナー担持体は表面層に構造式(1)で示される化合物を有しており、帯電性が高い。これは低温低湿環境下においても同様であり、トナーの帯電量はより高くなる傾向にある。特に、白後の帯電量は非常に高く、鏡映力が大きくなることによりトナー担持体上のトナー量が増加してしまい、規制不良が発生しやすくなってしまう。
これに対し、本発明に用いるトナーはゾルゲル法により製造された第二のシリカ微粒子を有している。ゾルゲル法により製造されたシリカ微粒子は表面に水酸基を数多く有しており、トナーが過帯電しにくい。このため、鏡映力の上昇を抑制することができる。さらに、ゾルゲル法により製造されたシリカ微粒子の一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下と比較的大きいため、トナー粒子がトナー担持体に直接接する機会が減少する。このため、トナーとトナー担持体間に働くVan der Waals力も低下すると考えられる。トナーとトナー担持体間の付着力は鏡映力とVan der Waals力の和である。よって、ゾルゲル法により製造された一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下のシリカ微粒子を用いることにより、トナーとトナー担持体間の付着力を大幅に低下させることが可能となる。
また、本発明に用いるトナーのトータルエネルギーは低く、トナーがほぐれやすい状態である。さらに、本発明に用いるトナーは、一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下のシリカ粒子を有していることにより、トナーの流動性が非常に良好である。
上記の3点の効果、即ち、トナーとトナー担持体間の付着力の大幅な低下、そして、規制部において流動性が高く、ほぐれやすい状態であることの相乗効果により、白後であってもトナー担持体上のトナー量が増加せず、規制不良を抑制することができる。
以上のことより、高温高湿環境下でのカブリの大幅な抑制と、低温低湿環境下での規制不良の抑制をはじめて両立することが可能となった。
なお、本発明に用いるトナーの第一のシリカ微粒子に関しては、一次粒子の数平均粒径(D1)が20nmよりも大きい場合、トナーの流動性が悪化してしまい、規制不良が悪化するので好ましくない。一方、一次粒子の数平均粒径(D1)が5nmより小さい場合、シリカ微粒子は凝集しやすく、凝集塊として存在しやすくなるために所望の流動性が得られにくく好ましくない。
また、第二のシリカ微粒子としてゾルゲル法により製造されたシリカ微粒子の代わりにヒュームドシリカを用いると、白後トナーの帯電量が増加してしまい、規制不良が悪化するので好ましくない。
本発明に用いるトナーのトータルエネルギーは、ゾルゲル法により製造されたシリカ微粒子の量、第一のシリカ微粒子の量、他の外添剤種の添加、外添条件などにより任意に変更することができる。
具体的には、ゾルゲル法により製造されたシリカ微粒子の量が多いほどトータルエネルギーは低下する傾向にあり、また、例えば酸化チタンなどを添加してもトータルエネルギーを抑制することが可能である。
本発明に用いるトナーは、トナー粒子にゾルゲル法によって製造された第二のシリカ微粒子を添加・混合した後に、第一のシリカ微粒子を添加・混合し、製造することが好ましい。前述のように、第二のシリカ微粒子は一次粒子の数平均粒径(D1)が比較的大きなものであり、トナー粒子への付着力が低く遊離しやすい。
このため、ゾルゲル法によって製造された第二のシリカ微粒子を添加・混合した後に第一のシリカ微粒子を添加・混合することにより、トナー粒子に対する第二のシリカ微粒子の固着率が向上する。これにより、長期使用でもゾルゲル法による第二のシリカ微粒子がトナー表面に十分な量、残存できるようになり、長期使用においても規制不良がより良化するので好ましい。
本発明に用いるトナーは、ゾルゲル法により製造された第二のシリカ微粒子を有している。第二のシリカ微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.05質量部以上1.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上0.7質量部以下であることがより好ましい。このようにすることで、トナーのトータルエネルギーを制御しやすくなるとともに、本発明の効果をより好適に奏することが可能となる。
本発明に用いるトナーは第一のシリカ微粒子を有しているが、第一のシリカ微粒子がシリカ原体をシリコーンオイルによって処理した後、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方で処理したものであることが好ましい。
このようなシリカ微粒子を用いることにより、シリカ微粒子自体の凝集物が少なく、非常に良好な流動性をトナーに付与することが可能となる。その結果、規制不良がより良化する。
また、該シリカ微粒子は、シリカ微粒子の該シリコーンオイルの炭素基準の固定化率が90%以上であることが好ましい。シリカ微粒子のオイル固定化率が90%以上と言うことは、大半のオイルがシリカ微粒子に固着していることを示している。その結果、高温高湿環境下でのカブリが良化するとともに、規制不良が非常に良好なものとなり好ましい。
本発明に用いるトナーの重量平均粒径(D4)は5.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.5μm以上11.0μm以下である。重量平均粒径(D4)が上記範囲であると良好な流動性が得られ、潜像に忠実に現像することができる。このため、ドット再現性に優れた良好な画像を得ることができる。
本発明に用いるトナーは、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比、D4/D1が1.30以下であることが好ましく、より好ましくは1.25以下である。D4/D1が1.30以下と言うことは、トナーの粒度分布がシャープであることを意味する。
これまで述べてきたように、本発明に用いるトナーはトナー担持体との付着力が低いことが重要である。付着力はトナー粒径にも依存し、小粒径であるほど付着力が高くなり、大粒径であるほど付着力は低くなる。このため、粒度分布がシャープであると個々のトナーの付着力のバラつきが少なくなり、規制部でのトナーの入れ替わりが良好になりやすく、好ましい。
本発明に用いるトナーの平均円形度は、0.950以上であることが好ましい。トナーの平均円形度が0.950以上ではトナーの形状は球形またはこれに近い形になり、流動性に優れ均一な摩擦帯電性を得られやすく、高温高湿環境下でのカブリがより良化する。
本発明に用いるトナーのガラス転移温度(Tg)は、40.0℃以上70.0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が上記範囲であると、良好な定着性を維持しつつ保存安定性、そして耐久性を向上できるために好ましい。
本発明に用いるトナーの結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられるが、特に限定されず従来公知の樹脂を用いることができる。
具体的には、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂を用いることができ、これらは単独でまたは複数種を組み合わせて用いることができる。この中でも特にスチレン系共重合体およびポリエステル樹脂が現像特性、定着性などの点で好ましい。
本発明に用いるトナーは、帯電特性向上のために必要に応じて荷電制御剤を配合してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できるが、帯電スピードが速く、かつ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が特に好ましい。さらに、トナーを後述するような重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤として、具体的には、
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物;
アゾ染料またはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;
スルフォン酸またはカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物;
ホウ素化合物;
尿素化合物;
ケイ素化合物;
カリックスアレーン
などが挙げられる。
これらの荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり一義的に限定されるものではない。しかし、トナー粒子に内部添加する場合、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲で用いられる。また、トナー粒子に外部添加する場合、トナー100質量部に対して好ましくは0.005質量部以上1.000質量部以下、より好ましくは0.010質量部以上0.300質量部以下である。
本発明に用いるトナーは定着性向上のため、離型剤を含有してもよく、結着樹脂に対し1.0質量%以上30.0質量%以下を含有することが好ましく、より好ましくは、3.0質量%以上25.0質量%以下である。
離型剤の含有量が1.0質量%未満では、低温オフセット抑制効果が乏しくなる。また、30.0質量%を超えると長期間の保存性が悪化すると共に、トナー表面へのしみ出し等によりトナーの帯電均一性が劣るものとなり、転写効率の低下を招き好ましくない。
本発明に用いるトナーに使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなど天然ワックスおよびその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸、酸アミドワックス、エステルワックス、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスなども使用できる。
また、これら離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、60℃以上140℃以下であることが好ましい。より好ましくは65℃以上120℃以下である。融点が60℃以下の場合は、トナーの粘度が低下しやすく、トナー担持体への融着が発生しやすくなり好ましくない。一方、融点が140℃以上の場合は、低温定着性が悪化しやすく好ましくない。
離型剤の融点は、DSCにて測定した際の吸熱ピークのピークトップとする。吸熱ピークのピークトップの測定はASTM D 3417−99に準じて行う。これらの測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7、TAインストルメント社製DSC2920、TAインストルメント社製Q1000を用いることができる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし測定する。
本発明に用いるトナーは磁性体を有しているが、磁性体は結着樹脂100質量部に対して20質量部以上150質量部以下であることが好ましい。
なお、トナー中の磁性体の含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用いて測定することができる。測定方法は以下の通りである。窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃までトナーを加熱する。100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存質量を近似的に磁性体量とする。
磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2m/g以上30m/g以下であることが好ましく、3m/g以上28m/g以下であることがより好ましい。磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形などの異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体は、体積平均粒径(D3)が0.10μm以上0.40μm以下であることが好ましい。磁性体の体積平均粒径(D3)が上記範囲であると磁性体の分散性が良好となり、トナーの着色力が向上するので好ましい。
なお、磁性体の体積平均粒径(D3)は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させた硬化物を得る。得られた硬化物をミクロトームにより薄片状のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体粒子径を測定する。そして、磁性体の投影面積に等しい円の相当径を基に、体積平均粒径(D3)の算出を行う。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウムなどのアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粉体の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを5以上10以下に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。このとき、任意のpHおよび反応温度、攪拌条件を選択することにより、磁性体の形状および磁気特性をコントロールすることが可能である。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは5未満にしない方が好ましい。このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより磁性体を得ることができる。
また、本発明において重合法にてトナーを製造する場合、磁性体表面を疎水化処理することが非常に好ましい。乾式にて疎水化処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性体にカップリング剤を添加し、疎水化処理を行う。湿式にて疎水化処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、または酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、カップリング剤を添加し疎水化処理を行う。具体的には、再分散液を十分攪拌しながらシランカップリング剤を添加し、加水分解後温度を上げる、または、加水分解後に分散液のpHをアルカリ域に調整することで疎水化処理を行う。この中でも、均一な疎水化処理を行うという観点から、酸化反応終了後、ろ過、洗浄後に乾燥させずそのままスラリー化し、疎水化処理を行うことが好ましい。
本発明における磁性体の疎水化処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、下記一般式(A)で示されるものである。
SiY (A)
[式(A)中、Rはアルコキシ基を示し、mは1以上3以下の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基などの官能基を示し、nは1以上3以下の整数を示す。但し、m+n=4である。]
一般式(A)で示されるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシランなどを挙げることができる。
この中で、高い疎水性を磁性体に付与するという観点では、下記一般式(B)で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を用いることが好ましい。
2p+1−Si−(OC2q+1 (B)
[式(B)中、pは2以上20以下の整数を示し、qは1以上3以下の整数を示す。]
上記式におけるpが2より小さいと、磁性体に疎水性を十分に付与することが困難であり、またpが20より大きいと疎水性は十分になるが、磁性体同士の合一が多くなり好ましくない。さらに、qが3より大きいとシランカップリング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。このため、式中のpが2以上20以下の整数(より好ましくは、3以上15以下の整数)であり、qが1以上3以下の整数(より好ましくは、1または2の整数)であるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用することが好ましい。
用いるカップリング剤の総処理量は磁性体100質量部に対して0.5質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、磁性体の表面積、カップリング剤の反応性などに応じて処理剤の量を調整することが重要である。
本発明では、磁性体以外に他の着色剤を併用してもよい。併用し得る着色剤としては、公知の染料および顔料の他、磁性または非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金。ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニンなどが挙げられる。これらもまた、表面を疎水化処理して用いることが好ましい。
本発明に用いるトナーは、公知のいずれの方法によっても製造することが可能である。まず、粉砕法により製造する場合は、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤などのトナーとして必要な成分およびその他の添加剤などをヘンシェルミキサー、ボールミルなどの混合器により十分混合する。その後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練してトナー材料を分散または溶解させ、冷却固化、粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒子を得ることができる。分級および表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式などの公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。また、本発明に用いる好ましい円形度を有するトナーを得るためには、さらに熱をかけて粉砕したり、補助的に機械的衝撃を加える処理を行ったりすることが好ましい。また、微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法などを用いてもよい。
機械的衝撃力を加える手段としては、例えば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社製のターボミルなどの機械衝撃式粉砕機を用いる方法が挙げられる。また、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムなどの装置のように、高速回転する羽根によりトナーをケーシングの内側に遠心力により押しつけ、トナーに機械的衝撃力を加える方法が挙げられる。
本発明に用いるトナーは、上述のように粉砕法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形のものであり、トータルエネルギーが高くなる傾向にある。そこで、本発明に用いるトナーは分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法など、水系媒体中でトナーを製造することが好ましく、特に懸濁重合法は本発明の好適な物性を満たしやすく非常に好ましい。
懸濁重合法とは、重合性単量体および着色剤(さらに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し、重合反応を行わせることにより所望の粒径を有するトナーを得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー(以後「重合トナー」ともいう)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、トータルエネルギーが低くなりやすく好ましい。さらにこういったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるために画質の向上が期待できる。
本発明に関わる重合トナーの製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル類;その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、または混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、または、他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性および耐久性の点から好ましい。
本発明に用いるトナーの重合法による製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間以上30.0時間以下であるものが好ましい。また、重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上20.0質量部以下の添加量で用いて重合反応を行うと、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
具体的な重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレートなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明に用いるトナーを重合法により製造する際は、架橋剤を添加してもよく、好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上5.00質量部以下である。
ここで架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物;
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;
3個以上のビニル基を有する化合物
などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上の混合物として用いることができる。
本発明に用いるトナーを重合法で製造する方法では、一般に、上述のトナー組成物などを適宜加えて、分散機によって均一に溶解または分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。分散機としては、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機などが挙げられる。ただ、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤の添加時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合開始剤を加えることもできる。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持されかつ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
本発明に用いるトナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じにくく、その立体障害性により分散安定性を得ているので好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、
燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイトなどの燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、
メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機塩、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機化合物
が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2質量部以上20.0質量部以下を用いることが望ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。さらに、界面活性剤を併用してもよい。
上記重合性単量体を重合する工程において、重合温度は40℃以上、一般には50℃以上90℃以下の温度に設定される。この温度範囲で重合を行うと、内部に封じられるべき離型剤が相分離により析出して内包化がより完全となる。
上記重合性単量体の重合終了後、得られた重合体粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することによりトナー粒子が得られる。このトナー粒子に、後述するような無機微粒子を必要に応じて混合して該トナー粒子の表面に付着させることで、本発明に用いるトナーを得ることができる。また、製造工程(無機微粒子の混合前)に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカットすることも可能である。
本発明に用いるトナーはこれまで述べてきたように、一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下の第一のシリカ微粒子と、一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下の第二のシリカ微粒子とを含有する。
第一のシリカ微粒子はヒュームドシリカであり、シリカ原体100質量部に対して15.0質量部以上40.0質量部以下のシリコーンオイルによって疎水化処理されたものが好ましい。疎水化処理の程度は、高温多湿環境における帯電性の低下の抑制という観点から、メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明において、第一のシリカ微粒子の処理に用いるシリコーンオイルの25℃における動粘度は、30mm/s以上500mm/s以下であることが好ましい。動粘度が上記範囲の場合、シリカ原体をシリコーンオイルで疎水化処理する際に、均一性を制御しやすい。さらに、シリコーンオイルの動粘度は、シリコーンオイルの分子鎖長に密接に関係しており、動粘度が上述の範囲にある場合、シリカ微粒子の凝集度を好適な範囲に制御しやすいため、好ましい。シリコーンオイルの25℃における動粘度のより好ましい範囲は、40mm/s以上300mm/s以下である。シリコーンオイルの動粘度を測定する装置としては、細管式動粘度計(蕪木科学器械工業(株)製)または全自動微量動粘度計(ビスコテック(株)製)が挙げられる。
本発明に用いる第一のシリカ微粒子は、シリカ原体をシリコーンオイルにより処理した後に、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方で処理されたものであることが好ましい。こうすることにより、シリコーンオイルで疎水化処理できなかったシリカ原体表面を疎水化処理できるため、高疎水化度のシリカ微粒子を安定して得ることが可能である。さらに、このようなシリカ微粒子は凝集物が少ないため流動性が向上し、トナーのほぐれやすさを大幅に改善できるために好ましい。
本発明に用いる第一のシリカ微粒子は、上記処理工程中に、または、処理工程後に解砕処理を行ってもよい。さらに、2段処理を行う場合、処理の間に解砕処理を行うことも可能である。
上記シリカ原体のシリコーンオイルによる表面処理、ならびに、アルコキシシランおよびシラザンによる表面処理は乾式処理または湿式処理のいずれでもよい。
上記シリカ原体のシリコーンオイルによる表面処理の具体的な手順は、例えば、シリコーンオイルを溶かした溶剤(好ましくは有機酸などでpH4に調整)の中にシリカ微粒子を入れて反応させ、その後、溶剤を除去する。その後、解砕処理を施してもよい。
続いて、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方による表面処理を行う場合の具体的な手順は以下の通りである。アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方を溶かした溶剤の中に、解砕したシリコーンオイル処理済シリカ微粒子を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、以下のような方法でもよい。例えば、シリコーンオイルによる表面処理では、シリカ微粒子を反応槽に入れる。そして、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、シリコーンオイルを反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去し、解砕処理を行う。アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方による表面処理では、窒素雰囲気下、撹拌しながら、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方を導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。
上記アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが好適に例示できる。一方、シラザンとしては、ヘキサメチルジシラザンが好適に例示できる。
これらアルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方による処理量は、シリカ原体100質量部に対して、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方の総量として、0.1質量部以上20.0質量部以下である。
上記第一のシリカ微粒子の該シリコーンオイルの炭素基準の固定化率は90%以上であることが好ましい。ここで、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は、シリカ原体表面に化学的に結合しているシリコーンオイル分子の量に対応する。
上記第一のシリカ微粒子におけるシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を上げるためには、上述のシリカ微粒子を得る過程において、シリコーンオイルをシリカ原体の表面に化学的に固定化させる必要がある。そのためには、シリカ微粒子を得る過程において、シリコーンオイルの反応のために、加熱処理を行う方法が好適に例示できる。加熱処理温度は100℃以上が好ましく、加熱処理温度が高いほど、固定化率を上げることが可能である。この加熱処理工程は、シリコーンオイル処理を行った直後に行うことが好ましいが、解砕処理を行う場合は、解砕処理工程後に加熱処理工程を行ってもよい。
本発明において第一のシリカ微粒子の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して0.2質量部以上3.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上2.0質量部以下である。第一のシリカ微粒子の添加量が上記範囲であると、磁性トナーに良好な流動性を与えることができ、定着性も阻害しないので好ましい。
次に、本発明に用いるトナー担持体について説明する。
本発明に用いるトナー担持体は基体、弾性層およびウレタン樹脂を含む表面層を有し、該ウレタン樹脂は上記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有している。
本発明に係るトナー担持体の一実施形態を図1に示す。図1に示した導電性ローラー1(トナー担持体)は、円柱状または中空円筒状の導電性の基体2の外周面に弾性層3が形成されている。また、表面層4は、弾性層3の外周面を被覆している。
〈基体〉
基体2は、導電性ローラー1の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼のような金属または合金;クロム、またはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂のような導電性の材質で構成される。
〈弾性層〉
弾性層3は、導電性ローラー1と静電潜像担持体との当接部において、所定の幅の当接部を形成するために必要な弾性を導電性ローラーに与えるものである。
弾性層3は、通常ゴム材料の成型体により形成されることが好ましい。ゴム材料としては以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、特に、長期に亘り他の部材(現像剤規制ブレードなど)が当接した場合にも圧縮永久歪みを弾性層に生じさせにくいシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、付加硬化型のシリコーンゴムの硬化物などが挙げられる。さらに言えば、後述する表面層との接着性が優れることから、付加硬化型ジメチルシリコーンゴムの硬化物とすることが特に好ましい。
弾性層3中には、導電性付与剤、非導電性充填剤、架橋剤、触媒のような各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、カーボンブラック;アルミニウム、銅のような導電性金属;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンのような導電性金属酸化物の微粒子を用いることができる。このうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られるので特に好ましい。導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、ゴム材中のゴム100質量部に対して2〜50質量部配合される。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛または炭酸カルシウムが挙げられる。架橋剤としては、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキシ)ヘキサンまたはジクミルパーオキサイドが挙げられる。触媒としては通常使用される公知の触媒が挙げられる。
〈表面層〉
表面層4はウレタン樹脂を主成分とした樹脂層であり、ウレタン樹脂はポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られ、以下のようにして合成することができる。
まず、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールのようなポリオール成分とポリイソシアネートとを反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得る。
次いで、イソシアネート基末端プレポリマーを、構造式(1)の構造を有する化合物と反応させることで、本発明に係るウレタン樹脂を得ることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,4−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールのようなジオール成分、トリメチロールプロパンのようなトリオール成分と、アジピン酸、無水フタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロキシフタル酸などのジカルボン酸との縮合反応により得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
上記以外には、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールのようなポリオレフィンポリオール、またはこれらの水素添加物、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。
これらのポリオール成分は必要に応じて、あらかじめ2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)のようなイソシアネートにより鎖延長したプレポリマーとしてもよい。
該ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールの数平均分子量は1000以上、4000以下であることが特に好ましい。ポリオールの数平均分子量が上記範囲であると、分子量に対する水酸基量が多いためにイソシアネートと高い反応性を示し、未反応成分が少なくなるため高温高湿環境下での帯電性がより良好となる。
これらのポリオール成分、および構造式(1)で示される化合物と反応させるイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のような脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートのような脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような芳香族イソシアネートおよびこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体を用いることができる。
この中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族イソシアネートがより好適に用いられる。
ポリオール成分、および構造式(1)で示される化合物と反応させるイソシアネート化合物の混合比は、各々の水酸基1.0に対してイソシアネート基の比率が1.0から2.0の範囲であることが好ましい。
本発明に用いるトナー担持体の表面層には構造式(1)で示される化合物を有するが、これまで述べてきたように、この化合物を用いることにより、トナーの良好な転がり性を維持できるとともに、トナーに高い帯電性を付与することが可能となる。
Figure 0006408909
構造式(1)で示される化合物について詳細に述べると、構造式(1)で示される化合物は、分子中にアミン構造を有する多官能ポリオールまたは末端アミノ化合物を表す。nが1以上4以下の場合、すなわち反応性の官能基である水酸基またはアミノ基を4個以上7個以下有する構造の場合、ウレタン基またはウレア基による架橋構造が良好に形成され、ミクロ的な硬度が向上する。この結果、トナーの良好な転がり性を維持できる。
次に、本発明者らの検討によれば、本効果は構造式(1)で示される化合物の水酸基またはアミノ基数が4以上7以下で奏される。そのため構造式(1)で示される化合物の末端官能基は、最低4個あればよく、残りがアルキル基で置換されていても同等の効果が得られる。
構造式(1)で示される化合物中、Rは各々独立に下記(a)〜(c)からなる群から選ばれるいずれかである。
(a)炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基、
(b)炭素数2以上8以下のアミノアルキル基、
(c)構造式(2)で示される基、
が、ヒドロキシアルキル基である場合は炭素数が1以上8以下、Rがアミノアルキル基である場合は炭素数が2以上8以下であると、ウレタンまたはウレア基による架橋構造を形成しやすく好ましい。
構造式(2)は所謂エーテルの繰り返し単位を有する末端が水酸基である基を表す。Rが構造式(2)で示される基である場合も、同様の理由で、Rは炭素数が2以上5以下のアルキレン基であり、エーテル繰り返し数mは2以上3以下であることが好ましい。
Figure 0006408909
構造式(1)中、Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基であることが好ましい。炭素数2以上4以下のアルキレン基であるとトナー担持体の帯電性が向上する。これは、Rが炭素数2以上4以下のアルキレン基であると分子として適度な大きさとなるため、イソシアネートと反応する際の分散性が良好なものとなるためであると考えている。
構造式(1)で示される化合物のうち、構造式(3)で示されるものが好ましい。すなわち、構造式(1)で示される化合物中、nが1または2であり、Rが各々独立に炭素数2または炭素数3のアルキレン基であり、Rが炭素数2のアルキレン基であることが好ましい。
構造式(3)に由来する部分構造を含むウレタン樹脂は、官能基価(5官能)、ウレタン基間の距離が最も好適な範囲になるため、規制部でのトナーの転がり性が良好なものとなり特に好ましい。
Figure 0006408909
構造式(3)中、nは1または2であり、Rは各々独立に炭素数2または炭素数3のアルキレン基であり、Rは炭素数2のアルキレン基を表す。
なお、本発明において、構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応によって形成されてなる構造は、
が前記(a)の炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基である場合や、Rが前記(c)の上記構造式(2)で示される基である場合、
構造式(1)の末端にウレタン基を有する構造となる。
また、Rが前記(b)の炭素数1以上8以下のアミノアルキル基である場合、構造式(1)の末端にウレア基を有する構造となる。
表面層4は導電性を有することが好ましい。導電性の付与手段としてはイオン導電剤や導電性微粒子の添加が挙げられるが、安価であり抵抗の環境変動が少ない導電性微粒子が好適に用いられ、また導電付与性と補強性の観点からカーボンブラックが特に好ましい。該導電性微粒子の性状として、一次粒子径18nm以上50nm以下、かつDBP吸油量が50ml/100g以上160ml/100g以下であるようなカ−ボンブラックであると、導電性、硬度、分散性のバランスが良好であり好ましい。導電性微粒子の含有率は、表面層を形成する樹脂成分100質量部に対して10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
トナー担持体として表面粗度が必要な場合は、表面層4に粗さ制御のための微粒子を添加してもよい。粗さ制御用微粒子としては、体積平均粒径(D3)が3μm以上20μm以下であることが好ましい。また、表面層に添加する粒子添加量が、表面層の樹脂固形分100質量部に対し、1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。粗さ制御用微粒子には、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂の微粒子を用いることができる。
表面層4の形成方法としては特に限定されるものではないが、塗料によるスプレー、浸漬、またはロールコートが挙げられる。特開昭57−5047号公報に記載されているような浸漬槽上端から塗料をオーバーフローさせる浸漬塗工方法は、表面層を形成する方法として簡便で生産安定性に優れている。
次に本発明の現像装置について図面を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
図2は、本発明の現像装置の一例を示す模式的断面図である。また、図3は、本発明の現像装置が組み込まれた画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。
図2または図3において、静電潜像が形成された像担持体である静電潜像担持体5は、矢印R1方向に回転される。トナー担持体7は矢印R2方向に回転することによって、トナー担持体7と静電潜像担持体5とが対向している現像領域にトナー19を搬送する。また、トナー担持体にはトナー供給部材8が接しており、矢印R3方向に回転することによって、トナー担持体表面にトナー19を供給している。
静電潜像担持体5の周囲には帯電ローラー6、転写部材(転写ローラー)10、クリーナー容器11、クリーニングブレード12、定着器13、ピックアップローラー14などが設けられている。静電潜像担持体5は帯電ローラー6によって帯電される。そして、レーザー発生装置16により像露光光であるレーザー光を静電潜像担持体5に照射することによって像露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体5上の静電潜像は現像器9内のトナーで現像されてトナー画像を得る。トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体5に当接された転写部材(転写ローラー)10により転写材(紙)15上へ転写される。静電潜像担持体から転写材へのトナー画像の転写は、中間転写体を介して行われてもよい。トナー画像を載せた転写材(紙)15は定着器13へ運ばれ転写材(紙)15上に定着される。また、一部静電潜像担持体5上に残されたトナー19はクリーニングブレード12によりかき落とされ、クリーナー容器11に収納される。
本発明の現像装置における帯電工程において、静電潜像担持体と帯電ローラーとが当接部を形成して接触し、帯電ローラーに所定の帯電バイアスを印加して静電潜像担持体面を所定の極性・電位に帯電させる接触帯電装置を用いることが好ましい。このように接触帯電を行うことで、安定した均一な帯電を行うことができ、さらに、オゾンの発生が低減することが可能である。また、静電潜像担持体との接触を均一に保ち、均一な帯電を行うために、静電潜像担持体と同方向に回転する帯電ローラーを用いることがより好ましい。
帯電ローラーを用いたときの好ましいプロセス条件として、帯電ローラーの当接圧を4.9N/m以上490.0N/m以下の範囲に調節し、直流電圧または直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が例示できる。
交流電圧は0.5kVpp以上5.0kVpp以下、交流周波数は50Hz以上5kHz以下、直流電圧としては電圧の絶対値が400V以上1700V以下であることが好ましい。
帯電ローラーの材質としては、弾性体に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物などの導電性物質を分散したゴム材、また、これらを発泡させたものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。弾性体の材料としては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、ウレタン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴムなどが挙げられる。また、導電性物質を分散せずに、または、導電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
また、帯電ローラーに用いられる芯金としては、アルミニウム、SUSなどが挙げられる。帯電ローラーは、静電潜像担持体としての被帯電体に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、帯電ローラーと静電潜像担持体の当接部である帯電当接部を形成させる。
次に、本発明の現像装置において好ましく適用される接触転写工程について具体的に説明する。接触転写工程とは、静電潜像担持体が記録媒体を介してトナーと逆極性の電圧が印加された転写部材と当接しながらトナー像を記録媒体に静電転写するものである。転写部材の当接圧力としては線圧2.9N/m以上であることが好ましく、より好ましくは19.6N/m以上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m未満であると、記録媒体の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなる。
本発明において、トナー規制部材がトナーを介してトナー担持体に当接することによってトナー担持体上のトナー層厚を規制することが好ましい。このようにすることでカブリの無い高画質を得ることができる。トナー担持体に当接するトナー規制部材としては、規制ブレードが一般的であり、本発明においても好適に使用できる。
上記規制ブレードとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRのようなゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートのような合成樹脂弾性体、リン青銅板、SUS板などの金属弾性体が使用でき、さらに、それらの複合体であってもよい。さらに、ゴム、合成樹脂、金属弾性体のような弾性支持体に、トナーの帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸化物、金属のような帯電コントロール物質をトナー担持体当接部分に当たるようにつけたものを用いてもよい。この中でも、金属弾性体に樹脂、ゴムをトナー担持体当接部に当たるように貼り合わせるものが特に好ましい。
金属弾性体に貼り合わせる部材の材質としては、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂のような正極性に帯電しやすいものが好ましい。
上記規制ブレード上辺部側である基部は現像器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性力に抗してトナー担持体の順方向または逆方向にたわめ状態にしてトナー担持体表面に適度の弾性押圧力をもって当接させる。
規制ブレードとトナー担持体との当接圧力は、トナー担持体母線方向の線圧として、好ましくは、1.30N/m以上245.0N/m以下、さらに好ましくは4.9N/m以上118.0N/m以下である。当接圧力が1.30N/mより小さい場合、トナーの均一塗布が困難となり、カブリや飛散の原因となりやすい。当接圧力が245.0N/mを超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーの劣化が起こりやすくなる傾向にある。
トナー担持体上のトナー量は、2.0g/m以上15.0g/m以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0g/m以上14.0g/m以下である。トナー担持体上のトナー量が2.0g/mよりも小さいと十分な画像濃度が得られにくい。
一方、トナー担持体上のトナー量が15.0g/mよりも多くなると規制不良が発生しやすくなり、また、均一帯電性が損なわれやすいことからカブリの増大を招く傾向にある。
なお、本発明において、トナー担持体上のトナー量はトナー担持体の表面粗さ(Ra)、規制ブレードの自由長、規制ブレードの当接圧を変えることにより任意に変えることが可能である。
トナー担持体上のトナー量の測定であるが、外径が6.5mmの吸い口に円筒ろ紙を装着する。これを掃除機に取り付け、吸引しながらトナー担持体上のトナーを吸い取り、吸い取ったトナー量(g)を吸い取った面積(m)で割った値をもってトナー担持体上のトナー量とする。
本発明において、トナーを担持するトナー担持体の外径は8.0mm以上14.0mm以下であることが好ましい。現像装置のコンパクト化と言う意味ではトナー担持体の外径は小さいほど良いが、外径が小さくなればなるほど現像性が低下しやすく、カブリも悪化傾向にある。このため、本発明に用いるトナー担持体とトナーにおいては、コンパクト化とカブリの両立のためにトナー担持体の外径は8.0mm以上14.0mm以下であることが好ましい。
本発明に用いるトナー担持体の表面粗さは、JIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaで、0.3μm以上5.0μm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上4.5μm以下である。
Raが0.3μm以上5.0μm以下であると、トナーの搬送量が充分に得られる上、トナー担持体上のトナー量を規制しやすくなり規制不良が生じにくくなるとともに、トナーの帯電量が均一になりやすい。
トナー担持体表面のJIS B 0601:1994表面粗さの規格における中心線平均粗さRaの測定は、小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用いて行う。測定条件としてはカットオフ0.8mm、評価長さ4mm、送り速度0.5mm/sにて、9点(軸方向に等間隔に取った3点の各点について周方向に3点)について測定し、その平均値をとった。
本発明におけるトナー担持体の表面粗さを上記範囲にするには、例えば、トナー担持体の表層の研磨状態を変える、あるいは球状炭素粒子、カーボン微粒子、グラファイト、樹脂微粒子などを添加することにより可能となる。
本発明において、現像工程はトナー担持体に現像バイアスを印加し静電潜像担持体上の静電潜像にトナーを転移させてトナー像を形成する工程であることが好ましく、印加する現像バイアスは直流電圧や直流電圧に交番電界を重畳した電圧でもよい。
交番電界の波形としては、正弦波、矩形波、三角波など適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波であってもよい。このように交番電界の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
本発明においてトナー供給部材を用いず磁性によりトナーを搬送する方式を用いた場合、トナー担持体の内部にマグネットを配置する必要がある(図4の符号21)。この場合、トナー担持体は内部に多極を有する固定されたマグネットを有していることが好ましく、磁極は3極以上10極以下有することが好ましい。
次に、本発明に用いるトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
〈磁性トナーの平均粒径および粒度分布〉
トナーの重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
〈シリカ微粒子の一次粒子の数平均粒径(D1)の測定方法〉
シリカ微粒子の一次粒子の数平均粒径(D1)は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されるトナー表面のシリカ微粒子画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S−4800観察条件設定
シリカ微粒子の一次粒子の数平均粒径(D1)の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は二次電子像と比べてシリカ微粒子のチャージアップが少ないため、シリカ微粒子の粒径を精度良く測定することができる。
S−4800の鏡筒に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PCSTEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800鏡筒の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)シリカ微粒子の数平均粒径(D1)の算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を100000(100k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャーアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャー]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止めるまたは最小の動きになるように合わせる。アパーチャーダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー表面上の少なくとも300個のシリカ微粒子について粒径を測定して、平均粒径を求める。ここで、シリカ微粒子は凝集塊として存在するものもあるため、一次粒子と確認できるものの最大径を求め、得られた最大径を算術平均することによって、シリカ微粒子の一次粒子の数平均粒径(D1)を得る。
〈シリカ微粒子における、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率の測定方法〉
(遊離シリコーンオイルの抽出)
(1)ビーカーにシリカ微粒子0.50g、クロロホルム40mlを入れ、2時間攪拌する。
(2)攪拌を止めて、12時間静置する。
(3)サンプルをろ過して、クロロホルム40mlで3回洗浄する。
(炭素量測定)
酸素気流下、1100℃で試料を燃焼させ、発生したCO、CO量をIRの吸光度により測定して、試料中の炭素量を測定する。シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(1)試料0.40gを円筒金型に入れプレスする。
(2)プレスした試料0.15gを精秤し、燃焼用ボードに乗せ、堀場製作所EMA−110で測定する。
(3)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
なお、シラン化合物などで疎水処理後にシリコーンオイルによる表面処理を行っている場合は以下のように計算する。シラン化合物などで疎水処理後に試料中の炭素量を測定し、シリコーンオイル処理後に、シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(4)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[(シリコーンオイル抽出前の炭素量−シラン化合物などで疎水処理後の炭素量)]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
一方、シリコーンオイルによる表面処理後にシラン化合物などで疎水処理を行っている場合は、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(5)[(シリコーンオイル抽出後の炭素量−シラン化合物などで疎水処理後の炭素量)]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
〈トータルエネルギー〉
本発明におけるトナーのトータルエネルギーは、回転式プロペラ型ブレードを備えた粉体流動性分析装置(パウダーレオメータFT−4、Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する)を用いて測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。なお、すべての操作において、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用23.5mm径ブレード(型番:C416、材質はSUS製。以下、ブレードという)を使用する。
まず、FT−4測定専用容器[直径25mm、容積25mlのスプリット容器(型番:C4031)、容器底面からスプリット部分までの高さ約51mm]に23℃、60%環境に3日間放置されたトナーを24g入れ圧密することでトナー粉体層とする。
また、トナーの圧密は、圧密試験用ピストン(直径24mm、高さ20mm、下部メッシュ張り)を上記プロペラ型ブレードの代わりに用いる。
(1)トナーの圧密操作
上述のFT−4測定専用容器にトナーを8g加える。FT−4測定専用の圧密試験用ピストンを取り付け40Nで60秒間圧密を行う。さらにトナーを8g加え、同様に圧密操作を計3回行い、計24gの圧密されたトナーが専用容器に入っている状態にする。
(2)スプリット操作
上述のFT−4測定専用容器のスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、トナー粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積(25ml)のトナー粉体層を形成する。
(3)測定操作
(A)トナー粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転によりトナー粉体層を押し込まない方向の回りのこと。)の回転方向で、ブレードの周速(ブレードの最外縁部の周速のこと。)を10mm/秒とする。そして、トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角度(以下、「ブレード軌跡角」ともいう。)が、5(deg)になるスピードとし、トナー粉体層の底面から10mmの位置までプロペラ型ブレードを進入させる。
(B)その後、トナー粉体層表面に対して時計回りの回転方向で、ブレードの周速を60mm/秒とする。そして、トナー粉体層への垂直方向の進入速度を、ブレード軌跡角が、2(deg)になるスピードとし、トナー粉体層の底面から1mmの位置までプロペラ型ブレードを進入させる。
(C)その後、トナー粉体層表面に対して反時計回りの回転方向で、ブレードの周速を10mm/秒とする。そして、トナー粉体層からの垂直方向の抜き取り速度を、ブレード軌跡角が、5(deg)になるスピードとし、トナー粉体層の底面から80mmの位置までブレードを移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
上記測定操作(A)において、プロペラ型ブレードを回転させながら専用容器内のトナー粉体層中に進入させ、トナー粉体層の底面から60mmの位置から測定を開始する。そして、底面から10mmの位置までプロペラ型ブレードを進入させたときに得られる、回転トルクと垂直荷重の総和をTEとする。得られたTEを測定時のセル内でのトナー密度(トナー密度はFT−4により自動計測される)で割ることで、本発明におけるトータルエネルギー[mJ/(g/ml)]を得る。
以下、本発明を製造例および実施例によりさらに具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の配合における部数はすべて質量部を示す。
(基体2の用意)
基体2として、SUS304製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布、焼き付けしたものを用意した。
(弾性ローラーの作製)
上記で用意した基体2を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名、SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製) 100質量部、
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製) 15質量部、
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2質量部、
・白金触媒 0.1質量部
下記表1に記載した材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該基体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体2の外周に直径12mmのシリコーンゴム弾性層が形成された弾性ローラーD−1を作製した。
(表面層4の調製)
以下に本発明のポリウレタン表面層を得るための合成例を示す。
(イソシアネート基末端プレポリマー A−1の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でトリレンジイソシアネート(TDI)(商品名:コスモネートT80;三井化学社製)17.7質量部に対し、ポリプロピレングリコール系ポリオール (商品名:エクセノール4030;旭硝子社製)100.0gを反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8重量%のイソシアネート基末端プレポリマーA−1を得た。
(イソシアネート基末端プレポリマー A−2の合成)
窒素雰囲気下、反応容器中でポリメリックMDI(商品名:ミリオネートMR 日本ポリウレタン工業社製)33.8質量部に対し、ブチレンアジペート系ポリオール(商品名:ニッポラン4010;日本ポリウレタン工業社製)を100.0g反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量4.3重量%のイソシアネート基末端プレポリマーA−2を得た。
(アミノ化合物(構造式(1)で示される化合物)の合成)
(アミノ化合物 B−1の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらエチレンジアミン100.0質量部(1.67mol)、純水100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、プロピレンオキシド425.3質量部(7.35mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに1時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱して水を留去し、アミノ化合物 B−1 426gを得た。
(アミノ化合物B−2の合成)
プロピレンオキシドの配合量、および反応時間を下記表1に記載の通り変更した以外は、アミノ化合物 B−1の合成例と同様にして、アミノ化合物 B−2を得た。
Figure 0006408909
(アミノ化合物 B−3の合成)
撹拌装置、温度計、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらジエチレントリアミン100.0質量部(0.97mol)、エタノール100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を60℃以下に保持しつつ、エチレンオキシド235.0質量部(5.34mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに1時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱してエタノールを留去し、アミノ化合物 B−3 276gを得た。
(アミノ化合物 B−4の合成)
エチレンオキシドを2−メチル−テトラヒドロフランに変更し、配合量および反応時間を表1に記載の通り変更した以外は、アミノ化合物 B−3の合成例と同様にして、アミノ化合物 B−4を得た。
(アミノ化合物 B−5の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらテトラエチレンペンタミン100.0質量部(0.53mol)、エタノール100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、8−ブロモ−1−オクタノール851.5質量部(4.08mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに1.5時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱してエタノールを留去し、アミノ化合物 B−5 1288gを得た。
(アミノ化合物 B−6の合成)
撹拌装置、温度計、還流管、滴下装置および温度調整装置を取り付けた反応容器中で、攪拌しながらブチレンジアミン100.0質量部(1.14mol)、エタノール100質量部を40℃まで加温した。次に、反応温度を40℃以下に保持しつつ、エチレンイミン215.0質量部(5.02mol)を30分かけて徐々に滴下した。さらに1時間攪拌して反応を行い、反応混合物を得た。得られた反応混合物を減圧下加熱してエタノールを留去し、アミノ化合物 B−6 216gを得た。
(アミノ化合物 B−7の合成)
エチレンイミンを8−ブロモ−1−アミノオクタンに変更し、配合量を表1に記載の通り変更した以外は、アミノ化合物B−6の合成例と同様にして、アミノ化合物B−7を得た。
得られたアミノ化合物の構造を表2に示す。表中、nは構造式(1)のアミノ構造単位の繰り返し数を表し、mはRが構造式(2)である場合のエーテル繰り返し数を表す。また表中の基数は、アミノ化合物が1分子内に有する末端水酸基または末端アミノ基の数を表す。
Figure 0006408909
Figure 0006408909
Figure 0006408909
〈トナー担持体1の作製〉
表面層4の材料として、イソシアネート基末端プレポリマーA−1 617.9質量部に対し、アミノ化合物 B−1 34.2質量部、カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学社製)117.4質量部、およびウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)130.4質量部、を撹拌混合した。
次に、総固形分比が30質量%となるようにメチルエチルケトン(以下MEK)を加えた後、サンドミルにて混合した。ついで、さらに、MEKで粘度10〜13cpsに調整して表面層形成用塗料を調製した。
先に作製した弾性ローラーD−1を、表面層形成用塗料に浸漬して、弾性ローラーD−1の弾性層の表面に当該塗料の塗膜を形成し、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性層外周に膜厚約15μmの表面層を設け、トナー担持体1を作製した。
〈トナー担持体2〜7の作製〉
表面層4の材料として、下記表3の材料を用いた以外はトナー担持体1の作製と同様に表面層形成用塗料を調製した。そして、各塗料を弾性ローラーD−1に対して、トナー担持体1の作製と同様にして塗布、乾燥および加熱を行ってトナー担持体2〜7を作製した。
Figure 0006408909
〈トナー担持体8の作製〉
表面層4の材料として、イソシアネート基末端プレポリマーA−2 632.8質量部に対し、ペンタエリスリトール 19.5質量部、カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学社製)117.4質量部、およびウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)130.5質量部、を撹拌混合した。
以降は、トナー担持体1の作製に係る表面層形成用塗料の調製方法と同様にしてトナー担持体8に係る表面層形成用塗料を調製した。この表面層形成用塗料をトナー担持体1の作製と同様にして弾性ローラーD−1のシリコーンゴム弾性層の表面に塗工、乾燥させて表面層を形成し、トナー担持体8を作製した。
〈トナー担持体9の作製〉
表面層4の材料として、イソシアネート基末端プレポリマーA−2 351.6質量部に対し、ポリプロピレングリコール系ポリオール (商品名:エクセノール230;旭硝子社製)300.5質量部、カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学社製)117.4質量部、およびウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)130.5質量部、を撹拌混合した。
以降は、トナー担持体1の作製に係る表面層形成用塗料の調製方法と同様にしてトナー担持体9に係る表面層形成用塗料を調製した。この表面層形成用塗料をトナー担持体1の作製と同様にして弾性ローラーD−1のシリコーンゴム弾性層の表面に塗工、乾燥させて表面層を形成し、トナー担持体9を作製した。
〈磁性体1の製造〉
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.15質量%となる量のP、鉄元素に対して珪素元素換算で0.50質量%となる量のSiOを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを7.5とし、空気を吹き込みながら85℃で酸化反応を行い、種晶を有するスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.1当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.4に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。このとき、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、撹拌するとともにスラリーを循環させながらピンミルにて再分散させ、再分散液のpHを約5.0に調整する。そして、撹拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランを磁性酸化鉄100質量部に対し1.5質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、撹拌を十分行うとともにスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを8.6にして疎水化処理を行った。得られた疎水性磁性体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に100℃で15分、90℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径(D3)が0.22μmの磁性体1を得た。
〈トナー1の製造〉
イオン交換水720質量部に0.1M−NaPO水溶液450質量部を投入して60℃に加温した後、1.0M−CaCl水溶液67.7質量部を添加して、分散剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 78.0質量部
・n−ブチルアクリレート 22.0質量部
・ジビニルベンゼン 0.48質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.5質量部
・磁性体1 70.0質量部
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂、Mn=5000、酸価=6mgKOH/g、Tg=68℃) 5.0質量部
上記材料をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(融点72℃)を10質量部添加混合し、溶解した後に重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解した。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて12000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃で5時間反応させた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて洗浄した後に濾過・乾燥してトナー粒子1を得た。
このトナー粒子1を100質量部とゾルゲル法により製造された数平均粒径(D1)が100nmのシリカ 0.5質量部をヘンシェルミキサーFM10C(三井三池化工機(株))に投入し、4000回転で6分間混合した(第一の外添)。その後、シリカ微粒子A 0.9質量部を投入した後に4000回転で4分間混合し(第二の外添)、トナー1を得た。得られたトナー1の重量平均粒径(D4)は8.2μmであり、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比D4/D1は1.12、トータルエネルギーは303mJ/(g/ml)であった。トナー1の製造条件と物性を表5に示す。
なお、実施例に用いた第一のシリカ微粒子A〜Gの物性を表4に示す。
Figure 0006408909
なお、シリカ微粒子A〜Gは、シリカ原体(ヒュームドシリカ)に第一の疎水化処理をした後に第二の疎水化処理を施し、シリカ微粒子A〜Gを得た。
〈トナー2〜19の製造〉
第一の外添および、第二の外添を表5に記したように変更したこと以外はトナー1の製造と同様にしてトナー2〜19を得た。トナー2〜19の製造条件、物性値を表5に示す。
Figure 0006408909
表中、トナー1〜12、15、16、19の「ゾルゲルシリカ」は、ゾルゲル製法によって製造された第二のシリカ微粒子を表す。また、トナー17,18の「ヒュームドシリカ」は、ゾルゲル製法によって製造された第二のシリカ微粒子の代わりに、ヒュームドシリカを用いたことを表す。
〈実施例1〉
(画像形成装置)
キヤノン製プリンターLBP7700Cを改造して画像出力評価に用いた。改造点としては、現像装置のトナー供給部材を図2に示すように、トナー担持体と逆回転するようにするとともに、トナー供給部材への電圧印加をオフにした。なお、トナー担持体と静電潜像担持体の当接部の幅が1.1mmとなるように当接圧を調整した。このようにすることで、規制不良を厳しく評価することが可能となる。また、規制部材(ブレード)への電圧印加もオフとし、高温高湿環境下でのカブリを厳しく評価するように改造を施した。
このように改造した現像装置にトナー1を100g充填し、トナー担持体2を用いて現像装置を作製した。作製した現像装置をブラックステーションにセットし、高温高湿環境(40℃/95%RH)および低温低湿環境(15℃/10%RH)にて3000枚の画像出力を行った。なお、画像としては印字率が2%となるような横線を用い、連続通紙にて画像出力試験を行った。
その結果、高温高湿環境下ではカブリの無い鮮明な画像が得られ、低温低湿環境下においても白後と黒後のトナー担持体上のトナー量の差は小さく、良好な画像を得ることができた。評価結果を表6に示す。
本発明の実施例および比較例で行った各評価の評価方法とその判断基準について以下に述べる。
〈画像濃度〉
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像の濃度をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定した。
〈カブリ〉
白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好なレベル(カブリ1.5%未満)
B:良好なレベル(カブリ1.5%以上2.5%未満以下)
C:実用的には問題ないレベル(カブリ2.5%以上3.5%未満以下)
D:実用上好ましくないレベル(カブリ3.5%以上)
〈規制不良〉
規制不良は白後のトナー担持体上のトナー量と、黒後のトナー担持体上のトナー量の差で評価した。
なお、規制不良の判断基準は以下の通りである。
A:白後と黒後のトナー量の差が1.0g/m未満であり非常に良好
B:白後と黒後のトナー量の差が1.0g/m以上2.0g/m未満であり良好C:白後と黒後のトナー量の差が2.0g/m以上3.0g/m未満であり、実用上問題ないレベル
〈実施例2〜19〉
トナーとトナー担持体を表6に示したような組み合わせで現像装置を作製し、各現像装置を実施例1と同様に画像出力評価を行った。その結果、すべての現像装置において、耐久試験前後で高温高湿環境下でのカブリ、低温低湿環境下での規制不良のいずれも、良好な結果が得られた。評価結果を6に示す。
〈参考例1〜7〉
トナーとトナー担持体を表6に示したような組み合わせで現像装置を作製し、各現像装置を実施例1と同様に画像出力評価を行った。その結果、すべての現像装置において、耐久試験前後で高温高湿環境下でのカブリ、低温低湿環境下での規制不良のいずれも、実用的に問題の無い結果が得られた。評価結果を6に示す。
〈比較例1、2〉
トナーとトナー担持体を表6に示したような組み合わせで現像装置を作製し、各現像装置を実施例1と同様に画像出力評価を行った。その結果、いずれの現像装置も低温低湿環境下での規制不良は実用的に問題の無い結果だったものの、高温高湿環境下でのカブリが実施例よりも悪かった。評価結果を6に示す。
Figure 0006408909
〈トナー担持体10の作製〉
(基体の用意)
基体2として、外径10mmφ(直径)で算術平均粗さRa0.2μmの研削加工したアルミニウム製円筒管にプライマー(商品名、DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布、焼き付けした。
(弾性ローラーの作製)
上記で用意した基体を金型に配置し、以下の材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
・液状シリコーンゴム材料(商品名、SE6724A/B;東レ・ダウコーニング社製) 100質量部
・カーボンブラック(商品名、トーカブラック#4300;東海カーボン社製) 15質量部
・耐熱性付与剤としてのシリカ粉体 0.2質量部
・白金触媒 0.1質量部
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫して硬化させた。周面に硬化したシリコーンゴム層が形成された基体を金型から脱型した後、当該基体を、さらに温度180℃で1時間加熱して、シリコーンゴム層の硬化反応を完了させた。こうして、基体2の外周に膜厚0.5mm、直径11mmのシリコーンゴム弾性層が形成された弾性ローラーD−2を作製した。
(表面層の作製)
表面層4の材料として、イソシアネート基末端プレポリマーA−1 617.9質量部に対し、アミノ化合物B−1 34.2質量部、カーボンブラック(商品名、MA230;三菱化学社製)117.4質量部、およびウレタン樹脂微粒子(商品名、アートパールC−400;根上工業社製)130.4質量部、を撹拌混合した。
次に、総固形分比が30質量%となるようにMEKを加え表面層形成用塗料を調製した。
次に、先に作製した弾性ローラーD−2のゴムの無い部分をマスキングして垂直に立て、1500rpmで回転させ、スプレーガンを30mm/sで下降させながら前記塗料を塗布した。続いて、熱風乾燥炉中で温度180℃、20分間加熱して塗布層を硬化・乾燥することで弾性層外周に膜厚約8μmの表面層を設けトナー担持体10を作製した。
〈トナー担持体11〜16の作製〉
表面層4の材料として、下記表7の材料を用いた以外はトナー担持体10の作製と同様に表面層形成用塗料を調製した。そして、各塗料を弾性ローラーD−2に対して、トナー担持体10の作製と同様にして塗布、乾燥および加熱を行ってトナー担持体11〜16を作製した。
Figure 0006408909
〈実施例20〉
キヤノン製プリンターLBP3100を改造して画像出力評価に用いた。改造点としては、図4に示すようにトナー担持体7が静電潜像担持体に当接するように改造した。なお、トナー担持体と静電潜像担持体の当接部の幅が1.0mmとなるように当接圧を調整した。トナー供給部材が無いことからトナー担持体上のトナーをかき取ることができず、規制不良としては非常に厳しい評価条件である。また、トナー供給部材が無いことでトナーの帯電量も低くなるため、高温高湿環境下でのカブリにも厳しい条件である。
このように改造した現像装置にトナー1を50g充填し、トナー担持体10を用いて現像装置を作製した。作製した現像装置を用い、高温高湿環境(40℃/95%RH)および低温低湿環境(15℃/10%RH)にて1500枚の画像出力を行った。なお、画像としては印字率が2%となるような横線を用い、連続通紙にて画像出力試験を行った。
その結果、高温高湿環境下ではカブリの無い鮮明な画像が得られ、低温低湿環境下においても白後と黒後のトナー担持体上のトナー量の差は小さく、良好な画像を得ることができた。評価結果を表8に示す。
〈実施例21〜26〉
トナーとトナー担持体を表8に示したような組み合わせで現像装置を作製し、各現像装置を実施例23と同様に画像出力評価を行った。その結果、すべての現像装置において、耐久試験前後で高温高湿環境下でのカブリ、低温低湿環境下での規制不良のいずれも、良好な結果が得られた。評価結果を8に示す。
Figure 0006408909
1 導電性ローラー(トナー担持体)
2 基体
3 弾性層
4 表面層
5 静電潜像担持体(感光体)
6 帯電ローラー
7 トナー担持体
8 トナー供給部材
9 現像器
10 転写部材(転写ローラー)
11 クリーナー容器
12 クリーニングブレード
13 定着器
14 ピックアップローラー
15 転写材(紙)
16 レーザー発生装置
17 トナー規制部材
18 金属板
19 トナー
20 攪拌部材
21 マグネット

Claims (8)

  1. 静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成するための現像装置において、
    該現像装置が、
    該静電潜像を現像するためのトナー、
    該トナーを担持するためのトナー担持体、および、
    該トナー担持体に担持された該トナーの層厚を規制するための規制部材
    を有し、
    該トナーが、
    結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、
    一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下である第一のシリカ微粒子、および、
    一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下である第二のシリカ微粒子
    を有する磁性トナーであり、
    該第二のシリカ微粒子が、ゾルゲルシリカ微粒子であり、
    該トナーのトータルエネルギーが、270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であり、
    該トナー担持体が、基体、弾性層、および、ウレタン樹脂を含む表面層を有し、
    該ウレタン樹脂が、下記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する
    ことを特徴とする現像装置。
    Figure 0006408909
    (構造式(1)中、
    nは、1以上4以下の整数であり、
    は、各々独立に、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれるいずれかを表し、
    (a)炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基、
    (b)炭素数2以上8以下のアミノアルキル基、
    (c)下記構造式(2)で示される基、
    は、炭素数2以上4以下のアルキレン基を表す。)
    Figure 0006408909
    (構造式(2)中、
    mは、2以上3以下の整数を表し、
    は炭素数2以上5以下のアルキレン基を表す。)
  2. 前記第一のシリカ微粒子が、シリコーンオイルで処理されているシリカ微粒子である請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記第一のシリカ微粒子における前記シリコーンオイルの炭素基準の固定化率が、90%以上である請求項2に記載の現像装置。
  4. 現像装置を用い、静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成する現像方法において、
    該現像装置が、
    該静電潜像を現像するためのトナー、
    該トナーを担持するためのトナー担持体、および、
    該トナー担持体に担持された該トナーの層厚を規制するための規制部材
    を有し、
    該トナーが、
    結着樹脂および磁性体を含有するトナー粒子、
    一次粒子の数平均粒径(D1)が5nm以上20nm以下である第一のシリカ微粒子、および、
    一次粒子の数平均粒径(D1)が40nm以上200nm以下である第二のシリカ微粒子
    を有する磁性トナーであり、
    該第二のシリカ微粒子が、ゾルゲル法によって製造されたシリカ微粒子であり、
    該トナーのトータルエネルギーが、270mJ/(g/ml)以上355mJ/(g/ml)以下であり、
    該トナー担持体が、基体、弾性層、および、ウレタン樹脂を含む表面層を有し、
    該ウレタン樹脂が、下記構造式(1)で示される化合物とポリイソシアネートとの反応に由来する部分構造を有する
    ことを特徴とする現像方法。
    Figure 0006408909
    (構造式(1)中、
    nは、1以上4以下の整数であり
    は、各々独立に、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれるいずれかを表し、
    (a)炭素数2以上8以下のヒドロキシアルキル基、
    (b)炭素数2以上8以下のアミノアルキル基、
    (c)下記構造式(2)で示される基、
    は、炭素数2以上4以下のアルキレン基を表す。)
    Figure 0006408909
    (構造式(2)中、
    mは、2以上3以下の整数を表し、
    は、炭素数2以上5以下のアルキレン基を表す。)
  5. 前記第一のシリカ微粒子が、シリカ原体をシリコーンオイルによって処理した後、アルコキシシランおよびシラザンの少なくとも一方で処理して得られたものである請求項4に記載の現像方法。
  6. 前記第一のシリカ微粒子における前記シリコーンオイルの炭素基準の固定化率が、90%以上である請求項5に記載の現像方法。
  7. 静電潜像担持体、
    該静電潜像担持体の表面を帯電するための帯電手段、
    帯電された該静電潜像担持体の表面に像露光光を照射して該静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成するための像露光手段、
    該静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成するための現像装置、
    中間転写体を介してまたは介さずに該静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写するための転写手段、および、
    該転写材に転写されたトナー像を該転写材に定着するための定着手段
    を有する画像形成装置において、
    該現像装置が、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 静電潜像担持体の表面を帯電する帯電工程、
    帯電された該静電潜像担持体の表面に像露光光を照射して該静電潜像担持体の表面に静電潜像を形成する像露光工程、
    該静電潜像担持体の表面に形成された静電潜像を現像して該静電潜像担持体の表面にトナー像を形成する現像工程、
    中間転写体を介してまたは介さずに該静電潜像担持体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写する転写工程、および、
    該転写材に転写されたトナー像を該転写材に定着する定着工程
    を有する画像形成方法において、
    該現像工程が、請求項4〜6のいずれか1項に記載の現像方法によって行われる工程である
    ことを特徴とする画像形成方法。
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