JP6407642B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達系を構成する無段変速機の制御装置に関する。
エンジン動力を駆動輪に伝達するための車両の動力伝達系には、自動変速機として無段変速機を有するタイプがある。動力源としてエンジンと走行用モータとが搭載されるハイブリッド車両においても、動力伝達系に無段変速機が搭載されるタイプがある。無段変速機には、プライマリプーリが設けられた変速機入力軸であるプライマリ軸と、セカンダリプーリが設けられた変速機出力軸であるセカンダリ軸とを有するタイプがある。プライマリプーリとセカンダリプーリとの間には、駆動チェーンやVベルトからなる動力伝達要素が掛け渡されており、それぞれのプーリの溝幅を変化させることにより、変速比が自動的に調整される。
動力伝達系を構成する無段変速機および前後進切換クラッチ等は油圧により作動される。これらの油圧作動機器に対して作動油を供給するために、エンジンにより駆動される機械式オイルポンプと、電動モータにより駆動される電動オイルポンプとが車両に搭載されている。エンジンが停止されたとき、およびエンジン回転数を低速として低車速で前進走行しているときに、油圧作動機器に対して作動油を供給するために、電動ポンプは駆動される。特許文献1には、車両の運転中にエンジンが停止した場合に、Vベルトを挟持するための油圧を電動オイルポンプの駆動により確保するようにした発進装置が記載されている。また、特許文献2には、クランク軸が所定回転数以上で回転していないときには、前後進切換クラッチに対して電動オイルポンプから作動油を供給するようにした動力伝達装置が記載されている。
特開平10−324177号公報 特開2000−230442号公報
上述のように、エンジン停止時やエンジン回転数を低速として低車速で前進走行しているときには、電動オイルポンプから吐出される作動油を無段変速機等の油圧作動機器に対して供給するようにしている。しかし、後退走行しているときつまりRレンジで走行しているときに、運転者が前進走行に切り換えるためにセレクトレバーがDレンジに切り換えられると、逆転している無段変速機等の慣性力がエンジンに急激に加わり、慣性力の変動によってエンジンが停止される。特に、比較的高い車速で後退走行しているときには、加わる慣性力が大きいので、エンジン停止が避けられない。
エンジンが停止されると、機械式オイルポンプは作動しなくなるので、無段変速機等の油圧作動機器には作動油が供給されなくなる。このため、無段変速機のセカンダリプーリと駆動チェーンとの間に滑りが発生するおそれがある。特に、ハイブリッド車両においては、エンジン動力と走行用モータの動力を駆動輪に伝達して後退走行しているときには、モータトルクがプライマリ軸に加わるので、滑りの発生が大きくなる。このように、無段変速機を構成するプーリと駆動チェーンとの間に滑りが発生すると、無段変速機の耐久性が低下することになる。
本発明の目的は、動力伝達系を構成する無段変速機の耐久性を向上することにある。
本発明の無段変速機の制御装置は、前後進切換クラッチを介してエンジンのクランク軸に連結されるプライマリ軸に設けられるプライマリプーリと、駆動輪に連結されるセカンダリ軸に設けられるセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに掛け渡される動力伝達要素と、変速制御用の油室とを備える無段変速機の制御装置であって、前記クランク軸と前記プライマリ軸との間に配置され、前記ランク軸の回転を前記プライマリ軸に伝達する締結状態と、伝達を遮断する開放状態とに切り換える前進用のクラッチと、前記前進用のクラッチと前記プライマリ軸との間に配置され、前記クランク軸の回転を前記プライマリ軸に逆転させて伝達する締結状態と、伝達を遮断する開放状態とに切り換える後退用のクラッチと、前記エンジンにより駆動され前記前進用のクラッチと前記後退用のクラッチとの油室に作動油を供給する機械式オイルポンプと、電動モータにより駆動され前記前進用のクラッチと前記後退用のクラッチとの油室に作動油を供給する電動オイルポンプと、車両の走行方向および車速を検出する車速センサと、運転者によるセレクトレバーの操作により選択されるシフト位置を検出するシフトセンサと、前記前進用のクラッチの油室から作動油が排出され、かつ前記後退用のクラッチの油室に作動油が供給されて前記後退用のクラッチが締結状態となって車両が閾値以上の車速で後退走行しており、前記電動オイルポンプが駆動されていない状態のもとで、前記セレクトレバーが後退走行位置から前進走行位置に切り換えられて前記後退用のクラッチの油室から作動油が排出され、かつ前記前進用のクラッチの油室に作動油が供給されて前記前進用のクラッチが締結状態となったときには、前記電動オイルポンプを駆動する制御ユニットと、を有する。
本発明によれば、車両が後退走行しているときに、セレクトレバーが後退走行位置から前進走行位置に切り換えられたときには、電動オイルポンプが駆動されるので、エンジンが停止しても、無段変速機の動力伝達要素は、電動オイルポンプから吐出される作動油によりプーリに対して確実に挟持される。これにより、動力伝達要素がプーリに対して滑ることが防止され、プーリや動力伝達要素には摩耗発生がなく、無段変速機の耐久性を向上することができる。
ハイブリッド車両に搭載される動力伝達系の一例を示す概略図である。 動力伝達系の制御装置を示すブロック図である。 車両が後退走行している状態のもとで、運転者により後退走行から前進走行に操作されたときにおける無段変速機の制御方式を示すタイムチャートである。 車両が後退走行している状態のもとで、運転者により後退走行から前進走行に操作されたときにおける無段変速機の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はハイブリッド車両に搭載される動力伝達系10を示す。この動力伝達系10は、動力源としてエンジン11と走行用モータ12とを備えている。動力伝達系10には無段変速機13が設けられており、無段変速機13は、変速機入力軸であるプライマリ軸14と、変速機出力軸であるセカンダリ軸15とを有している。エンジン11のクランク軸16は、トルクコンバータ17と前後進切換クラッチ18とを介してプライマリ軸14の一端部に連結される。プライマリ軸14の他端部には、走行用モータ12のロータ12aに取り付けられたロータ軸19が直結されている。
動力伝達系10は前輪出力軸21を有し、セカンダリ軸15に固定された駆動歯車22が前輪出力軸21に回転自在に装着された従動歯車23に噛み合っている。従動歯車23にはセカンダリ軸15の回転を前輪出力軸21に伝達する状態と伝達を遮断する状態とに切り換えるための出力クラッチ24が設けられている。出力クラッチ24は、従動歯車23に取り付けられたクラッチケース25aと、前輪出力軸21に取り付けられるクラッチディスク25bとを有し、クラッチ油室26に油圧を供給すると、出力クラッチ24は締結されて駆動輪に対して動力伝達状態となる。前輪出力軸21にはフロントディファレンシャル機構27が連結されており、前輪出力軸21を介して図示しない前輪つまり駆動輪に出力が伝達される。エンジン11のクランク軸16には、駆動ベルト28を介してモータジェネレータ29が連結されている。モータジェネレータ29は、発電機と電動機の機能を有しており、モータジェネレータ29によりエンジン11を始動させることができる。
図1は前輪駆動用の動力伝達系10を示しているが、前輪に加えて後輪をも駆動輪とする動力伝達系の場合には、セカンダリ軸15にはトルクリミッタとして機能するフューズクラッチが設けられ、従動歯車23は前輪出力軸21に固定される。さらに、前輪出力軸21はトランスファクラッチを介して後輪出力軸に連結される。
トルクコンバータ17は、クランク軸16にフロントカバー31を介して連結されるポンプインペラ32と、このポンプインペラ32に対向するとともにタービン軸33に連結されるタービンランナ34とを備えている。トルクコンバータ17には、クラッチプレート35を備えたロックアップクラッチ36が組み込まれている。クラッチプレート35は、フロントカバー31とタービンランナ34との間に配置されるとともに、タービンランナ34に対して軸方向に移動自在に設けられている。クラッチプレート35のタービンランナ34側にはアプライ室37が区画されており、クラッチプレート35のフロントカバー31側にはリリース室38が区画されている。アプライ室37に作動油を供給してリリース室38から作動油を排出すると、ロックアップクラッチ36は締結状態に切り換えられ、クランク軸16はタービン軸33と直結状態となる。一方、リリース室38に作動油を供給してアプライ室37から作動油を排出すると、ロックアップクラッチ36は開放状態に切り換えられ、クランク軸16のエンジン出力はタービンランナ34を介してタービン軸33に出力される。
前後進切換クラッチ18は、前進用摩擦締結部材である前進用のクラッチ41と、後退用摩擦締結部材である後退用のクラッチ42とを有している。前進用のクラッチ41はタービン軸33に連結されるクラッチケース43と、このクラッチケース43内に組み込まれるとともにプライマリ軸14に連結されるクラッチディスク44とを備えている。クラッチ油室45に作動油を供給することにより、クラッチディスク44がクラッチケース43に締結されて、前進用のクラッチ41は締結状態となる。これにより、前後進切換クラッチ18は前進走行モードとなって、クランク軸16のエンジン出力はプライマリ軸14に伝達される。クラッチ油室45内の作動用を排出すると、前進用のクラッチ41は開放状態となって、クランク軸16とプライマリ軸14との連結が解除され、エンジン出力はプライマリ軸14には伝達されない。
一方、後退用のクラッチ42は、プライマリ軸14と図示しないトランスミッションケースとの間に装着される遊星歯車機構46を有している。遊星歯車機構46は、プライマリ軸14に固定される太陽歯車47と、図示しないトランスミッションケース内に回転自在に装着される環状歯車48とを有している。これらの歯車にはダブルピニオン型の遊星歯車が噛み合っており、これらの遊星歯車はクラッチケース43に回転自在に装着されている。クラッチ油室49に作動油を供給すると、後退用のクラッチ42は締結状態となる。したがって、前進用のクラッチ41のクラッチ油室45内の作動油を排出し、後退用のクラッチ42のクラッチ油室49に作動油を供給すると、前後進切換クラッチ18は後退走行モードとなる。これにより、クランク軸16のエンジン出力は、クラッチケース43、および遊星歯車機構46を介して回転方向が逆転されてプライマリ軸14に伝達される。両方のクラッチ41,42を開放状態にすると、クランク軸16とプライマリ軸14との連結が遮断される。
このように、前後進切換クラッチ18によりクランク軸16とプライマリ軸14との連結を切り離すと、走行モードはモータ走行モードに設定される。これにより、エンジン11を停止させて走行用モータ12の動力のみを駆動輪に伝達することができる。一方、前進用のクラッチ41を締結すると、走行モードはパラレル走行モードに設定され、エンジン11と走行用モータ12の動力を駆動輪に伝達することが可能となる。前進用のクラッチ41を締結させ、後退用のクラッチ42を開放させると、エンジン11の動力がプライマリ軸14に伝達され、車両は前進走行する。これに対し、後退用のクラッチ42を締結させ、前進用のクラッチ41を開放させると、クランク軸16の回転が逆転されて、プライマリ軸14に伝達され、車両は後退走行する。
無段変速機13のプライマリ軸14にはプライマリプーリ51が設けられている。プライマリプーリ51は、プライマリ軸14に固定される固定プーリ51aと、プライマリ軸14に軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ51bとを有し、両方のプーリ間の溝幅が可変となっている。セカンダリ軸15にはセカンダリプーリ52が設けられている。セカンダリプーリ52は、セカンダリ軸15に固定される固定プーリ52aと、セカンダリ軸15に軸方向に摺動自在に装着される可動プーリ52bとを有し、両方のプーリ間の溝幅が可変となっている。プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52の間には、駆動チェーン53が動力伝達要素として掛け渡されており、両方のプーリ51,52の溝幅を変化させることにより、それぞれのプーリ51,52に対する駆動チェーン53の巻付け径の比率が変化する。これにより、プライマリ軸14に対するセカンダリ軸15の回転数が無段階に変速される。プライマリプーリ51の溝幅は、プライマリ油室54に供給される油圧により調整される。セカンダリプーリ52の溝幅はセカンダリ油室55に供給される油圧により調整される。それぞれの油室は、変速制御用の油室となっている。
上述したトルクコンバータ17,出力クラッチ24等のように油圧により作動する油圧作動機器に対して作動油を供給するために、動力伝達系10には、トロコイドポンプ等の機械式オイルポンプ56が設けられている。機械式オイルポンプ56は、アウターロータ57とこれに組み込まれるインナーロータ58とを備えている。機械式オイルポンプ56から吐出された作動油は、バルブユニット59に供給される。バルブユニット59は、作動油を供給する油圧作動機器や圧力を制御するために、複数の電磁バルブや油路を有している。機械式オイルポンプ56から吐出されバルブユニット59に供給された作動油は、バルブユニット59から油路60を介して、トルクコンバータ17のアプライ室37およびリリース室38、出力クラッチ24のクラッチ油室26、前後進切換クラッチ18のクラッチ油室45,49、無段変速機13のプライマリ油室54およびセカンダリ油室55等に供給される。
インナーロータ58の一端部に設けられたロータ軸61には、従動スプロケット62が取り付けられている。ロータ軸61に平行となるプライマリ軸14には、一方向クラッチ63を介して駆動スプロケット64が取り付けられている。駆動スプロケット64と従動スプロケット62にはチェーン65が巻き付けられており、プライマリ軸14とインナーロータ58はチェーン機構66を介して連結されている。このように、機械式オイルポンプ56のインナーロータ58はプライマリ軸14により駆動される。
インナーロータ58の他端部に設けられたロータ軸71には、従動スプロケット72が取り付けられている。トルクコンバータ17のポンプインペラ32には、ロータ軸71に平行となる中空軸67が設けられており、中空軸67には、一方向クラッチ73を介して駆動スプロケット74が取り付けられている。駆動スプロケット74と従動スプロケット72にはチェーン75が巻き付けられており、中空軸67とインナーロータ58はチェーン機構76を介して連結されている。このように、機械式オイルポンプ56のインナーロータ58は、ポンプインペラ32に連結されるクランク軸16によって駆動される。
一方向クラッチ63は、正転方向に回転するプライマリ軸14からインナーロータ58に動力を伝達する一方、これとは逆向きの動力伝達を遮断する。同様に、一方向クラッチ73は、正転方向に回転する中空軸67からインナーロータ58に動力を伝達する一方、これとは逆向きの動力伝達を遮断する。したがって、プライマリ軸14が中空軸67よりも速く回転する場合には、走行用モータ12側のプライマリ軸14によって機械式オイルポンプ56が駆動される一方、中空軸67がプライマリ軸14よりも速く回転する場合には、エンジン11側の中空軸67によって機械式オイルポンプ56が駆動される。なお、プライマリ軸14の正転方向とは、前進走行時におけるプライマリ軸14の回転方向である。また、中空軸67の正転方向とは、エンジン作動時におけるクランク軸16の回転方向である。
機械式オイルポンプ56のインナーロータ58には、プライマリ軸14と中空軸67とが連結されている。これにより、エンジン11が駆動されるパラレル走行モードにおいては、エンジン11によって常に機械式オイルポンプ56を駆動することができ、機械式オイルポンプ56からの作動油によって無段変速機13等の油圧作動機器に対して油圧を供給することが可能となる。また、エンジン11が停止されるモータ走行モードにおいても、プライマリ軸14が回転する車両走行時には、プライマリ軸14によって機械式オイルポンプ56を駆動することが可能となる。このように、プライマリ軸14によって駆動される機械式オイルポンプ56は、動力伝達系10の動力によって回転駆動される。ところで、モータ走行モードにおける車両停止時には、プライマリ軸14と共に機械式オイルポンプ56が停止することになるが、この車両停止時においても、無段変速機13等の油圧作動機器に対する作動油の供給を継続する必要がある。
そこで、ハイブリッド車両には、電動モータ77によって回転駆動される電動オイルポンプ78が設けられている。電動オイルポンプ78も機械式オイルポンプ56と同様に、アウターロータとこれに組み込まれるインナーロータとを有している。電動オイルポンプ78から吐出される作動油は、バルブユニット59に供給される。車速低下に伴って機械式オイルポンプ56の回転速度が低下し、機械式オイルポンプ56の吐出圧力が不足する場合つまり油圧系の基本油圧であるライン圧の確保が困難となる場合には、電動オイルポンプ78が駆動されて、バルブユニット59に作動油が供給される。また、機械式オイルポンプ56の吐出圧力が不足する場合には、電動オイルポンプ78が駆動されるだけでなく、トルクコンバータ17や出力クラッチ24等による作動油の消費量を抑制するようにバルブユニット59により作動油の供給が制御される。
図2は、図1に示した動力伝達系の制御装置を示すブロック図である。制御ユニット80には、駆動輪の回転方向と回転速度を検出して車両の走行方向および車速を検出する車速センサ81、運転者により操作されるアクセルの開度を検出するアクセル開度センサ82からの検出信号が送られる。走行用モータ12のロータ12aの回転速度を検出するモータ回転センサ83と、クランク軸16の回転速度を検出するエンジン回転センサ84からの検出信号が制御ユニット80に送られる。さらに、運転者により操作されるセレクトレバー85により選択されるシフト位置を検出するシフトセンサ86からの検出信号が制御ユニット80に送られる。
制御ユニット80からは、電動オイルポンプ78を駆動するための電動モータ77、バルブユニット59に制御信号が送られる。走行用モータ12のステータ12bにはインバータ87が接続されており、制御ユニット80からはインバータ87に走行用モータ12を駆動制御する信号が送られる。制御ユニット80は、制御信号等を演算するマイクロプロセッサ、制御プログラム、演算式およびマップデータ等を格納するメモリを有している。
バルブユニット59は、セレクトレバー85により連動する図示しないマニュアルバルブを有している。このマニュアルバルブは、セレクトレバー85により後退走行モードつまりRレンジが選択されると、後退用のクラッチ42のクラッチ油室49に作動油が供給され、前進用のクラッチ41のクラッチ油室45から作動油が排出される。これにより、前後進切換クラッチ18は後退走行モードとなる。一方、前進走行モードつまりDレンジが選択されると、後退用のクラッチ42のクラッチ油室49から作動油が排出され、前進用のクラッチ41のクラッチ油室45に作動油が供給される。これにより、前後進切換クラッチ18は前進走行モードとなる。
図3は、車両が後退走行している状態のもとで、運転者によりセレクトレバー85が後退走行位置であるRレンジから前進走行位置であるDレンジに操作されたときにおける無段変速機13の制御方式を示すタイムチャートである。
図3においては、エンジン11および走行用モータ12の動力を駆動輪に伝達して車両が後退走行している状態のもとで、セレクトレバー85がRレンジからDレンジに切り換えられた状態を示す。図3に示す後退走行時には、前進用のクラッチ41が開放され、後退用のクラッチ42が締結されている。
セレクトレバー85がRレンジからDレンジに切り換えられると、後退用のクラッチ42が開放状態に切り換えられ、前進用のクラッチ41が締結状態に切り換えられる。切り換えられたときには、無段変速機13は逆転方向つまり後退方向に回転されているので、逆転方向の慣性力がエンジン11に加わることになる。これにより、エンジン11が停止する。エンジンが停止されると、機械式オイルポンプ56が停止されるので、機械式オイルポンプ56からは作動油が吐出されなくなる。このため、バルブユニット59から油圧作動機器に供給されるライン圧が低下し、ライン圧に基づいて調圧されるセカンダリ圧も、破線Aで示されるように出力されなくなり、油圧作動機器であるセカンダリ油室55にセカンダリ圧が供給されなくなる。このときには、ライン圧が低下するので、出力クラッチ24のクラッチ油室26に供給される作動油の圧力が低下するので、出力クラッチ24は開放状態となる。このため、車輪側からセカンダリ軸15に動力が伝わらなくなり、機械式オイルポンプ56を車輪側から駆動することができなくなる。
セカンダリ圧が供給されなくなると、セカンダリプーリ52の駆動チェーン53に対する締め付け力が低下し、駆動チェーン53とセカンダリプーリ52との間に滑りが発生する。図3においては、セカンダリ回転数における破線Bは、セカンダリプーリ52と駆動チェーン53との間で滑りが発生してセカンダリ軸15の回転数が変動した状態を示す。このように、プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52と駆動チェーン53とにより構成されるバリエータに、滑りが発生すると、駆動チェーン53やセカンダリプーリ52が損傷するおそれがある。
そこで、車両が後退走行している状態のもとで、運転者によりセレクトレバー85が後退走行位置から前進走行位置に切り換えられたときには、セレクトレバー85の操作をトリガーとして、電動オイルポンプ78が駆動される。これにより、油圧作動機器に供給されるライン圧が高められて、セカンダリ圧は、図3において符号Cで示すように確保され、駆動チェーン53とセカンダリプーリ52との間の滑り発生が防止される。図3において、符号Dは、滑りの発生が防止されて、セカンダリ軸15が一定の減速度で減速されている状態を示す。符号Eは、走行用モータ12によりセカンダリ軸15が後退走行方向から前進走行方向に逆転駆動されて、車両が前進走行している状態を示す。
このように、後退走行しているときに、前進走行にシフトされることによって、エンジン11が停止しても、無段変速機13のプライマリプーリ51およびセカンダリプーリ52の駆動チェーン53に対する締め付け力が確保される。これにより、駆動チェーン53の滑りに起因してバリエータに摩耗が発生することを防止できるので、無段変速機13の耐久性を向上させることができる。
図4は、車両が後退走行している状態のもとで、運転者により後退走行から前進走行に操作されたときにおける無段変速機の制御アルゴリズムを示すフローチャートである。
ステップS1においては、車速センサ81とシフトセンサ86からの信号に基づいて、過去に車両の走行中にセレクトレバー85が操作されたか否かが判定される(後述のセレクト判定フラグが「0」の状態、セレクト判定フラグの初期値は「0」に設定されている。)。過去にセレクトレバー85が操作されていないことが判定されると、ステップS2〜S5が実行されて、後退走行している状態のもとで、セレクトレバー85が前進走行に切り換えられたと判定する。ステップS2においては車速が所定値以上であるか否かが判定され、所定値以上であればステップS3においてセレクトレバー85の現在の操作位置がDレンジか否かが判定される。セレクトレバー85の現在の操作位置がDレンジであると判定されたときには、ステップS4において前回判定したときのセレクトレバー85の操作位置がNレンジであるか否かが判定され、ステップS5において所定時間前のセレクトレバー85の操作位置がRレンジであったか否かが判定される。ステップS5においてYESと判定されると、走行中にセレクトレバーが操作されたことを示すセレクト判定フラグをステップS6において「1」にする。これにより、ステップS7においてYESと判定され、電動オイルポンプ78が駆動される(ステップS8)。
ステップS2〜S8に示すように、車両が所定値以上の高速で後退走行している状態のもとで、前進走行に切り換えられたときに電動オイルポンプ78を駆動させるようにしている。低車速で後退走行しているときに、前進走行に切り換えられても、無段変速機13等の後退方向の過度の慣性力がエンジン11に加わることがないので、エンジン11が停止することは回避される。これに対して、車両が所定値以上の車速で後退走行しているときに、前進走行に切り換えられると、無段変速機13等により後退方向に大きな慣性力がエンジン11に加わるので、エンジン11が停止されることになる。したがって、ステップS2において判定する車速値としては、後退走行から前進走行に切り換えられると、慣性力によりエンジン11が停止される速度によって設定される。この車速値としては、例えば、20km/hである。
なお、ステップS2〜S5において、いずれかの条件を満足しない場合には、ステップS6をスキップしてセレクト判定フラグが「0」のまま保持される。
ステップS7において、セレクト判定フラグが「0」と判定されたときには、電動オイルポンプ78は通常制御に移行される(ステップS9)。通常制御のもとでは、機械式オイルポンプ56の回転数により、電動オイルポンプ78の作動と停止の制御が実行される。
ステップS1において走行中にセレクトレバー85が操作されたことが判定された場合には、ステップS10が実行される。このステップS10においては、エンジン回転数が所定値以上の状態を所定時間継続しているか否かが判定される。このステップS10においてYESと判定されるときは、エンジン11が完全に回転している状態であって、機械式オイルポンプ56が充分に機能している状態である。つまり、機械式オイルポンプ56から吐出される作動油によってライン圧を確保することができる状態であるので、電動オイルポンプ78を駆動させる必要はない。そこで、ステップS11においてセレクト判定フラグを「0」にする。これにより、電動オイルポンプ78はステップS9において通常制御される。
ステップS10においてNOと判定されるときは、エンジン回転数が所定値未満であるか、またはエンジン回転数が所定値以上の状態を所定時間連続して検出していない状態である。つまり、機械式オイルポンプ56から吐出される作動油の圧力によってライン圧を確保することができない状態である。この場合には、セレクト判定フラグ「1」の状態のままに前置保持する。したがって、ステップS8が実行されて、電動オイルポンプ78は動作し続けるように制御される。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。図1には、前輪駆動用の動力伝達系10を示すが、四輪駆動用や後輪駆動用の動力伝達装置としても、動力伝達系を適用することができる。また、プライマリプーリ51とセカンダリプーリ52との掛け渡される動力伝達要素としては、チェーンに代えて、金属製のVベルトを使用することもできる。さらに、電動オイルポンプ78が搭載される車両であれば、エンジン11のみを駆動源とする車両にも本発明を適用することができる。
11 エンジン
12 走行用モータ
13 無段変速機
14 プライマリ軸
15 セカンダリ軸
16 クランク軸
18 前後進切換クラッチ
19 ロータ軸
24 出力クラッチ
41 前進用のクラッチ
42 後退用のクラッチ
51 プライマリプーリ
52 セカンダリプーリ
53 駆動チェーン
54 プライマリ油室
55 セカンダリ油室
56 機械式オイルポンプ
59 バルブユニット
77 電動モータ
78 電動オイルポンプ
80 制御ユニット

Claims (3)

  1. 前後進切換クラッチを介してエンジンのクランク軸に連結されるプライマリ軸に設けられるプライマリプーリと、駆動輪に連結されるセカンダリ軸に設けられるセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに掛け渡される動力伝達要素と、変速制御用の油室とを備える無段変速機の制御装置であって、
    前記クランク軸と前記プライマリ軸との間に配置され、前記クランク軸の回転を前記プライマリ軸に伝達する締結状態と、伝達を遮断する開放状態とに切り換える前進用のクラッチと、
    前記前進用のクラッチと前記プライマリ軸との間に配置され、前記クランク軸の回転を前記プライマリ軸に逆転させて伝達する締結状態と、伝達を遮断する開放状態とに切り換える後退用のクラッチと、
    前記エンジンにより駆動され前記前進用のクラッチと前記後退用のクラッチとの油室に作動油を供給する機械式オイルポンプと、
    電動モータにより駆動され前記前進用のクラッチと前記後退用のクラッチとの油室に作動油を供給する電動オイルポンプと、
    車両の走行方向および車速を検出する車速センサと、
    運転者によるセレクトレバーの操作により選択されるシフト位置を検出するシフトセンサと、
    前記前進用のクラッチの油室から作動油が排出され、かつ前記後退用のクラッチの油室に作動油が供給されて前記後退用のクラッチが締結状態となって車両が閾値以上の車速で後退走行しており、前記電動オイルポンプが駆動されていない状態のもとで、前記セレクトレバーが後退走行位置から前進走行位置に切り換えられて前記後退用のクラッチの油室から作動油が排出され、かつ前記前進用のクラッチの油室に作動油が供給されて前記前進用のクラッチが締結状態となったときには、前記電動オイルポンプを駆動する制御ユニットと、
    を有する無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の制御装置において、前記前後進切換クラッチを後退走行モードから前進走行モードに切り換えると、エンジンに逆転方向に加わる慣性力によりエンジンが停止される車速で後退走行している状態のもとで、前記セレクトレバーが後退走行位置から前進走行位置に切り換えられたときに、前記電動オイルポンプを駆動する、無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2記載の無段変速機の制御装置において、前記プライマリプーリに連結されるロータ軸を有する走行用モータを備え、車両が後退走行するときにエンジンと走行用モータの動力を駆動輪に伝達し、前記セレクトレバーが後退走行位置から前進走行位置に切り換えられたときには、前記ロータ軸の回転方向を前進走行方向から後退走行方向に逆転させる、無段変速機の制御装置。
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