JP6407604B2 - 蛍石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、蛍石の製造方法に関する。
蛍石(CaF2)は、フッ素工業製品の原料として用いられている希少な鉱物であり、我が国では産出できず、他国から蛍石又はその一次加工品を輸入しているのが現状である。
しかし、近年、各国の資源の囲み込みにより、特に高純度品は、価格の高騰に加え、質・量が安定して入手できにくくなりつつある。
中でも、レンズなどに用いられる光学用蛍石単結晶の原料としての高純度蛍石は特定の鉱山からのみ産出され、資源の枯渇・品質の安定に懸念がある。
以上の背景から、天然品ではなく、合成品を製造する試みもなされているが、高純度の合成蛍石を製造することには困難が伴う。
例えば、炭酸カルシウムとフッ化水素水を用いて、蛍石を合成する技術は従来から知られているが、水を除去するために高温で焼成する必要があるために、当該焼成の際の不純物混入を抑制する必要がある。
そこで、フッ化カルシウム粉末の包含水をフッ化カルシウム粉末の焼結体からなるフッ化カルシウム製るつぼに入れて焼成することによって除去することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−123417号公報
上記特許文献1の技術は、固体と液体の反応系(炭酸カルシウムとフッ化水素水との反応)で必要となる高温焼成の際に、不純物混入をできるだけ抑制することを企図するものである。
本発明は、上記従来技術の如き固体と液体の反応系とは異なる視点に立って、高温焼成を必要としない反応系で、不純物が極力低減された蛍石を製造するための蛍石の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。
まず、蛍石を製造するための方法として、固体と液体の反応系ではなく、固体と気体の反応系として、炭酸カルシウムとフッ化水素ガスやフッ素ガスなどの反応性のフッ素系ガスとの反応を利用することを検討した。
ところが、炭酸カルシウムは、不純物を低減した精製品が微粉末であることから、気体(反応性のフッ素系ガス)と反応させるのは一般に困難であり、そのままでは実用化において困難を伴うことが分かった。
そこで、炭酸カルシウムを他の物質と混合して造粒物とすることを試みたものの、一般的な有機バインダーを用いたのでは、蛍石製造後、黒色化が起こり、特にレンズ用途への応用には難点があった。
この難点を克服するため、さらに検討を行ったところ、黒色化の原因が有機バインダーの炭化によるものではないかと推測された。
そして、炭酸カルシウムと組み合わせるべき物質について種々検討し実験を重ねた結果、水酸化カルシウムが、炭酸カルシウムから容易に得ることができ、かつ炭酸カルシウムから水酸化カルシウムを得る際に不純物濃度が殆ど変わらないこと、水酸化カルシウムを炭酸カルシウムと組み合わせることにより取り扱いに適した十分な強度を備える造粒物となること、さらには炭酸カルシウムも水酸化カルシウムもフッ化水素ガスやフッ素ガス等の反応性のフッ素系ガスとの反応によって蛍石を生成させることが確認され、不純物濃度の低い蛍石を製造する上で極めて有効であることが分かった。
本発明は、以上の知見に基づき、完成されるに至った。
すなわち、本発明にかかる蛍石の製造方法は、純度99.5%以上の蛍石を製造するための方法であって、少なくとも純度99.5%以上の水酸化カルシウム及び純度99.5%以上の炭酸カルシウムからなる造粒物と、反応性のフッ素系ガスとを反応させる方法であり前記水酸化カルシウムが、純度99.5%以上の炭酸カルシウムを加熱し、加水して得られたものである。
本発明によれば、取り扱い上の困難性も殆どなく、しかも不純物の混入が極力回避できる造粒物を用いるので、高純度の蛍石(例えば、レンズなどに用いられる光学用蛍石単結晶の原料としての蛍石など)を提供することができる。
本発明にかかる蛍石の製造方法の一実施形態を示すフロー図である。 実施例1〜6の造粒物に関し、水酸化カルシウムの添加率(重量%)と圧壊強度(kg)との関係を示すグラフである。 実施例7において、経過時間(min)と反応筒表面温度(℃)との関係を示すグラフである。 実施例7にかかる蛍石を用いた蛍石単結晶の透過率を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明にかかる蛍石の製造方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔炭酸カルシウム〕
本発明では、原料成分として炭酸カルシウムを用いる。
炭酸カルシウムは、組成式CaCO3で表されるカルシウムの炭酸塩である。
高純度の蛍石を製造するためには、その原料である炭酸カルシウムも高純度であることが好ましい。具体的には、純度99.5%以上であることが好ましく、99.9%以上であることがより好ましい。
このような高純度の炭酸カルシウムは、市場で入手可能である。
〔水酸化カルシウム〕
本発明では、炭酸カルシウムとともに水酸化カルシウムを用いる。
上述の高純度の炭酸カルシウムは粉体状であり、そのままでは取り扱いが困難であるところ、水酸化カルシウムと組み合わせることで、一定以上の強度を備えた造粒物とすることができる。
水酸化カルシウムは、市販のものでもよいが、高純度の水酸化カルシウムはあまり多く流通していないので、上述の高純度の炭酸カルシウムを利用して合成することが好ましい。
具体的には、炭酸カルシウムを加熱することにより酸化カルシウムが得られ、これに加水することで水酸化カルシウムが得られる。
炭酸カルシウムの加熱は、例えば、電気炉やガス焼成炉などを用いて、1000〜1500℃で、1〜5時間行う。
なお、本発明者の実験的確認によれば、上記反応過程では、純度の低下は殆ど認められない。
〔造粒物〕
本発明の蛍石製造用造粒物は、少なくとも炭酸カルシウムと水酸化カルシウムとからなる造粒物である。
例えば、少なくとも炭酸カルシウムと水酸化カルシウムと水とからなる混合物を成形し、乾燥して得ることができる。
なお、本発明の効果を害しない範囲であれば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水以外の成分が含まれていても良い。
ところで、水酸化カルシウムは、上述のように、炭酸カルシウムを加熱して酸化カルシウムとし、これに加水することで得ることができる。
そこで、このようにして得られた水酸化カルシウムを、別途準備しておいた炭酸カルシウム及び水と混合して、前記混合物を調製することができる。
また、炭酸カルシウムの加熱による酸化カルシウムの生成を意図的に未完結なものとすれば、未反応の炭酸カルシウムと酸化カルシウムの混合物となり、さらに、これに加水すると、未反応の炭酸カルシウム、酸化カルシウムから生成する水酸化カルシウム、過剰の水の3者混合物となり、3者を別途準備してから混合する方法よりも工程の簡略化が図られることとなる。
前記混合物において、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムの合計重量に対する水酸化カルシウムの重量割合が25重量%以上であることが好ましい。25重量%以上であれば、この混合物から得られる造粒物が一定以上の強度を有するものとなり、フッ化水素ガスやフッ素ガスとの反応に供する場合においても、取り扱いやすい。
また、前記混合物の含水率は、10〜40重量%であることが好ましい。含水率が10重量%未満では、まとまりがなく造粒時に形状の維持が困難となるおそれがあり、40重量%を超えると、ペースト状となって造粒時に形状の維持が困難となるおそれがある。
次に、上記混合物を成形し、乾燥して得られる造粒物に関し、この造粒物の大きさとしては、特に限定するわけではないが、その取り扱い性の見地から、例えば、粒径3〜10mm程度であることが好ましい。造粒物の大きさが前記範囲程度であれば、取り扱い性を十分に確保できるとともに、蛍石の製造に際して、造粒物の中心まで十分に反応させることができる。
造粒物は、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムと水との混合物を一般的な成形方法により成形することにより容易に得ることができ、例えば、押出成形、ブリケット成形、打錠成形、マルメライザ成形などの成形方法が好適に挙げられる。
成形後の乾燥は、特に限定するわけではないが、例えば、公知の乾燥機を用いて、100〜150℃で、1〜5時間加熱することにより行うことができる。
〔蛍石〕
本発明の蛍石の製造方法では、上述した造粒物と、反応性のフッ素系ガスとを反応させる。
反応性のフッ素系ガスとしては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムとの反応により蛍石を生成させるものであれば良く、一般的には、フッ化水素ガス又はフッ素ガスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
造粒物を構成する炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムの両方が、反応性のフッ素系ガスとの反応により、蛍石を生成させることから、有機バインダーを用いる場合などと比べて、不純物の混入が格段に抑制されることとなるうえ、原料に無駄がなく、コスト面でも有利である。
フッ化水素ガスやフッ素ガスなどの前記反応性のフッ素系ガスについては、フッ素含有化合物の無害化処理工程や、他の化合物の生成工程で副生するものを利用することもでき、この場合、原料コストの低減、資源の有効活用が実現できる。
例えば、フルオロカーボン類を分解することにより生じたフッ化水素ガスやフッ素ガスを、本発明の蛍石の製造方法における反応性フッ素系ガスとして利用することもでき、これによれば、温室効果ガスとして削減対象となっているフルオロカーボン類の削減にも資することとなる。
上記造粒物と反応性のフッ素系ガスとの反応は、例えば、図1に示すフローによって製造することができる。
図1において、反応性フッ素系ガス供給ボンベ1にはフッ化水素ガスやフッ素ガスなどの反応性のフッ素系ガスが充填され、希釈用ガス供給ボンベ2には窒素ガスや希ガス(アルゴンガスなど)などの不活性ガスが充填されている。
反応性のフッ素系ガスと希釈用ガスは、開閉弁3a,3b,3c,3d(開閉弁3aは逆止弁)、マスフローコントローラー4a,4bで適宜に流量制御されて、反応筒5に供給される。
反応性フッ素系ガスとしてフッ化水素ガスを用いる場合、反応性フッ素系ガス供給ボンベ1から反応筒5までの配管は、フッ化水素の配管への凝縮・吸着を防止するために、ヒーティング(例えば、100℃以下程度のヒーティング)を実施することが好ましい。
恒温槽6は、加温器7により一定温度(例えば、100℃)に維持されている。この恒温槽6は、例えば、反応性フッ素系ガスとしてフッ化水素ガスを用いる場合には、フッ化水素ガスの凝縮を避け、安定的にガス供給するために設けることが好ましいが、例えば、反応性フッ素系ガスとしてフッ素ガスを用いる場合には、凝縮等の問題は起こらないので設けないこととしても良い。
反応筒5には、造粒物が充填されており、ここに、希釈用ガスとの混合により適宜に希釈され、流量制御されたフッ素系ガスが供給されることにより、造粒物と反応性のフッ素系ガスとの反応が進行し、蛍石が生成される。
反応性フッ素系ガスと希釈用ガスとの混合ガスにおける反応性フッ素系ガスの濃度は、例えば、1容積%以上とすることが好ましい。
SV(空筒速度)は、例えば、2000hr-1以下とすることが好ましい。
LV(線速度)は、例えば、500mm/sec以下とすることが好ましい。
反応筒5には、ミストトラップ8、ベント口9が順次接続されている。
蛍石の生成における炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムとフッ素系ガスとの反応は発熱反応である。そこで、本実施形態では、温度計T−1〜T−4により反応筒5の表面温度を複数箇所で測定して、温度の変化を観測することにより反応の完了時点を把握できるようにしている。例えば、反応筒表面温度の下流部の温度(T−4)が常温になったところで、反応が完結したと評価することができる。
反応完結後は、反応性フッ素系ガスの供給を停止し、希釈用ガスのみを供給して、反応性フッ素系ガスの濃度が十分に低下するまでパージすることが好ましい。
その後、反応生成物(蛍石)を回収する。
以上の製造方法によれば、純度の高い蛍石、例えば、純度が99.5%以上、好ましくは99.9%以上の蛍石を製造することができる。
このような高純度の蛍石は、特に、光学結晶用途への応用において好ましいものである。
蛍石を原料として単結晶を製造する方法としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、蛍石及びスカベンジャーをるつぼに投入し、真空環境下で、加熱・溶融した後、徐冷して再結晶化することにより、光学用蛍石単結晶を得ることができる。
なお、本発明の光学用蛍石単結晶は、光学用レンズやプリズム、窓材など、種々の光学用部材用途に利用できる他、例えば、フッ化水素の原料用途などの用途に利用することもできる。
以下、実施例を用いて、本発明にかかる蛍石の製造方法について詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
ソルベー社の炭酸カルシウム粉末(純度99.96%、粒径3.4μm)を電気炉により1000〜1100℃で2時間加熱し、酸化カルシウムを得た。
得られた酸化カルシウム100重量部に対し58重量部の割合で加水し、水酸化カルシウムを得た。この反応は発熱反応であるため、余剰の水はほとんど揮発した。
上記水酸化カルシウム10重量部を、別途準備しておいたソルベー社の炭酸カルシウム粉末(純度99.96%、粒径3.4μm)90重量部と混合した後、含水率が35重量%となるように加水した。
得られた混合物を押出成形したのち、乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、直径5mm×5〜10mm程度の概略円柱状の造粒物を得た。
〔実施例2〜6〕
炭酸カルシウム粉末と水酸化カルシウムの混合割合を変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6にかかる各造粒物を製造した。
下表1に、実施例1〜6にかかる造粒物の配合と圧壊強度を示す。また、表1に示す結果をグラフ化したものを図2に示す。
上記において、圧壊強度は、硬度計で測定した。
表1及び図2に示す結果から、水酸化カルシウムが25重量%以上であれば、非常に良好な圧壊強度が得られることが分かった。
〔実施例7〕
図1に示した装置を用い、実施例5にかかる造粒物とフッ化水素ガスとを反応させ、蛍石を製造した。
具体的には、反応性フッ素系ガス供給ボンベ1にフッ化水素ガス(ステラケミファ社製、純度99.95%)を充填し、希釈用ガス供給ボンベ2に窒素ガスを充填し、反応筒5に実施例5にかかる造粒物を充填した。
反応性フッ素系ガス供給ボンベ1から反応筒5までの配管は、フッ化水素の配管への凝縮・吸着を防止するため、ヒーティング(100℃以下程度)を実施した。恒温槽の温度は100℃とした。
反応筒5としては、以下のものを用いた。
内径:43mm
造粒物の充填高さ:160mm
造粒物の充填体積:0.232L
また、フッ化水素ガスと窒素ガスの供給条件は以下のとおりとした。
フッ化水素ガスの流量:2.0SL/min(20℃、常圧)
窒素ガスの流量:0.5SL/min(20℃、常圧)
SV(空筒速度):645hr-1
LV(線速度):29mm/sec
反応温度:室温
フッ化水素ガス及び窒素ガスの供給時間は、反応筒5の表面温度の下流部の温度(T−4の測定値)が常温となる時間を目安とすることができる。これについて、反応筒表面温度(℃)の温度変化を示すグラフを図3に示す。ただし、本実施例では、フッ化水素ガス及び窒素ガスの供給時間は、造粒物との理論反応量の1.5倍の267分とした。
フッ化水素ガス及び窒素ガスの供給終了後は、窒素ガスのみを供給して、反応筒5出口のフッ化水素ガス濃度が3ppm以下となるまでパージを実施した。その後、反応筒5内の反応生成物(蛍石)を取り出した。
〔比較例1〜3〕
水酸化カルシウムに代えて、有機系バインダーとしてデンプンを用いるか、又はSi系バインダーとして水ガラスを用いて、下表2に示す割合で炭酸カルシウムと混合したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜3にかかる各造粒物を製造した。
〔比較例4〜6〕
比較例1〜3にかかる各造粒物について、実施例7に準じて、比較例4〜6にかかる各蛍石を製造した。
実施例5及び比較例1〜3にかかる各造粒物並びに実施例7及び比較例4〜6にかかる各蛍石について、誘導結合プラズマ発光分析装置(パーキンエルマー社製)を用いて、不純物の分析を行った。
結果を下表3に示す。
表3に示す結果から、実施例5の造粒物とこれを用いて製造した実施例7の蛍石について、不純物濃度の変化を見ると、不純物濃度は殆ど増加していないことが分かる。
なお、比較例6については、Si系バインダーのSi成分が、フッ化水素との反応によってSiF4となって揮散し、不純物として残存しないのではないかと考えたものであったが、表3に示す結果を見る限り、Siが不純物として蛍石中に多く混入してしまっていた。
また、実施例7にかかる蛍石を黒鉛製るつぼに入れ、さらにスカベンジャー(フッ化亜鉛)を全量に対して2重量%となる割合で投入し、真空環境下にて1500℃以上に加熱して混合物を溶融させた後、るつぼ下方より徐冷して再結晶化し、蛍石単結晶を製造した。
同様に、比較例4〜6にかかる蛍石を用いて、蛍石単結晶を製造した。
実施例7及び比較例4〜6にかかる蛍石を用いて製造した蛍石単結晶の外観の色を表4に示す。
実施例7にかかる蛍石を用いた蛍石単結晶は、無色透明であった。この蛍石単結晶の透過率を測定した結果を図4に示す。可視光領域に吸収が無くレンズ等の光学用途に好適である。
一方、比較例4,5にかかる蛍石を用いた蛍石単結晶は、有機系バインダーを用いたためか、黒色化したため、レンズ等の光学用途には不向きであった。
比較例6にかかる蛍石を用いた蛍石単結晶も、濁りがあり(Si成分の混入が大きく影響していると推測される)、実施例7にかかる蛍石を用いた蛍石単結晶の如き無色透明のものは得られず、レンズ等の光学用途には不向きであった。
本発明によれば、不純物が非常に低減された蛍石を製造することができるので、高純度であることが要求されるレンズ等光学用途の蛍石単結晶としての利用に好適である。
1 反応性フッ素系ガス供給ボンベ
2 希釈用ガス供給ボンベ
3a,3b,3c,3d 開閉弁
4a,4b マスフローコントローラー
5 反応筒
6 恒温槽
7 加温器
8 ミストトラップ
9 ベント口

Claims (4)

  1. 純度99.5%以上の蛍石を製造するための方法であって、少なくとも純度99.5%以上の水酸化カルシウム及び純度99.5%以上の炭酸カルシウムからなる造粒物と、反応性のフッ素系ガスとを反応させる方法であり前記水酸化カルシウムが、純度99.5%以上の炭酸カルシウムを加熱し、加水して得られたものである、蛍石の製造方法。
  2. 前記造粒物が、少なくとも炭酸カルシウムと水酸化カルシウムと水とからなる混合物を成形し、乾燥して得られたものである、請求項1に記載の蛍石の製造方法。
  3. 前記混合物において、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムの合計重量に対する水酸化カルシウムの重量割合が25重量%以上である、請求項に記載の蛍石の製造方法。
  4. 前記混合物の含水率が10〜40重量%である、請求項又はに記載の蛍石の製造方法。
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