JP6623673B2 - フッ化カルシウムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高純度のフッ化カルシウムを製造する方法に関する。
フッ化水素の工業的製造方法として、一般的に、フッ化カルシウムと硫酸の反応が知られている。フッ化カルシウムと硫酸を反応させてフッ化水素を製造する際、以下の反応が起こる。

CaF + HSO → 2HF + CaSO ・・・ (1)
現在、フッ化水素を製造する際の原料として、天然蛍石が使用されることが多い。しかし、天然蛍石の枯渇の懸念、価格の高騰、安定な供給への不安等から、別のCaF供給源を確保することが望まれている。
一方、工場等から排出されるフッ素含有廃水中のフッ素の濃度を排水基準値以下にするために、廃水中のフッ素とカルシウム源(例えばカルシウム塩)を反応させてフッ化カルシウムとして固定化し、除去する方法が知られている(特許文献1〜3)。
このような状況下、新たなCaF供給源として、上記のフッ素含有廃水から得られるフッ化カルシウムが注目されている。
特開2013−60330号公報 特開2012−148265号公報 特開2015−74575号公報
フッ化カルシウムに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等の不純物が含まれている場合、これらの不純物は、以下の化学反応式に示すように、硫酸と反応して水などの副生成物を生じる。

CaCO + HSO → CaSO + CO + HO・・・(2)

Ca(OH) + HSO → CaSO + 2HO ・・・(3)
上記化学反応式(2)および化学反応式(3)に従い水が生成した場合、製造装置内部に存在しているフッ化カルシウム、硫酸、および硫酸カルシウム等の混合物が、副生成物の水と混ざり、粘度の大きいペースト状の混合物(以下、「ペースティー」と言う)となる。これらのペースティーが装置内部に付着し、金属材料を腐食するため、装置寿命が短くなる原因となる。したがって、水の生成を抑制するために、フッ化水素の原料として用いるフッ化カルシウムは、CaF純度の高いものが好ましい。
CaF純度の高いフッ化カルシウムを得る方法として、様々な方法が知られている。例えば、特許文献1には、フッ素濃度が50000mg/L以上のフッ素含有水中のフッ素と炭酸カルシウムを反応させることにより、フッ化カルシウムを得る方法が記載されている。また、特許文献2には、フッ素含有水に含まれるフッ素に対して、過剰量の石灰類を加え、高純度化工程を経て、フッ化カルシウムを得る方法が記載されている。さらに、特許文献3には、フッ素含有廃水を処理することにより得られたCaF純度の低いフッ化カルシウムを用いて、これを塩酸およびフッ酸を含む水溶液に溶解し、酸性領域でフッ化カルシウム粒子を析出させる方法が記載されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、フッ素含有水に含まれるフッ素濃度が比較的低濃度の場合、高純度のフッ化カルシウムを得ることができないという問題がある。また、特許文献2および3に記載の方法では、フッ素含有廃水と生成したフッ化カルシウムとを分離し、廃水またはフッ化カルシウムを最初の工程に返送する等、比較的操作が煩雑であるという問題がある。
本発明は、比較的簡便な方法を用いて、フッ素濃度の低いフッ素含有液から純度が高いフッ化カルシウムを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、フッ素含有液中のフッ素に対して1モル当量以下のカルシウム塩を添加し、得られた純度の低いフッ化カルシウムと新たなフッ素含有液とを混合することにより、フッ素含有量が低い液から、純度の高いフッ化カルシウムを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の要旨によれば、
フッ素含有液およびカルシウム塩からフッ化カルシウムを製造する方法であって、
第一フッ素含有液とカルシウム塩とを混合する第一工程、
第一工程で生成したスラリーを固液分離する第二工程、
第二工程で分離された固体成分と第二フッ素含有液とを混合し、第二フッ素含有液に含まれるフッ素とカルシウム塩とを反応させる第三工程、および、
第三工程で生成したスラリーを固液分離する第四工程
を含み、
(i)第一フッ素含有液、および第二フッ素含有液に含まれるフッ素の濃度が500mg/L以上、15000mg/L以下であり、および、
(ii)第一工程において使用するカルシウム塩の量が、第一工程で使用する第一フッ素含有液中のフッ素に対して0.70モル当量以上、0.99モル当量以下であること
を特徴とする方法が提供される。
本発明の第二の要旨によれば、
フッ素含有液およびカルシウム塩から反応させてフッ化カルシウムを製造する方法であって、
第一フッ素含有液とカルシウム塩とを混合する第一工程、
第一工程で生成したスラリーを固液分離する第二工程、
第二工程で分離された固体成分と、CaFを主成分として含む混合物と、第二フッ素含有液とを混合し、第二フッ素含有液に含まれるフッ素とカルシウム塩とを反応させる第三工程、および、
生成したスラリーを固液分離する第四工程
を含み、
(i)第一フッ素含有液、および第二フッ素含有液に含まれるフッ素の濃度が500mg/L以上、15000mg/L以下であり、および、
(ii)第一工程において使用するカルシウム塩の量が、第一工程で使用する第一フッ素含有液中のフッ素に対して0.70モル当量以上、0.99モル当量以下であること
を特徴とする方法が提供される。
本発明によれば、従来廃棄処分されていた、フッ素イオン濃度の低いフッ素含有液を用いて、純度の高いフッ化カルシウムを得ることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の方法は、連続式およびバッチ式のいずれで実施してもよく、特段の断りのない限り、以下の説明は連続式およびバッチ式の両方に当てはまる。
(実施形態1)
本実施形態は、本発明の第一の要旨によるフッ化カルシウムの製造方法に関する。
本発明の方法において、フッ素含有液とは、フッ素イオンまたはフッ素イオンを放出し得る化合物を含む液体を意味する。フッ素含有液は、化合物が完全に溶解した溶液に限定されず、一部が溶解されていないもの、例えば懸濁液、乳濁液等を含む。フッ素含有液の溶媒は、水であっても、エチルメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の有機溶媒であってもよいが、好ましくは水である。上記フッ素含有液としては、特に限定されないが、例えば半導体製造やその関連分野、各種金属材料、単結晶材料または光学系材料等の表面処理分野において生じるフッ素含有液、即ち、これらの製造工場および研究所等から生じるフッ素含有廃液であり得る。
フッ素含有液には、フッ素以外の種々の不純物が含まれていてもよく、不純物としては、例えばカルシウムイオン、塩化物イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、タングステンイオン、コバルトイオン、鉄イオン、アルミニウムイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、シリカ、ヒ素等の無機物質、または有機物質が挙げられる。
・第一工程
第一工程において、第一フッ素含有液とカルシウム塩とを混合することにより、フッ素含有液中のフッ素とカルシウム塩とが反応して、フッ化カルシウムが生成し、フッ化カルシウムの固体、典型的にはフッ化カルシウムの粒子を含むスラリーが得られる。
第一工程において用いられる第一フッ素含有液のフッ素濃度は、500mg/L以上15000mg/L以下が好ましく、より好ましくは700mg/L以上10000mg/L以下であり、さらに好ましくは800mg/L以上7000mg/L以下であり、最も好ましくは1000mg/L以上5000mg/L以下である。フッ素濃度を前記下限値以上とすることにより、高純度の蛍石を得ることがより容易になる。一方、フッ素濃度を前記上限値以下とすることにより、装置の腐食がより抑制される。
尚、本明細書を通じて、フッ素含有液のフッ素濃度とは、フッ素イオンおよびフッ素化合物のいずれの形態で存在するかを問わず、存在し得る全フッ素元素の濃度を言う。
第一フッ素含有液のpHは、特に限定されないが、例えばpH2〜5であり、好ましくはpH2〜4、さらに好ましくはpH2〜3である。第一フッ素含有液のpHを上記の範囲とすることにより、より純度の高いフッ化カルシウムを得ることができる。
本発明におけるカルシウム塩とは、カルシウムを含む塩であれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム等が挙げられる。好ましくは水酸化カルシウムまたは塩化カルシウムを用いることができる。水酸化カルシウムまたは塩化カルシウムを用いることにより、得られるフッ化カルシウムの純度をより高くすることができる。カルシウム塩は1種のみ使用することもでき、2種以上のカルシウム塩を組み合わせて使用してもよい。
用いられるカルシウム塩の態様は特に限定されず、例えば、カルシウム塩は、粉末状または粒子状で使用してもよいし、カルシウム塩を溶媒に溶解し、溶液、スラリー、懸濁液として使用してもよい。取り扱いが容易なことから、好ましくは、カルシウム塩は溶液、スラリー、懸濁液の状態で用いられる。
カルシウム塩の粉末の粒径は、好ましくは80μm以下、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。カルシウム塩の粒径を、80μm以下とすることにより、カルシウム塩のフッ素含有液への溶解性がより向上する。また、カルシウム塩の粉末の粒径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。カルシウム塩の粒径を、1μmとすることにより、取り扱いが容易になる。
第一工程において使用するカルシウム塩の量は、第一工程で使用する第一フッ素含有液中のフッ素に対して、好ましくは0.70モル当量以上0.99モル当量以下であり、より好ましくは0.80モル当量以上0.99モル当量以下であり、さらに好ましくは0.85モル当量以上0.99モル当量以下であり、最も好ましくは0.90モル当量以上0.99モル当量以下、例えば0.90モル当量以上0.98モル当量以下である。カルシウム塩の量を前記下限値よりも大きくすることにより、より効率的に高純度のフッ化カルシウムを得ることができる。一方、カルシウム塩の量を前記上限値よりも少なくすることにより、フッ素以外のイオンとカルシウム塩との反応による不純物の生成を抑制することができる。
尚、本明細書を通じて、カルシウム塩のモル当量とは、フッ素イオン(F)とカルシウムイオン(Ca2+)との反応を基準とした当量を言う。
第一工程における第一フッ素含有液とカルシウム塩との混合の態様として、特に限定されないが、一度に全てのフッ素含有液およびカルシウム塩を混合してもよいし、フッ素含有液および/またはカルシウム塩を複数回に分けて供給して混合してもよい。
第一工程において行う混合は、フッ素含有液中のフッ素とカルシウム塩が反応することが可能である方法であれば、特に限定されず、例えば撹拌、振盪等を用いることができる。
第一工程において、フッ素とカルシウム塩とを反応させる際のpHは、好ましくはpH2〜5であり、より好ましくはpH2〜4、さらに好ましくはpH2〜3である。
第一工程における混合温度は、特に限定されないが、0〜60℃であり、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃であり、代表的には室温(例えば、25℃)である。カルシウム塩とフッ素との反応速度を速める観点からは、高い混合温度が好ましい。一方、エネルギー効率および装置の簡便さの観点からは、室温が好ましい。
第一工程における第一フッ素含有液とカルシウム塩との混合に要する時間は、フッ素含有液とカルシウム塩が十分混合され、フッ素含有液中のフッ素とカルシウム塩が十分に反応し得る時間であれば特に限定されないが、0.5分から60分が好ましく、1分から30分がより好ましい。
・第二工程
第二工程において、第一工程で得られたフッ化カルシウムを含むスラリーを固液分離し、フッ化カルシウムを含む固体成分を得る。
第二工程における固液分離は、生成したスラリーを溶液と固体成分とに分離することができる方法であれば特に限定されないが、濾過、沈降分離、減圧濾過、遠心分離等から適宜選択して行うことができる。
・第三工程
第三工程において、第二工程で得られたフッ化カルシウムを含む固体成分と、新たなフッ素含有液である第二フッ素含有液と混合して、固体成分中に残存するカルシウム塩と、第二フッ素含有液中のフッ素とを反応させる。この工程により、フッ化カルシウムの純度を高めることができる。
第三工程において用いられる第二フッ素含有液のフッ素濃度は、500mg/L以上15000mg/L以下が好ましく、より好ましくは700mg/L以上10000mg/L以下であり、さらに好ましくは800mg/L以上7000mg/L以下であり、最も好ましくは1000mg/L以上5000mg/L以下である。フッ素濃度を前記下限値以上とすることにより、高純度の蛍石を得ることがより容易になる。一方、フッ素濃度を前記上限値以下とすることにより、装置の腐食がより抑制される。
第二フッ素含有液のpHは、特に限定されないが、例えばpH2〜5であり、好ましくはpH2〜4、さらに好ましくはpH2〜3である。第一フッ素含有液のpHを上記の範囲とすることにより、より純度の高いフッ化カルシウムを得ることができる。
上記第二フッ素含有液は、第一フッ素含有液と同じものであってもよく、異なっていてもよい。一の態様において、第二フッ素含有系と第一フッ素含有液は、同じフッ素含有液である。
第三工程で用いられる第二フッ素含有液の量は、第一工程において用いたカルシウム塩が、第二フッ素含有液に含まれるフッ素に対して、好ましくは0.70モル当量以上0.99モル当量以下、より好ましくは0.80モル当量以上0.99モル当量以下、さらに好ましくは0.85モル当量以上0.99モル当量以下、最も好ましくは0.90モル当量以上0.99モル当量、例えば0.90モル当量以上0.98モル当量以下となるような量である。
第三工程において行う混合は、フッ素含有液中のフッ素とカルシウム塩が反応することが可能である方法であれば、特に限定されず、例えば撹拌、振盪等を用いることができる。
第三工程において、フッ素含有液中に含まれるフッ素とカルシウム塩とを反応させる際のpHは、好ましくはpH2〜5であり、より好ましくはpH2〜4、さらに好ましくはpH2〜3である。
第三工程における混合温度は、特に限定されないが、0〜60℃であり、好ましくは10〜50℃、より好ましくは15〜40℃であり、代表的には室温(例えば、25℃)である。カルシウム塩とフッ素との反応速度を速める観点からは、高い混合温度が好ましい。一方、エネルギー効率および装置の簡便さの観点からは、室温が好ましい。
第三工程における第二フッ素含有液と第二工程で得られた固体成分との混合に要する時間は、フッ素含有液と固体成分が十分混合され、フッ素含有液中のフッ素と固体成分中のカルシウム塩が十分に反応し得る時間であれば特に限定されないが、0.5分から60分が好ましく、1分から30分がより好ましい。
さらに、第三工程において、第二工程で得られた固体成分と第二フッ素含有液とを混合した後、さらに中和剤と混合してよい。中和剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、これらは、1種のみでまたは2種以上の混合物として使用することができる。
・第四工程
第四工程において、第三工程で得られたフッ化カルシウムを含むスラリーを固液分離して、固体成分、即ちフッ化カルシウムを得る。
第四工程における固液分離は、第二工程における固液分離と同様に行うことができる。
第四工程で得られた固体成分は、洗浄および乾燥してもよい。
本発明の方法により生成したフッ化カルシウムの純度は、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上である。
フッ化カルシウム中の不純物としては、特に限定されないが、例えば水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
水酸化カルシウムまたは炭酸カルシウムが含まれているフッ化カルシウムをフッ化水素の製造原料として使用すると、炭酸カルシウムまたは水酸化カルシウムと硫酸とが、それぞれ、上記式(2)および(3)に示す反応を起こし、副生成物として水が生成する。水が生成するとペースティーが生じ、装置が腐食される原因となるため、可能な限り少ない方が好ましい。本発明で生成するフッ化カルシウムに含まれる水酸化カルシウムおよび炭酸カルシウムは、合計で、好ましくは3重量%以下、より好ましくは2重量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下、さらにより好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.3重量%以下である。
本発明で用いられるフッ素含有液におけるフッ素濃度、本発明で得られたフッ化カルシウムの純度および不純物濃度は、JISK 0102記載の方法に基づいて測定することができる。
第一工程および第三工程においてフッ素含有液とカルシウム塩とを混合する際に使用する浴槽の材料としては、フッ素含有水に耐性がある材料であれば特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、エポキシ樹脂等から適宜選択することができる。
(実施形態2)
本実施形態2は、第三工程において、第二工程で得られた固体成分と第二フッ素含有溶液だけでなく、さらにCaFを主成分として含む混合物をも混合すること以外は、実質的に上記した実施形態1と同じである。フッ化カルシウムを主成分として含む混合物を追加することによって、フッ化水素の製造の際に原料として使用することができない純度の低いフッ化カルシウムを有効に活用することができる。
フッ化カルシウムを主成分として含む混合物とは、フッ化水素の製造原料として使用できるほど高純度でないフッ化カルシウムを指す。具体的には、フッ化カルシウムを主成分として含む混合物中に含まれるフッ化カルシウムの純度は、90質量%未満、例えば80質量%未満または70質量%未満であり得る。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
工程1:フッ素含有水(フッ素濃度:2200mg/L、塩化物イオン濃度:4000mg/L、硫酸イオン濃度:300mg/L、カルシウムイオン濃度:170mg/L、カリウムイオン濃度:1000mg/L、ケイ素イオン濃度:28.6mg/L)(各濃度は、イオンクロマトグラフ法により測定した)4077gに、水酸化カルシウム(Ca(OH))17.0gを添加し、フッ化カルシウムを析出させて、スラリーを得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。また、この反応により、反応液のpHは2.3から6.4になった。
工程2:得られたスラリーを、沈降分離法によりフッ化カルシウムを含む固体を分離した。
工程3:次に得られた固体を、工程1と同じ新たなフッ素含有水(F:濃度2200mg/L)4077gに、再度添加して、次いで、NaOHで中和を行った。この反応により、反応液のpHは、2.3から7.0になった。
工程4:得られた混合物を沈降分離法により、フッ化カルシウムを含む固体を分離した。
実施例2
工程1において、水酸化カルシウムの代わりに塩化カルシウム25.4gを添加したこと以外は、実施例1同様にして、フッ化カルシウムを含む固体を得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。
実施例3
工程1において、水酸化カルシウムの代わりに炭酸カルシウム23.1gを添加したこと以外は、実施例1と同様にして、フッ化カルシウムを含む固体を得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。
比較例1
工程3および4を行わず、工程2において得られたフッ化カルシウムを含む固体を最終生成物とした。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。
比較例2
フッ素含有水に添加するカルシウム塩を、塩化カルシウム25.4gとしたこと以外は、比較例1と同様にして、フッ化カルシウムを含む固体を得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。
比較例3
フッ素含有水(F濃度:1665mg/L)29kgに水酸化カルシウムを88.6g添加したこと以外は、比較例1と同様にして、フッ化カルシウムを含む固体を得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウム塩の添加量は1.5モル当量であった。
比較例4
フッ素含有水に添加するカルシウム塩を、炭酸カルシウム23.1gとしたこと以外は、比較例1と同様にして、フッ化カルシウムを含む固体を得た。フッ素含有水中の全フッ素量に対するカルシウムの添加量は0.98モル当量であった。
(評価)
上記実施例1〜3ならびに比較例1〜4で得られたフッ化カルシウムを含む固体の成分を蛍光X線分析法にて測定した。結果を、下記表に示す。
Figure 0006623673
上記の結果から、本発明の方法により得られたフッ化カルシウムは、90質量%以上の純度を有することが確認された。
本発明によれば、フッ素含有溶液に含まれるフッ素濃度が低い溶液からも比較的簡便なプロセスを用いて高純度のフッ化カルシウムを得ることができる。

Claims (8)

  1. フッ素含有液およびカルシウム塩からフッ化カルシウムを製造する方法であって、
    第一フッ素含有液とカルシウム塩とを混合する第一工程、
    第一工程で生成したスラリーを固液分離する第二工程、
    第二工程で分離された固体成分と、CaFを主成分として含む混合物と、第二フッ素含有液とを混合し、第二フッ素含有液に含まれるフッ素とカルシウム塩とを反応させる第三工程、および、
    生成したスラリーを固液分離する第四工程
    を含み、
    (i)第一フッ素含有液、および第二フッ素含有液に含まれるフッ素の濃度が500mg/L以上、15000mg/L以下であり、および、
    (ii)第一工程において使用するカルシウム塩の量が、第一工程で使用する第一フッ素含有液中のフッ素に対して0.70モル当量以上、0.99モル当量以下であること
    を特徴とする、方法。
  2. 第一フッ素含有液、および第二フッ素含有液に含まれるフッ素の濃度が、1000mg/L以上、5000mg/L以下である、請求項に記載のフッ化カルシウムを製造する方法。
  3. 前記第一工程において使用するカルシウム塩の量が、第一工程で使用する第一フッ素含有液中のフッ素に対して0.90モル当量以上、0.99モル当量以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第三工程において、第二フッ素含有液に含まれるフッ素とカルシウム塩とをpH2〜5で反応させる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第一工程において使用するカルシウム塩が、水酸化カルシウム、塩化カルシウムおよび炭酸カルシウムから選択される1種またはそれ以上のカルシウム塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第一工程において使用するカルシウム塩が、水酸化カルシウムおよび塩化カルシウムから選択される1種またはそれ以上のカルシウム塩である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 製造されたフッ化カルシウムの純度が90%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 製造されたフッ化カルシウムに含まれる炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムの合計が2重量%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
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