JP6406626B2 - カバー材 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1では、断面がL字型とされ、巾木や廻縁等の造作材を覆うカバーが提案されている。このカバーは、寸法を調節して施工可能なように、断面L字型の内面に、複数の切り溝を設けた構成とされている。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の実施形態では、本実施形態に係るカバー材を施工した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
本実施形態に係るカバー材20は、図2に示すように、取付対象2の互いに交差する第1面4及び第2面5をそれぞれに覆う第1片部21と第2片部31とを備えている。
本実施形態では、カバー材20を、取付対象としての枠材2を覆う枠カバー1を構成するものとしている。図2では、枠カバー1を、壁体に設けられる出入口等の開口を区画する既設の枠材2としての縦枠2を覆うように設けた例を示している。また、図例では、縦枠2を、開き戸が建て付けられる戸枠を構成するものとした例を示している。
本実施形態では、本実施形態に係るカバー材20としての第2カバー20の第1片部21を、第1面としての他方の見込面4を覆うように配される見込片部21としている。また、この第2カバー20の第2片部31を、第2面としての見付面5を覆うように配される第1カバー10の見付片部14を覆うように配される見付片部31としている。
枠カバー1は、上記のように壁体及び戸当り部材6によって見込方向に分断された縦枠2の見込方向両側のうちのいずれか一方の表面3,4,5を覆う構成とされている。つまり、それぞれに第1カバー10,10と第2カバー20,20とを備えた2組の枠カバー1,1によって縦枠2の見込方向両側の表面3,4,5,3,4,5を覆う構成としている。なお、これら見込方向両側の枠カバー1,1を、互いに同様の構成としているので、以下では、一方の枠カバー1を例にとって説明する。
また、これら第1カバー10及び第2カバー20のそれぞれの見込片部11,21及び見付片部14,31は、薄板状とされ、それぞれの見込片部11,21と見付片部14,31とを略直交状に設けた構成とされている。つまり、これら第1カバー10及び第2カバー20は、長手方向に見て略L字状とされている。
これら切断補助溝13は、第1カバー10の長手方向に延びるように設けられ、第1カバー10の全長に亘って設けられている。また、これら切断補助溝13は、見込片部11の裏面12に、見込方向に等間隔を空けて設けられている。図例では、見込片部11の見付片部14側の端部(基端部)から先端部を除いた裏面12の概ね全体に亘って複数本の切断補助溝13を設けた例を示している。なお、このような態様に代えて、見込片部11の裏面12の先端側部位のみに複数本の切断補助溝13を設けるようにしてもよい。
また、見込片部11の見込方向に沿う寸法は、一般的に施工される縦枠2のうちの比較的にちり寸法D2が大きい寸法とされたものの壁体側面3を覆い得る寸法としてもよい。
この見込片部11は、縦枠2のちり寸法D2に応じた見込寸法となるように切断補助溝13に沿ってカッター等の切断具8によって切断され(図1(a)参照)、その先端部を壁面7に当接または近接させ、裏面12を壁体側面3に沿わせて配される。
この突出部16の突出寸法は、出入口側に向く面に突き合わせられる第2カバー20の見付片部31の先端面を目立ち難くする観点や、見付片部31との段差を小さくする観点等から適宜、設定するようにしてもよい。例えば、この突出部16の突出寸法を、第2カバー20の見付片部31の厚さ寸法の2倍未満としてもよく、好ましくは、見付片部31の厚さ寸法の1.1〜1.5倍程度としてもよい。
また、図例では、突出部16の厚さ寸法(枠材厚さ方向に沿う寸法)を、見込片部11の厚さ寸法と略同寸法とした例を示している。
なお、この突出部16は、出入口側に向く面に第2カバー20の見付片部31の先端面が突き合わせられるように出入口側に向く面を平坦面とすればよく、反出入口側に向く面と先端面との出隅部を、適宜の面取り形状等としてもよい。
この見込片部21は、見付片部31との入隅側となる基端側部位25よりも先側部位22の裏面(出入口側面4に対面される面)23に、見込方向(入隅から先側に向かう方向)に間隔を空けて複数本の切断補助溝24を設けた構成とされている。
これら切断補助溝24は、第1カバー10の見込片部11の切断補助溝13と同様の構成とされ、第2カバー20の長手方向に延びるように設けられ、第2カバー20の全長に亘って設けられている。また、上記と同様、切断補助溝24が形成された先側部位22における切断補助溝24間の裏面23を、平坦面としている。また、図例では、見込片部21の先側部位22の先端部の裏面23には、切断補助溝24を設けていない例を示しているが、先側部位22の裏面23の全体に亘って複数本の切断補助溝24を設けるようにしてもよい。
また、見込片部21の基端側部位25の厚さ寸法を、先側部位22の厚さ寸法よりも小さい寸法としている。
また、本実施形態では、見込片部21の基端部に、基端側部位25の厚さ寸法よりも厚さ寸法が大とされたコーナー部位27を設けている。
また、本実施形態では、見込片部21の切断補助溝24間の部位の裏面、つまり先側部位22の裏面23とコーナー部位27の裏面28とを同一平面状としている。
また、基端側部位25の見込方向に沿う寸法も、上記同様な観点等から適宜、設定するようにしてもよく、本実施形態では、先側部位22の見込方向に沿う寸法よりも小さい寸法としている。例えば、基端側部位25の見込方向に沿う寸法を、2mm〜20mm程度、好ましくは、5mm〜10mm程度としてもよい。
また、このコーナー部位27の見込方向に沿う寸法は、強度上の観点等から適宜、設定するようにしてもよく、2mm〜20mm程度、好ましくは、2mm〜10mm程度としてもよい。図例では、コーナー部位27の見込方向に沿う寸法を、基端側部位25の見込方向に沿う寸法と略同寸法とした例を示している。
この見込片部21は、縦枠2の出入口側面4の見込寸法(戸当り部材6の見込方向一方側面から見込方向一方側の見付面5までの見込方向に沿う寸法)に応じた見込寸法となるように切断補助溝24に沿ってカッター等の切断具8によって切断される(図1(b)参照)。また、見込片部21は、裏面23,28を出入口側面4に沿わせて配される。また、図例では、寸法調整された見込片部21の先端部を戸当り部材6に当接または近接させて配されるものとした例を示している。
この見付片部31は、見込片部21と概ね同様、見込片部21との入隅側となる基端側部位35よりも先側部位32の裏面(見付面5に向く面)33に、枠材厚さ方向(入隅から先側に向かう方向)に間隔を空けて複数本の切断補助溝34を設けた構成とされている。
これら切断補助溝34は、上記同様の構成とされ、第2カバー20の長手方向に延びるように設けられ、第2カバー20の全長に亘って設けられている。また、上記と同様、切断補助溝34が形成された先側部位32における切断補助溝34間の裏面33を、平坦面としている。また、図例では、見付片部31の先側部位32の裏面33の全体に亘って複数本の切断補助溝34を設けた例を示しているが、先端部の裏面33には、切断補助溝34を設けないようにしてもよい。
また、見付片部31の基端側部位35の厚さ寸法を、見込片部21と同様、先側部位32の厚さ寸法よりも小さい寸法としている。また、見込片部21と同様、見付片部31の基端部に、基端側部位35の厚さ寸法よりも厚さ寸法が大とされたコーナー部位37を設けている。また、見込片部21と同様、見付片部31の切断補助溝34間の部位の裏面、つまり先側部位32の裏面33とコーナー部位37の裏面38とを同一平面状としている。
この見付片部31の基端側部位35及びコーナー部位37は、見込片部21の基端側部位25及びコーナー部位27と同様の構成とされている。つまり、基端側部位35の裏面側に上記と概ね同様の凹所36を設け、基端側部位35の表面と先側部位32及びコーナー部位37の表面とを、同一平面状(面一状)としている。また、これら基端側部位35及びコーナー部位37の厚さ寸法及び枠材厚さ方向に沿う寸法を、見込片部21の基端側部位25及びコーナー部位27の厚さ寸法及び見込方向に沿う寸法と略同寸法としている。
この見付片部31は、縦枠2の出入口側面4から第1カバー10の突出部16の出入口側に向く面までの枠材厚さ方向に沿う寸法に応じた枠材厚さ方向に沿う寸法となるように切断補助溝34に沿ってカッター等の切断具8によって切断される(図1(b)参照)。また、このように寸法調整された見付片部31は、その先端部を突出部16に当接または近接させ、裏面33(,38)を第1カバー10の見付片部14の表面に沿わせて配される。
また、第1カバー10及び第2カバー20は、合成樹脂系材料や、木質系材料、金属系材料等から形成されたものとしてもよい。また、第1カバー10及び第2カバー20は、例えば、合成樹脂系材料に、木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉(木質)・プラスチック複合材(WPC)から形成されたものとしてもよい。
また、これら第1カバー10及び第2カバー20は、粘着テープ等の粘着材や接着剤等によって縦枠2に固定されるものとしてもよい。
また、これら第1カバー10及び第2カバー20における少なくとも縦枠2に取り付けられた状態で露出する表面を、突板や合成樹脂シート等の貼着や、塗装等によって表面化粧処理が施された化粧面としてもよい。
なお、図3では、図2に示す縦枠2の見込寸法D1よりも見込寸法D3が大とされ、図2に示す縦枠2のちり寸法D2よりもちり寸法D4が小とされ、図2に示す縦枠2の厚さ寸法W1よりも厚さ寸法W2が大とされた縦枠2Aを例示している。
まず、第1カバー10の見込片部11の見込寸法を、縦枠2,2Aのちり寸法D2,D4に応じた寸法となるように切断して調整する。そして、この第1カバー10の見込片部11と見付片部14との入隅部を、縦枠2,2Aの壁体側面3,3Aと見付面5,5Aとの出隅部に沿わせるようにして第1カバー10を縦枠2,2Aに固定する。この際、第1カバー10の各片部11,14の先端部の裏面12,15を粘着テープ等によって仮固定し、各片部11,14の基端側部位の裏面12,15に塗布された接着剤によって第1カバー10を縦枠2,2Aに固定するようにしてもよい。このように第1カバー10が縦枠2,2Aに取り付けられた状態では、第1カバー10の見込片部11の先端部が壁面7に近接または当接した状態となる。
このように取り付ければ、第2カバー20の見込片部21の先端部が戸当り部材6に近接または当接し、また、見付片部31が第1カバー10の見付片部14に重ね合わせられ、この見付片部31の先端部が第1カバー10の突出部16に近接または当接した状態となる。
また、上記した例では、第2カバー20の見込片部21の先端部を、戸当り部材6に近接または当接させた例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、戸当り部材6も模様替えや改装等の対象とする場合には、既設の戸当り部材6を覆う略コ字状のカバーを設け、このカバーの一片部によって第2カバー20の見込片部21の先端部を押さえるように納めるような態様等としてもよい。または、既設の戸当り部材6を除去し、新たに設置される戸当り部材の一側部によって第2カバー20の見込片部21の先端部を押さえるように納めるような態様等としてもよい。
つまり、取付対象としての縦枠2,2Aの互いに交差する第1面(出入口側面)4及び第2面(見付面)5をそれぞれに覆う第1片部(見込片部)21と第2片部(見付片部)31とを備えた構成としている。従って、第2カバー20によって既設の造作材等の表面4,5を覆うことができ、例えば、既設の造作材を撤去して改装工事等をする場合と比べて、模様替えや改装等の作業性を向上させることができる。
また、これら見込片部21及び見付片部31の入隅側となる基端側部位25,35よりも先側部位22,32の裏面23,33に、入隅から先側に向かう方向に間隔を空けて複数本の切断補助溝24,34を設けている。従って、各片部21,31を切断補助溝24,34に沿って切断することで、各片部21,31の入隅から先側に向かう方向に沿う寸法を、容易に調整することができる。これにより、種々の寸法とされた既設の造作材等に対して容易に適用することができ、汎用性を向上させることができる。
また、本実施形態では、見込片部21及び見付片部31のそれぞれにおける切断補助溝24,34間の部位の裏面23,33とコーナー部位27,37の裏面28,38とを同一平面状としている。従って、コーナー部位27,37が取付対象面に対面されるような場合には、第2カバー20の角部の裏面28,38側を安定的に取付対象面に固定することができる。なお、このような態様に代えて、コーナー部位27,37の裏面28,38を、見込片部21及び見付片部31のそれぞれにおける切断補助溝24,34間の部位の裏面23,33と異なる平面状としてもよい。さらには、このようなコーナー部位27,37を設けずに、薄板状とされた基端側部位25,35を、各片部21,31の入隅に至るまで設けるようにしてもよい。
また、第1カバー10の見込片部11及び見付片部14にも、第2カバー20と同様な薄板状の基端側部位や、さらにはコーナー部位を設けるようにしてもよい。換言すれば、第1カバー10を、本実施形態に係るカバー材として把握するようにしてもよい。
また、上記した例では、枠材2,2Aを、開き戸が建て付けられる戸枠を構成するものとした例を示しているが、このような態様に限られず、折戸や引戸等の他の建具が建て付けられる戸枠を構成するものとしてもよい。また、枠材2,2Aとしては、戸枠を構成するものに限られず、窓枠や無目枠等を構成するものとしてもよい。例えば、既設の枠材2,2Aを、窓枠を構成するものとした場合は、枠カバー1を、窓枠の見込方向一方側のみに設けるようにしてもよい。
21 見込片部(第1片部)
22 先側部位
23 裏面
24 切断補助溝
25 基端側部位
27 コーナー部位
28 裏面
31 見付片部(第2片部)
32 先側部位
33 裏面
34 切断補助溝
35 基端側部位
37 コーナー部位
38 裏面
2,2A 縦枠(取付対象)
4,4A 出入口側面(第1面)
5,5A 見付面(第2面)
Claims (3)
- 取付対象の互いに交差する第1面及び第2面をそれぞれに覆う第1片部と第2片部とを備えており、
これら第1片部及び第2片部の入隅側となる基端側部位よりも先側部位の裏面には、入隅から先側に向かう方向に間隔を空けてかつ溝長手方向に見て略V字溝形状とされた複数本の切断補助溝が設けられ、これら第1片部及び第2片部の前記基端側部位の厚さ寸法は、これら基端側部位の裏面に底面が平坦面とされた凹所が設けられて前記先側部位における該切断補助溝間の部位の厚さ寸法よりも小さい寸法とされていることを特徴とするカバー材。 - 請求項1において、
前記第1片部及び前記第2片部の各基端部に、前記基端側部位の厚さ寸法よりも厚さ寸法が大とされたコーナー部位が設けられていることを特徴とするカバー材。 - 請求項2において、
前記第1片部及び前記第2片部のそれぞれにおける切断補助溝間の部位の裏面と前記コーナー部位の裏面とを同一平面状としていることを特徴とするカバー材。
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