以下、添付の図1〜図20の図面を参照して、この出願の発明を実施するための実施の形態について詳細に説明する。
まず図1〜図8には、この出願の発明の実施の形態に係る電気炊飯器の炊飯器本体部分および同本体に関連する要部の構成が、また、図9〜図16には、同電気炊飯器の炊飯器本体部分に使用されている人感センサの構成及び基板上への設置状態が、また、図17〜図19には、同電気炊飯器の炊飯器本体部分に使用されている傾斜センサの基板上への設置状態および内部構成並びに作動原理が、さらに図20は、人感センサおよび傾斜センサを用いたマイコン制御ユニットの制御システムの構成が、それぞれ示されている。
<電気炊飯器本体部分の構成について>
この出願の発明の実施の形態にかかる電気炊飯器は、その構成上の特徴として、操作パネルの操作スイッチ部分がタッチパネルによって構成されているとともに、同操作スイッチ部分を下方からLEDによって照明することにより表示するようになっており、またユーザーの存在を検出する人感センサおよび省エネモードを有し、待機状態、非待機状態、その他、炊飯器動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーが操作対応位置等所定の対応エリア内にいない場合には、省エネモードに制御して、液晶パネルの表示機能や照明機能に加えて、上記操作スイッチの操作機能や照明機能をそれぞれOFFにすることによって、可能な限り消費電力を低減するようになっている。
まず、この出願の発明の実施の形態にかかる電気炊飯器における炊飯器本体は、たとえば図1〜図6に示すように、米および水を収容するセラミック材からなる有底筒状の内釜3(たとえば土鍋等のセラミック製の内釜)と、該内釜3の底部3aから側部3c部分までを覆う同じくセラミック材からなる有底筒状の外釜6と、底部側に同外釜6を設けるとともに、同外釜6を介して上記内釜3を任意に収納セットする内釜収納溝5を形成している保護枠(内ケース)4と、該保護枠4を収容保持する保護枠収容空間を備えた本体ケース1と、該本体ケース1の上記内釜収納溝5の開口部5a後端側に設けられ、同開口部5aを開閉する蓋体2とから構成されている。
上記本体ケース1は、合成樹脂製の側部側筒状の外ケース1aと同じく合成樹脂製の底部側皿状の底ケース1bとからなり、上記外ケース1aの上端部の内側に後述する合成樹脂製の肩部材8が設けられ、該肩部材8を介して上記内釜収納溝5を形成する保護枠4を連結支持している。肩部材8の外周側断面逆U字状の縁部84は、上記外ケース1a上端側の断面鉤状の係合縁部10に冠合する形で周方向の全体に亘って係合されている。
保護枠4は、それぞれ合成樹脂成型された相互に別体の第1の保護枠ユニット(下部ユニット)4Aと第2の保護枠ユニット(上部ユニット)4Bとの上下2つの筐体部材からなり、下部側の筐体を構成する第1の保護枠ユニット4Aの上部に上部側の筐体を構成する第2の保護枠ユニット4Bを積層して一体に構成されている。
まず、下部側の筐体を構成する第1の保護枠ユニット4Aは、所定の半径のフラットな円形面よりなる底部41aと、該底部41aの外周から次第に径を拡大させながら所定の高さ上方に延びる彎曲部41bと、該彎曲部41bの上縁部に半径方向外方に所定寸法拡大して形成された断面鉤状の段部41cと、該段部41cの外周部から略垂直に立ち上がり、所定の高さの筒状壁を形成した支持壁部41dとからなっている。そして、この第1の保護枠ユニット4A部分は、その底部41aおよび彎曲部41b部分を、後述する下方側コイル台9によって支持されている。
次に、上部側の筐体を構成する第2の保護枠ユニット4Bは、半径方向外方に開放した断面コの字型をした所定上下幅の筒状壁42bを中心とし、その下端側に上記第1の保護枠ユニット4Aの支持壁41d上への載置部42aが、また、その上端側に所定寸法半径方向外方に拡大された鉤状の係合段部42dが設けられている。該第2の保護枠ユニット42Bの上記筒状壁42b外周面のリブ42cで仕切られた上部部分(略上部1/2部分)は、後述する第3のワークコイルC3の設置面(巻成面)に形成されており、該ワークコイル設置面に内外2層状態に巻成された第3のワークコイルC3が設置されている。
なお、この第3のワークコイルC3の設置面を上記筒状壁42bの上下幅全体ではなく、例えば上部1/2部分としたのは、それにより少しでも上記下部側第1の保護枠ユニット4A側の第2のワークコイルC2との距離を拡大して、相互の誘導干渉を回避するためである。
そして、上記第1、第2の保護枠ユニット4A,4Bを図3、図4のように上下に積層一体化することによって、全体として有底の筒状体構造に形成された保護枠4の底部上面側(第1の保護枠ユニット4Aの底部41aおよび彎曲部41bの上面側)には、さらに上記セラミック材よりなる外釜6の底部6aおよび彎曲部6bが半径方向に部分的に配設された所定の厚さの接着剤部分(図示省略)を介して、かつ接着剤の無い部分に所定の断熱空気層を保った状態で貼設されており、このセラミック製の外釜6の上部に、たとえば図4に示すように、円形のフラットな底部3a、アール面上の彎曲部3bの各々に銀ペースト又は銀溶射よりなる第1、第2の誘導発熱体G1,G2を設けたセラミック製の内釜3の同円形の底部3aおよびその外周のアール面上の彎曲部3bが所定の隙間Sを保った状態で収納されるようになっている。
そして、それにより同収納状態においては、たとえば図3、図4に示すように、該内釜3の側部3cの上部部分まで、その側部6cの上端が長く延設された上記セラミック製の外釜6により、当該内釜3の底部3aから側部3c付近までが十分に覆われるようになっている。
ところで、この実施の形態の外釜6は、全体として椀形の構造をなし、そのフラットな円形の底部6a中央には上記第1の保護枠ユニット4A中央のセンターセンサ嵌装穴10aに対応するセンターセンサのセンサ部嵌挿穴6eが設けられており、上記センターセンサ嵌装穴10aに嵌装されたセンターセンサCS上部のセンサ部が昇降可能に遊嵌状態で嵌挿されているとともに、その半径方向外周側には周方向に所定の間隔を置いて、内釜3の高台部3eを支持するシリコンゴム等の耐熱性弾性部材よりなる高台部支持部材61,61・・を嵌装する高台部支持部材嵌装孔6f,6f・・が設けられている。また、それよりも外周側上部の彎曲部6bの外周寄り部分にも周方向に所定の間隔を置いて、内釜3の彎曲部3bの外周を支持する同じくシリコンゴム等の耐熱性弾性部材よりなるセンタリング支持部材62,62・・を嵌装するセンタリング支持部材嵌装孔6g,6g・・が設けられている。
そして、それらの各嵌装孔6f,6f・・、6g,6g・・内にシリコンゴム等の耐熱性が高く、所定の弾性がある高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・がそれぞれ嵌装固定され、上記内釜3の底部3aおよび彎曲部3bが支持されるが、上記高台部支持部材61,61・・部分は、上記下部側第1の保護枠ユニット4Aのポケット部P,P・・との間で安定した固定状態に支持され、その上部に内釜3の底部3a外周の高台部3e部分が上方から下方に当接する状態で載せられ、後述するように、フローティング支持機構を介して昇降可能に弾性支持されている保護枠4および外釜6が内釜3の重量に応じて下降すると、当該内釜3の開口部3dの外周側フランジ部Fが後述する肩部材8の内縁82部分上に耐熱支持部材を介して係合され、内釜3が周方向の全体に亘って均一に吊設されるようになり、上記保護枠4側第1、第2のワークコイルC1、C2と第1、第2の誘導発熱部G1、G2が適正な位置関係で、かつ適正な誘導ギャップを介して対向するようになるとともに、上記外釜6との間に適切な所定の隙間(蓄熱・対流空間)Sを保った状態で支持される。
また、同時に、上記第3のワークコイルC3によって誘導発熱される外釜6の側部6c内周面の第3の誘導発熱部G3と内釜3の側部6c部分との対向位置および対応距離も適正な設計位置および設計距離に維持される。
一方、上記彎曲部外周側のセンタリング支持部材62,62・・は、そのように収納後に外釜6を介して内釜3を保護枠4内に適切な位置関係で支持するだけでなく、収納時において収納される内釜3の彎曲部3bの外周を正確な位置関係で収納されるように全周においてガイドし、適正にセンタリングする機能を果たすようになっている。
また、上記高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・の外釜6の内方側への突出寸法は、上記のように内釜3が保護枠4内に適正な位置関係で収納セットされた図3、図4の状態において、内釜3の外周面と外釜6の内周面との間に適切な隙間Sを形成する寸法に設定されている。
これらの結果、上記図3、図4に示す内釜3の収納状態では、内釜3の底部3aおよび彎曲部3bは、第1、第2の誘導発熱部G1、G2の発熱により加熱されて局部的に高温になり、やがて同高温の熱が同底部3aおよび彎曲部3b側から上方の側部3c側に壁内部を通して徐々に伝導されてゆき、誘導発熱部が設けられていない側部3c側の温度も次第に上昇する。
そして、以上の構成では、それに加えて、内釜3が収納される保護枠4の内側に同じくセラミック製の外釜6が設けられており、第1、第2の誘導発熱部G1、G2を有する内釜3の外周が該セラミック製の外釜6によって覆われることになり、内釜3の底部3a、彎曲部3bの誘導発熱部G1、G2および同誘導発熱部G1、G2付近から外方に放射される熱は同セラミック製の外釜6により遮断され、同内釜3底部3aの誘導発熱部G1、彎曲部3bの誘導発熱部G2、およびそれら付近から外方に放射された放射熱が内釜3の外周を大きく包み込む形で内釜3自体を加熱し、同熱が上記外釜6と内釜3相互の対向面部およびそれらの間の隙間S部分に蓄熱されるとともに、同蓄熱状態において加温された高温の空気が対流により上記隙間Sを通して上記内釜3の底部3a、彎曲部3bの外周面側から側部3cの外周面側に上昇し、内釜3外周面の全体を加熱、加温するようになる。
これらの結果、上記内釜3は、その底部3a、彎曲部3b側から側部3cの全体に亘って比較的速やかに高温になり、その熱量を有効に蓄える。したがって、第1、第2の誘導発熱部G1、G2における発熱量を有効に利用することができるようになる。
さらに、この実施の形態の構成の場合、その場合において、上記外釜6の側部内周面に第3の誘導発熱部G3が設けられているとともに、該第3の誘導発熱部G3に対応する上記保護枠4の側壁部外周に該第3の誘導発熱部G3を誘導発熱させる電磁誘導手段である第3のワークコイルC3が設けられており、上記外釜6の側部6c自体を、その内周面側から加熱するようになっている。
したがって、上記セラミック製の外釜6は、単に上記内釜3の底部3a側外周を覆って熱を逃がさないようにするだけでなく、それ自体が加熱されて高温になり、同高温状態の外釜6からの放射熱が僅かな隙間Sを置いた至近距離で内側の内釜3を積極的に加熱するようになり、内釜3は底部側だけでなく、従来加熱不足であった側部3cを含む全体が効果的に加熱、昇温されるようになる。この場合、第3のワークコイルC3と第3の誘導発熱部G3の距離が近いことから、第3のワークコイルC3による第3の誘導発熱部の誘導効率も高く、ノイズも発生しにくい。
しかも、同内釜3の側部3c部分の加熱は、例えば内釜3の側部3c部分に直接誘導発熱部を設けて加熱する場合と異なり、至近距離ではあるが、外釜6側から所定の隙間(熱拡散空間)Sを介した間接加熱となり、また外釜6の側部6c全体からの放射熱によって内釜3が加熱されるので、加熱状態が均一となり、内釜3の側部3c等に直接誘導発熱部を設けて加熱する場合のような局部加熱による焦げ付きを発生させる恐れもなくなる。
しかも、この実施の形態の場合、上記外釜6の側部6cは内釜3の側部3cの上部付近まで高く延設され、該高く延設された側部6cの内周面に位置して第3の誘導発熱部G3が設けられ、該第3の誘導発熱部G3に対応する保護枠4の側壁部外周に該第3の誘導発熱部G3を誘導発熱させる第3のワークコイルC3が設けられている。
したがって、セラミック製の外釜6は、その内釜3の側部3c上部に対応する位置まで延設された側部6cの内周面が効率良く加熱されて高温になり、同高温部が従来加熱不足であった内釜3の側部3c上部部分をも効果的に加熱するようになり、内釜3はその側部3cおよびその上部部分を含む全体が効果的に加熱、昇温されるようになり、内釜3内のご飯上部の空間部が竈の場合と同様の高温状態(120℃近く)に維持されるようになる。
この場合、上記第3の誘導発熱部G3が設けられる上記外釜6の側部6cが延設される内釜3の側部3cの上部位置は、たとえば当該電気炊飯器の定格炊飯容量から決まる炊き上げ完了後のご飯の上部位置付近(吸水時における水の位置よりも上方位置)に対応するものとされる。そのようにした場合、当該電気炊飯器の定格炊飯容量から決まる炊き上げ完了後のご飯およびその上部空間位置に、竈の場合と同様の適切で十分な量の熱を適切に作用させることが可能となり、焦げ付きを生じさせることなく、炊きむらをなくして、より美味しいご飯を炊き上げることが可能となる。
<保護枠のフローティング支持構造について>
上記のように、この実施の形態における保護枠4は、第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bを上下に一体化して構成されているが、上記第1の保護枠ユニット4aは、例えばコイルスプリングを備えたフローティング支持機構を介して、上述の底ケース1b上にフローティング支持されており、所定の上下寸法範囲で昇降可能となっている。
他方、上記第2の保護枠ユニット4Bも、同第1の保護枠ユニット4Aの上部に載った図3、図4の状態で同様に昇降する。これらの結果、上記第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bよりなる有底筒状の保護枠4内に収納設置された椀形状の外釜6も上記第1、第2の保護枠ユニット4A、4Bとともに同様に昇降する(図4中の矢印参照)。
したがって、該外釜6の上に高台部支持部材61,61・・、センタリング支持部材62,62・・を介して水および米の入った内釜3が収納されると、同内釜3の重量に応じて、上記保護枠4および外釜6が内釜3とともに所定寸法下降し、内釜3の開口部3d外端のフランジ部Fの下面が、内釜収納溝5の開口部5aを形成している肩部材8の内周縁部82上の耐熱支持部材部分に当接し、同部分に吊設された状態で支持される。
この結果、この実施の形態の場合、底部側に第1、第2の誘導発熱部G1、G2を備えた上記内釜3は、第1、第2のワークコイルC1、C2を備えた第1の保護枠ユニット4Aの第1、第2のワークコイルC1、C2、第3のワークコイルC3を備えた第2の保護枠ユニット4Bの第3のワークコイルC3、第3の誘導発熱部G3を備えた外釜6の第3の誘導発熱部G3に対して、それぞれ適切な位置、および寸法関係でセットされることになる。
この時、上記高台部支持部材61,61・・やセンタリング支持部材62,62・・が外釜6と内釜3との間の適正な隙間Sを設定すること、またセンタリング支持部材62,62・・が収納時の内釜3のセンタリング機能を果たすことなどは、すでに述べたとおりである。
<昇降用隙間のシール構造について>
ところで、上記のように保護枠4および外釜6を炊飯器本体に対してフローティング構造とし、肩部材8と外釜6の側部6cの上端6dとの間に昇降空間Dを形成すると、同昇降空間Dから内釜3と外釜6との間の熱が外部に逃げるし、また内釜3の外周についた水などが侵入する恐れもあり、さらには内釜収納溝5の見栄えが悪くなる等の問題がある。
そこで、この実施の形態では、同昇降空間D上部側の、上述した肩部材8に対する肩ヒータ枠31、肩ヒータカバー30連結補強用の金属プレート32、32の内周縁側に、それらを組み付けた後において、たとえば図3、図4に示すように、下方側外釜6の側部6c上端6dの内周面側(開口部内周面側)に所定寸法延設されて、当該肩部材8と外釜6の側部6c上端6dとの間の昇降空間Dを周方向の全体に亘って内外方向にシールするスカート状の摺動パッキン35が取り付けられており、保護枠4および外釜6の上方側に、肩部材8、肩ヒータ枠31、肩ヒータカバー31、摺動パッキン35、金属プレート32、32が相互に重合されて連結一体化された時に、同摺動パッキン35のスカート部(シール用の縁部)35bが外釜6の側部6cの上端6dの内周面に摺動可能に内接するようになっている。
このパッキン35は、上記スカート部35bの上部側に金属プレート32、32と肩ヒータカバー30との間に挟まれて固定される固定部35aが設けられており、この固定部35aを利用して図3のように取り付けられる。
いる。
<肩部における肩ヒータの設置について>
以上のように、この実施の形態の炊飯器本体における内釜収納溝5の開口部5aは、図3〜図5から明らかなように、本体外ケース1aの上端部1cの内周縁側に嵌合固定される肩部材8と、この肩部材8の内周部内側に、下方側から金属プレート32、32、パッキン35を介して連結固定される肩ヒータカバー30および肩ヒータ枠31とからなっているが、そのうちの肩ヒータ枠31は、半径方向外側に開放した断面コの字形の構造をしており、その外周面には例えばコードヒータよりなる肩ヒータHが全周に亘って設けられている。そして、同肩ヒータHが発熱すると、たとえば図3、図4に示すように、内釜収納溝5内への収納状態において隣接対応する内釜3の開口部3dにおける半径方向内方に厚肉のヒートキープ部HKの下部部分を効率良く加熱し、同部分における露の発生を防止して、ご飯の白ボケ等の発生を防止する。
<コイル台の構成について>
他方、上記のように構成された保護枠4の下方側(第1の保護枠ユニット4Aの下方側)には、同保護枠4の底部を支持する合成樹脂製の皿状のコイル台9が設けられている。このコイル台9には、たとえば図6に示されるように、その周方向4方の上面側に位置して、上記第1の保護枠ユニット4A外周面側の第1、第2のワークコイルC1、C2に対応して半径方向に延びるフェライトコア収納溝9a,9a・・が設けられ、このフェライトコア収納溝9a,9a・・内に同第1の保護枠ユニット4A側の第1、第2のワークコイルC1、C2用の4本のフェライトコア70,70・・が収納されている。そして、同フェライトコア70,70・・を収納したフェライトコア収納溝9a,9a・・の上面によって、第1,第2のワークコイルC1,C2が4方で支持されている。そして、その上で、上記第1の保護枠ユニット4Aとコイル台9は、外周側の連結部を利用して相互に連結固定される。
また、このコイル台9の下部外周側には、上記フェライトコア収納溝9a,9a・・位置に対応して、4本の脚部9b,9b・・が下方に向けて設けられており、同脚部9b,9b・・部分が上記底ケース1b上に設けられているフローティング支持機構63、63・・により支持されるようになっている。また、同コイル台9の中央部には、上記第1の保護枠ユニット4A側のセンターセンサ嵌装穴10aと同心状に貫通したセンタ−センサ本体嵌装口9cが設けられており、該センタ−センサ本体嵌装口9cを介して上下方向に昇降自在な状態で、かつ常時コイルスプリングにより上方に上昇付勢された状態でサーミスタ等の内鍋温度検知センサよりなるセンターセンサCSが下方から上方に向けて嵌装設置されている。
<蓋体の構成について>
一方、上記炊飯器本体の内釜収納溝5の開口部5aを覆う蓋体2は、たとえば図1、図2、図3、図7に示すように、その上部側外周面を構成するABS樹脂などよりなる銘板本体20と、上面側前部に銘板本体20の支持面部およびマイコン基板等設置用凹部21aを有し、周壁部21bを含めて蓋体2の中心的な筐体部を構成している合成樹脂製の上板21と、該上板21の内側(下側)に設けられた同じく合成樹脂製の下板22と、該下板22の本体部22aの中央部外周側下面の凹部22b部分にゴム製の第1のパッキン25を介して下方側から嵌合固定されている蓋ヒータ(図示省略)を有する金属製の放熱板23と、該放熱板23の下方に設けられ、その外周縁部分に合成樹脂製の着脱可能な枠部材27を介してゴム製の第2のパッキン14が取り付けられた金属製の内カバー24とから形成されている。
内カバー24の外周側パッキン14部分は、上記のように、下板22の中央部外周側に設けられた内カバー嵌合用凹部22b部分に下方側から着脱可能に嵌合して取り付けられている。また、下板22の外周側縁部22c部分は、上記上板21の所定上下幅の周壁21c部分の下端側内周面部分に係合されている。
ところで、耐圧力強度を高めるために、上記中心となる下板22の本体部分22aの後端部外周側部分を連結片、ネジ等を介してヒンジユニット11側の連結片に係止しているとともに、同下板22の本体部22aの上面には、所定の板厚、所定の構造の金属製の補強板および多数の補強リブを左右および前後に亘って設けることにより、当該蓋体2の全体を高強度の構造体に形成するようにしている。
すなわち、上記下板22は、その本体部22a後端側外周の中間部分が上方に向けてコ字状に曲成され、内側に前述したヒンジユニット11を収納しているとともに、その外周端側下降部は同ヒンジユニット11をカバーしている。
そして、これら下板22の本体部22aの後端側外周を取り付け用のブラケットとして、上記蓋体2は、その後端側を、上記炊飯器本体上部の肩部材8に対してヒンジユニット11を介して回動自在に取付けられ、その開放端側(前端側)には、上記蓋体2の所定位置に係合して該蓋体2の上下方向への開閉を行うロックおよびロック解除機構13が設けられている。
さらに、上記上板21の上記銘板支持面部を形成している上面部外周21bは、たとえば図3、図7に示すように、上部から下方側に次第に外径を拡大した彎曲面となっており、その下端側は、上述した周壁部21cの上端側に、銘板嵌合溝(U状溝)を介して連結一体化されている。そして、図2および図3のような操作パネル60面および液晶パネル60Aに対応した透明窓60c部分を形成している銘板本体20は、それら上板21各部の支持面形状に対応した形状に成形されており、たとえば図3、図7に示すように、上記上板21外周の銘板嵌合溝を利用して略面一状態に冠合一体化されている。そして、同銘板本体20の上面には、さらに防水および防護用の例えばPET樹脂製の防水カバー80が貼設(重合)され、これら両者によって、いわゆる銘板が構成されている。
なお、上記銘板本体20は、後に述べるように、後端側蒸気ユニット51部分から前端側方向にかけて、次第に高さが低くなる下降傾斜状態にして設けられており、銘板本体20の支持面部を構成している上板21の支持面構造も、それに対応した前端側への下降傾斜面構造となっている(図8参照)。
また、銘板本体20上面の防水カバー80は、例えば半透明体又は有色の透明体により形成されていて、赤外線は通すが、銘板本体20に形成される後述する第1の受光用開口20cを通して蓋体内が見えることがないように構成されている。
<蓋体部分における圧力調節機構の構成について>
この実施の形態では、一例として圧力型電気炊飯器に適用した場合について示しており、上記蓋体2の略中央部には、お粘成分を回収しながら蒸気のみを外部に逃がすとともに炊飯工程に応じて上記内釜3内の圧力を複数の段階に調節する調圧ユニット26Aが設けられている。
この調圧ユニット26Aは、たとえば上記内釜3内から外部に向けて迂回する蒸気逃し通路50,50a〜50cと同蒸気逃し通路50,50a〜50cに設けた圧力調整機構により構成される(この調圧ユニット26Aは実際には複数組設けられるが、この実施の形態の場合には必須の構成ではないので、その詳細については説明を省略する)。
<蓋体上面の操作パネルおよび表示パネル部分の構成について>
図1〜図3中の符号60が操作パネルであり、この操作パネル60は、銘板本体20を利用して構成されており、そのパネル部裏側に所定の深さの基板および液晶パネル収納ボックスを備えてなり、炊飯および保温制御手段としてのマイコンを備えたマイコン基板60Bおよび液晶パネル60Aが上記上板21の開口部および上板21の凹溝部内に嵌合して収納されている(図7参照)。
そして、その中央部には液晶パネル60Aの表示面に対応する透明窓60Cを有するとともに、同透明窓60Cの周囲に、タイマー炊飯用の炊飯予約スイッチSW1、炊飯スイッチSW2、保温スイッチSW8、取消スイッチSW3、炊飯メニュー(例えば白米、早炊き、おこわ、おかゆ、玄米その他のコースメニュー)を選択するメニュースイッチSW5(もどる),SW6(すすむ)、火かげん選択スイッチSW4、音声ガイドSW7、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチSW9の各種操作キーが設けられている。
これらタイマー炊飯用の炊飯予約スイッチSW1、炊飯スイッチSW2、保温スイッチSW8、取消スイッチSW3、メニュースイッチSW5(もどる),SW6(すすむ)、火かげん選択スイッチSW4、音声ガイドSW7、時計及びタイマーの時刻時・分設定スイッチSW9の各種操作キーは、タッチパネル構造の操作キー(操作スイッチ)となっており、それら各々の下方には、図示はしないが、必要に応じて当該タッチパネルのタッチキー部分を図2のように明るく明瞭に表示するための照明用LEDが設けられている(図1は、省エネモードにおけるLED等の消灯状態を示している)。
この実施の形態の場合、以下に述べるように、上記マイコン基板60Bには、操作対応位置等所定の対応エリア内にユーザーが居ることを検出する例えば焦電型センサよりなる人感センサMSが設けられており、待機状態、非待機状態、その他、炊飯器動作状態の如何にかかわらず、少なくともユーザーが操作対応位置等所定の対応エリア内にいない場合には、省エネモードに制御して、液晶パネルの表示機能や照明機能に加えて、上記操作スイッチの操作機能や照明機能をそれぞれOFFにすることによって、可能な限り消費電力を低減するように構成されている。この結果、同省エネ状態では、上記防水カバー80が例えば黒色の半透明体又は有色透明体よりなっていることと相俟って、例えば図1のように、当該電気炊飯器本体の蓋体2の上面は「不透明なスモーク状態」となり、次に述べる人感センサMSの受光用凹レンズ部80a部分を除いて何も見えない状態となる。
もちろん、この場合において、例えば「炊飯中」、「保温中」などの必要な表示を行うことは自由である。
<蓋体部分における人感センサの構成とその設置構造について>
この実施の形態の場合、例えば図1、図2および図7、図8に示すように、蓋体2の前部左寄り部分に上述の人感センサ(モーションセンサ)MSが設けられている。この人感センサMSは、例えば図9〜図12に示すような構成を有し、操作設定又は操作設定状態の確認、炊飯状態や保温状態、時計表示の確認などで、ユーザーが当該電気炊飯器本体の正面側操作対応位置に近づき、その上半身(例えば肩部や顔、手など)が操作パネル部60上に来たことを検出する人検知センサとして機能するように構成されている。
すなわち、該人感センサMSは、受光レンズ91を備えて外部からの赤外光を集光する受光部90aおよび該受光部90aで集光された赤外光を受光して電気信号を出力する受光回路部(センサ本体部)90bよりなり、受光部90aの受光レンズ(フレネルレンズ)91を通して入射する赤外光を赤外フィルタ92に通すことによって予め設定された帯域のものにセレクトしたうえで、受光回路部90b中の焦電素子93部分に集め、該焦電素子93部分から出力される受光量に応じた電圧信号をFET96によりインピーダンス変換し、所定の電圧レベルに増幅した上で出力するようになっている。
この実施の形態の場合、上記焦電素子93は、例えば図9〜図11に示すように、圧電セラミックスの一種である焦電セラミックスよりなる所定の長さの長方形上の焦電電極93a、93bを相互に平行な状態で並設して構成されており、これら相互に平行な一対の焦電電極93a、93bにより、それぞれ入射する赤外光の光源までの距離を検知し、所定の時間内における各々の検知距離の差の変化によりユーザーの動きを検知して、ユーザーがいるか居ないかを判定するようになっている。
焦電電極93a、93bは、例えば図12に示すように、相互に逆極性となる形で直列に接続されており、その出力側にはソースフォロア回路を構成する形でインピーダンス変換用(増幅用)のFET96のゲート部が接続されている。そして、それにより本質的に高インピーダンスである焦電電極93a、93bのインピーダンスを有効に低減し、有効な電圧レベルのセンサ信号Vppを出力できるようにしている。
Rgは焦電電極93a、93bの焦電セラミックス部分の抵抗値、またRsはFET96のソース部とGnd間に接続されたソース抵抗、VccはFET96のドレイン部に印加されているドレイン電圧を示している。
焦電電極93a、93bに赤外光が入射し、焦電電極93a、93bの焦電セラミックス部分の温度が上がると、自発分極が生じ、その表面に温度上昇量に応じた電荷が発生する(焦電効果)。そして、この電荷による電流iが上記焦電セラミックス部分の抵抗Rgに流れ、該抵抗Rgの両端にFET96のドレインおよびソース間を流れるドレイン電流Idの値をコントロールすることができるゲート電圧Rg・iが発生する。
そして、このゲート電圧Rg・iによりFET96のドレインおよびソース間の導通状態が制御され、同ゲート電圧Rg・iの大きさに応じたドレイン電流IdがFET96のドレイン側からソース側に流れ、さらに同ドレイン電流Idがソース抵抗Rsを流れる。その結果、ソース抵抗Rsの両端には、例えば図18の(L)または(R)に示すようにId・Rsの出力電圧Vppが生じ、これが人感センサMSのセンサ信号となる。このセンサ信号Vppの電圧レベルは、上記FET96のゲート側の焦電電極93a、93b部分の抵抗Rgの両端に生じるゲート電圧Rg・iの大きさ、すなわち焦電電極93a、93bに入射する赤外光の光量に応じて焦電セラミックス部分に生じる電流iの大きさに応じたものとなる。
そして、それら相互に平行な一対の焦電電極93a、93b各々への入射光量に応じたセンサ信号Vppにより、それぞれに入射する赤外光の光源までの距離を検知し、所定の時間内における各々の検知距離の差が変化したかしないかによりユーザーの動き(モーション)を検知して、上記炊飯器本体に対応した所定の対応位置にユーザーがいるか居ないかを判定するようになっている。この所定の対応位置にユーザーが居るか居ないかの判定は、例えば図20に示すように、上記センサ信号Vppをマイコン基板60B側のマイコン制御ユニット100に入力することによって自動的になされる。
そして、ユーザーが同所定の対応位置に居ることが判定されると、当該マイコン制御ユニット100は、操作基板回路への電源の供給状態を制御する操作基板回路制御手段111、操作スイッチ照明用のLED駆動手段114等を作動させて、非通電状態(省エネモード)にあった操作パネル部60の操作基板回路に電源を供給し、さらに各種操作スイッチSW1〜SW9の操作による炊飯又は保温機能の操作設定、取り消し、変更等の操作機能、それら各操作スイッチSW1〜SW9の照明による表示を可能とし、また液晶パネル駆動制御手段112を作動させることによって、ユーザーが所定の対応位置に居ないときには消灯状態にあった液晶パネル60Aのバックライトを点灯させるとともに、ユーザーが居ないときには非表示状態にあった液晶パネル60Aの情報を表示する。
この結果、それまでは図1のようなマスキング状態(不透明状態)にあった蓋体2の上面の操作パネル60部分の各操作スイッチや液晶パネル部分が、例えば図2に示すように明るく明瞭に照明、表示された状態となる。他方、ユーザーが居ないと判定された場合には、これと逆の制御になる。
これにより、ユーザーは、透明窓60cを通して、明るく照明、表示された液晶パネル60Aの表示情報を見ながら、操作パネル60の各操作スイッチSW1〜SW9を操作して適切な炊飯または保温機能の操作設定、取り消し、変更が可能となる。また、タイマー予約時の炊飯待機状態における操作設定状態の確認、炊飯中における炊飯状態や保温中における保温状態、時計表示等の確認も可能となる。なお、図24中の符号115は、ワークコイル等の加熱出力制御手段である。
しかも、それらの各々が、単にユーザーが電気炊飯器本体に近づくだけで自動的に実現され、操作キーのON操作等何らのマニュアル操作を必要としないので、非常に便利である。
また、このような構成の場合、従来のような単なる待機状態のみに限られず、要するにユーザーが電気炊飯器のそばにおらず、操作も表示も必要がない場合には、時計表示も含めて殆どの電力消費部分への電源の供給をセーブまたは停止することが可能となるので、非常に省エネ効果の高いものとなる。
なお、図12中の符号94は上記のような各種電子デバイスを組み込んだワンチップICを示している。
ところで、上記のような人感センサMSの検出感度および検出領域は、上記のようにユーザーが当該電気炊飯器本体に近づき、その上面部の操作パネル60面に対向し、かつ適切に操作を行い得る通常の操作対応位置に居ることを基準として、当該ユーザーの人体から放射される赤外光の光量を考慮したものに設定されるので、一応それ以外の位置からの赤外光の検出量は外乱として排徐することができる。したがって、本来の操作対応位置におけるユーザーの体温に対応した赤外光の焦電電極93a、93bへの入射量を基準値として、実際に入力される赤外光の光量を基準として検出しさえすれば、適正にユーザーの接近を検出し、ほぼ正確に上記のような対応を取ることができる
しかし、この実施の形態のような電気炊飯器の場合、上記蓋体2の上部中央の後部寄りには、上述のように調圧用の蒸気ユニット51が設けられており、この蒸気ユニット51には左右一対の蒸気口51a,51aが開口されている。そして、この蒸気口51a,51aからは、炊飯時(沸騰維持工程)において高温の蒸気Vが吹き出される。したがって、仮に上記人感センサMSの受光部90aの受光面が、例えば図7、図8に示すように、上記蓋体2の上面(銘板20の上面)よりも低い位置にあったとしても、もしも上記蓋体2の上面(銘板20の上面)が蒸気ユニット51のある後端側から前端20b側にかけてフラットであったとすると、上記人感センサMSの受光部90aの前後方向の受光角θaが後方側に広くなり、上記蒸気口51a,51aからの蒸気Vの赤外線を検出してしまい、適正なユーザー検知を行うことができない問題がある。その結果、上述のような適切な省エネモードへの移行、解除性能が阻害される。
そこで、この実施の形態の構成では、例えば図3、図8に示すように、まず上記蓋体2の上面部を構成する銘板本体20の上記蒸気ユニット51よりも前部側部分20aの全体をその前端20b側にかけて次第に高さが低くなるように所定角θbだけ下降傾斜させた傾斜面に構成し(特に図8の構成を参照)、同下降傾斜面となった銘板本体20の傾斜角の大きい前端寄り部分一側(タイマー予約スイッチSW1の隣:図2を参照)に円形の第1の受光用の開口20cを形成するとともに、その下方側のマイコン基板設置空間28内に設けられたマイコン基板60B上の同軸部分に位置して、上述の受光部90aおよび受光回路部90bよりなる人感センサMSを設置している。
そして、上記マイコン基板60B上には、さらに液晶パネル60Aに対応する部分を除いて基板カバー29が設けられていて、上記マイコン基板60B上の所定の電子部品がカバーされるようになっているが、同マイコン基板カバー29側の上記人感センサMSの受光部90aおよび上記銘板本体20側第1の受光用開口20cに同軸状に対応する部分には、同じく円形の第2の受光用の開口(第1の受光用開口20cよりも少し大径)29aが開口されている。
そして、これらの構成により、図7に示すような上記人感センサMS設置用の所定の深さの凹溝部が形成され、上記人感センサMSは同凹溝部内に収納される形で設置されており、上記第1、第2の受光用の開口20c、29aを介して受光部90aに入射する赤外光のみを正確に検出するようになっている。
しかも、この場合、上記銘板本体20の上記ユニット51よりも前部側部分20aは、上述のように所定の下降角度θbで蒸気ユニット51の前方側から前端20b側にかけて下降傾斜している。したがって、同銘板本体20の傾斜面部分に位置して開口されている上記第1の受光用の開口20cは、例えば図8に示すように、その円形の開口面が上記下降傾斜角θbに対応して前傾したものとなり、前後方向の受光検出角θaも、その受光中心軸を垂直方向から前方側斜め下方にθb分傾斜させたものとなる。
この結果、上記銘板本体20の中央部後端より部分にある蒸気ユニット51の蒸気口51a、51aから吹き出される蒸気Vによる赤外光を検知することがなくなり、より正確なユーザー検知が可能となる。
しかも、この実施の形態の場合、図1および図2から明らかなように、上記人感センサMSは、まず上記蒸気ユニット51の蒸気口51a、51aから炊飯器本体前端側方向に大きく距離を取って離間させ、さらに銘板本体20の左側の一側部(タイマー予約スイッチSW1の左側)に寄せて設けられており、蓋体中央部の後端寄りに位置して設けられている蒸気口51a、51a部分とは、左右方向の位置を大きくずらし(図1中の偏位幅aを参照)、それによって前後方向において全く対応しないようにオフセットした状態で設置されている。したがって、上述の傾斜角θb等の作用と合わせて、より誤検知が生じにくくなる。
さらに、この実施の形態の場合、上記の場合において、上記銘板本体20の上面には、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂材からなるフィルム構造に近い半透明な防水カバー(銘板本体20表面の保護機能を兼ねた防水用の合成樹脂製薄板)80が貼設(重合)されており、この防水カバー80は、上記銘板本体20の前端部左側に寄せて設けられている第1の受光用の開口20c部分では、例えば図7、図8に示すように、当該第1の受光用の開口20c内に凹球面形状に窪まされ、同凹球面部が上記外部検出エリアからの赤外光を効率良く集光して、上述した人感センサMSの受光部90aに感度良く入射させる集光用の凹レンズ80aを形成している。そして、それにより上記人感センサMSの受光部90aが位置する銘板20内側の凹溝部内まで比較的広い範囲の赤外光を効率良く入射させることができるようにしている。
しかし、上記防水カバー80に使用されるPET材は、仮に透明又は半透明に構成したとしても、その結晶構造に基づく分光特性などから、必ずしも赤外線を効率良く透過させるわけではない。したがって、赤外線の透過率を向上させるためには、上記防水カバー80は可能な限り薄く形成される方が良いが、あまり薄くすると上述した操作パネル等非照明時(図1の状態)のマスキング効果が低下し、操作スイッチやLED照明穴が見えて見苦しくなる、また銘板本体20部分の防護機能も低下する、などの問題がある。
そこで、この実施の形態では、例えば図8に示されるように、上記凹レンズ80aを形成する凹球面部以外のカバー面部分では上記マスキング効果や防護機能を優先した一定の厚さを維持する一方、凹レンズ80aを形成する凹球面部では特に厚さを薄くし、赤外線の透過率を高くするように構成している。
また、それと同時に、人感センサMS側の受光部90a部分には、例えば図9に示されるように、ドーム型形状の受光レンズ91を設け、該ドーム型形状の受光レンズ91が焦電素子93部分への赤外線集光、収束機能の高い高感度の凸レンズとして機能するように構成されている。このドーム型形状の受光レンズ91は、ドーム型の集光部(例えば、断面三角形状の曲線状のレンズを同心円上に多数並べ、それぞれの三角形部分で屈折した光が同一の焦点を通過するようにした曲面型のフレネルレンズよりなる赤外線収束用のレンズ部)91aとその下部側の筒体部91bよりなり、筒体部91bは、その内側に人感センサMSのセンサ本体部である受光回路部90bの筐体部外周に嵌合する段差部(大径部)が形成されていて、同センサ本体部である受光回路部90bの筐体部外周に寸法精度よく嵌合されている。この筒体部91b内段差部(大径部)の上下寸法は、図示のように、上記一対の焦電電極93a、93bよりなる焦電素子93を備えた上述の受光回路部90bの等径の筒状筐体の上下寸法に合わせたものとなっており、両者を図9の状態に正確に嵌合したときに、上記焦電素子93の焦電電極93a、93b部分に上記凹レンズ80aからの赤外光が略正確に収束される焦点距離を設定できるようになっている。また、同筒体部91bの外周面側には、マイコン基板カバー29側に設けられている上方側からのセンサ抑え29aが係合される段差部(大径部)が設けられており、上記のように受光レンズ91を上部側に嵌合し、正確に焦点距離を合わせて設置された人感センサMS自体が振動等で移動して設定された焦点距離が変動することがないように、確実に固定されるようになっている。
また、上記受光レンズ91側の筒体部91bの下端部側周方向の一部には、センサ本体部である受光部90bの下端部側周方向の一部に設けた位置決め用のタブTに対応して位置決めされる同様のタブTが設けられており、これら両タブT、Tを相互に正確に合わせて相互に嵌合し、マイコン基板60B上の3本のピンホールを有する設置部に装着することにより、正確に焦点距離を合わせた状態で適正に設置することができるようになっている。また、それによって適切な配光特性を考慮した設置が可能となるようになっている。
人体(赤外光源)から放射される放射赤外線のエネルギーは、焦電素子93までの距離の2乗に反比例して減少する。したがって、人感センサMSの検知感度を上げるためには、そのような赤外線のエネルギーを光学的に増幅することが必要となる。そこで、上述のように、第1の受光用の開口部20cに集光用の凹レンズ80a、人感センサの受光部90a自体に赤外線収束用のドーム型の集光部91aを有する受光レンズ91を設けると、それらが光学的な2段構造の増幅手段として作用するようになり、きわめて有効に人体から放射される赤外線のエネルギーを増幅することができる。その結果、人感センサMSの検知感度が向上する。
また、上述のように、第1の受光用の開口部20c部分にある凹レンズ80aは、凹球面となって窪んでいるので、その分、人感センサ側の集光レンズ91と光学的な距離が近くなり、より光学的な増幅度を高くすることができる。また、外部の障害物に触れることも少なくなるので、傷や汚れが付きにくくなり、赤外線の透過率を高く維持することができる。さらに、破損などの損傷も生じにくい。
なお、上記受光レンズ91側のドーム型の集光部91aには、上記のようなドーム型形状のフレネルレンズ以外に、例えば断面三角形状の線状のレンズを同心円上に多数並べ、それぞれの三角形部分で屈折した光が同一の焦点を通過するようにした平面型のフレネルレンズ、また外周部から中心部に向かって厚さが増す通常の凸レンズなどの採用も可能であり、同様の作用を実現することができる。
以上のような構成によれば、可及的に人感センサMSのユーザー検知感度を向上させることができる。しかし、上述したように本実施形態で採用している人感センサMSは焦電型のセンサであり、しかも焦電素子93として、相互に平行な一対の焦電電極93a、93bを備えたデュアルタイプの焦電型センサを採用している。このようなセンサの場合、それら相互に平行な2組の焦電電極93a、93bの各々により、入射する赤外光の光源(ユーザーの体)までの距離を検知し、各々の検知距離の差の変化によりユーザーの動きを検知して、ユーザーがいるか居ないかを判定する。
したがって、例えば図15に示すように、それら2組の焦電電極93a、93bを、単にユーザーが居る正面F方向に向けて平行に並設したのでは、それら2組の焦電電極93a、93bに入射する赤外線の入射光量が等しく、焦電セラミックス部分の温度上昇も等しいので、焦電電極93a、93bの抵抗Rgを流れる電流iは相互に打ち消し合い、FET96のゲート電流が発生しないので、センサ信号Vppが発生しない(図16の信号波形図の(F)を参照)。したがって、検知される検知距離にも差が生ぜず、ユーザーの存在を検知できない。もちろん、実際のユーザーの動きは、ある程度は左右の動きも伴うので、少しは信号が出るが十分な信号レベルのものとはなりにくく、正確な検知を行いにくい。これは、それら2組の焦電電極93a、93bを、左右方向に向けて平行に並設した場合にも同様であり、この場合には、上記正面側から背面側方向又はその逆の方向には所定の検出感度を実現することができるが、左から右、又は右から左に平行に移動する人の動きを検出することができなくなる。
これに対して、図15の焦電電極93a,93bの設置状態で、例えばLに示すように、左方向から右方向に人が動いて焦電電極93b側から焦電電極93a側に順次赤外線が入射した場合には、例えば図16の信号波形図(L)に示すように、焦電電極93b、93aに入射する赤外線の入射光量が等しく、焦電セラミックス部分の温度上昇も等しくても、それらに電荷が発生するタイミングには所定の時間差があることから、それぞれ赤外線が入射したタイミングで焦電電極93b、93a部分に異なる方向の電流iが流れ、同電流iと抵抗Rgによる電圧によってFET96のゲート電流が制御され、それぞれの入射光量に応じたセンサ信号Vppが発生する。
また、図15の焦電電極93a,93bの設置状態で、例えばRに示すように、右方向から左方向に人が動いて焦電電極93a側から焦電電極93b側に順次赤外線が入射した場合には、例えば図16の信号波形図(R)に示すように、焦電電極93a、93bに入射する赤外線の入射光量が等しく、焦電セラミックス部分の温度上昇が等しくても、それらに電荷が発生するタイミングには所定の時間差があることから、それぞれ赤外線が入射したタイミングで焦電電極93a、93b部分に異なる方向の電流iが流れ、同電流iと抵抗Rgによる電圧によってFET96のゲート電流が制御され、それぞれの入射光量に応じたセンサ信号Vppが発生する。
つまり、焦電素子93として、相互に平行な一対の焦電電極93a、93bを備えた上述のようなデュアルタイプの焦電型センサを採用した場合には、それら各焦電電極93a、93bを所定の時間差をもって光源が横切る場合には有効な検知感度を実現することができるが、それらに平行に光源が移動する場合には有効な検知感度を実現することができないことが分かる。しかし、ユーザーの動きはさまざまであり、このような特定の方向性を持ったセンサでは、必ずしも有効な検知感度を上げることができない。
そこで、この実施の形態では、例えば図13および図14に示すように、相互に平行な一対の焦電電極93a、93bを備えたデュアルタイプの焦電型センサの各焦電電極93a、93b部分を、正面方向から見て斜め方向に45度前後傾斜させた状態でマイコン基板60B上に設置している。このようにすると、図14中に矢印で示すように、上述した正面側から背面側方向(背面側から正面側方向)への赤外線の入射F、左側から右側方向への赤外線の入射L、右側から左側方向への赤外線の入射Rの何れの動きの場合においても、各焦電電極93a、93b(93b、93a)に確実に時間差をもって光源(人体)が横切るようになり、要求される検出感度を維持できる範囲がX−Y両方向に大きく拡大される。
この場合、当該人感センサMSは、例えば図9および図10に示すように、そのセンサ筐体の下面部に3本の装着用ピンP1〜P3を有して、マイコン基板60B上の対応するピンホールを有するセンサ設置部部分に設置されるようになっている。
そして、この実施の形態の構成の場合、図13から明らかなように、人感センサMSは、マイコン基板60B上において、発熱部品である電源用IC98、98に対し、液晶パネル60Aを挟んで最も遠く離れた対角線上の位置に設けられるようになっている。したがって、熱の影響を嫌う人感センサMSに対して、マイコン基板60A上の発熱部品の影響を可及的に回避することができ、その検出精度をより高めることができる。
この実施の形態のように、ユーザーの存在を検出する人感センサMSを設けて、所定の対応エリア内におけるユーザーの存在を検出できるようにし、ユーザーが電気炊飯器のそばに居ない場合には、上記蓋体2の操作パネル部60の操作スイッチ部SW1〜SW9および液晶パネル部60Aを自動的に省エネ状態(電源OFF又は電源セーブ)に設定して、可及的に消費電力を低減する一方、人感センサMSがユーザーの存在を検出した場合には、それまでの省エネ状態を自動的に解除して、所望の操作および表示を可能にする構成を採用した場合、その省エネモードの設定および解除の制御性能、信頼性は、当該人感センサMSが如何に確実にユーザーの存在を検出し得るか、すなわち人感センサMSのユーザー検出感度の高さにかかっている。
上記のようなユーザーの存在を検出する人感センサMSとしては、その体温に応じてユーザーの体(光源)から放射される赤外線を受光部(焦電素子)に入射させて所定の位置におけるユーザーの存在を検出する焦電型の赤外線センサや、ユーザーの体とは別の赤外線発光部(発光ダイオード)と赤外線受光部(フォトトランジスタ)とを備え、赤外線発光部(発光ダイオード)から放射され、ユーザーの体に当たって反射した赤外線を赤外線受光部(フォトトランジスタ)で受光することにより所定の位置におけるユーザーの存在を検出する反射光受光型の赤外線センサ、また固体撮像素子を用いた画像検出方式の人検知センサなどの種々の装置の採用が考えられる。
しかし、上記反射光受光型の赤外線センサの場合、発光部と受光部の2つの独立した光学素子に加えて、発光系路と受光系路の2つの光学系路が必要であり、コストが高く、構造も複雑で、スペース上の制約が多い電気炊飯器の蓋体内には設置しにくい。また、固体撮像素子を用いた画像検出方式の人検知センサは、必然的にコストが高い。このような事情から、この実施の形態では、比較的に構成が簡単で、コストも安い、ユーザーの体を光源とする赤外線を受光部(焦電素子)に入射させて所定の位置におけるユーザーの存在を検出する焦電型の赤外線センサを採用し、その光学系路上に凹レンズ構造、凸レンズ構造等の複数段の光学的な増幅手段を設けることによって、人体からの放射赤外線エネルギーの減衰を補償し、また受光用開口部の赤外線透過率を向上させることによって、可及的に検知感度を向上させるようにしている。
また、その場合において、上記焦電型センサの焦電素子として、例えば図9〜図14に示すように、2組の焦電電極93a、93bを有するデュアル型のものを採用し、それら2組の焦電電極93a、93bの各々により、入射する赤外光の光源(ユーザーの体)までの距離を検知し、各々の検知距離の差の変化によりユーザーの動きを正確に検知して、ユーザーがいるか居ないかを確実に判定するようになっている。
そして、その場合において、さらに、それら2組の焦電電極93a、93bを単にユーザーが居る正面方向に平行に並設、またはそれとは90度位置を異にした左右方向に平行に並設しただけでは、それら前後方向又は左右方向いずれかの並設方向を横切る方向にしか検知機能が働かないので、それ以外の移動方向の場合には2組の焦電電極93a、93bにより検知される検知距離に差が生じにくく、検出感度を向上させることができにくい。
そこで、この実施の形態では、例えば図13および図14に示すように、相互に平行な2組の焦電電極93a、93bを備えたデュアル型の焦電型センサの各焦電電極93a、93b部分を、正面方向から見て斜め方向に45度前後傾斜させた状態でマイコン基板60B上に設置し、図14中に矢印で示すように、上述した正面側から背面側方向(背面側から正面側方向)への赤外線の入射F、左側から右側方向への赤外線の入射L、右側から左側方向への赤外線の入射Rの何れの動きの場合においても、各焦電電極93a、93b(93b、93a)に確実に時間差をもって光源(人体)が横切るようにし、要求される検出感度を維持できる範囲がX−Y両方向に大きく拡大されるようにしている。
したがって、以上の光学的な増幅手段等による検出感度向上作用と相俟って、十分に実用に耐える検出感度が実現される。
<蓋体部における傾斜センサの設置状態と同センサの構成について>
さらに、また、この実施の形態では、上述した人感センサMSに加えて、さらに図17〜図19に示すように、上記蓋体2内のマイコン基板60Bに付属する電池基板60C部分に上述した蓋体2の開閉を検知する傾斜センサ(蓋開閉センサ)ISを設けて構成されており、同傾斜センサISの検出信号を利用してユーザーが蓋体2を開閉操作したときのタッチスイッチ部分の誤操作を防止するようにしている。
すでに述べたように、この実施の形態の場合、上記蓋体2上面側の操作パネル60の操作スイッチ部分をタッチパネル構造(タッチスイッチ構造)にしている。このようにタッチパネル構造を採用すると、タッチスイッチ部を指先で軽くタッチするだけで操作スイッチ部分をオン状態にすることができ、操作、入力が著しく容易になる。
しかし、一方、本来操作スイッチを操作するわけではない蓋体2の開閉操作時に、意図せずにユーザーの指がタッチキーに触れるということが起こりうる。この場合、いずれの場合にもユーザーが人感センサMSの検出対応エリア内に居ることから、人感センサMSはユーザーの存在を検知して、省エネモードを解除し、操作スイッチSW1〜SW9を操作可能とし、LEDによる照明表示もなされ、液晶パネル60Aも照明、表示され、駆動されることになる。つまり、操作スイッチ等の誤操作が生じることになる。
そこで、この実施の形態では、当該傾斜センサISにより蓋体2の開閉状態を検出し、少なくとも蓋開状態では、仮に人感センサMSがユーザーの存在を検出したとしても、操作スイッチの操作キー入力を不可能とし、そのような誤操作入力を防止するようにしている。
この傾斜センサISは、例えば図17および図18に示すように、電池Eが設置された縦壁構造の電池基板60c上に装着された所定の厚さの正方形状の内実型のパッケージング99内に、該パッケージング99の形状とは90度位置をずらせた状態で、所定寸法小さい正方形状の遮光物移動空間99aを形成し、まず同遮光物移動空間99a内に軸長の短い所定の直径の偏平な円柱体よりなる遮光物(回転体)99bを回動可能に内装している。
この遮光物99bは、例えば図18に示すように、蓋体2の開閉状態に対応したパッケージング99の前後方向への回転傾斜に応じて遮光物移動空間99a内を自由に回動し、例えば図18に示すパッケージング99内の遮光物移動空間99aの4つのコーナー位置
一方、パッケージング99のそれら4つのコーナー位置a〜dの内の少なくとも3つのコーナー位置a、b、dの外側部には、例えば上端側コーナー位置a部分に赤外線発光ダイオードD、前端側コーナー位置b部分にフォトトランジスタT1、後端側コーナー位置d部分にフォトトランジスタT2を配置しており、それらのアノード側、コレクタ側に電源Vcc、グランド側に電流制限抵抗R、負荷抵抗R1、R2が接続されている。
したがって、同構成の場合、たとえば上記遮光物99bがコーナー位置a位置にあるときは、フォトトランジスタT1、T2は共に遮光されて出力は共にOFF、次にコーナー位置bにあるときにはフォトトランジスタT1はOFFでフォトトランジスタT2はON、またコーナー位置cにあるときにはフォトトランジスタT1、T2は共にON、さらにコーナー位置dにあるときにはフォトトランジスタT1はONで、フォトトランジスタT2はOFFとなる。したがって、これらフォトトランジスタT1、T2のON、OFF出力V1、V2の組み合わせにより、前後方向の傾斜状態、すなわち図23のような蓋体2の開閉状態を判定することができる。
いま、上記傾斜センサISのパッケージング99が、蓋体2の閉状態において、例えば図19に示すような発光ダイオードDが真上に来る状態(傾斜角5度程度で、図18のコーナー位置aが真上に来る状態)に設置されているとすると、遮光物99bはコーナー位置cにあり、この蓋体2の閉状態では、上記フォトトランジスタT1、T2は共にON状態にあり、出力V1、V2は共にHである。そして、この出力V1、V2共にHの組み合わせの信号が、例えば図20のマイコン制御ユニット100に蓋体2の閉状態を示す信号として入力される。
その後、蓋体2が開かれると、同蓋体2の後方側への回転に応じて、コーナー位置aおよび発光ダイオードD部分が次第に水平方向に傾斜し、コーナー位置d部分が下方側に偏位し、遮光物99bはコーナー位置cからコーナー位置dに移動する(図19のθ1の状態を参照)。
同状態から、さらに蓋体2が開かれて、最終的に最大開放位置θ2(90度より少し手前)まで開かれると、上記発光ダイオードDおよびコーナー位置a、コーナー位置cが略水平な状態になる一方、コーナー位置bが真上、コーナー位置dが真下に来る状態となり、遮光物99bがコーナー位置d部分で停止して、フォトトランジスタT2をOFFにする。 この結果、フォトトランジスタT1はONで出力V1はH、フォトトランジスタT2はOFFで出力V2はLとなる。そして、この出力V1がHで、出力V2がLの組み合わせの信号が、蓋開検出信号として、例えば図20に示すように、上記人感センサMSの出力信号Vppとともにマイコン制御ユニット100に入力されて、上述した操作パネル60のタッチスイッチ部および液晶パネル60Aの省エネモード、省エネモード解除の制御を行う。
この結果、以上の構成によると、例えば傾斜センサISの検出結果に基づき、確実に蓋体2が閉じられていると判定された場合には、上記人感センサMSの検出結果に基づいて、ユーザーが居る場合には、操作部の操作および表示部の表示が可能となり、適正な操作、設定が可能となる。
他方、少なくとも傾斜センサISが蓋体2の開放を検出しているときには、仮に人感センサMSがユーザーの存在を検出したとしても、同傾斜センサISの検出結果の方を優先して、上記操作部の操作および表示部の表示が不可能な省エネモードに制御して、操作、設定を行なえないようにする、などの所望の制御が可能となる。
<その他の実施の形態>
以上に述べたように、防水カバー80の第1の受光用開口20c部分に対応する部分80aの厚さを薄くしたり、凹球面に形成したりすると、同部分80aが上から押されて損傷することも考えられる。
そこで、このような場合、例えば図21に示されるように、下方側の人感センサMSの受光部90aが同部分80aの受け部材となるように、相互に近接させた状態で設置するようにする。このようにすると、人感センサMSの受光部90aに対する光学的な集光機能が大きく向上することに加えて、防水カバー80の凹球面部の支機能も高くなり、損傷を回避することができる。
また、以上の実施の形態の説明では、一つの例として、この出願の発明をセラミック製の内釜とセラミック製の外釜とを備えた電磁誘導型の電気炊飯器に適用した場合について説明したが、この出願の発明は、その本質的な技術的思想の内容から明らかなように、決して以上のような特定の構成の電気炊飯器にのみ適用されるものではなく、たとえば外釜を有しないセラミック製内釜の電気炊飯器、セラミック製でない金属製内鍋の電気炊飯器、セラミック製以外の非金属製内鍋の電気炊飯器、電磁誘導型でないヒータ式の電気炊飯器など、種々の構成の電気炊飯器一般に適用しても、全く同様に上述のような有益な作用効果を奏することができる。
さらに、蓋体の開閉を検出する蓋開閉センサについても、上述のような発光ダイオードと一対のフォトトランジスタ、移動可能な遮光物の組み合わせによる傾斜センサ以外の各種の構成の傾斜センサの採用が可能である。また、蓋の開閉を検出するという点で考えると、必ずしも傾斜センサに限られるものではなく、例えば発光素子と受光素子を組み合わせた近接センサやリミットスイッチなどの採用も可能である。