JP6404594B2 - 難燃性プロピレン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、(A)ポリオレフィン系樹脂、(B)(b1)テトラブロモビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテルと、(b2)テトラブロモビスフェノールSのビス(2,3−ジブロモプロピル)エーテル又は(b3)トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレートとの混合物、(C)酸化アンチモン、(D)ハイドロタルサイト類からなる難燃性樹脂組成物が記載されている。
実施例(段落番号0020)では、上記成分に相当する成分(表1)を二軸混練機に供給して、120〜240℃で溶融混練した後、最終的に組成物ペレットを得たことが記載されている。
特許文献1の実施例では、「(3)耐熱性(滞留焼け試験)」の結果、「5:焼けがごくわずかである」との評価になっているが、200〜220℃で5分間滞留させるという短時間の滞留試験であり、より長い時間の滞留試験における焼けの有無は確認されていない。
(a)テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)を含む難燃性成分(但し、ハイドロタルサイトは除く)85〜98.5質量%、および
(b)ハイドロタルサイト1.5〜15質量%をドライブレンドして混合物を得る工程、
プロピレン系樹脂100質量部と前記混合物5〜30質量部を溶融混練する工程、
その後、冷却し、切断してペレットを得る工程を有している、難燃性プロピレン系樹脂組成物の製造方法を提供する。
(a)テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)を含む難燃性成分(但し、ハイドロタルサイトは除く)80〜98.9質量%、
(b)ハイドロタルサイト0.1〜10質量%、および
(c)融点60〜160℃の熱可塑性樹脂(但し、次工程で使用するプロピレン系樹脂は除く)1〜10質量%を溶融混練した後、冷却し、切断して、混合物ペレットを得る工程、
プロピレン系樹脂100質量部と前記混合物ペレット5〜30質量部を溶融混練する工程、
その後、冷却し、切断してペレットを得る工程を有している、難燃性プロピレン系樹脂組成物の製造方法を提供する。
最初の工程にて、(a)成分と(b)成分をドライブレンドして混合物(第1混合物)を得る。
(a)成分の難燃性成分は、難燃剤であるテトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)を含むものであり、他の難燃剤、難燃助剤を併用することができる。
他の難燃剤としては、臭素系難燃剤(臭素原子を含む難燃剤)が好ましい。他の難燃剤を併用するときには、難燃剤中の他の難燃剤(難燃助剤は含まれない)の含有割合は50質量%以下であることが好ましく、35質量%以下がより好ましい。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)が好ましい。
(a)成分の難燃性成分は、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)単独からなるもの、テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)と難燃助剤の組み合わせからなるものが好ましい。
(b)成分のハイドロタルサイトは、天然物でもよいし、合成品でもよい。
天然物としては、Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oの構造を有するものを使用することができる。
合成品としては、Mg0.7 Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.2Al2(OH)12.4(CO3 )0.15、Zn6 Al2(OH)16CO3・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg14Bi2(OH)29.6・4.2H2Oなどを使用することができる。
その後、例えばストランド状に押し出しながら冷却し、ペレタイザーで切断して組成物のペレットを得る。
プロピレンと他のモノマーとのコポリマーとしては、プロピレンとエチレン、
プロピレンと他のモノマーとのコポリマーは、プロピレン単位の割合(原料基準)が50モル%以上であることが好ましい。
最初の工程にて、(a)成分、(b)成分および(c)成分を押出機などの混練機に供給して溶融混練した後、例えばストランド状に押し出しながら冷却し、ペレタイザーで切断して混合物ペレット(第2混合物ペレット)を得る。
(a)成分の難燃性成分が、(a−1)テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)と(a−2)難燃助剤からなるものであるときは、(a−1)成分と(a−2)成分の合計量中、(a−1)成分の混合割合は50〜90質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましく、(a−2)成分の混合割合は10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
(c)成分の熱可塑性樹脂は、融点が60〜120℃のものが好ましく、65〜105℃のものがさらに好ましい。
(c)成分の熱可塑性樹脂は、前記の融点範囲であり、使用するプロピレン系樹脂の融点よりも40℃以上融点が低いものが好ましく、55℃以上融点が低いものがより好ましい。
(c)成分の熱可塑性樹脂は、上記した融点範囲を満たすものであり、エチレンと、酢酸ビニル、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれる単量体との共重合体、低密度ポリエチレンから選ばれるものを使用することができる。
アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルを挙げることができ、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルを挙げることができる。
株式会社NUCから販売されているNUC−6220(融点97℃)、NUC−6170(融点93℃)、NUC−6510(融点94℃)、NUC−6520(融点94℃)、NUC−6570(融点91℃)、NUC−6070(融点87℃)、NUC−6940(融点83℃)(いずれも、EEA樹脂)、DPDJ−6182(融点95℃)、DPDJ−6169(融点93℃)、DPDJ−9169(融点92℃)(いずれも、EEA樹脂)、
株式会社NUCから販売されているNUC−36600(融点103℃)、NUC−8450(融点89℃)、NUC−3830(融点86℃)、NUC−3461(融点75℃)、NUC−3888(融点75℃)、NUC−3195(融点73℃)、NUC−3810(融点72℃)(いずれもEVA樹脂)、DQDJ−1868(融点83℃)、DQDJ−3269(融点69℃)(いずれもEVA樹脂)を挙げることができる。
(a)成分は80〜98.9質量%、好ましくは84〜95質量%であり、
(b)成分は0.1〜10質量%、好ましくは1〜8質量%であり、
(c)成分は1〜10質量%、好ましくは1〜8質量%である。
その後、例えばストランド状に押し出しながら冷却し、ペレタイザーで切断して組成物のペレットを得る。
プロピレンと他のモノマーとのコポリマーとしては、プロピレンとエチレン、
プロピレンと他のモノマーとのコポリマーは、プロピレン単位の割合(原料基準)が50モル%以上であることが好ましい。
TBS:テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル),丸菱油化工業(株)社製のノンネンPR-2
難燃剤1:エタン-1,2-ビス(ペンタブロモフェニル),アルベマール(株)製のSAYTEX8010(融点354℃)
難燃剤2:2,4,6-トリス(2,4,6-トリブロモフェノキシ)1,3,5-トリアジン,第一エファール(株)製のSR-245(融点230℃)
難燃剤3:トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート,大八化学工業(株)製のCR900(融点183℃)
三酸化アンチモン:TWINKLING STAR社製 H1010
(b)成分
ハイドロタルサイト:協和化学工業社製 DHT4A2
(c)成分
エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA):融点87℃,NUC社製NUC-6070
PP1:サンアロマー製のPM854X(プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)(融点165℃;DSC法)
PP2:サンアロマー製のPM9000A(プロピレンのホモポリマー)(融点168℃;DSC法)
表1に示す(a)成分のテトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)95.6質量%と(b)成分のハイドロタルサイト4.4質量%をドライブレンドして、第1混合物を得た。
表2に示す各成分をドライブレンドしたのち、2軸押出機に供給して150℃で溶融混練した。
その後、ストランド状に押し出しながら冷却して、ペレタイザーで切断して、第2混合物ペレットと比較用ペレットを得た。
表3に示す各成分を2軸押出機に供給して、220℃で溶融混練した。その後、ストランド状に押し出しながら冷却して、ペレタイザーで切断して、各組成物のペレットを得た。
これらの組成物のペレットを使用して、以下の各試験を実施した。結果を表3に示す。
射出成形機内にて、220℃で、10分、20分およびは30分滞留させた後、下記の条件で射出成形してプレート(90×50×3mm)を得た。得られたプレートの外観を肉眼で観察したときの焼けの有無を次の基準で評価した。
◎:30分間の滞留でも焼けがなかった
○:20分間の滞留では焼けがなかったが、30分間の滞留では焼けがあった
△:10分間の滞留では焼けがなかったが、20分間の滞留では焼けがあった
×:10分間の滞留で焼けがあった
射出成形機:三菱重工(株)の100MS II(型締力100t)射出成形機,シリンダー径36mm
シリンダー温度:220℃
金型温度:50℃
UL規格94Vに準拠し、厚み1.6mmの試験片と厚み0.75mmの試験片について垂直燃焼試験を行い、燃焼性を評価した。
これに対して、比較例1〜6から得られた成形体は焼けが生じやすかった。比較例4〜6は、特許文献1(特許第3648032号公報)の実施例に相当する組成物であるが、220℃、10分間の滞留により成形体に焼けが生じた。
表3の結果から、ハイドロタルサイトを含む添加剤を使用してプロピレン樹系脂組成物を製造することによって、組成物中にハイドロタルサイトを均一に分散させることができるため、成形品に焼けが生じ難くなるものと考えられる。
Claims (2)
- (a)テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)を含む難燃性成分(但し、ハイドロタルサイトは除く)80〜98.9質量%、
(b)ハイドロタルサイト0.1〜10質量%、および
(c)融点65〜105℃のエチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)またはエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)1〜10質量%を溶融混練した後、冷却し、切断して、混合物ペレットを得る工程、
プロピレン系樹脂100質量部と前記混合物ペレット5〜30質量部を溶融混練する工程、
その後、冷却し、切断してペレットを得る工程を有している、難燃性プロピレン系樹脂組成物の製造方法。 - (a)成分の難燃性成分が、(a−1)テトラブロモビスフェノールS−ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)と(a−2)難燃助剤からなるものであり、
(a−1)成分と(a−2)成分の合計量中、(a−1)成分の含有割合が50〜90質量%、(a−2)成分の含有割合が10〜50質量%である、請求項1記載の難燃性プロピレン系樹脂組成物の製造方法。
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