JP6404187B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP6404187B2
JP6404187B2 JP2015152953A JP2015152953A JP6404187B2 JP 6404187 B2 JP6404187 B2 JP 6404187B2 JP 2015152953 A JP2015152953 A JP 2015152953A JP 2015152953 A JP2015152953 A JP 2015152953A JP 6404187 B2 JP6404187 B2 JP 6404187B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonmagnetic
parts
nonmagnetic layer
layer
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015152953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017033617A (ja
Inventor
順平 石田
順平 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2015152953A priority Critical patent/JP6404187B2/ja
Priority to US15/223,720 priority patent/US9818443B2/en
Publication of JP2017033617A publication Critical patent/JP2017033617A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6404187B2 publication Critical patent/JP6404187B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/733Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer characterised by the addition of non-magnetic particles
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/68Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
    • G11B5/70Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer
    • G11B5/708Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer characterised by addition of non-magnetic particles to the layer
    • G11B5/7085Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer characterised by addition of non-magnetic particles to the layer non-magnetic abrasive particles

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。
磁気テープ等の磁気記録媒体に記録された信号の再生は、通常、磁気記録媒体をドライブ内で走行させて磁性層表面と磁気再生ヘッド(以下、単に「ヘッド」とも記載する。)とを接触(摺動)させることにより行われる。そのような走行中にヘッドに付着する異物を除去する機能を磁性層表面に持たせるために、磁性層に研磨剤を含有させることが広く行われている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開平9−282639号公報 特開2009−054270号公報 特開2004−342171号公報
磁気記録媒体に記録された信号の再生において、磁気記録媒体表面(磁性層表面)とヘッドとの間に異物が介在することはスペーシングロスと呼ばれる出力変動をもたらし、走行を繰り返すうちに電磁変換特性が低下する原因となる。したがって、繰り返し走行による電磁変換特性の低下を抑制するためには、スペーシングロスを低減することが望ましい。この点に関し、磁性層に研磨剤を含有させることは、ヘッドに付着する異物によるスペーシングロスを低減することにより繰り返し走行による電磁変換特性の低下を抑制するための有効な手段と言える。しかるに、近年、高密度記録化に伴い、磁気記録媒体の性能向上に対する市場での要求は更に厳しくなってきている。かかる状況下、繰り返し走行による電磁変換特性の低下を、単に磁性層に研磨剤を含有させることによって達成されるレベルよりも更に高レベルに抑制することが求められている。
そこで本発明の目的は、繰り返し走行による電磁変換特性の低下が抑制された磁気記録媒体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、
非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、
非磁性層上に強磁性粉末、結合剤および研磨剤を含む磁性層を有し、かつ、 非磁性層が、下記条件1〜4を満たす磁気記録媒体;
条件1:走査型電子顕微鏡により撮像される断面画像において観察される空隙の総面積が観察領域の面積に占める割合は、13.0〜25.0%の範囲、
条件2:上記断面画像において観察される空隙の円相当径の平均値をR、この円相当径の標準偏差をσr、Rおよびσrの単位をnmとして、R+σrは58.0nm以下、かつR−σrは21.0nm以上、
条件3:上記断面画像において観察される空隙が上記観察領域の単位面積1μmあたりに存在する個数の平均値をN、この個数の標準偏差をσn、Nおよびσnの単位を個/μmとして、N+σnは185個/μm以下、かつN−σnは120個/μm以上、
条件4:非磁性層厚みは0.20μm以上、
を見出すに至った。即ち、上記磁気記録媒体は、走行を繰り返しても良好な電磁変換特性を発揮することができ、高密度記録用磁気記録媒体として好適に使用できることが明らかとなった。
以下は本発明者による推察であって本発明を何ら限定するものではないが、上記磁気記録媒体について、本発明者は以下のように考えている。
繰り返し走行による電磁変換特性低下の要因は、磁気記録媒体の走行をドライブ内で繰り返すうちにヘッドが一部削れること(以下、「ヘッド摩耗」と呼ぶ。)にあると考えられる。ヘッドが一部削れると、磁性層表面とヘッドとを接触させたとしても、それらの間にスペーシング(空間)が存在してしまうためである。本発明者は鋭意検討を重ねる中で、このヘッド摩耗には、研磨剤に起因する(研磨剤によってヘッドが削られる)ものと、磁気記録媒体の非磁性支持体上の層(磁性層やその下層に位置する非磁性層;以下、「塗膜」とも記載する。)の一部が局所的に破壊されて発生した塗膜片が走行中に磁気記録媒体表面とヘッドとの間に介在して発生するもの(このように2つの表面の間に異物が介在することにより発生する摩耗は、一般に「3 body wear」と呼ばれる。)があるのではないかと考えるに至った。そしてそれらの発生を抑制すべく更なる鋭意検討を重ねた結果、上記の条件1〜4を満たす磁気記録媒体が、ドライブ内で走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮できることを見出したものである。より詳しくは、次の通りである。
走行中に磁性層表面とヘッドとが接触した際に、研磨剤が磁性層内部に向かって適度に沈み込むことによって、研磨剤がヘッドを削ることを抑制することができる。この点に関し本発明者は、磁性層の下層に位置する非磁性層は上記の沈み込みを制御する役割を担うことができ、非磁性層の厚み(条件4)、ならびに非磁性層における空隙の存在状態およびサイズのばらつきを調整することにより(条件1〜3)、研磨剤がヘッドを大きく削らない程度に走行中の研磨剤の沈み込みを制御することができると推察している。更に、非磁性層における空隙の存在状態およびサイズのばらつきは、非磁性層の耐久性(更には非磁性層上に存在する磁性層の耐久性)にも影響すると考えられ、非磁性層における空隙の存在状態およびサイズのばらつきを調整することにより(条件1〜3)、塗膜の局所的破壊に起因するヘッド摩耗の発生を抑制することも可能になると、本発明者は推察している。
こうして非磁性層が条件1〜4を満たすことによりヘッド摩耗を抑制することによって、磁気記録媒体は、ドライブ内で走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮することが可能になると本発明者は考えている。ただし以上は本発明者による推察であって、本発明を何ら限定するものではない。
一態様では、非磁性層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックを少なくとも含む。
一態様では、非磁性層のカーボンブラック含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して30.0質量部以上である。なお非磁性粉末100.0質量部とは、非磁性層が二種以上の非磁性粉末を含む場合には、それら非磁性粉末の合計含有量100.0質量部を意味する。その他の成分についても、ある成分として二種以上が含まれる場合、その成分の含有量は、それら二種以上の合計含有量をいうものとする。また、非磁性粉末とは、複数の非磁性粒子の集合を意味するものとする。集合とは、これを構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、後述する結合剤や添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。なお粒子との語が、粉末を表すために用いられることもある。以上の点は、本発明および本明細書に記載の各種粉末についても、同様とする。
一態様では、非磁性層のカーボンブラック含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して40.0質量部以上である。
一態様では、非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して42.0体積部以下である。
一態様では、非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して40.0体積部以下である。
一態様では、非磁性層に含まれる非磁性粉末は、平均粒子サイズが10〜30nmの範囲であるカーボンブラックを少なくとも含み、かつ非磁性層の平均粒子サイズが10〜30nmの範囲であるカーボンブラックの含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して40.0質量部以上である。
一態様では、条件1における上記記割合は、15.0〜25.0%の範囲である。
一態様では、条件4は、下記条件4−1である。
条件4−1:非磁性層厚みが0.20μm以上2.00μm以下。
一態様では、条件4は、下記条件4−2である。
条件4−2:非磁性層厚みが0.30μms以上1.50μm以下。
本発明の更なる態様は、上記磁気記録媒体と、磁気再生ヘッドと、を含む磁気信号再生装置に関する。
一態様では、上記磁気信号再生装置は、上記磁気記録媒体に260kfci以上の線記録密度で記録された信号を、上記磁気再生ヘッドで再生する磁気信号再生装置である。
本発明の一態様によれば、走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮することができる磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、非磁性層上に強磁性粉末、結合剤および研磨剤を含む磁性層を有し、かつ、非磁性層が、下記条件1〜4を満たす磁気記録媒体である。
条件1:走査型電子顕微鏡により撮像される断面画像において観察される空隙の総面積が観察領域の面積に占める割合は、13.0〜25.0%の範囲、
条件2:上記断面画像において観察される空隙の円相当径の平均値をR、この円相当径の標準偏差をσr、Rおよびσrの単位をnmとして、R+σrは58.0nm以下、かつR−σrは21.0nm以上、
条件3:上記断面画像において観察される空隙が上記観察領域の単位面積1μmあたりに存在する個数の平均値をN、この個数の標準偏差をσn、Nおよびσnの単位を個/μmとして、N+σnは185個/μm以下、かつN−σnは120個/μm以上、
条件4:非磁性層厚みは0.20μm以上。
先に記載したように、条件1〜4によりヘッド摩耗の発生を抑制できることが、繰り返し走行による電磁変換特性低下を抑制することに寄与すると本発明者は推察している。詳しくは、以下に説明する。
<条件1〜条件4>
(条件1)
上記磁気記録媒体の非磁性層は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM、以下において「SEM」とも記載する。)により撮像される断面画像において観察される空隙の総面積が観察領域の面積に占める割合(以下、「空隙率」とも記載する。)が、13.0〜25.0%の範囲である(条件1)。空隙率が13.0%以上であることが、研磨剤に起因するヘッド摩耗の発生を抑制することに寄与し、25.0%以下であることが塗膜の局所的破壊に起因するヘッド摩耗の発生を抑制することに寄与すると、本発明は考えている。上記の点から、空隙率は15.0〜25.0%の範囲であることが好ましく、15.0〜24.5%の範囲であることがより好ましく、15.0〜24.0%の範囲であることが更に好ましく、15.0〜23.5%の範囲であることがいっそう好ましい。
(条件2)
更に、上記磁気記録媒体の非磁性層は、上記断面画像において観察される空隙の円相当径の平均値をR、この円相当径の標準偏差をσr、Rおよびσrの単位をnmとして、R+σrが58.0nm以下、かつR−σrが21.0nm以上である(条件2)。条件2に関するR+σrおよびR−σrは、非磁性層に存在する空隙のサイズのばらつきの指標となり得るものである。R+σrが大きいほど、非磁性層に存在する空隙の平均サイズを超える大きな空隙が多数存在することを意味し、R−σrが小さいほど、平均サイズを下回る小さな空隙が多数存在することを意味する。平均サイズを超える大きな空隙は、走行中に空隙を起点として非磁性層の局所的な破壊が起こりやすい傾向があり、また非磁性層の局所的な破壊に起因して、その上に位置する磁性層の局所的な破壊も起こりやすい傾向があると、本発明者は考えている。即ち、塗膜の局所的破壊が起こりやすい傾向があると、本発明者は考えている。そして、R+σrが58.0nm以下、好ましくは56.0nm以下、より好ましくは54.0nm以下であることが、塗膜の局所的破壊に起因するヘッド摩耗を抑制することに寄与すると、本発明者は推察している。これに対し、平均サイズを下回る小さな空隙は、そのような空隙の近傍で他の部分と比べて非磁性層が局所的に硬くなる結果、走行中の研磨剤の沈み込みの妨げとなり研磨剤によりヘッドが大きく削れるのではないかと本発明者は考えている。そして、R−σrが21.0nm以上、好ましくは23.0nm以上、より好ましくは25.0nm以上であることが、研磨剤に起因するヘッド摩耗を抑制することに寄与すると、本発明者は推察している。
(条件3)
更に、上記磁気記録媒体の非磁性層は、上記断面画像において観察される空隙が上記観察領域の単位面積1μmあたりに存在する個数の平均値をN、上記個数の標準偏差をσn、Nおよびσnの単位を個/μmとして、N+σnが185個/μm以下、かつN−σnが120個/μm以上である(条件3)。条件3に関するN+σnおよびN−σnは、非磁性層において空隙の存在状態のばらつき(詳しくは、非磁性層に局所的に空隙が多く存在する部分や局所的に空隙が少ない部分が存在するか否か)の指標となり得るものである。N+σnが大きいほど、非磁性層に局所的に空隙が多く存在する部分が含まれていることを意味し、N−σnが小さいほど、非磁性層に局所的に空隙が少ない部分が含まれていることを意味する。局所的に空隙が多く存在する部分は、走行中に他の部分と比べて非磁性層の局所的な破壊が起こりやすい傾向があり、また非磁性層の局所的な破壊に起因して、その上に位置する磁性層の局所的な破壊も起こりやすい傾向があると、本発明者は考えている。即ち、塗膜の局所的破壊が起こりやすい傾向があると、本発明者は考えている。そして、N+σnが185個/μm以下、好ましくは180個/μm以下、より好ましくは175個/μm以下であることが、塗膜の局所的破壊に起因するヘッド摩耗を抑制することに寄与すると、本発明者は推察している。これに対し、局所的に空隙が少ない部分は、他の部分と比べて局所的に硬くなる結果、走行中の研磨剤の沈み込みの妨げとなり研磨剤によりヘッドが大きく削れるのではないかと本発明者は考えている。そして、N−σnが120個/μm以上、好ましくは125個/μm以上、より好ましくは130個/μm以上であることが、研磨剤に起因するヘッド摩耗を抑制することに寄与すると、本発明者は推察している。
以上説明した条件1〜3に関する各種値の調整方法は、後述する。
(条件4)
上記磁気記録媒体の非磁性層は、条件1〜3を満たし、かつ厚みが0.20μm以上である(条件4)。非磁性層の厚みが0.20μm以上、好ましくは0.30μm以上であることにより、研磨剤に起因するヘッド摩耗の発生を抑制できると本発明者は考えている。一方、非磁性層の厚みは、磁気記録媒体を記録容量向上のために薄型化することを考慮すると、2.00μm以下であることが好ましく、1.50μm以下であることがより好ましい。以上より、条件4は、下記条件4−1であることが好ましく、下記条件4−2であることがより好ましい。非磁性層厚みは、磁気記録媒体の製造条件、具体的には非磁性層形成用組成物の塗布量やカレンダ条件等によって調整することができる。一般に、塗布量を多くするほど非磁性層厚みは厚くなり、カレンダ条件を強化(例えば、カレンダ圧を高くする等)するほど非磁性層厚みは薄くなる傾向がある。
条件4−1:非磁性層厚みが0.20μm以上2.00μm以下。
条件4−2:非磁性層厚みが0.30μm以上1.50μm以下。
(測定方法)
条件1〜4に関する各種値は、以下の方法により求めるものとする。
(1)断面観察用試料の作製
断面観察用試料を、空隙率を求める対象の磁気記録媒体の無作為に定めた位置から切り出し作製する。断面観察用試料の作製は、ガリウムイオン(Ga)ビームを用いるFIB(Focused Ion Beam;収束イオンビーム)加工によって行う。かかる作製方法の具体例は、実施例について後述する。
(2)観察領域の特定
作製した断面観察用試料をSEM観察し、断面画像(SEM像)を撮像する。走査型電子顕微鏡としては、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE(Field Emission)−SEM)を用いる。例えば日立製作所製FE−SEM S4800を用いることができ、後述の実施例ではこのFE−SEMを用いた。
SEM像は、同一の断面観察用試料において、(i)撮像する範囲が重複しないように、(ii)磁性層側最表面(磁性層表面)がSEM像に収まるように、かつ(iii)断面観察用試料の厚み方向全域(即ち、磁性層側最表面から他方の側の最表面までの領域)がSEM像に収まるか、または断面観察用試料の厚み方向全域がSEM像に収まらない場合には、SEM像の画像全面積に対して断面観察用試料の撮像部分が占める割合が面積基準で80〜100%となるように選択する点以外は無作為に選択した位置において撮像し、合計4画像得る。
上記SEM像は、加速電圧5kV、撮像倍率10万倍および縦960画素(pixel)×横1280画素で撮像される二次電子像(SE(secondary electron)像)である。
撮像されたSEM像を、画像処理ソフト三谷商事株式会社製WinROOFに取り込み、SEM像中の非磁性層の部分(観察領域)を選択する。観察領域の選択において、観察領域の幅方向の長さは、撮像されたSEM像の全幅とする。なお、SEM像に関して記載する幅方向とは、撮像された断面観察用試料における幅方向をいう。断面観察用試料における幅方向とは、この試料を切り出した磁気記録媒体における幅方向である。以上について、厚み方向についても、同様とする。
厚み方向に関して、磁性層と非磁性層との界面は、以下の方法により特定する。SEM像をデジタル化して厚み方向の画像輝度データ(厚み方向の座標、幅方向の座標、および輝度の3成分からなる。)を作成する。デジタル化では、SEM像を幅方向に1280分割して、輝度8ビットで処理して256階調のデータを得て、分割した各座標ポイントの画像輝度を所定の階調値に変換する。次に、得られた画像輝度データにおいて、厚み方向の各座標ポイントにおける幅方向の輝度の平均値(即ち、1280分割した各座標ポイントにおける輝度の平均値)を縦軸にとり、厚み方向の座標を横軸にとって輝度曲線を作成する。作成した輝度曲線を微分して微分曲線を作成し、作成した微分曲線のピーク位置から磁性層と非磁性層との境界の座標を特定する。SEM像上の、特定した座標に相当する位置を、磁性層と非磁性層との界面とする。SEM像に非磁性支持体の部分が含まれる場合には、非磁性層と非磁性支持体との界面を特定する。上記磁気記録媒体は塗布型磁気記録媒体であるが、塗布型磁気記録媒体では、磁性層と非磁性層との界面と比べて、非磁性層と非磁性支持体との界面は鮮明に認識可能である。そのため、非磁性層と非磁性支持体との界面は、SEM像を目視することで特定することができる。ただし上記と同様に輝度曲線を用いて特定してもよい。SEM像に非磁性支持体の部分が含まれない場合には、特定した磁性層と非磁性層との界面(即ち非磁性層表面)から非磁性層の部分の厚み方向の全領域が含まれるように観察領域を特定する。一方、SEM像に非磁性支持体の部分が含まれる場合には、特定した磁性層と非磁性層との界面(即ち非磁性層の磁性層側表面)と非磁性層と非磁性支持体との界面(即ち非磁性層の非磁性支持体側表面)までの全領域が含まれるように観察領域を特定する。
(3)空隙の特定、ならびに空隙率、R+σr、R−σr、N+σn、N−σnの算出
上記(2)で特定した観察領域について上記画像処理ソフト三谷商事株式会社製WinROOFの機能である鮮鋭化処理を行い、次にノイズ除去(4画素/1280画素)処理を行って、観察領域に存在する空隙の輪郭を強調させる。そして観察領域に存在する空隙の輪郭を手動で選択し、次に輪郭と輪郭に囲まれた部分を、上記画像処理ソフトにより2値化する。このとき、2値化面積が25nmを下回る部分は空隙とみなさずにノイズとみなして選択から除外し、2値化面積が25nm以上の部分を空隙として特定する。次に、空隙として特定された部分の面積を合計して空隙の総面積とする。下記式から、空隙率を求める。4画像について、それぞれ空隙率を求め、それらの平均値を空隙率とする。なお本発明および本明細書において、平均値とは、算術平均をいう。下記式中、空隙の総面積および観察領域の面積の単位は、同じ単位であれば、nmであってもμmであってもその他の単位であってもよい。
空隙率(%)=(空隙の総面積/観察領域の面積)×100
更に2値化面積が25nm以上の部分について、それぞれの2値化面積と同じ面積の円の直径を算出し、これを円相当径とする。4画像について求めた円相当径の平均値を、上記R(nm)、円相当径の標準偏差をσr(nm)とする。こうして求められるRおよびσrから、R+σrおよびR−σrを算出する。
また、撮影した4画像のそれぞれについて、上記(2)で特定した観察領域をX方向(幅方向)、Y方向(厚み方向)にそれぞれ均等2分割して4等分し、画像4枚×4区画の合計16区画に区分けした。次に、それぞれの区画の中の2値化面積が25nm以上の部分(空隙)の個数をカウントした。そして、カウントした空隙の個数を、1区画の面積(μm)で除して各区画の単位面積1μmあたりに存在する空隙の個数を求め、16区画で求めた個数の平均値を、上記N(個/μm)、その標準偏差をσn(個/μm)とする。
なお、観察領域に存在する空隙の中には、一部分が観察領域内にあり一部分が観察領域外にある空隙もあり得る。そのような空隙については、この空隙の観察領域内にある部分の面積を、上記の空隙率を求める際の空隙の総面積の算出の際に用い、観察領域外にある部分の面積は、総面積の算出の際には含めないものとする。
また、そのような空隙についても円相当径は算出し、上記のRおよびσrの算出に用いるものとする。そのような空隙の円相当径を算出するために用いる2値化面積には、その空隙の観察領域外にある部分の面積も含める。Nおよびσnの算出の際にも、一部分が観察領域内にあり一部分が観察領域外にある空隙を含めるものとする。以上の点は、上記の区画に含まれる空隙についても、同様とする。
(4)非磁性層厚みの測定
非磁性層厚みは、以下の方法により測定する。
上記(1)に記載の方法で作製した断面観察用試料をSEM観察し、断面画像(SEM像)を撮像する。走査型電子顕微鏡としては、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いる。例えば日立製作所製FE−SEM S4800を用いることができ、後述の実施例ではこのFE−SEMを用いた。
SEM像は、作製した断面観察用試料の無作為に選択した3箇所において、それぞれ非磁性層の厚み方向全域、ならびに磁性層の少なくとも一部および非磁性層の少なくとも一部がSEM像に収まるように撮影する。こうしてSEM像を、合計3画像得る。
上記の各SEM像は、加速電圧5kV、撮像倍率2万倍および縦960画素(pixel)×横1280画素で撮像される二次電子像(SE像)である。磁性層と非磁性層との界面、および非磁性層と非磁性支持体との界面は、上記(2)に記載の方法により特定する。なお後述の実施例では、非磁性層と非磁性支持体との界面は、目視により特定した。
各SEM画像上の任意の位置1箇所において、上記方法により特定した両界面の厚み方向における間隔を求め、3画像について得られた値の平均値を非磁性層の厚みとする。
(調整方法)
条件1〜4に関する各種値の調整に関して、条件4にかかる非磁性層厚みの調整については、先に記載した通りである。
条件1〜3にかかる非磁性層の空隙に関する各種値は、例えば、下記(1)〜(4)の1つ以上により調整することができる。
(1)非磁性層に含まれる非磁性粉末の種類、サイズ
非磁性層に含まれる非磁性粉末としては、一種の非磁性粉末のみ用いてもよく、二種以上の非磁性粉末を用いてもよい。非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラックも使用できる。非磁性層に含まれる空隙のサイズのばらつきを低減することにより条件2に関するR+σrおよびR−σrを前述の範囲に制御する観点からは、異方性のある形状を有する非磁性粉末より等方的な形状を有する非磁性粉末を使用することや、非磁性粉末の中で等方的な形状を有する非磁性粉末が占める割合を高めることが好ましいと本発明者は考えている。この点に関し、カーボンブラックは、各種非磁性粉末の中でも形状が等方的な傾向がある。したがって、非磁性層の非磁性粉末は、少なくともカーボンブラックを含むことが好ましい。非磁性層の非磁性粉末の中でカーボンブラックが占める割合は、非磁性粉末100.0質量部に対して、30.0質量部以上であることが好ましく、40.0質量部以上であることがより好ましく、50.0質量部以上であることが更に好ましく、60.0質量部以上、70.0質量部以上、80.0質量部以上、90.0質量部以上、または100.0質量部でもよい。また、非磁性層の非磁性粉末の中でカーボンブラックが占める割合は、例えば90.0質量部以下であることができ、80.0質量部以下であることができるが、上記の通り、例えば100.0質量部であってもよい。
また、カーボンブラックのサイズについて、例えば、条件1に関しては、平均粒子サイズが大きなカーボンブラックを使用するほど空隙率は高くなる傾向があり、平均粒子サイズが小さいカーボンブラックを使用するほど空隙率は低くなる傾向がある。また、条件2に関しては、平均粒子サイズが大きなカーボンブラックを使用するほど平均サイズを超える空隙が増えR+σrは大きくなる傾向があり、平均粒子サイズが小さいカーボンブラックを使用するほど平均サイズを下回る空隙が増えR−σrは小さくなる傾向がある。条件3に関しては、平均粒子サイズが大きなカーボンブラックを使用するほど非磁性層に局所的に空隙が少ない部分が生じやすくなりN−σnが小さくなる傾向があり、平均粒子サイズが小さいカーボンブラックを使用するほど非磁性層に局所的に空隙が多い部分が生じやすくなりN+σnが大きくなる傾向がある。以上の点から、条件1〜3にかかる各種値を前述の範囲に制御する観点からは、非磁性層は、平均粒子サイズが10〜30nmの範囲のカーボンブラックを含むことが好ましい。
本発明および本明細書において、カーボンブラックその他各種粉末の平均粒子サイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、以下の方法により測定する値とする。
粉末を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粉末を構成する粒子の写真を得る。得られた粒子の写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粒子の輪郭をトレースし粒子(一次粒子)のサイズを測定する。一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
以上の測定を、無作為に抽出した500個の粒子について行う。こうして得られた500個の粒子の粒子サイズの算術平均を、粉末の平均粒子サイズとする。上記透過型電子顕微鏡としては、例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いることができる。また、粒子サイズの測定は、公知の画像解析ソフト、例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行うことができる。
本発明において、カーボンブラック、強磁性粉末、およびその他の粉末についての平均粒子サイズとは、特記しない限り、上記方法により求められる平均粒子サイズをいうものとする。後述の実施例に示す平均粒子サイズの測定は、透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を用いて行った。
なお、粒子サイズ測定のために磁気記録媒体から試料粉末を採取する方法としては、例えば特開2011−048878号公報の段落0015に記載の方法を採用することがで40。
本発明および本明細書において、粉末を構成する粒子のサイズ(以下、「粒子サイズ」と言う)は、上記の粒子写真において観察される粒子の形状が、
(1)針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粒子を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、
(2)板状または柱状(ただし、厚みまたは高さが板面または底面の最大長径より小さい)場合は、その板面または底面の最大長径で表され、
(3)球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粒子を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、粉末の平均針状比は、上記測定において粒子の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粒子の(長軸長/短軸長)の値を求め、上記500個の粒子について得た値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粒子サイズの定義で(1)の場合は、粒子を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚みまたは高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粒子の形状が特定の場合、例えば、上記粒子サイズの定義(1)の場合、平均粒子サイズは平均長軸長であり、同定義(2)の場合、平均粒子サイズは平均板径であり、平均板状比とは、(最大長径/厚みまたは高さ)の算術平均である。同定義(3)の場合、平均粒子サイズは、平均直径(平均粒径、平均粒子径ともいう)である。
また、非磁性層は、カーボンブラック以外の非磁性粉末を含むこともできる。かかる非磁性粉末は、前述のように、無機物質であっても有機物質であってもよい。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2010−24113号公報段落0035〜0041を参照できる。カーボンブラック以外の非磁性粉末の平均粒子サイズは、例えば0.015〜0.300μmの範囲であり、0.020〜0.200μmの範囲であることが好ましい。非磁性層の非磁性粉末の中でカーボンブラック以外の非磁性粉末(二種以上用いる場合にはそれらの合計)が占める割合は、非磁性層の非磁性粉末100.0質量部に対して0〜50.0質量部の範囲であることが好ましく、0〜40.0質量部の範囲であることがより好ましく、0〜30.0質量部の範囲であることが更に好ましい。
なお、非磁性層における非磁性粉末の含有量は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
(2)非磁性層の結合剤含有量
条件1に関して、非磁性層の結合剤含有量を増やすほど空隙率は低下する傾向があり、増やすほど空隙率は低くなる傾向がある。また、条件2に関しては、非磁性層の結合剤含有量を増やすほど平均サイズを下回る小さな空隙が増えR−σrは小さくなる傾向があり、減らすほど平均サイズを超える大きな空隙が増えR+σrが大きくなる傾向がある。条件3に関しては、非磁性層の結合剤含有量を増やすほど非磁性層に局所的に空隙の少ない部分が生じやすくなりN−σnは小さくなる傾向があり、減らすほど局所的に空隙が多い部分が生じやすくなりN+σnが大きくなる傾向がある。以上の点から、条件1〜3にかかる各種値を前述の範囲に制御する観点からは、非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して42.0体積部以下であることが好ましく、40.0体積部以下であることがより好ましい。また、非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して、例えば10.0体積部以上であることができ、20.0体積部以上であることが好ましい。
(3)非磁性層形成用組成物の分散条件
非磁性層形成用組成物は、例えば、非磁性粉末、結合剤および任意に添加され得る一種以上の添加剤や一種以上の溶媒を、同時または順次混合し分散処理を施すことによって作製することができる。分散処理の詳細については後述する。条件1に関して、分散時間を長くするほど空隙率は低くなる傾向があり、短くするほど空隙率は高くなる傾向がある。
非磁性層形成用組成物の分散処理に関しては、この組成物における非磁性粉末の分散性向上に寄与する添加剤(分散剤)を使用することができる。分散剤の使用によって非磁性層形成用組成物における非磁性粉末の分散性を高めるほど、空隙率は低くなる傾向がある。
上記分散剤としては、非磁性層の非磁性粉末の種類に応じて、公知の分散剤の一種以上を用いることができる。例えば一例として、カーボンブラックの分散剤としては、有機三級アミンを挙げることができる。有機三級アミンについては、特開2013−049832号公報段落0011〜0018、0021を参照できる。また、有機三級アミンによりカーボンブラックの分散性を高めるための組成物の処方等については、同公報段落0022〜0024、0027を参照できる。
上記アミンは、より好ましくはトリアルキルアミンである。トリアルキルアミンが有するアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。トリアルキルアミンが有する3つのアルキル基は、同一であっても異なっていてもよい。アルキル基の詳細については、特開2013−049832号公報段落0015〜0016を参照できる。トリアルキルアミンとしては、トリオクチルアミンが特に好ましい。
(4)非磁性層形成時の乾燥条件
非磁性層は、非磁性層形成用組成物と磁性層形成用組成物を、非磁性支持体上に逐次重層塗布することにより形成してもよく、同時重層塗布することにより形成してもよい。逐次重層塗布においては、非磁性支持体上に非磁性層形成用組成物を塗布し乾燥処理を施した後に、その上に磁性層形成用組成物が塗布される。ここでの非磁性層形成用組成物の乾燥を急速に進行させるほど、非磁性層において空隙の存在状態のばらつきが生じやすく条件3に関するN+σnは大きくなりN−σnは小さくなる傾向がある。一方、同時重層塗布においては、非磁性層形成用組成物が湿潤状態にあるうちに、その上に磁性層形成用組成物が塗布され、その後に乾燥処理が施される。ここでの乾燥処理においても、乾燥を急速に進行させるほど、非磁性層において空隙の存在状態のばらつきが生じやすく条件3に関するN+σnは大きくなりN−σnは小さくなる傾向がある。条件3に関する各種値の調整の容易性の観点からは、逐次重層塗布が好ましい。
次に、本発明の一態様にかかる磁気記録媒体の具体的態様について説明する。ただし、 本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、以上説明した条件1〜4を満たす非磁性層上に、強磁性粉末、結合剤および研磨剤を含む磁性層を有するものであればよく、下記具体的態様に限定されるものではない。
<磁性層>
(強磁性粉末)
強磁性粉末としては、磁気記録媒体の磁性層において強磁性粉末として通常用いられる各種粉末を使用することができる。強磁性粉末として平均粒子サイズの小さいものを使用することは、磁気記録媒体の記録密度向上の観点から好ましい。この点から、強磁性粉末としては、平均粒子サイズが50nm以下の強磁性粉末を用いることが好ましい。一方、磁化の安定性の観点からは、強磁性粉末の平均粒子サイズは10nm以上であることが好ましい。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性六方晶フェライト粉末を挙げることができる。強磁性六方晶フェライト粉末の平均粒子サイズ(平均板径)は、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性六方晶フェライト粉末の詳細については、例えば、特開2011−225417号公報段落0012〜0030、特開2011−216149号公報の段落0134〜0136、特開2012−204726号公報段落0013〜0030を参照できる。
強磁性粉末の好ましい具体例としては、強磁性金属粉末を挙げることもできる。強磁性金属粉末の平均粒子サイズ(平均長軸長)は、記録密度向上と磁化の安定性の観点から、10nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上50nm以下であることがより好ましい。強磁性金属粉末の詳細については、例えば特開2011−216149号公報の段落0137〜0141、特開2005−251351号公報段落0009〜0023を参照できる。
磁性層における強磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。上記充填率が高いことは、記録密度向上の観点から好ましい。
(結合剤)
上記磁気記録媒体は、磁性層に、強磁性粉末とともに結合剤を含む。結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂である。なおこれらの樹脂は、ホモポリマーでもよく、コポリマー(共重合体)でもよい。これらの樹脂は、非磁性層や任意に設けられるバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落0028〜0031を参照できる。また、結合剤としては、少なくとも一種の硬化剤を使用することもでき、上記樹脂の一種以上とともに硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤とは、1分子中に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の架橋性官能基を有する化合物である。硬化剤としては、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物(ポリイソシアネート)が好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物中に、樹脂100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、磁性層の強度向上の観点からは好ましくは1.0〜80.0質量部の量で添加し使用することができる。
(研磨剤)
上記磁気記録媒体の磁性層には、強磁性粉末および結合剤とともに、研磨剤が含まれる。研磨剤とは、走行中に、ヘッド付着物除去能(研磨性)を発揮することができる成分である。ヘッド付着物除去能を良好に発揮することができるという観点から、研磨剤としては、モース硬度が7以上の非磁性粉末が好ましい。モース硬度とは、物質の硬さの指標として広く知られた指標である。モース硬度によれば、10段階で物質の硬さが規定される。モース硬度は、ダイヤモンドのモース硬度10が最大値である。研磨剤のモース硬度は、好ましくは8以上である。また、研磨剤のモース硬度は、9以下であることが好ましい。研磨剤としては、磁性層の研磨剤として通常使用される物質であるアルミナ(Al)、炭化ケイ素、ボロンカーバイド(BC)、SiO、TiC、酸化クロム(Cr)、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化鉄、ダイヤモンドの各粉末を挙げることができ、中でもα−アルミナ等のアルミナ粉末および炭化ケイ素粉末が好ましい。また、研磨剤の平均粒子サイズは、例えば30〜300nmの範囲であり、好ましくは50〜200nmの範囲である。磁性層の研磨剤含有量は、好ましくは強磁性粉末100.0質量部に対して1.0〜20.0質量部の範囲であり、より好ましくは3.0〜15.0質量部の範囲であり、更に好ましくは4.0〜10.0質量部の範囲である。
(添加剤)
磁性層には、以上記載した成分に加えて、必要に応じて一種以上の添加剤を加えることができる。添加剤としては、例えば、突起形成剤と呼ばれる非磁性粉末、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等を挙げることができる。なお突起形成剤は、磁性層表面に適度に突出する突起を形成することができ、磁性層表面の摩擦特性制御に寄与し得る成分である。一態様では、カーボンブラックは、突起形成剤として機能することができる。また、公知の各種コロイド粒子も、突起形成剤として機能することができる。添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。また、前述の通り、磁性層には、脂肪酸、脂肪酸アミドおよび脂肪酸エステルからなる群から選ばれる成分の一種以上が含まれていてもよい。
以上説明した磁性層は、非磁性支持体上に、非磁性層を介して設けられる。非磁性層、非磁性支持体の詳細については、後述する。
<非磁性層>
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有する。非磁性層が満たす条件1〜4については、先に記載した通りである。
非磁性層に含まれる非磁性粉末についても、先に記載した通りである。非磁性層における非磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
非磁性層の結合剤、添加剤等その他の詳細は、非磁性層に関する公知技術が適用できる。また、例えば、結合剤量および種類、添加剤量および種類に関しては、磁性層に関する公知技術も適用できる。
なお、本発明における磁気記録媒体の非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい。
<バックコート層>
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体の非磁性層および磁性層を有する側とは反対側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層に含まれる結合剤、任意に含まれ得る各種添加剤については、磁性層や非磁性層の処方に関する公知技術を適用することができる。
<非磁性支持体>
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。これらの非磁性支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
<各層および非磁性支持体の厚み>
上記磁気記録媒体における非磁性層の厚みについては、先に条件4について記載した通りである。
非磁性支持体の厚みは、例えば3.00〜80.00μmであり、好ましくは3.00〜50.00μmの範囲であり、より好ましくは3.00〜10.00μmの範囲である。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化することができ、一般には10nm〜100nmであり、記録密度向上の観点から、好ましくは30〜100nmの範囲であり、更に好ましくは30〜70nmの範囲である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
バックコート層の厚みは、0.90μm以下であることが好ましく、0.10〜0.70μmの範囲であることが更に好ましい。
非磁性層の厚みの測定方法は、先に記載した通りである。他の層および非磁性支持体の厚みも、同様の方法により求めることができる。または、他の層および非磁性支持体の厚みは、製造条件から算出される設計厚みとして求めてもよい。
<製造工程>
(各層形成用組成物の調製)
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物を調製する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ二段階以上に分かれていてもかまわない。各層形成用組成物の調製に用いられる強磁性粉末、結合剤、研磨剤、非磁性粉末、各種添加剤、溶媒などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。溶媒としては、塗布型磁気記録媒体の製造に通常用いられる各種溶媒の一種または二種以上を用いることができる。溶媒については、特開2011−216149号公報段落0153を参照できる。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。上記磁気記録媒体の製造工程では、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。分散機としては、ビーズミル、ボールミル、サンドミルまたはホモミキサー等、せん断力を利用した各種公知の分散機を使用することができる。分散には、好ましくは分散ビーズを用いることができる。分散ビーズとしては、セラミックビーズ、ガラスビーズ等が挙げられ、ジルコニアビーズが好ましい。2種類以上のビーズを組み合わせて使用してもよい。分散ビーズのビーズ径およびビーズ充填率は、特に限定されるものではなく、分散対象の粉末に応じて設定すればよい。
(塗布工程)
非磁性層および磁性層は、非磁性層形成用組成物および磁性層形成用組成物を、逐次または同時に重層塗布することにより形成することができる。バックコート層は、バックコート層を、非磁性支持体の非磁性層および磁性層を有する(またはこれらの層が追って設けられる)側とは反対側に塗布することにより形成することができる。各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報段落0066を参照できる。
(その他工程)
磁気記録媒体製造のためのその他の各種工程については、特開2010−231843号公報段落0067〜0070を参照できる。
以上記載した本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮することができ、高密度記録用磁気記録媒体として好適である。
[磁気信号再生装置]
本発明の一態様は、上記磁気記録媒体と、磁気再生ヘッドと、を含む磁気信号再生装置に関する。
上記磁気信号再生装置に含まれる磁気記録媒体の詳細は、先に記載した通りである。
上記磁気信号再生装置に含まれる磁気再生ヘッドとしては、公知の構成の磁気再生ヘッドを、何ら制限なく用いることができる。
高密度記録用磁気記録媒体では、従来許容されていたレベルよりも更にスペーシングを低減することにより、繰り返し走行による電磁変換特性の低下をよりいっそう抑制することが望まれる。この点に関して、本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、例えば、260kfci以上の線記録密度で記録された信号を再生する磁気信号再生装置においても、走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮することができる。これは、非磁性層が前述の条件1〜4を満たすことにより、ヘッド摩耗によるスペーシング増大を抑制することができるためと本発明者は考えている。したがって、かかる磁気記録媒体を含む上記磁気信号再生装置は、磁気記録媒体に260kfci以上(例えば260〜350kfci)の線記録密度で記録された信号を、磁気再生ヘッドで再生する磁気信号再生装置であることが好ましい。ただし本発明の一態様にかかる磁気記録媒体に記録される信号の線記録密度は上記範囲に限定されるものではなく、上記範囲外であってもよい。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。なお、以下に記載の「部」の表示は、「質量部」を示す。
[実施例1]
<磁性層形成用組成物の処方>
(磁性液)
強磁性六方晶バリウムフェライト粉末:100.0部
(保磁力Hc:175kA/m(2200Oe)、平均粒子サイズ:27nm)
オレイン酸:1.5部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):10.0部
スルホン酸基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡製UR−4800):4.0部
メチルエチルケトン:300.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(研磨剤液)
α−アルミナ(平均粒子サイズ:110nm、モース硬度:9):9.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR110):0.7部
シクロヘキサノン:20.0部
(カーボンブラック液)
カーボンブラック(平均粒子サイズ80nm):0.5部
シクロヘキサノン:4.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:110.0部
シクロヘキサノン:110.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):2.5部
<非磁性層形成用組成物の処方>
カーボンブラック(平均粒子サイズ:16nm、DBP(dibutyl phthalate)吸油量:74cm/100g):100.0部
分散剤 トリオクチルアミン:6.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):12.0部
ポリウレタン樹脂:8.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):1.0部
<バックコート層形成用組成物の処方>
微粒子状カーボンブラック粉末:100.0部
(キャボット社製BPr800、平均粒子サイズ:17nm)
粗粒子状カーボンブラック粉末:10.0部
(カーンカルブ社製サーマルブラック、平均粒子サイズ:270nm)
α−アルミナ:2.0部
(平均粒子サイズ:200nm、モース硬度:9)
硫酸バリウム:5.0部
(堺化学工業社製BF−1、平均粒子サイズ:50nm、モース硬度:3)
ニトロセルロース樹脂:140.0部
ポリウレタン樹脂:15.0部
ポリエステル樹脂:5.0部
分散剤:オレイン酸銅:5.0部
銅フタロシアニン:5.0部
メチルエチルケトン:1200.0部
酢酸ブチル:300.0部
トルエン :600.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):10.0部
<各層形成用組成物の調製>
上記磁性液をオープンニーダにより混練・希釈処理後、横型ビーズミル分散機により、ビーズ径0.1mmのジルコニア(ZrO2)ビーズ(以下、「Zrビーズ」と記載する)を用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、30パスの分散処理を行った。
上記分散処理後の磁性液、ならびに研磨剤液、カーボンブラック液および潤滑剤・硬化剤溶液をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、フロー式超音波分散機により流量7.5kg/分で3パス処理した後に、孔径1μmのフィルタで濾過して磁性層形成用組成物を調製した。
非磁性層形成用組成物は、以下の方法によって作製した。
上記潤滑剤・硬化剤溶液を除く成分をオープンニーダにより混練・希釈処理して、その後、横型ビーズミル分散機、ビーズ径1.0mmのZrビーズを用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を6分とし、10パスの分散処理を行った。上記潤滑剤・硬化剤溶液を添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌・混合処理を施して非磁性層形成用組成物を調製した。
バックコート層形成用組成物は、以下の方法によって調製した。
バックコート層形成用組成物処方のポリイソシアネートを除く成分をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、横型ビーズミル分散機により分散処理を実施した。その後、ポリイソシアネートを添加して、ディゾルバー攪拌機にて攪拌・混合処理を施し、バックコート層形成用組成物を調製した。
<磁気テープの作製>
厚み4.50μmのポリエチレンナフタレート支持体上の一方の表面に、乾燥後の厚みが1.00μmになるように非磁性層形成用組成物を塗布し、雰囲気温度40℃、風速5m/秒の乾燥ゾーンで4秒間初期乾燥を行った後に雰囲気温度110℃、風速5m/秒の乾燥ゾーンで4秒間乾燥させた。その後、バックコート層形成用組成物を、上記支持体の他方の表面に乾燥後の厚みが0.50μmになるように塗布し乾燥させ、非磁性層上に乾燥後の厚みが0.07μm(70nm)になるように磁性層形成用組成物を塗布し乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダで速度120m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、カレンダロールの表面温度100℃でカレンダ処理(表面平滑化処理)を行った。その後雰囲気70℃の環境で36時間熱処理を行った後、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットしスリット品を得た。スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性層表面に押し当たるように取り付けたテープクリーニング装置で磁性層表面のクリーニングを行い磁気記録媒体(磁気テープ)を得た。
[実施例2]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を18.0部、ポリウレタン樹脂の量を12.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例3]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を21.0部、ポリウレタン樹脂の量を14.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例4]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を27.0部、ポリウレタン樹脂の量を16.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例5]
非磁性層形成用組成物調製時の横型ビーズミル分散機の1パス滞留時間を12分とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例6]
非磁性層形成用調製時の横型ビーズミル分散機の1パス滞留時間を3分とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例7]
非磁性層形成用組成物中のトリオクチルアミンの量を12.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例8]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
カーボンブラック(平均粒子サイズ:16nm、DBP吸油量:74cm/100g):50.0部
非磁性無機粉末(α−酸化鉄、平均粒子サイズ:0.150μm、平均針状比:7、BET(Brunauer-Emmett-Teller)比表面積:52m/g):50.0部
分散剤 トリオクチルアミン:6.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):10.0部
ポリウレタン樹脂:4.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):1.0部
[実施例9]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックの量を35.0部とし、非磁性無機粉末(α−酸化鉄)の量を65.0部とし、塩化ビニル共重合体の量を9.0部とし、ポリウレタン樹脂の量を2.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気記録媒体を作成した。
[実施例10]
非磁性層形成用組成物の塗布量を変えることにより非磁性層の厚みを0.40μmとした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[実施例11]
非磁性層形成用組成物の塗布量を変えることにより非磁性層の厚みを0.20μmとした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例1]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を31.0部、ポリウレタン樹脂の量を19.0部とし、トリオクチルアミンの量を1.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例2]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を10.0部とし、ポリウレタン樹脂の量を4.0部とし、トリオクチルアミンの量を12.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例3]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが13nmかつDBP吸油量が64cm/100gのカーボンブラックを用い、塩化ビニル共重合体の量を10.0部とし、ポリウレタン樹脂の量を4.0部とし、トリオクチルアミンの量を12.0部とし、非磁性層形成用組成物を塗布した後の乾燥条件を変更し、雰囲気温度100℃、風速10m/秒の乾燥ゾーンで4秒間初期乾燥を行った後に雰囲気温度110℃、風速5m/秒の乾燥ゾーンで4秒間乾燥させた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例4]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが24nmかつDBP吸油量が77cm/100gのものを用い、塩化ビニル共重合体の量を18.0部、ポリウレタン樹脂の量を12.0部とし、トリオクチルアミンの量を1.0部とし、非磁性層形成用組成物を塗布した後の乾燥条件を変更し、雰囲気温度100℃、風速10m/秒の乾燥ゾーンで4秒間初期乾燥を行った後に雰囲気温度110℃、風速5m/秒の乾燥ゾーンで4秒間乾燥させた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例5]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが24nmかつDBP吸油量が77cm/100gのカーボンブラックを用い、トリオクチルアミンの量を1.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例6]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが13nmかつDBP吸油量が64cm/100gのカーボンブラックを用い、トリオクチルアミンの量を1.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例7]
非磁性層形成用組成物の塗布量を変えることにより非磁性層の厚みを0.15μmとした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例8]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を31.0部とし、ポリウレタン樹脂の量を19.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例9]
非磁性層形成用組成物中の塩化ビニル共重合体の量を10.0部とし、ポリウレタン樹脂の量を4.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例10]
非磁性層形成用組成物中のトリオクチルアミンの量を1.0部とした以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例11]
非磁性層形成用組成物中のトリオクチルアミン6.0部に代えて、メチルアシッドフォスフェートを6.0部用いた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例12]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが76nmかつDBP吸油量が69cm/100gのカーボンブラックを用いた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例13]
非磁性層形成用組成物中のカーボンブラックとして、平均粒子サイズが10nmかつDBP吸油量が73cm/100gのカーボンブラックを用いた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例14]
非磁性層形成用組成物を塗布した後の乾燥条件を変更し、雰囲気温度100℃、風速10m/秒の乾燥ゾーンで4秒間初期乾燥を行った後に雰囲気温度110℃、風速5m/秒の乾燥ゾーンで4秒間乾燥させた以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
[比較例15]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
カーボンブラック(平均粒子サイズ:16nm、DBP吸油量:74cm/100g):20.0部
非磁性無機粉末(α−酸化鉄、平均粒子サイズ:0.150μm、平均針状比:7、BET比表面積:52m/g):80.0部
分散剤 トリオクチルアミン:6.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):6.0部
ポリウレタン樹脂:3.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):1.0部
[比較例16]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
非磁性無機粉末(α−酸化鉄、平均粒子サイズ:0.150μm、平均針状比:7、BET比表面積:52m/g):100.0部
分散剤 トリオクチルアミン:6.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):5.3部
ポリウレタン樹脂:2.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):1.0部
[比較例17]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
カーボンブラック(平均粒子サイズ:16nm、DBP吸油量:74cm/100g):15.0部
非磁性無機粉末(TiO結晶系ルチル、平均粒子サイズ:0.035μm、BET比表面積:40m/g):85.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):14.0部
ポリウレタン樹脂:5.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):5.5部
[比較例18]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
カーボンブラック(平均粒子サイズ:16nm、DBP吸油量:74cm/100g):20.0部
非磁性無機粉末(α−酸化鉄、平均粒子サイズ:0.150μm、平均針状比:7、BET比表面積:52m/g):80.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
ポリウレタン樹脂:6.0部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):6.0部
[比較例19]
非磁性層形成用組成物処方を以下に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを作製した。
非磁性無機粉末(α−酸化鉄、平均粒子サイズ:0.150μm、平均針状比:7、BET比表面積:52m/g):100.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):6.5部
ポリウレタン樹脂:3.5部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート
(極性基−SONa基:70eq/トン含有)
メチルエチルケトン:510.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(潤滑剤・硬化剤溶液)
ステアリン酸:1.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ステアリン酸ブチル:1.5部
メチルエチルケトン:100.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL):1.0部
[評価方法]
1.空隙率、R+σr、R−σr、N+σn、N−σn、非磁性層厚み
実施例、比較例の磁気記録媒体について、上記各種値を、先に記載した方法により求めた。
なお断面観察用試料の作製は、以下に記載の方法により行った。
(i)磁気テープの幅方向10mm×厚み方向10mmのサイズの試料を剃刀を用いて切り出した。
切り出した試料の磁性層表面に保護膜を形成して保護膜付試料を得た。保護膜の形成は、以下の方法により行った。
上記試料の磁性層表面に、スパッタリングにより白金(Pt)膜(厚み30nm)を形成した。白金膜のスパッタリングは、下記条件で行った。
<白金膜のスパッタリング条件>
ターゲット:Pt
スパッタリング装置のチャンバー内真空度:7Pa以下
電流値:15mA
上記で作製した白金膜付試料に、更に厚み100〜150nmのカーボン膜を形成した。カーボン膜の形成は、下記(ii)で用いるFIB(集束イオンビーム)装置に備えられた、ガリウムイオン(Ga)ビームを用いるCVD(Chemical vapor deposition)機構により行った。
(ii)上記(i)で作製した保護膜付試料に対し、FIB装置によりガリウムイオン(Ga)ビームを用いるFIB加工を行い磁気テープの断面を露出させた。FIB加工における加速電圧は30kV、プローブ電流は1300pAとした。
こうして露出させた断面観察用試料を、上記各種値を求めるためのSEM観察に用いた。
2.繰り返し走行によるS/N比(Signal-to-Noise-Ratio)低下分の算出
実施例、比較例の磁気テープを磁気テープカートリッジ内に収め、実施例、比較例についてそれぞれ合計10巻の磁気テープカートリッジを作製した。
温度23℃相対湿度45%環境下において、以下の方法により、ヘッドを固定した1/2インチ(0.0127メートル)リールテスターを用いて走行初期および繰り返し走行後の磁気テープの電磁変換特性(S/N比)を測定した。
ヘッド/テープ相対速度を5.5m/secとし、記録はMIG(Metal-In-Gap)ヘッド(ギャップ長0.15μm、トラック幅1.0μm)を使い、記録電流は各磁気テープの最適記録電流に設定した。再生ヘッドには素子厚み15nm、シールド間隔0.1μm、リード幅0.5μmのGMR(Giant-Magnetoresistive)ヘッドを用いた。線記録密度270kfciの信号を記録し、再生信号をシバソク社製のスペクトラムアナライザーで測定し、キャリア信号の出力と、スペクトル全帯域の積分ノイズとの比をS/N比とした。信号は、磁気テープ走行開始後に信号が十分に安定した部分を使用した。以上の条件で、磁気テープカートリッジ1巻あたり、1パスあたり800mで500パス走行(250往復)させることを、実施例、比較例についてそれぞれ磁気テープカートリッジを10巻用いて繰り返した。
1巻目の1パスのときと10巻目の1パスについてS/N比を測定し、差分「(1巻目の1パス目のS/N比)−(10巻目の1パス目のS/N比)」をS/N比低下分として、表1に示す。S/N比低下分が1.0dB以下であれば、ドライブ内で磁気記録媒体を繰り返し走行させても電磁変換特性の低下が少なく、長期にわたり優れた電磁変換特性を発揮することができる磁気記録媒体と判定することができる。
以上の結果を、表1に示す。
表1に示す結果から、実施例の磁気テープは、繰り返し走行によるS/N比の低下が少なく、走行を繰り返しても優れた電磁変換特性を発揮できることが確認された。
実施例および比較例の磁気テープについて、非磁性層の非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対する結合剤含有量は、表2に示す値であった。表2に示す値は、以下のように算出した。前述の塩化ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂およびポリイソシアネートの質量基準の含有量および各成分の比重から算出される体積基準の含有量を合計した値を、体積基準の結合剤合計含有量とした。非磁性粉末についても、前述の非磁性粉末の質量基準の含有量と非磁性粉末の比重から体積基準の含有量を算出した。算出された値を用いて、表2に示す非磁性層の結合剤含有量を算出した。
AlFeSil摩耗幅の測定
温度23℃相対湿度45%に温度および湿度を制御した雰囲気下、磁気テープの磁性層表面を、AlFeSil角柱(ECMA(European Computer Manufacturers Association)−288/AnnexH/H2 に規定されている角柱)の長手方向と直交するように、AlFeSil角柱の一稜辺(エッジ)にラップ角12度で接触させ、その状態で長さ580mの磁気テープを1.0Nの張力下において3m/秒の速さで50往復させた。なおAlFeSil角柱とは、センダスト系の合金であるAlFeSil製角柱である。
上記角柱のエッジを光学顕微鏡を用いて上方から観察し、特開2007−026564号公報段落0015に同公報図1に基づき説明されている磨耗幅(AlFeSil摩耗幅)を求めた。測定結果を、表3に示す。
AlFeSil摩耗幅は、ヘッド摩耗の指標になり得る値である。走行を繰り返しても良好な電磁変換特性を発揮することができた実施例の磁気テープは、表3に示すように比較例の磁気テープと比べてAlFeSil摩耗幅が小さかった。この結果から、ヘッド摩耗の抑制により、繰り返し走行による電磁変換特性の低下の抑制が可能になったことが確認できる。
本発明は、バックアップテープ等の高密度記録用磁気記録媒体の製造分野において有用である。

Claims (10)

  1. 非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、
    前記非磁性層上に強磁性粉末、結合剤および研磨剤を含む磁性層を有し、かつ、
    前記非磁性層が、下記条件1〜4を満たす磁気記録媒体;
    条件1:走査型電子顕微鏡により撮像される断面画像において観察される空隙の総面積が観察領域の面積に占める割合は、13.0〜25.0%の範囲、
    条件2:前記断面画像において観察される空隙の円相当径の平均値をR、前記円相当径の標準偏差をσr、Rおよびσrの単位をnmとして、Rは32.0nm以上40.4nm以下、σrは10.8nm以上17.4nm以下、R+σrは58.0nm以下、かつR−σrは21.0nm以上、
    条件3:前記断面画像において観察される空隙が前記観察領域の単位面積1μm2あたりに存在する個数の平均値をN、前記個数の標準偏差をσn、Nおよびσnの単位を個/μm2として、Nは129個/μm 2 以上173個/μm 2 以下、σnは4個/μm 2 以上11個/μm 2 以下、N+σnは185個/μm2以下、かつN−σnは120個/μm2以上、
    条件4:非磁性層厚みは0.20μm以上。
  2. 前記非磁性層に含まれる非磁性粉末は、カーボンブラックを少なくとも含む請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性層のカーボンブラック含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して30.0質量部以上である請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性層のカーボンブラック含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して40.0質量部以上である請求項2または3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して42.0体積部以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記非磁性層の結合剤含有量は、非磁性粉末および結合剤の合計含有量100.0体積部に対して40.0体積部以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  7. 前記非磁性層に含まれる非磁性粉末は、平均粒子サイズが10〜30nmの範囲であるカーボンブラックを少なくとも含み、かつ
    前記非磁性層の前記カーボンブラックの含有量は、非磁性粉末100.0質量部に対して40.0質量部以上である請求項6に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記条件1における前記割合は、15.0〜25.0%の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  9. 前記条件4は、下記条件4−1である請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体;
    条件4−1:非磁性層厚みが0.20μm以上2.00μm以下。
  10. 前記条件4は、下記条件4−2である請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体;
    条件4−2:非磁性層厚みが0.30μm以上1.50μm以下。
JP2015152953A 2015-07-31 2015-07-31 磁気記録媒体 Active JP6404187B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015152953A JP6404187B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 磁気記録媒体
US15/223,720 US9818443B2 (en) 2015-07-31 2016-07-29 Magnetic recording medium having specific underlayer features

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015152953A JP6404187B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017033617A JP2017033617A (ja) 2017-02-09
JP6404187B2 true JP6404187B2 (ja) 2018-10-10

Family

ID=57886067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015152953A Active JP6404187B2 (ja) 2015-07-31 2015-07-31 磁気記録媒体

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9818443B2 (ja)
JP (1) JP6404187B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7351811B2 (ja) * 2020-07-17 2023-09-27 富士フイルム株式会社 磁気テープ、磁気テープカートリッジおよび磁気テープ装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61175924A (ja) * 1985-01-29 1986-08-07 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
JPH0743823B2 (ja) * 1986-06-24 1995-05-15 日立マクセル株式会社 磁気記録媒体
US4985295A (en) * 1987-01-23 1991-01-15 Hitachi, Ltd. Magnetic recording medium and method for producing the same
US4966797A (en) * 1988-12-26 1990-10-30 Hitachi Ltd. Process for producing magnetic recording medium, magnetic paint, and magnetic disk
JPH06168439A (ja) * 1992-03-31 1994-06-14 Konica Corp 磁気記録媒体
JPH064854A (ja) * 1992-06-17 1994-01-14 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
JPH08249649A (ja) * 1995-02-23 1996-09-27 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 磁気記録媒体
JPH09282639A (ja) 1996-04-10 1997-10-31 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体
JP4143831B2 (ja) 2003-05-13 2008-09-03 ソニー株式会社 磁気記録媒体の製造方法
JP2005025905A (ja) * 2003-07-02 2005-01-27 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体の製造方法
JP2009054270A (ja) 2007-05-31 2009-03-12 Fujifilm Corp 磁気記録媒体、磁気信号再生システムおよび磁気信号再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20170032814A1 (en) 2017-02-02
US9818443B2 (en) 2017-11-14
JP2017033617A (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6678135B2 (ja) 磁気記録媒体
CN111081281B (zh) 磁带、磁带盒及磁带装置
JP6684239B2 (ja) 磁気テープ
JP6632562B2 (ja) 磁気テープ
JP6689223B2 (ja) 磁気テープ
JP6689222B2 (ja) 磁気テープ
JP6334490B2 (ja) 磁気記録媒体、磁気信号再生装置、および磁気記録媒体の製造方法
JP6706909B2 (ja) 磁気テープおよびその製造方法
US8535817B2 (en) Magnetic recording medium and method of manufacturing the same
JP2018137020A (ja) 磁気テープ
JP6684255B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP6320340B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気信号再生装置
JP6723303B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP6195872B2 (ja) 磁気記録媒体
JP6400806B2 (ja) 磁気記録媒体
JP6389143B2 (ja) 磁気テープおよび磁気信号再生装置
JP6754404B2 (ja) 磁気テープおよび磁気記録再生装置
JP6404187B2 (ja) 磁気記録媒体
JP6463324B2 (ja) 磁気テープ、磁気テープカートリッジおよび磁気記録再生装置
JP2019067478A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP6902660B2 (ja) 磁気テープ、磁気テープカートリッジおよび磁気テープ装置
JP6844059B2 (ja) 磁気テープ、磁気テープカートリッジおよび磁気テープ装置
JP4064851B2 (ja) 磁気記録媒体およびその評価方法
JPH09305959A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180828

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6404187

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250