JP6403381B2 - 麦芽発酵飲料の香気を低減する方法 - Google Patents

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Description

本発明は麦芽発酵飲料の香味を調節する方法に関し、特に、麦芽発酵飲料の香気の生成を抑制する方法に関する。
「麦芽発酵飲料」は、被発酵液として麦汁を使用して製造されるビール様飲料である。
ここで「ビール様」とは、味及び香りがビールと類似であることをいう。「ビール」とは麦芽、ホップ、及び水を原料として、これらを発酵させて得られる飲料をいう。例えば、日本の酒税法上の名称におけるビール、発泡酒、リキュール類などは、「麦芽発酵飲料」に含まれる。
「麦汁」は、麦芽を含む穀類を粉砕し、副原料及び水と混合して加熱することによりデンプンを糖化し、得られる糖化液にホップを加えて、要すれば更に煮沸して製造される。麦芽等を水と共に加熱する過程は、一般に、糖化と呼ばれ、糖化液を煮沸する過程は麦汁煮沸と呼ばれる。通常、麦汁という文言の意味には、糖化後に得られる糖化液も含まれる。麦芽及び副原料等の糖化に供される原料を「被糖化原料」という。
麦芽発酵飲料の香味を決定する重要な要素に、発酵中に生成する香気成分がある。香気成分は酵母の代謝産物であり、その種類及び生成量は麦汁の発酵状態によって決定される。麦汁の発酵状態は、酵母の種類、酵母に与える栄養の種類及び量、発酵温度、発酵時間、酸素量等の発酵条件に依存して変化する。尚、香味とは香り及び味を意味し、香気とは香りを意味する。
特許文献1には、ビールや雑酒のような発酵アルコール飲料の製造方法において、原料の一部に該小麦グルテンや大豆タンパクのようなビール酵母高資化性アミノ酸高含有蛋白原料の分解物又はその調製物を用いることにより、ビール酵母による発酵を促進して、発酵アルコール飲料の味覚・風味を増進させることが記載されている。
特許文献2には、とうもろこしタンパク分解物が分枝アミノ酸の1つであるロイシンを麦芽などに比べ豊富に含むこと、および、これを発酵液のアミノ酸源として添加し酵母発酵した場合、飲料中の酢酸イソアミル含量は非常に高くなり、麦芽を全くまたは少量しか原料に使用しなくても発酵飲料にビール様の風味を与えうることが記載されている。
特許文献3には、麦汁に酵母を添加して発酵させる発酵麦芽飲料の製造において、発酵タンクへ酵母を添加した後の発酵時に、一定時間通気を行うことにより、発酵を促進し、尚且つ香味バランスのとれた優れた香味の発酵麦芽飲料を製造することが記載されている。
従来、麦芽発酵飲料の香味を調節する方法として、発酵工程で酵母が資化するアミノ酸量を増大させたり、発酵時に一定時間通気を行うことにより、発酵を増進させる方法が知られている。アミノ酸は酵母が増殖するために欠かせない栄養素であり、不足すると酵母の代謝機能に異常が生じ、発酵不順臭と呼ばれる不快臭が発生しやすくなる。他方、アミノ酸は酵母によって代謝されることにより高級アルコール又はエステル等の香気成分に変化し、麦芽発酵飲料に発酵香を付与する成分である。
例えば、被糖化原料として使用する麦芽量を減らす等して麦汁中のアミノ酸量が減少した場合には、そのまま発酵を行うと、麦芽に由来する旨味、コク感が損なわれ、しかも発酵が充分に進行せず、発酵不順臭が発生する。かかる場合に上記従来の技術を利用すると、発酵不順臭を発生させることなく、香気成分量を増加させ、麦芽発酵飲料の発酵香を補うことができる。
しかしながら上記従来技術では、発酵不順臭の改善や、高級アルコール及びエステル等の香気成分の増大による発酵香の付与には効果があるものの、麦芽発酵飲料の香気が強くなるため、強い香気を必要としない麦芽発酵飲料(例えばピルスナータイプのビール類)で採用する事は困難であった。
特開2006−158268号公報 特開2012−105673号公報 特開2003−102458号公報
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、発酵不順臭を発生させず、しかも香気の生成が調節された「麦芽発酵飲料」の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、「麦芽発酵飲料」に、特定のアミノ酸を添加することで、発酵による高級アルコールの香気成分の生成を制御することが可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち具体的に本発明は、25重量%を超える量の麦芽を含む被糖化原料を糖化して得られる麦汁を、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料の香味を調節する方法であって、発酵が完了する前の麦汁にa群アミノ酸を添加する工程を包含する麦芽発酵飲料の香味を調節する方法を提供する。
ある一形態においては、前記a群アミノ酸がアスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸及びセリンからなる群から選択される少なくとも一種である。
ある一形態においては、前記a群アミノ酸の添加量は、麦汁1kl当り0.01kg以上になる量である。
ある一形態においては、前記a群アミノ酸の添加量は、麦汁1kl当り0.5〜2.0kgになる量である。
ある一形態においては、前記発酵が完了する前の麦汁は発酵に供する前の麦汁である。
また、本発明は、上記いずれかに記載の方法によって香味が調節された麦芽発酵飲料を提供する。
また、本発明は、25重量%を超える量の麦芽を含む被糖化原料を糖化して得られる麦汁を、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料の香気を低減する方法であって、発酵が完了する前の麦汁にa群アミノ酸を添加する工程を包含する麦芽発酵飲料の香気を低減する方法を提供する。
本発明によれば、麦芽発酵飲料の製造において、発酵不順臭を発生させず、しかも発酵による高級アルコールの生成を調節する方法が提供される。本発明の方法によれば、麦芽や大麦、または他の植物性原料のたんぱく質等に由来する旨味、コク感を維持しながら高級アルコールの生成を調節することにより、香気、旨味、コク感のバランスをとるという、麦芽発酵飲料の香味の調節が可能になる。
本発明における麦芽発酵飲料の製造は、発酵工程が完了する前に、特定のアミノ酸を添加すること以外は、一般的な麦芽発酵飲料を製造する際に通常行われる方法及び条件に従って行われる。
被糖化原料を糖化する操作はビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に従って行われる。例えば、まず、麦芽の破砕物、大麦等の副原料、及び温水を仕込槽に加えて混合してマイシェを調製する。マイシェの調製は、常法により行うことができ、例えば、35〜50℃で20〜90分間保持することにより行うことができる。また、必要に応じて、主原料と副原料以外にも、後述する糖化酵素やプロテアーゼ等の酵素剤や、スパイスやハーブ類等の香味成分等を添加してもよい。
その後、該マイシェを徐々に昇温して所定の温度で一定期間保持することにより、麦芽由来の酵素やマイシェに添加した酵素を利用して、澱粉質を糖化させる。糖化処理時の温度や時間は、用いる酵素の種類やマイシェの量、目的とする麦芽アルコール飲料の品質等を考慮して、適宜決定することができ、例えば、60〜72℃にて30〜90分間保持することにより行うことができる。糖化処理後、76〜78℃で10分間程度保持した後、マイシェを麦汁濾過槽にて濾過することにより、透明な糖化液を得る。
上記副原料とは、麦芽とホップ以外の原料を意味する。該副原料として、例えば、大麦、小麦、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料や、液糖や砂糖等の糖質原料がある。ここで、液糖とは、澱粉質を酸又は糖化酵素により分解、糖化して製造されたものであり、主にグルコース、マルトース、マルトトリオース等が含まれている。その他、香味を付与又は改善することを目的として用いられるスパイス類、ハーブ類、及び果物等も、副原料に含まれる。
上記糖化酵素とは、澱粉質を分解して糖を生成する酵素を意味する。該糖化酵素として、例えば、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルナラーゼ等がある。
被糖化原料は麦芽を含む。被糖化原料中の麦芽の含有量は、特に限定されないが、例えば10重量%以上、好ましくは25重量%を超える量、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。被糖化原料は麦芽100%であってもよい。被糖化原料中の麦芽の含有量が多いほど、得られる麦芽発酵飲料の麦芽由来の旨味やコク感が強くなる。また、被糖化原料中の麦芽の含有量が多いほど得られる麦汁中の窒素化合物の含有量が多くなり、窒素化合物の代謝産物に由来する香気は一般的に強くなる。
麦汁煮沸を行う場合は、ビールを製造する際に通常行われる方法及び条件に従って行えばよい。例えば、糖化液を煮沸釜に移し、ホップを加えて煮沸する。ホップは、煮沸開始から煮沸終了前であればどの段階で混合してもよい。煮沸した糖化液を、ワールプールと呼ばれる沈殿槽に移し、煮沸により生じたホップ粕や凝固した蛋白質等を除去した後、プレートクーラーにより適切な発酵温度まで冷却する。上記麦汁煮沸の操作により、麦汁が得られる。
麦汁は、次いで、発酵させる。発酵の操作は常法に従って行えばよい。例えば、冷却した糖化液に酵母を接種して、発酵タンクに移し、発酵を行う。麦汁に摂取する酵母の種類は目的とする香味を考慮して選択する。
麦芽発酵飲料の香味の調節は、発酵条件を適宜選択することにより行う。例えば、次に説明する発酵条件を組み合わせて選択することにより、得られる麦芽発酵飲料の香気を増減することができ、麦芽発酵飲料の香味を調節可能な範囲又は自由度が増大する。
麦汁の発酵を行う際には、麦汁にa群アミノ酸を添加する。ここでいうアミノ酸には、アミノ酸そのもの及びアミノ酸誘導体が含まれる。アミノ酸誘導体とはアミノ酸を改変した物質であって、アミノ酸としての性質を実質的に維持している物質をいう。アミノ酸誘導体には、例えば、アミノ酸塩及びアミノ酸水和物が含まれる。
酵母はアミノ酸をランダムに取り込む訳ではなく、a群、b群、c群の順に優先順位をつけてアミノ酸を取り込む。特にビールの香気に影響する高級アルコールには、イソブタノール、イソアミルアルコール、βフェネチルアルコールが挙げられる。これらの高級アルコールの前駆体となるアミノ酸はb群、c群に分類される。a群アミノ酸を添加する事で、酵母のb、c群アミノ酸の取込みが抑制され、高級アルコールが減少する。高級アルコール生成量が低減される結果、得られる発酵麦芽飲料の香気は低減される。
尚、酵母により利用される麦汁中のアミノ酸はその使用される順序によって、次のように分類されている(Jones & Pierce, 1964)。
a群:発酵が始まって直ぐに使用されるアミノ酸[アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸、スレオニン、セリン、リジン]。
b群:発酵期間全体にわたって使用されるアミノ酸[イソロイシン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、ロイシン]。
c群:グループAが大部分使用された後に使用されるアミノ酸[アラニン、アンモニア、グリシン、チロシン、トリプトファン、フェニルアラニン]。
d群:ほとんど使用されないアミノ酸[プロリン]。
a群アミノ酸の中でも好ましいものはアスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸及びセリンから成る群から選択される少なくとも一種である。スレオニン、リジンを唯一の窒素源とした培地において、酵母の増殖速度が著しく低下する事がある(Cooper, T. G. (1982) Nitrogen Metabolism in Saccharomyces cerevisiae. In The Molecular Biology of The yeast Saccharomyces; Metabolism and Gene Expression (Eds J. N. Strathern, E. W. Jones and J. R. Broach). 39-99. US. Cold Spring Horbor Laboratory)。
より好ましいa群アミノ酸は、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン及びグルタミン酸から成る群から選択される少なくとも一種である。特に好ましいa群アミノ酸はグルタミン及びグルタミン酸である。麦汁に添加するa群アミノ酸は1種類であっても、2種類以上であってもよい。
a群アミノ酸の添加量は特に限定されない。発酵が完了するまでに酵母が取り込むアミノ酸の量及び得られる麦芽発酵飲料の香気の強弱を考慮して決定すればよい。
好ましい一形態においては、a群アミノ酸の添加量は、麦汁1KL当りに0.01kg以上、より好ましくは0.1〜3.0kg、さらに好ましくは0.2〜2kgである。
a群アミノ酸を添加する時期は麦汁の発酵が完了する前であれば特に限定されない。a群アミノ酸の酵母による取り込みが開始される時期及び得られる麦芽発酵飲料の香気の強弱を考慮して決定すればよい。得られる麦芽発酵飲料の香気はa群アミノ酸の添加時期が早いほど低減する。好ましい一形態においては、a群アミノ酸は発酵に供される前の麦汁に添加される。つまり、この場合、a群アミノ酸の添加時期は発酵が開始される前である。
麦汁に接種する酵母の量は発酵条件に依存して変化するが、麦汁1ml当たり5×10〜50×10個、好ましくは10×10〜30×10個、より好ましくは15×10〜25×10個の範囲から選択される。
発酵温度は発酵条件に依存して変化するが、0〜25℃、好ましくは5〜20℃、より好ましくは10〜15℃の範囲から選択される。得られる麦芽発酵飲料の香気は発酵温度が高いほど増加する。発酵温度が25℃を越えると、使用する酵母の種類に依存して発酵が正常に進行しない場合がある。
発酵期間は発酵条件に依存して変化するが、1〜20日、好ましくは2〜10日、より好ましくは3〜6日の範囲から選択される。
さらに、熟成工程として、得られた発酵液を、貯酒タンク中で熟成させ、0℃程度の低温条件下で貯蔵し安定化させる。次いで濾過工程として、熟成後の発酵液を濾過することにより酵母及びタンパク質等を除去して、香味が調節された麦芽発酵飲料が得られる。得られた麦芽発酵飲料は香気、旨味、コク感のバランスが良く、嗜好性が優れている。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
試験に供した麦汁は、原料に麦芽、スターチ、コーン、米を使用し、麦芽の割合が70重量%になるよう原料の配合を調整した。まず常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を麦汁ろ過槽を用いて濾過し、得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸した。次いで、麦汁を沈降槽に移して沈殿物を分離、除去した後、約7℃に冷却した。試験サンプルには、グルタミンを冷麦汁に対して0.2、0.5、1.0、2.0kg/klになるように添加した。対照サンプルには何も添加しなかった。2L容の発酵槽に麦汁を添加し、20×10cells/mlになるようし下面発酵酵母を接種し、10℃で8日間発酵させた。得られた発酵液の高級アルコール(イソブタノール、イソアミルアルコール、βフェネチルアルコール)濃度を測定した。また、ビール専門パネリストにより香気強度、発酵不順臭の有無を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006403381
この結果、グルタミンを添加した試験サンプルでは、全ての添加条件において高級アルコールが低減されていた。また、ビール専門パネリストによる評価において、香気強度が低下していた。また、試験、対照ともに発酵不順臭は感じられなかった。
実施例2
試験に供した麦汁は、原料に麦芽、スターチ、コーン、米を使用し、麦芽の割合が70重量%になるよう原料の配合を調整した。まず常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を麦汁ろ過槽を用いて濾過し、得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸した。次いで、麦汁を沈降槽に移して沈殿物を分離、除去した後、約7℃に冷却した。試験サンプルには、a群アミノ酸であるグルタミン、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン一水和物、アスパラギン酸ナトリウム、セリンを冷麦汁に対してそれぞれ1.0kg/klになるように添加した。対照サンプルには何も添加しなかった。2L容の発酵槽に麦汁を添加し、20×10cells/mlになるよう下面発酵酵母を接種し、10℃で8日間発酵させた。得られた発酵液の高級アルコール(イソブタノール、イソアミルアルコール、βフェネチルアルコール)濃度を測定した。また、ビール専門パネリストにより香気強度、発酵不順臭の有無を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006403381
この結果、グルタミン、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン一水和物、アスパラギン酸ナトリウム、セリンを添加した試験サンプルでは、何も添加しなかった対照サンプルと比べて高級アルコールが低減されていた。また、ビール専門パネリストによる評価において、香気強度が低下していた。また、試験、対照ともに発酵不順臭は感じられなかった。
実施例3
試験に供した麦汁は、原料に麦芽、大麦、スターチ、コーンを使用し、麦芽の割合が48重量%になるよう原料の配合を調整した。まず常法に従って糖化液を製造した。得られた糖化液を麦汁ろ過槽を用いて濾過し、得られた麦汁にホップを添加した後、煮沸した。次いで、麦汁を沈降槽に移して沈殿物を分離、除去した後、約7℃に冷却した。発酵には5,000L容の発酵槽を用い、20×10cells/mlになるよう下面発酵酵母を接種した。試験1は10℃で7日間発酵させた。試験2では15℃で5日間発酵させた。試験3ではグルタミンを冷麦汁に対して0.8kg/klになるように添加し、15℃で5日間発酵させた。得られた発酵液の高級アルコール(イソブタノール、イソアミルアルコール、βフェネチルアルコール)濃度を測定した。また、ビール専門パネリストにより香気強度、発酵不順臭の有無を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006403381
その結果、発酵温度10℃の試験1と比較して、発酵温度15℃の試験2では高級アルコール生成量が増加した。またグルタミンを添加した試験3では、15℃で発酵させたにもかかわらず、高級アルコール生成量は抑制され、発酵温度10℃の試験1と高級アルコール生成量は同程度であった。また、ビール専門パネリストによる評価において、試験3は試験1と同程度の香気強度であった。また、試験1、試験2、試験3のどの試験区においても発酵不順臭は感じられなかった。

Claims (5)

  1. 25重量%を超える量の麦芽を含む被糖化原料を糖化して得られる麦汁を、酵母を用いて10〜15℃で発酵させて得られる麦芽発酵飲料の香気を低減する方法であって、発酵に供する前の麦汁にa群アミノ酸のみを添加する工程を包含する麦芽発酵飲料の香気を低減する方法。
  2. 前記a群アミノ酸がアスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸及びセリンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1に記載の麦芽発酵飲料の香気を低減する方法。
  3. 前記a群アミノ酸の添加量は、麦汁1kl当り0.01kg以上になる量である請求項1又は2に記載の麦芽発酵飲料の香気を低減する方法。
  4. 前記a群アミノ酸の添加量は、麦汁1kl当り0.2〜2.0kgになる量である請求項1又は2に記載の麦芽発酵飲料の香気を低減する方法。
  5. 前記酵母が下面発酵酵母を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の麦芽発酵飲料の香気を低減する方法。
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