以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下では、電気機器として電磁リレーを例示する。
また、以下では、電磁リレーの長手方向を前後方向(X方向)とし、電磁リレーの短手方向を幅方向(Y方向)とし、端子部の突出方向を上下方向(Z方向)として説明する。
そして、前後方向(X方向)のうち層状端子部が突出している側を前後方向(X方向)前方とし、上下方向(Z方向)のうち端子部の先端側を上下方向(Z方向)下方として説明する。
本実施形態にかかる電磁リレー(電気機器)10は、図1〜図5に示すように、中空箱型のケース(筐体)30と、ケース(筐体)30に形成された挿通孔31aに挿通されてケース(筐体)30の外方に突出するように配置された端子部35と、を備えている。
この中空箱型のケース(筐体)30内には、駆動ブロック40および接点ブロック50のほぼ全体(端子部35の露出部分等を除いた部位)が収容されている。
そして、挿通孔31aは、端子部35が挿通された状態で封止樹脂80によって封止されている。このように、挿通孔31aと端子部35との間に形成された隙間を封止することで、ケース30の内部空間の外部への連通が抑制されるようにしている。このような封止樹脂80としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
また、本実施形態では、ケース30は、駆動ブロック40および接点ブロック50が載置される略矩形状のケース基部31と、このケース基部31を覆うように配置されるケースカバー32と、を備えている。
さらに、本実施形態では、ケース基部31に端子部35を挿通する挿通孔31aが形成されている。そして、端子部35がケース基部31の上側(ケース30の内側)から挿通孔31aに挿通されており、端子部35は、先端がZ方向下方を向くように配置されている。
このような電磁リレー10は、例えば、回路が形成された回路基台(相手側部材)20に取り付けられる。本実施形態では、回路が形成された回路基台20に取り付けられたバスバー(回路端子)21に電磁リレー10の端子部35を溶接することで、バスバー21と端子部35とを電気的に接続している。このように、バスバー21と端子部35とを溶接することで、電磁リレー10が回路基台20に取り付けられるようにしている。
具体的には、電磁リレー10を回路基台20に取り付ける際には、まず、端子部35のケース30外方に露出した部分を、回路基台20に形成された挿通孔22に挿通する。こうすることで、端子部35の先端が挿通孔22から露出するバスバー21の近傍に位置することとなる。そして、かかる状態でバスバー21と端子部35とを溶接する。こうして、バスバー21および端子部35が溶接球90を介して電気的に接続されることとなる(図2および図3参照)。
駆動ブロック40は、コイル41が巻回される中空円筒状のコイルボビン42と、コイルボビン42に固定されコイル41の両端がそれぞれ接続される一対のコイル端子43と、を備えている。
コイルボビン42は、図示せぬ中空円筒部分の上下両端に設けられ、円周方向へ突出したフランジ部42aを備えている。また、上下のフランジ部42aの間の中空円筒部分の外周面が、コイル41が巻回される巻胴部となっている。
コイル端子43は、導電性材料を用いて平板状に形成されており、一対のコイル端子43のそれぞれには、中継端子43aおよびコイル端子部43b(端子部35)が設けられている。そして、各中継端子43aには、コイルボビン42に巻かれたコイル41の両端の引出線が絡げられた状態で半田付けされている。
本実施形態では、コイル端子部43bは、図1および図4に示すように、ケース30のX方向中央部から下方に向けて(外方に向けて)突出しており、このコイル端子部43bは、幅方向をX方向と略一致させた状態でケース30に配置されている。また、一対のコイル端子部43bは、一つがケース基部31のY方向一方側に、他の一つがケース基部31のY方向他方側に配置されている。
なお、コイル端子部43bをコイル端子部用挿通孔22aに挿入し、コイル端子部43bとコイル端子部用バスバー21aとを溶接させることで、コイル41が回路基台20に形成された回路に電気的に接続される。
そして、一対のコイル端子43を介してコイル41に通電することで駆動ブロック40を駆動するようにしている。このように駆動ブロック40を駆動させることで、後述する接点ブロック50の固定接点61aと可動接点71aとで構成される接点が開閉されて、固定側端子部62と可動側端子部72との間の導通、非導通を切り替えることができるようになっている。
また、駆動ブロック40は、磁性材料からなる継鉄44を備えている。本実施形態では、継鉄44は、コイルボビン42の下端面に当接する継鉄底板(図示せず)と、コイルボビン42の側面に当接する継鉄側板44aとで構成されており、略L字状をしている。この継鉄底板および継鉄側板44aは、例えば、一枚の板を折曲することにより連続一体に形成することができる。なお、継鉄底板および継鉄側板44aをそれぞれ別個に形成し、これらを一体的に組み付けることで継鉄44を形成するようにしてもよい。
また、駆動ブロック40は、コイルボビン42の中空円筒部分の内部に挿通され、通電されたコイル41によって磁化される鉄芯45を備えている。この鉄芯45は、下端が継鉄底板(図示せず)の中央部に形成された孔に挿通された状態でかしめ固定されている。
接点ブロック50は、コイル41の通電の入切に応じて接点を開閉するものである。本実施形態では、接点ブロック50は、固定接点ブロック60と可動接点ブロック70とを備えている。
固定接点ブロック60は、固定接点61aが形成された固定側接点部61と、固定側接点部61の下端に接続され、先端がケース30の外方に突出する固定側端子部62(端子部35)と、を備えている。
本実施形態では、固定側端子部62は、図1および図4に示すように、ケース30のX方向後部から下方に向けて(外方に向けて)突出しており、この固定側端子部62は、幅方向をY方向と略一致させた状態でケース30に配置されている。また、本実施形態では、固定側端子部62が一つだけ設けられており、固定側端子部62は、ケース基部31のY方向一方側に配置されている。
なお、固定側端子部62を固定側端子部用挿通孔22bに挿入し、固定側端子部62と固定側端子部用バスバー21bとを溶接させることで、固定接点61aが回路基台20に形成された回路に電気的に接続される。
一方、可動接点ブロック70は、可動接点71aが形成された可動側接点部71と、可動側接点部71の前端に接続されるL字状の接触バネ部73と、を備えている。また、可動接点ブロック70は、接触バネ部73の下端に接続され、先端がケース30の外方に突出する可動側端子部72(端子部35)と、前端が継鉄側板44aの上端部に当接するとともに接触バネ部73に固定される接極子74と、を備えている。
可動側端子部72は、図1および図4に示すように、ケース30のX方向前部から下方に向けて(外方に向けて)突出しており、この可動側端子部72は、幅方向をY方向と略一致させた状態でケース30に配置されている。また、本実施形態では、一対の可動側端子部72がケース30の外方に突出するように配置されており、一対の可動側端子部72は、一つがケース基部31のY方向一方側に、他の一つがケース基部31のY方向他方側に配置されている。
なお、可動側端子部72を可動側端子部用挿通孔22cに挿入し、可動側端子部72と可動側端子部用バスバー21cとを溶接させることで、可動接点71aが回路基台20に形成された回路に電気的に接続される。
接触バネ部73は、継鉄側板44aの外側面(前面)に沿うように配置された垂下片75を備えている。そして、この垂下片75には、一対の孔75aが形成されており、一対の孔75aに継鉄側板44aの外側面(前面)に突出形成した一対の突起44bをそれぞれ挿入してかしめることで、接触バネ部73を継鉄44に固着させている。
さらに、接触バネ部73は、垂下片75の上端に連設され、上方かつ前方(斜め前方)に延設された縦片部76aと、縦片部76aの上端から後方かつ下方(斜め下方)に延設された横片部76bとを有する屈曲片76を備えている。
また、接触バネ部73は、横片部76bの後端に連設される固定片77を備えている。そして、この固定片77の後端には、可動側接点部71が連設されている。
また、接極子74の上面には突起部74aが形成されており、この突起部74aを固定片77に形成された孔に挿通してかしめることで、接極子74を固定片77の下面に固定させている。この接極子74は長手方向の一端部を継鉄側板44aの上端部に当接させるとともに、他端部を鉄心45の吸着面45aに対向させている。そして、屈曲片76の撓みおよび復元によって、接極子74が継鉄側板44aの上端部を支点として回動するようにしている。
また、本実施形態では、可動接点71aは、固定接点61aとの当接面が下方を向くように可動側接点部71に形成されており、固定接点61aは、可動接点71aとの当接面が上方を向くように固定側接点部61に形成されている。そして、コイル41が通電されていない状態では、可動接点71aと固定接点61aが上下方向に離間した状態で対向するようにしている。このように、本実施形態の電磁リレー10は、初期状態において接点オフとなる所謂常開型の電磁リレーとなっている。
次に、電磁リレー10の動作を説明する。
まず、コイル41が通電されていない状態では、屈曲片76のばね力によって接極子74が鉄心45の吸着面45aから離れた状態で配置されるため、可動接点71aが固定接点61aから離反した状態、すなわち、接点オフ状態となっている。
そして、コイル41が通電されると、接極子74がコイルに発生する磁力(電磁力)により屈曲片76のばね力に抗して鉄心45の吸着面45aに吸引されるように回動して鉄芯45に接近移動する。この接極子74の回動に伴って、可動側接点部71並びに可動側接点部71に取り付けられた可動接点71aが下側に移動する。これにより、可動接点71aが固定接点61aに接触してこれら各接点が電気的に導通して、接点オフ状態から接点オン状態へと切り替えられることとなる。
ここで、本実施形態では、端子部35が、少なくともケース(筐体)30から露出した部分(本実施形態では、封止樹脂80で覆われた部位を含めた先端側の部分)がZ方向(端子部突出方向)に略沿った方向を軸に曲げられた形状をした層状端子部を備えるようにしている。
具体的には、接触バネ部73に連設されている一対の可動側端子部72を、図6に示すような層状端子部としている。
接触バネ部73は、可撓性を持たせるために比較的厚みの薄い板材で形成する必要があるが、可動側端子部72は強度上の問題などからある程度の厚みを持たせる必要があるため、一対の可動側端子部72を層状端子部とした。なお、コイル端子部43bや固定側端子部62を層状端子部とすることも可能である。すなわち、端子部35(コイル端子部43b、固定側端子部62および可動側端子部72)のうちの少なくとも1つの端子部が層状端子部となっていればよい。
さらに、本実施形態では、図9に示すように、垂下片75から延長形成された帯状の端子片170を、端子片170の幅方向(交差方向:本実施形態ではY方向)における中心線(端子部突出方向に略沿った方向の軸)Cで折り返し、幅方向の両側縁が重なるように重ね合わせることで、層状端子部としての可動側端子部72を形成している。
すなわち、可動側端子部72は、端子片170の中心線Cよりも幅方向一方側(図9(a)の左側)に存在する片部171と他方側(図9(a)の右側)に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。したがって、本実施形態では、中心線Cは、片部172の幅方向中央に位置することになる。
そして、端子片170の中心線Cの近傍が、層状端子部(可動側端子部72)の曲折部72eとなっている。具体的には、図9に示すように、端子片170の上端(接触バネ部73に連設される側)の幅方向中央部170aが、折り曲げられた際に曲設部72eとなっている。
このように、可動側端子部72は、端子片170を中心線Cを軸(端子部突出方向に略沿った方向の軸)に折り曲げて重ねることで形成されているため、互いに対向する面(展開した状態における片部171の一面171aおよび片部172の一面172a)72a、72bの間には、隙間(内部空間)Sが形成されることとなる。
なお、本実施形態では、帯状の端子片170を曲げることで、手間をかけずに層状端子部を形成できるようにしたものを例示しているが、他の方法で層状端子部を形成することも可能である。
ところで、層状端子部(可動側端子部72)をバスバー21に溶接させる場合、溶接の過程で封止樹脂80が熱により溶融し、溶融した樹脂が毛細管現象により層状端子部の隙間(内部空間)Sから先端側に移動することがある。この層状端子部を含む端子部35の先端側は溶接時には比較的高温となるため、層状端子部の先端側に移動した樹脂は、溶接時の熱により気化してガスとなる。
そのため、層状端子部をバスバー21に溶接させる場合、溶接により溶接球90を形成する際に先端側に移動したガス状の樹脂が溶接部材に混入されて、溶接球90が歪になってしまうことがある。
このように、溶接球90が歪になってしまうと、溶接不良が生じて回路基台(相手側部材)20との電気的接続の信頼性が低下してしまう場合がある。
そこで、本実施形態では、層状端子部(可動側端子部72)をバスバー21に溶接させる際に、電磁リレー10と回路基台(相手側部材)20との電気的接続の信頼性が低下してしまうのを抑制できるようにした。
具体的には、層状端子部(可動側端子部72)に、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを形成した。
本実施形態では、面72a(互いに対向する面72a,72bの少なくともいずれか一方の面:片部171の一面171a)にスリット溝72dを形成することで、連通孔72cを形成している。
このスリット溝72dは、Z方向(端子部突出方向)と交差する交差方向(端子片170の幅方向:Y方向)に沿って延在するように形成されている。
このとき、スリット溝72dが、層状端子部における交差方向の一端側から他端側にかけて延在するようにしている。
また、スリット溝72dは、図7に示すように、断面形状が略二等辺三角形となるように形成されている。このように、本実施形態では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状が略V字状をしている。
なお、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、略二等辺三角形とする必要はなく、種々の形状とすることが可能である。例えば、図8(a)〜図8(k)に示すような形状とすることもできる。
図8(a)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略半円形状としたものを例示している。
図8(b)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略正方形状としたものを例示している。
図8(c)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略長方形状としたものを例示している。なお、図8(c)では、長辺が上下方向(Z方向)に沿った長方形状となるものを例示したが、短辺が上下方向(Z方向)に沿った長方形状とすることも可能である。
図8(d)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を楕円形状としたものを例示している。
図8(e)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を多角形状としたものを例示している。なお、図8(e)では、略台形状のスリット溝72d(連通孔72c)を例示しているが、五角形以上の多角形状とすることも可能である。
図8(f)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略直角三角形状としたものを例示している。
図8(g)には、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略直角三角形状としたものを例示している。なお、図8(f)と図8(g)では、斜辺部の位置が上下逆になっている。すなわち、図8(f)は、図7の上半分とほぼ同様の形状をしており、図8(g)は、図7の下半分とほぼ同様の形状をしている。
図8(h)では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、星形を縦に2分割した形状をしている。
図8(i)では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、図8(a)の形状と図8(b)の形状を組み合わせた形状をしている。
図8(j)では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、図7の形状と図8(b)の形状を組み合わせた形状をしている。
図8(k)では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、図8(a)の形状と図8(e)の形状を組み合わせた形状をしている。
なお、図8に示す形状は一例であり、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を他の形状とすることも可能である。ただし、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状は、溝の形成し易さ等を考慮すると、図7に示すような略二等辺三角形とするのが好ましい。
さらに、本実施形態では、スリット溝72d(連通孔72c)は、層状端子部(可動側端子部72)の先端側(下側)ではあるが、先端部分よりも若干根元側(上側)に形成されている。
層状端子部(可動側端子部72)の先端部分は、回路が形成された回路基台(相手側部材)20のバスバー(回路端子)21に溶接される溶接領域Rとなっている。溶接領域Rとは、溶接時に溶接球90によって覆われる領域を含む層状端子部(可動側端子部72)の先端側の領域、すなわち、溶接時に溶接球90によって覆われるであろう領域(溶接球形成予定領域)のことである。
そして、本実施形態では、溶接領域Rの外側近傍に位置するようにスリット溝72d(連通孔72c)を形成している。
かかる構成の層状端子部(可動側端子部72)は図9に示す方法で形成することができる。
まず、片部171の一面171aに、端子片170の幅方向一端(図9(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170の幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成する。
このとき、端子片170の幅方向一端が開口するようにスリット溝72dを形成するとともに、端子片170の溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方に位置するようにスリット溝72dを形成する。
そして、端子片170の中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを有する層状端子部(可動側端子部72)が形成される。
以上、説明したように、本実施形態では、電磁リレー(電気機器)10は、ケース(筐体)30と、ケース30に形成された挿通孔31aに挿通されてケース30の外方に突出するように配置された端子部35と、端子部35が挿通された状態で挿通孔31aを封止する封止樹脂80と、を備えている。また、端子部35は、少なくとも筐体30から露出した部分が端子部突出方向Zに略沿った方向を軸に曲げられた形状をした層状端子部(可動側端子部72)を備えている。
そして、層状端子部(可動側端子部72)に、互いに対向する面72a,72bの間に形成される内部空間Sを外方に連通させる連通孔72cを形成している。
このように、内部空間Sを外方に連通させる連通孔72cを層状端子部(可動側端子部72)に形成することで、層状端子部(可動側端子部72)をバスバー21に溶接させる際に、隙間(内部空間)Sから先端側に移動したガス状の樹脂を、連通孔72cから外部に排出させることが可能となる。そのため、隙間(内部空間)Sから先端側に移動したガス状の樹脂が溶接部材に混入されてしまうのが抑制されて、溶接球90が歪になってしまうのを抑制することができるようになる。
その結果、溶接不良が生じてしまうのが抑制され、電磁リレー10と回路基台(相手側部材)20との電気的接続の信頼性が低下してしまうのを抑制することができるようになる。
このように、本実施形態によれば、回路基台(相手側部材)20との電気的接続の信頼性が低下してしまうのを抑制することのできる電磁リレー(電気機器)10の端子構造を得ることができるようになる。
また、本実施形態では、連通孔72cが、互いに対向する面72a,72bの少なくともいずれか一方である面72aに形成されたスリット溝72dである。
このように、スリット溝72dを連通孔72cとすることで、隙間(内部空間)Sとの連通領域をより広くすることができ、ガス状の樹脂をより多く外部に排出させることが可能となる。
また、本実施形態では、スリット溝72dが、Z方向(端子部突出方向)と交差するY方向(交差方向)に沿って形成されている。このように、スリット溝72dがY方向(交差方向)に沿って形成されるようにすれば、ガス状の樹脂の排出経路を略直線状とすることができ、より効率的にガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となる。
また、スリット溝72dは、層状端子部(可動側端子部72)におけるY方向(交差方向)の一端側から他端側にかけて延在している。このように、スリット溝72dをY方向(交差方向)の一端側から他端側にかけて形成することで、排出経路を極力短くしつつ、隙間(内部空間)Sとの連通領域をより広くすることができるため、より一層効率的にガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となる。
また、本実施形態では、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状が略V字状をしている。このように、スリット溝72d(連通孔72c)の断面形状を略V字状とすれば、スリット溝72d(連通孔72c)をより容易に形成することができるようになる。
また、本実施形態では、層状端子部(可動側端子部72)が、回路が形成された回路基台(相手側部材)20のバスバー(回路端子)21に溶接される溶接領域Rを有している。そして、溶接領域Rの外側近傍にスリット溝72d(連通孔72c)を形成している。
このように、溶接領域Rの外側近傍にスリット溝72d(連通孔72c)を形成することで、層状端子部(可動側端子部72)における溶接時に比較的高温となる部位かつ、溶接球90で覆われない部位に、スリット溝72d(連通孔72c)が形成されることとなる。
こうすれば、液体の樹脂がスリット溝72d(連通孔72c)に移動して、スリット溝72d(連通孔72cが塞がれてしまうのを抑制することができる上、ガス状の樹脂が溶接部材に混入されてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
次に、層状端子部(可動側端子部)の第1〜第8変形例を、図10〜図17を参照しつつ説明する。
なお、以下で説明する各変形例には、上記実施形態と同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
図10に示す層状端子部(可動側端子部72A)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72A)は、端子片170Aの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72A)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
ここで、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72A)に貫通孔72fを形成し、この貫通孔72fを連通孔72cとしている。
さらに、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72A)の曲設部72eに貫通孔72fを形成している。なお、貫通孔72fの形成箇所は曲設部72eに限られるものではない。
そして、この層状端子部(可動側端子部72A)は、図10に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、端子片170Aの中心線C上に、端子片170Aの厚さ方向に貫通するように貫通孔72fを形成する。
このとき、端子片170Aの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するように貫通孔72fを形成する。
そして、端子片170Aの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、面171a、172a側が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが曲設部72eに形成された層状端子部(可動側端子部72A)が形成される。
なお、貫通孔72fの断面形状も、種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、本変形例によれば、連通孔72cが、層状端子部(可動側端子部72A)に形成された貫通孔72fである。このように、層状端子部(可動側端子部72A)に形成された貫通孔72fを連通孔72cとすることで、より簡素な構成で、相手側部材との電気的接続の信頼性が低下してしまうのを抑制することのできる電磁リレー(電気機器)を得ることができるようになる。
また、本変形例では、貫通孔72fが、層状端子部(可動側端子部72A)の曲設部72eに形成されている。
曲設部72eは、層状端子部(可動側端子部72A)を形成する際に生じる隙間(内部空間)Sが比較的大きくなりやすい箇所である。すなわち、ガス状の樹脂が移動しやすい箇所になっている。
そのため、ガス状の樹脂が移動しやすい曲設部72eに貫通孔72fを形成することで、より多くのガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となって、より一層効率的にガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となる。
図11に示す層状端子部(可動側端子部72B)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72B)は、端子片170Bの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72B)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
さらに、本変形例においても、連通孔72cをスリット溝72dとしている。そして、スリット溝72dは、片部171の一面171aに、端子片170Bの幅方向一端(図12(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Bの幅方向に沿って延在するように形成されている。
ここで、本変形例では、互いに対向する面72a,72bの両方にスリット溝72dを形成している。
この層状端子部(可動側端子部72B)は、図11に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aおよび片部172の一面172aに、端子片170Bの幅方向一端(図11(a)の左側)から他端(図11(a)の右側)まで、端子片170Bの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成する。
このとき、端子片170Bの幅方向両端が開口するようにスリット溝72dを形成するとともに、端子片170Bの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するようにスリット溝72dを形成する。
そして、端子片170Bの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを有する層状端子部(可動側端子部72B)が形成される。
このように、本変形例では、片部171の一面171aおよび片部172の一面172aの同じ高さとなる部位に、スリット溝72dを形成している。そのため、連通孔72cの断面形状は、2つのスリット溝72dの断面形状を合わせた形状となる。したがって、スリット溝72dの断面形状が、図7に示すような略二等辺三角形状であれば、連通孔72cの断面形状は、略菱形となる。
なお、このスリット溝72dの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
また、片部171の一面171aに形成されるスリット溝72dと片部172の一面172aに形成されるスリット溝72dの高さ位置を異ならせることも可能である。この場合、連通孔72cが2カ所に形成されることとなる。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
図12に示す層状端子部(可動側端子部72C)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72C)は、端子片170Cの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72C)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
さらに、本変形例においても、連通孔72cをスリット溝72dとしている。そして、片部171の一面171aに、端子片170Cの幅方向一端(図12(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Cの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成している。
ここで、本変形例では、互いに対向する面72a,72bの両方にスリット溝72dを形成している。
この層状端子部(可動側端子部72C)は、図12に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aおよび片部172の一面172aに、端子片170Cの幅方向一端(図12(a)の左側)から他端(図12(a)の右側)まで、端子片170Cの幅方向に対して傾斜する方向に延在するようにスリット溝72dを形成する。本変形例では、端子片170Cの幅方向一端(図12(a)の左側)から他端(図12(a)の右側)に向かうにつれて徐々に上側(根元側)に位置するように、スリット溝72を形成している。なお、スリット溝72を逆方向に傾斜させるようにしてもよい。
このとき、端子片170Cの幅方向両端が開口するようにスリット溝72dを形成するとともに、端子片170Cの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するようにスリット溝72dを形成する。
そして、端子片170Cの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを有する層状端子部(可動側端子部72C)が形成される。
このように、本変形例では、片部171の一面171aに形成されるスリット溝72dと片部172の一面172aに形成されるスリット溝72dの高さ位置が異なっている。そのため、層状端子部(可動側端子部72C)には、連通孔72cが2カ所形成されることとなる。
なお、このスリット溝72dの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1,第2変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
図13に示す層状端子部(可動側端子部72D)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72D)は、端子片170Dの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72D)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
ここで、本変形例では、互いに対向する面72a,72bの両方にスリット溝72dを形成している。
この層状端子部(可動側端子部72D)は、図13に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aおよび片部172の一面172aに、端子片170Dの幅方向一端(図13(a)の左側)から他端(図13(a)の右側)まで、端子片170Dの幅方向に沿って湾曲するようにスリット溝72dを形成する。
このとき、端子片170Dの幅方向両端が開口するようにスリット溝72dを形成するとともに、端子片170Dの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するようにスリット溝72dを形成する。
そして、端子片170Dの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを有する層状端子部(可動側端子部72D)が形成される。
また、本変形例では、片部171の一面171aに形成されるスリット溝72dと片部172の一面172aに形成されるスリット溝72dの高さ位置が異なっている。そのため、層状端子部(可動側端子部72D)には、連通孔72cが2カ所形成されることとなる。なお、端子片170Dの幅方向一端(図13(a)の左側)と他端(図13(a)とで同じ高さとなるように、スリット溝72dを形成してもよい。
また、このスリット溝72dの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1〜第3変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
図14に示す層状端子部(可動側端子部72E)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72E)は、端子片170Eの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72E)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
さらに、本変形例においても、連通孔72cをスリット溝72dとしている。そして、片部171の一面171aに、端子片170Eの幅方向一端(図14(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Eの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成している。
ここで、本変形例では、連通孔72cが2個(複数個)形成されている。さらに、2個の連通孔72cは、Z方向に沿って(上下に離間した状態で)配置されている。このように、本変形例では、複数の連通孔72cを、少なくとも2つの連通孔72cがZ方向(端子部突出方向)に沿って配置されるようにしている。
この層状端子部(可動側端子部72E)は、図14に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aに、端子片170Eの幅方向一端(図14(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Eの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを2個形成する。すなわち、Z方向(上下方向)に離間した状態で略平行に延在するように、2個のスリット溝72dを片部171の一面171aに形成している。
このとき、端子片170Eの幅方向一端が開口するように各スリット溝72dを形成するとともに、端子片170Eの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するように各スリット溝72dを形成する。
そして、端子片170Eの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを複数個(2個)有する層状端子部(可動側端子部72E)が形成される。
なお、このスリット溝72dの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1〜第4変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、本変形例では、連通孔72cを複数個形成している。そのため、より多くのガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となって、より一層効率的にガス状の樹脂を外部に排出させることが可能となる。
特に、複数の連通孔72cのうち、少なくとも2つの連通孔72cがZ方向(端子部突出方向)に沿って配置されるようにすれば、根元側の連通孔72cで排出されなかったガス状の樹脂を先端側の連通孔72cから外部に排出することができるようになる。このため、ガス状の樹脂が溶接部材に混入されてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
図15に示す層状端子部(可動側端子部72F)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72F)は、端子片170Fの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72F)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
ここで、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72F)の曲設部72eに貫通孔72fを形成し、この貫通孔72fを連通孔72cとしている。
さらに、本変形例では、連通孔72cが2個(複数個)形成されている。そして、2個の連通孔72cは、Z方向に沿って(上下に離間した状態で)配置されている。このように、本変形例では、複数の連通孔72cを、少なくとも2つの連通孔72cがZ方向(端子部突出方向)に沿って配置されるようにしている。
この層状端子部(可動側端子部72F)は、図15に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、端子片170Fの中心線C上に、端子片170Fの厚さ方向に貫通するように貫通孔72fを2個形成する。2個の貫通孔72fは、Z方向(上下方向)に離間するように形成されている。
このとき、端子片170Fの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するように各貫通孔72fを形成する。
そして、端子片170Fの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、面171a、172a側が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが曲設部72eに複数個(2個)形成された層状端子部(可動側端子部72F)が形成される。
なお、貫通孔72fの断面形状も、種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1〜第5変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
図16に示す層状端子部(可動側端子部72G)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72G)は、端子片170Gの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72G)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
さらに、本変形例においても、連通孔72cをスリット溝72dとしている。そして、スリット溝72dは、片部171の一面171aに、端子片170Gの幅方向一端(図16(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Gの幅方向に沿って延在するように形成されている。
ここで、本変形例では、互いに対向する面72a,72bの両方にスリット溝72dを形成している。
さらに、本変形例では、連通孔72cが2個(複数個)形成されている。そして、2個の連通孔72cは、Z方向に沿って(上下に離間した状態で)配置されている。このように、本変形例では、複数の連通孔72cを、少なくとも2つの連通孔72cがZ方向(端子部突出方向)に沿って配置されるようにしている。
この層状端子部(可動側端子部72G)は、図16に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aおよび片部172の一面172aに、端子片170Gの幅方向一端(図16(a)の左側)から他端(図16(a)の右側)まで、端子片170Gの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを2個形成する。すなわち、Z方向(上下方向)に離間した状態で略平行に延在するように、2個のスリット溝72dを片部171の一面171aおよび片部172の一面172aに形成している。
このとき、端子片170Gの幅方向両端が開口するように各スリット溝72dを形成するとともに、端子片170Gの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するように各スリット溝72dを形成する。
そして、端子片170Gの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cを複数個(2個)有する層状端子部(可動側端子部72G)が形成される。
このように、本変形例では、各スリット溝72dを、片部171の一面171aと片部172の一面172aとで同じ高さとなるように形成している。そのため、各連通孔72cの断面形状は、片部171の一面171aに形成されたスリット溝72dと片部172の一面172aに形成されたスリット溝72dの断面形状を合わせた形状となる。したがって、スリット溝72dの断面形状が、図7に示すような略二等辺三角形状であれば、それぞれの連通孔72cの断面形状は、略菱形となる。
なお、このスリット溝72dの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。また、2つのスリット溝72dの断面形状を異ならせるようにすることも可能である。
さらに、片部171の一面171aに形成されるスリット溝72dと片部172の一面172aに形成されるスリット溝72dの高さ位置を異ならせることも可能である。この場合、連通孔72cが3カ所もしくは4カ所に形成されることとなる。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1〜第6変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
図17に示す層状端子部(可動側端子部72H)は、上記実施形態の層状端子部(可動側端子部72)とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、層状端子部(可動側端子部72H)は、端子片170Hの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを同じ側の面171a、172a同士が互いに対向するように折り重ねて積層させた形状(曲折された形状)をしている。
また、本変形例においても、層状端子部(可動側端子部72H)には、互いに対向する面72a、72bの間に形成される隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cが形成されている。
さらに、本変形例においても、連通孔72cをスリット溝72dとしている。そして、片部171の一面171aに、端子片170Hの幅方向一端(図17(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Hの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成している。
ここで、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72H)の内部空間S内に、Z方向(端子部突出方向)に略沿って延在する内部溝72gを形成するとともに、この内部溝72gを連通孔72cに連通させている。
この層状端子部(可動側端子部72H)は、図17に示す方法で形成することができる。
具体的には、まず、片部171の一面171aに、端子片170Hの幅方向一端(図17(a)の左側)から中心線C側まで、端子片170Hの幅方向に沿って延在するようにスリット溝72dを形成する。
このとき、端子片170Hの幅方向一端が開口するようにスリット溝72dを形成するとともに、端子片170Hの溶接領域Rとなる予定の部位の近傍、かつ、溶接領域Rとなる予定の部位よりも上方(根元側)に位置するようにスリット溝72dを形成する。
さらに、層状端子部(可動側端子部72H)の隙間(内部空間)S内に、Z方向(端子部突出方向)に略沿って延在する内部溝72gを連通孔72cに連通するように形成する。本変形例では、端子片170Hにおける切欠部170aが形成されている部分の一端(図17(a)の左端)に内部溝72gを形成している。したがって、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72H)の曲設部72eに内部溝72gが形成されることとなる。なお、層状端子部(可動側端子部72H)の他の部位に内部溝72gを形成することも可能である。
そして、端子片170Hの中心線Cよりも幅方向一方側に存在する片部171と他方側に存在する片部172とを、スリット溝72dおよび内部溝72gが形成された側(面171a、172a側)が内側となるように、中心線Cを軸にして折り重ねる(曲折させる)。
こうして、隙間(内部空間)Sを外方に連通させる連通孔72cおよび連通孔72cに連通する内部溝72gを有する層状端子部(可動側端子部72H)が形成される。
なお、このスリット溝72dおよび内部溝72gの断面形状も種々の形状とすることができる。すなわち、図7や図8に示すような形状とすることも可能であるし、その他の形状とすることも可能である。
かかる構成の本変形例によっても、上記実施形態や上記第1〜第7変形例とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、本変形例では、層状端子部(可動側端子部72H)の内部空間S内に、Z方向(端子部突出方向)に略沿って延在する内部溝72gを形成している。そして、内部溝72gを連通孔72cに連通させている。
このように、隙間(内部空間)S内にガス状の樹脂を積極的に移動させる内部溝72gを連通孔72cに連通するように形成することで、ガス状の樹脂をより確実に外部に排出させることができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態およびその変形例では、層状端子部の形状を板状の部材の片側を曲折させた形状となるようにしたものを例示したが、板状の部材の両側を曲折させた形状となるようにしてもよい。このとき、板状の部材の両側を同じ方向に曲折させた形状となるようにしてもよいし、異なる方向に曲折させた形状となるようにしてもよい。
また、上記実施形態およびその変形例では、層状端子部を2層で構成したものを例示したが、3層以上となるようにしてもよい。
また、層状端子部を曲折させた形状とする必要はなく、曲げられた形状をしていればよい。例えば、端子片を渦状に曲げ加工することで複数層の層状端子部を形成するようにすることも可能である。
また、上記実施形態およびその変形例では、端子片を折り曲げた際に必然的に形成されてしまう隙間を内部空間としたものを例示したが、片部を湾曲させる等により、互いに対向する面の間に積極的に空間部を形成するようにしてもよい。
また、スリット溝や貫通孔の形状や配置場所も様々に設定することができる。
また、駆動ブロックおよび接点ブロックの構成は、上記実施形態で示したものに限らず、公知の様々な構成とすることができる。
また、電磁リレー以外の電気機器に本発明を適用することも可能である。
また、端子部や相手側部材、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。