JP6402694B2 - 自動車用外装品の取付け構造 - Google Patents
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Description
一方、ヘッドランプ及び取付け座のそれぞれの貫通孔は、それらのヘッドランプ及び取付け座が、貫通孔の延びる方向である車幅方向へ変位するのを許容する。従って、ヘッドランプ及び取付け座は、ボルトを伴わずに車体に対し車幅方向へ変位することが可能である。
上記自動車用外装品の取付け構造において、前記自動車用外装品は、前記車体の前部の車幅方向における側方に配置される前フェンダ部の前端に対し、前記ヘッドランプの下側に配置されるバンパカバー部が一体に形成されてなる樹脂製のバンパ一体フェンダをさらに備え、前記グリルを前記車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための取付け部を第1の取付け部とした場合において、前記バンパ一体フェンダを前記バンパカバー部において前記車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための第2の取付け部がさらに設けられていることが好ましい。
以下、自動車用外装品の取付け構造を具体化した第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
図7に示すように、自動車の前部における車体の一部は、略前後方向に延びる金属製のアッパフレーム11と、ラジエータ(図示略)を支持するための金属製のラジエータサポート13とを備えている。アッパフレーム11は、その前端部においてラジエータサポート13の側部の上端部に連結されている。
ラジエータサポート13の側部であって、上記アッパフレーム11との連結部分よりも下側において、互いに上下方向へ離間した複数箇所には、車幅方向の側方へ突出する取付け片14がそれぞれ形成されている。各取付け片14には、貫通孔15が前後方向に貫通されている。
グリル21は、車体の前方であって、車幅方向の中央部を含む中間部分に配置されている。グリル21は、ラジエータへの空気取入れ口の機能も有しており、フロントグリル、ラジエータグリル、フロントマスク等とも呼ばれる。グリル21は、グリル本体22及びモール29を備えている。グリル本体22は、グリル21の骨格部分を構成する部品であり、樹脂によって形成されている。
図1及び図2に示すように、ヘッドランプ31は、LED等を光源とする前照灯であり、車体の前方であって、車幅方向の側部において上記グリル21に隣接した状態で配置されている。ヘッドランプ31の外殻部分は樹脂によって形成されている。ヘッドランプ31の下面であって、取付け座23の上記位置決め凹部24に対応する箇所には、下方へ突出する位置決め突部32が形成されている。また、ヘッドランプ31の周囲であって取付け座23の上記取付け片25に対応する複数箇所には取付け片33が形成されている。各取付け片33には、上下方向に貫通する貫通孔34が形成されている。
図1及び図7に示すように、バンパ一体フェンダ41は、前フェンダ部42及びバンパカバー部43を備えて構成されている。前フェンダ部42は、車体の前部であって、車幅方向の側部に配置されて前輪(図示略)を覆う。バンパカバー部43は、上記ヘッドランプ31の下側に配置される部分であり、前フェンダ部42の前端に一体に形成されている。
図3に示すように、第1の取付け部51は、ヘッドランプ31が位置決めされた状態で係止された取付け座23を、そのヘッドランプ31とともに車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるためのものである。第1の取付け部51の一部は、ヘッドランプ31の取付け片33、取付け座23の取付け片25及び車体(アッパフレーム11)のそれぞれに貫通された上記貫通孔34,26,12によって構成されている。第1の取付け部51は、そのほかにも、ボルト52、ナット55及び間隔規制部53bを備えている。
図5に示すように、第2の取付け部61は、バンパ一体フェンダ41をそのバンパカバー部43において車体(ラジエータサポート13)に対し車幅方向へ変位可能に取付けるためのものである。第2の取付け部61の一部は、ラジエータサポート13の取付け片14とバンパカバー部43の取付け片44とのそれぞれに貫通された上記貫通孔15,45によって構成されている。第2の取付け部61は、そのほかにも、ボルト62、ナット65及び間隔規制部63bを備えている。
各種自動車用外装品は次のようにして車体に取付けられる。
図5に示すように、最初に、バンパ一体フェンダ41のバンパカバー部43が、第2の取付け部61によって、ラジエータサポート13に取付けられる。
また、取付け座23が形成されることで、グリル本体22の剛性が高められている。そのため、取付け座23やグリル本体22の変形を伴うことなく、ヘッドランプ31の荷重が受け止められる。
(1)グリル21(グリル本体22)及びヘッドランプ31を自動車用外装品とする(図1)。グリル21(グリル本体22)の車幅方向の側部に取付け座23を形成する(図2)。ヘッドランプ31が位置決めされた状態で係止された取付け座23を、そのヘッドランプ31とともに車体(アッパフレーム11)に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための第1の取付け部51を設けている(図3)。
また、樹脂製のグリル本体22が、周囲の温度の変化に伴い、車幅方向へ、車体(アッパフレーム11)よりも多く熱膨張及び熱収縮したとしても、貫通孔12の延びる方向である車幅方向へ同グリル本体22を変位させることで吸収することができる。グリル21(グリル本体22)が、熱膨張及び熱収縮により厚み方向に撓むのを抑制し、外観を良好にすることができる。
そのため、位置決め突部32を位置決め凹部24に嵌合させることで、ヘッドランプ31を取付け座23に位置決めした状態で係止させることができる。
そのため、鋼板によって形成された場合よりも前フェンダ部42を軽量にすることができる。車体の前部に取付けられる自動車用外装品の全体の重量、ひいては自動車の重量を軽くすることができる。また、自動車の重心を低くし、操縦安定性を向上させることができる。また、自動車を走行させるために必要なエネルギーを少なくして、燃費を向上させることもできる。
そして、鋼板によって形成された場合よりも形状の復元性が良好であるため、前フェンダ部42が衝突等により変形しても、その変形量が少なければ、元の形状に復元させることが可能である。
そのため、バンパカバー部43と前フェンダ部42とが別々に形成されている場合とは異なり、両者の境界部分に線状の隙間(見切り線)が生ずるのを抑制し、その見切り線により自動車の前端部の外観が損なわれるのを抑制することができる。
(8)グリル21として、車体(アッパフレーム11)に取付けられるグリル本体22と、グリル本体22に対し脱着可能に取付けられる加飾用のモール29とを備えるものを採用している(図1、図7)。
次に、自動車用外装品の取付け構造を具体化した第2実施形態について、図8を参照して説明する。
車体(アッパフレーム11)の貫通孔12は、軸部53におけるねじ部53aの直径と同程度の内径を有する丸孔によって構成されている。従って、ボルト52は、ねじ部53aが、車体(アッパフレーム11)の貫通孔12の内壁面に接触することで、アッパフレーム11に対し貫通孔12の径方向へ変位することを規制される。これに対し、ヘッドランプ31の貫通孔34と、取付け座23の貫通孔26とは、前後方向の寸法が間隔規制部53bの直径と同程度であり、かつ、車幅方向の寸法が同間隔規制部53bの直径よりも長い長孔によって構成されている。従って、ヘッドランプ31及び取付け座23は、アッパフレーム11に対し、貫通孔34,26の延びる方向である車幅方向に沿って変位することが可能である。
従って、ヘッドランプ31が位置決めされた状態で係止された取付け座23は、第1の取付け部51により、ヘッドランプ31とともに車体(アッパフレーム11)に対し、次のようにして車幅方向へ変位可能に取付けられる。
一方、ヘッドランプ31及び取付け座23のそれぞれの貫通孔34,26は、それらのヘッドランプ31及び取付け座23が、貫通孔34,26の延びる方向である車幅方向へ変位するのを許容する。そのため、ヘッドランプ31及び取付け座23は、ボルト52を伴わずにアッパフレーム11に対し車幅方向へ変位することが可能である。
・上記各実施形態では、ボルト52,62における軸部53,63の一部によって間隔規制部53b,63bを構成したが、図9に示すように、軸部53,63とは別の部材からなり、かつ同軸部53,63に被せられる管状の部材によって間隔規制部71が構成されてもよい。この場合にも、間隔規制部71は、上記各実施形態の間隔規制部53b,63bと同様の機能を発揮する。
・グリル本体22、モール29及びバンパ一体フェンダ41の少なくとも1つの形状が、上記各実施形態とは異なるものに変更されてもよい。
また、上述したように、グリル本体22が熱膨張及び熱収縮すると、ヘッドランプ31及び取付け座23は、ボルト52を伴って車幅方向へ変位しようとする。これに伴い、ワッシャ57が車体(アッパフレーム11)に接触した状態で、同方向へ変位しようとする。ここでは、ワッシャ57が摩擦係数の小さな樹脂によって形成されている。そのため、スティックスリップトルクが発生しにくく、同トルクが原因で、ワッシャ57と車体(アッパフレーム11)の間で異音が発生することが起こりにくい。
大径部53cの下端部を除く大部分は、ヘッドランプ31の貫通孔34及び取付け座23の貫通孔26の内径と同程度の直径を有していて、それらの貫通孔34,26内に配置されている。
Claims (6)
- 自動車の前部における車体の前方であって、車幅方向の中央部を含む中間部分に配置されるグリルと、
前記車体の前方であって、車幅方向の側部において前記グリルに隣接した状態で配置されるヘッドランプと
をそれぞれ自動車用外装品として前記車体に取付けるようにした自動車用外装品の取付け構造であって、
前記グリルの車幅方向の側部には取付け座が形成されており、
前記ヘッドランプが位置決めされた状態で係止された前記取付け座を、そのヘッドランプとともに前記車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための取付け部がさらに設けられている自動車用外装品の取付け構造。 - 前記取付け部は、
前記ヘッドランプ、前記取付け座及び前記車体のそれぞれに貫通された貫通孔と、
軸部及び頭部を備え、かつ前記軸部において、前記ヘッドランプ、前記取付け座及び前記車体のそれぞれの貫通孔に挿通されるボルトと、
全ての前記貫通孔に挿通された前記軸部に螺合されるナットと、
前記ボルトの頭部と前記ナットとの間に介在されて、それらの頭部及びナットの間隔を規制する間隔規制部と
を備え、前記車体の貫通孔のみが車幅方向に延びる長孔により構成されている請求項1に記載の自動車用外装品の取付け構造。 - 前記取付け部は、
前記ヘッドランプ、前記取付け座及び前記車体のそれぞれに貫通された貫通孔と、
軸部及び頭部を備え、かつ前記軸部において、前記ヘッドランプ、前記取付け座及び前記車体のそれぞれの貫通孔に挿通されるボルトと、
全ての前記貫通孔に挿通された前記軸部に螺合されるナットと、
前記ボルトの頭部と前記車体との間に介在されて、それらの頭部及び車体の間隔を規制する間隔規制部と
を備え、
前記ボルトは、前記間隔規制部と前記ナットとにより前記車体を挟み込むことにより、同車体に固定され、
前記ヘッドランプの貫通孔及び前記取付け座の貫通孔のみが車幅方向に延びる長孔により構成されている請求項1に記載の自動車用外装品の取付け構造。 - 前記ヘッドランプの前記取付け座に対する位置決めは、前記ヘッドランプ及び前記取付け座の一方に設けられた位置決め突部が、他方に設けられた位置決め凹部に嵌合されることによりなされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動車用外装品の取付け構造。
- 前記自動車用外装品は、
前記車体の前部の車幅方向における側方に配置される前フェンダ部の前端に対し、前記ヘッドランプの下側に配置されるバンパカバー部が一体に形成されてなる樹脂製のバンパ一体フェンダをさらに備え、
前記グリルを前記車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための取付け部を第1の取付け部とした場合において、
前記バンパ一体フェンダを前記バンパカバー部において前記車体に対し車幅方向へ変位可能に取付けるための第2の取付け部がさらに設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車用外装品の取付け構造。 - 前記第2の取付け部は、
前記バンパカバー部及び前記車体のそれぞれに貫通された貫通孔と、
軸部及び頭部を備え、かつ前記軸部において、前記バンパカバー部及び前記車体のそれぞれの貫通孔に挿通されるボルトと、
全ての前記貫通孔に挿通された前記軸部に螺合されるナットと、
前記ボルトの頭部と前記ナットとの間隔を規制する間隔規制部と
を備え、前記バンパカバー部の貫通孔及び前記車体の貫通孔の一方のみが車幅方向に延びる長孔により構成されている請求項5に記載の自動車用外装品の取付け構造。
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