JP6402436B2 - 自律走行台車、予定走行経路データの加工方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
急峻な曲がりを含む移動経路を記憶した記憶内容に基づいて、対向二輪差動型の走行手段が制御された場合、清掃ロボットは、無駄な動きをするだけでなく、教示された本来の移動経路から徐々に外れて走行することがある。
本発明の一見地に係る自律走行台車は、教示走行モードと再現走行モードを実行する自律走行台車である。教示走行モードとは、操作者の操作により走行開始位置から走行終了位置まで走行した際の走行経路である予定走行経路を教示する走行モードである。再現走行モードとは、教示された予定走行経路を再現しながら自律的に走行する走行モードである。
自律走行台車は、台車部と、走行部と、教示部と、曲率算出部と、サブゴール点処理部と、を備える。走行部は、台車部に搭載される。そして、走行部は、台車部を走行させる。教示部は、教示走行モードの実行時に、サブゴール点を取得する。ここで、サブゴール点とは、走行開始位置から走行終了位置までに台車部が通過した走行環境における位置に関する情報である。そして、教示部は、予定走行経路を表現する予定走行経路データを、サブゴール点の集合体として記憶する。曲率算出部は、部分予定走行経路の、注目サブゴール点における曲率半径である注目曲率半径を算出する。ここで、部分予定走行経路とは、予定走行経路データに含まれる1のサブゴール点を注目サブゴール点とし、注目サブゴール点と、注目サブゴール点から見て予定走行経路データの前後に存在する所定の数のサブゴール点と、により形成される走行経路のことを言う。サブゴール点処理部は、注目曲率半径が第1の値以下の場合に、注目曲率半径が第1の値以上になるように、サブゴール点を移動させる処理を行う。
これにより、より簡単な計算で注目曲率半径を算出できる。そして、より簡単な計算によりサブゴール点を移動できる。その結果、曲率算出部及びサブゴール点処理部の処理速度が向上する。
また、第1サブゴール点と第2サブゴール点とを、注目サブゴール点の直前又は直後のサブゴール点とすることにより、サブゴール点処理部は、より少ない処理(注目サブゴール点を移動させる処理)回数にて注目曲率半径が第1の値となるように予定走行経路データを加工できる。
注目サブゴール点を含む3つのサブゴール点により形成される三角形における注目点角度は、注目曲率半径と対応している。そのため、簡単な計算により算出可能な注目点角度を、注目曲率半径の大小の判断に用いることができる。その結果、より簡単な計算により、注目曲率半径の大小を判断できる。その結果、曲率算出部及びサブゴール点処理部における処理速度が向上する。
部分予定走行経路を注目円で近似又は表現することにより、より簡単な計算方法により注目曲率半径を算出できる。
これにより、より簡単な計算により、かつ、より計算回数を減少して、注目曲率半径が第1の値以上になるように、注目サブゴール点を移動できる。その結果、予定走行経路データに自律走行台車が走行可能な走行経路のみが含まれるよう、予定走行経路データの加工を行う時間と計算負荷を減少できる。
これにより、予定走行経路データのデータ数を減少できる。その結果、予定走行経路データの加工を行う時間と計算負荷を減少できる。また、予定走行経路データに含まれるノイズを取り除ける。
これにより、より簡単に予定走行経路データを圧縮処理できる。その結果、データ圧縮処理部における処理速度を向上できる。
これにより、注目曲率半径の算出及びサブゴール点の移動のための処理を減少できる。
これにより、自律走行台車は、精度よく走行環境における自律走行台車の位置を推定できる。
予定走行データの加工方法は、以下のステップを含む。
◎教示走行モードの実行時に取得し記憶された予定走行経路データに含まれるサブゴール点のうち、1のサブゴール点を注目サブゴール点とし、注目サブゴール点と、注目サブゴール点から見て予定走行経路データの前後に存在する所定の数のサブゴール点と、により形成される部分予定走行経路の、注目サブゴール点における曲率半径である注目曲率半径を算出するステップ。
◎注目曲率半径が第1の値以下の場合に、注目曲率半径を第1の値以上となるように、サブゴール点を移動させる処理を行うステップ。
これにより、予定走行経路データのデータ数を減少できる。その結果、予定走行経路データの加工を行う時間と計算負荷を減少できる。また、予定走行経路データに含まれるノイズを取り除ける。
(1)自律走行台車の全体構成
まず、本実施形態に係る自律走行台車の全体構成について、図1を用いて説明する。図1は、自律走行台車の全体構成を示す図である。本実施形態の自律走行台車100は、操作者の操作により、走行開始位置から走行終了位置までの所望の予定走行経路を教示する教示走行モードと、予定走行経路を再現しながら走行開始位置から走行終了位置まで自律的に走行する再現走行モードと、を実行する。
自律走行台車100は、台車部1と、走行部2と、検出部3と、操作部5と、制御部7と、を備える。台車部1は、自律走行台車100の本体を構成する。走行部2は、台車部1に搭載されている。走行部2は、台車部1を走行させる。検出部3は、制御部7(後述)に信号送受信可能に接続されている。そして、検出部3は、障害物及び走行経路にある壁などを検出し、障害物及び壁などの位置情報を制御部7に出力する。操作部5は、台車部1の上部後方側に取付部材9を介して固定されている。また、操作部5は、制御部7に信号送受信可能に接続されている。操作部5は、操作者が自律走行台車100に予定走行経路を教示するとき(教示走行モードの実行時)、操作者により操作される。これにより、自律走行台車100の走行モードが教示走行モードの実行時に、自律走行台車100は、操作者による操作部5の操作に基づいて制御される。また、操作部5は、自律走行台車100の各種設定を行う。
また、制御部7は、検出部3から得られる信号(後述)に基づいて、障害物及び壁などの位置情報を把握する。また、制御部7は、障害物及び壁などの位置情報に基づき、移動平面(走行環境)における自律走行台車100の位置を把握する。
なお、自律走行台車100の走行部2、検出部3、操作部5、及び制御部7の構成の詳細については、後述する。
次に、走行部2の構成について図1を用いて詳細に説明する。走行部2は、2つの主輪21a、21bと、2つのモータ23a、23bと、を有する。主輪21a、21bは、台車部1の略中央部の底部に設置されている。
また、主輪21a、21bは、それぞれ、モータ23a、23bの出力回転軸に接続されている。これにより、主輪21aはモータ23aの回転に従って回転し、主輪21bはモータ23bの回転に従って回転する。すなわち、主輪21a及び主輪21bは、お互いに独立に回転可能となっている。そのため、主輪21aの回転速度と主輪21bの回転速度に差を持たせることにより、台車部1(自律走行台車100)の進行方向を変更できる。
モータ23a、23bとしては、たとえば、サーボモータ及び/又はブラシレスモータなどの電動モータを用いることができる。
このように、独立に回転速度を制御可能な2つの主輪21a、21bを有する走行部2は、「対向二輪差動型の走行部」と呼ばれる。対向二輪差動型の走行部2の構造は、単純である。そして、後述するように、予定走行経路データ(後述)を、走行部2の走行性能に基づいて加工することにより、対向二輪差動型の走行部2であっても、教示された予定走行経路をより忠実に再現しつつ、台車部1(自律走行台車100)を走行できる。
次に、検出部3の構成について、図1を用いて説明する。検出部3は、自律走行台車100の走行経路周辺の障害物及び壁などを検出し、障害物及び壁などの位置情報を出力する。そのため、検出部3は、前方検出器31と、後方検出器33と、を有する。前方検出器31は、自律走行台車100の前方にある障害物及び壁などを検出する。後方検出器33は、自律走行台車100の後方にある障害物及び壁などを検出する。また、前方検出器31と後方検出器33は、自律走行台車100と障害物及び壁などとの間の距離及び、自律走行台車100から見た障害物及び壁などが存在する方向に関する情報などを含む信号を出力する。これにより、検出部3は、自律走行台車100から見た障害物及び壁などの相対的な位置情報を、制御部7に出力できる。
検出部3の前方検出器31及び後方検出器33としては、例えば、その検出範囲として180°以上のレーザレンジファインダ(Laser Range Finder、LRF)などを用いることができる。
次に、操作部5の構成について、図2を用いて説明する。図2は、操作部5の構成を示す図である。操作部5は、操作ハンドル51a、51bと、設定部53と、表示部55と、インターフェース57と、筐体59と、を備える。
操作ハンドル51a、51bは、それぞれ、筐体59の左右に回動可能に取り付けられている。また、操作ハンドル51a、51bは、インターフェース57と信号送受信可能に接続されている。これにより、操作ハンドル51a、51bの回動量(操作量)及び回動方向は、インターフェース57において電気信号に変換され、制御部7に入力される。そして、制御部7に入力された操作ハンドル51a、51bの回動量及び回動方向に基づき、走行部2のモータ23a、23bが制御される。
また、操作ハンドル51aを進行方向への走行速度を指示するための入力インターフェースとし、操作ハンドル51bを操舵角を指示するための入力インターフェースとしてもよい。
また、操作者は、操作ハンドル51a、51bに適切な外力を加えることによっても、自律走行台車100を操作できる。このとき、例えば、自律走行台車100が前方方向に走行している場合において、操作ハンドル51aに自律走行台車100の進行方向とは逆方向の外力を加えることにより、自律走行台車100を進行方向に対して左方向に方向転換できる。
設定部53は、例えば、自律走行台車100の走行モード及び各種設定などを行うためのスイッチ又は/及びキーボードなどにより構成できる。又は、設定部53は、タッチパネルとして構成され、表示部55と一体に形成されていてもよい。
従って、インターフェース57としては、マイコンボードを用いることができる。マイコンボードは、例えば、操作ハンドル51a、51bの回動量、回転方向、及び設定部53における設定状態を電気信号に変換する信号変換器と、表示部55に情報を表示するための表示部駆動回路と、制御部7と信号を送受信するための通信インターフェースと、を備えている。
I.制御部の全体構成
次に、制御部7の全体構成について図3を用いて説明する。図3は、制御部7の全体構成を示す図である。
なお、制御部7は、CPU(Central Processing Unit)と、ハードディスク装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、記憶媒体読み出し装置などにより構成される記憶装置と、信号変換を行うインターフェースなどと、を備えたマイコンシステムなどにより実現できる。また、以下に示す制御部7の各部の機能の一部又は全部は、プログラムとして実現されていてもよい。さらに、当該プログラムは、マイコンボードの記憶装置に記憶されていてもよい。又は、制御部7の各部の機能の一部又は全部は、カスタムICなどにより実現されていてもよい。
制御部7は、教示部71と、位置推定部72と、記憶部73と、予定走行経路処理部74と、モータ駆動部75と、障害物情報取得部76と、切替部77と、を有する。
ここで、自律走行台車100の姿勢とは、例えば、図4に示すように、台車部1(自律走行台車100)の中心から台車部1の前方方向に伸びる基準軸と、移動座標のx軸とがなす角度θとして定義される。
位置推定部72は、検出部3において取得された自律走行台車100から見た障害物及び壁などの相対的な位置情報を、移動座標上の座標値へと変換する。そして、位置推定部72は、検出部3の前方検出器31及び後方検出器33が検出した障害物及び壁などの位置情報に基づいて、自律走行台車100の周囲の移動平面の地図情報(ローカルマップと呼ぶことにする)を作成する。また、位置推定部72は、移動平面の地図情報(環境地図と呼ぶことにする)を記憶部73に記憶している。そして、位置推定部72は、環境地図とローカルマップとを比較して、自律走行台車100が移動平面のどの位置に存在するかを推定する。
教示走行モードの実行時に作成された予定走行経路データには、検出部3にて取得された位置情報と実際の位置情報との間の誤差及び、モータ23a、23bの回転数を測定する装置により測定されたモータの回転数と実際のモータの回転数との間の誤差などを含んだサブゴール点が記憶されることがよくある。これらの誤差を含んだサブゴール点により、教示走行モードの実行時に作成された予定走行経路データには、自律走行台車100が再現よく走行できない走行経路が含まれることがある。
従って、予定走行経路処理部74は、自律走行台車100が再現よく走行可能な走行経路のみを含んだ予定走行経路データを作成(あるいは、予定走行経路データの加工)する。これにより、自律走行台車100は、再現走行モードの実行時に、操作者により教示された予定走行経路を、予定走行経路からずれることなく忠実に再現走行できる。
なお、予定走行経路処理部74の詳細な構成及び動作については、後述する。
モータ駆動部75は、操作部5と信号送受信可能に接続され、教示走行モードの実行時には、操作部5の操作ハンドル51a、51bの回動量及び/又は回動方向に基づき、モータ23a、23bを制御する。
一方、再現走行モードの実行時には、モータ駆動部75は、記憶部73に記憶された予定走行経路データに基づいて、モータ23a、23bの制御指令を作成する。そして、モータ駆動部75は、作成された制御指令に基づいて、モータ23a、23bを制御する。
なお、モータ駆動部75の詳細な構造及び動作については、後述する。
次に、予定走行経路処理部74の構成について図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、予定走行経路処理部74の基本的な構成を示す図である。予定走行経路処理部74は、曲率算出部741と、サブゴール点処理部743と、を有する。
曲率算出部741は、予定走行経路データに含まれる複数のサブゴール点のうちの1のサブゴール点(注目サブゴール点)と、注目サブゴール点から見て予定走行経路データの前後に存在する所定の数のサブゴール点と、により形成される経路(部分予定走行経路と呼ぶ)の、注目サブゴール点における曲率半径(注目曲率半径)を算出する。
さらに、第1サブゴール点と第2サブゴール点とを、注目サブゴール点の直前又は直後のサブゴール点とすることにより、サブゴール点処理部743は、より少ない処理(注目サブゴール点を移動させる処理)回数にて注目曲率半径が第1の値となるように予定走行経路データを加工できる。
すなわち、第1サブゴール点と第2サブゴール点を、注目サブゴール点の直前又は直後でないサブゴール点とした場合、注目サブゴール点を移動させたとしても、予定走行経路中に注目曲率半径が第1の値以下の急峻な曲がりの走行経路が含まれてしまう確率がより高くなる。その結果、サブゴール点処理部743が、注目サブゴール点の移動を行う処理を、多数回実行してしまうことがある。
例えば、部分予定走行経路を近似する円を注目円としてもよい。この場合、部分予定走行経路に含まれるサブゴール点数は3以上であってもよい。
この場合、曲率算出部741は、注目円を表す上記の式(x−a)2+(y−b)2=R2を部分予定走行経路にフィッティングさせる処理を行い、上記式中のa、b、及びRを算出する。部分予定走行経路はサブゴール点の座標値として表現されているので、注目円を部分予定走行経路にフィッティングさせる処理としては、例えば、最小二乗法などを用いることができる。
このように、注目点角度φの大きさを算出することによっても、サブゴール点処理部743(後述)は、当該注目点角度φが第1の角度以下であるかどうかを判定することにより、注目サブゴール点における注目曲率半径が第1の値以下であるかどうかを判定できる。
φ=cos−1((A2+B2−C2)/(2A×B))
ここで、注目曲率半径の大小の判定の基準となる「第1の値」について説明する。サブゴール点処理部743において、「第1の値」は、走行部2を備える自律走行台車100がどの程度の曲率であれば忠実に自律走行できるかにより決定される。
従って、「第1の値」としては、例えば、自律走行台車100が忠実に自律走行可能な曲率の曲率半径のうち、最小の曲率半径(自律走行可能最小曲率半径と呼ぶことにする。)とすることが好ましい。
一方、「第1の値」を大きく設定しすぎると、自律走行台車100は、教示された予定走行経路を忠実に再現して自律走行できなくなることもある。なぜなら、「第1の値」を大きく設定しすぎると、自律走行台車100が十分通過可能であり本来通過しなくてはならないサブゴール点まで、サブゴール点処理部743が移動させてしまうためである。この場合、教示された本来の予定走行経路を走行可能であるにもかかわらず、自律走行台車100は、再現走行モードの実行時に、教示された予定走行経路とは異なる走行経路を自律走行してしまう。
なお、曲率算出部741が注目点角度を算出する場合は、上記したように、サブゴール点処理部743は、注目点角度φが第1の角度以下であるかどうかを判定することにより、注目曲率半径が第1の値以下であるかどうかを判定する。
なお、曲率算出部741は、部分予定走行経路の状態などに応じて、注目円の半径Rを算出するか、注目点角度φを算出するかを選択できてもよい。この場合、サブゴール点処理部743も、曲率算出部741がいずれの値を算出したかに応じて、注目曲率半径の大小の判定を行う際に用いる基準を、注目円の半径Rにするか注目点角度φにするかを選択できるようになっている。
また、部分予定走行経路が3つでない複数のサブゴール点で構成される場合は、注目サブゴール点とその前後の所定の数のサブゴール点から形成される多角形の重心位置に、新たな注目サブゴール点を設定してもよい。
また、データ圧縮処理部745によるサブゴール点を減らす処理は、曲率算出部741による注目曲率半径(注目円の半径、又は、注目点角度φ)の算出処理、及び、サブゴール点処理部743における処理の前に行われる。これにより、注目曲率半径の算出及び、サブゴール点の移動のための処理の前に、サブゴール点を減少でき、予定走行経路データに含まれるノイズを取り除ける。その結果、注目曲率半径の算出及び、サブゴール点の移動のための処理を減少できる。
次に、モータ駆動部75の構成について、図8を用いて説明する。図8は、モータ駆動部75の構成を示す図である。
モータ駆動部75は、操作部5と、記憶部73と、切替部77と信号送受信可能に接続されている。また、モータ駆動部75は、モータ23a、23bと電気的に接続されている。さらに、モータ駆動部75は、モータ23a、23bのそれぞれに備えられたエンコーダ231a、231bと信号送受信可能に接続されている。
モータ駆動部75は、駆動切替部751と、再現走行指令部753と、モータ制御部755と、を有する。
その結果、駆動切替部751は、教示走行モードの実行時には、操作部5の操作ハンドル51a、51bの回動量及び回動方向を、モータ制御部755(後述)へと入力する。一方、駆動切替部751は、再現走行モードの実行時には、再現走行指令部753(後述)により作成された再現走行指令(後述)をモータ制御部755へと入力する。
再現走行指令部753は、再現走行モードの実行時に、記憶部73に記憶された予定走行経路データに基づいて、モータ制御部755(後述)によりモータ23a、23bを制御するための再現走行指令を作成する。そして、再現走行指令部753は、再現走行モードの実行時に、再現走行指令をモータ制御部755に出力する。
モータ制御部755は、教示走行モードの実行時には、駆動切替部751を介して、操作部5の操作ハンドル51a、51bの回動量及び回動方向が入力され、当該回動量及び回動方向に基づいて、モータ23a、23bを独立に制御する。一方、再現走行モードの実行時には、モータ制御部755は、駆動切替部751を介して、予定走行経路データに基づいて作成された再現走行指令が入力され、再現走行指令に基づいて、モータ23a、23bを制御する。
そのため、モータ制御部755としては、フィードバック制御理論を用いたモータ制御装置などを用いることができる。
次に、本実施形態に係る自律走行台車の基本動作について、図9Aを用いて説明する。図9Aは、自律走行台車の基本動作を示すフローチャートである。ここでは、図5Bに示したように予定走行経路処理部74がデータ圧縮処理部745を備える自律走行台車100の予定走行経路データの作成動作を例にとって説明する。
予定走行経路データの作成を開始すると、教示部71が、自律走行台車100を操作者が操作することにより自律走行台車100が通過した予定走行経路の予定走行経路データを取得し、記憶部73に記憶する(ステップS1)。
予定走行経路データを取得し、記憶部73に記憶した後、予定走行経路処理部74が記憶部73から予定走行経路データを読み込む。そして、予定走行経路処理部74は、予定走行経路データに含まれる走行経路(部分予定走行経路)の注目曲率半径が第1の値より大きくなるように、予定走行経路データを加工する(ステップS2)。
なお、加工された予定走行経路データは、加工された後に記憶部73に記憶されてもよい。また、予定走行経路データを記憶部73に記憶したままの状態で、予定走行経路処理部74は予定走行経路データを加工してもよい。
この場合、例えば、ステップS1において予定走行経路データを取得後、予定走行経路データを、記憶部73から、例えば、USB(Universal Serial Bus)接続可能な記憶デバイス(例えば、USBメモリー)などに転送し、転送した予定走行経路データを上記の他のコンピュータ端末などにさらに転送して、予定走行経路データの加工を実行する。そして、予定走行経路データの加工後、当該他のコンピュータ端末から、自律走行台車100の記憶部73に加工後の予定走行経路データを転送する。
これにより、自律走行台車100を動作させつつ、他のコンピュータ端末において予定走行経路データの加工を同時に行うといった、効率のよい自律走行台車100の運用が可能となる。
なお、ステップS1における予定走行経路データの取得方法、及び、ステップS2における予定走行経路データの加工方法については、後ほど説明する。
次に、再現走行指令部753が、読み込まれた圧縮後サブゴール点から、モータ23a、23bを制御するための制御指令(再現走行指令)を生成する。
そして、再現走行指令部753は、駆動切替部751を介して、生成した再現走行指令をモータ制御部755に送信する。この結果、モータ制御部755は、受信した再現走行指令に基づき、モータ23a、23bを制御する。
これにより、自律走行台車100は、注目曲率半径が第1の値以下の部分予定走行経路を含まない予定走行経路を忠実に再現しながら自律走行できる。
まず、図9AのステップS1における、本実施形態に係る自律走行台車100における予定走行経路データの取得方法について、図9Bを用いて説明する。図9Bは、自律走行台車100における予定走行経路データの取得方法を示すフローチャートである。
まず、予定走行経路データを取得するために、自律走行台車100の走行モードを教示走行モードに設定する(ステップS11)。走行モードの教示走行モードへの切替は、例えば、操作者が操作部5の設定部53を操作することにより、実行される。
設定部53により走行モードが教示走行モードへ切り替えられると、走行モードが教示走行モードとなったことが制御部7の切替部77に通知される。そして、切替部77は、モータ駆動部75の駆動切替部751に対して、駆動切替部751の端子dと端子eとを接続するよう指令する。これにより、操作部5の操作ハンドル51a、51bの回動量及び回動方向に関する信号が、モータ制御部755に入力されるようになる。これにより、操作者は、操作ハンドル51a、51bの回動量及び回動方向などを調整することにより、自律走行台車100を手動操作できる。
走行モードを教示走行モードに設定したタイミングにおいて、教示部71は、教示データ取得時間を測定するためのタイマー(図示せず)を開始する。当該タイマーの機能は、制御部7を構成するコンピュータなどに備わった時計機能又はクロック発生装置などを用いて実現される。
サブゴール点を記憶部73に記憶する際、すでにサブゴール点が記憶部73に記憶されている場合には、教示部71は、記憶されているサブゴール点の末尾に、新たに取得したサブゴール点を追加する。このようにして、サブゴール点の集合体、すなわち、予定走行経路データが記憶部73に記憶される。
そして、後述するように、少なくともm個のサブゴール点を平均し平均値を新たなサブゴール点とすることにより予定走行経路データの圧縮処理を行うことにより、予定走行経路データに含まれるノイズの量を低減できる。
一方、教示データ取得時間が短すぎる場合、予定走行経路データ中のサブゴール点密度は大きくなるが、制御部7(特に、教示部71及び位置推定部72)の教示データの取得を行うための処理負荷が増加する。その結果、教示走行モードの実行時におけるモータ駆動部75によるモータ制御に遅れが生じるなどの影響が生じることがある。
また、教示データ取得時間を短くして高いサブゴール点密度の予定走行経路データを作成した場合、データ圧縮処理部745のデータ圧縮処理を多数回行う必要がある。それに加えて、圧縮後予定走行経路データに対する、注目曲率半径の算出及びサブゴール点の移動を行う処理も、多数回行う必要がある。その結果、予定走行経路データの加工処理に時間がかかる。
または、操作ハンドル51a、51bの回動量が0(操作されていない)であることを一定時間検知したときに、予定走行経路の教示が終了したと、教示部71が判断してもよい。
その他、操作者が自律走行台車100の操作を終了したことを検出する他の手段により、予定走行経路の教示が終了したかどうかを判断できる。
本実施形態においては、上記の図9Bに示したフローチャートによる手順により、図10に示すような予定走行経路(予定走行経路データ)が、移動座標上の座標値の集合体として取得されたとする。
次に、図9AのステップS2における、予定走行経路データの加工方法について、図9C、図10、図11A、図11B、図12A及び図12Bを用いて説明する。図9Cは、予定走行経路データの加工方法を示すフローチャートである。図11Aは、圧縮処理前の予定走行経路データによる予定走行経路を示す図である。図11Bは、圧縮後予定走行経路データによる予定走行経路を示す図である。図12Aは、サブゴール点移動前の圧縮後予定走行経路データによる予定走行経路を示す図である。図12Bは、サブゴール点移動後の圧縮後予定走行経路データによる予定走行経路を示す図である。
まず、データ圧縮処理部745が、得られた予定走行経路データに対して、圧縮処理を行い、圧縮後予定走行経路データを作成する(ステップS21)。具体的には、データ圧縮処理部745は、予定走行経路データの連続する所定の数(本実施形態では、mとする)のサブゴール点の平均値を算出する。そして、データ圧縮処理部745は、当該平均値を、圧縮後予定走行経路データのサブゴール点(圧縮後サブゴール点)として設定する。
これにより、図11Bに示された圧縮処理後の圧縮後予定走行経路データの圧縮後サブゴール点数は、図11Aに示された圧縮処理前の予定走行経路データのサブゴール点数の1/mに減少する。これにより、後述する注目曲率半径の算出及びサブゴール点の移動を行う処理数が減少する。
具体的には、曲率算出部741は、圧縮後予定走行経路データのn番目(n:整数)の圧縮後サブゴール点を注目サブゴール点とし、直前の圧縮後サブゴール点であるn−1番目の圧縮後サブゴール点を第1サブゴール点とし、さらに、直後の圧縮後サブゴール点であるn+1番目の圧縮後サブゴール点を第2サブゴール点とし、これら3つのサブゴール点を通る円(注目円)の半径Rを注目曲率半径として算出する。
さらに、曲率算出部741は、圧縮後予定走行経路データに、注目サブゴール点において算出された注目曲率半径(注目円の半径、又は/及び、注目点角度φ)を、当該注目サブゴール点に対応する圧縮後サブゴール点に関連づけて記憶しておいてもよい。これにより、後述するように、すべての圧縮後サブゴール点において、注目円の半径が第1の値より大きいか、又は/及び、注目点角度φが第1の角度より大きいかどうかを判断する際に、サブゴール点処理部743は圧縮後予定走行経路データを参照して当該判断処理を実行できる。
上記のように、サブゴール点処理部743が注目サブゴール点の位置を移動させた後、ステップS25に進む。
具体的には、例えば、圧縮後予定走行経路データが制御部7を構成するコンピュータにおいて扱える電子データであった場合、サブゴール点処理部743は、ステップS23又はステップS24における処理の後に、圧縮後予定走行経路データの「End of file」の識別子を検出したかどうかにより、全ての圧縮後サブゴール点において注目曲率半径の大小の判断を実行したかどうかを判定できる。
具体的には、圧縮後予定走行経路データのn+1番目の圧縮後サブゴール点を注目サブゴール点とし、n番目の圧縮後サブゴール点を第1サブゴール点とし、n+2番目の圧縮後サブゴール点を第2サブゴール点として、上記ステップS22〜ステップS24までの処理を行う。そして、上記ステップS22〜ステップS24までの処理を、圧縮後予定走行経路データの全ての圧縮後サブゴール点に対して実行する。
なお、圧縮後予定走行経路データの1番目の圧縮後サブゴール点、及び、最後の圧縮後サブゴール点に対しては、上記S22〜ステップS24までの処理は行わない。なぜなら、1番目の圧縮後サブゴール点においては第1サブゴール点を設定できず、最後の圧縮後サブゴール点においては第2サブゴール点を設定できないからである。
このように、圧縮後予定走行経路データの全ての圧縮後サブゴール点に対して、注目曲率半径の大小の判断と、必要に応じて注目サブゴール点の移動させる処理を行った後の圧縮後予定走行経路データを図12Bに示す。図12Aに示した、上記注目サブゴール点を移動させる処理を行う前の圧縮後予定走行経路データと比較して、特に、円14及び円15にて示した「曲がりのきつい」(曲率半径の小さい)部分予定走行経路が、図12Bに示す圧縮後予定走行経路データにおいてはより緩やかな曲がりを有した部分予定走行経路に変化していることが分かる。
従って、上記の予定走行経路データの加工方法を用いることにより、予定走行経路データ中に曲率半径が第1の値以下となる部分予定走行経路を含むことなく、自律走行台車100が教示された予定走行経路を忠実に自律的に走行可能な予定走行経路データを作成できる。
以下に、本実施形態の効果について述べる。
自律走行台車100(自律走行台車の一例)は、台車部1(台車部の一例)と、走行部2(走行部の一例)と、教示部71(教示部の一例)と、曲率算出部741(曲率算出部の一例)と、サブゴール点処理部743(サブゴール点処理部の一例)と、を備える。走行部2は、台車部1に搭載される。そして、走行部2は、台車部1を走行させる。教示部71は、教示走行モード(教示走行モードの一例)の実行時に、サブゴール点(サブゴール点の一例)を取得する。そして、教示部71は、予定走行経路(予定走行経路の一例)を表現する予定走行経路データ(予定走行経路データの一例)を、サブゴール点の集合体として記憶する。曲率算出部741は、部分予定走行経路(部分予定走行経路の一例)の、注目サブゴール点(注目サブゴール点の一例)における曲率半径である注目曲率半径(注目曲率半径)を算出する。サブゴール点処理部743は、注目曲率半径が第1の値(第1の値の一例)以下の場合に、注目曲率半径が第1の値以上になるように、サブゴール点を移動させる処理を行う。
また、第1サブゴール点と第2サブゴール点とを、注目サブゴール点の直前又は直後のサブゴール点とすることにより、サブゴール点処理部743は、より少ない処理(注目サブゴール点を移動させる処理)回数にて注目曲率半径が第1の値となるように予定走行経路データを加工できる。
注目サブゴール点を含む3つのサブゴール点により形成される三角形における注目点角度φは、注目曲率半径と対応している。そのため、簡単な計算により算出可能な注目点角度φを、注目曲率半径の大小の判断に用いることができる。その結果、より簡単な計算により、注目曲率半径の大小を判断できる。その結果、曲率算出部741及びサブゴール点処理部743における処理速度が向上する。
これにより、より簡単な計算により、かつ、より計算回数を減少して、注目曲率半径が第1の値以上になるように、注目サブゴール点を移動できる。その結果、予定走行経路データに自律走行台車100が走行可能な走行経路のみが含まれるよう、予定走行経路データの加工を行う時間と計算負荷を減少できる。
これにより、予定走行経路データに含まれるノイズを取り除ける。
これにより、より簡単に予定走行経路データを圧縮処理できる。その結果、データ圧縮処理部745における処理速度を向上できる。
これにより、注目曲率半径の算出及び、サブゴール点の移動のための処理を減少できる。
これにより、自律走行台車100は、精度よく走行環境における自律走行台車100の位置を推定できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)予定走行経路データの加工方法についての他の実施形態
上記の第1実施形態において、予定走行経路に第1の値以下の曲率半径を有するサブ走行予定経路が含まれないよう予定走行経路データの加工するとき、3つのサブゴール点により形成される三角形の重心位置に注目サブゴール点を移動させる方法により、予定走行経路データの加工を行っていた。しかし、予定走行経路データの加工方法は、上記の第1実施形態において説明した方法に限られない。例えば、以下に示すような方法を採用できる。
具体的には、図14に示すように、例えば、3つのサブゴール点D、E、F(Eを注目サブゴール点とする)のうちの点Dと点Fを通る直線への注目サブゴール点Eからの垂線を定義する。そして、注目サブゴール点Eと比較して、当該垂線上の点Dと点Fを通る直線により近い位置に、新たな注目サブゴール点E’を設定(注目サブゴール点を移動)する。
この場合、例えば、注目サブゴール点Eと、上記垂線と点Dと点Fを通る直線との交点Gとの中点に、新たな注目サブゴール点E’を設定してもよい。これにより、比較的簡単な計算により、新たな注目サブゴール点E’を算出できる。
具体的には、図15に示すように、まず、4つのサブゴール点H、I、J、Kにおいて、点Hと点Iを結ぶ線分HI、点Iと点Jを結ぶ線分IJ、点Jと点Kを結ぶ線分JKを定義する。そして、線分HI、線分IJ、及び線分JKをt:1−t(0<t<1)に分割する点をそれぞれ、点H’、点I’、点J’とする。さらに、点H’と点I’を結ぶ線分をt:1−tに分割する点を点H’’、点I’と点J’を結ぶ線分をt:1−tに分割する点を点I’’とする。そして、さらに点H’’と点I’’を結ぶ線分をt:1−tに分割する点を点H’’’とする。
このとき、tの値を0から1まで連続的に変化させると、点H’’’はベジエ曲線を軌跡として描画する。従って、点H’’’において、tを0、t1、t2、1(0<t1<t2<1)と離散的に変化させることにより、当該ベジエ曲線上に新たな4つのサブゴール点を設定できる。なお、t=0の時は、点H’’’は点Hと一致し、t=1の時は、点H’’’は点Kと一致する。
ベジエ曲線上に新たなサブゴール点を設定する場合、部分予定走行経路を形成するサブゴール点数は3に限られない。また、一度に複数のサブゴール点を移動できる。その結果、サブゴール点を移動させるための計算量を減少できる。
1 台車部
2 走行部
21a、21b 主輪
23a、23b モータ
231a、231b エンコーダ
3 検出部
31 前方検出器
33 後方検出器
5 操作部
51a、51b 操作ハンドル
53 設定部
55 表示部
57 インターフェース
59 筐体
7 制御部
71 教示部
72 位置推定部
73 記憶部
74 予定走行経路処理部
741 曲率算出部
743 サブゴール点処理部
745 データ圧縮処理部
75 モータ駆動部
751 駆動切替部
753 再現走行指令部
755 モータ制御部
76 障害物情報取得部
77 切替部
8 補助輪部
8a、8b 補助車輪
9 取付部材
11〜16 円
17 長方形
A、B、C 辺
D、F サブゴール点
E 注目サブゴール点
E’ 新たな注目サブゴール点
G 交点
H、I、J、K サブゴール点
H’、I’、J’ 点
H’’、I’’ 点
H’’’ 点(新たなサブゴール点)
R 注目円の半径
d、e、f 端子
θ 角度
φ、φ1、φ2、φ3 注目点角度
Claims (14)
- 操作者の操作により走行開始位置から走行終了位置まで走行した際の走行経路である予定走行経路を教示する教示走行モードと、前記予定走行経路を再現しながら自律的に走行する再現走行モードと、を実行する自律走行台車であって、
台車部と、
前記台車部に搭載され、前記台車部を走行させる走行部と、
前記教示走行モードの実行時に、前記走行開始位置から前記走行終了位置までに前記台車部が通過した走行環境における位置に関する情報であるサブゴール点を取得し、前記予定走行経路を表現する予定走行経路データを前記サブゴール点の集合体として記憶する教示部と、
前記予定走行経路データに含まれる1の前記サブゴール点を注目サブゴール点とし、前記注目サブゴール点と、前記注目サブゴール点から見て前記予定走行経路データの前後に存在する所定の数の前記サブゴール点と、により形成される部分予定走行経路の、前記注目サブゴール点における曲率半径である注目曲率半径を算出する曲率算出部と、
前記注目曲率半径が第1の値以下の場合に、前記注目曲率半径が第1の値より大きくなるように前記注目サブゴール点を移動させる処理を、前記注目サブゴール点を一つずつずらして行うことで全ての前記サブゴール点に対して実行し、前記予定走行経路データに前記注目曲率半径が第1の値以下である前記部分予定走行経路が存在しなくなるまで前記処理の実行を繰り返すサブゴール点処理部と、
を備える自律走行台車。 - 前記予定走行経路を教示するときに操作者により操作される操作部をさらに備える、請求項1に記載の自律走行台車。
- 前記部分予定走行経路は、前記注目サブゴール点と、前記注目サブゴール点の直前の第1サブゴール点と、前記注目サブゴール点の直後の第2サブゴール点と、含む3つの前記サブゴール点により形成される、請求項1又は2に記載の自律走行台車。
- 前記曲率算出部は、前記注目曲率半径として、前記部分予定走行経路を形成する3つの前記サブゴール点により形成される三角形の、前記注目サブゴール点における注目点角度を算出し、
前記サブゴール点処理部は、前記注目点角度が第1の角度以下であると判定した場合に、前記注目曲率半径が前記第1の値以下であると判断する、請求項3に記載の自律走行台車。 - 前記曲率算出部は、前記注目曲率半径として、前記部分予定走行経路を近似又は表現する円である注目円の半径を算出し、
前記サブゴール点処理部は、前記注目円の半径が前記第1の値以下であると判定した場合に、前記注目曲率半径が前記第1の値以下であると判断する、請求項1〜4のいずれかに記載の自律走行台車。 - 前記サブゴール点処理部は、前記注目サブゴール点を、前記部分予定走行経路を形成する前記サブゴール点により形成される多角形の重心に移動させることにより、前記部分予定走行経路の前記注目曲率半径を増加させる、請求項1〜5のいずれかに記載の自律走行台車。
- 前記予定走行経路データに含まれる前記サブゴール点の数を減らして圧縮後予定走行経路データを作成するデータ圧縮処理部をさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の自律走行台車。
- 前記データ圧縮処理部は、連続する所定の数の前記サブゴール点の位置の平均値を算出し、前記平均値に対応する位置に圧縮後サブゴール点を設定する処理を行う、請求項7に記載の自律走行台車。
- 前記曲率算出部における処理、及び、前記サブゴール点処理部における処理は、前記圧縮後予定走行経路データに対して行われる、請求項7又は8に記載の自律走行台車。
- 前記台車部の走行環境における位置を所定の制御周期毎に推定する位置推定部をさらに備える、請求項1〜9のいずれかに記載の自律走行台車。
- 台車部と、前記台車部に搭載され前記台車部を走行させる走行部とを備え、操作者の操作により走行開始位置から走行終了位置まで走行した際の走行経路である予定走行経路を教示する教示走行モードと、前記予定走行経路を再現しながら自律的に走行する再現走行モードと、を実行する自律走行台車において、前記予定走行経路を表す予定走行経路データを加工する方法であって、
前記教示走行モードの実行時に取得し記憶された前記予定走行経路データに含まれる、前記走行開始位置から前記走行終了位置までに前記台車部が通過した走行環境における位置に関する情報であるサブゴール点のうち、1の前記サブゴール点を注目サブゴール点とし、前記注目サブゴール点と、前記注目サブゴール点から見て前記予定走行経路データの前後に存在する所定の数の前記サブゴール点と、により形成される部分予定走行経路の、前記注目サブゴール点における曲率半径である注目曲率半径を算出するステップと、
前記注目曲率半径が第1の値以下の場合に、前記注目曲率半径が第1の値より大きくなるように前記注目サブゴール点を移動させる処理を、前記注目サブゴール点を一つずつずらして行うことで全ての前記注目サブゴール点に対して実行するステップと、
前記予定走行経路データに前記注目曲率半径が第1の値以下である前記部分予定走行経路が存在した場合に、前記サブゴール点を移動させる処理の実行を、前記予定走行経路データに前記注目曲率半径が第1の値以下である前記部分予定走行経路が存在しなくなるまで繰り返すステップと、
を含む予定走行経路データの加工方法。 - 前記自律走行台車は、前記予定走行経路を教示するときに操作者により操作される操作部をさらに備える、請求項11に記載の予定走行経路データの加工方法。
- 前記予定走行経路データに含まれる前記サブゴール点の数を減らして圧縮後予定走行経路データを作成するステップをさらに含む、請求項11又は12に記載の予定走行経路データの加工方法。
- 請求項11〜13のいずれかに記載の予定走行経路データの作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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