JP6402032B2 - 吊り点変更滑車機構及びそれを用いた重量物の吊り方法 - Google Patents

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本発明は、狭隘な場所で重量物を吊り位置の真上から吊ることができない場合に吊り設備と併用する吊り点変更滑車機構及びそれを用いた重量物の吊り方法に関する。
揚重するのに必要な吊り上げ寸法を十分に確保できない場所に設置された重量物、例えば、エレベータの機械室に設置される巻上機を容易に揚重することが可能な重量物揚重装置として、脚部材と水平梁部材とを馬形若しくは門形に組んで形成した架台と、架台に設置したチェーンブロックとを有する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−151476号公報
特許文献1に記載された重量物揚重装置は、狭隘なエレベータの機械室で、エレベータの巻上機を上方に移動する揚重作業を目的とするもので、重量物の移動に横移動が伴って、重量物がチェーンブロックにより斜め吊りされる状況は考慮されていないという問題がある。
例えば、狭隘な場所で行われる大型重量物の搬入作業の一例である高炉のステーブ交換工事におけるステーブ搬入作業では、図6(A)、(B)に示すように、高炉80内でステーブ81を昇降する吊り設備82から巻き解かれた巻上げワイヤロープ83の先側を高炉80の側部に設けた搬入口84の作業台85側に引き出し、巻上げワイヤロープ83の先端部を連結部材86を介して作業台85に載置したステーブ81に取付け、更に、搬入口84の上部に取付けた電動チェーンブロック87から巻き解いたチェーン88の先端部を連結部材89を介してステーブ81の吊り位置に連結して、吊り設備82の巻上げワイヤロープ83を巻き上げながら電動チェーンブロック87のチェーン88を巻き上げてステーブ81を作業台85から持上げ、ステーブ81の高炉80内に向けた横移動を開始する。このとき、電動チェーンブロック87を操作することにより、ステーブ81に細やかな動きをさせることができ、大きさ(幅)が搬入口84の開口部の大きさ(幅)とほぼ同程度のステーブ81を、搬入口84の周囲の構造物(図示せず)や搬入口84の内周部に当てないように搬入口84から高炉80内に横移動することができる。
図7に示すように、ステーブ81の高炉80内への搬入が進行すると、ステーブ81の高炉80内への横移動に伴って吊り設備82の巻上げワイヤロープ83が徐々に巻き上げられるため、高炉80内に進入したステーブ81は先側を上方に向けて徐々に傾斜する。このため、電動チェーンブロック87の姿勢も徐々に変化する。そして、ステーブ81の高炉80内への搬入がさらに進行すると、図8に示すように、ステーブ81は電動チェーンブロック87により斜め吊りされる状態となる。ここで、電動チェーンブロック87のチェーン88の巻上げ及び巻き下げは、鉛直方向にのみ行うことを想定しており、チェーン88を斜め引きして電動チェーンブロック本体に無理な(想定されない)力が作用する場合には、チェーン88が外れたり、電動チェーンブロック87が故障する要因ともなり、電動チェーンブロック87によっては自動停止することもある。このため、図7に示すステーブ81の斜め吊り状態から図8に示すステーブ81の斜め吊り状態に至る間で、電動チェーンブロック87の姿勢変化に応じてステーブ搬入作業を中断しチェーン88の掛け替えや、電動チェーンブロック87の取り替え、電動チェーンブロック87が自動停止した場合のリセットの作業を行う必要がある。その結果、ステーブ搬入作業が煩雑になると共に、作業効率が低下するという問題が生じる。更に、チェーン88の掛け替え等の作業は、高炉80内の残留ガスに注意しながら複数の作業者が連携を取りながら行う高所作業であるため、安全性の観点から好ましくない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、狭隘な場所で重量物を吊り位置の真上から吊ることができない場合に、吊り設備と併用して重量物の吊り下げ作業を安全かつ効率的に実施することが可能な吊り点変更滑車機構及びそれを用いた重量物の吊り方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る吊り点変更滑車機構は、載置状態の重量物を吊り設備で吊上げる際に、前記吊り設備の位置を前記重量物の本来の吊り下げ位置から横方向にずれた位置に変更する吊り点変更滑車機構であって、
前記吊り設備の下方に配置され、該吊り設備から巻き解かれたチェーン又はワイヤからなる線材と接触して該吊り設備の直下領域の該線材の移動方向を鉛直方向に保つと共に、該線材の移動方向を横方向に誘導する第1の滑車と、
前記第1の滑車から横方向に距離を設けて配置され、該第1の滑車を通過した前記線材と接触して該線材の移動方向を変えて前記重量物の吊り位置に誘導する第2の滑車と、
前記第1、第2の滑車を収納すると共に、該第1、第2の滑車間の距離を一定に保持するブラケットと、
前記ブラケットの外側に設けられ、該ブラケットを載置状態の前記重量物の上方に固定する連結部とを有している。
第1の発明に係る吊り点変更滑車機構において、前記第1の滑車の回転軸中心の高さ位置は、前記第2の滑車の回転軸中心の高さ位置と同一又は低くなっていることが好ましい。これによって、横移動に伴って重量物の姿勢が変化しても、線材が第2の滑車から離れる(外れる)ことを防止できる。
第1の発明に係る吊り点変更滑車機構において、前記吊り設備はチェーンブロックであって、前記第1、第2の滑車の外周部には該チェーンブロックから巻き解かれた前記チェーンの移動を案内する溝が形成されていることが好ましい。
これによって、チェーンが第1、第2の滑車の外周部に接触しながら移動方向を変える際に、チェーンの滑りを防止することができる。なお、吊り設備としてチェーンブロックを用いると、チェーンブロックは吊り能力も高く、構造が単純で動作トラブルが少なく操作性に優れ、しかも他の揚重設備と比較して寸法が小さいため、狭隘な場所でも吊上げた重量物に細やかな動きをさせることができ、吊り荷役作業の効率を高めることができる。
第1の発明に係る吊り点変更滑車機構において、前記第1、第2の滑車間には、1個又は複数個の補助滑車を配置することができる。
これにより、第1、第2の滑車間の線材を直線状だけでなく曲げることもでき、吊り設備を配置する際の自由度を高めることができる。
前記目的に沿う第2の発明に係る重量物の吊り方法は、重量物を吊り設備で吊上げる際に、前記吊り設備の位置を前記重量物の本来の吊り下げ位置から横方向にずれた位置に変更する重量物の吊り方法であって、
前記吊り設備の下方に第1の滑車を配置し該吊り設備から巻き解かれたチェーン又はワイヤからなる線材を接触させて、該吊り設備の直下領域の該線材の移動方向を鉛直方向に保ちながら該線材の移動方向を横方向に誘導すると共に、前記第1の滑車から横方向に距離を設けて配置した第2の滑車に該第1の滑車を通過した前記線材を接触させ、該線材の移動方向を変えて前記重量の吊り位置に誘導する。
第1の発明に係る吊り点変更滑車機構及び第2の発明に係る重量物の吊り方法においては、狭隘な場所で重量物を吊り位置の真上から吊ることができない場合でも、吊り設備の直下領域の線材の移動方向を鉛直方向に保つことができるので吊り設備の能力を減じることがない。そして、吊り設備の直下領域の線材の移動方向を鉛直方向に保持できるので、重量物を吊って横移動させても吊り設備の姿勢が変化せず(斜め吊り状態が発生せず)吊り設備の能力を十分に利用することができ、重量物の横移動を効率的に行うことが可能になる。
また、重量物の吊り位置から離れた位置に吊り設備を設置するので、狭隘な場所でも重量物の吊り下げ作業が吊り設備により妨げられない。その結果、狭隘な場所を有効に使用することができ、重量物の吊り下げ作業を安全かつ効率的に実施することが可能になる。
更に、重量物の吊り位置の上方には吊り設備を配置しないので、重量物の吊り下げ作業を素早く開始することができると共に、重量物の吊り下げ作業の終了後に次の作業を素早く開始することができる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る吊り点変更滑車機構の使用状態の説明図、(B)、(C)は同吊り点変更滑車機構の拡大側面図、拡大正面図である。 (A)、(B)は同吊り点変更滑車機構を使用した重量物の吊り方法の説明図である。 同吊り点変更滑車機構を使用した重量物の吊り方法の説明図である。 同吊り点変更滑車機構を使用した重量物の吊り方法の説明図である。 同吊り点変更滑車機構を使用した重量物の吊り方法の作用の説明図である (A)、(B)は高炉のステーブ交換工事における従来例に係るステーブ搬入作業の搬入状態を示す側面図、正面図である。 高炉のステーブ交換工事における従来例に係るステーブ搬入作業の搬入状態を示す側面図である。 高炉のステーブ交換工事における従来例に係るステーブ搬入作業の搬入状態を示す側面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係る吊り点変更滑車機構10は、作業台11に支持部材12を介して載置された重量物13を、作業台の上方に配置された部材14に取付けられた吊り設備の一例である電動チェーンブロック15で吊り上げる際に、通常は重量物13の吊り位置Pの上方に電動チェーンブロック15を配置するが、この電動チェーンブロック15の位置を重量物13の本来の吊り下げ位置から横方向にずれた位置に変更するものである。
なお、重量物13の吊り上げは、複数の作業者が合図連絡を取りながら行うのが一般的なやり方であるので、電動チェーンブロック15の取付位置は、操作員の安全、電動チェーンブロック15の操作員と他の作業者との間の合図連絡の取り易さ、電動チェーンブロック15の取り付け易さ等の条件を考慮して決定される。
図1(B)に示すように、吊り点変更滑車機構10は、電動チェーンブロック15の下方に配置され、電動チェーンブロック15から巻き解かれたチェーン(線材の一例)16と接触して、電動チェーンブロック15の直下領域のチェーン16の移動方向を鉛直方向に保つと共に、チェーン16の移動方向を鉛直方向から横方向に誘導する第1の滑車17と、第1の滑車17から横方向に距離Lを設けて配置され、第1の滑車17を通過したチェーン16と接触してチェーン16の移動方向を横方向から重量物13の吊り位置Pに向けて誘導する第2の滑車18と、第1、第2の滑車17、18を収納する(第1、第2の滑車17、18の回転軸17a、18aの両側を支持する)と共に、第1、第2の滑車17、18(第1、第2の滑車17、18の回転軸17a、18a)間の距離Lを一定に保持するブラケット19と、ブラケット19の上部外側に設けられ、作業台11の上方に配置された部材20に対してブラケット19を作業台11に載置された重量物13の上方に固定する連結部21とを有している。ここで、横方向は、水平方向を中心として斜め上向きとなる方向又は斜め下向きとなる方向をさす。
重量物13を吊り位置Pの真上から吊ることができない場合でも、電動チェーンブロック15の直下領域のチェーン16の移動方向を鉛直方向に保つことができるので電動チェーンブロック15の姿勢が変わらず、電動チェーンブロック15の能力を減じることがない。また、重量物13の吊り位置Pから離れた位置に電動チェーンブロック15を設置することができるので、電動チェーンブロック15によって重量物13の吊り上げや横移動が妨げられず、狭隘な場所でも重量物13の吊り下げ作業を容易に行うことができる。更に、電動チェーンブロック15の設置場所を重量物13の吊り位置Pの上方に設ける必要がないので、電動チェーンブロック15の操作が行いやすい場所や重量物13の吊り作業の状況確認が容易な場所等に電動チェーンブロック15を配置することができ、重量物13の吊り作業を安全かつ効率的に行うことができる。
図1(C)に示すように、第1、第2の滑車17、18の外周部には、電動チェーンブロック15から巻き解かれたチェーン16の移動を案内する特殊な形状の溝17b、18bが形成されている。これによって、チェーン16が第1、第2の滑車17、18の外周部に接触しながら移動方向を変える際に、チェーン16の環の変形及び滑りを防止することができる。
第1の滑車17の回転軸17aの中心の高さ位置は、第2の滑車18の回転軸18aの中心の高さ位置と同一又は低くなるように、高さ位置関係がブラケット19により調整されるのが望ましい。これによって、吊り上げた重量物を横移動させて重量物の姿勢が変化しても、第2の滑車18に対して斜め下方から移動して来るチェーン16を第2の滑車18の頂上部に接触させて、第2の滑車18の頂上部から斜め下方に向けて移動させることができる。その結果、チェーン16が第2の滑車18から離れる(外れる)ことを防止でき、重量物13の荷重を第2の滑車18で常時受けて安定した吊り上げ状態を確保できる。
また、第1、第2の滑車17、18間には、1個又は複数個の補助滑車(図示せず)を配置してもよい。即ち、補助滑車が無ければ第1、第2の滑車17、18間のチェーン16の移動経路(ルート)は直線状になるが、補助滑車を配置することで第1、第2の滑車17、18間におけるチェーン16のルートを曲げることが可能になる。例えば、第1、第2の滑車間の距離が長く、第1、第2の滑車間を結ぶ直線上に障害物が存在する場合、第1、第2の滑車間を移動するチェーンのルートが通過する平面内に補助滑車を配置すると、第1、第2の滑車間を移動するチェーンのルートを曲げることができ、障害物を迂回してチェーンを移動させることが可能になる。ただし、チェーンのルートを曲げると、ブラケットの形状を曲げられたチェーンのルートに従った複雑な形状にすると共に、補助滑車と第1、第2の滑車とのそれぞれの距離(相対位置)が常に一定に保たれるようにブラケットを堅固な構造にする必要がある。これにより、電動チェーンブロック15を配置する際の自由度(設置場所の自由度)を高めることができる。
続いて、本発明の一実施の形態に係る吊り点変更滑車機構10を用いた重量物の吊り方法を、高炉のステーブ交換作業におけるステーブの搬入口から高炉内への搬入作業でステーブの姿勢調整を行うためにステーブを吊り下げる補助吊り設備である電動チェーンブロック15に対して適用した場合について説明する。
図2(A)、(B)に示すように、高炉22のステーブ(重量物の一例)23の交換作業では、高炉22の側部に形成した搬入口24の外側に、先側が搬入口24を貫通して高炉22内に突出する作業台25を設置し、新たに取り付けるステーブ23を作業台25に載置する。そして、高炉22内でステーブ23を吊って交換位置まで移動する電動チェーンブロック26から巻き解いたチェーン27の先端部を連結部材28を介してステーブ23に連結し、電動チェーンブロック26のチェーン27を巻き上げてステーブ23を横移動させながら高炉22内に引き込むことが行われる。ここで、ステーブ23の幅は搬入口24の開口部の大きさとほぼ同程度であり、ステーブ23には図示しない配管等の構造物(図示せず)が取り付けられている。
そこで、ステーブ23を横移動させる際にステーブ23やステーブ23に取り付けた構造物を、搬入口24の周囲の構造物(図示せず)や搬入口24の内周部に当てないように、ステーブ23の姿勢調整を行いながらステーブ23の横移動を行うために、高炉22の外周部に設置したガス捕集管29の下部に、ワイヤロープ30を介して作業台25の上方に搬入口24の幅方向に沿って2つの電動チェーンブロック15を並べて吊り下げると共に、搬入口24の上部の梁31に連結部21を介してブラケット19を固定することにより吊り点変更滑車機構10を各電動チェーンブロック15の下方に配置する。なお、搬入口24の上部に梁31が存在しなければ、搬入口24の上部側の構造物に溶接によりブラケット19を固定してもよい。
吊り点変更滑車機構10を搬入口24の上部に取り付けることにより、電動チェーンブロック15から巻き解いたチェーン16を吊り点変更滑車機構10の第1の滑車17に接触させて、電動チェーンブロック15の直下領域のチェーン16の移動方向を鉛直方向に保ちながらチェーン16の移動方向を横方向に誘導することができ、第1の滑車17を通過し横方向に移動方向を変えたチェーン16を第2の滑車18の外周部に接触させて、チェーン16の移動方向を変えてステーブ23の吊り位置に誘導することができる。これにより、電動チェーンブロック15を、ステーブ23の吊り位置の上方ではなく、操作員にとって望ましい位置に設置することができ、作業の効率化(搬入口24の上部に電動チェーンブロックを取り付けないため、搬入口24の開口部の広さを有効に利用できステーブ23の姿勢調整が容易になる)、作業の安全性の向上(落下の危険性がなく、高炉22内の有毒ガスによる危険性が低くなる)を図ることができる。
更に、ステーブ23の高炉22内への搬入作業では、図2(A)、(B)に示すように、電動チェーンブロック15で吊り下げたステーブ23を横移動させてステーブ23の先側を高炉22内に挿入すると、図3に示すように、電動チェーンブロック26によるチェーン27の巻き上げと電動チェーンブロック15によるチェーン16の巻き上げを連携して行うことにより、ステーブ23は先側が高炉22内で徐々に持上げられ、ステーブ23の高炉22内への搬入作業が完了した時点では、図4に示すように、ステーブ23は高炉22内で電動チェーンブロック26のチェーン27で吊り下げられた状態となる。
このように、ステーブ23の横移動及び高炉22内での姿勢変化に伴って、ステーブ23を作業台25上で吊り下げている電動チェーンブロック15のチェーン16では、第2の滑車18からステーブ23側に伸びる領域においてチェーン16の進行方向が、第2の滑車18を支点として図2ではR方向、図3ではS方向、図4ではT方向へと変化する(図5参照)が、電動チェーンブロック15の直下領域のチェーン16の移動方向は、第1の滑車17により鉛直方向に保たれる。その結果、ステーブ23の搬入作業においてステーブ23を横移動しても、ステーブ23の姿勢を高炉22内で変化させても、電動チェーンブロック15でステーブ23を直接斜め吊りする状態、即ち、電動チェーンブロック15の姿勢が変化することはない。このため、従来のように、電動チェーンブロックの姿勢変化に起因する様々なトラブルがなくなり、ステーブ23の搬入作業を効率的に行うことができ、休風時に行う(時間的制約がある)ステーブ交換工事が容易となる。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
本実施の形態では、吊り点変更滑車機構を用いた重量物の吊り方法を高炉内へのステーブの搬入作業に適用した場合について説明したが、例えば、工場内への機器の搬入、工場内からの機器の搬出に適用することもできる。また、吊り設備から巻き解かれる線材としてチェーンを用いたが、ワイヤを使用することもできる。
10:吊り点変更滑車機構、11:作業台、12:支持部材、13:重量物、14:部材、15:電動チェーンブロック、16:チェーン、17:第1の滑車、17a:回転軸、17b:溝、18:第2の滑車、18a:回転軸、18b:溝、19:ブラケット、20:部材、21:連結部、22:高炉、23:ステーブ、24:搬入口、25:作業台、26:電動チェーンブロック、27:チェーン、28:連結部材、29:ガス捕集管、30:ワイヤロープ、31:梁

Claims (5)

  1. 載置状態の重量物を吊り設備で吊上げる際に、前記吊り設備の位置を前記重量物の本来の吊り下げ位置から横方向にずれた位置に変更する吊り点変更滑車機構であって、
    前記吊り設備の下方に配置され、該吊り設備から巻き解かれたチェーン又はワイヤからなる線材と接触して該吊り設備の直下領域の該線材の移動方向を鉛直方向に保つと共に、該線材の移動方向を横方向に誘導する第1の滑車と、
    前記第1の滑車から横方向に距離を設けて配置され、該第1の滑車を通過した前記線材と接触して該線材の移動方向を変えて前記重量物の吊り位置に誘導する第2の滑車と、
    前記第1、第2の滑車を収納すると共に、該第1、第2の滑車間の距離を一定に保持するブラケットと、
    前記ブラケットの外側に設けられ、該ブラケットを載置状態の前記重量物の上方に固定する連結部とを有することを特徴とする吊り点変更滑車機構。
  2. 請求項1記載の吊り点変更滑車機構において、前記第1の滑車の回転軸中心の高さ位置は、前記第2の滑車の回転軸中心の高さ位置と同一又は低くなっていることを特徴とする吊り点変更滑車機構。
  3. 請求項1又は2記載の吊り点変更滑車機構において、前記吊り設備はチェーンブロックであって、前記第1、第2の滑車の外周部には該チェーンブロックから巻き解かれた前記チェーンの移動を案内する溝が形成されていることを特徴とする吊り点変更滑車機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の吊り点変更滑車機構において、前記第1、第2の滑車間には、1個又は複数個の補助滑車が配置されていることを特徴とする吊り点変更滑車機構。
  5. 重量物を吊り設備で吊上げる際に、前記吊り設備の位置を前記重量物の本来の吊り下げ位置から横方向にずれた位置に変更する重量物の吊り方法であって、
    前記吊り設備の下方に第1の滑車を配置し該吊り設備から巻き解かれたチェーン又はワイヤからなる線材を接触させて、該吊り設備の直下領域の該線材の移動方向を鉛直方向に保ちながら該線材の移動方向を横方向に誘導すると共に、前記第1の滑車から横方向に距離を設けて配置した第2の滑車に該第1の滑車を通過した前記線材を接触させ、該線材の移動方向を変えて前記重量の吊り位置に誘導することを特徴とする重量物の吊り方法。
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