JP6401834B1 - 透過型光電陰極及び電子管 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過性導電層として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる透過型光電陰極及び電子管を提供する。【解決手段】透過型光電陰極2は、光が入射する外側面4a、及び外側面4a側から入射した光を出射する内側面4bを有する光透過性基板4と、光透過性基板4の光出射側に設けられ、内側面4bから出射される光を光電子に変換する光電変換層9と、光透過性基板4と光電変換層9との間に設けられ、単層のグラフェンからなる光透過性導電層7と、光電変換層9と光透過性導電層7との間に設けられ、光透過性を有する熱応力緩和層8と、を備える。熱応力緩和層8の熱膨張係数は、光電変換層9の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェンの熱膨張係数よりも大きい。【選択図】図4

Description

本発明は、透過型光電陰極及び電子管に関する。
透過型光電陰極として、光が入射する第1表面、及び第1表面側から入射した光を出射する第2表面を有する光透過性基板と、光透過性基板の光出射側に設けられ、第2表面から出射される光を光電子に変換する光電変換層と、光透過性基板と光電変換層との間に設けられ、グラフェンからなる光透過性導電層と、を備えるものがある(例えば特許文献1参照)。
特許第5899197号公報
上述したような透過型光電陰極では、高い光透過性と高い導電性とを併せ持つグラフェンからなる光透過性導電層が光透過性基板と光電変換層との間に設けられることにより、十分な感度の保持とリニアリティの向上との両立が図られている。このような透過型光電陰極において感度を更に高めるためには、光透過性導電層を単層のグラフェンによって構成することが考えられるが、光透過性基板及び光電変換層の種類によっては、製造時に光透過性導電層に皺又は破損等の欠陥が生じ、それらの欠陥が発生した位置において感度が低下する場合がある。
そこで、本発明は、光透過性導電層として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる透過型光電陰極及び電子管を提供することを目的とする。
本発明の透過型光電陰極は、光が入射する第1表面、及び第1表面側から入射した光を出射する第2表面を有する光透過性基板と、光透過性基板の第2表面側に設けられ、第2表面から出射される光を光電子に変換する光電変換層と、光透過性基板と光電変換層との間に設けられた単層のグラフェンからなる光透過性導電層と、光電変換層と光透過性導電層との間に設けられた光透過性を有する熱応力緩和層と、を備え、熱応力緩和層の熱膨張係数は、光電変換層の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェンの熱膨張係数よりも大きい。
この透過型光電陰極では、光透過性導電層が単層のグラフェンによって構成されている。これにより、光透過性導電層が複層のグラフェンによって構成されている場合と比べて、光透過性導電層の光透過率を高くすることができ、感度を高めることができる。また、本発明者らは、上述したような光透過性導電層の欠陥は、光透過性導電層上に光電変換層を形成する際に、グラフェンと光電変換層との間の熱膨張係数の差に起因して生じているとの知見を見出した。この知見に基づき、この透過型光電陰極では、光電変換層の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェンの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する熱応力緩和層が、光電変換層と光透過性導電層との間に設けられている。これにより、光電変換層の形成時に光透過性導電層に作用する熱応力を緩和することができる。その結果、光透過性導電層として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる。
本発明の透過型光電陰極では、熱応力緩和層の熱膨張係数は、0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下であってもよい。この場合、光透過性導電層に欠陥が生じるのを確実に抑制することができる。
本発明の透過型光電陰極では、熱応力緩和層は、酸化物又はフッ化物からなっていてもよい。この場合、光透過性導電層に欠陥が生じるのを一層確実に抑制することができる。
本発明の透過型光電陰極では、熱応力緩和層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、酸化シリコン又はフッ化マグネシウムからなっていてもよい。この場合、光透過性導電層に欠陥が生じるのをより一層確実に抑制することができる。
本発明の透過型光電陰極では、光透過性基板は、紫外線透過材料からなっていてもよい。この場合、紫外線を含む波長領域において高い感度を有する透過型光電陰極において、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる。
本発明の透過型光電陰極では、光電変換層は、アンチモン又はテルルと、アルカリ金属とを含んで構成されていてもよい。この場合、紫外線を含む波長領域において高い感度を有する透過型光電陰極において、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる。
本発明の電子管は、上記透過型光電陰極を備えている。この電子管によれば、上記と同様に、光透過性導電層として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる。
本発明によれば、光透過性導電層として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層に欠陥が生じるのを抑制することができる。
実施形態に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管を示す平面図である。 図1に示される光電子増倍管の底面図である。 図1のIII-III線に沿っての断面図である。 図1に示される透過型光電陰極の概略側断面図である。 (a)及び(b)は、図1に示される透過型光電陰極において光透過性導電層のグラフェン層数を変化させた場合の量子効率の測定結果を示すグラフである。 (a)は、実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管の外観を示す図であり、(b)は、比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管の外観を示す図である。 (a)は、実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管のカソードユニフォミティの測定結果を示す図であり、(b)は、比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管のカソードユニフォミティの測定結果を示す図である。 実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管、及び比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管の量子効率の測定結果を示すグラフである。 実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管、及び比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管のカソードリニアリティの測定結果を示すグラフである。 実施例1〜6に係る透過型光電陰極の構成を示す表である。 (a)〜(c)は、実施例1〜3に係る透過型光電陰極における光透過性導電層の顕微鏡による観察結果を示す図である。 (a)〜(c)は、実施例4〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層の顕微鏡による観察結果を示す図である。 実施例1〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層のラマンスペクトルを示すグラフである。 実施例1〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層の熱膨張係数とG/D比との関係を示すグラフである。 (a)〜(d)は、実施例1に係る透過型光電陰極において光透過性導電層のグラフェン層数を変化させた場合の顕微鏡による観察結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る透過型光電陰極の実施形態を説明する。なお、以下の説明において「上」、「下」等の語は図面に示される状態に基づく便宜的なものである。各図において同一又は相当の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面においては、一部、本発明に係る特徴部分を分かり易く説明するために誇張している部分があり、実際の寸法とは異なっている。本実施形態では、光電子増倍管1における透過型の光電陰極として用いられる透過型光電陰極2を例に挙げて説明する。
図1〜図3に示すように、電子管である光電子増倍管1は、略円筒形状をなす金属製の側管3を有している。図3に示すように、円筒状の側管3の上側端部には、導電性材料からなるシール部材5を介して、透過型光電陰極2が気密に固定されている。透過型光電陰極2は、入射光(検出光)に対して良好な光透過性を有する光透過性基板4を備え、光透過性基板4の光出射側(内側面4b側)には、導電性材料からなるコンタクト部6と、光透過性及び導電性を有する光透過性導電層7と、光透過性及び導電性を有する熱応力緩和層8とを介して、光電変換層9が設けられている。光電変換層9は、光透過性基板4、光透過性導電層7及び熱応力緩和層8を透過して入射した光を光電子に変換する。光透過性導電層7は、コンタクト部6に接触しており、シール部材5を介して側管3に電気的に接続されている。本実施形態に係る透過型光電陰極2は、光透過性基板4、コンタクト部6、光透過性導電層7、熱応力緩和層8及び光電変換層9によって構成されている。透過型光電陰極2の構成の詳細については、光電子増倍管1の全体構成を説明した後に説明する。
図2及び図3に示すように、側管3の下側の開口端には、円板状のステム10が配置されている。ステム10には、略円周上の位置に周方向に互いに離間して配置された複数の導電性のステムピン11が、気密に挿着されている。各ステムピン11は、ステム10の上面側及び下面側の互いに対応する位置に形成された開口10aに挿通されている。また、ステム10を側方から包囲するように、金属製のリング状側管12が、気密に固定されている。そして、図3に示すように、上側の側管3の下端部に形成されたフランジ部3aと下側のリング状側管12の上端部に形成された同径のフランジ部12aとが互いに溶接され、側管3とリング状側管12とが互いに気密に固定されている。これにより、側管3、シール部材5、コンタクト部6、光透過性基板4及びステム10により構成され、内部が真空状態に保たれた密封容器13が形成されている。
このように形成された密封容器13内には、光電変換層9から放出された光電子を増倍するための電子増倍部14が収容されている。この電子増倍部14は、電子増倍孔を多数有する薄板状のダイノード板15が複数段に積層されることによりブロック状に形成されており、ステム10の上面に設置されている。各ダイノード板15の縁部には、図1に示すように、外側に突出するダイノード板接続片15cが形成されている。各ダイノード板接続片15cの下面側には、ステム10に挿着された所定のステムピン11の先端部分が溶接固定されている。これにより、各ダイノード板15と各ステムピン11との電気的な接続がなされている。
さらに、図3に示すように、密封容器13内において、電子増倍部14と光電変換層9との間には、光電変換層9から放出された光電子を電子増倍部14に収束させて導くための平板状の収束電極16が設置されている。最終段のダイノード板15bよりも1つ上の段には、電子増倍部14により増倍され最終段のダイノード板15bから放出された二次電子を出力信号として取り出すための平板状のアノード(陽極)17が積層されている。図1に示すように、収束電極16の四隅には、外側に突出する突出片16aがそれぞれ形成され、この各突出片16aに所定のステムピン11が溶接固定されることで、ステムピン11と収束電極16との電気的な接続がなされている。また、アノード17の所定の縁部にも、外側に突出するアノード接続片17aが形成され、このアノード接続片17aにステムピン11の一つであるアノードピン18が溶接固定されることで、アノードピン18とアノード17との電気的な接続がなされている。そして、図示しない電源回路に接続したステムピン11によって、光電変換層9と収束電極16とが同電位となり、且つ各ダイノード板15が積層順に上段から下段に行くにつれて高電位となるように、電圧が印加される。また、アノード17が最終段のダイノード板15bよりも高電位となるように電圧が印加される。
図3に示すように、ステム10は、ベース材19と、ベース材19の上側(内側)に接合された上側押え材20と、ベース材19の下側(外側)に接合された下側押え材21とによる3層構造とされ、その側面には上述したリング状側管12が固定されている。本実施形態においては、ステム10を構成するベース材19の側面とリング状側管12の内壁面とを接合することにより、リング状側管12に対してステム10を固定している。
続いて、図4を参照しつつ、透過型光電陰極2の構成の詳細について説明する。図4は、透過型光電陰極2の概略側断面図である。上述したように、透過型光電陰極2は、光透過性基板4、コンタクト部6、光透過性導電層7、熱応力緩和層8及び光電変換層9を備えており、シール部材5を介して側管3の上側端部に固定されている。光透過性基板4は、例えば紫外線透過材料からなり、紫外線に対して良好な光透過性を有している。光透過性基板4を構成する材料としては、二酸化シリコン(SiO)及び酸化ホウ素(B)を主成分として含む紫外線透過ガラス(UVガラス)、合成石英又はコバールガラス等を用いることができる。光透過性基板4は、側管3の上側端部の形状に対応した円板状に形成されており、外部空間に面し、光が入射する外側面(第1表面)4aと、真空空間に面し、外側面4aと対向する内側面(第2表面)4bとを有している。外側面4a側から入射した光は、光透過性基板4内を透過して内側面4bから出射する。
シール部材5は、例えばアルミニウム等の金属によって側管3の上側端部の形状に対応した円環状に形成されている。コンタクト部6は、例えばクロム等の金属によって円環状に形成された金属膜である。コンタクト部6は、例えば100mm程度の膜厚を有し、シール部材5と電気的に接続されている。コンタクト部6は、光透過性基板4の内側面4b上に例えば蒸着によって設けられている。コンタクト部6の外縁は、光透過性基板4の外縁に沿っており、コンタクト部6の内縁は、光透過性基板4の中央部に配置された光電変換領域4cを包囲している。換言すれば、コンタクト部6の内縁によって、光透過性基板4の中央部に光電変換領域4cが規定されている。
光透過性基板4の内側面4bにおいてコンタクト部6が設けられていない円領域である光電変換領域4c上には、光透過性導電層7が直接に接触した状態で設けられている。光透過性導電層7は、単層のグラフェンからなる。光透過性導電層7の厚さは、例えば0.3nm程度である。光透過性導電層7は、光電変換領域4cの全体を覆うと共に、その外縁部においてコンタクト部6上に乗り上げるように配置されており、コンタクト部6と電気的に接続されている。より詳細には、光透過性導電層7は外縁部の全周においてコンタクト部6の内縁部上に乗り上げるように配置されており、光透過性導電層7の外縁部とコンタクト部6の内縁部とは全周にわたって重なっている。光透過性導電層7は、その全体が後述する熱応力緩和層8によって直接に覆われることが好ましい。そのため、光透過性導電層7は、光透過性基板4とコンタクト部6との間に挟まれるように配置されるのではなく、本実施形態のように、コンタクト部6上に乗り上げるように配置されるのが好ましい。なお、本実施形態では、光透過性導電層7が外縁部の全周においてコンタクト部6上に乗り上げるように配置されているが、それに限られない。光透過性導電層7によって光電変換領域4cの全体が覆われ、且つ光透過性導電層7とコンタクト部6とが電気的に接続されていればよく、例えば光透過性導電層7が周方向の一部においてコンタクト部6上に乗り上げるように配置されていてもよい。ただし、光透過性導電層7が外縁部の全周においてコンタクト部6上に乗り上げるように配置されている方が、光電変換領域4c内における電気抵抗分布が均一になり易いため、カソードユニフォミティ向上の観点から好ましい。
光透過性導電層7の下面側には、光透過性導電層7の全体を覆うように熱応力緩和層8が設けられている。より詳細には、熱応力緩和層8は、光透過性導電層7に直接に接触した状態で、光透過性導電層7の下面の全体を覆っている。また、熱応力緩和層8は、その外縁部が光透過性導電層7の外縁よりも外側に位置するように設けられ、コンタクト部6の一部を覆っている。換言すれば、熱応力緩和層8は、光透過性導電層7とコンタクト部6との境界を超えてコンタクト部6の一部までを覆うような範囲に設けられている。本実施形態では、熱応力緩和層8は、外縁部においてシール部材5に接触している。なお、熱応力緩和層8は、少なくとも光透過性導電層7の全体を覆っていればよいが、光透過性導電層7の外端部を保護するために、本実施形態のように光透過性導電層7を超えてコンタクト部6まで至るように設けられるのが好ましい。また、熱応力緩和層8の全体が光透過性導電層7及びコンタクト部6上、つまり導電層上に配置されることによって、熱応力緩和層8を介した光電変換層9への電荷供給が良好に行われる。
熱応力緩和層8は、光透過性導電層7よりも光透過性及び導電性において劣るが、光電変換層9よりも光透過性において優れている。熱応力緩和層8は、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化クロム(Cr)、酸化ガリウム(Ga)、二酸化シリコン(SiO)又はフッ化マグネシウム(MgF)等からなる。熱応力緩和層8は、入射光の反射を抑制しつつ、光透過性導電層7から光電変換層9への電荷供給を阻害しないように、例えば10nm程度の膜厚を有し、光透過性導電層7よりも厚く形成されている。熱応力緩和層8は、例えば蒸着によって形成される。熱応力緩和層8は、後述するように光電変換層9の形成時に高温環境下に配置されるため、熱的に安定した材料によって構成されている。また、熱応力緩和層8は、密封容器13内(真空空間内)に配置されるため、ガス放出が少ない材料によって構成されている。更に、熱応力緩和層8は、光透過性導電層7との界面及び光電変換層9との界面における入射光の反射を抑制できるような屈折率を有する材料によって構成されている。ただし、光透過性導電層7を構成する単層のグラフェンは非常に薄く、光透過性導電層7による反射への影響は比較的小さいため、熱応力緩和層8は、光透過性基板4と光電変換層9との間の屈折率を有する材料によって構成されていてもよい。
熱応力緩和層8の下面側には、熱応力緩和層8を覆うように、光電変換層9が設けられている。より詳細には、光電変換層9は、光透過性導電層7に直接に接触しない状態で、熱応力緩和層8の下面の全体を覆っている。光電変換層9は、光電変換領域4cを覆うように設けられている。換言すれば、光電変換層9は、光の入射方向(図4中の上下方向)から見た場合に光電変換領域4cを含む領域に設けられている。光電変換層9は、光透過性基板4の内側面4bから出射される光を光電子に変換する。光電変換層9は、例えばバイアルカリ光電面又はセシウム・テルル光電面等である。バイアルカリ光電面は、アンチモン(Sb)に対して二種類のアルカリ金属を反応させて活性化させることにより得られ、アンチモンと二種類のアルカリ金属とを含んで構成される。アンチモンに対して反応させる二種類のアルカリ金属の組み合わせとしては、カリウム(K)とセシウム(Cs)の組み合わせ、ルビジウム(Rb)とセシウムの組み合わせ、又はナトリウム(Na)とカリウムの組み合わせ等が挙げられる。セシウム・テルル光電面は、テルル(Te)とセシウムとを含んで構成される。なお、熱応力緩和層8と光電変換層9との間に別の層が更に設けられていてもよい。
ここで、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、光電変換層9の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェン(光透過性導電層7)の熱膨張係数よりも大きい。より具体的には、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下であるのが好ましい。さらに、熱応力緩和層8は酸化物又はフッ化物からなるのが好ましい。例えば、熱応力緩和層8を構成する材料としては、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、二酸化シリコン、フッ化マグネシウムが挙げられ、その場合の熱応力緩和層8の熱膨張係数は、それぞれ、7.0×10−6/K,3.8×10−6/K,6.2×10−6/K,8.2〜8.5×10−6/K,0.5×10−6/K,8.48×10−6/Kとされている。対して、光電変換層9の熱膨張係数は、例えばアンチモンを含むバイアルカリ光電面の場合、アンチモンの熱膨張係数と等しいとみなすことができ、12.0×10−6/Kとされている。また、光電変換層9がセシウム・テルル光電面である場合、光電変換層9の熱膨張係数は、テルルの熱膨張係数と等しいとみなすことができ、16.8×10−6/Kとされている。そして、グラフェンの熱膨張係数は、(−8.0±0.7)×10−6/Kとされている。また、光透過性基板4の熱膨張係数は、光透過性基板4が合成石英、紫外線透過ガラス、コバールガラスからなる場合、それぞれ、0.5×10−6/K,4.1×10−6/K,3.2×10−6/Kとされており、光電変換層9の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェン(光透過性導電層7)の熱膨張係数よりも大きい。なお、グラフェンの熱膨張係数については、例えば下記参考文献に記載されている。
(参考文献)DuheeYoon, Young-Woo Son, and Hyeonsik Cheong, "Negative Thermal ExpansionCoefficient of Graphene Measured by Raman Spectroscopy", NANO LETTERS, 2011, 11 (8), pp.3227-3231
したがって、例えば熱応力緩和層8が酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、二酸化シリコン又はフッ化マグネシウムからなり、且つ光電変換層9がバイアルカリ光電面又はセシウム・テルル光電面である場合、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、光電変換層9の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェンの熱膨張係数よりも大きい。これらの場合、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下である。また、その際、光透過性基板4が合成石英、紫外線透過材料又はコバールガラスである場合には、熱応力緩和層8の熱膨張係数と光透過性基板4との熱膨張係数の差は、8.0×10−6/K以下である。なお、熱応力緩和層8が酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム又はフッ化マグネシウムからなり、且つ光透過性基板4が合成石英、紫外線透過材料又はコバールガラスからなり、且つ光電変換層9がバイアルカリ光電面又はセシウム・テルル光電面である場合、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、光透過性基板4の熱膨張係数とグラフェンの熱膨張係数と光電変換層9の熱膨張係数の総和を6で除した値よりも大きく、且つ10.0×10−6/K以下である。また、光透過性基板4が合成石英からなり、且つ熱応力緩和層8が二酸化シリコンからなる場合、光透過性基板4及び熱応力緩和層8の双方が二酸化シリコンを含んで構成されることとなる。
続いて、透過型光電陰極2を製造する方法の一例について説明する。まず、光透過性基板4の内側面4bの外周縁部にクロムを蒸着することにより、コンタクト部6を形成する。続いて、光透過性基板4の内側面4b上における光電変換領域4cの全体を覆うとともに、外縁部の全周においてコンタクト部6の内縁部上に乗り上げるように、グラフェンからなる光透過性導電層7を配置する。このグラフェンの配置は、例えば銅箔上にCVDによって膜状の単層グラフェンを成膜し、成膜されたグラフェンを光透過性基板4の内側面4b上の光電変換領域4cの全体を覆うように転写することによってなされる。続いて、コンタクト部6の下面に対してシール部材5を接合することで、シール部材5を介した光透過性基板4と側管3との気密接合を行う。続いて、側管3内に露出したコンタクト部6の下面側及び光透過性導電層7の下面側の全体を覆うように例えば酸化アルミニウムを蒸着することにより、熱応力緩和層8を形成する。続いて、熱応力緩和層8の下面側の全体を覆うように例えばアンチモンを蒸着する。そして、トランスファー装置を用いてアンチモンにカリウム及びセシウム等のアルカリ金属を反応させて活性化させることにより、光電変換層9としてのバイアルカリ光電面を形成する。その後、電子増倍部14が設置されたステム10が気密に固定されたリング状側管12のフランジ部12aを、側管3のフランジ部3aに溶接することにより、密封容器13を形成する。これにより、光電子増倍管1が得られる。
続いて、図5(a)及び図5(b)を参照しつつ、光透過性導電層7が単層のグラフェンによって構成されることの優位性について説明する。図5(a)及び図5(b)は、透過型光電陰極2において光透過性導電層7のグラフェン層数を変化させた場合の量子効率の測定結果を示すグラフである。図5(a)の例では熱応力緩和層8が酸化アルミニウムからなり、図5(b)の例では熱応力緩和層8が酸化ハフニウムからなる。
図5(a)及び図5(b)に示すように、熱応力緩和層8が酸化アルミニウム及び酸化ハフニウムのいずれの場合の例においても、光透過性導電層7が2層のグラフェンによって構成される場合よりも、1層のグラフェンによって構成される場合の方が、感度が高かった。特に、可視領域においては感度差が比較的小さかったが、波長が250nm〜350nmの範囲では感度差が大きかった。これは、波長が250nm〜350nmの範囲においてはグラフェンによるπ電子の吸収率が高いためであると考えられる。これらのことから、感度向上の観点からは、光透過性導電層7が単層のグラフェンによって構成されることが好適であることが分かる。
続いて、図6(a)〜図9を参照しつつ、光透過性導電層7と光電変換層9との間に熱応力緩和層8が設けられることの優位性について説明する。図6(a)及び図6(b)は、実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管、及び比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管の外観を示す図である。図7(a)及び図7(b)は、実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管、及び比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管のカソードユニフォミティの測定結果を示す図である。図8及び図9は、実施例1に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管、及び比較例に係る透過型光電陰極を用いた光電子増倍管の量子効率及びカソードリニアリティの測定結果を示すグラフである。
ここで、実施例1は、上記光電子増倍管1において、光透過性基板4が紫外線透過材料からなり、且つ熱応力緩和層8が酸化アルミニウムからなり、且つ光電変換層9がバイアルカリ光電面である場合と同等のサンプルである。比較例は、実施例1において熱応力緩和層8が形成されていない場合と同等のサンプルである。
図6(a)及び図6(b)に示すように、実施例1では光透過性導電層の状態が良好であったが、比較例では光透過性導電層の中央部を含む広範囲に皺(染み)が発生していた。このことから、光透過性導電層7上に光電変換層9が直接形成されるよりも、光透過性導電層7上に熱応力緩和層8を介して光電変換層9が形成される方が好適であることが分かる。
図7(a)及び図7(b)に示すように、実施例1ではカソードユニフォミティ(出力感度の均一性)が光電変換層の全体にわたって良好であったが、比較例では皺が発生した領域において感度が低下しており、カソードユニフォミティが劣化していた。また、図8に示すように、実施例1では250nm〜500nmの波長域において高い感度が得られたが、比較例ではカソードユニフォミティの劣化に伴って感度も低下していた。
図9のグラフの横軸は、カソード出力電流値を示しており、縦軸は、理想的な直線性(リニアリティ)を示す場合の電流値(理想値)に対するカソード出力電流値のずれの程度を表す変化率を示している。つまり、変化率が0%に近いほど、直線性が良いことを示している。図9に示すように、実施例1及び比較例の双方とも良好なカソードリニアリティを有していた。このことから、比較例では光電変換層に皺が発生していたが、光電変換層とコンタクト部との間の導通は保たれていたことが分かる。
以上説明したように、本実施形態に係る透過型光電陰極2では、光透過性導電層7が単層のグラフェンによって構成されている。これにより、光透過性導電層7が複層のグラフェンによって構成されている場合と比べて、光透過性導電層7の光透過率を高くすることができ、感度を高めることができる。
また、本発明者らは、光透過性導電層7に生じる欠陥は、光透過性導電層7上に金属層(例えばアンチモンからなる層)を形成し、その金属層にアルカリ金属(例えばカリウム及びセシウム)を反応させて光電変換層9を形成する際に、グラフェン(光透過性導電層7)と光電変換層9との間の熱膨張係数の差に起因して生じているとの知見を見出した。すなわち、光電変換層9の形成時には、例えば真空ベーク処理により、各部材が220℃程度まで加熱された高温環境下に置かれた後に冷却される。仮に、光透過性導電層7と光電変換層9との間に熱応力緩和層8が設けられていない場合、加熱時には、光電変換層9及び光透過性基板4が膨張する一方で光透過性導電層7は収縮するため、光透過性導電層7に引張応力が作用し、破断等の破損が生じるおそれがある。また、冷却時には、光電変換層9及び光透過性基板4が収縮する一方で光透過性導電層7は膨張するため、光透過性導電層7に圧縮応力が作用し、光透過性導電層7が凝集することにより、皺が生じるおそれがある。
これらの知見に基づき、透過型光電陰極2では、光電変換層9の熱膨張係数よりも小さく、且つグラフェンの熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する熱応力緩和層8が、光電変換層9と光透過性導電層7との間に設けられている。これにより、光電変換層9の形成時に光透過性導電層7に作用する熱応力を緩和することができる。その結果、光透過性導電層7として単層のグラフェンを用いた場合でも、光透過性導電層7に欠陥が生じるのを抑制することができる。
また、透過型光電陰極2では、熱応力緩和層8の熱膨張係数が0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下である。また、熱応力緩和層8が酸化物又はフッ化物からなる。また、熱応力緩和層8が酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、酸化シリコン又はフッ化マグネシウムからなる。これらにより、光透過性導電層7に欠陥が生じるのを確実に抑制することができる。
また、透過型光電陰極2では、光透過性基板4が紫外線透過材料からなる。また、光電変換層9がアンチモン又はテルルと、アルカリ金属とを含んで構成されている。これらにより、紫外線を含む波長領域において高い感度を有する透過型光電陰極2において、光透過性導電層7に欠陥が生じるのを抑制することができる。
続いて、図10〜図14を参照しつつ、熱応力緩和層8の構成材料を変化させた場合の効果確認試験の結果について説明する。図10は、実施例1〜6に係る透過型光電陰極の構成を示す表である。実施例1〜6は、上記透過型光電陰極2において、光透過性基板4が紫外線透過材料からなり、且つ光電変換層9がバイアルカリ光電面である場合と同等のサンプルである。図10に示すように、実施例1〜6では、熱応力緩和層8が、それぞれ、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、フッ化マグネシウム、酸化イットリウム(Y)からなる。なお、熱応力緩和層8が酸化イットリウムからなる場合、熱応力緩和層8の熱膨張係数は、10.1×10−6/Kとされている。
図11(a)〜図12(c)は、実施例1〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層の顕微鏡による観察結果を示す図である。図11(a)〜図12(c)に示すように、実施例1〜5では光透過性導電層の状態が良好であったが、熱応力緩和層の熱膨張係数が最も大きい実施例6では光透過性導電層に皺が発生していた。このことから、熱応力緩和層の熱膨張係数が0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下である場合に、光透過性導電層に欠陥が生じることを確実に抑制できることが分かる。さらに、エネルギーギャップが3eVより大きく、吸収端波長が400nm以下であるのが好ましい。
図13は、実施例1〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層のラマンスペクトルを示すグラフであり、図14は、実施例1〜6に係る透過型光電陰極における光透過性導電層の熱膨張係数とG/D比との関係を示すグラフである。ここで、G/D比は、GバンドとDバンドのピーク強度の比である。Gバンドでは、波数1590cm−1付近にピークが観察される。このピークは、sp2結合のカーボンの平面構造が反映されたものである。Dバンドでは、波数1360cm−1付近にピークが観察される。このピークは、欠陥(5員環等)に由来する。G/D比は、Gバンドにおけるピークの高さ(裾部から頂部までの高さ)とDバンドにおけるピークの高さとの比である。G/D比が大きいほど、光透過性導電層の損傷が少ないことを意味する。
図14に示すように、熱応力緩和層の材料として酸化物を用いた実施例1〜4,6において、熱応力緩和層の熱膨張係数とG/D比との間には相関があり、熱応力緩和層の熱膨張係数が増加するほど、G/D比は減少していた。図14に示す曲線は、xを熱応力緩和層の熱膨張係数とし、yをG/D比とした場合に式y=2.22868e−0.138xで表される曲線である。図14のグラフにおいて、実施例1〜4,6に対応する点は、当該曲線に沿って分布している。なお、実施例のうち、唯一酸化物でないフッ化マグネシウムを用いた実施例5では、熱応力緩和層の熱膨張係数が比較的大きいが、G/D比は極めて大きく、1.50を超える値となり、図14に示す曲線に沿った分布とはならなかった。このことから、熱応力緩和層がフッ化物からなる場合には、酸化物とは異なる特性によって光透過性導電層に欠陥が生じることを抑制していると考えられる。
図15(a)〜図15(d)は、実施例1に係る透過型光電陰極において光透過性導電層のグラフェン層数を変化させた場合の顕微鏡による観察結果を示す図である。図15(a)〜図15(d)に示すように、光透過性導電層のグラフェン層が1層又は2層である場合には光透過性導電層の状態が良好であったが、光透過性導電層のグラフェン層が3層である場合には光透過性導電層に皺が発生していた。これは、グラフェン層の層数が多くなるほど圧縮応力が増加し、熱応力緩和層の効果が十分ではなくなったからであると考えられる。
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。また、本発明に係る透過型光電陰極は、光電子増倍管の他にも、例えば光電管、イメージインテンシファイア、ストリーク管、及びX線イメージインテンシファイア等の電子管における透過型光電陰極として用いることができる。
2…透過型光電陰極、4…光透過性基板、4a…外側面(第1表面)、4b…内側面(第2表面)、7…光透過性導電層、8…熱応力緩和層、9…光電変換層。

Claims (7)

  1. 光が入射する第1表面、及び前記第1表面側から入射した前記光を出射する第2表面を有する光透過性基板と、
    前記光透過性基板の光出射側に設けられ、前記第2表面から出射される前記光を光電子に変換する光電変換層と、
    前記光透過性基板と前記光電変換層との間に設けられ、単層のグラフェンからなる光透過性導電層と、
    前記光電変換層と前記光透過性導電層との間に設けられ、光透過性を有する熱応力緩和層と、を備え、
    前記熱応力緩和層の熱膨張係数は、前記光電変換層の熱膨張係数よりも小さく、且つ前記グラフェンの熱膨張係数よりも大きい、透過型光電陰極。
  2. 前記熱応力緩和層の熱膨張係数は、0.0×10−6/K以上10.0×10−6/K以下である、請求項1に記載の透過型光電陰極。
  3. 前記熱応力緩和層は、酸化物又はフッ化物からなる、請求項1又は2に記載の透過型光電陰極。
  4. 前記熱応力緩和層は、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化クロム、酸化ガリウム、酸化シリコン又はフッ化マグネシウムからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透過型光電陰極。
  5. 前記光透過性基板は、紫外線透過材料からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透過型光電陰極。
  6. 前記光電変換層は、アンチモン又はテルルと、アルカリ金属とを含んで構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透過型光電陰極。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の透過型光電陰極を備える電子管。
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