JP6398266B2 - 埋込磁石型回転電機 - Google Patents

埋込磁石型回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6398266B2
JP6398266B2 JP2014075600A JP2014075600A JP6398266B2 JP 6398266 B2 JP6398266 B2 JP 6398266B2 JP 2014075600 A JP2014075600 A JP 2014075600A JP 2014075600 A JP2014075600 A JP 2014075600A JP 6398266 B2 JP6398266 B2 JP 6398266B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
magnetic
rotor core
magnetic flux
magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014075600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015198513A (ja
Inventor
聡 今盛
聡 今盛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2014075600A priority Critical patent/JP6398266B2/ja
Publication of JP2015198513A publication Critical patent/JP2015198513A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6398266B2 publication Critical patent/JP6398266B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は埋込磁石型回転電機において、トルクの増大やトルクリプルの低減を実現するための技術に関する。
従来の回転電機の一つとして埋込磁石型回転電機が挙げられる。埋込磁石型回転電機は、回転子内部に永久磁石を備え、永久磁石から発生する磁束が固定子に備える巻線との鎖交磁束量に応じて発生するマグネットトルクに加えて、回転子コアの回転時の磁気抵抗の差を利用したリラクタンストルクを利用した回転電機であり、小型高出力の回転電機として広く用いられている。また、永久磁石を回転子内部に埋め込む構成であるため、高速回転時の遠心力による永久磁石の飛散を防止することができる。
しかし、この埋込磁石型回転電機には以下のような問題がある。
例えば、図6に示すような回転子11を有する埋込磁石型回転電機の場合、永久磁石3はいわゆる一文字型と呼ばれる配置となっており、磁極(P1)1極あたり1個の永久磁石3がd軸に沿って、d軸と直交する仮想面(図中点線で示す)の方向に磁束8を発生させるようになっている。そのため、固定子(不図示)と回転子11との間のギャップにおいて永久磁石3が作る磁束8の周方向に対する磁束密度分布の変化の波形は、矩形波に近い波形となる。この矩形波状の磁束8のうち、マグネットトルクとして利用可能なのは基本波成分のみであり、それ以外の高調波成分はマグネットトルクに寄与しない。それどころか、高調波成分はトルクリプルの原因となり、埋込磁石型回転電機の制御性を悪化させるなど多くの悪影響を及ぼす。
こうした問題を解決するために、例えば図7に示すような回転子31が提案されている。この場合、磁極(P1)1極あたり2個の永久磁石3a,3bが回転子コア32にV字型に配置されている。こうしたV字型の傾斜配置により、ギャップの磁束8を図6に示すような一文字型の配置の場合より、磁極P1の中心部(d軸)に集中させることができるようになる。つまり、同一量の永久磁石を用いてもV字型の配置とすることで、永久磁石の磁束による磁束密度分布の波形において、基本波成分を増加させ正弦波に近づけることができる。これにより、永久磁石の磁束を有効に利用してマグネットトルクを増大させるとともにトルクリプルの低減を目指している。
また、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスの差に比例するリラクタンストルクを有効に利用することでも、埋込磁石型回転電機のトルクを増大させることが可能である。例えば、特許文献1では、方向性電磁鋼板を回転子コアの磁石よりも内側に、且つ、その磁化容易軸が延びる方向がq軸に沿うように配置している。このような配置とすることで、d軸インダクタンスをほとんど変化させることなくq軸インダクタンスを増加させることができ、リラクタンストルクの増大を図ることができる。
特開2003−274590号公報
しかし上記した永久磁石をV字型に配置する技術や特許文献1の技術を用いても、埋込磁石型回転電機のトルクが必ずしも十分ではないとともにトルクリプルの低減も不十分な場合があり、更なる改善技術が望まれている。
本発明は、上記した課題に着目してなされたものであり、埋込磁石型回転電機のトルクを増大させることができるとともに、トルクリプルを低減させることができる技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第一の態様は、励磁コイルを巻装した固定子と、この固定子と所定のギャップを隔てて対向して回転する回転子とを備えた永久磁石式回転電機であって、回転子は、回転子コアと、この回転子コアの内部に埋め込まれ回転子の複数の磁極を形成する複数の永久磁石と、回転子コアの内部に前記複数の磁極に各々対応して磁極の永久磁石より固定子側の外側に永久磁石から離間し、永久磁石の磁極の周方向の中央位置を通過して延びるd軸と交差せず、d軸の左右にd軸と隣り合って対をなすq軸間において回転子コアの永久磁石より外側の領域を横断して流れる固定子の励磁コイルの磁束と交差するように配設され、回転子コアの透磁率より低い透磁率の方向の磁化容易軸及び回転子コアの透磁率より高い透磁率の方向の磁化困難軸を有する方向性部材と、を備え、この方向性部材を、磁化困難軸が延びる方向が磁極のd軸と平行な成分を有し、磁化容易軸が延びる方向が固定子の励磁コイルの磁束の向きと平行な成分を有するように配設し、磁化困難軸によって永久磁石の磁束を永久磁石が形成する磁極のd軸に集中させてマグネットトルクを増大させると共に、磁化容易軸によってリラクタンストルクを増加させることを要旨とする。
また永久磁石の磁束に基づくギャップの磁束密度分布の波形が正弦波状であってもよい。
また永久磁石が形成する1つの磁極のd軸において、方向性部材が複数、磁極のd軸に対して線対称位置に配設されてもよい。
また回転子コアは、無方向性電磁鋼板を用いて形成され、方向性部材は、方向性電磁鋼板を用いて形成されてもよい。
本発明によれば、回転子コアの内部に配設される方向性部材の磁化困難軸が延びる方向の透磁率が回転子コアの透磁率より低く、且つ、永久磁石の磁束を磁極のd軸に集中させるように構成したので、矩形波に近かったギャップの磁束密度分布の波形が正弦波により近づく。これによりマグネットトルクを向上させて埋込磁石型の埋込磁石型回転電機のトルクを増大させることができる。またギャップの磁束密度分布中の高調波を抑制するので、トルクリプルを低減させることができる。
本発明の第1の実施形態に係る埋込磁石型回転電機の断面図である。 図1に示す埋込磁石型回転電機の回転子の断面図である。 図3(a)は図1に示す埋込磁石型回転電機の回転子の断面図であり、図3(b)は同回転子の磁化容易軸を説明する図である。 本発明の他の実施形態に係る回転子の態様を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る回転子の態様を示す断面図である。 従来の回転子の断面図である。 従来の回転子の断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る埋込磁石型回転電機は、4極6スロットの埋込磁石型同期回転電機に本発明を適用したものである。以下、図面を参照して本実施形態を説明する。尚、図中に示された埋込磁石型回転電機、回転子及びその他の部材の形状、大きさ又は比率は適宜簡略化及び誇張して示されている。また図中、同一機能を有するものには同一符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。また本発明は以下の実施形態で説明する極数、スロット数、磁石の配置方法、回転子の形状その他各部分の寸法等によって何ら限定されるものではない。
第1の実施形態に係る埋込磁石型回転電機はインナーロータ型の回転電機であって、図1に示すように、励磁コイル25を巻装した固定子20と、固定子20と所定のギャップ30を隔てて対向して、固定子20の内部で回転する回転子1とを備える。回転子1は、回転子コア2と、回転子コア2の内部に埋め込まれた複数の永久磁石3a,3b及び方向性部材5a,5bを備える。複数の永久磁石3a,3bは回転子1の複数の磁極(P1)を形成する。方向性部材5a,5bは、回転子コア2の内部で磁極P1の永久磁石3a,3bより固定子20側における、磁極P1のd軸と交差しない位置に配設される。方向性部材5a,5bは、磁化容易軸6及び磁化困難軸7を有する。
固定子20は、無方向性電磁鋼板を用いて所望の2次元形状に加工された固定子コア21を、所定の積厚となるまで積層すると同時にカシメ等により固着して構成されている。固定子コア21には、円筒状のヨーク23と、このヨーク23の内周面側に半径方向内方に延長し、且つ円周方向に等間隔で配設された6個のティース22がプレス打抜きやワイヤ放電加工のカットにより加工形成されており、これらのティース22及びヨーク23によってスロット24が形成されている。固定子コア21のスロット24には巻線が巻回され、励磁コイル25が形成されている。
回転子1は、固定子20と同様に、無方向性電磁鋼板を用いて所望の2次元形状に加工された回転子コア2を所定の積厚となるまで積層すると同時に固着して構成されている。回転子コア2の外周面は固定子20の内周面と所定のギャップ30を確保するように固定子20の内径より若干小さめの径とされている。回転子コア2には、永久磁石3a,3bを挿入するための磁石挿入穴13a,13b、及び方向性部材5a,5bを挿入するための部材挿入穴15a,15bが、プレス打抜きやワイヤ放電加工のカットにより加工形成されている。
磁石挿入穴13a,13bは各々、略矩形状とされ、図1に示すように、1つの磁極において1組の磁石挿入穴13a,13bによって固定子20側に略120度の開度を有するV字状に配置されている。回転子コア2の内部には、こうしたV字状配置の磁石挿入穴13a,13bが、周方向に所定の間隔で4組設けられている。1組の磁石挿入穴13a,13bには、永久磁石3a,3bが各々、固定子20側に同極となるように嵌挿されて1つの磁極を形成するとともに、隣接する磁極は互いに異極となるように構成されている。
回転子1の磁極はこのように構成されることにより、全体として回転子1の外周面側に4極構成される。また、1つの磁極においては2つの永久磁石3a,3bが磁極の中央部のd軸を中心に互いに線対称配置される。尚、永久磁石3a,3bは、希土類磁石、フェライト磁石などから適宜選択可能である。
部材挿入穴15a,15bは各々、略矩形状とされ、1組の部材挿入穴15a,15bが、各々の磁極において、固定子20側であって永久磁石3a,3bと回転子1の外周面との間に、d軸を中心に線対称、且つ、互いに離間した位置に配設されている。部材挿入穴15a,15bには、方向性部材5a,5bが各々嵌挿されている。
方向性部材5a,5bは各々、方向性電磁鋼板を用いて断面が略矩形状に形成されており、図2に示すように、磁束容易軸6が延びる方向は長辺に平行であり、磁化困難軸7が延びる方向は短辺に平行である。本実施形態における方向性部材5としては、例えば圧延方向に磁化容易軸6を配向させて形成された異方性且つ軟磁性である商用の方向性電磁鋼板を用いることができる。こうした方向性電磁鋼板は、ケイ素鋼板等を製造する過程で、鋼板のコイルの圧延方向に鉄の立方晶の辺方向を配向させることにより製造できる。このとき、圧延方向から90度ずれた直交方向すなわち鋼板の幅方向は磁化困難軸7が延びる方向となる。そしてこうした方向性電磁鋼板を矩形状に打ち抜いた後に、所定の積厚となるまで積層し、全体を固着することによって方向性部材5が構成される。
さらに、本実施形態に係る方向性部材5a,5bの磁化容易軸6が延びる方向の透磁率は回転子コア2を形成する無方向性電磁鋼板の透磁率より高く、且つ、磁化困難軸7が延びる方向の透磁率は回転子コア2を形成する無方向性電磁鋼板の透磁率より低く構成されている。そして磁化困難軸7が延びる方向に沿う短辺がd軸に平行とされるとともに、磁化容易軸6が延びる方向に沿う長辺がd軸に直交する向きとなるように回転子コア2に配設されている。
回転子1は、上記した回転子コア2をシャフト4に嵌合固着され、回転自在に支持されている。尚、回転子コア2に用いられる素材は、無方向性電磁鋼板に限定されず、磁気異方性が比較的小さい材料であればよい。
次に、本実施形態に係る埋込磁石型回転電機の作用を説明する。
回転子コア2の磁極P1には、図1に示すように、磁極P1の永久磁石3a,3bより固定子20側において、磁極P1のd軸と交差せずに方向性部材5a,5bが配設されている。これにより回転子コア2に、永久磁石3a,3bの磁束の通過が抑制される磁石磁束抑制領域M、Mが形成される。本実施形態では、磁石磁束抑制領域は、図面を正面視して、磁極P1の両端部寄り位置にある右側の磁石磁束抑制領域Mと左側の磁石磁束抑制領域Mとから構成されている。
磁石磁束抑制領域は、例えば右側の磁石磁束抑制領域Mの場合、回転子コア2の磁極P1において、方向性部材5bの磁化困難軸7が延びる方向に沿う短辺のうちd軸側(図中左側)の短辺の位置から、d軸と反対側の領域となる。また左側の磁石磁束抑制領域Mの場合、回転子コア2の磁極P1において、方向性部材5aの磁化困難軸7が延びる方向に沿う短辺のうちd軸側(図中右側)の短辺の位置から、d軸と反対側の領域が、磁石磁束抑制領域となる。
そして磁石磁束抑制領域以外の領域には、図1中の斜線で示すように、磁石磁束抑制領域と比較して相対的に永久磁石3a,3bの磁束が集中して通る磁石磁束集中領域が形成される。本実施形態では、磁石磁束集中領域は、図面を正面視して右側の磁石磁束集中領域Sと左側の磁石磁束集中領域Sと、d軸とから構成されている。
このように、永久磁石3a,3bより外方(固定子20側)において、2つの方向性部材5a,5bの間すなわち磁極P1の中央で、磁極P1のd軸を含んだ磁石磁束集中領域が形成されることとなる。
磁石磁束集中領域は、例えば右側の磁石磁束集中領域Sの場合、回転子コア2の磁極P1において、方向性部材5bの磁化困難軸7が延びる方向に沿う短辺のうちd軸側(図中左側)の短辺の位置から、d軸までの間の領域となる。また左側の磁石磁束集中領域Sの場合、回転子コア2の磁極P1において、方向性部材5aの磁化困難軸7が延びる方向に沿う短辺のうちd軸側(図中右側)の短辺の位置から、d軸までの間の領域が、磁石磁束抑制領域となる。
このように、方向性部材5a,5bは、回転子コア2において磁極P1の周方向における左右両端の少なくとも一方側においてd軸と交差しない位置に配設され、回転子コア2の磁極P1においては、方向性部材5a,5bに基づいて磁石磁束抑制領域と磁石磁束集中領域とが形成される。また方向性部材5a,5bは、磁化困難軸7が延びる方向が磁極P1のd軸と略平行、すなわち磁極P1のd軸と平行な成分を有するように配向されている。さらに加えて磁化困難軸7が延びる方向の透磁率が回転子コア2の透磁率より低く構成されている。そのため、図2に示すように、ギャップ(不図示)へ流れていく永久磁石3a,3bの磁束8は、その流れの途中に配設された方向性部材5a,5bによって一部が抑制され、磁石磁束抑制領域M、Mより磁石磁束集中領域S、Sの方を多く通過することとなる。
一方、固定子20において、磁極P1のq軸に位置する励磁コイル25に電流を流すと、例えば図3(a)に示すように、d軸を直交して回転子1を横断するようにq軸の磁束9が生じる。このとき、q軸の磁束9の流れの途中に配設されている方向性部材5a,5bにおいては、例えば図3(b)に示すように、方向性部材5a中のある点Aにおける磁束容易軸6が延びる方向がq軸の磁束9の向きと平行な成分6aを有するように配向されている。さらに加えて磁束容易軸6が延びる方向の透磁率が回転子コア2の透磁率より高く構成されている。そのため、励磁コイル25の磁束9は、回転子コア2よりも透磁率が高い方向性部材5a,5bを通過するように促されることとなり、方向性部材5a,5bを配設しない場合よりも回転子コア2を通過する磁束が増加する。
本実施形態に係る埋込磁石型回転電機によれば、回転子コア2の内部に配設される方向性部材5a,5bの磁化困難軸7が延びる方向の透磁率が回転子コア2の透磁率より低く構成されるとともに、磁化困難軸7が延びる方向が磁極P1のd軸と平行な向きの成分を有するように配向されるので、永久磁石3a,3bの磁束8が磁極P1のd軸に集中し、矩形波に近かったギャップ30の磁束密度分布の波形が正弦波により近づく。これによりマグネットトルクを向上させて埋込磁石型回転電機のトルクを増大させることができるとともに、ギャップ30の磁束密度分布中の高調波を抑制するので、トルクリプルを低減させることができる。
また本実施形態に係る埋込磁石型回転電機によれば、1つの磁極P1において2つの方向性部材5a,5bがd軸を対称軸とする線対称形に配置されているので、永久磁石3a,3bの磁束8がd軸により集中する。これにより永久磁石3a,3bの磁束8の不要な高調波成分が低減して、永久磁石3a,3bの磁束8に基づくギャップ30の磁束密度分布の波形が正弦波により近づき、マグネットトルクを効率的に増大させることができる。
尚、図4に示す他の実施形態のように、1つの磁極P1において、方向性部材5bを部材挿入穴15bに1つだけ配設してもよい。この場合、方向性部材5bは図面正面視で、磁極P1の周方向の右側寄りであってd軸と交差しない位置に配設されているので、磁石磁束集中領域は、磁極P1における回転子コア2の右側にのみ形成される(磁石磁束集中領域S)。また磁石磁束抑制領域は、回転子コア2の左右両側に形成されることとなり(磁石磁束抑制領域M,M)、このとき回転子コア2におけるd軸より左側の領域は全て磁石磁束抑制領域Mとなる。そして方向性部材5bにより永久磁石3bの磁束の流れを妨げ、磁石磁束集中領域Sに永久磁石3bの磁束を集中させることにより、上記した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、回転子コア2において、第1実施形態のように方向性部材を2つ用いてd軸を対称軸として線対称形に配置した方が、永久磁石3a,3bの磁束8の波形がより正弦波に近づくため好ましい。
また本実施形態に係る埋込磁石型回転電機によれば、さらに磁化容易軸6が延びる方向の透磁率が回転子コア2の透磁率より高く構成されるとともに、磁化容易軸6が延びる方向が、磁極P1のq軸に位置する固定子21の励磁コイル25の磁束9の向きと平行な成分を有するように配向される。これにより、励磁コイル25から見た透磁率が増加し、この透磁率の増加とともにq軸インダクタンスが増加することとなり、突極比が大きくなる。このため、埋込磁石型回転電機のマグネットトルクだけでなく、リラクタンストルクも向上させることができる。よって、マグネットトルクとリラクタンストルクとを同時に向上させて埋込磁石型回転電機のトルクをより増大させ、且つ、トルクリプルを低減させることができる。
また本実施形態に係る埋込磁石型回転電機によれば、商用の方向性電磁鋼板を用いて矩形状の方向性部材5a,5bを形成する。商用の方向性電磁鋼板は、磁化容易軸6が延びる方向と磁化困難軸7が延びる方向とが互いに90°ずれて直交構成される。また磁化容易軸6が延びる方向の透磁率は無方向性電磁鋼板の透磁率よりも高く、且つ磁化困難軸7が延びる方向の透磁率は無方向性電磁鋼板の透磁率よりも低く構成されている。そして無方向性電磁鋼板は、回転子コア2として一般によく用いられる素材である。そのため、無方向性電磁鋼板と方向性電磁鋼板とを用いれば、本発明における回転子コア2と方向性部材5として必要な磁気特性を備える組み合わせとできるとともに、方向性部材5を比較的低コスト且つ容易な加工で得ることができる組み合わせを構成できる。
尚、上記実施形態においては、固定子20のスロット24が開口部を有するオープンスロット形式の埋込磁石型回転電機について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は開口部を有しないクローズスロット形式に適用することもできる。また固定子20のティース22や励磁コイル25の形状についても、上記実施形態のものに限定されるものではない。
また上記実施形態においては、1つの磁極P1において2つの方向性部材5a,5bがd軸を対称軸とする線対称形に配置されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、1つの磁極P1において3つ以上の方向性部材を用いることもできる。例えば、回転子コア2においてd軸より一方側(例えば右側)に1つの方向性部材を配置するとともに、他方側(例えば左側)には2つの方向性部材を所定の間隔を隔てて連設し、3つの方向性部材を用いた構成としてもよい。そして、この場合、左側の2つの方向性部材とそれら2つの方向性部材間の間隔を含んだ全体の長さが、縦方向及び横方向のいずれにおいても、右側に配置された1つの方向性部材の長さと略等しくなるようにすることで、線対称形に配置してもよい。要はd軸に交差しないように方向性部材を配置すればよい。
また上記実施形態においては、方向性部材5a,5bの形状が矩形である場合について説明したが、これに限定されるものではなく,略正方形等他の形状に変更されてよい。
さらに、上記実施形態においては、本発明を回転子1の永久磁石3a,3bの極数を4個とする埋込磁石型回転電機に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、永久磁石3a,3bの極数を任意の数としてもよい。また、1つの磁極P1を構成する永久磁石3a,3bの数も2つに限定されるものではなく、図5に示す他の実施形態のように3つであってもよいし、或いは4つ以上としてもよい。さらに永久磁石3a,3bの配置方法もV字型に限定されずU字型や一文字型等他の配置としてもよいし、回転子1の形状も適宜変更されてよい。
1…回転子、 2…回転子コア、 3a,3b,3c…永久磁石、 4…シャフト、
5a,5b…方向性部材、 6…磁化容易軸、 7…磁化困難軸、
8…永久磁石の磁束、 9…q軸の磁束、 13a,13b…磁石挿入穴、
15a,15b…部材挿入穴、 20…固定子、 30…ギャップ、
P1…磁極、 S,S…磁石磁束集中領域、 M,M…磁石磁束抑制領域

Claims (4)

  1. 励磁コイルを巻装した固定子と、該固定子と所定のギャップを隔てて対向して回転する回転子とを備えた埋込磁石型回転電機であって、
    前記回転子は、
    回転子コアと、
    該回転子コアの内部に埋め込まれ回転子の複数の磁極を形成する複数の永久磁石と、
    前記回転子コアの内部に前記複数の磁極に各々対応して前記磁極の前記永久磁石より前記固定子側の外側に前記永久磁石から離間し、前記永久磁石の前記磁極の周方向の中央位置を通過して延びるd軸と交差せず、前記d軸の左右に前記d軸と隣り合って対をなすq軸間において前記回転子コアの前記永久磁石より外側の領域を横断して流れる前記固定子の励磁コイルの磁束と交差するように配設され、前記回転子コアの透磁率より低い透磁率の方向の磁化容易軸及び前記回転子コアの透磁率より高い透磁率の方向の磁化困難軸を有する方向性部材と、を備え、
    該方向性部材を、前記磁化困難軸が延びる方向が前記磁極のd軸と平行な成分を有し、前記磁化容易軸が延びる方向が前記固定子の励磁コイルの磁束の向きと平行な成分を有するように配設し
    前記磁化困難軸によって永久磁石の磁束を前記永久磁石が形成する磁極のd軸に集中させてマグネットトルクを増大させると共に、前記磁化容易軸によってリラクタンストルクを増加させること、
    を特徴とする埋込磁石型回転電機。
  2. 前記永久磁石の磁束に基づくギャップの磁束密度分布の波形が正弦波状であること、
    を特徴とする請求項1に記載の埋込磁石型回転電機。
  3. 前記永久磁石が形成する1つの磁極のd軸において、前記方向性部材が複数、前記磁極のd軸に対して線対称位置に配設されたこと、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の埋込磁石型回転電機。
  4. 前記回転子コアは、無方向性電磁鋼板を用いて形成され、
    前記方向性部材は、方向性電磁鋼板を用いて形成されたこと、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の埋込磁石型回転電機。
JP2014075600A 2014-04-01 2014-04-01 埋込磁石型回転電機 Active JP6398266B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075600A JP6398266B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 埋込磁石型回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075600A JP6398266B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 埋込磁石型回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015198513A JP2015198513A (ja) 2015-11-09
JP6398266B2 true JP6398266B2 (ja) 2018-10-03

Family

ID=54547931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014075600A Active JP6398266B2 (ja) 2014-04-01 2014-04-01 埋込磁石型回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6398266B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09219944A (ja) * 1995-12-05 1997-08-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 埋め込み構造のロータ、及びその製造方法
JP2003274590A (ja) * 2002-03-15 2003-09-26 Nippon Steel Corp 永久磁石同期モータのロータ
JP2011125163A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Toyota Motor Corp 電動機ロータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015198513A (ja) 2015-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5663936B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP5709907B2 (ja) 車両用永久磁石埋込型回転電機
JP5774081B2 (ja) 回転電機
CN105103420B (zh) 同步磁阻电动机以及同步磁阻电动机的转子
JP5353917B2 (ja) 回転電機用回転子
JP6879140B2 (ja) 回転電機
JP5868513B2 (ja) 永久磁石埋込型電動機
WO2013179375A1 (ja) 複合トルク型回転電機
JP5228316B2 (ja) 回転電機の回転子及び回転電機
US20070057589A1 (en) Interior permanent magnet rotor and interior permanent magnet motor
WO2013179376A1 (ja) 複合トルク型回転電機
JP5565170B2 (ja) 永久磁石式回転機
JP6524818B2 (ja) 可変磁束型回転電機
JP6356391B2 (ja) 永久磁石式回転電機
JP2011188579A (ja) 永久磁石同期機
JP2017079530A (ja) シンクロナスリラクタンスモータ
US9564780B2 (en) Rotary electric machine and rotor
JP2017184386A (ja) シンクロナスリラクタンスモータ
KR101897635B1 (ko) 매립 영구 자석형 모터 및 로터
JP2018011466A (ja) 永久磁石埋込同期機
JP4574297B2 (ja) 回転電機のロータ
JP2012239327A (ja) 永久磁石型モータ
JP6729037B2 (ja) 可変磁束型回転電機及び永久磁石の製造方法
JP6440349B2 (ja) 回転電機
JP2006081338A (ja) 回転電機のロータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6398266

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250