JP6397824B2 - マスキング材およびマスキング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として塗装時に塗料を付着させたくない部分をマスキングするためのマスキング材、およびマスキング方法に関するものである。
従来より、塗装時に塗料を付着させたくない部分をマスキングするためには、一般的にマスキングテープが使用されている。マスキングテープは、テープ基材と、粘着剤層と、剥離紙とから構成され、使用時に剥離紙を剥がし、露出した粘着剤層の粘着力を利用して被マスキング部に貼付される。そして、塗装後に被マスキング部から剥がされ、破棄される。
このようなマスキングテープでは、剥離紙も塗装後のマスキングテープも破棄対象のゴミとなるため、資源の無駄となっている。また、一度貼付したマスキングテープを剥がして、再度貼り直そうとすると、粘着剤層の粘着力の低下により、貼り直しができない場合がある。さらに、粘着剤層の粘着力によって貼付するためには、被マスキング部の油分を除去しなければ所望の粘着力が得られないため、脱脂作業を行う必要があり、煩雑である。
これに対し、特許文献1では、磁性粉末を含有するシートをマスキングシートとして使用することを提案している。かかるマスキングシートによれば、磁力を利用することによって、マスキング作業の省力化を図ることができる。
特開昭61−257259号公報
しかしながら、特許文献1に記載のマスキングシートは、塩素化ポリエチレン、ニトリルゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化スルホン化ポリエチレン、軟質塩化ビニル等の軟質プラスチックを主樹脂成分としている。かかる樹脂成分を使用したマスキングシートは、焼付塗装や浸漬塗装等の厳しい環境下で使用されると、使用回数が増えるにつれて、樹脂成分の変形量が大きくなったり、樹脂成分の変質の程度が大きくなったりして、正確な形状を維持できなくなり、マスキング材として不適なものとなる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、繰り返しの使用が可能なマスキング材、およびそのようなマスキング材を使用したマスキング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1に本発明は、被マスキング部の少なくとも一部に接触するためのマスキング部を有し弾性材料からなる第一の部材と、前記第一の部材を着脱可能に保持する第二の部材とを備えたマスキング材であって、少なくとも前記第二の部材は磁性体を含有し、前記マスキング部において磁力に基づいて前記被マスキング部に付着可能であることを特徴とするマスキング材を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)に係るマスキング材は、被マスキング部に接触する第一の部材が弾性材料からなり、マスキング部が弾性変形するため、被マスキング部への密着性が高く、優れたマスキング性能を発揮する。一方、第一の部材とは別体の第二の部材は、弾性材料とする必要がないため、所望の耐熱性、耐久性等を有する材料によって製造することができる。第一の部材は、第二の部材に対して着脱可能であるため、マスキング材の使用回数が増えて第一の部材が変形した場合であっても、第一の部材を新品に交換することで、マスキング部を正確な形状に維持することができ、したがって、当該マスキング材を繰り返し使用することができる。
上記発明(発明1)において、前記第二の部材による前記第一の部材の保持力は、前記マスキング材の前記被マスキング部への付着力よりも大きいことが好ましい(発明2)。これにより、第二の部材のみを把持して、被マスキング部に対する取り付けおよび取り外しを行うことが可能であり、取扱いが容易となる。
上記発明(発明2)において、前記第一の部材および前記第二の部材は磁性体を含有し、前記第二の部材による前記第一の部材の保持力の少なくとも一部は、前記第一の部材と前記第二の部材との間に作用する磁力に基づくことが好ましい(発明3)。
上記発明(発明3)において、前記第一の部材の前記マスキング部が前記第二の部材側に向いたときに、前記第一の部材と前記第二の部材とが互いに反発するように、前記第一の部材および前記第二の部材は磁化されていることが好ましい(発明4)。
上記発明(発明1〜4)において、前記第一の部材は穴部を有しており、前記第二の部材は、前記第一の部材の穴部に挿入され、当該穴部と嵌合可能な凸部を有しており、前記凸部は、前記第一の部材に対して挿脱可能なように、略一定の太さの柱状となっていることが好ましい(発明5)。
上記発明(発明5)において、前記第一の部材の穴部の大きさは、前記第二の部材の凸部の太さと同じであるか又は僅かに小さいことが好ましい(発明6)。
上記発明(発明1〜6)において、前記第一の部材はシート状であることが好ましい(発明7)。
上記発明(発明5〜7)において、前記第一の部材はシート状であり、前記第二の部材は、本体部と前記凸部とを有しており、前記第二の部材の本体部は、前記第一の部材における一方の主面の全面と接触する接触面を有しており、かつ、前記接触面は、前記第一の部材の前記主面と実質的に同じ大きさとなっていることが好ましい(発明8)。
上記発明(発明1〜8)において、前記第一の部材は、シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素およびフッ素樹脂を含有しないことが好ましい(発明9)。
上記発明(発明1〜9)において、前記第一の部材は、アクリルゴムを含有することが好ましい(発明10)。
上記発明(発明10)において、前記アクリルゴムは、アミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するものであることが好ましい(発明11)。
上記発明(発明10,11)において、前記第一の部材は、さらに磁性体を含有し、前記磁性体の含有量は、前記アクリルゴム100体積部に対して10〜80体積部であることが好ましい(発明12)。
上記発明(発明1〜12)において、前記第一の部材は、ショアD硬度が10〜40であることが好ましい(発明13)。
上記発明(発明1〜12)において、前記第一の部材は、180℃環境下での積算時間が13時間であるときのショアD硬度が10〜40であることが好ましい(発明14)。
上記発明(発明1〜14)において、前記第二の部材には、前記マスキング材を被マスキング部に対して着脱するときに、前記第二の部材を把持することのできる把持部が形成されていることが好ましい(発明15)。
第2に本発明は、前記マスキング材(発明1〜15)における前記第一の部材の前記マスキング部を弾性変形させながら、前記マスキング材と前記被マスキング部との間に作用する磁力に基づいて、前記マスキング材を前記被マスキング部に付着させることを特徴とするマスキング方法を提供する(発明16)。
本発明に係るマスキング材においては、第一の部材が、第二の部材に対して着脱可能であるため、マスキング材の使用回数が増えて第一の部材が変形した場合であっても、第一の部材を新品に交換することで、マスキング部を正確な形状に維持することができる。したがって、当該マスキング材を最適な状態で繰り返し使用することができる。
本発明の一実施形態に係るマスキング材の斜視図である。 同実施形態に係るマスキング材の分解斜視図である。 同実施形態に係るマスキング材の断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔マスキング材〕
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るマスキング材1は、被マスキング部(マスキングが施される部分)に接触するためのマスキング部22を有し弾性材料からなる第一の部材2と、第一の部材2を着脱可能に保持する第二の部材3とを備えて構成される。なお、本実施形態における被マスキング部は、磁性体を含む材料、例えば鋼板、鋼材等の金属材料からなる、穴部の周りの円形部分とするが、これに限定されるものではない。
マスキング材1において、少なくとも第二の部材3、好ましくは第二の部材3および第一の部材2は磁性体を含有し、当該磁性体の磁力によって、マスキング材1は被マスキング部に付着可能となっている。
第一の部材2は弾性材料からなり、これによって、マスキング材1を被マスキング部に取り付けたときに、第一の部材2のマスキング部22は弾性変形し、被マスキング部への密着性が高くなる。そのため、マスキング部22と被マスキング部との間に塗料が入り込むことが確実に防止され、優れたマスキング性能が発揮される。
一方、第一の部材2とは別体の第二の部材3は、弾性材料とする必要がないため、所望の耐熱性、耐久性等を有する材料によって製造することができる。第一の部材2は、第二の部材3に対して着脱可能であるため、マスキング材1の使用回数が増えて第一の部材2が変形した場合であっても、第一の部材2を新品に交換することで、マスキング部22を正確な形状に維持することができる。したがって、当該マスキング材1を最適な状態で繰り返し使用することができる。
ここで、第二の部材3による第一の部材2の保持力は、マスキング材1の被マスキング部への付着力よりも大きいことが好ましい。これにより、マスキング材1の被マスキング部からの取り外しを、第二の部材3のみを把持して行ったとしても、第一の部材2のみが被マスキング部に残ってしまうことが防止され、マスキング材1は取扱いが容易なものとなる。
第二の部材3による第一の部材2の保持力は、第二の部材3と第一の部材2との間に作用する磁力であってもよいし、第二の部材3と第一の部材2との嵌合力であってもよいし、それら磁力および嵌合力の両者であってもよい。
本実施形態における第一の部材2は、平面視円形のシート状、すなわち円盤状となっており、その中心部に穴21が形成されている。シート状の第一の部材2は、2つの主面を有しており、一方の主面(図3中、下側の主面)は被マスキング部の少なくとも一部に接触するマスキング部22を構成し、他方の主面(図3中、上側の主面)は、第二の部材3に対向する対向面23となっている。
本実施形態における第二の部材3は、円柱状の本体部31と、本体部31の一方の端部側(図3中、上側の端部側)に設けられた円柱状の把持部32と、本体部31の他方の端部側(図3中、下側の端部側)に設けられた円柱状の凸部33とから構成される。
円柱状の本体部31における凸部33側の端面は、上記第一の部材2の対向面23と接触する接触面311となっている。本実施形態における第二の部材3の本体部31の接触面311は、第一の部材2の対向面23の全面と接触する。これにより、第二の部材3と第一の部材2との間に磁力が作用している場合、第二の部材3による第一の部材2の保持力は、より高いものとなる。
また、本実施形態における第二の部材3の本体部31の接触面311は、第一の部材2の対向面23と実質的に同じ大きさとなっている。すなわち、第二の部材3の本体部31の外径は、第一の部材2の外径と実質的に同じ大きさとなっている。これにより、第二の部材3から第一の部材2を取り外すときに、第一の部材2の外縁部を持って第一の部材2を容易に取り外すことができる。第一の部材2の外径が第二の部材3の本体部31の外径よりも小さいと、このように容易に取り外すことはできない。一方、第一の部材2の外径が第二の部材3の本体部31の外径よりも大きいと、第一の部材2のマスキング部22の周縁部において、被マスキング部への付着力が低くなり、そこから塗料が入り込むおそれがある。
本実施形態における第二の部材3の把持部32は、本体部31の径よりも小さい径を有し、それによって手で把持し易いものとなっている。ただし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、本体部31自体が手で把持し易い大きさであれば、把持部32を特に設ける必要はない。また、把持部32は円柱状に限定されず、例えば、角柱状であってもよいし、立設した半円盤状であってもよく、把持のし易さと、製造コストとを考慮して適宜定めることができる。
本実施形態における第二の部材3の凸部33は、本体部31の径よりも小さい径を有する。この第二の部材3の凸部33は、第一の部材2の穴部21に挿入され、当該穴部21と嵌合する。また、第二の部材3の凸部33は、第一の部材2の穴部21に対して挿脱可能なように、略一定の太さの円柱状となっている。
なお、第二の部材3における本体部31の把持部32側の周縁部、把持部32の本体部31と反対側の周縁部および凸部33の本体部31と反対側の周縁部は、面取りがされていてもよい。
第一の部材2の穴部21の内径は、第二の部材3の凸部33の外径と同じであるか又は僅かに小さいことが好ましい。この場合、第二の部材3の凸部33が第一の部材2の穴部21に挿入されたときに、両者が密着することとなる。このような構成にすることにより、第二の部材3と第一の部材2との嵌合力に基づく、第二の部材3による第一の部材2の保持力が得られる。
第一の部材2の厚さは、マスキング性能、第二の部材3に対する第一の部材2の着脱作業のし易さ、および製造コストの観点から、0.3〜5.0mmであることが好ましく、0.5〜3.0mmであることが特に好ましく、0.7〜2.0mmであることがさらに好ましい。
〔第一の部材の材料・製造方法〕
第一の部材2は、前述した通り弾性材料からなるが、磁性体を含有しなくてもよいし、磁性体を含有してもよい。磁性体を含有する場合、第一の部材2のマスキング部22が第二の部材3側に向いたときに、第一の部材2と第二の部材3とが互いに反発するように、すなわち、第一の部材2の対向面23が第二の部材3側に向いたときに、第一の部材2と第二の部材3とが互いに引き合うように、第一の部材2および第二の部材3は磁化されていることが好ましい。これにより、第二の部材3と第一の部材2との間に作用する磁力に基づく、第二の部材3による第一の部材2の保持力が得られる。また、第二の部材3のみが磁化されている場合と比較して、マスキング材1全体として磁力が強くなり、被マスキング部への付着性が高くなる。
第一の部材2を構成する材料(弾性材料)は、シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素およびフッ素樹脂を含有しないことが好ましい。第一の部材2がこれらの成分を含有すると、塗装環境下によっては、第一の部材2から上記成分が溶出し、被マスキング部またはその周辺に上記成分が付着して、塗料を弾いてしまうおそれがある。
第一の部材2を構成する弾性材料は、主樹脂成分として、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。なお、本明細書における「主樹脂成分」とは、部材を構成する樹脂のうち主となる樹脂成分をいう。
ゴムとしては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体(EPR)やエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)のようなオレフィン系エラストマー、スチレンとブタジエンの共重合体からなるSBR等のスチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、エステル系エラストマー、それらのエラストマーに反応部位(二重結合、無水カルボキシル基等)を導入した変性物などが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
第一の部材2を構成する弾性材料の主樹脂成分は、上記の中でも、アクリルゴムが好ましく、特にアミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するアクリルゴムが好ましい。かかる材料は耐熱性に優れるため、第一の部材2がマスキング中に180℃程度の高温環境下に置かれても、変形、溶融といった問題が生じにくい。また、上記材料は、そのような高温環境下に長時間置かれても硬度が上昇しにくい(耐熱硬化性に優れる)ため、第一の部材2の弾性が維持され、第一の部材2のマスキング部22と被マスキング部との間に塗料が侵入しにくい。それゆえ、第一の部材2自体も、繰り返し使用できる回数が多くなる。
ここで、本明細書における「アクリルゴム」とは、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位からなる単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位からなる共重合体、ならびに(メタ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリル酸アミドに由来する構成単位と(メタ)アクリル酸エステル以外の化合物(典型的には重合性不飽和結合を有する化合物であり、本実施形態において、「その他の重合化合物」ともいう。)に由来する構成単位との共重合体からなる群から選ばれる1種または2種以上からなる重合体および/またはその重合体と架橋剤との架橋反応生成物を含有し、ゴム状弾性体としての機械的性質を有する材料を意味する。なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
アクリルゴムを形成するために使用される(メタ)アクリル酸エステルのエステル基の構造は特に限定されず、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであってもよいし、アルキル位に官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであってもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルについて具体例を示せば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、取り扱いや入手のしやすさなどの観点から、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびメタアクリル酸メチルが好ましい。
エステル部分が有する官能基として、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などが例示される。こうした官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;(メタ)アクリル酸グリシジル、アクリル酸4−(グリシジルオキシ)ブチル等、アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)メチル等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルが例示される。
一方、(メタ)アクリル酸アミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが例示される。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、その中でもアクリル酸メトキシエチルが特に好ましい。すなわち、アクリルゴムは、アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構成単位を有する重合体を含むことが好ましい。この場合には、耐熱硬化性に優れるアクリルゴムが得られやすい。また、耐油性が高いアクリルゴムも得られやすい。
アクリルゴムを形成するために使用される(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸アミドは、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。アクリルゴムが複数種類の(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を有する共重合体に基づく成分を含む場合には、その(メタ)アクリル酸エステルは(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを含むことが好ましい。アクリルゴムが(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルに由来する構成単位を有する共重合体に基づく成分を含むことにより、耐熱性に優れ、かつ耐熱硬化性に優れるアクリルゴムが得られやすい。
アクリルゴムを形成するために使用されるその他の重合性化合物の種類は、(メタ)アクリル酸エステルと重合反応し得る限り、特に限定されない。典型的には、前述した重合性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。そのような化合物として、エチレン、プロピレン、n−ブテン、ノルボルネン、シクロヘキセンなどオレフィン類;スチレンおよびその誘導体などエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などの炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸;フマル酸モノエチル、フマル酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノブチルなどの炭素数3〜11のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステル;酢酸ビニル、アクリロニトリル等の化合物などが挙げられる。なお、その他の重合性化合物のうち、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸は、アクリルゴム重合体中で、ジカルボン酸無水物の形の構成単位として含有され、架橋の際に加水分解してカルボキシル基を生成してもよい。
これらの中でも、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸などのカルボキシル基を有する化合物が、後述するアミン系架橋剤との反応点をなすことができるため好ましい。なお、この化合物におけるカルボキシル基は、上記のとおり酸無水物の形式であってもよい。
アクリルゴムを形成するために他の重合性化合物を使用する場合、その他の重合性化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステル、さらに必要に応じ使用されるその他の重合性化合物が複数種類の化合物からなる場合において、それらの化合物に由来する構成単位のアクリルゴム中の比率は任意であり、そのアクリルゴムを含有するマスキング材の用途などを考慮して適宜設定すればよい。例えば、ブチル基のようにアルキル基が嵩高い(メタ)アクリル酸アルキルエステルの比率が多い場合には、脆化温度が低いアクリルゴムが得られる傾向があり、カルボキシル基を有するその他の重合性化合物の比率が多い場合には、アミン系架橋剤との架橋反応の程度が高くなり、硬質なアクリルゴムが得られる傾向がある。
前述した通り、アクリルゴムは、アミン系架橋剤に基づく架橋構造を有することが好ましい。本明細書における「アミン系架橋剤」とは、2官能以上のアミン系化合物を意味し、少なくとも1個以上の活性水素を有する窒素原子を2個以上有する化合物であれば特に制限はない。このようなアミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するアクリルゴムは、例えば180℃の高温環境下に曝されても過度に軟化することが防止される。また、他の架橋剤、例えばイソシアネート系の架橋剤に基づく架橋構造と比べて、耐熱硬化性に優れる。このため、第一の部材2を繰り返し使用しても、マスキング機能が低下しにくい。
アミン系架橋剤としては、例えば、1,4−ブタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチレンジアミン、N,N−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ−2−スピロ[5.5]ウンデカン等の脂肪族ポリアミン;ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン;カルバジン酸、6−アミノヘキシルカルバミド酸、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)カルバミド酸等のアミノカルバミド酸;さらにはこれらのポリアミンやアミノカルバミド酸の塩などが挙げられる。アミン系架橋剤は、1種類の化合物から構成されていてもよいし、複数種類の化合物から構成されていてもよい。上記の中でも、アミン系架橋剤としては、耐熱硬化性を向上させる観点から、アミノカルバミド酸および/またはその塩が好ましい。
上記アクリルゴムにおけるアミン系架橋剤に基づく架橋の程度(換言すれば、架橋点の存在密度)は特に限定されない。架橋点の存在密度が過度に低い場合には、耐熱硬化性に優れるアクリルゴムを得ることが困難となることが懸念される。一方、架橋点の存在密度が過度に高い場合には、第一の部材2に含まれる他の成分(特に磁性体)の含有量との関係で、第一の部材2が過度に硬質化して変形しにくくなり、被マスキング部の形状に第一の部材2が追従できなくなってマスキング機能が低下してしまうことが懸念される。したがって、架橋点の存在密度は、第一の部材2を構成する材料の組成を考慮して、適宜設定されるべきものである。
なお、第一の部材2に含まれるアクリルゴム内に残留する未架橋のアミン系架橋剤の含有量は、可能な限り少ないことが好ましい。かかる未架橋のアミン系架橋剤がマスキング中に加熱されて架橋反応を生じると、アクリルゴム中の架橋点の存在密度がマスキング中に増加することとなり、第一の部材2のショアD硬度の上昇がもたらされる。この硬度上昇の程度が著しい場合には、第一の部材2のマスキング機能の低下をもたらすおそれがある。
架橋剤による架橋反応の反応を促進する観点から、上記アクリルゴムは、架橋促進剤を含有することが好ましい。架橋促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、テトラメチルブタンジアミン等のアミノ化合物、塩化第一スズ、ジメチル二塩化スズ、トリメチルスズヒドロキシド、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズスルフィド、塩化第二鉄、鉄アセチルアセテート、ナフテン酸コバルト、硝酸ビスマス、オレイン酸鉛、三塩化アンチモン等の金属化合物などを用いることができる。
第一の部材2が磁性体を含有する場合、当該磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属やそれらの合金(例えばステンレススチール)または酸化物、あるいはストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライト等のフェライト系、アルミニウム−ニッケル−コバルト合金のようなアルニコ系、希土類−遷移金属系(例:SmCo系,SmFeN系,NbFeB系)等の希土類系などの強磁性体材料が挙げられる。これらの中でも、磁気力をコントロールすることが容易という観点から、フェライト系が好ましく、中でもストロンチウムフェライトおよびバリウムフェライトがより好ましい。
焼付塗装のようにマスキング中に加熱処理が施される場合、磁性体は、この加熱処理における加熱温度よりも高いキュリー温度を有する強磁性体からなることが好ましい。
磁性体の形状としては、第一の部材2の成形加工のしやすさなどの観点から粉体形状が好ましい。粉体形状の場合、粒径は、0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜20μmであることが特に好ましく、0.5〜3μmであることがさらに好ましい。なお、磁性体の粒径は、例えばコールターカウンター法により測定することができる。
第一の部材2が磁性体を含有する場合、磁性体の含有量は、主樹脂成分(アクリルゴム)100体積部に対して10〜80体積部が好ましく、15〜70体積部が特に好ましく、20〜60体積部がさらに好ましい。磁性体の含有量が80体積部を超えると、第一の部材2が硬質化し、弾性が損なわれるおそれがある。一方、磁性体の含有量が10体積部以上であれば、第一の部材2の磁力によって、第二の部材3による保持力および被マスキング部への付着力を向上させることができる。
第一の部材2は、老化防止剤を含有してもよく、特にアクリルゴムを含有する場合には、老化防止剤を含有することが好ましい。老化防止剤の種類としては、酸化防止効果が高ければ特に限定するものではないが、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体等のアミン−ケトン系老化防止剤;4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族第二級アミン系老化防止剤;2−メルカプトベンツイミダゾールの亜鉛塩や2−メルカプトメチルベンツイミダゾールの亜鉛塩等のベンツイミダゾール系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスフェイト等の亜リン酸系老化防止剤などが挙げられる。老化防止剤は1種から構成されていてもよいし、2種以上から構成されていてもよい。また、老化防止剤は、耐熱性などの観点から、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを含有することが好ましい。
老化防止剤の含有量は特に限定されないが、通常、主樹脂成分100質量部に対して、0.001〜1質量部であることが好ましく、0.01〜0.7質量部であることが特に好ましい。
第一の部材2は、その他の成分として、分散剤等の添加物をさらに含有していてもよい。また、その他の成分の一つとして、タルクやカオリンのような非磁性材料を硬度調整などの目的で含有してもよい。それらの成分の含有量は特に限定されず、第一の部材2によるマスキング機能を低下させないように適宜設定すればよい。
第一の部材2がアミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するアクリルゴムを含有する場合、第一の部材2の製造方法としては、第一の部材2を形成するための材料を成形加工して得られた、アミン系架橋剤の架橋反応が進行する前の状態にある成形品を加熱して、その成形品に含まれるアミン系架橋剤の架橋反応を進行させる方法が、生産のし易さおよび品質の安定の観点から好ましく、その方法の一例を挙げれば次の通りである。
まず、アクリルゴムに係る重合体、アミン系架橋剤、さらに必要に応じて磁性体や、老化防止剤等の添加成分を含有し、重合体と架橋剤との架橋反応が進行する前の状態にある組成物を調製する。具体的には、上記の重合体、アミン系架橋剤、所望によりさらに磁性体(好ましくは磁性粉)および/または添加物をヘンシェルミキサー、単軸または二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール等を用いて溶融混合すればよい。
次に、上記組成物に対して成形加工を施して、第一の部材2の形状を概略形成する。成形方法としては、例えば、射出成形によって前述した形状の第一の部材2を直接成形してもよいし、押出成形によってシート状に押し出し、その後、打ち抜き加工によって前述した形状の第一の部材2を打ち抜いてもよい。このようにして得られた成形品を加熱して架橋反応を進行させることにより、第一の部材2を得ることができる。なお、磁性体が磁化していない場合には、上記の製造過程において、または得られた第一の部材2を公知の方法で磁化すればよい。
上記の製造方法において、架橋反応を進行させるための加熱温度(以下、「架橋温度」という。)は、架橋剤の種類などにより適宜設定されるべきものであるが、架橋温度は、マスキング材1を使用する際にマスキング材1が受ける最高加熱温度(以下、「使用温度」という。)と同等の温度とすることが好ましい。架橋温度が使用温度よりも過度に低い場合には、第一の部材2の製造段階で架橋反応が完了せずに、マスキング材1の使用中に第一の部材2が加熱されたときに架橋反応が進行することが懸念される。この場合には、第一の部材2が硬化してマスキング機能が低下してしまうなどの不具合が生じることがある。かかる問題を安定的に回避する観点から、架橋温度Tは、使用温度T−30℃超であること、すなわち下記式を満たすことが好ましい。
>T−30℃
上記の問題をさらに安定的に回避する観点からは、温度差ΔT(=T−T)は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。ただし、架橋温度Tが過度に高い場合には、成形品が加熱中に基台に固着するなどの問題が生じる可能性があるため、この点を考慮して架橋温度Tを設定することが好ましい。成形品の架橋反応を進行させるための加熱時間は任意であり、架橋剤の種類や架橋温度を考慮して適宜設定すればよい。この場合においても、マスキング材1が使用中に加熱されたことによって第一の部材2内で架橋反応が進行して第一の部材2の硬度が使用中に過度に高まらないように、成形品の架橋反応をほぼ完了させることを考慮してこの加熱時間を設定することが好ましい。
〔第一の部材の物性〕
(1)ショアD硬度
第一の部材2のショアD硬度は、10〜40であることが好ましく、11〜35であることが特に好ましく、12〜30であることがさらに好ましい。第一の部材2のショアD硬度がかかる範囲にあることで、第一の部材2のマスキング部22が被マスキング部に対して良好に追従し、優れたマスキング性能が発揮される。
また、第一の部材2は、180℃の環境下に置かれた積算時間が13時間であるときのショアD硬度(本実施形態において「加熱後ショアD硬度」ともいう。)が10〜40であることが好ましい。第一の部材2の加熱後ショアD硬度が40以下であることによって、第一の部材2を加熱下で繰り返し使用した場合であっても、第一の部材2を被マスキング部に接触させたときに、被マスキング部の形状に第一の部材2が追従することが容易となる。この被マスキング部への第一の部材2の追従性を安定的に高める観点から、加熱後ショアD硬度は35以下であることが好ましく、30以下であればさらに好ましい。第一の部材2がアミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するアクリルゴムを含有する場合、加熱後ショアD硬度は40以下となり易く、組成を適切に調整すれば30よりも十分に低い値とすることも可能である。
一方、加熱後ショアD硬度が10未満の場合には、弾性成分によっては被マスキング部に第一の部材2が固着して、被マスキング部からマスキング材1を取り外すときに、第一の部材2が被マスキング部に残存してしまうことも懸念される。あるいは、第二の部材3に第一の部材2が固着して、第二の部材3から第一の部材2を取り外すときに、その取り外しが困難になることも懸念される。かかる問題を安定的に回避する観点から、第一の部材2の加熱後ショアD硬度は10以上であることが好ましく、12以上であることがさらに好ましい。
(2)剛軟度
第一の部材2は、剛軟度が6.0N以下であることが好ましい。なお、本実施形態において、「剛軟度」とは、第一の部材2を厚み1mmのシート状に成形した際に、JIS L1096(1999)8.20.1に規定されるガーレ式試験機を用いて測定された剛軟度、すなわちガーレ法による剛軟度を意味する。剛軟度が6.0N以下であることによって、マスキング材1を被マスキング部に装着する際の第一の部材2の被マスキング部への追従性を高めることが容易となる。この追従性をさらに安定的に高める観点から、第一の部材2の剛軟度は5.5N以下であることが好ましく、5.0N以下であることがさらに好ましい。第一の部材2の剛軟度はその追従性を高める観点からは低ければ低いほどよいが、過度に低い場合には、前述のショアD硬度の場合と同様に、マスキング材1または第一の部材2の取り外し作業時に問題が発生することが懸念されるため、第一の部材2の剛軟度は通常0.5N以上とすることが好ましい。
(3)破断強度
第一の部材2は、JIS K7127(1999)に基づいて測定(測定環境:23℃、50%RH)した破断強度が2〜20MPaであることが好ましい。破断強度が2MPa以上であることによって、マスキング材1または第一の部材2の着脱作業時に第一の部材2を引き延ばすような力が付与された場合でも、第一の部材2に亀裂が入ったり破断したりするなどの問題を生じる可能性を低減することができる。この着脱作業時の問題発生の可能性をさらに安定的に低減する観点から、第一の部材2の破断強度は3MPa以上であることがより好ましく、4MPa以上であることがさらに好ましい。一方、破断強度が過度に高い場合には、前述の剛軟度が過度に高まる傾向を示す場合があるため、第一の部材2の破断強度は通常20MPa以下とすることが好ましい。
(4)破断伸度
第一の部材2は、厚み1mmのシート状に成型した際に、JIS K7161(1994)に基づいて測定(測定環境:23℃,50%RH)した、20mm/分で延伸したときの破断伸度(以下、「破断伸度」と略記する。)が50%以上であることが好ましい。この破断伸度が50%以上であることによって、マスキング材1または第一の部材2の着脱作業時に第一の部材2を引き延ばすような力が付与された場合でも、第一の部材2の破断などの問題を生じる可能性を低減することができる。この着脱作業時の問題発生の可能性をさらに安定的に低減する観点から、第一の部材2の破断伸度は60%以上であることが好ましく、100%以上であることが好ましい。上記の問題発生を回避する観点からは第一の部材2の破断伸度は高ければ高いほどよいが、過度に高い場合には、前述の剛軟度が過度に高まる傾向を示す場合があるため、第一の部材2の破断伸度は通常2000%以下とすることが好ましい。
(5)寸法変化率
第一の部材2は、マスキング中に加熱された場合でも、被マスキング部に接する面(マスキング部22)の面内方向の寸法変化率が小さいことが好ましい。ここで、上記の寸法変化率は、第一の部材2の加熱前における平面方向の1辺の長さをX、加熱後における平面方向の当該1辺の長さをXとした時に、以下の式で表わされるものである。
寸法変化率(%)={1−(X/X)}×100
180℃環境下での積算時間が13時間であるときの上記の寸法変化率は、5.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることが特に好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。第一の部材2の寸法変化率が上記範囲内にあれば、第一の部材2(マスキング材1)の寸法安定性は優れているということができる。また、この場合には、加熱されても材料が収縮しにくいことから、加熱後におけるマスキング性能にも優れている。
〔第二の部材の材料・製造方法〕
第二の部材3の材料としては、磁性体を含有し、前述した形状を保持することができ、所望の耐熱性、耐久性等を有する材料が選択される。第二の部材3は、例えば、磁性体の成形体、磁性粉末の焼結体、磁性粉末および樹脂を含有する材料(以下「複合材料C」という。)の成形体等とすることができる。
なお、第二の部材3は、単一の部材からなる必要はなく、異なる部材を組み合わせたものであってもよい。その場合、部材ごとに材料が異なってもよく、例えば、上記の磁性体を含有する材料からなる部材と、磁性体を含有しない部材とを組み合わせたものであってもよい。ただし、磁性体を含有する材料からなる部材は、第二の部材3の本体部31の全部または一部を構成することが好ましい。
本実施形態に係るマスキング材1が、例えば焼付塗装等、加熱工程下で使用される場合、上記磁性体は、加熱工程の温度よりも高いキューリー温度を有する必要がある。焼付塗装における加熱工程の温度は、通常120〜160℃であるため、磁性体のキューリー温度は、それ以上である必要がある。磁性体のキューリー温度が加熱工程の温度よりも低いと、磁化していた磁性体の磁力が加熱工程の途中で減少し、マスキング材1が被マスキング部から離脱してしまうおそれがある。
上記磁性体の成形体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属やそれらの合金(例えばステンレススチール)または酸化物の鋳造物、鍛造物、切削物等が挙げられる。
上記磁性粉末の焼結体としては、一般的な磁石が主として例示される。例えば、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライト、銅亜鉛フェライト等のフェライト系、アルミニウム−ニッケル−コバルト合金のようなアルニコ系、希土類−遷移金属系(例:SmCo系,SmFeN系,NbFeB系)等の希土類系などの強磁性体の粉末を焼結した磁石が挙げられる。
複合材料Cで使用可能な磁性粉末は、第一の部材2で使用可能な磁性粉末と同様である。一方、この複合材料Cで使用可能な樹脂は、磁性粉末との組み合わせで所望の耐熱性、耐久性等が得られる樹脂であれば、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
本実施形態に係るマスキング材1が、例えば焼付塗装等、加熱工程下で使用される場合、熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れるため、好ましく用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アリルエステル樹脂等が挙げられ、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
一方、熱可塑性樹脂であっても、上記加熱工程の温度よりも高い融点を有するものであれば、使用することができる。焼付塗装等における加熱工程の温度は、通常120〜160℃であるため、その温度よりも高い融点を有する熱可塑性樹脂を使用すればよく、好ましくは170℃以上、特に好ましくは180℃以上、さらに好ましくは200℃以上の融点を有する熱可塑性樹脂を使用する。
上記のような熱可塑性樹脂としては、例えば、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン1212、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイロン6T等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリベンズオキサゾール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が挙げられ、1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。上記の中でも、寸法安定性および耐薬品性に優れているポリアミド樹脂が好ましく、特にナイロン6が好ましい。ポリアミド樹脂の融点は、一般的には170℃以上であり、ナイロン6の融点は約220℃である。
複合材料Cにおける磁性体の含有量は、複合材料Cを構成する樹脂100体積部に対して、10〜80体積部であることが好ましく、15〜70体積部であることが特に好ましく、20〜60体積部であることがさらに好ましい。
複合材料Cは、上記の樹脂および磁性体の他、分散剤等の添加物を含有していてもよい。
第一の部材2が磁性体を含有しない場合、第二の部材3の磁化方向は特に限定されないが(被マスキング部が磁化されてない場合)、第一の部材2が磁性体を含有する場合には、前述した通り、第一の部材2の対向面23が第二の部材3側に向いたときに、第一の部材2と第二の部材3とが互いに引き合うように、第一の部材2および第二の部材3は磁化されていることが好ましい。
第二の部材3は、常法によって製造することができる。第二の部材3が複合材料Cからなる場合、使用する樹脂が熱硬化性樹脂であれば、圧縮成形によって製造することが好ましく、使用する樹脂が熱可塑性樹脂であれば、射出成形によって製造することが好ましい。第二の部材3(および第一の部材2)の着磁は常法によって行うことができ、公知の着磁・脱磁装置等を使用して行うことができる。
〔マスキング材の物性〕
マスキング材1の磁気的固定力は、被マスキング部がステンレス板からなる場合を一例とすると、0.5〜20Nであることが好ましく、特に1〜15Nであることが好ましい。マスキング材1の磁気的固定力が0.5N以上であることにより、被マスキング部に装着されたマスキング材1が使用中に脱落する可能性を低減することができる。また、マスキング材1の磁気的固定力が20N以下であることにより、使用後または装着位置を変更するときにマスキング材1を被マスキング部から取り外す作業等が容易となる。
ここで、マスキング材1の磁気的固定力は、被マスキング部としてのステンレス板(1.5mm厚,SUS430板)に、マスキング材1を付着させて、23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、引張試験機(オリエンテック社製,製品名「テンシロン」)を用いて、ステンレス板を台座に固定し、マスキング材をチャックで固定し、速度300mm/分でステンレス板とマスキング材とを引き離すのに必要とした力(N)を意味する。
マスキング材1の磁力はその使用目的に応じて適宜設定されるべきものであるが、通常、20〜100mTであることが好ましい。マスキング材1の磁力が20mT以上であれば、被マスキング部に装着されたマスキング材1が使用中に脱落する可能性を低減することができる。また、マスキング材1の磁気力が100mT以下であることにより、マスキング材1を被マスキング部から取り外す作業が容易となる。ここでいう磁力とは、マスキング材1のマスキング部22から1cm離れた距離でガウスメーターにより測定した磁力をいう。
〔マスキング方法〕
本発明の一実施形態に係るマスキング材1を使用したマスキング方法の一例について、以下説明する。被マスキング部としては、塗装前の自動車用鋼板における穴部の周りの円形部分とするが、これに限定されるものではない。かかる円形部分は、自動車のアース端子部として利用され得る。
最初に、図1および図3に示すように、マスキング材1の第一の部材2を第二の部材3にセットする。具体的には、第二の部材3の接触面311と第一の部材2の対向面23とが接触するまで、第二の部材3の凸部33を第一の部材2の穴部21に挿入する。
上記のようにセットしたマスキング材1の第二の部材3の凸部33を被マスキング部の穴部に挿入しつつ、マスキング材1の第一の部材2のマスキング部22を被マスキング部に接触させる。このとき、マスキング材1は、その磁力によって被マスキング部に付着する。また、弾性材料からなる第一の部材2は弾性変形し、これによってマスキング部22は被マスキング部に密着する。
この状態で、塗装およびその塗料の加熱硬化、場合によっては水研ぎおよびその後の加熱硬化を所望の回数繰り返す。マスキング材1は、弾性変形したマスキング部22が被マスキング部に密着することで、優れたマスキング性能を発揮する。最後の塗装およびその塗料の加熱硬化の工程が終了したら、第二の部材3の把持部32を持って、マスキング材1を被マスキング部から取り外す。このとき、第二の部材3による第一の部材2の保持力が、マスキング材1の被マスキング部への付着力よりも大きいと、第一の部材2のみが被マスキング部に残存することが効果的に防止される。
取り外したマスキング材1は、第一の部材2が変形、変質等して正確な形状を維持できなくなるまで、上記と同様にしてマスキングに繰り返し使用することができる。また、第一の部材2が変形、変質等して正確な形状を維持できなくなった場合には、当該第一の部材2を第二の部材3から取り外し、新品の第一の部材2を第二の部材3にセットして、上記と同様にしてマスキングに繰り返し使用することができる。なお、第一の部材2は、マスキング材1を1回使用する毎に新品に交換してもよい。
上記の塗装処理の詳細は限定されず、マスキング材1が装着された被塗装体を塗料中に浸漬する処理であってもよいし、塗料をスプレーで吹き付ける処理であってもよい。また、塗料は、着色用の塗料に限られず、例えばシーラーであってもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、マスキング材1は、平面視円形状に限られず、被マスキング部の形状に応じて様々な形状とすることができる。また、第一の部材2の穴部21および第二の部材3の凸部33は、平面視円形状に限られず、楕円形状や所望の多角形状とすることができる。さらには、第一の部材2は、穴部21の替わりに凸部を有し、第二の部材3は、凸部33の替わりに、第一の部材2が有する凸部が嵌合する凹部を有していてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
〔実施例1〕
アクリル酸エチル(EA)に由来する構成単位、アクリル酸n−ブチル(BA)に由来する構成単位およびアクリル酸メトキシエチル(MEA)に由来する構成単位をモル比として1:7:4の割合で含有し(以下、これらの成分のモル比を「アクリレートモル比」という。)、さらにカルボキシ基を有する化合物に由来する構成単位を微量含んでなる共重合体100質量部と、アミン系架橋剤としての6−アミノヘキシルカルバミド酸1質量部とからなり、架橋反応が進行する前の状態にあるアクリルゴムを用意した。
上記アクリルゴム100質量部に対して0.5質量部の4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンからなる老化防止剤、および上記アクリルゴム100体積部に対して47体積部のストロンチウムフェライトからなる磁性体を上記アクリルゴムに混合して、成形原料としての組成物を得た。この組成物を用いて、磁場中にある金型を用いた射出成形および着磁により、図2中の符号3に示す形状からなる成形体を得た。
得られた成形体を炉内が170℃に保持された恒温槽内に入れ、架橋温度を170℃として当該成形体を3時間加熱した。その後、恒温槽から成形体を取り出し、室温になるまで放冷して、第二の部材を得た。この第二の部材の本体部(密着面)の直径は30mm、本体部の高さは6mm、凸部の直径は6mm、長さは5mm、把持部の直径は14mm、高さは10mmであった。
これとは別に、上記と同じ成形原料としての組成物を、磁場中にある上記とは別の金型を用いた射出成形および着磁により、厚さ1mmのシート状の成形体を得た。
得られた成形体を炉内が170℃に保持された恒温槽内に入れ、架橋温度を170℃として成形体を3時間加熱した。その後、恒温槽から成形体を取り出し、室温になるまで放冷し、ダイカット機によって、図2中の符号2に示す形状、具体的には中心部分が直径6mmの円形に刳り貫かれた穴部を有する直径30mm、厚さ1mmの円盤形状からなる第一の部材を得た。
得られた第一の部材の穴部に第二の部材の凸部を嵌合させて、実施例1のマスキング材を得た。
〔実施例2〕
第一の部材の材質として、磁性粉体を含有するアクリルゴムから、ポリエステル樹脂(東レデュポン社製,製品名「ハイトレル4047N」)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のマスキング材を得た。
〔比較例1〕
従来のマスキングテープ(スリーエム社製,製品名「ファインラインマスキングテープ2800」)を用意し、これを比較例1のマスキング材とした。
〔比較例2〕
実施例1と同様にして作製した第二の部材のみを、比較例2のマスキング材とした。
〔比較例3〕
実施例1の第一の部材及び第二の部材を得るための成形原料を調製する際、ストロンチウムフェライトからなる磁性体を混合せず、また着磁も行わずに成形して、磁性体を含有しないマスキング材としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のマスキング材を得た。
〔試験例1〕浸漬試験
実施例および比較例で作製したマスキング材を、直径6mmの穴を有する平板状のステンレス鋼板(SUS304;厚さ0.5mm)に装着し(マスキング材の第二の部材の凸部をステンレス鋼板の穴に挿入し、第一の部材のマスキング部をステンレス鋼板に密着させ)、これをサンプルとした。なお、比較例1のマスキング材(テープ)については、2kgのローラーを用いて貼り付けた。電着塗料(日本ペイント社製,製品名「パワートップUエクセル250」;液温23℃)を満たした槽にサンプルを浸漬させ、浸漬開始から10分後にサンプルを取り出した。
次いで、ステンレス鋼板からマスキング材を取り外し、ステンレス鋼板のマスキング部への塗料の付着の有無を確認した。評価基準は次のとおりである。
A:付着無し
F:付着あり
評価結果を表1に示す。なお、この評価において付着あり(F)と評価された比較例1および3のサンプルについては、試験例2および3の評価を実施しなかった。
〔試験例2〕繰り返し使用試験
試験例1において評価がAだった実施例1および比較例2のサンプルについて、試験例1で行ったマスキング材装着−浸漬−マスキング材取り外しの作業を50回繰り返し行った。なお、実施例1のマスキング材については、上記作業1回ごとに第一の部材を新品に交換して、上記の繰り返し使用試験を行った。上記作業を50回行った後のステンレス鋼板のマスキング部への塗料の付着の有無を確認した。評価基準は次のとおりである。
A:付着無し
F:付着あり
評価結果を表1に示す。
〔試験例3〕第一の部材のショアD硬度の測定
実施例および比較例で作製したマスキング材の第一の部材について、180℃の環境下に40分間放置した後23℃の環境下に40分間放置するサイクルを20回繰り返す加熱試験(180℃環境下での積算時間は13時間)の前後において、タイプDデュロメータ(DD2−D,高分子計器社製)によりショアD硬度を測定した(JIS K7215に準拠)。結果を表1に示す。
Figure 0006397824
表1から分かるように、実施例1および2で得られたマスキング材は、マスキング性能に優れており、50回の繰り返し使用の後でもマスキング性能が維持されていた。
本発明のマスキング材は、例えば、自動車用鋼板の加熱工程を含む塗装作業におけるマスキングや、自動車のアース端子部のマスキングなどに好適に用いられる。
1…マスキング材
2…第一の部材
21…穴部
22…マスキング部
23…対向面
3…第二の部材
31…本体部
311…密着面
32…把持部
33…凸部

Claims (14)

  1. 被マスキング部の少なくとも一部に接触するためのマスキング部を有し弾性材料からなる第一の部材と、前記第一の部材を着脱可能に保持する第二の部材とを備えたマスキング材であって、
    前記第一の部材および前記第二の部材は磁性体を含有し、
    前記マスキング材は、前記マスキング部において磁力に基づいて前記被マスキング部に付着可能であり、
    前記第二の部材による前記第一の部材の保持力は、前記マスキング材の前記被マスキング部への付着力よりも大きく、
    前記第二の部材による前記第一の部材の保持力の少なくとも一部は、前記第一の部材と前記第二の部材との間に作用する磁力に基づく
    ことを特徴とするマスキング材。
  2. 前記第一の部材の前記マスキング部が前記第二の部材側に向いたときに、前記第一の部材と前記第二の部材とが互いに反発するように、前記第一の部材および前記第二の部材は磁化されていることを特徴とする請求項に記載のマスキング材。
  3. 前記第一の部材は穴部を有しており、
    前記第二の部材は、前記第一の部材の穴部に挿入され、当該穴部と嵌合可能な凸部を有しており、
    前記凸部は、前記第一の部材に対して挿脱可能なように、略一定の太さの柱状となっている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマスキング材。
  4. 前記第一の部材の穴部の大きさは、前記第二の部材の凸部の太さと同じであるか又は僅かに小さいことを特徴とする請求項に記載のマスキング材。
  5. 前記第一の部材はシート状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のマスキング材。
  6. 前記第一の部材はシート状であり、
    前記第二の部材は、本体部と前記凸部とを有しており、
    前記第二の部材の本体部は、前記第一の部材における一方の主面の全面と接触する接触面を有しており、かつ、前記接触面は、前記第一の部材の前記主面と実質的に同じ大きさとなっている
    ことを特徴とする請求項3〜のいずれか一項に記載のマスキング材。
  7. 前記第一の部材は、シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素およびフッ素樹脂を含有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスキング材。
  8. 前記第一の部材は、アクリルゴムを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のマスキング材。
  9. 前記アクリルゴムは、アミン系架橋剤に基づく架橋構造を有するものであることを特徴とする請求項に記載のマスキング材。
  10. 前記第一の部材は、さらに磁性体を含有し、
    前記磁性体の含有量は、前記アクリルゴム100体積部に対して10〜80体積部である
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のマスキング材。
  11. 前記第一の部材は、ショアD硬度が10〜40であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のマスキング材。
  12. 前記第一の部材は、180℃環境下での積算時間が13時間であるときのショアD硬度が10〜40であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のマスキング材。
  13. 前記第二の部材には、前記マスキング材を被マスキング部に対して着脱するときに、前記第二の部材を把持することのできる把持部が形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のマスキング材。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のマスキング材における前記第一の部材の前記マスキング部を弾性変形させながら、前記マスキング材と前記被マスキング部との間に作用する磁力に基づいて、前記マスキング材を前記被マスキング部に付着させることを特徴とするマスキング方法。
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