以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る非接触給電システム1の構成例を示す図である。
非接触給電システム1は、送電装置100と、複数の受電装置3001〜300n(nは任意の自然数)と、受電モニタ装置400とを備えている。本実施形態では、非接触給電システム1は、複数の受電装置3001〜300nを備えるものとするが、このうちの任意の一つの受電装置を備えるものとしてもよく、受電装置の数は任意である。また、受電モニタ装置400は、必要に応じて省略することも可能である。
送電装置100は、電力を電磁エネルギーに変換して空間に送出するものであり、送電を行う送電側コイルL1、共振用コンデンサC1、電源部110を備える。電源部110は、送電側コイルL1を励磁するための電力を発生させるためのものである。本実施形態では、電源部110は、交流電力を発生させるものとするが、交流電力には、電圧または電流の振幅の極性が時間的に変化するもののほか、極性は変化せずに振幅の大きさのみが時間的に変化するものも含まれる。
電源部110は、安定化電圧回路ST、周波数制御回路FC、Nチャネル型電界効果トランジスタQ1,Q2を備えている。安定化電圧回路STは、交流電源(例えば、商用電源)ACから所定の直流電圧を発生させるものである。安定化電圧回路STは、高電圧出力端子および低電圧出力端子を備え、これら高電圧出力端子と低電圧出力端子との間に上記直流電圧を発生させる。
Nチャネル型電界効果トランジスタQ1,Q2は、送電側コイルL1を駆動するためのドライバを構成する。Nチャネル型電界効果トランジスタQ1のドレインには、安定化電圧回路STの高電圧出力端子が接続され、そのソースには、Nチャネル型電界効果トランジスタQ2のドレインが接続されている。Nチャネル型電界効果トランジスタQ2のソースには、安定化電圧回路STの低電圧出力端子が接続されている。
Nチャネル型電界効果トランジスタQ1のソースとNチャネル型電界効果トランジスタQ2のドレインとの間の接続点は、電源部110の出力部を形成し、この出力部には、送電側コイルL1の一端が接続されている。送電側コイルL1の他端には、共振用コンデンサC1の一端が接続され、共振用コンデンサC1の他端には、Nチャネル型電界効果トランジスタQ2のソース(安定化電圧回路STの低電圧出力端子)が接続されている。即ち、電源部110の出力部と電源部110を構成する安定化電圧回路STの低電圧出力端子との間に、送電側コイルL1と共振用コンデンサC1とが直列接続されている。これら送電側コイルL1と共振用コンデンサC1は、LC直列共振回路を形成している。
周波数制御回路FCは、Nチャネル型電界効果トランジスタQ1とNチャネル型電界効果トランジスタQ2とを交互にオン/オフさせてスイッチング動作させるためのものである。Nチャネル型電界効果トランジスタQ1,Q2がスイッチング動作することにより、安定化電圧回路STで発生された直流電圧が送電側コイルL1と共振用コンデンサC1とから構成されるLC直列共振回路に対して間欠的に供給される。これにより送電側コイルL1に対し交流電力が供給され、送電側コイルL1が交流的に励磁されて空間に磁束MFを発生させる。
受電装置3001〜300nは、それぞれ、送電装置100が発生させた磁束MFによる電磁エネルギーを受け取って電力に変換するためのものである。受電装置3001〜300nの出力部には、それぞれ、負荷LD1〜LDnが接続されている。負荷LD1〜LDnは、それぞれ、受電装置3001〜300nによって変換された電力を電源として作動する任意の装置である。
受電装置3001は、受電側コイルL31、共振用コンデンサC31、変換部3101を備えている。受電側コイルL31は、給電時に、送電側コイルL1のループの外方の位置であって送電側コイルL1によって形成される磁束MFが鎖交する位置に配置され、この鎖交により送電側コイルL1と磁気結合される。ここで、送電側コイルL1のループの外方とは、送電側コイルL1によって形成されるループで閉じられた領域の外側を指す。
また、本実施形態では、磁気結合の概念には、共振現象に基づく結合が含まれる。
また、磁束MFが受電側コイルL31に鎖交する位置とは、例えば、送電側コイルL1を含む仮想平面(送電側コイルL1が備えられた後述の図2に示すテーブルの天板TUと平行な平面)と受電側コイルL31のループの中心を通る軸(以下、「軸線」と称す。)が略平行をなし、且つ、受電側コイルL31の軸線が送電側コイルL1の一部と交差する状態となる位置を指す。このような送電側コイルL1と受電側コイルL31との間の配置関係に関する条件は、例えば、後述の図2に示すように、上述の受電装置3001を備えた端末のユーザーが、送電側コイルL1を含む後述のテープコイルTBCが取り付けられたテーブルの天板TUの周囲に配置された椅子に着座した場合に満たされる。この場合、利用者は、受電側コイルL31の軸線が身体の前後方向と略一致するようにして、受電装置3001が備えられた端末を所持しているものとする。なお、上述の受電側コイルL31の軸線が送電側コイルL1の一部と交差する状態となる位置とは、例えば、送電側コイルL1のループに受電側コイルL31の軸線を投影した投影線が送電側コイルL1の一部と交差する状態を指す。
共振用コンデンサC31は、受電側コイルL31とLC直列共振回路を形成している。これら受電側コイルL31と共振用コンデンサC31とによるLC直列共振回路の共振周波数は、送電装置100の送電側コイルL1と共振用コイルC1とによるLC直列共振回路の共振周波数と略一致している。従って、上述の送電装置100の電源部110から見て、送電側コイルL1、共振用コンデンサC1、受電側コイルL31、共振用コンデンサC31が一体となって共振回路を形成しており、これにより、送電装置100から受電装置3001への給電効率を高めている。
変換部3101は、受電側コイルL31に誘起された交流電力を所望の電力に変換するためのものであり、ダイオードD11,D21,D31,D41、コンデンサC41、定電圧回路PT1、コンデンサC51を備えている。このうち、ダイオードD11〜D41はフルブリッジ整流回路(符号なし)を構成している。即ち、ダイオードD11のカソードは、フルブリッジ整流回路の高電圧出力ノードに接続され、そのアノードはダイオードD21のカソードに接続され、ダイオードD21のアノードは、フルブリッジ整流回路の低電圧出力ノードに接続されている。ダイオードD31のカソードは、フルブリッジ整流回路の高電圧出力ノードに接続され、そのアノードはダイオードD41のカソードに接続され、ダイオードD41のアノードは、フルブリッジ整流回路の低電圧出力ノードに接続されている。
ダイオードD11のアノードとダイオードD21のカソードとの間の接続点には、受電側コイルL31の一端が接続されている。受電側コイルL31の他端には、共振用コンデンサC31の一端が接続されている。共振用コンデンサC31の他端は、ダイオードD31のアノードとダイオードD41のカソードとの間の接続点に接続されている。
上述のダイオードD11〜D41により形成されるフルブリッジ整流回路の高電圧出力ノードと低電圧出力ノードとの間には、コンデンサC41と定電圧回路PT1が並列接続され、定電圧回路PT1の出力部は、受電装置3001の出力部となっている。定電圧回路PT1の出力部と、上記フルブリッジ整流回路の低電圧出力ノードとの間には、コンデンサC51が接続されている。定電圧回路PT1の出力部(即ち受電装置3001の出力部)には、負荷LD1が接続されている。本実施形態では、定電圧回路PT1は、電圧安定化回路から構成される。
他の受電装置3002(図示略)〜300nのそれぞれについても、受電装置3001と同様に構成されている。図1の例では、受電装置300nが備える受電側コイルL3n、共振用コンデンサC3n、変換部310nは、それぞれ、受電装置3001が備える受電側コイルL31、共振用コンデンサC31、変換部3101に相当する要素である。また、受電装置300nの変換部310nが備えるダイオードD1n〜D4n、コンデンサC4n、定電圧回路PTn、コンデンサC5nは、受電装置3001の変換部3101が備えるダイオードD11〜D41、コンデンサC41、定電圧回路PT1、コンデンサC51に相当する要素である。定電圧回路PTnの出力部(即ち、受電装置300nの出力部)には負荷LDnが接続されている。
本実施形態では、受電装置3001〜300nの受電側コイルL31〜L3nは、それぞれ、送電装置100の送電側コイルL1と磁気的に結合される。
受電モニタ装置400は、上述した受電装置3001〜300nが備える受電側コイルL31〜L3nのそれぞれに誘起された電力をモニタするモニタ部として機能するものである。受電モニタ装置400は、例えば受電装置3001が備える受電側コイルL31および共振用コンデンサC31に相当する受電側コイルL3mおよび共振用コンデンサC3mを備えている。また、受電モニタ装置400が備える変換部410は、例えば受電装置3001の変換部3101が備えるダイオードD11〜D41、コンデンサC41に相当するダイオードD1m〜D4m、コンデンサC4mを備えると共に、定電圧回路PT1に代えて電圧検出回路DTを備えている。
電圧検出回路DTは、ダイオードD1m〜D4mにより形成されるフルブリッジ整流回路の高電圧出力ノードと低電圧出力ノードとの間に発生される直流電圧を検出して、その直流電圧の電圧値を示す電圧モニタ信号SDCを出力する。この電圧モニタ信号SDCにより示される電圧値は、受電装置3001〜300nの受電側コイルL31〜L3nのそれぞれに相当する受電側コイルL3mに誘起される交流電圧の振幅の2分の1の電圧値に対応している。これにより、電圧モニタ信号SDCから、上述した受電装置3001〜300nが備える受電側コイルL31〜L3nに誘起される電力を推定することができる。
本実施形態では、送電装置100の電源部110を構成する周波数制御回路FCは、受電モニタ装置400によりモニタされた電力が所定値となるように、送電側コイルL1を励磁する交流電力の周波数を調整する。即ち、周波数制御回路FCは、受電モニタ装置400から出力される電圧モニタ信号SDCにより示される電圧値が所定電圧値となるように、送電側コイルL1を励磁する交流電力の周波数を調整する。この所定電圧値は、例えば、受電装置3001〜300nの出力部にそれぞれ接続される負荷LD1〜LDnの電源仕様に応じて任意に設定し得る。
なお、送電側コイルL1を励磁する上記交流電力の周波数は、一定の周波数(固定周波数)に設定されてもよい。
図2は、送電側コイルL1をテーブルの天板TUに設けた場合に、テーブルの周囲に着座した複数のユーザーが使用する電気機器(図では4つ)が同時に給電される機構を示す図である。
本実施形態では、受電側コイルL31〜L34を備えた受電装置3001〜3004は、テーブルの天板TUの周囲に配置された4脚の椅子にそれぞれ着座する4人のユーザーが使用する電気機器に組み込まれている。ただし、図3では、1脚の椅子に着座する1人のユーザーのみが例示的に示されており、他の3脚の椅子に着座する3人の利用者は省略されている。以下では、説明の簡略化のため、図2に例示する4脚の椅子にそれぞれ着座する4人のユーザーが所持する4個の受電装置3001〜3004を例に説明するが、受電装置の個数は任意である。
本実施形態では、送電側コイルL1は、テープ状に加工されたコイル(以下、「テープコイル」と称す。)TBCとして形成され、テープコイルTBCは、テーブルの天板TUの外縁に沿って周回するようにテーブルに配置される。これにより、テーブルには、その天板TUの外縁に沿って周回するように送電側コイルL1が取り付けられる。テープコイルTBCとして形成された送電側コイルL1には電源部110が接続され、送電側コイルL1は電源部110により励磁される。図2では省略されているが、共振用コンデンサC1が送電側コイルL1と直列に接続されている。
ただし、図2の例に限定されることなく、送電側コイルL1は、受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34と磁気的に結合することを限度に、任意の形態で配置することが可能である。また、受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34についても、送電側コイルL1と磁気的に結合することを限度に、任意の形態で配置することが可能である。
図2から理解されるように、本実施形態では、各椅子に着座するユーザーが所持する受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34は、テープコイルTBCとして形成された送電側コイルL1のループの外方に位置する。テーブルの周囲に配置された椅子にユーザーが着座すると、ユーザーが備える受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34が、テーブルの天板TUに配置されたテープコイルTBCとして備えられた送電側コイルL1と磁気的に結合される。
テーブルの天板TUの中心部からテープコイルTBCまでの距離aに等しい距離bによって規定される領域Aの内部であれば、テーブル周辺の任意の位置で受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34と送電側コイルL1とが磁気的に結合し、送電装置100と受電装置3001〜3004との間で非接触給電が可能である。従ってユーザーは、送電側コイルL1と受電側コイルL31〜L34との間の位置関係を意識することなく、テープコイルTBCが取り付けられたテーブルの天板TUの周囲に配置された椅子に座るだけで、送電装置100から受電装置3001〜3004に対して非接触により電力を伝送して負荷LD1〜LD4(図1参照)に給電することが可能になる。
図2において、距離aは、送電側コイルL1が配置されるテーブルの形状を円形とした場合には、その半径に相当する距離である。領域Aは、送電側コイルL1と受電側コイルL31〜L34との間で磁気的結合が可能な領域を示し、テーブルの天板TUの外縁から外方に向かって距離bまでの範囲である。本実施形態では、距離bは距離aに等しい。従って、例えばテーブルの天板TUの形状を1辺が1mの四角形とした場合、距離aは、テーブルの中心からそのテーブルの或る1辺と直交する方向において約50cmとなり、磁気的結合が可能な領域Aを規定する距離bも距離aの延長方向において約50cmとなる。このような領域Aの大きさは、テーブルの周囲に椅子を配置するのに充分である。従って、各ユーザーが領域Aに配置された椅子に着座すれば、受電装置3001〜3004が領域Aの内部に存在するため、各受電装置に対して効率よく受電を実施することができる。
図3は、送電側コイルL1(テープコイルTBC)を天板TUに設けたテーブルの周囲に、プレート形状の受電装置3001(受電側コイルL31)を持ったユーザーが着座している状態を示す図である。図3では、1脚の椅子に着座する1人のユーザーのみが例示的に示されており、他の3脚の椅子に着座する3人のユーザーは省略されている。
テープコイルTBCは、図3に示すように、テーブルの天板TUの外縁にそって周回するようにテーブルに取り付けられている。テーブルの天板TUに対するテープコイルTBCの取り付け手法は任意である。本実施形態では、テープコイルTBCには粘着剤が塗布されており、これにより、テープコイルTBCをテーブルに直接取り付けることができる。
テープコイルTBCのインダクタンスは、テーブルの天板TUの外周長に応じた値になる。テープコイルTBCのインダクタンスの値に合わせて、所望の共振周波数が得られるように送電装置100の共振用コンデンサC1(図1参照)の値が選択される。テープコイルTBCのインダクタンスを容易に把握できるように、テープコイルTBCの表面または裏面に、インダクタンスに関する情報を表示することができる。
図11は、テープコイルTBC(送電側コイル)を構成するテープTBに付記された、インダクタンスに関する情報の表記例を示す図である。図11の例では、テープTBの表面または裏面に、その長手方向に沿って、テープTBの長さを示す目盛と、テープTBの長さに対応したテープコイルTBCのインダクタンスを示す情報CLVが付されている。図11では、インダクタンスを示す情報として、インダクタンスの数値が記載されているが、インダクタンスを示す情報はこれに限らない。テープTBの長さに対応したインダクタンスの数値を容易に想起または算出することが可能な情報であれば、どのようなものでもよい。例えば、テープコイルTBCのインダクタンスに応じた共振用コンデンサC1の容量をインダクタンスに関する情報として表記してもよい。
テープコイルTBCは、後述のように、複数の線材LL1〜LLtを含む帯状のテープTBを所定の長さ、例えばテーブルの天板TUの周長で切断し、両端をコネクタで接続することによって、複数の線材LL1〜LLtを一続きに接続したものである。このとき、テープコイルTBCのインダクタンスの値は、切断したテープTBの長さに対応する情報CLVによって与えられる。
この情報CLVを参照することにより、共振用コンデンサC1の値を適切に選択して、テーブルの天板TUの外周長に合わせて所望の共振周波数を得るための共振用コンデンサC1の値を知ることができる。したがって、テーブルの形状がどのようであっても、非接触給電の効率を阻害することなく、所望の共振周波数を有するテープコイルTBCを得ることができる。
次に、図1を用いて、第1実施形態による非接触給電システム1の動作を説明する。
送電装置100において、電源部110の安定化電圧回路STは、交流電源ACから直流電圧を発生させる。周波数制御回路FCは、受電モニタ装置400から供給される電圧モニタ信号SDCにより示される電圧値が所定電圧値になるように、Nチャネル型電界効果トランジスタQ1,Q2をスイッチングさせる。これにより、安定化電圧回路STにより発生された直流電圧が間欠的に電源部110から送電側コイルL1に供給され、電源部110が送電側コイルL1を励磁する。
初期状態では、受電モニタ装置400の受電側コイルL3mには電圧が誘起されていないので、電圧モニタ信号SDCが示す電圧値はゼロである。この場合、周波数制御回路FCは、例えば、Nチャネル電界効果トランジスタQ1,Q2のスイッチングの周波数を所定値に設定し、受電側コイルL3mに誘起される電圧の上昇を促す。
送電装置100において、電源部110が送電側コイルL1を励磁すると、送電側コイルL1のループの中心を通る軸線方向に磁束MFが形成される。この場合、図2に示すテーブルの天板TUの外縁に配置されたテープコイルTBCを回り込むように磁束MFが形成される。本実施形態では、テープコイルTBCは磁気シールド材MM(図12参照)を挟んでテーブルの天板TUの外縁に取り付けられているので、磁束MFは天板TUの内部には侵入せず、その殆どがテープコイルTBCから距離bの範囲内の領域Aに分布する。
このように磁束MFが形成された状態で、例えば受電装置3001を所持したユーザーが領域Aに配置された椅子に着座すると、受電装置3001の受電側コイルL31が送電装置100の送電側コイルL1のループの外方に位置した状態となり、受電側コイルL31と磁束MFとが鎖交する。これにより、受電側コイルL31がテープコイルTBCを構成する送電側コイルL1と磁気的に結合され、送電装置100と受電装置3001との間で非接触による給電が可能な状態になる。
このような状態で、磁束MFが変化すると、この磁束の変化を補償するように受電装置3001の受電側コイルL31に交流電力が誘起される。受電側コイルL31に誘起された交流電力は、変換部3101のダイオードD11〜D14から構成されるフルブリッジ整流回路により整流されてコンデンサC41を充電し、定電圧回路PT1に供給される。
定電圧回路PT1は、上記フルブリッジ整流回路により整流された電力を所望の一定電圧に変換して出力する。定電圧回路PT1から出力された電圧は、コンデンサC51により平滑化されて変換部3101から負荷LD1に供給される。
以上により、送電装置100から受電装置3001に対して非接触による給電が開始され、負荷LD1に電力が供給される。他の受電装置3002〜300nについても受電装置3001と同様に、ユーザーがテーブルの周囲の領域Aに配置された椅子に着座すると、受電側コイルL32〜L34が送電側コイルL1と磁気的に結合され、送電装置100から受電装置3002〜3004に非接触による給電が開始され、負荷LD2〜LD4に電力が供給される。
上述の送電装置100から受電装置3001〜3004への非接触給電による電力の供給状態は、受電モニタ装置400によりモニタされる。本実施形態では、受電モニタ装置400の受電側コイルL3mと送電側コイルL1との間の位置関係は、例えば、図2に示す領域Aにおいて、椅子に着座したユーザーが所持する受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34のそれぞれとテープコイルTBCとの間の距離の平均的な位置関係に設定される。
例えば、受電モニタ装置400の受電側コイルL3mと送電装置100の送電側コイルL1との間の距離は、椅子に着座したユーザーが所持する受電装置3001〜300nの受電側コイルL31〜L34のそれぞれとテープコイルTBCとの間の距離の平均値に相当する距離に設定される。この場合、受電モニタ装置400は、受電装置3001〜3004の受電側コイルL31〜L34に誘起される平均的な電力をモニタする。ただし、この例に限定されることなく、例えば、受電モニタ装置400の受電側コイルL3mは、図2に示す領域AにおいてテープコイルTBCから最も遠い位置に配置してもよい。この場合、領域Aにおいて最も磁気的結合度が小さい受電装置の受電電力をモニタすることができる。
受電モニタ装置400は、送電側コイルL1からの受電電力をモニタし、その受電電力に関する情報を電圧モニタ信号SDCとして送電装置100の電源部110にフィードバックする。電源部110は、電圧モニタ信号SDCによって示される受電側での受電電力に関する情報に基づき、送電側コイルL1と受電側コイルL3mとの間の距離に応じて、送電側コイルL1と共振用コンデンサC1とから構成されるLC直列共振回路を共振状態とし、受電側で所望の受電電力が得られるように送電側コイルL1を励磁する交流電力の周波数を調整してフィードバック制御を実施する。これにより、受電装置3001〜3004の負荷LD1〜LD4に対し、所望の電力が安定的に供給される。
図4ないし図10は送電側コイルL1(テープコイル)の構成を示す模式図である、図4は、送電側コイルL1のコネクタCN周辺の外観を示す斜視図である。図5は、送電側コイルL1の全体構成を示す模式図である。図6は、コネクタCNの第一のハウジング部CNAおよび第二のハウジング部CNBの内部構造を示す上視図である。図6(a)および図6(b)は、それぞれ第一のハウジング部CNAおよび第二のハウジング部CNBをヒンジを介して上下に展開した状態を示す。図7は、コネクタCNの第一のハウジング部CNAを示す斜視図である。図8は、コネクタCNの第二のハウジング部CNBを示す斜視図である。図9は、コネクタCNの第二のハウジング部CNBにテープTBおよび引出し線LO1,LO2を配置して、第一のハウジング部CNAを装着しようとする状態を、テープTBの長手方向から見た側面図である。図10は、コネクタCNの第二のハウジング部CNBにテープTBおよび引出し線LO1,LO2を配置して、第一のハウジング部CNAを装着しようとする状態を、引出し線LO1,LO2の長手方向から見た側面図である。
図4および図5に示すように、送電側コイルL1は、t本(tは2以上の整数)の線材LL1〜LLtを含むテープTBと、テープTBの一方の端部と他方の端部を連結するコネクタCNと、を含む。図6ないし図10に示すように、t本の線材LL1〜LLtはコネクタCNの内部に設けられた(t−1)本の第一の接続部CN1〜CNt−1によって一続きに接続されている。これにより、送電側コイルL1は、巻き数が(t−1)のコイルとして機能する。送電側コイルL1は、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2を介して、交流電力を供給する電源部110(図1参照)と接続される。図1に示した送電装置100は、このような送電側コイルL1を備えた非接触給電装置として機能する。以下、図4ないし図9では、t=7の場合を示しているが、tの値はこれに限定されない。tは2以上の任意の整数をとることが可能である。
線材LL1〜LLtは、例えばリッツ線などの導電性の線状部材よりなる。図4に示すように、線材LL1〜LLtは、樹脂等の柔軟性を有する絶縁体(被覆材)CVM1〜CVMtで被覆されている。図5に示すように、線材LL1〜LLtは、互いに等間隔に並べて配置された1本の帯状のテープTBを形成している。テープTBとしては、例えば、t本の線材LL1〜LLtを含むフレキシブルなフラットケーブルを用いることができる。
図6に示すように、コネクタCNの第一の側面(図6では、向かって左側の側面)には、第一挿入口IN10を有する第一の取り付け部IN1が設けられる。コネクタCNの第二の側面(図6では、向かって右側の側面)には、第二挿入口IN20を有する第二の取り付け部IN2が設けられる。t本の線材LL1〜LLtの一方の端部は、第一の取り付け部IN1に設けられた第一挿入口IN10に挿入される。t本の線材LL1〜LLtの他方の端部は、第二の取り付け部IN2に設けられた第二挿入口IN20に挿入される。後述するように、1本目から(t−1)本目までの線材LL1〜LLt−1の一方の端部は、コネクタCNの内部に設けられた(t−1)本の第一の接続部CN1〜CNt−1によって、t本の線材LL1〜LLtの並び方向に1本ずつずれた位置に配置された2本目からt本目までの線材LL2〜LLtの他方の端部に、それぞれ電気的に接続される。
コネクタCNの第三の側面(図6(a)では上側の側面)には、第三挿入口IN30を有する第三の取り付け部IN3と、第四挿入口IN40を有する第四の取り付け部IN4と、が設けられる。第一の引出し線LO1の一方の端部は、第三の取り付け部IN3に設けられた第三挿入口IN30に挿入される。第二の引出し線LO2の一方の端部は、第四の取り付け部IN4に設けられた第四挿入口IN40に挿入される。第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2は、コネクタCNとt本の線材LL1〜LLtとで形成された送電側コイルL1を、電源部110(図1参照)に接続する。
第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2は、導電性の線状部材からなる。図4に示すように、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2は、絶縁性の被覆材CVM01およびCVM02でそれぞれ被覆されている。後述するように、1本目の線材LL1の他方の端部は第二の接続部CN0によって第一の引出し線LO1に電気的に接続される。t本目の線材LLtの一方の端部は第三の接続部CNtによって第二の引出し線LO2に電気的に接続される。
図4および図6に示すように、コネクタCNは、第一のハウジング部CNAと、第二のハウジング部CNBとを含む。図9および図10に示すように、第二のハウジング部CNBは、第一のハウジング部CNAとの間にt本の線材LL1〜LLtを挟んで第一のハウジング部CNAに取り付け可能である。本実施形態では、第一のハウジング部CNAは、図7に示すように、浅い箱型の形状をしており、その底面(第二のハウジング部CNBと対向する面)は長方形である。第二のハウジング部CNBは、図8に示すように、第一のハウジング部CNAの底面と同じサイズの板状の形状をしている。
第一のハウジング部CNAおよび第二のハウジング部CNBは、剛性を有する材料からなる。特に、第一のハウジング部CNAは、非導電性の材料からなる。第一のハウジング部CNAおよび第二のハウジング部CNBは、例えばプラスチックで形成される。
図6(b)および図8に示すように、第二のハウジング部CNBの内面(第一のハウジング部CNAと対向する面)には、コネクタCNの第三の側面と平行なt本の第一の溝GR1〜GRtが、コネクタCNの第一の側面(第一の取り付け部IN1)および第二の側面(第二の取り付け部IN2)に沿ってこの順に並べて設けられている。t本の第一の溝GR1〜GRtの一方の端部は、第一挿入口IN10に臨む位置にそれぞれ設けられる。t本の第一の溝GR1〜GRtの他方の端部は、第二挿入口IN20に臨む位置にそれぞれ設けられる。t本の線材LL1〜LLtの一方の端部は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、それぞれt本の第一の溝GR1〜GRtの第一の側面付近の位置に位置決めされる。t本の線材LL1〜LLtの他方の端部は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、それぞれt本の第一の溝GR1〜GRtの第二の側面付近の位置に位置決めされる。
図6(b)および図8に示すように、第二のハウジング部CNBの内面には、コネクタCNの第一の側面および第二の側面と平行な第二の溝GRO1および第三の溝GRO2が、コネクタCNの第三の側面の一方の端部および他方の端部に対応する位置にそれぞれ設けられている。第二の溝GRO1は第三挿入口IN30に臨む位置に設けられる。第三の溝GRO2は第四挿入口IN40に臨む位置に設けられる。第一の引出し線LO1の端部は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、第二の溝GRO1の第三の側面付近の位置に位置決めされる。第二の引出し線LO2の端部は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、第三の溝GRO2の第三の側面付近の位置に位置決めされる。
図6(a)および図7に示すように、第一のハウジング部CNAの底面には、t行×s列(sは1以上の整数。本実施形態では、例えばs=3)の配列でt×s個の第一の圧接部材SS111〜SS1tsが第一の側面(第一の取り付け部IN1)に沿って互いに等間隔に並べて配置されている。第一のハウジング部CNAの底面には、t行×u列(uは1以上の整数。本実施形態では、例えばu=3)の配列でt×u個の第二の圧接部材SS211〜SS2tuが第二の側面(第二の取り付け部IN2)に沿って互いに等間隔に並べて配置されている。第一のハウジング部CNAの底面には、1個の第三の圧接部材SSO1と1個の第四の圧接部材SSO2が、第三の側面(第三の取り付け部IN3)に沿って互いに等間隔に並べて配置されている。
第一のハウジング部CNAには、1行目から(t−1)行目の第一の圧接部材SS111〜SS1(t−1)sによって一方の端部がそれぞれ着脱可能に取り付けられるとともに、2列目からt列目の第二の圧接部材SS221〜SS2tuによって他方の端部がそれぞれ着脱可能に取り付けられる(t−1)本の第一の導電部材CDM1〜CDMt−1が設けられている。第一のハウジング部CNAには、1列目の第一の圧接部材SS111〜SS11sによって一方の端部が着脱可能に取り付けられるとともに第三の圧接部材SSO1によって他方の端部が着脱可能に取り付けられる1本の第二の導電部材CDM0が設けられている。第一のハウジング部CNAには、t列目の第二の圧接部材SS2t1〜SS2tuによって一方の端部が着脱可能に取り付けられるとともに第四の圧接部材SSO2によって他方の端部が着脱可能に取り付けられる1本の第三の導電部材CDMtが設けられている。これらの第一の導電部材CDM1〜CDMt−1、第二の導電部材CDM0および第三の導電部材CDMtは、例えば銅線のように、線状の形状を有し、好ましくは可撓性を有する材料で形成される。
なお、第一のハウジング部CNAの、第三の側面に平行な第一の圧接部材および第二の圧接部材の1次元配列を「行」、第一の側面および第二の側面に平行な第一の圧接部材および第二の圧接部材の1次元配列を「列」という。また、圧接部材の配列の行番号は、第一のハウジング部CNAの第三の側面と反対側の第四の側面(図6(a)では下側の側面)に近い側から順に数えるものとする。図6(a)および図7では、s=3およびu=3の場合を示しているが、sおよびuの値はこれに限定されない。sおよびuは1以上の任意の整数をとることが可能である。第一の圧接部材および第二の圧接部材は、少なくとも1列分(t個)配置されていればよい。
すなわち、本実施形態では、行方向に並ぶs個の第一の圧接部材SS1k1〜SS1ks(k=1〜t)によって一個の第一の圧接手段が形成され、行方向に並ぶu個の第二の圧接部材SS2k1〜SS2ku(k=1〜t)によって一個の第二の圧接手段が形成されている。コネクタCNは、互いに等間隔に並べて配置されたt個(tは2以上の整数)の第一の圧接手段と、互いに等間隔に並べて配置されたt個の第二の圧接手段と、1個目から(t−1)個目の前記第一の圧接手段によって一方の端部がそれぞれ着脱可能に取り付けられるとともに、2個目からt個目の前記第二の圧接手段によって他方の端部がそれぞれ着脱可能に取り付けられる(t−1)本の第一の導電部材CDM1〜CDMt−1と、を含む。t個の第一の圧接手段にそれぞれ含まれる第一の圧接部材の数は、1以上の任意の数をとることができ、その数は第一の圧接手段ごとに異なっていてもよい。同様に、t個の第二の圧接手段にそれぞれ含まれる第二の圧接部材の数は、1以上の任意の数をとることができ、その数は第二の圧接手段ごとに異なっていてもよい。
コネクタCNは、1本目から(t−1)本目までの線材LL1〜LLt−1の一方の端部をt本の線材LL1〜LLtの並び方向に1本ずつずれた位置に配置された2本目からt本目までの線材LL2〜LLtの他方の端部にそれぞれ電気的に接続する(t−1)本の第一の接続部CN1〜CNt−1を含む。k本目(k=1〜t−1)の線材LLkの一方の端部と(k+1)本目の線材LLk+1の他方の端部とを接続する第一の接続部CNkは、複数(本実施形態ではs個)の第一の圧接部材SS1k1〜SS1ks、複数(本実施形態ではu個)の第二の圧接部材SS2(k+1)1〜SS2(k+1)u、および1本の第一の導電部材CDMkを含む。
コネクタCNは、1本目の線材LL1の他方の端部を第一の引出し線LO1に電気的に接続する第二の接続部CN0と、t本目の線材LLtの一方の端部を第二の引出し線LO2に電気的に接続する第三の接続部CNtとを含む。第二の接続部CN0は、複数(例えば3つ)の第二の圧接部材SS211〜SS21s、1つの第三の圧接部材SSO1、および1本の第二の導電部材CDM0を含む。第三の接続部CNtは、複数(例えば3つ)の第一の圧接部材SS1t1〜SS1tu、1つの第四の圧接部材SSO2、および1本の第三の導電部材CDMtを含む。
同じ行に属するs個の第一の圧接部材およびu個の第二の圧接部材は、例えば、同一直線上に並ぶように配置される。行方向に並ぶ第一の圧接部材の数(本実施形態ではt個)と行方向に並ぶ第二の圧接部材の数(本実施形態ではt個)は等しい。行方向に並ぶ第一の圧接部材および第二の圧接部材の数は、コネクタCNに取り付け可能な線材の最大本数(t)となる。列方向に並ぶ第一の圧接部材および第二の圧接部材の数は、特に限定はない。しかし、線材LL1〜LLtおよび第一の導電部材CDM1〜CDMt−1が第一の圧接部材および第二の圧接部材によって低抵抗で且つ確実に保持されるようにするために、列方向に並ぶ第一の圧接部材および第二の圧接部材の数は複数であることが好ましい。
図6(a)に示すように、第一の圧接部材SS111〜SS1tsは、第一のハウジング部CNAの底面の、第一の側面寄りの半分の領域(図6(a)では左側の領域)に配列されている。第二の圧接部材SS211〜SS2tuは、第二の側面寄りの半分の領域(図6(a)では右側の領域)に配列されている。k行目(k=1〜t)の第一の圧接部材SS1k1〜SS1ksおよび第二の圧接部材SS2k1〜SS2kuは、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、k本目の第一の溝GRkに対向する位置に設けられている(k=1〜t)。
第一のハウジング部CNAには、図6(a)および図7に示すように、第三の圧接部材SSO1および第四の圧接部材SSO2が設けられている。第三の圧接部材SSO1は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、第二の溝GRO1および第三の溝GRO2に対向する位置に設けられている。第四の圧接部材SSO2は、第二のハウジング部CNBを第一のハウジング部CNAに取り付けたときに、第三の溝GRO2に対向する位置に設けられている。
図9に示すように、第一の圧接部材SS1ki(k=1〜t、i=1〜s)は一対の第一の挟持片HD1kiを備える。第二の圧接部材SS2kj(k=1〜t、j=1〜u)は一対の第二の挟持片HD2kjを備える。第一の挟持片HD1kiおよび第二の挟持片HD2kjは、剛性を有する導電性の材料、例えば銅や鉄といった金属で形成される。第一の挟持片HD1kiおよび第二の挟持片HD2kjは、それぞれ鋭利な刃状の先端を有する。そのため、第一の圧接部材SS1kiを線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkに押し付け、第二の圧接部材SS2k+1jを線材LLkの他方の端部の被覆材CVMkに押し付けたとき、第一の挟持片HD1kiおよび第二の挟持片HD2k+1jは被覆材CVMkを突き破って内部の線材LLkを挟み込む。
第一の挟持片HD1kiおよび第二の挟持片HD2k+1jには、第一の導電部材CDMkが挟持されている。第一の圧接部材SS1kiを線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkに押し付け、第二の圧接部材SS2k+1jを線材LLkの他方の端部の被覆材CVMkに押し付けたとき、第一の挟持片HD1kiおよび第二の挟持片HD2k+1jに挟み込まれた線材LLkは、予め挟持されている第一の導電部材CDMkと電気的に接続(圧接)される。
図10に示すように、第三の圧接部材SSO1は一対の第三の挟持片HDO1を備える。第四の圧接部材SSO2は一対の第四の挟持片HDO2を備える。第三の挟持片HDO1および第四の挟持片HDO2は、剛性を有する導電性の材料、例えば銅や鉄といった金属で形成される。第三の挟持片HDO1および第四の挟持片HDO2は、それぞれ鋭利な刃状の先端を有する。そのため、第三の圧接部材SSO1を第一の引出し線LO1の端部の被覆材CVM01に押し付けたとき、第三の挟持片HDO1は被覆材CVM01を突き破って内部の第一の引出し線LO1を挟み込む。第四の圧接部材SSO2を第二の引出し線LO2の端部の被覆材CVM02に押し付けたとき、第四の挟持片HDO2は被覆材CVM02を突き破って内部の第二の引出し線LO2を挟み込む。
第三の挟持片HDO1には、第二の導電部材CDM0が挟持されている。第三の圧接部材SSO1を第一の引出し線LO1の端部の被覆材CVM01に押し付けたとき、第三の挟持片HDO1に挟み込まれた第一の引出し線LO1は、予め挟持されている第二の導電部材CDM0と電気的に接続(圧接)される。第四の挟持片HDO2には、第三の導電部材CDMtが挟持されている。第四の圧接部材SSO2を第二の引出し線LO2の端部の被覆材CVM02に押し付けたとき、第四の挟持片HDO2に挟み込まれた第二の引出し線LO2は、予め挟持されている第三の導電部材CDMtと電気的に接続(圧接)される。
以下、図6、図9、図10を用いて、コネクタCNにテープTBを取り付ける手順について説明する。以下、s=3、u=3として説明するが、s、uの値はこれらに限られない。
まず、図6(a)に示すように、第一のハウジング部CNAの底面に設けられた1行目から(t−1)行目の第一の圧接部材SS111〜SS1(t−1)3に、1本目から(t−1)本目の第一の導電部材CDM1〜CDMt−1の一方の端部をそれぞれ取り付ける。第一のハウジング部CNAの底面に設けられた2行目からt行目の第二の圧接部材SS221〜SS2t3に、1本目から(t−1)本目の第一の導電部材CDM1〜CDMt−1の他方の端部をそれぞれ取り付ける。次に、第一のハウジング部CNAの底面に設けられた1行目の第二の圧接部材SS211〜SS213および第三の圧接部材SSO1に第二の導電部材CDM0を取り付ける。第一のハウジング部CNAの底面に設けられたt行目の第一の圧接部材SS1t1〜SS1t3および第四の圧接部材SSO2に第三の導電部材CDMtを取り付ける。以上により、第一の接続部CN1〜CNt−1、第二の接続部CN0および第三の接続部CNtが形成される。
次に、図6(b)に示すように、第二のハウジング部CNBに設けられた1本目からt本目の第一の溝GR1〜GRtの上に、1本目からt本目の線材LL1〜LLtを位置決めして配置する。また、第二のハウジング部CNBに設けられた第二の溝GRO1および第三の溝GRO2の上に、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2を位置決めして配置する。
次に、第一のハウジング部CNAの底面を、第二のハウジング部CNBに対向して配置する。このとき、図6(a)および図9に示すように、1本目からt本目の線材LL1〜LLtの一方の端部は、第一挿入口IN10に対向して配置される。1本目からt本目の線材LL1〜LLtの他方の端部は、第二挿入口IN20に対向して配置される。図6(a)および図10に示すように、第一の引出し線LO1は、第三挿入口IN30に対向して配置される。第二の引出し線LO2は、第四挿入口IN40に対向して配置される。
次に、第一のハウジング部CNAの底面を第二のハウジング部CNBに対向して配置した状態で、第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに近づけて、第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付ける。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図9に示す一対の第一の挟持片HD1k1〜HD1k3(k=1〜t−1)は、線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkを突き破って線材LLkを挟み込む。その結果、第一の圧接部材SS1k1〜SS1k3(k=1〜t−1)は、線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkを突き破って線材LLkに電気的に接続する。また、図9に示す一対の第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3(k=1〜t−1)は、線材LLk+1の他方の端部の被覆材CVMk+1を突き破って線材LLk+1を挟み込む。その結果、第二の圧接部材SS2(k+1)1〜SS2(k+1)3は線材LLkの他方の端部の被覆材CVMk+1を突き破って線材LLk+1に電気的に接続する。
図7および図9に示すように、第一の接続部CNk(k=1〜t−1)において、第一の挟持片HD1k1〜HD1k3は、第一の導電部材CDMkの一方の端部を挟み込んでいる。第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3は、第一の導電部材CDMkの他方の端部を挟み込んでいる。したがって、線材LLkの一方の端部は、第一の挟持片HD1k1〜HD1k3、第一の導電部材CDMk、第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3を介して、線材LLk+1の他方の端部に電気的に接続される。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図10に示すように、一対の第三の挟持片HDO1は、第一の引出し線LO1の端部の被覆材CVMO1を突き破って第一の引出し線LO1を挟み込む。その結果、第三の圧接部材SSO1は、第一の引出し線LO1の端部の被覆材を突き破って第一の引出し線LO1に電気的に接続する。また、図9に示すように、一対の第二の挟持片HD211〜HD213は、1本目の線材LL1の他方の端部の被覆材CVM1を突き破って線材LL1を挟み込む。その結果、第二の圧接部材SS211〜SS213は線材LL1の他方の端部の被覆材CVM1を突き破って線材LL1に電気的に接続する。
図7および図10に示すように、第二の接続部CN0において、第三の挟持片HDO1は、第二の導電部材CDM0の一方の端部を挟み込んでいる。第二の挟持片HD211〜HD213は、第二の導電部材CDM0の他方の端部を挟み込んでいる。したがって、第一の引出し線LO1の端部は、第三の挟持片HDO1、第二の導電部材CDM0、第二の挟持片HD211〜HD213を介して、1本目の線材LL1の他方の端部に電気的に接続される。第一の引出し線LO1のもう一方の端部は、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図10に示すように、一対の第四の挟持片HDO2は、第二の引出し線LO2の端部の被覆材CVMO2を突き破って第二の引出し線LO2を挟み込む。その結果、第四の圧接部材SSO2は、第二の引出し線LO2の端部の被覆材を突き破って第二の引出し線LO2に電気的に接続する。また、図9に示すように、一対の第一の挟持片HD1t1〜HD1t3は、t本目の線材LLtの一方の端部の被覆材CVMtを突き破って線材LLtを挟み込む。その結果、第一の圧接部材SS1t1〜SS1t3は線材LLtの一方の端部の被覆材CVMtを突き破って線材LLtに電気的に接続する。
図7および図10に示すように、第三の接続部CNtにおいて、第一の挟持片HD1t1〜HD1t3は、第三の導電部材CDMtの一方の端部を挟み込んでいる。第四の挟持片HDO2は、第三の導電部材CDMtの他方の端部を挟み込んでいる。したがって、第二の引出し線LO2の端部は、第四の挟持片HDO2、第三の導電部材CDMt、第一の挟持片HD1t1〜HD1t3を介して、t本目の線材LLtの一方の端部に電気的に接続される。第二の引出し線LO2のもう一方の端部は、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。
以上により、テープTBに設けられた1本目からt本目の線材LL1〜LLtはコネクタCNによって一続きに接続され、巻き数が(t−1)の送電側コイルL1が形成される。送電側コイルL1は、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2を介して、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。これにより、非接触給電システム1の送電装置100が形成される。
なお、コネクタCNは、テープTBに設けられたt本の線材LL1〜LLtのうち、t本未満の本数の線材LL1〜LLv(2≦v≦t−1)を用いて送電側コイルL1を形成する際にも利用可能である。以下、この場合にコネクタCNにテープTBを取り付ける手順について説明する。
まず、図6(a)に示すように、第一のハウジング部CNAの底面に設けられた1行目から(v−1)行目の第一の圧接部材SS111〜SS1(v−1)3に、1本目から(v−1)本目の第一の導電部材CDM1〜CDMv−1の一方の端部をそれぞれ取り付ける。第一のハウジング部CNAの底面に設けられた2行目からv行目の第二の圧接部材SS221〜SS2v3に、1本目から(v−1)本目の第一の導電部材CDM1〜CDMv−1の他方の端部をそれぞれ取り付ける。次に、第一のハウジング部CNAの底面に設けられた1行目の第二の圧接部材SS211〜SS213および第三の圧接部材SSO1に第二の導電部材CDM0を取り付ける。次に、第一のハウジング部CNAの底面に設けられたv行目の第一の圧接部材SS1v1〜SS1v3および第四の圧接部材SSO2に第三の導電部材CDMtを取り付ける。(v+1)本目からt本目までの線材LLv+1〜LLtは用いないので、(v+1)本目から(t−1)本目までの第一の圧接部材SS1v+11〜SS1t−13と(v+2)本目からt本目までの第二の圧接部材SS2v+21〜SS2t3には、第一の導電部材は取り付けない。
このとき、第二の導電部材CDM0は、図6(a)に示したものと同じものを用いることができる。しかし、第三の導電部材CDMtは、図6(a)に示したものよりも、行方向の長さが長いものを用いなければ、先端部が第三挿入口IN30に届かない。そのため、予備の第三の導電部材CDMtとして、行方向の長さが異なるものを複数用意しておくことが好ましい。
以上により、第一の接続部CN1〜CNv−1、第二の接続部CN0および第三の接続部CNvが形成される。
次に、図6(b)に示すように、第二のハウジング部CNBに設けられた1本目からv本目の第一の溝GR1〜GRvの上に、1本目からv本目の線材LL1〜LLvを位置決めして配置する。また、第二のハウジング部CNBに設けられた第二の溝GRO1および第三の溝GRO2の上に、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2を位置決めして配置する。
次に、第一のハウジング部CNAの底面を、第二のハウジング部CNBに対向して配置する。このとき、図6(a)および図9に示すのと同様に、1本目からv本目の線材LL1〜LLvの一方の端部は、第一挿入口IN10に対向して配置される。1本目からv本目の線材LL1〜LLvの他方の端部は、第二挿入口IN20に対向して配置される。図6(a)および図10に示すように、第一の引出し線LO1は、第三挿入口IN30に対向して配置される。第二の引出し線LO2は、第四挿入口IN40に対向して配置される。
次に、第一のハウジング部CNAの底面を第二のハウジング部CNBに対向して配置した状態で、第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに近づけて、第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付ける。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図9に示す一対の第一の挟持片HD1k1〜HD1k3(k=1〜v−1)は、線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkを突き破って線材LLkを挟み込む。その結果、第一の圧接部材SS1k1〜SS1k3(k=1〜v−1)は、線材LLkの一方の端部の被覆材CVMkを突き破って線材LLkに電気的に接続する。また、図9に示すような一対の第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3(k=1〜v−1)は、線材LLk+1の他方の端部の被覆材CVMk+1を突き破って線材LLk+1を挟み込む。その結果、第二の圧接部材SS2(k+1)1〜SS2(k+1)3は線材LLkの他方の端部の被覆材CVMk+1を突き破って線材LLk+1に電気的に接続する。
図7および図9に示すように、第一の接続部CNk(k=1〜v−1)において、第一の挟持片HD1k1〜HD1k3は、第一の導電部材CDMkの一方の端部を挟み込んでいる。第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3は、第一の導電部材CDMkの他方の端部を挟み込んでいる。したがって、線材LLkの一方の端部は、第一の挟持片HD1k1〜HD1k3、第一の導電部材CDMk、第二の挟持片HD2(k+1)1〜HD2(k+1)3を介して、線材LLk+1の他方の端部に電気的に接続される。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図10に示すのと同様に、一対の第三の挟持片HDO1は、第一の引出し線LO1の端部の被覆材CVMO1を突き破って第一の引出し線LO1を挟み込む。その結果、第三の圧接部材SSO1は、第一の引出し線LO1の端部の被覆材を突き破って第一の引出し線LO1に電気的に接続する。また、図9に示すのと同様に、一対の第二の挟持片HD211〜HD213は、1本目の線材LL1の他方の端部の被覆材CVM1を突き破って線材LL1を挟み込む。その結果、第二の圧接部材SS211〜SS213は線材LL1の他方の端部の被覆材CVM1を突き破って線材LL1に電気的に接続する。
図7および図10に示すのと同様に、第二の接続部CN0において、第三の挟持片HDO1は、第二の導電部材CDM0の一方の端部を挟み込んでいる。第二の挟持片HD211〜HD213は、第二の導電部材CDM0の他方の端部を挟み込んでいる。したがって、第一の引出し線LO1の端部は、第三の挟持片HDO1、第二の導電部材CDM0、第二の挟持片HD211〜HD213を介して、1本目の線材LL1の他方の端部に電気的に接続される。第一の引出し線LO1のもう一方の端部は、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。
第一のハウジング部CNAを第二のハウジング部CNBに取り付けたとき、図10に示すのと同様に、一対の第四の挟持片HDO2は、第二の引出し線LO2の端部の被覆材CVMO2を突き破って第二の引出し線LO2を挟み込む。その結果、第四の圧接部材SSO2は、第二の引出し線LO2の端部の被覆材を突き破って第二の引出し線LO2に電気的に接続する。また、図9に示すのと同様に、一対の第一の挟持片HD1v1〜HD1v3は、v本目の線材LLvの一方の端部の被覆材CVMvを突き破って線材LLvを挟み込む。その結果、第一の圧接部材SS1v1〜SS1v3は線材LLvの一方の端部の被覆材CVMvを突き破って線材LLvに電気的に接続する。
図7および図10に示すのと同様に、第三の接続部CNvにおいて、第一の挟持片HD1v1〜HD1v3は、第三の導電部材CDMtの一方の端部を挟み込んでいる。第四の挟持片HDO2は、第三の導電部材CDMtの他方の端部を挟み込んでいる。したがって、第二の引出し線LO2の端部は、第四の挟持片HDO2、第三の導電部材CDMt、第一の挟持片HD1v1〜HD1v3を介して、v本目の線材LLvの一方の端部に電気的に接続される。第二の引出し線LO2のもう一方の端部は、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。
以上により、テープTBに設けられた1本目からt本目の線材LL1〜LLtのうち1本目からv本目の線材LL1〜LLvはコネクタCNによって一続きに接続され、巻き数が(v−1)の送電側コイルL1が形成される。送電側コイルL1は、第一の引出し線LO1および第二の引出し線LO2を介して、図1に示した電源部110および共振用コンデンサC1と接続される。これにより、非接触給電システム1の送電装置100が形成される。
図12は、本発明の第一実施形態に係るテープコイルTBC(送電側コイルL1)を実現するテープを、磁気シールド材MMとともにテーブル天板TUの縁部に巻き付けた状態を示す図である。図12(a)および(b)はそれぞれ、テープコイルTBC、磁気シールド材MM、および天板TUとの配置関係を示す斜視図および断面図である。図12では、線材の本数を7本とし、6巻きのコイルを形成した状態を示している。
図12に示すように、送電側コイルL1のループに沿って、送電側コイルL1が形成する磁束MF(図1および図2参照)の分布に指向性を持たせるための磁気シールド材MMが設けられている。本実施形態では、天板TUの側面部に磁気シールド材MMが配置され、この磁気シールド材MMを挟んで線材が天板TUの側面部に取り付けられている。これにより、線材LLのループの外方において磁束MFが広く分布するため、その磁束MFの指向性が高まり、給電効率が改善される。
図13は、本発明の第一実施形態に係るテープコイル(送電側コイル)が、様々な形状やサイズを有するテーブルの天板の縁部に巻き付けられた状態を示す斜視図である。
テープコイルTBCをテーブルの縁部に形成する際には、テープはテーブルの形状やサイズに合うようにカットされた後、縁部に巻き付けられて配置される。テープは、樹脂等の柔軟性を有する素材で形成されている。このため、テープの長さを調整すれば、矩形の天板TU1(図13(a))や、円形の天板TU2(図13(b))はもちろん、図13(c)に示すような任意の形状やサイズのテーブルの天板TU3の縁部に、テープを巻き付けることができる。
テーブルの形状やサイズが異なると、テープコイルTBCのインダクタンスの数値も異なる。図11に示すように、テープTBの表面または裏面に、テープTBの長さに対応したインダクタンスの数値を容易に想起または算出することが可能な情報CLVが記載されていれば、情報CLVを参照して共振用コンデンサC1(図1参照)の値を適切に選択することで、テーブルの形状やサイズによらず、所望の共振周波数を得られる。これにより、非接触給電装置100の給電効率が低下しないようにすることができる。
上述した第一実施形態によれば、送電側コイルL1をテーブルの天板TUの外縁に配置したので、例えば家庭内において非接触による給電を容易に実施することができる。
また、受電装置3001〜3004が取り付けられた端末を所持するユーザーは、テープコイルTBCが取り付けられたテーブルの天板TUの周囲に配置された椅子に着座する都度、ユーザーの端末に対する給電を実施することができる。この場合、ユーザーは、送電装置100と受電装置3001〜3004との間の位置関係を意識する必要がなく、また、給電自体を意識する必要もない。従って、ユーザーに煩わしさを与えることなく、給電を実施することができる。
また、第一実施形態によれば、テーブルの天板TUの周囲の領域Aの内部であれば、受電装置を備えた不特定多数のユーザーの端末に対して給電を実施することができる。
[第二実施形態]
次に、図14を用いて、本発明の第二実施形態を説明する。図14は、ドアセンサーシステム2の概略を示す模式図である。図14(a)は、検出システムの検出コイルL2の配置を示す。図14(b)は、磁気シールド材MMを検出コイルL2に設けた例を示す。
本実施形態に係るドアセンサーシステム2は、検出コイルL2と、検知部DT2と、を含む。検出コイルL2は、図4ないし図8に示した送電側コイルL1と同様に、複数の線材LL1〜LLtと、複数の線材LL1〜LLtを一続きに接続して(t−1)巻きのコイルを形成するコネクタCNと、を含む。複数の線材は、例えば、帯状のテープとして提供される。検出コイルL2は、図4ないし図8に示した送電側コイルL1と同様に、第一の引出し線LO1と、第二の引出し線LO2と、によって外部に接続される。
本実施形態の検出コイルL2は、ドア枠の内側の周に沿って巻き付けられて配置される。検出コイルL2は、電流値を測定可能な検知部DT2に接続される。図14(b)に示すように、検出コイルL2の外側には、磁気シールド材MMを設けることができる。磁気シールド材MMは、図12に示したものと同様のものを用いることができる。これにより、ドア枠内部の磁場の検出精度を高めることができる。
図14(a)に示すように、ドアを通って人が出入りすると、ドア枠内の磁場が変化する。ドア枠内の磁場が変化すると、検出コイルL2に誘導起電力が発生する。その結果、検出コイルL2を流れる電流値が変化する。検出コイルL2を流れる電流値の変化は、検知部DT2により検知される。したがって、ドアセンサーシステム2により、ドアを通って人が出入りしたことを検知することができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、検出コイルL2をドアに配置して、ドアを通って人の出入りがあったことを検知することが可能なドアセンサーシステム2を構成することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形、変更、修正、置換等が可能である。上記の実施形態では、本発明のコイルおよびコネクタを非接触給電システム1の送電側コイルL1やドアセンサーシステム2の検出コイルL2に適用した例を説明したが、本発明のコイルおよびコネクタの用途はこれらに限られるものではない。例えば、無線通信用アンテナや、核磁気共鳴装置の磁場生成コイル等、様々な用途に本発明のコイルおよびコネクタを適用することができる。