JP6397257B2 - シート材切断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート材を切断する際に用いられるシート材切断装置に関する。
従来のシート材切断装置としては、例えば、特許文献1に開示されているように、下敷きマット(ベース台)と、左右方向に水平に延びる押え板(押え部材)と、を主に備え、切断対象であるシート材を押え板の自重により下敷きマットに対して押しつけて固定し、シート材を固定した状態でカッターにより安定的に切断するようにしたものがある。このシート材切断装置は、下敷きマットと押え板との一端側が上下に垂直に延びるピンにより連結されており、押え板は、ピンに沿って上下に移動可能となっている。
シート材を切断する作業を行う場合には、押え板を上方に移動させ、作業者が押え板を上方の位置に保ったまま、下敷きマット及び押え板の間隙にシート材を設置する。次いで、押え板を下方に移動させ該押え板の自重によりシート材を下敷きマットに対して押さえつけ、シート材を固定した状態で切断するようになっている。
実開平6−3598号公報(第6頁、第2図)
しかしながら、特許文献1のシート材切断装置にあっては、作業者が押え板を上方に移動させた状態を保ちながら、下敷きマット及び押え板の間隙にシート材を設置する作業を片手で行うこととなるため、正確にシート材を設置することが困難であり、押え板を上方の位置で固定したいという要望があった。また、シート材の切断作業を連続で行う場合には、押え板がシート材を押えた状態と、押え板がシート材から離間した状態と、の切り換え作業を繰り返し行うこととなるため、押え板の昇降作業を容易に行えるものが求められていた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、押え部材を上方側の位置で支持することができ、且つ押え部材がシート材を押えた状態とシート材から離間した状態とを容易に切り換え可能なシート材切断装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のシート材切断装置は、
シート材を載置可能なベース台と、前記ベース台上に載置された前記シート材の上面を自重により押さえつけて固定可能な左右方向に長手を有する押え部材と、を備え、前記押え部材により前記シート材を固定した状態でカッターにより切断するシート材切断装置であって、
前記押え部材は、前記シート材を押える固定位置と、前記ベース台から上方側に離間して設けられた載置部に載置される載置位置と、の間を案内路によってガイドされて昇降するようになっており、
前記案内路は、前記押え部材の左右両端側に設けられ、前記固定位置から前記押え部材の長手方向へ斜め上方に延び、その頂点から前記押え部材の長手方向へ斜め下方に延びた位置かつ前記固定位置よりも上方に載置位置が位置するように構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、押え部材を載置部に載置することで上方側の載置位置に配置された状態が保たれるため、作業者が両手で正確にシート材を設置することができる。また、押え部材を案内路に沿って昇降させることにより、押え部材の配置状態を固定位置と載置位置とに容易に切り換えることができる。
シート材切断装置を装着した作業台を示す斜視図である。 シート材切断装置を示す背面視の分解斜視図である。 支持部材のガイド溝の形状を示す正面図である。 図2のA−A断面図である。 押え部材が固定位置に配置された状態を示す正面図である。 押え部材が上方位置で支持された状態を示す正面図である。 シート材切断装置の変形例を示す正面視の分解斜視図である。
本発明に係るシート材切断装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係るシート材切断装置につき、図1から図7を参照して説明する。以下、図5及び図6の手前側をシート材切断装置の押え部材の正面側(前方側)とし、正面から見て左右側をシート材切断装置の押え部材の左右側として説明する。
図1に示されるように、シート材切断装置1を装着した作業台2は、物品の梱包作業や梱包に用いるシート材P1,P2,P3の切断作業等を行うものである。この作業台2は、左右に離間する支柱3,3と、支柱3,3の前面にブラケット8,8を介して水平に支持された天板4と、支柱3,3の前面にブラケット9,9を介して水平に支持された上下複数の横杆部材5,5,…と、後述するシート材切断装置1と、から主に構成されている。
この支柱3,3の前面には、上下方向に多数の係合孔3a,3a,…が設けられている。また、支柱3,3は、各下端部に前方に張り出す脚部6,6が設けられ、支柱3,3が安定的に立設されているとともに、各上端部同士が連結部材7により連結されて補強されている。また、天板4の左右両端側の下部には、後端側に張り出すフックを備えたブラケット8,8(片側のみ図示)が固着されており、前記フックを支柱3,3の前面の係合孔3a,3a,…に係合させることで、ブラケット8,8を介して天板4が支柱3,3の前面に装着されている。また、図2に示されるように、ブラケット8,8には、ネジ孔8aがそれぞれ形成されている(片側のみ図示)。尚、図2では、シート材切断装置1と天板4とを背面方向から見た分解斜視図を示している。
また、図1に示されるように、各横杆部材5は、支柱3,3の前面に対してフックにより装着されたブラケット9,9の間に着脱可能に架設されている。各横杆部材5の外周面には、種類の異なるロール状のシート材P1,P2,P3をそれぞれ回転可能に取付けることができるようになっており、適宜選択したシート材P1,P2,P3の端部を手前側に引っ張ることで、適宜シート材P1,P2,P3が天板4上に引き出されるようになっている。以下、本実施例では、シート材P1を切断する態様について説明する。
図1及び図2に示されるように、シート材切断装置1は、平板状のベース台10と、ベース台10の左右両端部に設けられる支持部材11,11’と、左右に離間した支持部材11,11’に架設される押え部材12と、を備えている。ベース台10は、左右方向に水平に延びており、天板4の上面に固定されている。また、このベース台10の左右両端には、上方に延びるピン10a,10aが設けられている。
また、図2ないし図4に示されるように、支持部材11,11’は、金属製の板材を折り曲げることにより形成されている。尚、支持部材11,11’は金属製に限らず、例えば、合成樹脂などで形成されていてもよい。
支持部材11は、下方に延出する延出部24を正面視右端側に備えており、支持部材11’は、下方に延出する延出部24’を正面視左端側に備えている。この延出部24,24’は、前後方向に長くなっており、貫通孔24a及び貫通孔24a’が複数個ずつ前後方向に離間してそれぞれ設けられている。
また、延出部24の上端には、正面視左端側に屈曲して延びる水平部13が設けられており、延出部24’の上端には、正面視右端側に屈曲して延びる水平部13’が設けられている。この水平部13,13’には、前後方向に延びるスリット13a,13a’が設けられており、スリット13a,13a’には、ベース台10のピン10a,10aが遊嵌されるようになっている。支持部材11,11’は、ブラケット8,8のネジ孔8a,8aと適合する貫通孔24a及び貫通孔24a’に対して選択的にボルト23,23をそれぞれ緊締することで固定される。
また、支持部材11,11’は、スリット13a,13a’がピン10a,10aに案内されて、ベース台10に対して前後に移動可能となっている。したがって、例えば、後述するカッターガイド部材20のガイドスリット21の位置をベース台10に対して前後にずらして、カッターによる切断位置を変更でき、カッターの下敷きとなるベース台10の劣化を遅らせることが可能となる。
また、水平部13の前端側には、さらに正面視左端側に延びる平板部14が設けられ、水平部13’の前端側には、さらに正面視右端側に延びる平板部14’が設けられている。この平板部14及び平板部14’の前後両端には、上方に屈曲して立設される立上部15,15及び立上部15’,15’が設けられている。
図2に示されるように、各立上部15及び各立上部15’には、後述するように押え部材12の昇降移動をガイドする正面視同一形状のガイド溝16(案内路)がそれぞれ形成されている。図3に示されるように、このガイド溝16は、正面視で左端部16aから右斜め上方に延び、その頂点から若干右斜め下方に位置する右端部16bに向けて延びており、右端部16bは、左端部16aよりも上方の位置に配置されている。
図2または図4に示されるように、押え部材12は、押出成形された左右方向に長手を有する金属であり、立上部15,15同士及び立上部15’,15’同士の前後離間幅よりも小さい前後幅に形成されている。尚、押え部材12は、金属製に限られず、シート材P1を自重により押さえつけることができれば、ある程度の重量を有した合成樹脂などで形成されていてもよい。
また、押え部材12の下面には、後方に張り出すカッターガイド部材20が固定されている。このカッターガイド部材20には、左右方向に延びるガイドスリット21が形成されており、カッターガイド部材20の下面には、ゴム等の弾性体22が固着されている。また、カッターガイド部材20の後方側端部20aは、後方側に傾斜して上方に延び、さらに水平に延びるように形成されている。
また、図2に示されるように、押え部材12は、左右両端部に前後方向に貫通するピン孔17,17を備えている。この押え部材12は、ピン孔17,17を支持部材11,11’の左右の各ガイド溝16と連通するように立上部15,15の間に配置した後、ピン孔17,17及び左右の各ガイド溝16に係合ピン18,18を挿入し、係合ピン18,18の先端にナット19,19を螺合することで支持部材11,11’に装着される。これによれば、後述するように、係合ピン18,18が各ガイド溝16に案内されて押え部材12が水平状態のまま左右方向に移動しながら昇降可能となる。
図5に示される押え部材12は、シート材P1の上面を押え付ける固定位置に配置された状態となっている。詳しくは、押え部材12の左右に設けられた係合ピン18,18が各ガイド溝16の左端部16a側に配置され、カッターガイド部材20の下面が、押え部材12の自重によりシート材P1をベース台10に押し付けた状態に保たれている。尚、このときには、図示しないが、シート材P1に対して前述したカッターガイド部材20の下面の弾性体22が当接するため、シート材P1をベース台10に押し付ける際に弾性体22が緩衝材となりシート材P1が損傷することが防止されている。
このように、押え部材12が固定位置に配置された状態にあっては、シート材P1がベース台10とカッターガイド部材20とにより狭圧されて固定されるため、ガイドスリット21に沿って図示しないカッターを移動させることでシート材P1を安定的に切断することができる。また、係合ピン18,18が左端部16a側で各ガイド溝16内に配置されているため、押え部材12が固定位置に配置された状態が保たれ、シート材P1を切断時に押え部材12の固定位置がずれることを防止できる。
図6に示される押え部材12は、係合ピン18,18が右端部16bの内周面上に載置された載置位置に配置された状態となっており、ベース台10の上面から上方に離間している。詳しくは、押え部材12が固定位置に配置された状態から押え部材12を直接把持し右側へ移動させることで、係合ピン18,18が各ガイド溝16に沿って移動して各ガイド溝16の最頂部に到達し、その後右端部16b側に下降して配置され、係合ピン18,18の下面側の外周面が各ガイド溝16における右端部16bの内周面に係合されることで、カッターガイド部材20の下面が天板4の上面から離間した状態に保たれている。すなわち、各ガイド溝16の右端部16bにおける押え部材12と当接した載置面は、押え部材12を上方位置で保持する載置部として機能している。
シート材P1を連続して切断する作業を行う際には、押え部材12を固定位置に配置してシート材P1を切断し、次いで、押え部材12を載置位置に配置してシート材P1を引き出し、上記作業を繰り返すようになっている。上述したように、押え部材12が上方位置に保持された状態にあっては、押え部材12の下面とベース台10の上面との間隙で、シート材P1を引き出す作業を、作業者が両手を使って行うことができ、シート材P1を正確に設置することができる。尚、このときには、切断する対象をシート材P2またはシート材P3に交換することもできる。
また、押え部材12をガイド溝16に沿って昇降させるだけで、押え部材12を固定位置と載置位置とに容易に切り換えることができるため、シート材P1を連続して切断する作業が簡単である。また、極めて簡単な構造であるガイド溝16で押え部材12をガイドでき、且つ載置位置で保持できるため、シート材切断装置1を安価に製造することができる。
また、押え部材12は、右側に移動しながら上昇するようになっており、押え部材12の固定位置と載置位置とは、左右方向にずれて配置されている。そのため、作業者に近い位置で押え部材12を固定位置と載置位置とに切り換えることができ、作業範囲が小さくて済む。また、押え部材12を直接把持して移動させることができるため、押え部材12の操作が容易となっている。
また、押え部材12の係合ピン18,18が、左右のガイド溝16によりガイドされるため、押え部材12を水平に保ったまま安定して昇降させることができる。
また、上記のように、押え部材12をガイド溝16の最頂部から下降させて右端部16bに載置させることから、地震等の振動や誤作動により押え部材12が左側に移動しても、当該押え部材12がガイド溝16の右端部16b側で係合されているため、押え部材12の固定位置への不測の落下が抑制される。
また、カッターガイド部材20の後方側端部20aは、傾斜して上方に延びるように形成されており、押え部材12の下面とベース台10の上面との間隙の間口が広くなっているため、押え部材12を載置位置に配置された状態でシート材P1を引き出しやすくなっている。
尚、前記実施例では、カッターガイド部材20のガイドスリット21に沿ってカッターを移動させることにより、シート材P1を切断する態様について説明したが、例えば、図7に示されるように、カッターガイド部材20を特段設けず、押え部材12の側面に沿ってカッターを移動させることでシート材P1を切断するようにしてもよい。また、押え部材12をシート材P1の固定用として使用し、別体のカッターガイド部材を用意してシート材P1の切断作業を行ってもよい。
また、前記実施例では、案内路をガイド溝16として説明したが、これに限られず、例えば、各立上部15及び各立上部15’から前後方向に突出して案内路を形成する凸条を設け、この凸条の上面に沿って係合ピン18,18を移動させるようにしてもよい。
また、押え部材12の固定位置と載置位置とは、左右方向にずれて配置され、押え部材12がガイド溝16に沿って左右方向に移動しながら昇降する態様について説明したが、これに限られず、例えば押え部材12の固定位置と載置位置とを前後にずらして配置し、押え部材12が前後に延びる案内路に案内されて、前後方向に移動しながら昇降するようにしてもよい。
また、ガイド溝16は、必ずしも押え部材12の左右両端側に設けられることに限られず、例えば、押え部材12の一方側が、シート材P1に干渉しない位置にガイド溝16に保持されない状態でベース台10上に載置されるとともに、押え部材12の他方側が、ガイド溝16に沿って前後に移動するように係合保持されていてもよい。これによれば、押え部材12の他方側をガイド溝16に沿って前後に移動させることで、押え部材12がシート材P1を押さえつけた状態と、押え部材12がシート材P1から離間した状態と、に変更できる。すなわち、押え部材12がシート材P1を押さえつけた状態と、押え部材12がシート材P1から離間した状態と、に変更できるものであれば、必ずしも押え部材12の両側がガイド溝16に保持されて水平状態に保たれなくともよい。
また、ガイド溝16の形状は、前記実施例の形状に限られず、例えば、垂直延びる垂直溝部と、垂直溝部の上端から直交方向に延びる載置部としての水平溝部と、を有する形状であってもよく、ガイド溝16の形状は、自由に設計することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、天板4とベース台10とが別々の部材により構成されていたが、これに限られず、別体のベース台を省略し天板をベース台として利用してもよい
また、支持部材11,11’は、ブラケット8,8に対して固定されていたが、天板4の側面に固定されていてもよい。
1 シート材切断装置
2 作業台
3,3 支柱
4 天板
8,9 ブラケット
10 ベース台
11,11’ 支持部材
12 押え部材
15,15’ 立上部
16 ガイド溝
16a 左端部
16b 右端部(載置部)
18,18 係合ピン
20 カッターガイド部材
21 ガイドスリット
22 弾性体
P1,P2,P3 シート材

Claims (1)

  1. シート材を載置可能なベース台と、前記ベース台上に載置された前記シート材の上面を自重により押さえつけて固定可能な左右方向に長手を有する押え部材と、を備え、前記押え部材により前記シート材を固定した状態でカッターにより切断するシート材切断装置であって、
    前記押え部材は、前記シート材を押える固定位置と、前記ベース台から上方側に離間して設けられた載置部に載置される載置位置と、の間を案内路によってガイドされて昇降するようになっており、
    前記案内路は、前記押え部材の左右両端側に設けられ、前記固定位置から前記押え部材の長手方向へ斜め上方に延び、その頂点から前記押え部材の長手方向へ斜め下方に延びた位置かつ前記固定位置よりも上方に載置位置が位置するように構成されていることを特徴とするシート材切断装置。
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