JP6395752B2 - 空気調和装置の室外機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置の室外機に関し、特に、室外機に使用されている送風機のファンの異常検出や信頼性向上に好適なものである。
一般に、ビル用の空気調和装置や小型冷凍機においては、冷媒と室外空気との熱交換を行うため、空気調和装置の室外機や、小型冷凍機の室外機には、クロスフィンチューブ式熱交換器やマイクロチャンネル熱交換器などの空冷式熱交換器が設けられている。また、これらの熱交換器に室外空気を通風して、熱交換器内を流れる冷媒と室外空気とを熱交換させるための送風機も備えられており、前記送風機は前記熱交換器に通風する風量を増加減できるように、インバータなどにより、回転数制御が可能に構成されている。更に、前記送風機は、その効率向上を図るため、ファンは複雑な曲面形状を有しており、樹脂成型品で製作される場合が多い。
前記送風機のファンには、冬季には氷柱が落下したり、また夏季においても台風などにより異物が吹き飛ばされるなどして、前記ファンに衝突することがある。送風機は、前記ファンへの落下物などの衝撃も考慮して設計されているものの、ファンの外周側の周速は時速100km/h程度まで高速となるため、樹脂材料で製作されたファンではその破損防止に限界があり、ファンが欠けるなどの損傷が発生することがある。
室外機の送風機における前記ファンなどの損傷の程度が大きい場合、風量が大きく低下するので、冷凍サイクルに異常が生じ、このため送風機の異常検知も比較的容易に行える。しかし、前記ファンなどの損傷の程度が小さい場合、風量はある程度出るため、冷凍サイクル側からの異常検知は難しい。
送風機は、正常な状態ではバランスの取れた状態で回転しているが、ファンの損傷が小さい状態で運転を継続すると、ファンの欠けなどの影響により、ファンの重心位置が回転軸の中心からずれて、回転体のバランスが崩れた状態(アンバランス状態)での運転となる。このアンバランスが加振力となり、室外機に大きな振動が発生し、また繰り返し応力により、室外機の他の部品にまで破損が広がり、最悪の場合、熱交換器や配管の破損に至る場合もある。このような状態になると、空気調和装置の継続運転が不可能となり、復旧にも多大な時間と費用を要することになる。
そこで、特開2014-211143号公報(特許文献1)のものでは、送風機の振動を検知する振動検知手段からの出力に基づいて前記送風機の異常を診断し、送風機の運転を停止させるようにしている。
特開2014-211143号公報
上記特許文献1のものでは、送風機の振動を検知する振動検知手段からの出力に基づいて送風機の異常を診断している。前記振動検知手段としては、例えば加速度センサを用い、アンバランス状態の送風機の振動を検知することで、異常を検知することはできる。しかし、加速度センサの出力は、ファンの欠損量に比例し、ファン回転数の二乗に比例する出力となるため、送風機が高い回転数で運転される範囲においては、異常検知の精度は良い。
しかし、春や秋など空調負荷の小さい時期においては、室外機の送風機の回転数も低い状態で運転されることが多く、送風機のファンの異常検知が難しいという課題がある。このため、空調負荷が小さく、送風機が中間回転数域や低回転数域で運転される場合においても、送風機の異常検知が可能であることが望まれている。
また、上記特許文献1のものには、振動検知手段を使用して送風機の振動を検知し、異常を検知するようにしているが、この異常検知において誤判定が発生する場合があることへの配慮がなく、誤判定の回避や異常検知後の室外機の制御について何ら記載されていない。
本発明の目的は、室外機のファン異常の誤判定を低減して、異常検知の精度を向上させることのできる空気調和装置の室外機を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ファンを有する室外機を備える空気調和装置の室外機であって、前記ファンの振動を検知する振動検知手段と、前記振動検知手段により前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ操作を行う制御装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、室外機のファン異常の誤判定を低減して、異常検知の精度を向上させることのできる空気調和装置の室外機を得ることができる効果がある。
本発明の空気調和装置の室外機の実施例1を示す斜視図。 図1のII−II線矢視断面図。 本発明の実施例1におけるファンの異常を検知する構成を説明する図。 脈動電流振幅値とファンの回転数との関係を示す線図。 ファン加振力とファンの回転数との関係を示す線図。 脈動電流振幅値とファン回転数の積と、ファン回転数の関係を示す線図。 実施例1におけるファンの異常検知のフローを説明するフローチャート。 実施例1における出力部であるリモコンの構成を説明する正面図。 図8に示すリモコンの他の例を説明する正面図。 本発明の実施例2におけるファンの異常を検知する構成を説明する図。 実施例2におけるファン異常検知のフローを説明するフローチャート。 本発明の実施例3における室外機の熱交換器の構成例を説明する斜視図。
以下、本発明の空気調和装置の室外機の具体的実施例を、図面を用いて説明する。本発明の空気調和装置の室外機は、特に室外機のファンの異常検知と異常レベルの表示に特徴を有するものである。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明の空気調和装置の室外機の実施例1を図1〜図9を用いて説明する。
図1は本発明の空気調和装置の室外機の実施例1を示す斜視図、図2は図1のII−II線矢視断面図、図3は本発明の実施例1におけるファンの異常を検知する構成を説明する図である。
空気調和装置は、屋外の基礎(或いは架台)20上に設置された室外機100と、屋内に設置されている1台以上の室内機(図示せず)とが冷媒配管により接続されて冷凍サイクルを構成し、空気調和を行うものである。前記室外機100は、図1、図2に示すように、筐体1に空冷式の熱交換器2と、この熱交換器2に通風するための送風機3(3A,3B)が備えられている。なお、図1に示す室外機100の例では2台の送風機3Aと3Bが具備されている。
前記送風機3A,3Bは、それぞれファン(プロペラファン)3a、このファン3aの外周に設けられ、ベルマウスやダクトとしての機能するシュラウド3b、前記ファン3aを駆動するモータ(ファンモータ)3c、このモータ3cを支持するモータ支持部材3d及びファンガード3eなどにより構成されている。
また、前記筐体1の内部には、圧縮機4、アキュームレータ5、制御品箱6などが設けられている。前記制御品箱6内には、外気温度センサや、空気調和装置を構成している冷凍サイクルの圧力センサなどの各種センサからの情報が入力されて、前記圧縮機4や膨張弁(図示せず)などの冷凍サイクル部品を制御する制御装置、前記送風機3を制御するためのインバータ装置などが収納されている。
図3に示すように、前記制御品箱6の内部には、前記送風機3のモータ(ファンモータ)3cを駆動すると共に、該モータ3cを所望の回転数に制御するためのインバータ装置6aと、前記圧縮機10、前記膨張弁及び前記各種センサなどを有する冷凍サイクル7を制御する制御装置6bなどが設けられている。
前記インバータ装置6aには、前記ファン3aを駆動する駆動電流(モータ電流)を検出する電流検出部61、前記モータ3cの磁極位置を検出する位相検出部62が設けられている。また、前記インバータ装置6aには、前記電流検出部で検出された電流に対して、前記位相検出部62から得られた回転周期に同期したある周期のq軸電流脈動(脈動電流)を抽出する脈動電流検出部63が設けられている。
更に、前記インバータ装置6aには、前記脈動電流検出部63で検出された脈動電流と前記ファンの回転数から前記ファン3aの異常を判定する演算部64も設けられている。即ち、本実施例では、前記演算部64は、前記脈動電流の振幅値(脈動電流振幅値)と前記ファンの回転数を乗算し、この乗算した値から前記ファン3aの異常を判定するようにしている。
なお、前記演算部64は、脈動電流振幅値と前記ファンの回転数を乗算した算出値を用いるだけでなく、脈動電流値(例えば脈動電流の最大値)とファンの回転数を乗算した算出値を用いて前記ファン3aの異常を判定するようにしても良い。
前記制御装置6bは前記インバータ装置6aの前記演算部と通信線等で接続されている。また、前記制御品箱6内には、前記制御装置6bと接続された記憶装置6cが備えられており、この記憶装置6cは前記ファン3aの異常を判定した結果を記憶できるように構成されている。
8は出力部で、この出力部8は、本実施例では、空気調和装置を操作する操作リモコン81で構成し、前記制御装置6bと通信線で接続されている。従って、本実施例では、前記演算部64でのファン3aの異常判定の結果を、前記制御装置6bを介して出力部8である前記操作リモコン81に出力し、その表示部81aに判定結果等を表示することができる。
また、前記記憶装置6cで記憶している前記ファン3aの過去のファンの異常判定履歴についても、前記制御装置6bを介して、出力部である前記操作リモコン81の表示部81aに表示させることができるように構成されている。
なお、前記出力部8に出力された振動レベルのデータ等を外部へ送信する送信手段を前記制御装置6bなどに備えるようにすると、外部の遠隔監視システムやパソコン等からもファン3aの振動レベルや異常発生を把握することができる。
次に、正常なファンと、ファンの一部が欠損などして回転アンバランスが生じているファンを、前記モータ3cにより駆動して回転させた場合の駆動電流の脈動電流振幅値と、前記各ファンに発生する加振力について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は脈動電流振幅値とファンの回転数との関係を示す線図、図5はファン加振力とファンの回転数との関係を示す線図である。
図4において、横軸はファンの回転数、縦軸はファン駆動電流の脈動電流振幅値である。また、Aで示す曲線は正常ファンの回転数に対する脈動電流振幅値、B1で示す破線の曲線はアンバランス小のファンの回転数に対する脈動電流振幅値、B2で示す破線の曲線はアンバランス大のファンの回転数に対する脈動電流振幅値をそれぞれ示している。更に、D1はアンバランス小のファンB1の高回転域での正常ファンAに対する振幅値の差、D2はアンバランス大のファンB2の高回転域での正常ファンAに対する振幅値の差である。
この図4に示すように、正常ファンAと、一部欠損などにより回転アンバランスが発生しているファンB1,B2とでは、回転数に対する脈動電流振幅値に違いが観測され、アンバランス大のファンB2では、脈動電流振幅値が、正常ファンと比べ、大きく異なるため、比較的低い回転数からでも、正常/異常の判定が容易である。一方、アンバランス小のファンB1では、脈動電流振幅値が、正常ファンと比べて差が小さく、高い回転数で運転しないと、正常/異常の判定が難しい。
また、図4に示す脈動電流振幅値は、ある程度の回転数までは、回転数の増加と共に増加していくが、高回転域になると、脈動電流振幅値の増加幅が鈍ることがわかる。
ここで、アンバランス発生によるファン加振力とファン回転数との関係を図5により説明する。図5において、横軸はファンの回転数、縦軸はファン加振力である。また、A,B1,B2で示す曲線は、図3と同様に、それぞれ、正常ファンA、アンバランス小のファンB1及びアンバランス大のファンB2の回転数に対するファン加振力である。
この図5に示すように、ファンが回転することによる加振力は、ファンの回転数の二乗に比例している。また、前記ファン加振力により、前記モータ支持部材3dや前記室外機の筐体1に発生する振動振幅や応力は、前記加振力に概ね比例する傾向となり、ファン回転数の2乗に略比例する。このため、図4に示す高回転域程、ファンのアンバランスによる振動や応力に与える影響が大きくなる。
一方、前述した図4に示すように、ファンのアンバランス発生による脈動電流振幅値の変化は、図5に示すファン加振力により発生する振動振幅や応力とは、相関が十分には高くない。このため、ファンの異常検出に用いる指標としては、図4に示す脈動電流振幅値よりも、ファン加振力により発生する振動振幅や応力との相関がより高い指標を用いることが望まれる。即ち、ファン加振力により発生する振動振幅や応力との相関がより高い指標を用いてファン異常、或いは振動レベルの判定を行えば、ファン異常の判定を高精度で行うことができ、室外機の熱交換器、配管、その他の部品等が破損に至るのをより確実に防止することができる。
そこで、本実施例では、図3で説明したように、脈動電流検出部63から得られた脈動電流振幅値を、ファン3aの異常或いは振動レベルの判定にそのまま利用するのではなく、次の工夫をしている。即ち、前記位相検出部62から得られるファン回転数を乗算(脈動電流振幅値×回転数)する演算部64を設け、この演算部64での演算結果(算出値)を、空気調和装置を制御・統括する制御装置6bに引き渡すことで、ファン3aの異常判定或いは振動レベルの判定を実施する。
なお、図3に示すように、インバータ装置6a内の演算部64において、ファン3aの異常判定或いは振動レベルの判定を実施するものには限られず、前記演算部64の機能を、前記制御装置6b内に設けられている演算部に持たせるようにしても良い。
本実施例では、前記演算部64で、「脈動電流振幅値×回転数」を算出するようにしているが、この算出値の特徴を図6により説明する。図6は、脈動電流振幅値とファン回転数の積と、ファン回転数との関係を示す線図である。また、図6において、横軸はファンの回転数、縦軸は「脈動電流振幅値×回転数」の算出値である。また、Aで示す曲線は正常ファンの回転数に対する前記算出値、Bで示す破線の曲線はアンバランスのあるファンで、この例では、図4に示すアンバランス小のファンB1と同程度のアンバランスのあるファンの回転数に対する前記算出値である。
図6に示すように、ファンの回転数に対する「脈動電流振幅値×回転数」の算出値は、上記図5で説明した回転数に対するファン加振力の関係により近くなり、また、図4で示すアンバランス小のファンB1の高回転域での正常ファンAに対する振幅値の差D1よりも、図6に示す前記算出値の差D1´の方が格段に大きくなっている。
従って、本実施例によれば、ファン3aの異常判定或いは振動レベルの判定をより高精度で行うことが可能になり、室外機100の熱交換器2、配管、その他の部品等が破損に至るのをより確実に防止することができる。なお、図3に示す演算部64或いは制御装置6bの演算部でのファン異常等の判定結果は、図3に示す出力部8の表示部81aに表示される。
本実施例によれば、回転数が低く振動レベルが小さい早い段階から、その振動レベルを判定でき、表示部81a等に報知できるので、室外機破損等の予防保全を確実に行うことができる効果が得られる。
なお、ファンの異常が検知されると、その点検等のため運転停止されるが、頻繁に運転停止になると実運用上不都合も多い。そこで、予防保全の情報は持ちつつも、許容できる振動レベルでは、運転を継続できることが望ましい。本実施例によれば、ファンのアンバランスによる加振力により、モータ支持部材3dや室外機の筐体1に発生する振動振幅や応力と相関が高い指標で異常や振動レベルの判定をするので、精度の高い判定が可能となり、一定の振動レベル以下では継続運転、一定以上の振動レベルになると停止させることで、室外機の運転を効率良く行うことができ且つ室外機が重大な破損に至るのも防止できる。
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施例におけるファンの異常検知のフローを、図3を参照しつつ説明する。なお、本実施例において、異常検知とは、ファンが異常になって停止させる必要がある場合だけでなく、ファンのアンバランス発生による振動レベルの検知も含まれるものである。
図7において、まず、室内の操作リモコン81などから受けた運転開始指令により、室外機の運転開始を準備する。なお、図7のフローチャートでは、室外機の送風機3の運転部分のみを説明し、冷凍サイクル7の制御についての説明は省略している。前記運転開始指令の後、インバータ装置6aによる室外機の送風機3の運転を開始する(ステップS1)。次に、ステップS2に移り、インバータ装置6aの電流検出部(電流センサ)61により、送風機3のモータ3cの駆動電流(モータ電流)を検知する。
次のステップS3では脈動電流検出部63により電流脈動の振幅値を演算する。即ち、前記電流検出部61で検出された電流値から、前記ファン3aの回転周期に同期する成分を抽出し、脈動電流振幅値を演算する。
次に、ステップS4では、演算部64で、前記脈動電流振幅値と前記ファン3aの回転数の積(脈動電流振幅値×回転数)を演算して算出すると共に、この算出値から前記ファン3aの振動レベル(異常レベル)を判定する。例えば、前記振動レベルを6段階で判定するように決めると共に、前記算出値と前記振動レベルとの関係を予め決めておき、前記算出値の大きさに対応する振動レベルを判定し、この判定した振動レベルを出力部8の表示部81aに表示する(ステップS5)。
この表示部81aでの表示は、判定された振動レベルの大きさに応じて、その表示が視覚的に変わるようにすると良い。また、判定された振動レベルが第一の閾値を超える場合は、警報表示を行う。例えば、第一の閾値を振動レベル3とし、判定された振動レベルが3以上になると、前記表示部81aなどに警報表示を行う。
前記出力部8は、本実施例では室内機を操作する操作リモコン81としているが、室外機100の制御基板上の表示装置(この表示装置は、7セグメントLEDや液晶パネルなどで構成されている)、ビル監視システム、パソコン、または各種通信回線や無線LAN、Bluetooth(登録商標)で接続された機器などに遠隔表示させるようにしても良い。
前記ステップS5の後、ステップS6に移り、ファン3aの異常を判定するために予め設定されている第二の閾値と、前記判定された振動レベルとを比較する。この第二の閾値は、前記第一の閾値に対し大きな値とし、例えば振動レベル5以上とする。振動レベルが第二の閾値より低い場合には、正常レベルの範疇と判断し、異常状態の継続時間タイマをリセットし(ステップS9)、前記ステップS2に戻る。なお、前記ステップS9では、継続時間タイマのリセットだけでなく、後述するリトライ回数のリセットも行う。
前記ステップS6で、振動レベルが第二の閾値以上となった場合には、異常状態の継続時間タイマをカウントアップする(ステップ7)。次に、ステップS8に移り、前記継続時間タイマの値を、予め定めた継続時間である第三の閾値と比較し、振動レベルが第二の閾値以上の継続時間が前記第三の閾値未満であれば、前記ステップS2に戻る。
前記継続時間タイマの値が前記第三の閾値以上であれば、異常の可能性ありと判断し、送風機のモータ3cの回転数を低下若しくは停止させる(ステップS10)。その後、予め定めた所定の時間(例えば10〜20秒)経過後、前記モータ3cの回転数を上昇若しくは再起動し、リトライ回数をカウントアップする(ステップS11)。
このステップS10とS11の操作は、ファン3aを減速後増速させる、或いは停止後再起動させるというリトライ動作である。このリトライ動作は、前記ファン3aに、欠損などの真の異常が発生しているのではなく、異物が一時的に付着しているような場合に、その異物が剥がれ落ちるなどして、ファン3aから除去されることを期待して行う操作である。
従って、前記リトライ動作により、ファン3aの回転を減速後増速させたり、ファンを停止後再起動させる際には、加減速度が高い方が、付着した異物を慣性力で引き剥がす効果が大きくなり、効果的である。例えば、前記リトライ動作による前記ファンの回転数低下または前記ファンの回転数上昇の少なくとも何れかの動作においては、前記ファンを6回転/s以上の減速度で急減速、または6回転/s以上の加速度で急加速させることが好ましい。停止後再起動させるというリトライ動作である場合でも同様に、停止、再起動をさせる際には、6回転/s以上の加減速度で行うことが好ましい。
なお、前記リトライ動作は、前記ファン3aを逆回転(逆転)させた後、前記ファンを正回転(正転)させる動作とすることも有効である。上述した減速後増速、停止後再起動、逆回転後正回転という各リトライ動作は、前記ステップS10〜S11における一度のリトライ操作時に、前記リトライ動作を少なくとも1回、または2回以上繰り返す。
また、前記ステップS10〜S11間の時間が、例えば1分未満の短時間である場合には、前記圧縮機4を運転したまま、上記リトライ操作を行うことが好ましい。特に、暖房運転中は、前記圧縮機4の運転を停止させ、再起動させると、空気調和装置の快適性が低下するため、リトライ操作中でも圧縮機の運転は継続した方が良い。
前記ステップS10〜S11のリトライ操作を行った後(所定回数のリトライ動作を行った後)は、リトライ回数(リトライ操作の回数)がカウントアップされているので、ステップS12では、そのリトライ回数が予め定めた第四の閾値と比較し、この第四の閾値未満の場合には、再び前記ステップS2に戻り、運転を継続する。なお、前記リトライ操作により一時的に付着していた異物が除去され、ステップS6で振動レベルが前記第二閾値未満となった場合には、ステップS9でリトライ回数がリセットされる。
また、前記ステップS12で、リトライ回数が第四の閾値以上となった場合には、ファン3aの異常がリトライ操作では回復できない異常であると判断し、ステップS13に移行する。ステップS13では、異常を検知したファン3aを有する室外機の運転を停止させる。従って、室外機が1台のみの場合には、空気調和装置が停止することになる。
なお、同じ冷凍サイクル系統に複数台の室外機がマルチ接続されている室外機マルチ接続構造の場合には、前記ステップS13では、異常を検知したファン3aを有する室外機のみを停止させ、同じ冷凍サイクル系統に接続されている他の正常な室外機に対しては運転を継続させる。この際、異常を検知して停止させた前記室外機の圧縮機運転周波数などの運転負荷情報を、他の正常な室外機に引き渡し、正常な室外機の圧縮機運転周波数を適正な周波数までフィードフォワード制御して引き上げる。
即ち、停止させた室外機で負担していた負荷を、運転を継続する正常な室外機で可能な限り賄えるように、停止させた室外機の前記運転負荷情報も含めて、前記制御装置6bは正常な室外機を制御する。また、同じ冷凍サイクル系統に正常な室外機が複数台ある場合には、前記制御装置6bは停止させた室外機の運転負荷分を正常な複数の室外機に按分し、正常な各室外機の圧縮機運転周波数を適正な周波数まで引き上げる。
このように制御することにより、複数の室外機を有する一つの冷凍サイクル系統において、何れかの室外機のファンの異常を検知して当該室外機を停止させた場合でも、他の室外機を適正に運転して、空気調和装置を停止することなく、快適性の低下を防止若しくは最小限に抑えることができる。また、負荷が大きくない状況では、室内機側から見た冷暖房能力の低下幅を小さくできるから、より信頼性の高い空気調和装置を得ることができる。
なお、上記ステップS13で、異常を検知したファン3aを有する室外機の運転を停止させた場合には、ステップ14に移り、前記出力部8に異常検知結果を出力して表示部81aに異常停止表示をする。これにより、異常を検知したファン3aを有する室外機の復旧作業を速やかに行うことが可能となる。例えば、ファン3aの異常が発生して停止させた室外機の設置場所、型式、製造番号、接続系統、号機、異常の程度(振動レベルまたは異常レベル)などを前記出力部8に出力し、表示部81aに表示すると良い。
また、ファンの異常検知結果を前記出力部8に出力するだけではなく、上記異常停止の履歴は、図3に示す制御装置6bに接続されている記憶装置6cにも記録する(ステップS15)。この記憶装置6cは、EEPROMのほか、SSD、HD、SDカードやCFカードなどで構成しても良い。なお、前記記憶装置6cは、複数回の異常検知結果を記憶でき、前記ファンの過去の異常判定履歴や、その異常検知前の所定時間の運転状況ログも記憶できるものとし、また前記ファンの過去の異常判定履歴などを出力可能に構成されている。
なお、前記第一〜第四の閾値は、前記室外機100の制御基板などに設けられている制御装置6bなどに、予め格納されている。
上記図7のフローチャートのステップS5やステップS14の出力部8での表示について、図8、図9を用いて説明する。
図8は本実施例1における出力部8である操作リモコン81の構成を説明する正面図である。この図8に示す例は、操作リモコン81の表示部81aに、図1に示す送風機3Aに対応するファン1と、送風機3Bに対応するファン2に対して、「振動レベル1」「振動レベル5」などの文字で表示すると共に、それぞれのファンの振動レベルを6段階のうちのどのレベルにあるかについても明確に理解できるように、振動レベルをバーの長さでも表示している。また、この例では、前記表示部81aに、どの室外機に対する表示かわかるように、「4系統1号機」など、室外機を識別するための名称やコード(個体番号)も表示している。更に、この例では、外気温度の表示(−2°)もしている。
なお、他の室外機のファンの振動レベルを表示させたい場合には、操作ボタン81bを操作して行うことができる。また、前記表示部81aには、通常は室内温度、設定温度等の表示がなされているが、室外機のファンの振動レベルの表示に切り替え操作する場合には、メニューボタン81cにより行うことができる。更に、通常表示中に、ある室外機のファンの振動レベルが異常レベルになった場合などには、表示部81aに、異常な室外機の個体番号を表示するようにしても良い。
また、この図8の例では、振動レベルを6段階で表示するようにしているが、少なくとも4段階以上のレベル表示ができるようにすると良い。なお、段階表示の代わりに、或いは併せて、「脈動電流振幅値×回転数」の算出値に関連する数値で振動の大きさを表示するようにしても良い。
このように、振動レベルや振動の大きさを、バー表示や数値で表示することにより、異常停止とならない振動レベル(異常レベル)でも、ユーザやサービスマンがファンの振動レベルを容易に認識できるから、予防点検を実施し易くなり、室外機破損に至るのを防止できる効果がある。
図9は図8に示す出力部8の表示部81aでの表示例に対し、他の表示例を示す正面図である。図9において、図8と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、図8と異なる点を説明する。この図9に示す例では、表示部81aの表示の仕方のみが異なっている。
即ち、図9に示す前記表示部81aにおける振動レベルの表示は、バー表示や数値での表示ではなく、ファンの欠損を抽象化したアイコンと正常ファンを抽象化したアイコンで表示するようにしたものである。
図1に示す送風機3Aに対応するFAN1は、ファンの欠損を抽象化したアイコンで表示されており、異常であることを表示している。なお、欠損(ファンの白い部分)の大きさも段階的に表示することで、振動レベルの大きさを段階的に表示している。
送風機3Bに対応するFAN2は、正常ファンを抽象化したアイコンで表示されており、振動レベルが小さく正常であることを示している。
このように、振動レベルを、ファンを抽象化したアイコンで表示するようにしても、ユーザやサービスマンがファンの振動レベルを容易に認識できるから、室外機破損に至るのを防止できる効果がある。
上述した図8、図9で説明したように、本実施例では、出力部8の表示部81aは、振動の大きさを多段階の振動レベルのうちの何れの振動レベルに該当するかを視覚的に表示できるように構成されており、前記演算部64で得られた振動レベルの大きさを多段階の振動レベルのうちの何れの振動レベルに該当するかを視覚的に認識可能に、前記表示部81aに表示するようにしているので、ファンの振動レベルを容易に把握して認識でき、室外機破損に至るのを効果的に防止できる効果が得られる。
前記表示部81aでの表示は、振動レベル(異常レベル)を、上述したバー表示、数値や文字での表示、ファン等を抽象化したアイコンでの表示の他、グラフバー、図象、記号等で視覚的に認識可能に表示するようにしても良い。
次に、上述した実施例1の一部変形例について説明する。上述した実施例1では、前記演算部64は、前記脈動電流振幅値と前記ファン回転数の積(脈動電流振幅値×回転数)を算出すると共に、この算出された値から前記ファンの振動レベルを判定するようにしている。これに対し、本変形例は、前記演算部64が、前記脈動電流振幅値と前記ファンの回転数を二乗した値の積(ファン駆動電流の脈動値×(ファン回転数))を算出すると共に、この算出された値から前記ファンの前記振動レベルを判定するようにしたものである。
このように、前記脈動電流振幅値と前記ファンの回転数を二乗した値の積を算出して、この算出値からファンの振動レベルを判定することにより、ファン回転数の低い段階からより精度良くファンの振動レベルを判定できる。即ち、上記「脈動電流振幅値×(回転数)」の算出値は、図5に示すファンの回転数に対するファン加振力により近似するので、振動レベルの判定精度が向上し、より低いファン回転数の段階からファンの振動レベルを精度良く検知できる効果がある。
以上説明した本発明の実施例によれば、インバータ装置6aに備えられている電流検出部61で検出された電流値から、ファンの回転に同期する成分の脈動電流を抽出し、この脈動電流とファンの回転数から前記ファンの異常を判定するようにしているので、室外機100に付加部品をほとんど追加することなく、安価に、且つファンの回転数が低い状態からファンの異常を検知できる効果が得られる。
また、振動の大きさを多段階の振動レベルのうちの何れの振動レベルに該当するかを視覚的に表示する表示部を備え、前記演算部で得られた振動レベルの大きさを多段階の振動レベルのうちの何れの振動レベルに該当するかを視覚的に認識可能に、前記表示部に表示する出力部を備えているので、ファンの異常を軽度の段階から容易に把握することができ、室外機100が破損に至るのを防止できる効果がある。
次に、本発明の空気調和装置の室外機の実施例2を、図10及び図11を用いて説明する。図10は本発明の実施例2におけるファンの異常を検知する構成を説明する図、図11は実施例2におけるファンの異常検知を説明するフローチャートである。これら図10及び図11において、図1〜図9と同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分であり、実施例1と異なる点を中心に説明し、同一部分については説明を省略する。
上述した実施例1では、ファン3aの振動検知手段として、インバータ装置6aに備えられている前記電流検出部61で検出された電流値から、前記ファンの回転に同期する成分の脈動電流を抽出し、ファンの振動を検知をする例を説明した。これに対し、本実施例2では、振動検知手段として、ジャイロセンサ(角加速度センサ)を用いたものである。
以下、図10を用いて説明する。図10において、9はジャイロセンサで、このジャイロセンサ9はファン3aのモータ3cを支持するモータ支持部材3dに取り付けられている。なお、前記モータ支持部材3dにおける前記ジャイロセンサ9の取付け位置は、図10に示すように、前記モータ3cが取付けられている位置から離れたモータ支持部材3dの端部側とした方が、角加速度をより精度良く検出できる。
前記ジャイロセンサ9で検出された角加速度情報は角加速度フィルタ回路65に入力され、この角加速度フィルタ回路65では、インバータ装置6aの位相検出部62から得られる回転数信号を用い、ファン回転数周波数成分のバンドパスフィルタをかける。これにより、ファン3a以外の外乱の影響を排除する。前記角加速度フィルタ回路65でフィルタ後の角加速度情報は積分回路66に送られ、積分されることで前記モータ支持部材3dの振れ角が分かる。従って、前記積分回路66で得られた前記積分値により、前記ファン3aによる振動の大小(振動レベル)を判定できる。
なお、前記積分回路66で得られた積分値は制御装置6bに渡され、この制御装置6bで前記ファン3aによる振動レベルを判定し、出力部8の表示部81aに表示する。他の構成は上記実施例1と同様である。
次に、図11に示すフローチャートを用いて、本実施例2におけるファンの異常検知のフローを、図10を参照しつつ説明する。図11において、ステップS1、S5〜S15は図7での説明と同様であるので、同様の部分については説明を省略し、図7と異なるステップS20〜S22を中心に説明する。
図11において、運転開始指令の後、インバータ装置6aによる室外機の送風機3の運転を開始する(ステップS1)。次に、ステップS20に移り、インバータ装置6aの位相検出部62から、送風機3のモータ3cの回転数を検知する。
次のステップS21では、前記ジャイロセンサ9で角加速度が検知され、この角加速度信号は前記角加速度フィルタ回路65に入力される。次に、ステップS22では、前記角加速度フィルタ回路65で、前記角加速度信号と、前記位相検出部62から得られた回転数信号を用いて、前記角加速度信号にファンの回転数周波数成分のバンドパスフィルタをかけ、フィルタ後の角加速度情報を得る。この得られた角加速度の信号は前記積分回路66に入力され、前記積分回路66で、前記フィルタ後の角加速度を積分し、前記モータ支持部材3dの振れ角を算出する。この算出値から前記ファン3aの振動レベル(異常レベル)を判定する。この判定した振動レベルは出力部8の表示部81aに表示される(ステップS5)。以下のフローは図7で説明したものと同様であるが、ステップS9の処理後は前記ステップS20に戻る。ステップS8及びS12で閾値未満の場合にも前記ステップS20に戻る。
本実施例2によれば、ジャイロセンサで検知された角加速度を用い、これを積分して振れ角を算出し、振動レベルを判定するので、従来の加速度センサのみによる振動検出に対し、低周波数の振動(低回転数のファン異常)をより高精度に検知できる効果が得られる。
本発明の空気調和装置の室外機の実施例3を、図12を用いて説明する。図12は本発明の実施例3における室外機の熱交換器の構成例を説明する斜視図である。また、本実施例3は、上述した実施例1または2などと組み合わせて実施されるものである。
図1に示すように、一つの室外機に、2個の送風機3A,3Bを有する場合であって、上述した実施例1または2により、ファンの異常を検知した場合、異常を検知したファンを有する送風機のみを停止させ、残りの送風機については運転継続させることが好ましい。
図12は図1の筐体内部の熱交換器の構成を示しており、熱交換器2が筐体内部で左右の複数の熱交換器2Aと2Bに分かれている場合、異常を検知したファンを有する送風機、例えば送風機2Aを停止すると、熱交換器2Aと熱交換器2Bを通過する空気の速度分布が異なることになる。即ち、熱交換器2Aに通風される空気量が熱交換器2Bに対する空気量よりも大幅に減少する。
そこで、本実施例では、前記左右の熱交換器2A,2Bのそれぞれの冷媒配管に膨張弁(図示せず)を設け、それぞれの膨張弁を独立して制御できるように構成している。そして、例えば、一方の送風機3Aのファンに異常が発生したことを検知すると、このファンを有する送風機3Aを停止させ、他方の正常な送風機3Bは運転継続される。
また、正常な送風機3Bが設けられている側の熱交換器2Bに対しては、異常を検知して停止している送風機3Aが設けられている側の熱交換器2Aよりも、より多くの冷媒が流れるように、前記各膨張弁を制御する。即ち、停止された送風機3Aに対応する熱交換器2A側の膨張弁開度を、運転継続中の送風機3Bに対応する熱交換器2B側の膨張弁開度よりも小さくなるように制御する。なお、上記膨張弁の制御は前記制御装置6bにより行われる。
このように構成することにより、ファンに異常が発生した時の冷凍サイクル(空気調和装置)への影響を最小限にでき、ファンに異常が発生した場合でも効率良く運転できる効果が得られる。なお、図12において、1aは熱交換器2(2A,2B)を支持する前記筐体1のフレームである。
以上説明したように、本発明の各実施例によれば、振動検知手段によりファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ制御を行うので、室外機のファン異常の誤判定を低減して、異常検知の精度を向上させることができる。即ち、本実施例は、ファンの異常を検知すると、リトライ動作という回復動作を行わせて、一時的な要因によるアンバランスであればその要因を排除できる。従って、ファン異常の誤検知を抑制し、精度を向上させたファン異常検知を行うことができる。
また、本実施例は、室外機が複数台接続された室外機マルチ接続構造の場合、ファンの異常を検知した室外機のみを運転停止させ、他の正常な室外機は運転を継続させて、停止させた室外機の運転負荷分もできるだけ負担できるように正常な室外機の圧縮機の運転周波数を引き上げるようにしている。また、正常な室外機が複数台ある場合には、それら正常な室外機により、前記運転停止させた室外機の負荷分を按分するようにしている。従って、サービスマン到着までの間の継続運転が可能となるから、空気調和装置の快適性を維持し、信頼性を向上できる。
また、本実施例では、ファンの回転数を制御するインバータ装置を持ち、インバータ装置に具備されている電流検出部で検知された電流値から脈動電流を抽出検知し、この脈動電流とファンの回転数からファンの振動の大きさを検知して、ファンの異常の可能性を判断するようにしている。従って、室外機筐体に殆ど付加部品を追加することなく、室外機のファンの異常を検知でき、安価に、しかもファンの回転数が低い状態からその異常を検知できる。これにより、ファン異常の初期の段階から、ユーザやサービスマンが異常を容易に把握でき、異常を検知した場合には強制停止させるなどの安全確保ができるので、ファンの状況悪化を防ぐことができると共に、ファン異常による振動により、室外機の他の部品(熱交換器や配管等)に破損が広がるのも防止できる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
更に、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1…筐体、1a…フレーム、
2(2A,2B)…熱交換器、3(3A,3B)…送風機、
3a…ファン、3b…シュラウド、3c…モータ、3d…モータ支持部材、
3e…ファンガード、
4…圧縮機、5…アキュームレータ、
6…制御品箱、6a…インバータ装置、6b…制御装置、6c…記憶装置、
61…電流検出部、62…位相検出部、63…脈動電流振幅値検出部、
64…演算部、65…角加速度フィルタ回路、66…積分回路、
7…冷凍サイクル、
8…出力部、81…操作リモコン、81a…表示部、
9…ジャイロセンサ、100…室外機、
A…正常ファン、B…アンバランスファン、
B1…アンバランス小のファン、B2…アンバランス大のファン。

Claims (11)

  1. ファンを有する室外機を備える空気調和装置の室外機であって、
    前記ファンの振動を検知する振動検知手段と、
    前記振動検知手段により前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ操作を行う制御装置を備え
    前記リトライ動作は、前記ファンの回転数を低下させた後、前記ファンの回転数を上昇させる動作であり、
    前記リトライ動作による前記ファンの回転数低下または前記ファンの回転数上昇の少なくとも何れかの動作においては、前記ファンを6回転/s 以上の減速度で急減速または6回転/s 以上の加速度で急加速させることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  2. ファンを有する室外機を備える空気調和装置の室外機であって、
    前記ファンの振動を検知する振動検知手段と、
    前記振動検知手段により前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ操作を行う制御装置を備え、
    前記リトライ動作は、前記ファンを逆回転させた後、前記ファンを正回転させる動作であることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  3. 請求項1または2に記載の空気調和装置の室外機であって、前記制御装置は、前記リトライ操作の回数が予め定めた所定回数に達すると、異常室外機の運転を停止すると共に異常停止表示を行うことを特徴とする空気調和装置の室外機。
  4. ファンを有する室外機を備える空気調和装置の室外機であって、
    前記ファンの振動を検知する振動検知手段と、
    前記振動検知手段により前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ操作を行う制御装置を備え、
    前記空気調和装置はその冷凍サイクルを構成する部品である圧縮機を備え、前記リトライ動作時にも、前記圧縮機の運転を継続させるように制御することを特徴とする空気調和装置の室外機。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の空気調和装置の室外機であって、前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの異常を検知した結果を記憶する記憶手段を備え、前記ファンの過去の異常判定履歴を出力可能に構成されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の空気調和装置の室外機であって、前記室外機は複数台設けられている室外機マルチ接続構造であり、何れかの室外機のファンの異常を判定すると、異常判定したファンを有する室外機のみを停止し、他の室外機は運転を継続するように制御し、異常を検知して停止させた前記室外機の運転負荷情報も含めて他の正常な室外機の圧縮機運転周波数をフィードフォワード制御して引き上げるように制御する制御装置を備えていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  7. 請求項に記載の空気調和装置の室外機であって、同じ冷凍サイクル系統に正常な室外機が複数台ある場合、停止させた室外機の運転負荷分を正常な複数の室外機に按分して、正常な各室外機の圧縮機運転周波数を引き上げることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  8. ファンを有する室外機を備える空気調和装置の室外機であって、
    前記ファンの振動を検知する振動検知手段と、
    前記振動検知手段により前記ファンの異常を検知した場合、前記ファンの回転に変化を与えるリトライ動作を少なくとも1回以上実施するようにリトライ操作を行う制御装置と、
    前記ファンの回転数を制御すると共に、前記ファンの駆動電流を検出する電流検出部を有するインバータ装置を備え、
    前記ファンの振動を検知する振動検知手段は、前記インバータ装置に備えられている前記電流検出部で検出された電流値から、前記ファンの回転に同期する成分の脈動電流を抽出し、この抽出された前記脈動電流と前記ファンの回転数から前記ファンの振動の大きさを検知するものであることを特徴とする空気調和装置の室外機。
  9. 請求項に記載の空気調和装置の室外機であって、前記振動検知手段は、前記脈動電流の振幅値と前記ファンの回転数の積の値から前記ファンの振動の大きさを検知することを特徴とする空気調和装置の室外機。
  10. 請求項に記載の空気調和装置の室外機であって、前記振動検知手段は、前記脈動電流の振幅値と前記ファンの回転数を二乗した値の積から前記ファンの振動の大きさを検知することを特徴とする空気調和装置の室外機。
  11. 請求項1〜7の何れか一項に記載の空気調和装置の室外機であって、前記ファンの近傍にジャイロセンサを設置し、前記振動検知手段は、前記ジャイロセンサの出力に基づいて前記ファンの振動の大きさを検知することを特徴とする空気調和装置の室外機。
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