JP6394159B2 - 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法 - Google Patents

異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6394159B2
JP6394159B2 JP2014159628A JP2014159628A JP6394159B2 JP 6394159 B2 JP6394159 B2 JP 6394159B2 JP 2014159628 A JP2014159628 A JP 2014159628A JP 2014159628 A JP2014159628 A JP 2014159628A JP 6394159 B2 JP6394159 B2 JP 6394159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anisotropic conductive
conductive adhesive
manufacturing
electronic component
induction heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014159628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016037512A (ja
Inventor
坂本 淳
淳 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to JP2014159628A priority Critical patent/JP6394159B2/ja
Publication of JP2016037512A publication Critical patent/JP2016037512A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6394159B2 publication Critical patent/JP6394159B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、絶縁性接着剤組成物中に導電粒子が分散されてなる異方性導電接着剤に関する。
LSI等の精密電子部品を配線に接続するための材料として、導電粒子を絶縁性接着剤組成物に分散させた異方性導電接着剤が広く使用されている。また、その導電粒子として、金属粒子も使用されているが、コアとなる樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキ等の金属層を形成した金属被覆樹脂粒子も広く使用されている。
このような金属被覆樹脂粒子が異方性導電接続の際に押圧されることにより、コアの樹脂粒子が潰れ、その反作用として押圧方向の反対方向に反発力が生ずる。この反発力が、環境試験等において異方性導電接続されるべき対抗端子間に生じたギャップ変化を吸収し、良好な導通信頼性を実現可能としている。
その反面、金属被覆樹脂粒子は、押圧により容易に潰れてしまうので、異方性導電接続すべき端子表面への食い込み量が不足することが懸念される。また、端子表面の酸化被膜を十分に突き破れない場合が生ずることも懸念される。
このため、ニッケルもしくはニッケル合金導電粒子を、不活性雰囲気下で赤外線照射加熱により200℃以上に加熱することによりその表面硬度を上昇させる技術(特許文献1)を、コアとなる樹脂粒子の表面に無電解ニッケルメッキ等の金属層を形成した金属被覆樹脂粒子の表面金属層の硬度を向上させるために適用することが考えられる。
特開2009−97070号公報
しかしながら、特許文献1の技術を、無電解ニッケルメッキで被覆された樹脂粒子等の金属被覆樹脂粒子に適用した場合、樹脂コアも同時に加熱されてしまうため、樹脂粒子の変形や変質が生じるという問題があった。従って、良好な導通信頼性と絶縁性とを実現可能な、表面硬度が改善された金属被覆樹脂粒子を導電粒子として含有する異方性導電接着剤は未だ実現されていないというのが実情であった。
本発明の目的は、以上の従来の技術の問題点を解決することであり、良好な導通信頼性と絶縁性とを実現可能な、表面硬度が改善された金属被覆樹脂粒子を導電粒子として含有する異方性導電接着剤を提供することである。
本発明者は、樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子を高周波誘導加熱することにより、実質的に樹脂粒子を加熱することなく、表層の金属層だけを加熱し、焼き入れ効果で表面硬度を上昇させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、絶縁性接着剤組成物中に、樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子が分散されてなる異方性導電接着剤において、
該導電粒子は、その金属層が不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理されていることを特徴とする異方性導電接着剤を提供する。
また、本発明は、上述の異方性導電接着剤の製造方法であって、以下の工程(A)及び(B):
工程(A)
導電粒子の金属層に、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理を施す工程;及び
工程(B)
金属層に熱処理が施された導電粒子を、絶縁性接着剤組成物に分散する工程
を有する製造方法を提供する。
更に、本発明は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが、前述の本発明の異方性導電接着剤により異方性導電接続されていることを特徴とする接続構造体を提供する。
加えて、本発明は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが接続されてなる接続構造体の製造方法であって、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に、前述の発明の異方性導電接着剤を配し、異方性導電接着剤を加熱しながら第1の電子部品を第2の電子部品に押圧することにより、端子同士を異方性導電接続することを特徴とする接続構造体の製造方法を提供する。
本発明の異方性導電接着剤は、絶縁性接着剤組成物中に、樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子が分散されてなる異方性導電接着剤である。この導電粒子は、金属層が、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理されたものである。このような熱処理を施すと、樹脂粒子を加熱することなく金属層だけを短時間で加熱することができる。従って、導電粒子の樹脂コアを変形、変質させることなく、表面の金属層の表面硬度を向上させることができる。そして、このような導電粒子を含有する異方性導電接着剤では、良好な導通信頼性と絶縁性とを実現することができる。
図1は熱処理装置の概略構成図である。
以下、本発明の異方性導電接着剤について詳細に説明する。なお、本発明の異方性導電接着剤の剤型としては、フィルムに限定されることなく、ペーストも含むものである。
「異方性導電接着剤」
本発明の異方性導電接着剤は、絶縁性接着剤組成物中に、樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子が分散されてなるものである。この導電粒子は、その金属層が不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理されているものである。
<導電粒子>
前述したように、導電粒子は、樹脂粒子の表面に金属層が形成されたものであり、その金属層が不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理されているものである。
導電粒子の異方性導電接着剤中の含有量は、良好な絶縁性と導通信頼性とを実現するために、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%(有機溶媒等の揮発性成分以外の固形・固形化成分基準)。
(樹脂粒子)
導電粒子のコアとなる樹脂粒子としては、特に制限はないが、耐熱性、耐薬品性を備えた有機材料、例えば、ポリアミド、ポリグアナミン、ポリスチレン、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂を好ましく使用することができる。
このような樹脂粒子の形状としては、特に制限はなく、球状、楕円球状、鱗片状、針状等が挙げられるが、安定した異方性導電接続を実現するという観点から球状が好ましい。
樹脂粒子の電気抵抗式測定法による平均粒子径は、異方性導電接続の際の熱押圧により良好な変形性を実現し、ファインピッチに対応し、またショートの発生を防止するために、好ましくは2〜30μm、より好ましくは3〜10μmである。
(金属層)
樹脂粒子の表面を被覆する金属層を構成する金属材料(含む合金)としては、熱処理により硬度を増すことができるものであり、Co、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Al等の金属や、これらの合金が挙げられる。中でも、入手容易性の観点からNi、ニッケル合金が好ましい。これらの金属層の形成は、公知の真空蒸着等の物理的気相成長技術、熱CVD等の化学的気相成長技術、無電解メッキ等の液相成長法等を適用して行うことができる。特に、無電解ニッケルメッキ層を好ましく適用することができる。
金属層の層厚は、異方性導電接続の際の熱圧着時の破損を抑制し、異方性導電フィルムの良好な接続信頼性を確保するために、好ましくは10〜300nm、より好ましくは50〜200nmである。
なお、金属層の表面に、必要に応じて金メッキ層を形成してもよく、絶縁性樹脂被膜を形成してもよい。
(高周波誘導加熱による熱処理)
以上のような導電粒子としては、金属層の表面硬度を増大させるために熱処理が施されたものを使用する必要がある。この熱処理は、金属層を不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱することにより達成される。単に抵抗加熱電気炉や赤外線加熱で加熱することでも熱処理することもできるが、それでは導電粒子の樹脂コアが熱により変形、変質してしまう結果となるので、適用できない。
なお、金属層の表面硬化の変化は、配線への食い込み量で評価することができる。例えば、同一押し込み条件で押し込み量が大きくなると、焼き入れ効果により表面硬度が高くなったと評価できる。
高周波誘導加熱による熱処理の具体的な方法としては、市場で入手可能な高周波誘導加熱炉の加熱ステージに導電粒子を投入し、樹脂コアの樹脂粒子が熱変性しないように金属層を不活性ガス雰囲気中で加熱すればよい。特に、図1に示す構成の熱処理装置を使用することが好ましい。この熱処理装置においては、導電粒子を加熱する際に、不活性ガスと共に導電粒子を流動させながら高周波誘導加熱することができる。
(熱処理装置)
図1の熱処理装置10は、導電粒子の熱処理を行う装置であって、特に、好ましくは樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子の熱処理を、その金属層を不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱することにより行うための装置である。この熱処理装置10は、誘導加熱用コイル1と、誘導加熱用コイル1に電力を供給する高周波電源2と、誘導加熱用コイル1に挿入され、導電粒子を不活性ガスと共に通過させる非磁性管3と、非磁性管3の導電粒子供給側に連通した導電粒子供給器4と、非磁性管3の導電粒子排出側に連通した導電粒子回収器5と、非磁性管3に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器6とを有する。
この熱処理装置10においては、まず、誘導加熱用コイル1に高周波電源2から所定の電極が供給され、磁界が形成される。次に、不活性ガス供給器6から不活性ガスが非磁性管3に供給される。供給された不活性ガスの流れと共に、導電粒子供給器4から非磁性管3に導電粒子が供給され、その導電粒子は誘導加熱用コイル1が形成する磁界の中で高周波誘導加熱され、熱処理される。このとき、導電粒子は不活性ガスの流れの中で流動しながら加熱されるため、導電粒子の凝集が大きく抑制されることになる。熱処理された導電粒子は、誘導加熱用コイル1が形成する磁界から離脱し、導電粒子回収器5に収容される。
なお、高周波の周波数は、加熱速度を考慮すると好ましくは5kHz以上である。
また、高周波誘導加熱の際の電源からの出力は、誘導加熱用コイルのコイル長をL[mm]とし、非磁性管の内断面積をS[mm]としたときに、誘導加熱用コイルへの単位体積あたりの印加電力[W/mm ]が、過度の加熱や加熱不足が生じないように、以下の式を満足することが好ましい。
Figure 0006394159
また、導電粒子の表面の金属層の熱処理温度は、金属層の種類により異なり、例えば、無電解ニッケルメッキ層である場合には、200℃以上、好ましくは300〜500℃、より好ましくは350〜450℃である。温度の測定は、市販の放射温度計で測定することができる。
<絶縁性接着剤組成物>
本発明の異方性導電接着剤を構成する絶縁性接着剤組成物としては、公知の異方性導電接着剤に使用されている絶縁性接着剤組成物を適用することができる。例えば、成膜性樹脂、液状エポキシ化合物、エポキシ用硬化剤及びシランカップリング剤を含有する絶縁性接着剤組成物を適用することができる。
成膜性樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等を挙げることができ、これらの2種以上を併用することができる。これらの中でも、成膜性、加工性、接続信頼性の観点から、フェノキシ樹脂を好ましく使用することができる。
液状エポキシ化合物としては、エポキシ当量が通常100〜4000程度であって、分子中に2以上のエポキシ基を有するものが好ましい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、エステル型エポキシ化合物、脂環型エポキシ化合物等を好ましく使用することができる。また、これらの化合物にはモノマーやオリゴマーが含まれる。これらの2種以上を併用することができる。
液状エポキシ化合物の絶縁性接着剤組成物中の含有量は、少なすぎると異方性導電接続の際に異方性導電接着剤の硬化が不十分になる傾向があり、多すぎてもフィルム形成能が低下する傾向があるので、成膜性樹脂100質量部に対し、好ましくは20〜60質量部、より好ましくは40〜60質量部である。
エポキシ用硬化剤としては、ポリアミン、イミダゾール等のアニオン系硬化剤やスルホニウム塩などのカチオン系硬化剤、フェノール系硬化剤等の潜在性硬化剤を挙げることができる。
エポキシ用硬化剤の絶縁性接着剤組成物中の含有量は、少なすぎると異方性導電接続の際に異方性導電接着剤の硬化が不十分になる傾向があり、多すぎてもフィルム形成能が低下する傾向があるので、液状エポキシ化合物100質量部に対し、好ましくは5〜60質量部、より好ましくは20〜50質量部である。
シランカップリング剤としては、エポキシ系シランカップリング剤、アクリル系シランカップリング剤等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、主としてアルコキシシラン誘導体である。
シランカップリング剤の絶縁性接着剤組成物中の含有量は、少なすぎると異方性導電接続の際の異方性導電接着剤の接着性が低下する傾向があり、多すぎてもフィルム形成能が低下する傾向があるので、成膜用樹脂と液状エポキシ化合物の合計100質量部に対し、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.5〜2質量部である。
絶縁性接着剤組成物には、必要に応じてシリカ、マイカなどの充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤(顔料、染料)、帯電防止剤、防腐剤、架橋剤、有機溶剤、イオンキャッチャー剤などを配合することができる。
<異方性導電接着剤の製造>
本発明の異方性導電接着剤は、以下の工程(A)及び(B)を有する製造方法により製造することができる。以下に工程毎に説明する。
工程(A)
まず、導電粒子の金属層を、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱することにより、当該導電粒子に熱処理を施す。熱処理の手法としては、公知の高周波誘導加熱による熱処理方法を適用することができるが、特に、図1に示す熱処理装置を用いる熱処理方法を好ましく適用することができる。図1の熱処理装置を使用した場合には、導電粒子の凝集を大きく抑制することができる。
工程(B)
次に、金属層に熱処理が施された導電粒子を、絶縁性接着剤組成物に、必要に応じて有機溶媒と共に公知の手法により分散する。これにより異方性導電接着剤が得られる。
絶縁性接着剤組成物は、それを構成する各成分を予め混合して調製しておいてもよく、これらの成分と導電粒子、更に必要に応じて有機溶媒とを同時に混合して調製してもよい。混合の手法としては、公知の混合手法を利用することができる。
有機溶媒としては、公知の異方性導電接着剤、異方性導電フィルム形成用組成物に用いられているトルエンなどの溶剤を使用することができる。その使用量は、必要とする粘度等に応じて適宜決定される。
なお、異方性導電接着剤がフィルムである場合に、工程(B)に続き以下の工程(C)を実施することが好ましい。
工程(C)
フィルム形成用に必要に応じて有機溶媒を配合して粘度調整した異方性導電接着剤を、剥離基材の片面に、やはり公知の成膜方法に従って塗布し、乾燥する。これにより異方性導電フィルムを形成することができる。
剥離基材としては、シリコーン剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを好ましく使用することができる。塗布・乾燥の操作並びに条件については、従来の異方性導電フィルムの作製の際の塗布・乾燥の操作並びに条件を採用することができる。
「接続構造体」
以上説明した本発明の異方性導電接着剤、好ましくは異方性導電フィルムは、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とを異方性導電接続する際に、好ましく適用することができる。この異方性導電接着剤により第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが異方性導電接続されてなる接続構造体が得られる。このような接続構造体も本発明の一態様である。
第1の電子部品及び第2の電子部品としては、発光素子、半導体チップ、半導体モジュールなどの公知の電気素子、フレキシブルプリント配線基板、ガラス配線基板、ガラスエポキシ基板等を適用することができる。また、端子は、銅、金、アルミ、ITOなどの公知の材料から形成された配線や電極パッドあるいはバンプであってもよく、そのサイズにも特に制限はない。
なお、本発明の接続構造体の具体例として、COG(chip on glass)、COF(chip on film)、FOG(film on glass)、FOB(film on board)等と称されるものを好ましく挙げることができる。
「接続構造体の製造方法」
以上説明した接続構造体は、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に、上述の異方性導電接着剤、好ましくは異方性導電フィルムを配し、異方性導電フィルムを加熱しながら第1の電子部品を第2の電子部品に押圧することにより、それらの端子同士を異方性導電接続することにより製造することができる。この場合、押圧は、金属製加圧ボンダーや弾性ボンダーなどを使用して行うことができる。加熱については、第1の電子部品又は第2の電子部品が載置されるステージに加熱手段を設けて加熱してもよく、ボンダーに加熱手段を設けて加熱してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
参考例1(導電粒子の調製)
平均粒子径3μmのジビニルベンゼン系樹脂粒子5gに、パラジウム触媒を浸漬法により担持させた。次いで、この樹脂粒子に対し、硫酸ニッケル六水和物、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、トリエタノールアミン及び硝酸タリウムから調製された無電解ニッケルメッキ液(pH12、メッキ液温50℃)を用いて無電解ニッケルメッキを行い表面に平均膜厚100nmのニッケル層を形成した後に水洗し、乾燥することにより無電解ニッケルメッキ被覆導電粒子を得た。
参考例2
参考例1で得られた導電粒子に対し、図1の熱処理装置(ガラス製非磁性管の内径10mm、コイル長L50cm、ガス流速100cm/秒)を用いて表1の条件で熱処理を行うことにより、評価用の熱処理した導電粒子を得た(導電粒子A〜E)。導電粒子がコイルを通過する時間は、ガス流速とほぼ等しいと考えられるので、約0.5秒と推定される。
参考例3
参考例1で得られた導電粒子に対し、図1の熱処理装置を使用することなく、大気中で300℃又は380℃に設定された電気炉を用いて10分の加熱による熱処理を行うことにより、評価用の導電粒子を得た(導電粒子F,G)。
参考例4
参考例1で得られた導電粒子を、熱処理を施すことなく評価用の熱処理されていない導電粒子Hとして使用した。
実施例1〜4,比較例1〜3、対照例1
熱処理導電粒子A〜E(実施例1〜4、比較例1)、熱処理導電粒子F(比較例2)、熱処理導電粒子G(比較例3)、又は非熱処理導電粒子H(対照例1)を用いて、評価用の異方性導電接着剤を調製した。具体的には、成膜成分としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP50、新日鐵住金化学(株))40物量部と、液状エポキシ化合物成分としてビスフェノールAエポキシ化合物(EP828、三菱化学(株))18質量部と、イミダゾール系硬化剤(ノバキュア3941HP、旭化成(株))40質量部と、シランカップリング剤(A−187、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)2質量部と、導電粒子10質量部とを、トルエンで固形分が50質量%となるように混合することにより異方性導電フィルム形成用組成物を調製した。この組成物を、剥離処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥厚25μmとなるようにバーコータで塗布し、60℃のオーブン中で15分間乾燥することにより、異方性導電フィルムを作成した。
<凝集状態評価>
得られた異方性導電フィルムの片面の200μm角の領域を5箇所選定し、その領域を走査型電子顕微鏡(S−4700、(株)日立製作所)を用いて観察し、観察画像から導電粒子の最大連結個数を確認し、以下の評価基準に従って評価した。得られた結果を表1に示す。実用上、評価結果が○又は△であることが望まれる。
ランク 内容
○: 最大連結個数が4個未満
△: 最大連結個数が4個〜6個
×: 最大連結個数が7個以上
<導通信頼性・絶縁性評価>
得られた異方性導電フィルムを、500nm厚のアルミ配線を有するガラス配線基板(0.7mm厚)の電極と、金バンプ(長さ85μm×幅30μm×高さ15μm、バンプピッチ:35μm、バンプ間スペース10μm)が形成されたICチップ(1.8mm×20mm、0.5mm厚)のバンプとの間に配置し、フリップチップボンダーで190℃、40MPaで15秒間加熱加圧することにより接続構造体を得た。
得られた接続構造体について、「導通信頼性」の評価のために導通抵抗値と、「絶縁性」の評価のために絶縁抵抗値とを以下に説明するように測定し評価した。また、絶縁被覆導電粒子のガラス基板の電極への食い込み量を以下のように求めた。得られた結果を表1に示す。
(導通信頼性評価)
得られた接続構造体の導通抵抗値を、4端子法(インプット電流1mA)により測定し、以下の評価基準に従って評価した。実用上、評価結果が○又は△であることが望まれる。
ランク 内容
○: 接続抵抗値が5Ω未満
△: 接続抵抗値が5Ω以上50未満
×: 接続抵抗値が50Ω以上
(絶縁性評価)
得られた接続構造体の隣接ライン間の絶縁抵抗値を測定(印加電圧30V)し、以下の評価基準に従って評価した。実用上、評価結果が「○」又は「△」であることが望まれる。
ランク 内容
○: 絶縁抵抗値が1×10Ω以上
△: 絶縁抵抗値が1×10Ω以上1×10Ω未満
×: 絶縁抵抗値が1×10Ω未満
(食い込み量測定)
異方性導電接着後、導電粒子のガラス基板側の電極への食い込み量(nm)を、走査型電子顕微鏡(S−4700、(株)日立製作所)を用いて観察し、観察画像から読み取った。なお、観察サンプルは実装品サンプルを断面カット処理することにより調製した。
<総合評価>
凝集状態評価、導通信頼性評価、及び絶縁性評価のすべての結果が、「○」又は「△」である場合を良好(OK)と評価し、一つでも「△」もしくは「×」の評価結果があった場合を不良(NG)と評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006394159
表1からわかるように、不活性雰囲気中で高周波誘導加熱処理により熱処理された導電粒子を含有した実施例1〜4の異方性導電接着剤の結果は、凝集状態評価、導通信頼性評価及び絶縁性評価について「○」評価であり、熱処理していない導電粒子を利用した対照例1よりも優れていた。また、配線食い込み量も大幅に改善されており、金属層の表面が硬化していることがわかる。
それに対し、大気中で高周波誘導加熱処理により熱処理された導電粒子を含有した比較例1の異方性導電接着剤の結果は、凝集状態評価及び絶縁性評価について、「×」評価であった。配線食い込み量が改善されておらず、金属層の表面が硬化していないことがわかる。
大気中で電気炉で熱処理された導電粒子を含有した比較例2、3の結果は、凝集状態評価、導通信頼性評価及び絶縁性評価について、「×」乃至「△」評価であった。
本発明による異方性導電接着剤は、高周波誘導加熱により熱処理された導電粒子を含有するので、良好な導通信頼性と絶縁性とを実現可能である。しかも、金属層の表面硬度が焼き入れ効果で高くなっている。よって、電子部品を基板へ異方性導電接続する際に有用である。
1 誘導加熱用コイル
2 高周波電源
3 非磁性管
4 導電粒子供給器
5 導電粒子回収器
6 不活性ガス供給器
10 熱処理装置

Claims (10)

  1. 絶縁性接着剤組成物中に、樹脂粒子の表面に金属層が形成された導電粒子が分散されてなる異方性導電接着剤において、
    該導電粒子は、その金属層が不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理されていることを特徴とする異方性導電接着剤。
  2. 該導電粒子の金属層が、無電解ニッケルメッキ層である請求項1記載の異方性導電接着剤。
  3. 該導電粒子の平均粒子径が2〜30μmであり、無電解ニッケルメッキ層の厚さが10〜300nmである請求項2記載の異方性導電接着剤。
  4. 請求項1記載の異方性導電接着剤の製造方法であって、以下の工程(A)及び(B):
    工程(A)
    導電粒子の金属層に、不活性ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により熱処理を施す工程;及び
    工程(B)
    金属層に熱処理が施された導電粒子を、絶縁性接着剤組成物に分散する工程
    を有する製造方法。
  5. 工程(A)における高周波誘導加熱を、誘導加熱用コイルに挿入した非磁性管中に導電粒子を不活性ガスとともに通過させながら行う請求項4記載の製造方法。
  6. 誘導加熱用コイルのコイル長をL[mm]とし、非磁性管の内断面積をS[mm]としたときに、誘導加熱用コイルへの単位体積あたりの印加電力[W/mm]が、以下の式を満足する請求項5記載の製造方法。
    Figure 0006394159
  7. 誘導加熱用コイルに流す電流の周波数が5kHz以上である請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 異方性導電接着剤がフィルムである場合に、工程(B)に続き以下の工程(C)
    工程(C)
    異方性導電接着剤を剥離基材の片面に塗布し、乾燥することにより異方性導電フィルムを形成する工程
    を有する請求項4〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが、請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電接着剤により異方性導電接続されていることを特徴とする接続構造体。
  10. 第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子とが接続されてなる接続構造体の製造方法であって、第1の電子部品の端子と第2の電子部品の端子との間に、請求項1〜3のいずれかに記載の異方性導電接着剤を配し、異方性導電接着剤を加熱しながら第1の電子部品を第2の電子部品に押圧することにより、端子同士を異方性導電接続することを特徴とする接続構造体の製造方法。
JP2014159628A 2014-08-05 2014-08-05 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法 Active JP6394159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014159628A JP6394159B2 (ja) 2014-08-05 2014-08-05 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014159628A JP6394159B2 (ja) 2014-08-05 2014-08-05 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016037512A JP2016037512A (ja) 2016-03-22
JP6394159B2 true JP6394159B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=55528889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014159628A Active JP6394159B2 (ja) 2014-08-05 2014-08-05 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6394159B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3840801B2 (ja) * 1998-05-20 2006-11-01 Nok株式会社 導電性粒子凝集塊の分散方法
JP3379456B2 (ja) * 1998-12-25 2003-02-24 ソニーケミカル株式会社 異方導電性接着フィルム
JP3624818B2 (ja) * 1999-10-12 2005-03-02 ソニーケミカル株式会社 異方性導電接続材料、接続体、およびその製造方法
JP2009097070A (ja) * 2007-10-15 2009-05-07 Nippon Handa Kk ニッケル粒子もしくはニッケル合金粒子の処理方法、防錆剤で被覆されたニッケル粒子もしくはニッケル合金粒子の製造方法、導電性接着剤および電子機器
JP5581605B2 (ja) * 2009-04-16 2014-09-03 デクセリアルズ株式会社 異方導電性接着フィルムの製造方法
JP5943686B2 (ja) * 2012-04-13 2016-07-05 学校法人慶應義塾 表面処理装置及び表面処理方法
JP2013229240A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Hitachi Chemical Co Ltd 導電性粒子及びその製造方法
JP5826781B2 (ja) * 2013-03-12 2015-12-02 Ntn株式会社 車輪用軸受装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016037512A (ja) 2016-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151902B2 (ja) 異方導電性フィルム
JP4996182B2 (ja) ポリマーナノコンポジット材料、その製造方法電子部品装置およびその製造方法
JP5410387B2 (ja) 導電性粒子及びその製造方法、並びに異方性導電フィルム、接合体、及び接続方法
WO2011046081A1 (ja) コアシェル粒子の製造方法、コアシェル粒子およびそれを用いたペースト組成物ならびにシート組成物
WO2013146604A1 (ja) 導電材料及び接続構造体
KR101886909B1 (ko) 이방성 도전 접속 재료, 접속 구조체, 접속 구조체의 제조 방법 및 접속 방법
JP5979237B2 (ja) 導電性接着剤
KR102425784B1 (ko) 도전성 접착제 조성물
WO2013125685A1 (ja) 半導体装置及びその製造方法
US9279070B2 (en) Anisotropic conductive adhesive, method of producing the same, connection structure and producing method thereof
JP2015185807A (ja) ダイアタッチペースト、および半導体装置
JPWO2019112048A1 (ja) 積層体及び電子装置
JP6394159B2 (ja) 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法
JP6394160B2 (ja) 異方性導電接着剤、その製造方法、接続構造体及びその製造方法
JP5543267B2 (ja) 異方性導電フィルム及びその製造方法、並びに実装体及びその製造方法
JP5698080B2 (ja) 異方性導電フィルム、接続方法、及び接合体
JP6321944B2 (ja) プレス接着用金属箔及び電子部品パッケージ
WO2016052130A1 (ja) 異方性導電フィルム、及び接続方法
JP6493968B2 (ja) 接続方法、接合体、異方性導電フィルム、及び接合体の前駆体
JP5890614B2 (ja) 接続方法及び接続構造体並びに接続構造体の製造方法
Zhang et al. Enhanced Electrical Properties of Anisotropic Conductive Adhesive With $\pi $-Conjugated Self-Assembled Molecular Wire Junctions
JP5505225B2 (ja) 接続構造体の製造方法
JP2011211245A (ja) 接続構造体の製造方法及び接続構造体並びに接続方法
JP3759383B2 (ja) 導電性樹脂ペースト及び半導体装置
WO2012005143A1 (ja) 磁性粉体の脱磁方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6394159

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250