JP6394132B2 - ブラスト処理方法及び研削材 - Google Patents

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本発明は、ブラスト処理方法及び研削材に係り、特に、橋梁、船舶、プラント、ボイラ等における構造部材のブラスト処理に用いるブラスト処理方法及び研削材に関する。
橋梁、船舶、プラント、ボイラ等における構造部材のブラスト処理には、珪砂を使用するサンドブラスト法や、鋼球を使用するショットブラスト法が採用されている。また、これらのブラスト処理方法については、発生する粉塵の飛散や拡散が問題となるため、湿気ジェットブラスト法やミストブラスト法等の湿式ブラスト処理方法が採用されている。
特許文献1には、原子力施設内の強固な汚染物質をより安全に効率よく除去するために、多孔質炭素材からなる研削材に水分を供給しながらブラスト処理することが記載されている。
特開2011−237378号公報
ところで、上述した湿式ブラスト処理方法では、高価な専用ブラスト機が必要であると共に、ブラスト処理後の清掃や排水処理等の作業に手間を要し、生産コストが増加する可能性がある。
そこで本発明の目的は、より低コストで粉塵の飛散や拡散を抑制可能なブラスト処理方法及び研削材を提供することである。
本発明に係るブラスト処理方法は、多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、前記細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させて研削材を形成する研削材形成工程と、前記研削材を投射して、被処理物に衝突させる研削材投射工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るブラスト処理方法において、前記研削材形成工程は、前記多孔質材を水に浸漬させて加熱煮沸し、前記多孔質材の細孔内に水を含ませることを特徴とする。
本発明に係るブラスト処理方法において、前記多孔質材は、アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材であることを特徴とする。
本発明に係るブラスト処理方法において、前記多孔質セラミックス材は、中空アルミナ、クリンカアッシュ、フライアッシュ、ゼオライトまたはシリカゲルであることを特徴とする。
本発明に係る研削材は、ブラスト処理するための研削材であって、多孔質材で形成されており、前記多孔質材の細孔内に水を含むと共に、前記細孔内に水を含む多孔質材の表面が乾燥されていることを特徴とする。
上記構成によれば、多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させて研削材を形成し、この研削材を投射して、被処理物に衝突させることで、衝突時に、研削材を構成する多孔質材が破砕し、多孔質材の細孔内に含まれる水が外に弾き出される。そして、この弾き出された水により、発生した粉塵が捕捉されて凝集するので、粉塵の飛散や拡散が抑制される。このように、上記構成によれば、高価な専用ブラスト機を用いる必要がなく、粉塵を捕捉した水については、従来の湿式ブラストに比べて少量であるため、研削材が被処理物に衝突したときの摩擦熱等の熱エネルギーによるブラスト対象物表面温度の上昇などにより蒸発しやすいので排水処理作業等を行う必要がない。したがって、上記構成によれば、より低コストで粉塵の飛散や拡散を抑制可能となる。
本発明の実施の形態において、ブラスト処理方法の構成を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、ブラスト処理装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、ブラスト処理方法の作用を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態において、各ブラスト処理条件によるブラスト処理直後の粉塵測定結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、ブラスト処理方法の構成を示すフローチャートである。ブラスト処理方法は、研削材形成工程(S10)と、研削材投射工程(S12)と、を備えている。
研削材形成工程(S10)は、多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、細孔内に水を含んだ多孔質材の表面を乾燥させて、研削材を形成する工程である。
多孔質材には、多孔質セラミックス材、多孔質炭素材、多孔質金属材、多孔質樹脂材等を用いることが可能である。多孔質材には、アルミナ(Al)またはシリカ(SiO)を主成分とする多孔質セラミックス材を用いることが好ましい。炭素材等が疎水性であるのに対して、アルミナ及びシリカは親水性であるので、多孔質セラミックス材の細孔内に水を入れ易いからである。また、鋼材等の金属材が水に対して腐食され易いのに対して、アルミナ及びシリカは水に対して腐食され難く、耐食性を有しているからである。
アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材とは、多孔質セラミックス材を構成している成分のなかで、アルミナまたはシリカの比率が最も高い多孔質セラミックス材のことである。より詳細には、アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材は、多孔質セラミックス材を構成している成分のなかで、アルミナの比率が最も高くてもよく(例えば、多孔質アルミナ)、シリカの比率が最も高くてもよく(例えば、多孔質シリカ)、アルミナとシリカとを合わせた比率が最も高くてもよい。
アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材には、例えば、中空アルミナ(アルミナバブル)、クリンカアッシュ、フライアッシュ、ゼオライトまたはシリカゲルを用いることができる。中空アルミナは、アルミナを主成分とする多孔質セラミックス材である。クリンカアッシュ、フライアッシュ、ゼオライトは、アルミナ及びシリカを主成分とする多孔質セラミックス材である。シリカゲルは、シリカを主成分とする多孔質セラミックス材である。このようなアルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材には、中空球電融アルミナBL(粒度1mmF、大平洋ランダム株式会社製)、シリカゲルA型(粒径0.37mmから0.84mm、松尾薬品産業株式会社製)、クリンカアッシュ(粒径3mm以下、四電ビジネス株式会社製)、フライアッシュ(粒径0.1mm以下、相馬環境サービス株式会社製)、ゼオライト(粒径0.15mmから1.2mm、東ソー株式会社製)等の市販品を用いることが可能である。
多孔質材の空隙率については、10%以上90%以下であることが好ましい。多孔質材の空隙率が10%以上であるのは、空隙率が10%より少ないと、多孔質材の細孔内の含水率が低下し、ブラストにより発生する粉塵を捕捉するための水量が不足する可能性があるからである。また、多孔質材の空隙率が90%以下であるのは、空隙率が90%より大きいと、研削材を被処理物に衝突させたときの衝撃力が小さくなり、ブラスト性能が低下する可能性があるからである。なお、多孔質材の空隙率については、20%以上80%以下であることがより好ましい。例えば、中空アルミナの空隙率は、40%から80%であり、クリンカアッシュの空隙率は、30%以上である。多孔質材の細孔径については、例えば、0.3nm以上20μm以下である。なお、多孔質材の空隙率については、置換法等により測定することが可能であり、多孔質材の細孔径分布については、ガス吸着法等により測定可能である。
研削材を形成するために、まず、多孔質材の細孔内に水を含ませる。多孔質材の細孔内に水を含ませるのは、後述するように、研削材を被処理物へ投射して衝突させたときに、研削材を構成する多孔質材が破砕し、細孔内に含まれる水が外に出て、多孔質材または被処理物が粉砕されて発生した粉塵を、この水により捕捉して凝集させるためである。
多孔質材の細孔内に含ませる水には、脱イオン水、蒸留水、水道水、弱アルカリ水等を用いることが可能である。水に腐食され易い多孔質鋼材を用いる場合には、多孔質鋼材の腐食を防止するために、弱アルカリ水(例えば、pH8から9)を用いることが好ましい。
多孔質材の細孔内へ水を含ませる方法としては、容器等に貯めた水の中に多孔質材を浸漬させて、多孔質材の細孔内へ水を含浸することで可能である。多孔質材の細孔内への水の含浸については、容器等に貯めた水をヒータ等で加熱煮沸しながら含浸することが好ましい。多孔質材を浸漬させた水を加熱煮沸することにより、多孔質材の細孔内の空気の温度が上昇するので、細孔内の空気が抜けやすくなり、細孔内へ水を含浸し易くなるからである。多孔質材を浸漬させる水の温度については、70℃から100℃が好ましい。また、多孔質材を浸漬させる水には、沸騰水を用いることが好ましい。
多孔質材の細孔内へ水を含ませる方法については、容器等に貯めた水の中に多孔質材を浸漬させた後、真空脱気しながら含浸してもよい。多孔質材の細孔内の空気が真空引きにより脱気されるので、多孔質材の細孔内へ水を含浸し易くなるからである。なお、真空脱気には、一般的な真空ポンプ等を用いることができる。
多孔質材の細孔内へ水を含ませる方法については、多孔質材に水分を含んだガスを流すことにより、多孔質材の細孔内に水を含ませることができる。例えば、水蒸気を含むガスを多孔質材に流すことにより、多孔質材の細孔内に水を吸着させることが可能となる。
次に、多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させる。多孔質材の表面に水分が付着していると、研削材同士が密着し易くなり、研削材同士が凝集して被処理物への投射が困難となる可能性があるからである。このため、細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させることにより、多孔質材の細孔内に含ませた水の乾燥を抑制しながら、多孔質材の表面に付着した水分を除去する。
細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させるためには、細孔内に水を含む多孔質材を乾燥炉に入れて乾燥させればよい。乾燥炉内の雰囲気温度を、例えば、60℃以上80℃以下、乾燥時間を12時間以上24時間以下とすることで、多孔質材の細孔内に含ませた水の乾燥を抑制しながら、多孔質材の表面に付着した水分を除去することが可能となる。
細孔内に水を含む多孔質材の表面の乾燥方法については、細孔内に水を含む多孔質材の表面を、熱風ヒータ等により温風環境下で乾燥させてもよい。また、細孔内に水を含む多孔質材を、室温環境下で放置して乾燥させてもよい。更に、細孔内に水を含む多孔質材の表面に付着した水分を、吸水紙や不織布等で拭き取るようにしてもよい。
このようにして、多孔質材で形成されており、多孔質材の細孔内に水を含むと共に、細孔内に水を含む多孔質材の表面が乾燥されている研削材が形成される。
研削材投射工程(S12)は、研削材形成工程(S10)で形成した研削材を投射して、被処理物に衝突させる工程である。まず、ブラスト処理装置について説明する。図2は、ブラスト処理装置10の構成を示す図である。
ブラスト処理装置10は、研削材12を貯留するための貯留タンク14を備えている。貯留タンク14の上部には、研削材12を貯留タンク14へ投入するための開口部16と、開口部16を覆う蓋18と、が設けられている。貯留タンク14の下部には、研削材12を排出するための研削材排出管20が設けられている。貯留タンク14は、耐圧性を備えるために金属材料等で形成されている。
ブラスト処理装置10には、貯留タンク14に接続されており、コンプレッサ等の圧縮ガス供給源(図示せず)から圧縮空気等の圧縮ガスを送るための給気管22が設けられている。給気管22は、貯留タンク14の上部や研削材排出管20とバルブ24等を介して接続されている。
ブラスト処理装置10は、研削材排出管20から排出された研削材12を搬送するブラストホース等の研削材搬送管26と、研削材搬送管26の先端に設けられており、研削材12を投射するためのブラストノズル28と、を有している。なお、ブラスト処理装置10には、上記のような直圧式のブラスト処理装置だけでなく、サクション式のブラスト処理装置を用いることも可能である。
次に、ブラスト処理方法について説明する。
まず、ブラスト処理装置10の貯留タンク14に、開口部16を介して研削材12を投入して貯留する。研削材12は、研削材形成工程(S10)で形成した研削材である。次に、コンプレッサ等を作動させて圧縮空気等の圧縮ガスを給気管22から貯留タンク14へ送り込み、研削材12を研削材排出管20から排出させる。そして、研削材12を、圧縮空気等の圧縮ガスにより、例えば、0.1MPaから0.9MPaの圧力で圧送し、研削材搬送管26を介してブラストノズル28から研削材投射空間30へ投射し、被処理物32に衝突させる。
被処理物32は、例えば、橋梁、船舶、プラント、ボイラ等の塗装や溶接が必要となる鋼構造部材である。ブラスト処理を行う環境については、屋外のような開放空間であってもよいし、ブラスト室内のような密閉空間であってもよい。なお、研削材12については、研削材形成工程(S10)で形成した研削材と、従来の研削材(アルミナグリッド、銅スラグ、ガーネット、珪砂等)とを混練したものを用いてもよい。
次に、このブラスト処理方法の作用について説明する。図3は、ブラスト処理方法の作用を説明するための模式図である。まず、ブラスト処理装置10の貯留タンク14に研削材12を投入した段階では、図3(a)に示すように、研削材12を構成する多孔質材12aの細孔内に水12bが充填されている。また、細孔内に水12bを含む多孔質材12aの表面については乾燥されており、多孔質材12aの表面の水分が除去されているので、研削材同士の凝集が抑制されている。
次に、図3(b)に示すように、研削材12は、被処理物32に向けて投射される。研削材12が被処理物32に衝突すると、図3(c)に示すように、研削材12を構成する多孔質材12aが破砕され、多孔質材12aの細孔内に含まれている水12bが外に弾き出される。研削材12が被処理物32へ衝突することにより発生した粉塵(破砕された研削材12、被処理物32の切削粉等)は、外に弾き出された水12bにより捕捉されて凝集する。
図3(d)に示すように、粉塵を捕捉した水12bについては、従来の湿式ブラストに比べて少量であるため、研削材12が被処理物32に衝突したときに発生する摩擦熱等の熱エネルギーによる被処理物32の表面温度の上昇などにより蒸発しやすくなる。このため、発生した粉塵については、粉塵が凝集した凝集物34となって落下する。このようにして、粉塵の飛散や拡散が抑制される。
なお、一般的に、金属系研削材よりも、セラミックスのような非金属系研削材のほうが脆性であるため、被処理物に衝突したときに細かく破砕されやすく粉塵がより多く発生し易いが、このブラスト処理方法によれば、非金属系研削材を用いた場合でも粉塵の飛散や拡散を抑制することが可能となる。発生した粉塵については、粉塵が凝集した凝集物として落下するので、粉塵の回収が容易となる。
以上、上記構成のブラスト処理方法によれば、多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させて研削材を形成し、この研削材を投射して、被処理物に衝突させるので、衝突時に、研削材を構成する多孔質材が破砕され、多孔質材の細孔内に含まれている水が外に弾け出て、粉塵を捕捉して凝集することにより、発生した粉塵の飛散や拡散が抑制される。これにより、上記構成によれば、湿式ブラストやスポンジブラストのように専用ブラスト機を用いる必要がない。また、粉塵を捕捉した水については、従来の湿式ブラストに比べて少量であるため、研削材が被処理物に衝突したときの摩擦熱等の熱エネルギーによるブラスト対象物表面温度の上昇などにより蒸発しやすいので、湿式ジェットブラストやミストブラストのような排水処理を行う必要がない。更に、湿式ジェットブラストやミストブラストでは、鋼構造部材等の被処理物の戻り錆を防止するために、水に腐食抑制剤を配合しているが、上記構成によれば、多孔質材の細孔内に含まれていた水は、研削材が被処理物に衝突したときの摩擦熱等の熱エネルギーにより蒸発するため、腐食抑制剤を用いる必要がない。このように、上記構成によれば、専用ブラスト機や排水処理作業等が不要となるので、より低コストで粉塵の飛散や拡散を抑制することが可能になる。
ブラスト処理を行って粉塵の飛散や拡散について評価を行った。
(被処理物)
ブラスト処理される被処理物には、一般構造用圧延材SS400製の鋼板を用いた。鋼板の大きさについては、長さ150mm×幅70mm×板厚3.2mmとした。
(研削材の作製)
研削材を構成する多孔質材には、中空アルミナを使用した。中空アルミナには、大平洋ランダム株式会社製の中空球電融アルミナBL(粒度:1mmF、カサ密度:0.6g/cm)を使用した。
次に、容器に貯めた沸騰水の中に、1kgの中空アルミナを浸漬させて80℃で加熱煮沸し、中空アルミナの細孔内に水を含浸した。含浸後、中空アルミナを入れた水をろ過して、細孔内に水を含む中空アルミナを取り出した。そして、細孔内に水を含む中空アルミナを合成樹脂製パットに入れて乾燥炉で乾燥し、細孔内に水を含む中空アルミナの表面に付着した水分を除去した。乾燥条件については、雰囲気温度を70℃、乾燥時間を12時間から24時間とした。乾燥後における細孔内に水を含む中空アルミナの質量は、1.13kgであった。したがって、中空アルミナの細孔内に含まれる水の合計については0.13kgであり、吸水率(含水率)は約12質量%であった。このようにして、中空アルミナの細孔内に水を含み、細孔内に水を含む中空アルミナの表面が乾燥された研削材を作製した。
(ブラスト処理)
実施例1のブラスト処理では、上記の中空アルミナの細孔内に水を含む研削材を使用した。比較例1のブラスト処理では、アルミナグリッド研削材(WHITE ABRAXF24、サンゴバン株式会社製)を使用した。
ブラスト処理装置には、直圧式ブラスト機(マイティミニブラスターS型、太陽金網株式会社製)を使用した。各研削材をブラスト処理装置の貯留タンクに投入し、0.3MPaの圧力にて約30秒間ブラスト処理した。研削材の単位時間当たりの吐出量については、約2kg/分とした。ブラストノズルと、被処理物である鋼板との間の距離については、5cmから10cmとした。
ブラスト処理を行うブラスト室については、密閉空間とした。このブラスト室の大きさは、約1.26mである。ブラスト室の温度については25℃とし、ブラスト室の湿度については相対湿度で40%RHから45%RHとした。
(粉塵測定方法)
各ブラスト処理直後にデジタル粉塵計LD−5D型(高濃度用、柴田科学株式会社製)をブラスト室内に配置し、粉塵測定を30分間行った。この粉塵計は、光散乱方式の粉塵計であり、直接的に粉塵の質量を測定しているのではなく、それと比例する散乱光の強弱を測定している。このため、粉塵計の測定値については、粉塵質の散乱光量を測定して1分間の値(CPM)に換算して表される。なお、各ブラスト処理の直前にブラスト室内の粉塵測定を5分間行ったところ、略0(CPM)であった。
(粉塵測定結果)
次に、各ブラスト条件でブラスト処理した直後の粉塵測定結果について説明する。図4は、各ブラスト処理条件によるブラスト処理直後の粉塵測定結果を示すグラフである。図4のグラフにおいて、横軸に測定時間(分)を取り、縦軸に粒子数(CPM)を取り、実施例1のブラスト処理条件のデータを白四角形で表し、比較例1のブラスト処理条件のデータを白菱形で表している。
比較例1のブラスト処理条件の場合には、ブラスト室内の粉塵濃度の初期値が8689(CPM)、5分後においても3913(CPM)を示していた。これに対して、実施例1のブラスト処理条件の場合には、ブラスト室内の粉塵濃度の初期値が203(CPM)、5分後では157(CPM)を示した。この結果から、実施例1のブラスト処理条件では、比較例1のブラスト処理条件よりも粉塵の飛散や拡散を抑制可能であることがわかった。
10 ブラスト処理装置、12 研削材、14 貯留タンク、16 開口部、18 蓋、20 研削材排出管、22 給気管、24 バルブ、26 研削材搬送管、28 ブラストノズル、30 研削材投射空間、32 被処理物、34 凝集物。

Claims (4)

  1. ブラスト処理方法であって、
    多孔質材の細孔内に水を含ませた後に、前記細孔内に水を含む多孔質材の表面を乾燥させて研削材を形成する研削材形成工程と、
    前記研削材を投射して、被処理物に衝突させる研削材投射工程と、
    を備え
    前記多孔質材は、アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材であることを特徴とするブラスト処理方法。
  2. 請求項1に記載のブラスト処理方法であって、
    前記研削材形成工程は、前記多孔質材を水に浸漬させて加熱煮沸し、前記多孔質材の細孔内に水を含ませることを特徴とするブラスト処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のブラスト処理方法であって、
    前記多孔質セラミックス材は、中空アルミナ、クリンカアッシュ、フライアッシュ、ゼオライトまたはシリカゲルであることを特徴とするブラスト処理方法。
  4. ブラスト処理するための研削材であって、
    多孔質材で形成されており、前記多孔質材の細孔内に水を含むと共に、前記細孔内に水を含む多孔質材の表面が乾燥されており、前記多孔質材は、アルミナまたはシリカを主成分とする多孔質セラミックス材であることを特徴とする研削材。
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