JP2897914B2 - 被処理物の表面処理方法 - Google Patents

被処理物の表面処理方法

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JP2897914B2 JP5940896A JP5940896A JP2897914B2 JP 2897914 B2 JP2897914 B2 JP 2897914B2 JP 5940896 A JP5940896 A JP 5940896A JP 5940896 A JP5940896 A JP 5940896A JP 2897914 B2 JP2897914 B2 JP 2897914B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、被処理物の表面処理方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、自動車、缶、瓶、家
具、建築物等の塗装剥離、自動車、機械器具、電装部品
等のサビ落とし、看板、IC基板等の接着剤剥離、路面
に付着したガム等の粘着性汚物の剥離には、これらの被
処理物の表面に鋭利多角形状あるいは粉末状の鉱物粗粒
子(サンド)、金属または植物系非繊維質粗粒子(グリ
ット)あるいはプラスチック粒子を噴射・衝突させて、
塗装、サビ、接着剤などを剥離する方法が提案されてい
る。
【0003】しかしながら、このような粒子を噴射・衝
突させて塗装などを剥離する方法には、被処理物の生地
表面への傷の発生、剥離効率、騒音、コスト、振動等の
点でさらなる改良の余地がある。
【0004】また、例えば、塗装の剥離、プリント基板
の脱脂・洗浄などには、塩化メチレン等の化学薬品を用
いる方法も提案されているが、廃液が揮発性あるいは有
毒で環境汚染の虞もあるなど取扱いが簡単でないとの問
題点がある。
【0005】なお、通常の洗浄液によるブラシ掛けで
は、塗装、サビ等を簡単に落とすことができず、また用
いられる水や洗浄液が周囲に飛散し、また洗浄時の廃液
が下水道等に流入するという問題点がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記従来技術に伴う問題点を
解決しようとするものであって、被処理物の生地を痛め
ることなく、効率よく被処理物の表面処理を行うことが
でき、該表面処理により剥離した塗装、錆、表面処理液
などが建造物、電装品等の被処理物の周辺に飛散しない
ような被処理物の新規な表面処理方法を提供することを
目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る被処理物の表面処理方法で
は、表面処理すべき被処理物の表面に、発泡プラスチッ
ク粒状体を衝突させることにより該表面の改質を行うこ
とを特徴としている。
【0008】このような被処理物としては、塗装物、発
錆物の他、ジュース缶、瓶などの表面に文字、図形等が
直接印刷されたもの、瓶、缶、車体等の表面にレッテ
ル、広告等の印刷物が貼着されたものなどが挙げられ、
塗装物、発錆物が好ましい。
【0009】本発明の好ましい態様においては、発泡プ
ラスチック粒状体は、多孔性であることが好ましい。ま
た、このプラスチック粒状体には、酸化防止剤、被膜形
成剤、洗浄剤、防錆剤のうちの1種または2種以上が含
浸、付着されていることが好ましい。
【0010】上記本発明に係る被処理物の表面処理方法
(表面改質方法)によれば、表面改質処理すべき被処理
物の生地を変形させたり傷つけたりすることなく、効率
よく、被処理物表面の塗装、サビなどを落とすことがで
きる。このように効率よく表面処理できるのは、被処理
物の塗装面、サビなどに発泡プラスチック粒状体が衝突
する際に、塗装面などに適度の衝撃力が付与されると同
時に軽量発泡体粒子に静電気が発生し、この衝撃力およ
び静電気によって、被処理物表面に形成され、付着して
いる塗膜、サビなどが物理的に除去され、被処理物表面
が改質処理されるためであろうと思われる。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明について、図面を参
照しつつ、具体的に説明する。図1は、本発明の一実施
例を示すもので、複数の発泡プラスチック粒状体1(単
に、「プラスチック粒状体」ともいう)がホッパー2か
ら発射(噴射)装置3に供給され、発射(噴射)口3a
から塗装された建造物外壁表面4に向けて連続的に発射
され、建造物外壁塗装面4に衝突し、衝突後には発射口
3aから建造物外壁塗装面4に向けて放射状に張設され
たネット5で捕獲されている様子を示している。 [発射(噴射)装置]なお、図2に示すように、発射
(噴射)装置3には、それぞれ離間して設けられた2本
の回転軸31、32にベルト33、34が略平行に張設
されている。
【0012】各発泡プラスチック粒状体1の粒径が同一
である場合、ベルト33、34は、プラスチック粒状体
1の粒径とほぼ同じか、あるいはプラスチック粒状体1
の粒径よりも僅かに小さい離間間隔で配設されており、
また、プラスチック粒状体1が粒径の異なる粒子を含ん
でいる場合には、ベルト33、34は、プラスチック粒
状体1の最大粒径とほぼ同じか、あるいはプラスチック
粒状体1の最大粒径よりも僅かに小さい離間間隔で配設
されている。
【0013】それぞれのベルト33、34が張設されて
いる回転軸の一方31には、それぞれモーター35、3
6が接続され、ベルト33が、図2に示すように、モー
ター35により時計回りに回転し、ベルト34がモータ
ー36により反時計回りに回転(逆回転)する。
【0014】このようにベルト33、34が回転する
と、プラスチック粒状体1は、ベルト33、34に挟持
されてベルト33、34の回転軸34側端部、すなわち
発射口3aにまで移動し、ここから該プラスチック発泡
体は、該発泡体を挟持するベルトの移動方向に沿って発
射装置外部(壁面4側)へ発射されるようになってい
る。 [ネット(カバー)]また、図1におけるネット5は、
プラスチック粒状体1の粒径よりもメッシュの細かい網
目を有し、被処理物に衝突した後の汚れたプラスチック
粒状体1をネット5からこぼれ落ちさせることなく捕獲
できるようになっている。
【0015】このようにして捕獲されたプラスチック粒
状体1は、図1に示すように、塵埃除去機6に移され、
塵埃除去機6でプラスチック粒状体1表面に付着してい
る塵埃が除去される。次いで、プラスチック粒状体1
は、洗浄機7、乾燥機8に順次移され、洗浄機7でプラ
スチック粒状体1表面に付着している汚れが除去され、
乾燥機8で汚れの除去されたプラスチック粒状体1が乾
燥される。
【0016】このようにして汚れの除去された乾燥プラ
スチック粒状体1は、ホッパー2に戻され、再びホッパ
ー2から発射装置3に供給されるようになる。以上、図
1に示した方法では、ネット5で回収された汚れたプラ
スチック粒状体1の塵埃を除去し、次いで洗浄・乾燥し
た後で、該プラスチック粒状体1を再び被処理物表面4
の表面処理(改質)に用いているが、ネット5で回収し
た汚れたプラスチック粒状体1の汚れがひどくない場合
には、ネット5で回収した汚れたプラスチック粒状体1
を建造物外壁表面4の塗装剥離、各種機械器具、電装品
のサビ落としなど、被処理物の表面処理(改質処理)に
複数回用いてもよい。
【0017】なお、建造物外壁表面4の塗膜が粘着性を
帯びている場合には、ネット5で回収した汚れたプラス
チック粒状体1の塵埃を塵埃除去機6で除去しないで洗
浄機7でプラスチック粒状体1の汚れを除去してもよ
い。
【0018】以上詳述したように本発明に係る被処理物
の表面処理方法では、粒子表面が多孔性のプラスチック
粒状体が好ましく用いられ、この多孔性プラスチック粒
状体が建造物外壁塗装表面4などの被処理面に衝突させ
られる。 [被処理面]本発明では、このように建造物外壁の塗装
面4などの各種被処理物の表面が改質処理されるが、改
質処理される被処理面としては、上記例(すなわち塗装
面)に限定されず、文字、図形などが直接印刷された印
刷面、レッテル、ステッカーなどが貼付された貼着面、
接着剤付着面、発錆面などが挙げられる。
【0019】また、このような表面処理が施される被処
理物としては、特に限定されず、例えば、自動車、機械
・器具・装置類、部品類(例:ICチップ、プリント基
板、ネジ)、建築物、内装材、家具、調度品、床など挙
げられ、これらの被処理物は、金属製、木製、プラスチ
ック製、ガラス製など各種材質の部材から構成されてい
てもよい。
【0020】要するに、上記のように各種部材の表面に
剥離・除去処理すべき塗装、錆が存在し、粘着剤が付着
し、また文字、図形等の印刷などが存在し、レッテル、
ステッカーなどが貼付されている限り、被処理物の種類
は、特に限定されない。 [発射(噴射)方法]本発明では、多孔性発泡体の発射
(噴射)方法としては上記例に限定されず、例えば、図
3、図4、図6等に示すように、圧縮空気にてエアガン
39の先端から、多孔性プラスチック粒状体1を発射す
るようにしてもよい。
【0021】このように被処理物に向けて発射された多
孔性発泡体の被処理物表面での面圧は、その粒径、被処
理物の材質などにもより、一概に決定されないが、その
衝突速度が、通常2〜20m/秒、好ましくは2〜15
m/秒程度であり、衝突面圧が、通常1〜10kg/c
2、好ましくは2〜8kg/cm2程度であることが望
ましい。
【0022】また、多孔性発泡体の回収方法としては、
前記図1、図2に示すように被処理面が垂直あるいは傾
斜している場合には、被処理面4に衝突し跳ね返った多
孔性発泡体1および剥離した塗装、錆等の塵埃4Cは落
下してくるので、ネットの下端にホース(図示せず)あ
るいは図3に示すバキューム装置37のような回収装置
を設ければ塵埃除去機6に簡単に回収できる。
【0023】また、被処理面が、図4、図6に示すよう
に床面4Aあるいは床面に載置された機械、器具などの
場合には、ネット5内の汚れたプラスチック粒状体1お
よび塵埃4Cをバキューム装置37を介して、上記塵埃
除去機6あるいはこのような塵埃除去機構などが組み込
まれたボックス10に回収するようにすればよい。
【0024】また、被処理面から剥離・除去された塗
料、サビ等の粉塵4Cが該ネット5を抜けて周囲に飛散
する虞があるような場合には、ネット5の目をいっそう
細かくするか、あるいは該ネットに代えて、針金等で補
強されたビニルシート等のシート状物あるいは図5の付
番5Aで示すような、プラスチック製あるいは金属製等
の覆い(カバー)を用いることができる。
【0025】なお、該カバー5Aが金属製の場合には、
表面処理状況の把握の便宜などのためプラスチック製の
透明な覗き窓が設けられていてもよい(図示せず)。ま
た、該カバー5Aには、操作性よく、自在に被処理物の
表面処理を行いうるようにタイヤ38の他、図6中に符
号15で示すハンドルなどが設けられていてもよい。ま
た、これらエアガン、バキューム装置、塵埃除去機、プ
ラスチック粒状体の洗浄機、乾燥機等は、図6に示すよ
うに一体に構成されていてもよく、またそれぞれ別体に
構成され、ホース(図示せず)等で連結されていてもよ
い。
【0026】特に、図6に示すようにカバー5、エアガ
ン39と共に、バキューム装置37を備え、塵埃除去
機、プラスチック粒状体1の洗浄機、乾燥機等が一体か
つコンパクトに構成されたボックス10を備え、タイヤ
38を備えた移動機構40やハンドル15などが設けら
れていると、作業性等の点で、床面の塗装剥離などには
好都合となる。
【0027】さらに、本発明では、このカバー5A
(5)の下部周縁部には、ゴム、布等の軟質材料からな
るスカート部(図示せず)が設けられていてもよい。こ
のようなスカート部を設けると、該カバーと床面4Aと
の密着性を高めることができ、床面等の表面処理時に生
ずる塵埃が、カバー5A(5)の外方に飛散しないよう
にすることができる。
【0028】とくに、エアガン方式により、多孔性プラ
スチック粒状体1を射出して被処理面の表面処理(改質
処理)を行う場合には、ネット、覆いなどが内部空気で
膨張し、塵埃4Cあるいは多孔性プラスチック粒状体1
がネット(覆い)の編み目間隙や、覆いと被処理面との
間の隙間などから漏出飛散する虞があるため、バキュー
ム装置37により、剥離された塗装等の塵埃4Cおよび
多孔性プラスチック粒状体1の回収、処理を行うことが
好ましい。 [多孔性のプラスチック粒状体]多孔性のプラスチック
粒状体としては、発泡スチロール、発泡ウレタン等の発
泡プラスチック粒子が挙げられる。
【0029】本発明で用いられ発泡プラスチック粒子
は、独立気泡発泡体であってもよく、連続気泡発泡体で
あってもよく、独立気泡と連続気泡とを併せ持つ発泡体
であってもよいが、その粒子表面には外方に向かって開
口した多数の凹部あるいは貫通孔が形成され、いわゆる
多孔性であることが好ましい。このような多孔性プラス
チック粒子を形成するには、例えば、発泡プラスチック
粒子の空隙部切断面、破断面が外表面に表れるように、
発泡プラスチックを切断、粉砕等すればよい。
【0030】特に、多数の凹部が外表面に形成された発
泡プラスチック粒状体では、その真密度ρは、例えば、
剥離処理すべき塗装強度、被処理物の種類、チック粒状
体内部に必要により埋設されることのある、後述する鉱
物粒子の種類およびその含量などにもより一概に決定さ
れないが、例えば1.1g/cm3以下、好ましくは
0.1〜1.1g/cm3程度のものが使用される。
【0031】粒子表面が多孔性のプラスチック粒状体
は、粒子表面が平滑なプラスチック粒状体に比較して粒
子表面積が大きい。このため、粒子表面に開口(多孔)
を有する多孔性のプラスチック粒状体を建造物外壁表面
に衝突させた場合、粒子表面が平滑なプラスチック粒状
体を建造物外壁表面に衝突させた場合に比較して、プラ
スチック粒状体が建造物外壁表面に衝突する際の衝撃力
で物理的に除去された建造物外壁表面の剥離された塗
料、錆などをより多くプラスチック粒状体表面に付着さ
せることができる。
【0032】また、プラスチック粒状体表面に建造物外
壁表面の剥離された塗料、錆などをより一層多く付着さ
せるために、プラスチック粒状体を粘着剤で表面処理
し、これによりプラスチック粒状体表面に適度な粘着性
を付与してもよい。
【0033】さらに粒子表面に開口を有する多孔性のプ
ラスチック粒状体は、多孔内部に洗浄剤、酸化防止剤、
被膜形成剤、防錆剤等を含浸、吸着あるいは付着させる
などの方法で保持できる。
【0034】このため、例えば、多孔内部に上記洗浄剤
を保持させたプラスチック粒状体を建造物外壁塗装面に
衝突させることによって、建造物外壁塗装面を物理的に
剥離・除去しうるのみならず、洗浄剤の化学的洗浄力で
化学的に効率よく除去することもできる。また、酸化防
止剤、被膜形成剤を含浸保持させたプラスチック粒状体
を、例えば、この金属製部材の塗装面に衝突させれば、
塗装の剥離・除去とともに、建造物表面に酸化防止剤な
どの被膜を形成でき、一次的あるいは長期的な防錆処理
も同時に施すことができる。
【0035】酸化防止剤あるいは被膜形成剤としては、
リン酸、リン酸誘導体(例:リン酸エステル)、シュウ
酸、オイル(例:マシンオイル、シリコンオイル)、カ
ップリング剤(例:シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤)等が挙げられる。
【0036】このような酸化防止剤、被膜形成剤は、用
いられるプラスチック粒状体1kg当たり、合計で0.
01〜100g程度の量で用いられる。このようにすれ
ば、ネジ、ボルト等の発錆物も新品同様に改質処理で
き、しかも防錆処理も同時に行われるので効率的であ
る。
【0037】このように塗装剥離などの表面処理と共に
上記防錆処理等が施された被処理面には、新たに塗装
(再塗装)してもよい。このようにして得られる再塗装
面は、滑らかなで、新品同様の仕上げとなる。
【0038】本発明では、このようなプラスチック粒状
体の表面には、上記したように酸化防止剤、被膜形成
剤、洗浄剤などが付着・吸着等されていてもよいが、該
プラスチック粒状体内部には、砂などの鉱物粒子、金属
または植物系非繊維質粒子、プラスチック粒子などが埋
設されていてもよく、その場合には、0.01〜10重
量%程度の量で埋設されていてもよい。このように発泡
プラスチック粒子内に該発泡粒子に比して比重の大きい
粒子が包含(埋設)されていると、プラスチック粒状体
の被処理面への衝突圧が高まり、塗装剥離、サビ落とし
等の効果がいっそう顕著となる傾向がある。
【0039】本発明で用いられるプラスチック粒状体の
粒径が、通常、1〜30mmφ、好ましくは5〜20m
mφであり、かつ該粒状体の比重が、通常、0.02以
上であると、建造物外壁表面など各種被処理面の塗装、
サビなどをむらなく短時間のうちに除去できる。プラス
チック粒状体の粒径が30mmφを超える場合には、同
時に被処理面に衝突できる隣接プラスチック粒状体間の
距離が粒径に比例して大きくなり、建造物外壁表面等に
形成された塗装などを一度に群らなく剥離除去すること
が難しく、したがって建造物外壁塗装などを剥離除去す
るために必要な時間が長くなるので好ましくない。逆に
プラスチック粒状体の粒径が1mmφ未満または該粒子
の比重が0.02未満であると、被処理面にプラスチッ
ク粒状体が衝突する際に生じる衝撃力が弱く、被処理面
にプラスチック粒状体を衝突させても充分に被処理面の
塗装、サビなどが除去できない場合がある。
【0040】上記説明から明らかなように、図1に示さ
れた実施例では、プラスチック粒状体1が建造物外壁塗
装面4と衝突し、この衝突によって引き起こされた衝撃
力で建造物外壁塗装面4が物理的に除去される。また、
このようにして汚れが表面に付着したプラスチック粒状
体1は、ネット5で捕獲して回収される。
【0041】以上のようなプラスチック粒状体1が建造
物外壁塗装面4と衝突する際に生じる衝撃力で建造物外
壁塗装面4を物理的に除去する工程を有する本発明に係
る表面処理方法は、たとえば次のようにして実施され
る。
【0042】まず、剥離除去すべき建造物外壁塗装面4
に沿ってゴンドラを昇降可能に設置する。このゴンドラ
には、建造物外壁と対向する壁の上端部に、建造物外壁
に向けて発射口からプラスチック粒状体が発射されるよ
うに、上記のような発射装置3が配設されている。ま
た、発射装置3の上方に位置するゴンドラ内部にはホッ
パーが据え付けられている。さらに発射装置3の発射口
から建造物外壁に向けてネットが張設され、ネット5で
発射装置3の発射口3aから発射されたプラスチック粒
状体1が捕獲されるようになっている。他方、ゴンドラ
内部には塵埃除去機6、洗浄機7および乾燥機8が設置
され、上記ネット5の下端部から塵埃除去機6に向けて
プラスチック粒状体1の管路が形成され、また、プラス
チック粒状体1を塵埃除去機6から順次洗浄機7、乾燥
機8およびホッパー2に運搬するプラスチック粒状体1
用の運搬具が設けられている。
【0043】以上のようなプラスチック粒状体、ホッパ
ー、発射(噴射)装置、ネット、塵埃除去機、洗浄機、
乾燥機およびプラスチック粒状体運搬具が備えられたゴ
ンドラ(図示せず)に作業者が搭乗する。
【0044】次いで、塗装剥離等の表面処理すべき建造
物外壁に向けて発射されたプラスチック粒状体1が全て
ネット5にて回収できるように、作業者がネット5を発
射装置の発射口3aに張設し、ネット5と表面処理すべ
き建造物外壁4との離間距離を調整しながら、通常、剥
離すべき建造物外壁塗装面に沿ってゴンドラを上昇さ
せ、建造物の頂部からゴンドラを下降させながら、作業
者が上記要領でホッパー、発射装置、ネット、塵埃除去
機、洗浄機、乾燥機およびプラスチック粒状体運搬具を
操作することにより、建造物外壁表面の塗装剥離などが
行なわれる。
【0045】図1に示す実施例では、発射装置3の発射
口3aから建造物外壁表面(建造物外壁塗装面)4に向
けてネット5が放射状に張設され、建造物外壁表面4と
衝突した後の汚れたプラスチック粒状体1がネット5で
回収できるようになっているが、本発明では、このよう
なネット5、塵埃除去機6、洗浄剤漕7、乾燥機8およ
びプラスチック粒状体運搬具は必ずしも必要ではない。
【0046】
【発明の効果】本発明に係る被処理物の表面処理方法に
よれば、発泡プラスチック粒状体を建造物外壁表面など
の被処理物表面に衝突させることによって被処理物の塗
装面、サビなどが剥離・除去処理されるので、被処理物
の生地自体が変形したり傷つくことがない。また表面処
理時に、従来例のように洗浄液を用いていないので、汚
れた廃液が建造物など被処理物の周辺に飛散することも
ない。
【0047】さらに本発明では発泡プラスチック粒状体
を被処理物の表面に衝突させることによって被処理物表
面の塗装、サビ、印刷などが剥離・除去(表面の改質処
理)されるので、砂、非発泡プラスチックなどを建造物
外壁表面に衝突させることによって建造物外壁、ガラス
面など被処理物表面の塗装、印刷などを剥離除去する場
合と異なり、被処理物表面がガラスなどで構成されてい
ても建造物外壁表面を傷付けることは殆どない。
【0048】したがって本発明に係る被処理物の表面処
理方法によれば、建造物外壁表面などの被処理物表面を
傷付けることなく表面処理(表面改質処理)することが
でき、表面処理によって建造物などの被処理物の外観を
損なうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る被処理物表面の表面処理
方法の一実施例を示す図面である。
【図2】図2は、図1の実施例で用いられるコンベアタ
イプの発射装置の概略図面である。
【図3】図3は、図1の実施例で用いられるエアガンタ
イプの発射装置の概略断面図である。
【図4】図4は、エアガンタイプの発射装置を用いて床
面の塗装剥離処理を行う、本発明の他の実施例を示す図
面である。
【図5】図5は、図4の実施例において飛散防止用のネ
ットカバーに代えて、プラスチック製あるいは金属製の
カバーを用いた態様を示す、本発明の他の実施例を示す
図面である。
【図6】図6は、図4の実施例において飛散防止用のネ
ットカバーに代えて、プラスチック製あるいは金属製の
カバーを用いるとともに、移動自在な走行機構を備えた
態様を示す、本発明の他の実施例を示す図面である。
【符号の説明】
1 プラスチック粒状体 2 ホッパー 3 発射(噴射)装置 3a 発射(噴射)口 4 建造物外壁塗装面 4C 剥離塗装、錆などの塵埃 5 ネット 5A プラスチック製、金属製などのカバー 6 塵埃除去機 7 洗浄機 8 乾燥機 10 ホッパー、塵埃除去機、洗浄機、乾燥機、
圧縮空気発生装置を備えたボックス 15 ハンドル 31、32 回転軸 33、34 ベルト 35、36 モーター 37 バキューム装置 39 エアガン 40 走行機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−21268(JP,A) 特開 平4−72368(JP,A) 特開 平3−287379(JP,A) 特開 平8−3542(JP,A) 特開 平6−99356(JP,A) 特開 昭59−37055(JP,A) 実開 昭63−70866(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24C 1/00 B24C 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面処理すべき被処理物の表面に、発泡プ
    ラスチック粒状体を衝突させることにより該表面の改質
    を行うことを特徴とする被処理物の表面処理方法。
  2. 【請求項2】表面処理すべき被処理物が、塗装物、発錆
    物のうちから選択されるものであることを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】発泡プラスチック粒状体が、多孔性である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】プラスチック粒状体には、酸化防止剤、被
    膜形成剤、洗浄剤、防錆剤のうちの1種または2種以上
    が含浸、付着されていることを特徴とする請求項1〜3
    の何れかの項に記載の方法。
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