JP5003960B2 - ブラスト装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明はブラスト装置及びその運転方法に係り、特に原子力発電所設備の壁面の塗膜を除去したり、塗膜が除去された素地面を除染したりすることを主目的としたブラスト装置及びその運転方法に関する。
近年、原子力発電所設備の廃止措置に関し、その廃止措置の解体基準について法整備が行われている。原子炉施設を解体する際には、放射性物質の拡散を防止する必要がある。母材に塗装がされている場合は、まず、その壁面の放射性物質を含む塗膜を除去し、次に、塗膜が除去された素地面(母材)を除染して素地面のコンタミ(放射線による放射性汚染物質)を除去する必要がある。
本願出願人は、特許文献1において、このような放射性物質を含む塗膜の除去、及び素地面の除染を目的としたブラスト装置を提案している。
特許文献1のブラスト装置は、研削材が多孔質弾性体(スポンジ)内に固着されたブラスト媒体を使用し、このブラスト媒体を塗装壁面に向けて投射させ、塗膜の除去、及び素地面の除染を行うものである。このブラスト装置によれば、ブラスト媒体が塗膜に衝突するとブラスト媒体が偏平になり、固着されている研削材が塗膜に直接高速で衝突するので、サンドブラスト装置と同様に、塗膜を研削材によって研削除去することができる。また、通常では空中に漂うことになる粉塵が、多孔質弾性体の中に取り込まれてそのまま落下するので、粉塵飛散を防止することができる。このような利点により、粉塵が作業環境中に大量に漂うサンドブラスト装置と比較して、作業環境が大幅に改善し、ブラスト作業を効率よく実施できるという特有の効果がある。
ところで、特許文献1に開示された乾式のブラスト装置は、アルミナやジルコニア等の硬度の高い研削材を多孔質弾性体に固着したブラスト媒体を主として使用するため、塗膜の研削除去作業は効率よく行うことができる。しかしながら、素地面の除染となると、ユリア樹脂等の硬度の低い研削材(研掃材ともいう)を使用した場合でも、水に研削材を含有させた液体のブラスト媒体を使用する湿式のブラスト装置と比べれば、すなわち、コンタミを液体で洗い落とす装置と比べれば、やはり除染効率が劣ることは否めない。
特許文献2の図1には、水ノズルと蒸気ノズルとからなるスチームインジェクタの蒸気水混合ノズルに研摩材を供給し、被処理物の酸化皮膜、及び金属母材を研削する湿式のブラスト装置が開示されている。このブラスト装置は、原子力施設の建屋埋設配管に圧縮空気と研摩材とを圧送して配管内面の酸化皮膜、及び金属母材を研削するものである。
特開2006−130618号公報 特開2000−75095号公報
特許文献2の湿式ブラスト装置は、水によってコンタミを洗い落とすことができるため、特許文献1の乾式ブラスト装置と比較して、除染効率が高いと言える。しかしながら、特許文献2のような湿式ブラスト装置は、基本的に水洗浄を主とした装置であるため、水洗浄により、放射性汚染物質を含むコンタミが水に混入した二次廃棄物が発生し、その水処理に専用の設備を要するという欠点があった。
また、特許文献2の湿式ブラスト装置において、二次廃棄物の発生を抑えるために水の供給量を少なくすると、研磨材による粉塵が飛散するので、ブラスト作業を効率よく実施することができないという欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ブラスト作業を効率よく行うことができる、特に除染作業に好適なブラスト装置及びその運転方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載のブラスト装置の発明は、前記目的を達成するために、ブラスト媒体が貯留されるとともに、所定の位置にブラスト媒体の供給口が形成されたタンクと、前記タンクの前記供給口に基端部が接続されたホースと、前記ホースの先端部に接続されたノズルと、前記ホースの基端部に圧縮エアを供給する圧縮エア供給部と、前記ホースの基端部に接続され、前記タンクの前記供給口から供給された前記ブラスト媒体の供給点に向けて液体を供給する液体供給部とを備えたブラスト装置において、前記ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量を検出手段によって検出し、該検出されたダスト量に基づいて、前記ブラスト装置のブラスト媒体供給部によるブラスト媒体供給量、及び/又は液体供給部による液体供給量を制御部によって制御することを特徴としている。
請求項4に記載のブラスト装置の運転方法の発明は、前記目的を達成するために、ブラスト媒体が貯留されるとともに、所定の位置にブラスト媒体の供給口が形成されたタンクと、前記タンクの前記供給口に基端部が接続されたホースと、前記ホースの先端部に接続されたノズルと、前記ホースの基端部に圧縮エアを供給する圧縮エア供給部と、前記ホースの基端部に接続され、前記タンクの前記供給口から供給された前記ブラスト媒体の供給点に向けて液体を供給する液体供給部とを備えたブラスト装置の運転方法において、前記ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量を検出手段によって検出し、該検出されたダスト量に基づいて、前記ブラスト装置のブラスト媒体供給部によるブラスト媒体供給量、及び/又は液体供給部による液体供給量を制御部によって制御することを特徴としている。
請求項1、4に記載の発明によれば、ホースの基端部でブラスト媒体と液体とをミキシングし、ミキシングしたブラスト媒体と液体との混合媒体を、圧縮エアでホース中を空気輸送させ、ホース先端のノズルから被加工物に向けて投射する。これにより、混合媒体はノズルの位置で減速されることなく高速で投射される。また、ブラスト媒体と液体とがホースを通過することでミキシング域が長くなるので、ブラスト媒体と液体とのミキシングが確実に行われるようになる。このミキシング作用によって、ブラスト媒体に液体が良好に絡みつくため(吸水性のあるブラスト媒体の場合には、ブラスト媒体が湿潤するため)、液体がノズルから直接投射されなくなり、液体が絡みついたブラスト媒体(湿潤したブラスト媒体)がノズルから投射される。これによって、投射したブラスト媒体に起因するダストの発生を抑制できる。また、除染を目的とした用途の場合には、ブラスト媒体に絡みついた液体によって素地面のコンタミが水洗浄の如く除去されるので、除染を効率よく実施することができる。更に、液体はブラスト媒体に絡みついており、液体単独で投射されないので、二次廃棄物(水)の発生を抑えることができる。
一方、ブラストに供して落下した使用済みのブラスト媒体は、液体が絡みついているため塊状になる。これにより、水と比較して容易に回収できる。また、回収したブラスト媒体が放射性汚染物質を含む場合には、キャスクに保管して既存の放射線管理区域に保管する。よって、放射性汚染物質を含む水と比較して二次廃棄物の水処理設備が不要になり、二次廃棄物の取り扱いも格段に簡易になる。
ところで、請求項1、4に記載の発明は、ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量をパーティクルセンサ等の検出手段によって検出している。そして、検出されたダスト量に基づいて制御部が、液体供給部による液体供給量を制御する。すなわち、ダスト量が、ダストの発生値である規定値よりも多くなると、液体供給量を増やしてダストの発生を抑制する。これにより、ブラスト作業環境を良好に自動で維持することができ、ブラスト作業を効率よく実施できる。また、ダスト量が規定値よりも大幅に少なくなると、液体が単独で投射されている虞があるため、液体供給量を減らして液体の単独投射を防止する。なお、この場合、ブラスト媒体の供給量を増やすように制御してもよく、双方の供給量を前記の如く制御するようにしてもよい。
請求項2、5に記載の発明によれば、ブラスト対象室内のブラスト媒体が投射される被投射部からブラスト対象室の排気口へ向う経路に略沿って前記検出手段を複数設けておき、制御部は、ブラスト媒体の投射開始時においては、被投射部から離間した排気口近傍の複数の検出手段によってダスト量を検出させてその平均を取得する。そして、制御部は、この平均値のダスト量が一定値よりも大きい場合には、液体供給量を多くしてダスト量が前記一定値よりも小さくなるように液体供給部を制御、及び/又はブラスト媒体の供給量を少なくして前記一定値よりも小さくなるように前記ブラスト媒体供給部を制御することでダスト量を抑える。
ブラスト媒体の投射初期は、被投射部に当たるエア量がまだ少なく、反射して排気口へ流れるエア量、及びダスト量も少ない。よって、検出手段が例えば6台とすると、排気口に近い2台の検出手段でダスト量を検出し、その平均をとり、この値をダスト量とする。このダスト量が一定値より大きい時は、水分を多くし、ダスト量が減るべく制御する。
所定時間経過後、それでもダスト量が一定値よりも多い場合には、ブラスト媒体の供給量を更に少なくする。これに起因して液体が多くなると、ブラスト対象室の壁、床が液体とブラスト媒体とでベチャベチャになるので、次は圧縮エア供給部を制御して圧縮エア量を少なくする。すなわち、上記3つの制御を順次又は同時に行うことでダスト量を減らす。
請求項3、6に記載の発明によれば、制御部は、ブラスト媒体の投射が所定時間経過すると、作動する検出手段の数を経路の下流側から上流側へ順次増やしていき、時間当たりのエア量が最も多い時は、全ての検出手段を作動させることが好ましい。
投射が進み、時間当たりのエア量、ダスト量が多くなると、被投射部で反射するエア量、ダスト量も多くなるので、そのエア量(ノズル圧からエア量を換算しておく)に比例して、検出手段の作動数を経路の下流側から上流側へ順次増やす。時間当たりのエア量が最も多い時は、全ての検出手段を作動させる。これに対して、エア量が少ないときに全ての検出手段のダスト量で平均値を取得した場合、ダスト量の少ない経路の上流側のダスト量も計算値として使用されるため、本当のダスト量よりも少なくなる。したがって、上記の如く、投射時間の進行に対応させて作動する検出手段の数を経路の下流側から上流側へ順次増やしていくことにより、ダスト量検出の精度が上がる。
請求項7に記載の発明によれば、ブラスト媒体としてパウダー状の媒体を使用することが好ましい。パウダー状の媒体を乾式で投射するとパウダーによるダストが大量に発生するため作業環境の点から好ましくないが、パウダーに液体を混ぜて投射すると、そのブラスト媒体は湿潤したものとなるので、ダストの発生を抑制でき、また回収も容易になる。
ブラスト媒体がパウダー状であっても、その硬度が高ければ(例えばモース硬度6以上)、塗膜の研削作業等のハードな作業を行うことができ、その硬度が低ければ(例えばモース硬度6未満)、除染作業(素地面に付着しているコンタミ除去作業)や鏡面加工等のソフトな作業を行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、パウダー状の媒体として炭酸カルシウム粉体を使用することが好ましい。例えば、炭酸カルシウム粉体として、帆立貝等の貝殻を粉砕したものを使用することにより、地球環境資源の保護に好適なパウダー状のブラスト媒体を得ることができる。なお、炭酸カルシウム粉体は工業的に生産されたものであってもよく、更に、この炭酸カルシウム粉体をスポンジ片に固着してスポンジ状のブラスト媒体としてもよい。
本発明に係るブラスト装置及びその運転方法によれば、ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量を検出手段によって検出し、検出されたダスト量に基づいて制御部が、液体供給部による液体供給量を粉塵が発生しない量に制御するので、ブラスト作業環境を良好に自動で維持することができ、ブラスト作業を効率よく実施できる。
以下添付図面に従って、本発明に係るブラスト装置及びその運転方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1に示す実施の形態のブラスト装置10は、原子力発電所設備の壁面12の塗膜が除去された素地面14の除染用として使用されるブラスト装置である。
まず、ブラスト装置10を用いた除染工法について説明すると、この除染工法で使用するブラスト媒体は、パウダー状の炭酸カルシウム粉体と液体とをミキシングした混合媒体20であって、液体が単独で分離せず、炭酸カルシウム粉体に染み込み、炭酸カルシウム粉体が液体で湿潤した状態の混合媒体20である。この混合媒体20を圧縮エアによって素地面14に高速で投射し、素地面14を除染する。なお、炭酸カルシウム粉体に代えて、7号珪砂をブラスト媒体として使用してもよい。
このブラスト装置10によれば、混合媒体20が素地面14に衝突すると、炭酸カルシウム粉体が液体とともに素地面14に直接高速で衝突する。この衝撃力で素地面14が除染されるとともに素地調整され、素地面14に付着しているコンタミが液体によって水洗浄の如く除去される。また、通常では空中に漂うことになる粉塵が混合媒体20の中に取り込まれてそのまま落下するので、粉塵飛散も防止することができる。更に、反発力も液体によって吸収されるため、混合媒体20の跳ね返りは殆ど発生しない。このような特性により、図1の如くブラスト装置10を取り扱う作業者22の装備も軽装ですむ。
また、図1は、ブラスト装置10のノズル24近傍のホース26を作業者22が両手で把持し、素地面14に向けて混合媒体20を投射している図が示されている。この作業者22は、サンドブラスト工法のようにプロテクタを全身に装備する必要はなく軽装となっている。これにより、作業者22の労力が大幅に低減されている。
ブラスト装置10はタンク28、ブラスト媒体供給装置(ブラスト媒体供給部)30、ホース26、ノズル24、エアコンプレッサ(圧縮エア供給部)32、及び液体タンク34と流量調整弁36からなる液体供給部38等から構成される。
タンク28には、ブラスト媒体である炭酸カルシウム粉体16が貯留されるとともに、ホッパ部28Aの下部に炭酸カルシウム粉体16の供給口29が形成されている。この供給口29の形成位置は、ホッパ部28Aの下部に限定されるものではないが、この位置に形成することにより、炭酸カルシウム粉体16をホース26に自重で供給できるので好ましい。また、タンク28は、エアコンプレッサ40からの圧縮エアによって圧力が付与された直圧式のタンクである。
ホース26は所定の長さを有し、タンク28の供給口29に基端部26Aが略十字形状のジョイント管42を介して接続され、このホース26の先端部26Bにノズル24が接続されている。
エアコンプレッサ32は、ジョイント管42に接続され、このジョイント管42を介してホース26の基端部26Aに圧縮エアを供給する。
液体供給部38は、前述の如く液体タンク34と流量調整弁36とから構成され、液体タンク34に貯留された液体が流量調整弁36を介してホース26の基端部26Aにジョイント管42を介して供給される。また、流量調整弁36の開度が後述する制御部によって制御されることにより、液体の供給量が制御される。
ジョイント管42における液体の供給位置は、図2に示すようにブラスト媒体供給装置の下流端位置(ブラスト媒体の供給点)に設定されている。これによって、供給口29から供給されてきた炭酸カルシウム粉体16に液体が直接供給される。
ブラスト媒体供給装置30は、ジョイント管42内でジョイント管42の水平軸方向に沿って内設されたスクリューである。ブラスト媒体供給装置30が回転駆動されると、タンク28に貯留された炭酸カルシウム粉体16は、スクリューによって供給口29から強制的に掻き出され、ホース26に導かれる。また、掻き出された炭酸カルシウム粉体16は、ブラスト媒体供給装置30のミキシング作用により液体と混合され、ここで混合媒体20となるとともに、エアコンプレッサ32からの圧縮エアによりノズル24に向けて圧送される。そして、圧送される間に圧縮エアによって更にミキシングされ、ノズル24から投射される前段階で、液体が炭酸カルシウム粉体16に染み込んだ混合媒体20となる。このような混合媒体20を生成するために、ブラスト媒体供給装置30による炭酸カルシウム粉体16の供給量、及び液体の各供給量が好適な値にそれぞれ設定されている。なお、ブラスト媒体供給装置30は、タンク28の供給口29の下方位置にホッパ部28Aの軸心に沿って鉛直方向に配設してもよい。また、ブラスト媒体供給装置30は後述する制御部によってその回転速度が制御され、これによって、炭酸カルシウム粉体16の供給量が制御されている。
次に、前記の如く構成されたブラスト装置10の作用について説明する。
このブラスト装置10の基本動作は、ホース26の基端部26A側で炭酸カルシウム粉体16と液体とをブラスト媒体供給装置30によってミキシングし、ミキシングした炭酸カルシウム粉体16と液体との混合媒体20を、圧縮エアでホース26中を空気輸送させ、ホース26の先端のノズル24から素地面14に向けて投射することにある。すなわち、混合媒体20は、ホース26の基端部26Aから加速されてノズル24から素地面14に向けて高速で投射される。
したがって、混合媒体20はノズル24の位置で減速されることなく投射される。また、炭酸カルシウム粉体16と液体とがホース26を通過することでミキシング域が長くなるので、炭酸カルシウム粉体16と液体とのミキシングが確実に行われるようになる。このミキシング作用によって、炭酸カルシウム粉体16に液体が良好に染み込むため、液体がノズル24から直接投射されなくなり、液体が染み込んだ炭酸カルシウム粉体16がノズル24から投射される。
以上の作用によって、投射した炭酸カルシウム粉体16に起因するダストの発生を抑制できるとともに、炭酸カルシウム粉体16に染み込んだ液体によって素地面14のコンタミが水洗浄の如く除去されるので、除染を効率よく実施することができる。また、液体は炭酸カルシウム粉体16に染み込んでおり、液体単独で投射されないので、二次廃棄物(水)の発生を抑えることができる。
一方、ブラストに供して落下した使用済みの混合媒体20は、液体が絡みついているため塊状になる。これにより、水と比較して容易に回収できるようになる。また、回収した混合媒体20は、コンタミ(放射性汚染物質)を含むため、キャスクに保管して既存の放射線管理区域に保管することが好ましい。これにより、放射性汚染物質を含む水と比較して二次廃棄物の水処理設備が不要になるため、廃棄物の取り扱いも格段に簡易になる。
実施の形態では、ブラスト媒体としてパウダー状の炭酸カルシウム粉体16を使用しているが、炭酸カルシウム粉体16の硬度が高ければ(例えばモース硬度6以上)、塗膜の研削作業等のハードな作業を行うことができる。また、その硬度が低ければ(例えばモース硬度6未満)、実施の形態の如く除染作業や鏡面加工等のソフトな作業を行うことができる。更に、炭酸カルシウム粉体16として、帆立貝等の貝殻を粉砕したものを使用することにより、地球環境資源の保護に好適なパウダー状のブラスト媒体を得ることができる。なお、炭酸カルシウム粉体16は、工業的に生産されたものであってもよい。
図2は、実施の形態のブラスト装置10の運転方法の一例を示した模式図である
この運転方法の基本的な考えは、ブラスト装置10が使用されるクリーンハウス(ブラスト対象室)44内のダスト量をパーティクルセンサ(検出手段)46(46A〜46F)によって検出し、検出されたダスト量に基づいて、ブラスト媒体供給部30による炭酸カルシウム粉体16の供給量、及び/又は流量調整弁36による液体供給量を制御部48によって制御するものである。
すなわち、この運転方法は、検出したダスト量がダスト発生と判断される規定値(一定値)よりも多くなると、例えば、流量調整弁36の開度を大きく制御し、液体供給量を増やしてダストの発生を抑制する。これにより、クリーンハウス44内におけるブラスト作業環境を良好に自動で維持することができる。また、ダスト量が前記規定値よりも大幅に少なくなると、液体が単独で投射される虞があるため、流量調整弁36の開度を小さく制御し、液体供給量を減らして液体の単独投射を防止する。制御部48による制御対象は流量調整弁36に限定されるものではなく、ブラスト媒体供給部30を制御して炭酸カルシウム粉体16の供給量を多くしたり少なくしたりして制御してもよく、双方の供給量を前記の如く制御するようにしてもよい。これにより、クリーンハウス44内においてブラスト作業を効率よく行うことができる。なお、図2における符号50は、クリーンハウス44の排気口45に連結された排気ダクトであり、符号52は、排気ダクト50に連結された排気ファン、符号54は、排気ダクト50を通過する微小粒子等を除去するHEPAフィルタである。
ところで、この運転方法によれば、図2に示すように、クリーンハウス44内のブラスト媒体が投射される壁面(被投射部)12からクリーンハウス44の排気口45へ向う経路に略沿ってパーティクルセンサ46A〜46Fが複数(図2では6台)設けられている。そして、制御部48は、混合媒体20の投射開始時においては、壁面12から離間した排気口45近傍の例えば2台のパーティクルセンサ46E、46Fによってダスト量を検出させてその平均を取得する。そして、制御部48は、この平均値のダスト量が前記規定値よりも大きい場合には、液体供給量を多くしてダスト量が一定値よりも小さくなるように流量調整弁36を制御、及び/又は混合媒体20の供給量を少なくして前記一定値よりも小さくなるようにブラスト媒体供給部30を制御し、ダスト量を抑える。
混合媒体20の投射初期は、壁面12に当たるエア量がまだ少なく、反射して排気口45へ流れるエア量、及びダスト量も少ない。よって、パーティクルセンサが例えば6台とすると、排気口45に近い2台のパーティクルセンサ46E、46Fでダスト量を検出し、その平均をとり、この値をダスト量とする。このダスト量が規定値より大きい時は、水分を多くし、ダスト量が減るべく制御する。
そして、所定時間経過後、それでもダスト量が規定値よりも多い場合には、炭酸カルシウム粉体16の供給量を更に少なくする。これに起因して液体が多くなると、クリーンハウス44の壁12、床が液体と炭酸カルシウム粉体16とでベチャベチャになるので、次はエアコンプレッサ32を制御して圧縮エア量を少なくする。すなわち、上記3つの制御を順次又は同時に行うことでダスト量を減らす。
また、制御部48は、混合媒体20の投射が所定時間経過し、時間当たりのエア量、ダスト量が多くなると、壁面12で反射するエア量、ダスト量も多くなるので、そのエア量(ノズル圧からエア量を換算しておく)に比例して、パーティクルセンサ46A〜46Fの作動数を経路の下流側から上流側へ順次増やす。時間当たりのエア量が最も多い時は、全てのパーティクルセンサ46A〜46Fを作動させる。これに対して、エア量が少ないときに全てのパーティクルセンサ46A〜46Fのダスト量で平均値を取得した場合、ダスト量の少ない経路の上流側のダスト量も計算値として使用されるため、本当のダスト量よりも少なくなる。したがって、上記の如く、投射時間の進行に対応させて作動するパーティクルセンサ46A〜46Fの数を経路の下流側から上流側へ順次増やしていくことにより、ダスト量検出の精度が上がる。
一方、液体として単なる水を使用すると、素地面14が錆びるため、アルカリ電解水(pH11以上)を使用することが好ましい。また、このアルカリ性界面活性剤を混ぜることが好ましい。これにより、素地面のコンタミを除去し易くなるので、高い除染効果を得ることができる。なお、除染対象物がアルミニウムの場合、中性の界面活性剤を使用する。
また、素地面14の除染工程の前段で行われる塗膜除去工程においても、実施の形態のブラスト装置10を使用することができる。この場合、ブラスト媒体として、硬度の高い銅スラグ(カラミ)、スチールグリット、アルミナ、ジルコニア等の研削材を使用することが好ましい。
実施の形態のブラスト装置の全体構成を示した説明図 ブラスト装置の運転方法の一例を示した模式図
符号の説明
10…ブラスト装置、12…原子力発電所設備の壁面、14…素地面、20…混合媒体、22…作業者、24…ノズル、26…ホース、28…タンク、30…ブラスト媒体供給装置、32…エアコンプレッサ、34…液体タンク、36…流量調整弁、38…液体供給部、40…エアコンプレッサ、42…ジョイント管、44…クリーンハウス、46…パーティクルセンサ、48…制御部、50…排気ダクト、52…排気ファン、54…HEPAフィルタ

Claims (8)

  1. ブラスト媒体が貯留されるとともに、所定の位置にブラスト媒体の供給口が形成されたタンクと、前記タンクの前記供給口に基端部が接続されたホースと、前記ホースの先端部に接続されたノズルと、前記ホースの基端部に圧縮エアを供給する圧縮エア供給部と、前記ホースの基端部に接続され、前記タンクの前記供給口から供給された前記ブラスト媒体の供給点に向けて液体を供給する液体供給部とを備えたブラスト装置において、
    前記ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量を検出手段によって検出し、該検出されたダスト量に基づいて、前記ブラスト装置のブラスト媒体供給部によるブラスト媒体供給量、及び/又は液体供給部による液体供給量を制御部によって制御することを特徴とするブラスト装置。
  2. 前記検出手段は、前記ブラスト対象室内のブラスト媒体が投射される被投射部からブラスト対象室の排気口へ向う経路に略沿って複数設けられ、
    前記制御部は、ブラスト媒体の投射開始時においては、前記被投射部から離間した前記排気口近傍の複数の検出手段によってダスト量を検出させてその平均を取得し、この平均値のダスト量が一定値よりも大きい場合には、前記液体供給量を多くしてダスト量が前記一定値よりも小さくなるように前記液体供給部を制御、及び/又は前記ブラスト媒体の供給量を少なくして前記一定値よりも小さくなるように前記ブラスト媒体供給部を制御する請求項1に記載のブラスト装置。
  3. 前記制御部は、ブラスト媒体の投射が所定時間経過すると、作動する検出手段の数を経路の下流側から上流側へ順次増やしていき、時間当たりのエア量が最も多い時は、全ての検出手段を作動させることを特徴とする請求項2に記載のブラスト装置。
  4. ブラスト媒体が貯留されるとともに、所定の位置にブラスト媒体の供給口が形成されたタンクと、前記タンクの前記供給口に基端部が接続されたホースと、前記ホースの先端部に接続されたノズルと、前記ホースの基端部に圧縮エアを供給する圧縮エア供給部と、前記ホースの基端部に接続され、前記タンクの前記供給口から供給された前記ブラスト媒体の供給点に向けて液体を供給する液体供給部とを備えたブラスト装置の運転方法において、
    前記ブラスト装置が使用されるブラスト対象室内のダスト量を検出手段によって検出し、該検出されたダスト量に基づいて、前記ブラスト装置のブラスト媒体供給部によるブラスト媒体供給量、及び/又は液体供給部による液体供給量を制御部によって制御することを特徴とするブラスト装置の運転方法。
  5. 前記検出手段は、前記ブラスト対象室内のブラスト媒体が投射される被投射部からブラスト対象室の排気口へ向う経路に略沿って複数設けられ、
    前記制御部は、ブラスト媒体の投射開始時においては、前記被投射部から離間した前記排気口近傍の複数の検出手段によってダスト量を検出させてその平均を取得し、この平均値のダスト量が一定値よりも大きい場合には、前記液体供給量を多くしてダスト量が前記一定値よりも小さくなるように前記液体供給部を制御、及び/又は前記ブラスト媒体の供給量を少なくして前記一定値よりも小さくなるように前記ブラスト媒体供給部を制御する請求項4に記載のブラスト装置の運転方法。
  6. 前記制御部は、ブラスト媒体の投射が所定時間経過すると、作動する検出手段の数を経路の下流側から上流側へ順次増やしていき、時間当たりのエア量が最も多い時は、全ての検出手段を作動させることを特徴とする請求項5に記載のブラスト装置の運転方法。
  7. 前記ブラスト媒体は、パウダー状の媒体である請求項4、5又は6のいずれかに記載のブラスト装置の運転方法。
  8. 前記パウダー状の媒体は、炭酸カルシウム粉体である請求項7に記載のブラスト装置の運転方法。
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