JP2004307695A - ブラスト処理用研削材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラスト対象物の処理表面が湿潤している場合でも水分を除去する前処理を軽減できるし、腐食性金属をブラスト処理した後の発錆を遅らせることが可能であり、またブラスト対象物の硬度や塗装膜厚に応じた硬度に調整することができる。
【解決手段】石炭の燃焼により残留するクリンカアッシュを粒径選別し、粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュを研削材に用いる。この選別クリンカアッシュは微多孔体で、空隙率が20〜30%のものを使用するのが吸水性、強度性の面から望ましい。選別クリンカアッシュにはブラスト対象物の硬度に対応させて、アルミニュウム粉、ニッケル粉、鉄粉、ガラス粉、石粉等の混和材を適宜選択して混合することにより研削材としての硬度を調整する。
【選択図】 なし
【解決手段】石炭の燃焼により残留するクリンカアッシュを粒径選別し、粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュを研削材に用いる。この選別クリンカアッシュは微多孔体で、空隙率が20〜30%のものを使用するのが吸水性、強度性の面から望ましい。選別クリンカアッシュにはブラスト対象物の硬度に対応させて、アルミニュウム粉、ニッケル粉、鉄粉、ガラス粉、石粉等の混和材を適宜選択して混合することにより研削材としての硬度を調整する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、錆やスケールの除去、塗膜の剥離、コンクリート製歩行面の防滑処理、浴槽の湯垢の除去等といった種々の研削に用いて好適なブラスト処理用研削材に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面の錆を除去したり、塗装膜を剥離するために研削材を処理表面に高速で衝突させて清浄にするサンドブラスト工法が従来から行われている。この研削材には、砂、硅石粒、グリッドと呼ばれる先鋭な稜角を持つ鋳鉄粒、グリッドを持つ褐色アルミナ或はホワイトアルミナ、鋼球等があり、これらは硬度が異なることからブラスト対象物に応じて選択して用いられている。そして、これら研削材は、ブラスト対象面に圧縮空気等の高速流体を介して吹き付ける方法や遠心力を利用して打ち付ける方法が採られており、また、研削材を乾燥した状態で処理表面に直接打ち付けるドライブラスト法と水に砂や硅石粒を混ぜて吹き付けるウエットブラスト法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の研削材は、ドライブラスト法にあっては処理対象面が湿潤状態の場合には研削効率が劣るという問題や、ブラスト対象物が発錆性のある金属材料の場合には錆の原因を作るという問題がある。そこで、この水分を予め除去する前処理が必要であるが、処理面積が大きい場合には作業効率が大幅に低下するという欠点がある。また、研削材自体が酸性のものである場合、鉄錆を除去した後に発錆を招くという問題がある。
【0004】
更に、ブラスト対象物の硬度や塗装の膜厚に応じた硬度の研削材を用いないと処理表面を傷付けることになるし、作業効率が悪いという問題がある。しかし、従来の研削材はブラスト対象物に応じた硬度に調整することができないという欠点がある。
【0005】
本発明は、従来技術の問題点に鑑み本発明者等が鋭意研究し、クリンカアッシュが微多孔体で、かつ研削材としては中程度の硬度を有していることに着目してなされたもので、処理表面が湿潤していても水分除去の前処理を軽減できるし、弱アルカリ性であるから、鉄錆を除去した後の発錆を遅らせることができ、ブラスト対象物の硬度、塗装膜厚に応じて研削材の硬度を調整することができることから処理表面を傷付けることなく、しかも作業効率の向上とこれに伴う作業経費の低減を図ることができるブラスト処理用研削材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成した本発明の手段は、石炭の燃焼により残留するクリンカアッシュを粒径選別し、粒径が1〜2mmの選別クリンカアッシュを用いることにある。
【0007】
そして、前記選別クリンカアッシュを主成分とし、これにアルミニュム粉、ニッケル粉、鉄粉、ガラス粉又は石粉のいずれか1種以上の混和材を混合するとよい。
【0008】
また、前記選別クリンカアッシュは、空隙率が好ましくは20〜30%のものを用いるとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。本実施の形態で用いるクリンカアッシュは石炭を燃焼することにより残留する燃焼灰であり、粒径の小さいのは約0.1mmの微粉状のものから、粒径の大きいのは30mmの粒状のものが生成される。本実施の形態では、研削材にこのクリンカアッシュのうち粒径が約1〜2mmのものを粒径選別した選別クリンカアッシュを用いるものである。
【0010】
この粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュを用いることの積極的理由は、以下のとおりである。第1に、錆や塗装膜等の研削効率に優れていることである。粒径が小さ過ぎた場合や逆に大き過ぎる場合は研削効率が大幅に低下してしまう。第2に、ブラスト装置において噴射ノズルの口径が7〜8mmであり、このノズル口から噴射するのに約1〜2mmの粒径の選別クリンカアッシュが最適なことである。第3に、ブラスト作業時の粉塵の発生を抑えられることである。選別クリンカアッシュより小さい粒径のクリンカアッシュを研削材に使用すると粉塵の発生量が多くなるという問題がある。第4に、選別クリンカアッシュより大きい粒径のクリンカアッシュを研削材に使用すると、ブラストした処理表面の仕上がりが粗くなるという欠点があり、実施の形態の粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュが処理表面の形成にも好適である。
【0011】
また、クリンカアッシュは微多孔体であり、粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュは略20〜30%の空隙率を有しているので既存の他の研削材にはない吸水性を有している。従って、ブラスト処理面が湿潤している場合でも、水分を除去する前処理を軽減できるという作業上の利点がある。なお、選別クリンカアッシュは、空隙率が20%より小さいと吸水性が劣るので望ましくないし、30%より大きいと強度が損なわれて損壊し易いので望ましくない。
【0012】
クリンカアッシュはビッカース硬度(HV)が200〜400であって、研削材としては中間的な硬度を有している。そこで、選別クリンカアッシュに混和材としてガラス(600HV)、ニッケル(800HV)、アルミナ(1,900HV)等の微小粒体をブラスト対象物に応じて選択し、適宜の配合割合で混合した研削材にして使用するとよい。この場合、ブラスト対象物の硬度、塗膜の厚さ等に応じて選別クリンカアッシュより硬度の大きい混和材を混合することにより、ブラスト対象物を確実に研削することができるので作業効率を図ることができるし、研削材の使用量を低減することができる。
【0013】
本実施の形態による選別クリンカアッシュは上述の特質を有するもので、これを例えば吸引型ブラスト装置を用いてブラスト対象物に吹き付ける場合、通常のエアー圧力0,39Mpa(最大エアー圧力0,68Mpa)で吹き付けを行なう。そして、ブラスト対象物が鉄錆の場合は、選別クリンカアッシュは単体で使用することができる。また、選別クリンカアッシュ(90重量%)に混和材としてガラス粉(10重量%)を混合したものを用いていもよい。この選別クリンカアッシュを用いた場合の施工速度は、1日当り100m2 の効率である。
【0014】
また、ブラスト対象面が油汚れの場合は、選別クリンカアッシュのみを単体で使用してもよいし、選別クリンカアッシュ(90重量%)に混和材としてガラス粉(10重量%)を混合したものを用いていもよい。この選別クリンカアッシュを用いた場合の施工速度は、1日当り120m2 の効率である。
【0015】
更に、選別クリンカアッシュに混合する混和材は、上記ガラス粉の他にもブラスト対象物に応じてその種類と混合割合を選択することにより、最適な研削効率を得ることができる。即ち、ブラスト対象物がエポキシ系塗装の場合は、クリンカアッシュ(90重量%)に、アルミニウム粉、ニッケル粉、セラミック粉又は鉄粉のいずれか1種以上の混和材(10重量%)を混合して使用すればよい。この場合の施工速度は、1日当り70m2 の効率である。
【0016】
また、ブラスト対象物が油性系塗装の場合は、選別クリンカアッシュ(95重量%)に、アルミニウム粉、ニッケル粉、セラミック粉又は鉄粉のいずれか1種以上の混和材(5重量%)を混合する。この場合の施工速度は、1日当り90m2 の効率である。
【0017】
選別クリンカアッシュの単体、或は混和材を混合した研削材は上述の作業効率を発揮することができるが、従来のサンドブラストによる施工速度では、1日当り50m2 が限界であり、実施の形態による研削材が研削に効果的であることが確認された。
【0018】
なお、本発明に係る研削材は、上記塗膜の剥離作業だけでなく、例えばジーゼル機関車が通過するトンネルの内面に付着した煤の除去、コンクリート建造物の表面の目荒らし、鋼構造物の錆びの除去、御影石・大理石・ガラス等の素材を使用している階段等場所での滑り止め等の表面処理、その他ブラスト対象物に応じた最適の硬度を有するブラスト処理用研削材として用いることができる。
【0019】
なお、本発明による選別クリンカアッシュは、バキュームブラスト工法に限らずサンドブラスト工法にも使用することができるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)クリンカアッシュのうち粒径が約1〜2mmのクリンカアッシュを選別して研削材として使用するから、研削材が粉塵状態で飛散するのを抑制することができるし、研削作業を効率的に行なうことができる。
(2)他の研削材にない微多孔体であって吸水性を有しているから、ブラスト対象物が湿潤状態であっても水分を除去する前処理を軽減できるので、作業効率を高めることができる。
(3)上記2の如く、選別クリンカアッシュは微多孔体であり、研削時に発生する粉塵を無数の微小孔に搦め捕ることができるから、大気の汚染を抑制することができるし、粉塵の回収率も高い。
(4)主成分の選別クリンカアッシュはpH9程度の弱アルカリ性であるから、鉄錆を除去した後のブラスト対象物の発錆を遅らせることができる。
(5)ブラスト対象物の硬度、塗装膜厚に応じ、選別クリンカアッシュより硬度が高い混和材を混合することにより、ブラスト対象物を傷めることなく効率的に研削することができるし、作業効率の向上と作業経費の低減を図ることができる。
(6)選別クリンカアッシュは重曹より硬く、金属系の研削材より軟らかい硬度であるから、ブラスト処理時の騒音を低減するのに有効である。
【産業上の利用分野】
本発明は、錆やスケールの除去、塗膜の剥離、コンクリート製歩行面の防滑処理、浴槽の湯垢の除去等といった種々の研削に用いて好適なブラスト処理用研削材に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属表面の錆を除去したり、塗装膜を剥離するために研削材を処理表面に高速で衝突させて清浄にするサンドブラスト工法が従来から行われている。この研削材には、砂、硅石粒、グリッドと呼ばれる先鋭な稜角を持つ鋳鉄粒、グリッドを持つ褐色アルミナ或はホワイトアルミナ、鋼球等があり、これらは硬度が異なることからブラスト対象物に応じて選択して用いられている。そして、これら研削材は、ブラスト対象面に圧縮空気等の高速流体を介して吹き付ける方法や遠心力を利用して打ち付ける方法が採られており、また、研削材を乾燥した状態で処理表面に直接打ち付けるドライブラスト法と水に砂や硅石粒を混ぜて吹き付けるウエットブラスト法とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の研削材は、ドライブラスト法にあっては処理対象面が湿潤状態の場合には研削効率が劣るという問題や、ブラスト対象物が発錆性のある金属材料の場合には錆の原因を作るという問題がある。そこで、この水分を予め除去する前処理が必要であるが、処理面積が大きい場合には作業効率が大幅に低下するという欠点がある。また、研削材自体が酸性のものである場合、鉄錆を除去した後に発錆を招くという問題がある。
【0004】
更に、ブラスト対象物の硬度や塗装の膜厚に応じた硬度の研削材を用いないと処理表面を傷付けることになるし、作業効率が悪いという問題がある。しかし、従来の研削材はブラスト対象物に応じた硬度に調整することができないという欠点がある。
【0005】
本発明は、従来技術の問題点に鑑み本発明者等が鋭意研究し、クリンカアッシュが微多孔体で、かつ研削材としては中程度の硬度を有していることに着目してなされたもので、処理表面が湿潤していても水分除去の前処理を軽減できるし、弱アルカリ性であるから、鉄錆を除去した後の発錆を遅らせることができ、ブラスト対象物の硬度、塗装膜厚に応じて研削材の硬度を調整することができることから処理表面を傷付けることなく、しかも作業効率の向上とこれに伴う作業経費の低減を図ることができるブラスト処理用研削材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために構成した本発明の手段は、石炭の燃焼により残留するクリンカアッシュを粒径選別し、粒径が1〜2mmの選別クリンカアッシュを用いることにある。
【0007】
そして、前記選別クリンカアッシュを主成分とし、これにアルミニュム粉、ニッケル粉、鉄粉、ガラス粉又は石粉のいずれか1種以上の混和材を混合するとよい。
【0008】
また、前記選別クリンカアッシュは、空隙率が好ましくは20〜30%のものを用いるとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳述する。本実施の形態で用いるクリンカアッシュは石炭を燃焼することにより残留する燃焼灰であり、粒径の小さいのは約0.1mmの微粉状のものから、粒径の大きいのは30mmの粒状のものが生成される。本実施の形態では、研削材にこのクリンカアッシュのうち粒径が約1〜2mmのものを粒径選別した選別クリンカアッシュを用いるものである。
【0010】
この粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュを用いることの積極的理由は、以下のとおりである。第1に、錆や塗装膜等の研削効率に優れていることである。粒径が小さ過ぎた場合や逆に大き過ぎる場合は研削効率が大幅に低下してしまう。第2に、ブラスト装置において噴射ノズルの口径が7〜8mmであり、このノズル口から噴射するのに約1〜2mmの粒径の選別クリンカアッシュが最適なことである。第3に、ブラスト作業時の粉塵の発生を抑えられることである。選別クリンカアッシュより小さい粒径のクリンカアッシュを研削材に使用すると粉塵の発生量が多くなるという問題がある。第4に、選別クリンカアッシュより大きい粒径のクリンカアッシュを研削材に使用すると、ブラストした処理表面の仕上がりが粗くなるという欠点があり、実施の形態の粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュが処理表面の形成にも好適である。
【0011】
また、クリンカアッシュは微多孔体であり、粒径が約1〜2mmの選別クリンカアッシュは略20〜30%の空隙率を有しているので既存の他の研削材にはない吸水性を有している。従って、ブラスト処理面が湿潤している場合でも、水分を除去する前処理を軽減できるという作業上の利点がある。なお、選別クリンカアッシュは、空隙率が20%より小さいと吸水性が劣るので望ましくないし、30%より大きいと強度が損なわれて損壊し易いので望ましくない。
【0012】
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【0013】
本実施の形態による選別クリンカアッシュは上述の特質を有するもので、これを例えば吸引型ブラスト装置を用いてブラスト対象物に吹き付ける場合、通常のエアー圧力0,39Mpa(最大エアー圧力0,68Mpa)で吹き付けを行なう。そして、ブラスト対象物が鉄錆の場合は、選別クリンカアッシュは単体で使用することができる。また、選別クリンカアッシュ(90重量%)に混和材としてガラス粉(10重量%)を混合したものを用いていもよい。この選別クリンカアッシュを用いた場合の施工速度は、1日当り100m2 の効率である。
【0014】
また、ブラスト対象面が油汚れの場合は、選別クリンカアッシュのみを単体で使用してもよいし、選別クリンカアッシュ(90重量%)に混和材としてガラス粉(10重量%)を混合したものを用いていもよい。この選別クリンカアッシュを用いた場合の施工速度は、1日当り120m2 の効率である。
【0015】
更に、選別クリンカアッシュに混合する混和材は、上記ガラス粉の他にもブラスト対象物に応じてその種類と混合割合を選択することにより、最適な研削効率を得ることができる。即ち、ブラスト対象物がエポキシ系塗装の場合は、クリンカアッシュ(90重量%)に、アルミニウム粉、ニッケル粉、セラミック粉又は鉄粉のいずれか1種以上の混和材(10重量%)を混合して使用すればよい。この場合の施工速度は、1日当り70m2 の効率である。
【0016】
また、ブラスト対象物が油性系塗装の場合は、選別クリンカアッシュ(95重量%)に、アルミニウム粉、ニッケル粉、セラミック粉又は鉄粉のいずれか1種以上の混和材(5重量%)を混合する。この場合の施工速度は、1日当り90m2 の効率である。
【0017】
選別クリンカアッシュの単体、或は混和材を混合した研削材は上述の作業効率を発揮することができるが、従来のサンドブラストによる施工速度では、1日当り50m2 が限界であり、実施の形態による研削材が研削に効果的であることが確認された。
【0018】
なお、本発明に係る研削材は、上記塗膜の剥離作業だけでなく、例えばジーゼル機関車が通過するトンネルの内面に付着した煤の除去、コンクリート建造物の表面の目荒らし、鋼構造物の錆びの除去、御影石・大理石・ガラス等の素材を使用している階段等場所での滑り止め等の表面処理、その他ブラスト対象物に応じた最適の硬度を有するブラスト処理用研削材として用いることができる。
【0019】
なお、本発明による選別クリンカアッシュは、バキュームブラスト工法に限らずサンドブラスト工法にも使用することができるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明は以上詳述した如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)クリンカアッシュのうち粒径が約1〜2mmのクリンカアッシュを選別して研削材として使用するから、研削材が粉塵状態で飛散するのを抑制することができるし、研削作業を効率的に行なうことができる。
(2)他の研削材にない微多孔体であって吸水性を有しているから、ブラスト対象物が湿潤状態であっても水分を除去する前処理を軽減できるので、作業効率を高めることができる。
(3)上記2の如く、選別クリンカアッシュは微多孔体であり、研削時に発生する粉塵を無数の微小孔に搦め捕ることができるから、大気の汚染を抑制することができるし、粉塵の回収率も高い。
(4)主成分の選別クリンカアッシュはpH9程度の弱アルカリ性であるから、鉄錆を除去した後のブラスト対象物の発錆を遅らせることができる。
(5)ブラスト対象物の硬度、塗装膜厚に応じ、選別クリンカアッシュより硬度が高い混和材を混合することにより、ブラスト対象物を傷めることなく効率的に研削することができるし、作業効率の向上と作業経費の低減を図ることができる。
(6)選別クリンカアッシュは重曹より硬く、金属系の研削材より軟らかい硬度であるから、ブラスト処理時の騒音を低減するのに有効である。
Claims (3)
- 石炭の燃焼により残留するクリンカアッシュを粒径選別し、粒径が1〜2mmの選別クリンカアッシュを用いることを特徴とするブラスト処理用研削材。
- 前記選別クリンカアッシュを主成分とし、これにアルミニュム粉、ニッケル粉、鉄粉、ガラス粉又は石粉のいずれか1種以上の混和材を混合することを特徴とする請求項1記載のブラスト処理用研削材。
- 前記選別クリンカアッシュは、空隙率が好ましくは20〜30%のものであることを特徴とする請求項1記載のブラスト処理用研削材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003104802A JP2004307695A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | ブラスト処理用研削材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003104802A JP2004307695A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | ブラスト処理用研削材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004307695A true JP2004307695A (ja) | 2004-11-04 |
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ID=33467488
Family Applications (1)
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JP2003104802A Pending JP2004307695A (ja) | 2003-04-09 | 2003-04-09 | ブラスト処理用研削材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004307695A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20070074721A (ko) * | 2006-01-10 | 2007-07-18 | 문성인 | 알루미늄 블라스트 및 그 제조방법 |
JP2016016493A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | 株式会社Ihi | ブラスト処理方法及び研削材 |
JP2020189666A (ja) * | 2019-05-22 | 2020-11-26 | 中国電力株式会社 | 危険物タンク用の充填材、危険物タンク構造、及び危険物タンクの設置方法 |
-
2003
- 2003-04-09 JP JP2003104802A patent/JP2004307695A/ja active Pending
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