以下、遊技機の一実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが装備されている。遊技盤YBには、パチンコ遊技機10に装備されている発射ハンドルHの回動操作によって、遊技球が発射される。
また、発射ハンドルHの回動操作によって発射された遊技球は、誘導レールRaにて形成される非遊技領域YR1を通って、誘導レールRaの最下流に配置された逆戻り防止弁Bnを介して、遊技盤YBに定められる遊技領域YR2へと発射される。そして、遊技領域YR2へと発射された遊技球は、遊技領域YR2を流下する。
また、遊技盤YBにおける遊技領域YR2の略中央には、演出装置ESが配設されている。演出装置ESの略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う演出表示手段としての演出表示装置11が配設されている。
演出表示装置11では、複数の列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動表示させて行う装飾図柄変動ゲームと、当該装飾図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。各列には、[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、8種類の装飾図柄によって、各列の図柄列が構成されている。装飾図柄変動ゲームは、第1始動入球装置14、非可変第2始動入球装置15及び可変第2始動入球装置21のうち何れかに遊技球が入球することを契機に、実行される。
装飾図柄変動ゲームでは、各列の装飾図柄として表示される装飾図柄の図柄組み合わせ(表示結果)が導出される。そして、大当り抽選に当選する場合、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。因みに、本実施形態において、大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([777]等)である。また、本実施形態において、はずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([323]等)である。
演出装置ESの左方には、振分始動装置12が配設されている。振分始動装置12は、振分装置13、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15によって構成されている。
図2に示すように、振分装置13は、遊技球が入球可能な入球口13aを有している。また、振分装置13は、入球口13aへ入球した遊技球が振分装置13の外へ排出される第1排出口13bと第2排出口13cを有している。また、振分装置13は、振分前流下経路16、振分誘導路17、第1振分流下経路18a及び第2振分流下経路18bによって構成されている。
振分前流下経路16は、入球口13aから振分誘導路17まで延びる経路である。振分前流下経路16は、1球の遊技球が流下可能な幅で形成されている。
振分誘導路17は、振分前流下経路16を流下した遊技球が、第1振分流下経路18a又は第2振分流下経路18bへ振り分けられる空間である。振分誘導路17には、風車形の回動弁19が配設されている。回動弁19は、中心軸Jから放射状に延びる複数(本実施形態では、3つ)の振分部材19a,19b,19cを有している。回動弁19は、遊技球が振分部材19a,19b,19cに衝突することにより回転する。また、振分誘導路17の回動弁19の下方部には、回動弁19の回転を規制する突起部20が形成されている。回動弁19が回転した際、振分部材19a又は振分部材19bが突起部20と接触することにより、回動弁19の回転が規制される。
第1振分流下経路18aは、振分誘導路17から第1排出口13bまで延びる経路である。また、第1振分流下経路18aは、1球の遊技球が流下可能な幅で形成されている。
第2振分流下経路18bは、振分誘導路17から第2排出口13cまで延びる経路である。また、第2振分流下経路18bは、1球の遊技球が流下可能な幅で形成されている。
第1始動入球手段としての第1始動入球装置14は、振分装置13の第1排出口13bの直下に配設されている。第1始動入球装置14は、遊技球が入球可能な入球口14aを有している。そして、第1始動入球装置14は、第1排出口13bと入球口14aが遊技球の流下方向において整合するように配置されている。これにより、第1排出口13bから排出された遊技球は、高い確率で第1始動入球装置14へ入球する。また、第1始動入球装置14は、当該第1始動入球装置14へ遊技球が入球したことを検知可能な第1始動スイッチSW1(図6に示す)を有している。第1始動スイッチSW1は、第1始動入球装置14へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。本実施形態では、入球口14aを構成する部材と第1始動スイッチSW1を纏めて第1始動入球装置14と規定しているが、入球口14aを構成する部材を第1始動入球装置14とし、当該第1始動入球装置14と第1始動スイッチSW1が別体であるものとして規定してもよい。第1始動入球装置14へ遊技球が入球すると、大当りか否かを決めるための大当り抽選の権利が付与される。以下の説明において、第1始動入球装置14への入球を契機として行われる大当り抽選を、「第1の大当り抽選」という場合がある。
変位不可能第2始動入球手段としての非可変第2始動入球装置15は、振分装置13の第2排出口13cの直下に配設されている。非可変第2始動入球装置15は、遊技球が入球可能な入球口15aを有している。そして、非可変第2始動入球装置15は、第2排出口13cと入球口15aが遊技球の流下方向において整合するように配置されている。これにより、第2排出口13cから排出された遊技球は、高い確率で非可変第2始動入球装置15へ入球する。また、非可変第2始動入球装置15は、当該非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球したことを検知可能な非可変用第2始動スイッチSW2(図6に示す)を有している。非可変用第2始動スイッチSW2は、非可変第2始動入球装置15へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。本実施形態では、入球口15aを構成する部材と非可変用第2始動スイッチSW2を纏めて非可変第2始動入球装置15と規定しているが、入球口15aを構成する部材を非可変第2始動入球装置15とし、当該非可変第2始動入球装置15と非可変用第2始動スイッチSW2が別体であるものとして規定してもよい。非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球すると、大当り抽選の権利が付与される。
また、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15は、水平方向に横並びに配置されている。そして、入球口13aから入球口14aまでの長さと、入球口13aから入球口15aまでの長さと、が同一の長さとなっている。
また、図1に示すように、変位可能第2始動入球手段としての可変第2始動入球装置21は、演出装置ESの右方に配置されている。可変第2始動入球装置21は、遊技球が入球可能な入球口21aを有している。また、可変第2始動入球装置21は、開閉部材22を有している。また、可変第2始動入球装置21は、当該可変第2始動入球装置21へ遊技球が入球したことを検知可能な可変用第2始動スイッチSW3(図6に示す)を有している。可変用第2始動スイッチSW3は、可変第2始動入球装置21へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。本実施形態では、入球口21aを構成する部材、開閉部材22及び可変用第2始動スイッチSW3を纏めて可変第2始動入球装置21と規定しているが、入球口21aを構成する部材と開閉部材22を可変第2始動入球装置21とし、当該可変第2始動入球装置21と可変用第2始動スイッチSW3が別体であるものとして規定してもよい。可変第2始動入球装置21へ遊技球が入球すると、大当り抽選の権利が付与される。以下の説明において、非可変第2始動入球装置15への入球を契機として行われる大当り抽選と、可変第2始動入球装置21への入球を契機として行われる大当り抽選を「第2の大当り抽選」という場合がある。
また、可変第2始動入球装置21の開閉部材22は、電動役物ソレノイドSOL1(図6に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、可変第2始動入球装置21は、開閉部材22が開状態となるとき入球口21aが拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、可変第2始動入球装置21は、開閉部材22が閉状態となるとき入球口21aが閉鎖されて遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。
また、遊技領域YR2において、可変第2始動入球装置21の下方には、大入賞扉を有する特別入球手段としての大入賞装置23が配設されている。大入賞装置23は、当該大入賞装置23へ遊技球が入球したことを検知可能なカウントスイッチSW4(図6に示す)を有している。カウントスイッチSW4は、大入賞装置23へ入球した遊技球が流下する通路上に配設されている。また、大入賞装置23の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図6に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、大入賞扉が開状態となるとき大入賞装置23が開放状態となり、大入賞装置23への遊技球の入球が許容される。一方、大入賞扉が閉状態となるとき大入賞装置23が閉鎖状態となり、大入賞装置23への遊技球の入球が許容されない。
パチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、大当り遊技が生起される。大当り遊技の生起中には、大入賞装置23が開放状態となり、大入賞装置23への遊技球の入球が許容される。また、パチンコ遊技機10では、大入賞装置23へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。
また、大当り遊技では、複数回の開放遊技が行われる。開放遊技では、大入賞装置23が開放状態となる。1回の開放遊技は、開放遊技の終了条件が成立するまでの間、行われる。パチンコ遊技機10において、開放遊技の終了条件は、規定時間が経過すること又は規定個数の遊技球が大入賞装置23へ入球することによって成立する。
また、演出装置ESの右方には、抽選入球手段としてのゲート24が配設されている。ゲート24は、当該ゲート24へ遊技球が入球したことを検知可能なゲートスイッチSW5(図6に示す)を有している。ゲート24へ遊技球が入球すると、普通当りか否かを決めるための普通当り抽選が行われる。また、普通当り抽選に当選すると、可変第2始動入球装置21が開放状態となる普通当り遊技が生起される。このため、本実施形態では、普通当り抽選が変位抽選に相当し、開閉部材22の開状態が開放変位状態に相当する。
また、遊技盤YBの右下方には、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。発光部配置部材HSには、第1特別図柄表示装置25a、第2特別図柄表示装置25b、第1保留表示装置26a、第2保留表示装置26b及び普通図柄表示装置27が配設されている。各表示装置25a,25b,26a,26b,27は、複数の発光部材によって構成されている。
第1特別図柄表示装置25aでは、当該第1特別図柄表示装置25aを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄を用いて、第1の特別図柄変動ゲームが実行される。第1特別図柄表示装置25aにて第1の特別図柄変動ゲームの実行が開始されると演出表示装置11にて装飾図柄変動ゲームが開始され、第1の特別図柄変動ゲームの実行が終了すると装飾図柄変動ゲームが終了する。第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選に当選した際、大当り図柄が停止して表示される。第1特別図柄表示装置25aに大当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選に非当選した際、はずれ図柄が停止して表示される。第1特別図柄表示装置25aにはずれ図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、第1特別図柄表示装置25aに特別図柄が停止して表示されるまでの間、第1特別図柄表示装置25aでは、特別図柄が変動して表示される。
同様に、第2特別図柄表示装置25bでは、当該第2特別図柄表示装置25bを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄を用いて、第2の特別図柄変動ゲームが実行される。第2特別図柄表示装置25bにて第2の特別図柄変動ゲームの実行が開始されると演出表示装置11にて装飾図柄変動ゲームが開始され、第2の特別図柄変動ゲームの実行が終了すると装飾図柄変動ゲームが終了する。第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選に当選した際、大当り図柄が停止して表示される。第2特別図柄表示装置25bに大当り図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選に非当選した際、はずれ図柄が停止して表示される。第2特別図柄表示装置25bにはずれ図柄が停止して表示される際、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、第2特別図柄表示装置25bに特別図柄が停止して表示されるまでの間、第2特別図柄表示装置25bでは、特別図柄が変動して表示される。以下の説明において、単に「特別図柄変動ゲーム」という場合には、第1の特別図柄変動ゲームと第2の特別図柄変動ゲームの何れも意味する。また、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」という場合には、特別図柄変動ゲームと装飾図柄変動ゲームの何れも意味する。
パチンコ遊技機10では、第1の特別図柄変動ゲームの実行と、第2の特別図柄変動ゲームの実行と、を各別に保留可能に構成されている。そして、第1保留表示装置26aでは、当該第1保留表示装置26aを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第1の特別図柄変動ゲームの回数(以下、「第1保留記憶数」という)が示される。同様に、第2保留表示装置26bでは、当該第2保留表示装置26bを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第2の特別図柄変動ゲームの回数(以下、「第2保留記憶数」という)が示される。
普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が停止して表示される。普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通当り図柄が停止して表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通はずれ図柄が停止して表示される。
パチンコ遊技機10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。また、パチンコ遊技機10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されている。
また、遊技領域YR2において、演出装置ESの左方であって振分始動装置12の右方には、入球した遊技球をパチンコ遊技機10の外部へ排出する中段アウト口28aが形成されている。また、遊技領域YR2の中央であって最下部には、入球した遊技球をパチンコ遊技機10の外部へと排出する下段アウト口28bが形成されている。パチンコ遊技機10において、遊技球の入球可能な装置(第1始動入球装置14や大入賞装置23等)へ入球しなかった遊技球は、アウト口28a,28bに入球し、パチンコ遊技機10の外部へと排出される。
ここで、振分装置13が有する回動弁19の動作について、説明する。
図3(a)に示すように、回動弁19の振分部材19aが突起部20と接触している状態(以下、「第1振分状態」という)において、入球口13aから入球した遊技球が振分前流下経路16を流下して振分誘導路17を流下すると、回動弁19における振分部材19bと振分部材19cの間に遊技球が入り込む。そして、遊技球の重量によって回動弁19が、パチンコ遊技機10を正面視した場合において右回りに回転する。
図3(b)に示すように、回動弁19が右回りに回転すると、回動弁19の振分部材19bが突起部20と接触した状態(以下、「第2振分状態」という)へ変位する。そして、遊技球は、第2振分流下経路18bへと振り分けられ、第2排出口13cから排出される。その後、第2排出口13cから排出された遊技球は、非可変第2始動入球装置15へと入球する。このため、回動弁19によって遊技球が第2振分流下経路18bへ振り分けられることは、振分装置13へ入球した遊技球が非可変第2始動入球装置15へ振り分けられることに相当する。
また、図4(a)に示すように、回動弁19が第2振分状態であるとき、入球口13aから入球した遊技球が振分前流下経路16を流下して振分誘導路17へ流下すると、回動弁19における振分部材19aと振分部材19cの間に遊技球が入り込む。そして、遊技球の重量によって回動弁19が、パチンコ遊技機10を正面視した場合において左回りに回転する。
図4(b)に示すように、回動弁19が左回りに回転すると、回動弁19が第1振分状態へと変位する。そして、遊技球は、第1振分流下経路18aへと振り分けられ、第1排出口13bから排出される。その後、第1排出口13bから排出された遊技球は、第1始動入球装置14へと入球する。このため、回動弁19によって遊技球が第1振分流下経路18aへ振り分けられることは、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14へ振り分けられることに相当する。
以上のように、振分装置13へ遊技球を入球させると、当該遊技球は第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられる。つまり、振分装置13へ遊技球を入球させる場合には、第1始動入球装置14への入球に基づく制御(第1制御)と、非可変第2始動入球装置15への入球に基づく制御(第2制御)と、が交互に行われる。本実施形態において、回動弁19と突起部20によって振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられることから、回動弁19及び突起部20が振分機構に相当する。
図1に示すように、遊技盤YBには、発射された遊技球がアウト口28a,28bに向かって流下する第1流下ルートR11と、当該第1流下ルートR11とは異なるルートであって発射された遊技球が下段アウト口28bに向かって流下する第2流下ルートR21と、が規定される。
第1流下ルートR11は、遊技盤YBの略中央に配設された演出装置ESの左側を流下するとともに、アウト口28a,28bに向かって流下するルートである。また、第2流下ルートR21は、演出装置ESの右側を流下するとともに、下段アウト口28bに向かって流下するルートである。なお、図1では、第1流下ルートR11と第2流下ルートR21を矢印で示したが、第1流下ルートR11を流下する遊技球及び第2流下ルートR21を流下する遊技球が必ずしも矢印に沿って流下することを示すものではない。
ここで、遊技盤YBの遊技領域YR2における振分装置13、第1始動入球装置14、非可変第2始動入球装置15、可変第2始動入球装置21、大入賞装置23及びゲート24の配置について説明する。
図1に示すように、遊技盤YBを正面視した場合において左右に2等分することにより、左領域VLと右領域VRの2つの領域に区画したとする。この場合、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、主に左領域VLを流下する。一方、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、主に右領域VRを流下する。
振分始動装置12は、左領域VLに配置されている。そして、振分装置13、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15は、左領域VLに配置されている。第2流下ルートR21を流下する遊技球は、演出装置ESの右側を流下した後、右排出ルートR22を流下し、振分始動装置12を構成する振分装置13、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15の各入球口13a,14a,15aよりも下部へと流下する。このため、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、振分装置13、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15へ入球することが想定されていない。一方、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、振分装置13の入球口13aよりも上部へと流下する場合がある。このため、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、振分装置13、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15へ入球することが想定されている。
また、可変第2始動入球装置21は、右領域VRに配置されている。第1流下ルートR11を流下する遊技球は、演出装置ESの左側を流下するとともに第1の左排出ルートR12又は第2の左排出ルートR13を流下し、可変第2始動入球装置21の入球口21aよりも下部へと流下する。このため、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、可変第2始動入球装置21へ入球することが想定されていない。一方、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、可変第2始動入球装置21の入球口21aよりも上部へと流下する場合がある。このため、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、可変第2始動入球装置21へ入球することが想定されている。
また、大入賞装置23は、右領域VRに配置されている。第1流下ルートR11を流下する遊技球は、演出装置ESの左側を流下するとともに第1の左排出ルートR12又は第2の左排出ルートR13を流下し、大入賞装置23よりも下部へと流下する。このため、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、大入賞装置23へ入球することが想定されていない。一方、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、大入賞装置23よりも上部へと流下する場合がある。このため、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、大入賞装置23へ入球することが想定されている。
また、ゲート24は、右領域VRに配置されている。第1流下ルートR11を流下する遊技球は、演出装置ESの左側を流下するとともに第1の左排出ルートR12又は第2の左排出ルートR13を流下し、ゲート24よりも下部へと流下する。このため、第1流下ルートR11を流下する遊技球は、ゲート24へ入球することが想定されていない。一方、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、ゲート24よりも上部へと流下する場合がある。このため、第2流下ルートR21を流下する遊技球は、ゲート24へ入球することが想定されている。
また、パチンコ遊技機10は、大当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる高確率抽選状態を生起可能に構成されている。高確率抽選状態は、高確率抽選状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。本実施形態の「高確率抽選状態の終了条件」は、「高確率抽選状態が生起されてから大当り抽選に当選することなく高確回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了すること」、又は「高確率抽選状態が生起されてから高確回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間に大当り遊技が生起されること」によって成立する。なお、高確率抽選状態が生起されていないとき、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。また、高確率抽選状態が生起されているとき、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。
また、パチンコ遊技機10は、可変第2始動入球装置21へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態を生起可能に構成されている。入球率向上状態の生起中、入球率向上状態が生起されていないときと比較して、単位時間あたりに可変第2始動入球装置21が開放状態となる機会(回数や時間)を増加させることで、可変第2始動入球装置21へ遊技球が入球する確率を高めている。入球率向上状態は、入球率向上状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。本実施形態の「入球率向上状態の終了条件」は、「入球率向上状態が生起されてから大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了すること」、又は「入球率向上状態が生起されてから入球率向上回数の特別図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間に大当り遊技が生起されること」によって成立する。
また、パチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で、当選した際に決定され得る大当りの種類を異ならせている。ここで、各大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10では、16R特定大当り、4R特定大当り、16R非特定大当り及び4R非特定大当りの計4種類の大当りのうち何れかの種類に基づく大当り遊技が生起される。第1の大当り抽選に当選した場合には、16R特定大当り、4R特定大当り及び4R非特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。また、第2の大当り抽選に当選した場合には、16R特定大当り及び16R非特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。
16R特定大当り及び16R非特定大当りに基づく大当り遊技では、16回の開放遊技が行われる。一方、4R特定大当り及び4R非特定大当りに基づく大当り遊技では、4回の開放遊技が行われる。
パチンコ遊技機10では、全種類の大当りに基づく大当り遊技における1回の開放遊技で定められた規定個数及び規定時間は、同一に定められている。したがって、16R特定大当り及び16R非特定大当りの方が、4R特定大当り及び4R非特定大当りよりも、大当り遊技中に行われる開放遊技の回数が多いため、遊技者にとって有利な種類の大当りといえる。よって、大当り遊技中の開放遊技が遊技者にとって有利となる確率は、第1の大当り抽選に当選するよりも第2の大当り抽選に当選した方が高く、第2の大当り抽選に当選する方が遊技者にとって有利となる。
16R特定大当り及び4R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起される。一方、4R非特定大当り及び16R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起されない。パチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選に当選した場合に16R特定大当り又は4R特定大当りが決定される確率と、第2の大当り抽選に当選した場合に16R特定大当りが決定される確率と、を同一確率としている。このため、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選の何れに当選した場合であっても、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起されることへの期待度は同一となっている。よって、高確率抽選状態が生起される確率は、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選の何れに当選した場合であっても同じである。
また、16R特定大当り及び16R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、入球率向上状態が生起される。一方、4R特定大当り及び4R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、入球率向上状態が生起されない。このため、16R特定大当り及び16R非特定大当りの方が大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起されるため、4R特定大当り及び4R非特定大当りよりも、遊技者にとって有利な種類の大当りといえる。よって、入球率向上状態が生起される確率は、第1の大当り抽選に当選するよりも第2の大当り抽選に当選した方が高く、第2の大当り抽選に当選する方が遊技者にとって有利となる。
以上のように、パチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選に当選するよりも、第2の大当り抽選に当選した方が、遊技者にとって有利な種類の大当りが決定され易くなっている。
次に、図6に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図6に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。
主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW5は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。また、主制御用CPU30aには、各特別図柄表示装置25a,25b、各保留表示装置26a,26b及び普通図柄表示装置27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンと、がある。大当り演出用の変動パターンは、大当りのときに決定される変動パターンである。はずれ演出用の変動パターンは、はずれのときに決定される変動パターンである。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。高確率抽選状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、高確率抽選状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。
また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値である。入球率向上状態が生起されているときの普通当り判定値の個数は、入球率向上状態が生起されていないときの普通当り判定値の個数よりも多くなっている。
主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す主高確フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す主作動フラグが記憶される。
主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図6に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。
演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。
演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、演出制御用RAM31cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す副高確フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す副作動フラグが記憶される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第1保留判定を行う。第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、書き換え後の第1保留記憶数を表すように、第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
また、第1保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得するとともに、当該各種乱数の値を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように、各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第1の大当り抽選の対象となる第1の特別図柄変動ゲームの実行が保留される。
また、主制御用CPU30aは、非可変用第2始動スイッチSW2又は可変用第2始動スイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第2保留判定を行う。第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、書き換え後の第2保留記憶数を表すように、第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
また、第2保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得するとともに、当該各種乱数の値を主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように、各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第2の大当り抽選の対象となる第2の特別図柄変動ゲームの実行が保留される。
特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1の特別図柄変動ゲーム又は第2の特別図柄変動ゲームの実行を保留する際、保留順序(記憶順序)を特定可能に主制御用RAM30cに各種乱数の値を記憶する。なお、第1の特別図柄変動ゲームの実行が保留されることは、第1の大当り抽選を保留することに相当する。同様に、第2の特別図柄変動ゲームの実行が保留されることは、第2の大当り抽選を保留することに相当する。このように、本実施形態において、第1の特別図柄変動ゲームの実行を保留するとともに、第2の特別図柄変動ゲームの実行を保留する主制御用RAM30cが、抽選保留手段として機能する。
なお、主制御用CPU30aは、第1保留判定の判定結果が否定の場合、及び第2保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
また、主制御用CPU30aは、第1始動スイッチSW1からの検知信号を入力すると、第1始動入球装置14へ遊技球が入球したことを示す第1入球コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、非可変用第2始動スイッチSW2からの検知信号を入力すると、非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球したことを示す非可変用の第2入球コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、可変用第2始動スイッチSW3からの検知信号を入力すると、可変第2始動入球装置21へ遊技球が入球したことを示す可変用の第2入球コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。パチンコ遊技機10では、特別図柄変動ゲームの実行が保留されるか否かに関係なく、始動入球装置14,15,21へ遊技球が入球すると各種の入球コマンドが出力される。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cを参照し、特別図柄変動ゲームの実行が保留されているか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
保留判定の判定結果が肯定の場合であって、実行が保留されている特別図柄変動ゲームのうち最先に実行が保留されている特別図柄変動ゲームが第1の特別図柄変動ゲームである場合、主制御用CPU30aは、第1ゲーム処理を行う。一方、保留判定の判定結果が肯定の場合であって、実行が保留されている特別図柄変動ゲームのうち最先に実行が保留されている特別図柄変動ゲームが第2の特別図柄変動ゲームである場合、主制御用CPU30aは、第2ゲーム処理を行う。
第1ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算して第1保留記憶数を書き換えるとともに、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、書き換え後の第1保留記憶数を表すように、第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第1の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第1の大当り抽選を行う。
そして、第1の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第1特別図柄表示装置25aに停止して表示させる大当り図柄を決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、16R特定大当り、4R特定大当り及び4R非特定大当りのうち何れかに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。主制御用CPU30aは、大当り図柄を決定することにより、大当りの種類を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第1の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置25aに停止して表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
第2ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算して第2保留記憶数を書き換えるとともに、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、書き換え後の第2保留記憶数を表すように、第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第2の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第2の大当り抽選を行う。
そして、第2の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第2特別図柄表示装置25bに停止して表示させる大当り図柄を決定する。具体的に、主制御用CPU30aは、16R特定大当り及び16R非特定大当りのうち何れかに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置25bに停止して表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を停止して表示させるように第1特別図柄表示装置25a又は第2特別図柄表示装置25bの表示内容を制御する。
このように、本実施形態において、第1の大当り抽選を行う主制御用CPU30aが、第1大当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、第2の大当り抽選を行う主制御用CPU30aが、第2大当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、大当りの種類を決定する主制御用CPU30aが、大当り種決定手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる特別図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置23の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。このように、本実施形態において、大当り遊技を生起させる主制御用CPU30aが、大当り遊技生起手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、主高確フラグや主作動フラグの管理によって、遊技状態を制御する。具体的に、高確率抽選状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であることを示す情報を主高確フラグに設定する。また、高確率抽選状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中でないことを示す情報を主高確フラグに設定する。
また、入球率向上状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中であることを示す情報を主作動フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中でないことを示す情報を主作動フラグに設定する。このように、本実施形態において、主作動フラグに情報を設定することによって、入球率向上状態を生起させる主制御用CPU30aが、入球率向上状態生起手段として機能する。
次に、普通当り遊技の生起に係る制御について説明する。
主制御用CPU30aは、ゲートスイッチSW5からの検知信号を入力すると、主制御基板30内で生成される普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、普通当り遊技の生起中でなく、普通図柄を変動表示させていない場合、取得した普通当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かの普通当り判定(普通当り抽選)を行う。そして、普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通当り図柄を停止して表示させる。一方、普通当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通はずれ図柄を停止して表示させる。
また、主制御用CPU30aは、普通当り図柄を普通図柄表示装置27に停止して表示させた後、可変第2始動入球装置21の開放状態と閉鎖状態を制御して、普通当り遊技を生起させる。このように、本実施形態において、開閉部材22を変位させる主制御用CPU30aが、変位制御手段として機能する。また、本実施形態において、変位抽選となる普通当り抽選を行う主制御用CPU30aが、変位抽選手段として機能する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の装飾図柄(図柄列)の変動表示を開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の生起中、当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、副高確フラグや副作動フラグの管理によって、遊技状態を特定できるように制御する。具体的に、高確率抽選状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であることを特定可能な情報を副高確フラグに設定する。また、高確率抽選状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないことを特定可能な情報を副高確フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中であることを特定可能な情報を副作動フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中でないことを特定可能な情報を副作動フラグに設定する。
ここで、パチンコ遊技機10の遊技性について説明する。
パチンコ遊技機10では、遊技球を流下させる流下ルートによって、遊技性が異なる。なお、パチンコ遊技機10では、入球率向上状態が生起されているときには可変第2始動入球装置21が開放状態となる機会が増加するため第2流下ルートR21を遊技球が流下するように遊技が行われることが想定できる。一方、パチンコ遊技機10では、入球率向上状態が生起されていないときには可変第2始動入球装置21が開放状態となる機会が少ないため第1流下ルートR11を遊技球が流下するように遊技が行われることが想定できる。
以下、図7に基づき、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させた際の遊技性(以下、「第1の遊技性」という)と、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させた際の遊技性(以下、「第2の遊技性」という)について説明する。
まず、第1の遊技性について説明する。
第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合、当該遊技球は振分装置13の入球口13aへ入球し得る。また、振分装置13へ入球した遊技球は、前述したように、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられる。したがって、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合には、第1の特別図柄変動ゲームの実行と、第2の特別図柄変動ゲームの実行と、が交互に保留される。更に、パチンコ遊技機10では、実行が保留された順序で第1の特別図柄変動ゲームと第2の特別図柄変動ゲームが実行される。このような構成により、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合には、第1の特別図柄変動ゲームと第2の特別図柄変動ゲームが交互に実行されることが想定されている。
また、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合、第1の特別図柄変動ゲームと第2の特別図柄変動ゲームが交互に実行されることから、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われる。したがって、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合には、16R特定大当り、4R特定大当り及び4R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技が生起される状態と、16R特定大当り又は16R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起される状態と、が交互に到来する。
次に、第2の遊技性について説明する。
第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合、当該遊技球は可変第2始動入球装置21の入球口21aへ入球し得る。一方で、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合、当該遊技球は振分装置13へ入球することがなく、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球することはない。したがって、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合には、第1の特別図柄変動ゲームの実行が保留されず、第2の特別図柄変動ゲームの実行のみが保留される。このような構成により、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合には、第2の特別図柄変動ゲームが連続して実行されることが想定されている。
また、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合、第2の特別図柄変動ゲームが連続して実行されることから、第2の大当り抽選が連続して実行されることになる。したがって、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合には、16R特定大当り又は16R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起される状態が継続する。
以上のように、第1の遊技性と第2の遊技性では、実行されると想定される特別図柄変動ゲームの種類や、各種特別図柄変動ゲームの実行順序が異なる。つまり、第1の遊技性と第2の遊技性では、行われる大当り抽選の種類や、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が行われる順序が異なる。また、第1の遊技性と第2の遊技性では、大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類が異なる。また、第1の遊技性では大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類が特別図柄変動ゲームの実行毎に変化する一方、第2の遊技性では大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類が変化しない。また、第1の遊技性は、振分装置13へ遊技球を入球させれば、有利な第2の大当り抽選の権利が1回おきに獲得できる特徴を有している。一方、第2の遊技性は、第2の大当り抽選の権利のみが獲得できる特徴を有している。
パチンコ遊技機10は、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられているか否かを判定可能に構成されている。そして、パチンコ遊技機10は、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出可能に構成されている。
パチンコ遊技機10では、第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15へ遊技球が連続して入球した場合、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないと判定する。具体的に、パチンコ遊技機10では、第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15へ許容個数を上回る個数(所定個数)の遊技球が連続して入球した場合に、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないと判定する。パチンコ遊技機10において「許容個数」は、2以上の値で定められている。
以下、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出するための制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、所定の周期毎に、エラー入球検出処理を行い、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出する。また、演出制御用CPU31aは、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出した場合、エラー入球検出処理にて特殊処理(特殊制御)を行う。
ここで、図8に基づき、エラー入球検出処理について説明する。
エラー入球検出処理において演出制御用CPU31aは、第1入球コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち第1始動入球装置14へ遊技球が前回入球したことを示す第1入球情報が演出制御用RAM31cに記憶されているか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、第1入球情報を演出制御用CPU31aに記憶する(ステップS13)。ステップS13において演出制御用CPU31aは、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち非可変第2始動入球装置15へ遊技球が前回入球したことを示す第2入球情報が演出制御用RAM31cに記憶されている場合、当該第2入球情報を消去する。その後、演出制御用CPU31aは、第1始動入球装置14へ連続して入球した遊技球の個数を示す連続第1入球数をリセットするとともに、非可変第2始動入球装置15へ連続して入球した遊技球の個数を示す連続第2入球数として「1」を設定し(ステップS14)、エラー入球検出処理を終了する。
一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている連続第1入球数に1加算し、連続第1入球数を書き換える(ステップS15)。その後、演出制御用CPU31aは、書き換え後の連続第1入球数が許容個数よりも多いか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、エラー入球検出処理を終了する。一方、ステップS16の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、第1特殊処理を行う(ステップS17)。そして、第1特殊処理を終えた演出制御用CPU31aは、エラー入球検出処理を終了する。
第1特殊処理において演出制御用CPU31aは、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを報知する報知演出を実行するように、各種演出実行装置11,La,Spを制御する。第1特殊処理において演出制御用CPU31aは、第1始動入球装置14への入球が多いことを示す内容で報知演出を実行するように、各種演出実行装置11,La,Spを制御する。なお、本実施形態において、第1特殊処理が、第1始動入球装置14への入球に基づき振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないと判定された際に行われる特殊制御に相当する。
また、ステップS11の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、非可変用の第2入球コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、エラー入球検出処理を終了する。因みに、ステップS18の判定結果は否定となる場合とは、各種入球コマンドを入力していない場合以外にも、可変用の第2入球コマンドを入力した場合も含まれる。このように、第1始動入球装置14及び非可変第2始動入球装置15への入球は、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられているか否かの判定対象となる。一方、可変第2始動入球装置21への入球は、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられているか否かの判定対象とならない。
一方、ステップS18の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、第2入球情報が演出制御用RAM31cに記憶されているか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、第2入球情報を演出制御用RAM31cに記憶する(ステップS20)。ステップS20において演出制御用CPU31aは、第1入球情報が演出制御用RAM31cに記憶されている場合、当該第1入球情報を消去する。その後、演出制御用CPU31aは、連続第1入球数として「1」を記憶するとともに、連続第2入球数をリセットし(ステップS21)、エラー入球検出処理を終了する。
一方、ステップS19の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている連続第2入球数に1加算し、連続第2入球数を書き換える(ステップS22)。その後、演出制御用CPU31aは、書き換え後の連続第2入球数が許容個数よりも多いか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、エラー入球検出処理を終了する。一方、ステップS23の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、第2特殊処理を行う(ステップS24)。そして、第2特殊処理を終えた演出制御用CPU31aは、エラー入球検出処理を終了する。
第2特殊処理において演出制御用CPU31aは、報知演出を実行するように、各種演出実行装置11,La,Spを制御する。第2特殊処理において演出制御用CPU31aは、非可変第2始動入球装置15への入球が多いことを示す内容で報知演出を実行するように、各種演出実行装置11,La,Spを制御する。なお、本実施形態において、第2特殊処理が、非可変第2始動入球装置15への入球に基づき振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないと判定された際に行われる特殊制御に相当する。また、第1特殊処理及び第2特殊処理が、通常の制御とは異なる特殊制御に相当する。なお、「通常の制御」とは、各始動入球装置14,15,21への遊技球に基づき図柄変動ゲームを実行させるための特別図柄入力処理や特別図柄開始処理に基づき行われる制御を意図するものである。そして、「通常の制御」は、一般的なパチンコ遊技機10で行われている「大入賞装置23が開放状態でないときの入球に関するエラー処理」や「球詰まり等を要因として賞球の払い出しが行えないとき等の賞球払い出しに関するエラー処理」等、正常に遊技が行われていない場合に実行される処理を含むものではない。
パチンコ遊技機10において、第2特殊処理で実行制御される報知演出では、第1特殊処理で実行制御される報知演出よりも、報知演出で使用する画像が演出表示装置11に大きく表示される。また、パチンコ遊技機10において、第2特殊処理で実行制御される報知演出では、第1特殊処理で実行制御される報知演出よりも、速い速度で装飾ランプLaが点滅する。また、パチンコ遊技機10において、第2特殊処理で実行制御される報知演出では、第1特殊処理で実行制御される報知演出よりも、報知演出で使用する音声がスピーカSpから大きい音量で出力される。
このように、本実施形態において、エラー入球検出処理を行い、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられているか否かを判定する演出制御用CPU31aが、振分判定手段として機能する。また、本実施形態において、特殊処理を行うことにより、通常の制御とは異なる特殊制御を行う演出制御用CPU31aが、特殊制御手段として機能する。
ここで、図9に基づき、非可変第2始動入球装置15への入球と、当該入球に伴う演出制御用RAM31cの記憶内容について、説明する。図9では、3回の非可変第2始動入球装置15への入球を示し、1回目の非可変第2始動入球装置15への入球前において演出制御用RAM31cには、第1入球情報が記憶されているとともに、連続第1入球数として「1」、連続第2入球数として「0」がそれぞれ記憶されているものとする。
図9に示すように、タイミングt1にて非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球すると、演出制御用RAM31cに記憶された第1入球情報が消去されるとともに、演出制御用RAM31cに第2入球情報が新たに記憶される。更に、エラー入球検出処理のステップS22にて、演出制御用RAM31cには、連続第1入球数として「0」が記憶されるとともに、連続第2入球数として「1」が記憶される。
その後、タイミングt2にて非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球し、2球連続して非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球すると、演出制御用RAM31cには第2入球情報が記憶され続けるとともに、連続第1入球数として「0」が記憶され続ける。更に、エラー入球検出処理のステップS19にて連続第2入球数に1加算されることにより、演出制御用RAM31cには、連続第2入球数として「2」が記憶される。
また、第1始動入球装置14へ遊技球が入球することなく、タイミングt1から許容個数分の遊技球が非可変第2始動入球装置15へ入球したとする。このとき、演出制御用RAM31cには、第2入球情報が記憶され続けているとともに、連続第1入球数として「0」が記憶され続けている。また、演出制御用RAM31cには、連続第2入球数として「許容個数と同値(図9では、「K」と示す)」が記憶されている。
その後、タイミングt3にて非可変第2始動入球装置15へ遊技球が入球し、許容個数を1つ上回る個数分の遊技球が連続して非可変第2始動入球装置15へ入球すると、演出制御用RAM31cには第2入球情報が記憶され続けるとともに、連続第1入球数として「0」が記憶され続ける。そして、エラー入球検出処理のステップ19にて連続第2入球個数に1加算されることにより、演出制御用RAM31cには、連続第2入球数として「許容個数を1つ上回る値(図9では、「K+1」と示す)」が記憶される。
そして、許容個数を上回る個数の遊技球が非可変第2始動入球装置15へ連続して入球すると、エラー入球検出処理のステップS21にて第2特殊処理が行われ、タイミングt4にて報知演出が実行される。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)第1流下ルートR11を流下するように遊技球が発射される際には、当該遊技球が振分装置13へ入球し得る。一方、第2流下ルートR21を流下するように遊技球が発射される際には、当該遊技球が可変第2始動入球装置21(変位可能第2始動入球手段)へ入球し得る。このため、第1流下ルートR11を流下するように遊技球が発射される場合には、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われることが想定できる。一方、第2流下ルートR21を流下するように遊技球が発射される場合には、第2の大当り抽選のみが行われることが想定できる。
したがって、第1流下ルートR11を流下するように遊技球が発射される場合、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われることを想定して、各種演出を展開させることが可能となる。同様に、第2流下ルートR21を流下するように遊技球が発射される場合、第2の大当り抽選のみが行われることを想定して、各種演出を展開させることが可能となる。
以上のように、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が行われる順序を想定して演出を展開させることが可能となり、興趣の向上を図ることができる。更に、第1流下ルートR11と第2流下ルートR21のうち何れに遊技球を流下させるかによって、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が行われる順序が異なるため、流下ルートの種類に応じて演出の展開を異ならせることも可能となり、更に興趣の向上を図ることもできる。
(2)第1の大当り抽選よりも第2の大当り抽選の方が遊技者にとって有利に構成されている。したがって、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる場合には、有利とされる第2の大当り抽選が1回おきに行われる遊技性となる。また、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる場合には、有利とされる第2の大当り抽選が連続して行われる遊技性となる。すなわち、遊技球を流下させる流下ルートの種類により、有利とされる第2の大当り抽選が行われる頻度が異なるという遊技性を提供し、興趣の向上を図ることができる。
また、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させる際は、振分装置13へ入球すれば第1の大当り抽選と第2の大当り抽選の権利を獲得することができるものの、第2の大当り抽選の権利は1回おきにしか獲得することができない遊技性で遊技を楽しませることができる。
一方、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる際は、普通当り抽選(変位抽選)の抽選権利を獲得した後、当該普通当り抽選に当選すれば第2の大当り抽選の権利を獲得するチャンスが得られる。そして、当該チャンス中には1回に限らず多くの第2の大当り抽選の権利を獲得できるという遊技性で遊技を楽しませることができる。
(3)振分装置13へ入球した遊技球が、第1始動入球装置14(第1始動入球手段)と非可変第2始動入球装置15(変位可能第2始動入球手段)へ交互に振り分けられていない場合には、通常は行われない第1特殊処理や第2特殊処理が行われる。このため、第1特殊処理や第2特殊処理を利用して、振分装置13に故障が発生している可能性を報知することができる。また、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われないと、通常の制御とは異なる特殊制御が行われてしまうため、故意に第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われない状況がつくりだされてしまうこと(不正行為)を抑制できる。
なお、不正行為により、有利な第2の大当り抽選の権利を得られる可変第2始動入球装置21(変位可能第2始動入球手段)へ遊技球を入球させるためには、開閉部材22を開状態(開放変位状態)に変位させる必要がある。しかし、開閉部材22を開状態に変位させるためには普通当り抽選(変位抽選)に当選しなければならない。このため、不正行為を行う際には、振分装置13に不正を行う可能性が高いことが想定でき、振分装置13での不正行為を抑制することで、効果的に不正行為を抑制することができる。
(4)振分装置13へ入球した遊技球が各始動入球装置14,15へ交互に振り分けられていないことが検出された場合、当該検出が第1始動入球装置14(第1始動入球手段)への入球と非可変第2始動入球装置15(変位不可能第2始動入球手段)への入球のうち何れであるかによって、特殊処理(特殊制御)を異ならせた。このように、特殊処理を異ならせることによって、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち何れへの入球に偏っているかを判別できるように制御することが可能となる。
また、非可変第2始動入球装置15は、遊技球を入球させれば有利な第2の大当り抽選の権利を獲得できるため、不正行為によって遊技球の入球が多くなることが想定できる始動入球装置といえる。また、不正行為を行うにもかかわらず有利な第2の大当り抽選でない第1の大当り抽選の権利を獲得することは想定し難いことから、第1始動入球装置14は、振分装置13の故障等によって遊技球の入球が多くなることが想定できる始動入球装置といえる。このため、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち何れの入球に基づき振分装置13へ入球した遊技球が各始動入球装置14,15へ交互に振り分けられていないことが検出されたかによって特殊処理を異ならせることで、各始動入球装置で想定される状況において最適な方法で特殊処理を行うことができる。
(5)第1始動入球装置14(第1始動入球手段)と非可変第2始動入球装置15(変位不可能第2始動入球手段)のうち何れか一方へ連続して遊技球が振り分けられている場合、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われていないことになる。このため、第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15へ連続して遊技球が入球したことを特定することにより、振分装置13へ入球した遊技球が各始動入球装置14,15へ交互に振り分けられていないことを検出することができる。
(6)第2流下ルートR21へ遊技球を流下させる際に当該遊技球が入球し得る可変第2始動入球装置21への遊技球の入球は、振分装置13へ入球した遊技球が各始動入球装置14,15へ交互に振り分けられていないことを判定する際(エラー入球検出処理)の対象としない。これにより、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させて第2の大当り抽選が連続して行われるように遊技を行っているにもかかわらず特殊処理が行われることで、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止できる。
(7)不正行為が行われていることや、振分装置13が故障していることを報知演出の実行によって報知することにより、想定する遊技性が提供できていない状況から早い段階で、想定する遊技性を提供できるように故障箇所の修理等を行うことができる。更に、報知演出が行われることを恐れて、不正行為を抑制することができる。
(8)第1流下ルートR11へ遊技球を流下させている場合であっても、可変第2始動入球装置21(変位可能第2始動入球手段)の入球口21aが開状態となったことを視認した場合、第2流下ルートR21へ遊技球を流下させてしまう遊技者の存在も考えられる。このとき、第2流下ルートR21を流下するように発射された遊技球が可変第2始動入球装置21に入球すると、想定される遊技性が崩れてしまう虞がある。そこで、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させている場合には、普通当り抽選(変位抽選)が行われてないように、ゲート24を遊技盤YBに配置した。これにより、第1流下ルートR11へ遊技球を流下させている際に可変第2始動入球装置21が開放状態となる機会を抑制することができ、上記のように遊技性が崩れてしまうことを抑制し、想定する遊技性で遊技を楽しませ、興趣の向上を図ることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態のエラー入球検出処理において、ステップS14にて連続第1入球数に「0」を設定するとともに、ステップS21にて連続第2入球数に「0」を設定するように構成してもよい。このように構成する場合、連続第1入球数は、第1始動入球装置14への入球が連続した回数を示すことに相当する。同様に、連続第2入球数は、非可変第2始動入球装置15への入球が連続した回数を示すことに相当する。
・上記実施形態のエラー入球検出処理において、第1始動入球装置14へ1球の遊技球が入球する毎に許容個数と同値から1減算し、当該値が「0」となったことを契機に第1特殊処理が行われるように構成してもよい。同様に、非可変第2始動入球装置15へ1球の遊技球が入球する毎に許容個数と同一から1減算し、当該値が「0」となったことを契機に第2特殊処理が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、連続第1入球数と比較する許容個数と、連続第2入球数と比較する許容個数と、を異ならせてもよい。例えば、不正行為が行われた際に入球する遊技球が多くなり易い非可変第2始動入球装置15へ連続して入球した個数を示す連続第2入球数と比較する許容個数を、連続第1入球数と比較する許容個数よりも少ない値で定めてもよい。
・上記実施形態において、主制御用CPU30aがエラー入球検出処理を行うように構成してもよい。このように構成する場合には、各種の入球コマンドを演出制御用CPU31aに出力しなくてもよい。但し、特殊処理に伴う制御(上記実施形態では、報知演出の実行)を演出制御用CPU31aが行う場合には、当該制御の実行を指示する制御実行コマンドを演出制御用CPU31aに出力することが好ましい。また、第1特殊処理と第2特殊処理の何れが行われたかを演出制御用CPU31aが区別(特定)できるように、第1特殊処理にて出力する制御実行コマンドと第2特殊処理にて出力する制御実行コマンドを異ならせることが好ましい。
・上記実施形態の第1特殊処理及び第2特殊処理にて、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを示す制御信号を、パチンコ遊技機10の外部へ出力するように構成してもよい。このように構成する場合、振分装置13に入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを示す制御信号を利用して、パチンコ遊技機10とは異なる機器(例えば、ホールコンピュータや外部表示装置)で制御信号の入力を管理することが可能となる。なお、上記のように構成する場合には、振分装置13に入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを示す制御信号をパチンコ遊技機10の外部へ出力するための外部出力端子を装備することが好ましい。なお、制御信号の出力は、報知演出に代えて行われる制御であってもよいし、報知演出とともに行われる制御であってもよい。
・上記実施形態の第1特殊処理及び第2特殊処理において、大当り抽選を規制するように構成してもよい。例えば、第1特殊処理では第1の大当り抽選を規制し、第2特殊処理では第2の大当り抽選を規制してもよい。なお、「大当り抽選の規制」とは、「特別図柄変動ゲームの実行が保留されるものの大当り抽選が行われないこと」や、「特別図柄変動ゲームの実行が保留されることなく大当り抽選が行われないこと」を意図する。その他にも、「大当り抽選の規制」とは、「第1の大当り抽選と第2の大当り抽選のうち遊技者にとって有利な第2の大当り抽選のみ行われないこと」や、「各種の大当り抽選の当選確率を通常よりも低確率にすること」等を意図し、必ずしも大当り抽選が行われないことを意図するものではない。このように大当り抽選を規制することにより、不正行為によって利益を得られない可能性が高まるため、不正行為自体を抑制することができる。因みに、上記実施形態では主制御用CPU30aが大当り抽選を行うため、特殊処理にて大当り抽選の規制を行うように構成する際には、エラー入球検出処理を主制御用CPU30aが行うことが好ましい。なお、大当り抽選の規制は、報知演出に代えて行われる制御であってもよいし、報知演出とともに行われる制御であってもよい。
・上記実施形態の第1特殊処理及び第2特殊処理において、報知演出を実行させなくてもよい。第1特殊処理及び第2特殊処理で行われる制御は、遊技者にとって有利に作用しないことが好ましい。つまり、特殊処理(特殊制御)は、遊技者にとって有利でない制御であることが好ましい。
・上記実施形態において、第1特殊処理で行われる制御と、第2特殊処理で行われる制御と、が同じであってもよい。更に、第1特殊処理及び第2特殊処理により各種演出実行装置11,La,Spにて行われる演出等も同じになるように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1始動入球装置14への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンと、非可変第2始動入球装置15への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンの一部又は全てを異ならせてもよい。このように構成する場合には、第1始動入球装置14(第1始動入球手段)への入球に基づく図柄変動ゲーム(変動ゲーム)と、非可変第2始動入球装置15(変位不可能第2始動入球手段)への入球に基づく図柄変動ゲーム(変動ゲーム)と、が異なるゲーム内容(変動時間や変動内容)で実行される場合を創出することができる。これにより、第1始動入球装置14への入球に基づく図柄変動ゲームが連続する場合や、非可変第2始動入球装置15への入球に基づく図柄変動ゲームが連続する場合よりも、変動ゲームのゲーム内容に変化を伴わせることができる。そして、遊技に対する飽きを防止しつつ、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われる遊技性による興趣の向上を更に図ることができる。このように構成する場合、各種特別図柄変動ゲームが実行される特別図柄表示装置25a,25bと、装飾図柄変動ゲームが実行される演出表示装置11と、がゲーム実行手段として機能する。また、変動パターンを決定する主制御用CPU30aが、ゲーム内容決定手段として機能する。また、変動パターン以外にも演出制御用CPU31aにより装飾図柄変動ゲーム中の演出内容が決定される場合には、演出制御用CPU31aもゲーム内容決定手段として機能する。
・上記実施形態において、第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンと、可変第2始動入球装置21への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンの一部又は全てを異ならせてもよい。このように構成する場合、第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンは、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選が交互に行われることを想定して設計することができる。同様に、可変第2始動入球装置21への入球を契機とする図柄変動ゲームを実行させる際に決定可能な変動パターンは、第2の大当り抽選のみが連続して行われることを想定して設計することができる。したがって、各種遊技に合った最適な内容で各種の図柄変動ゲームを実行することで、効果的に興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において、第1入球情報や第2入球情報を演出制御用RAM31cに記憶しなくても、ステップS12にて連続第1入球数が「1以上」であれば第1入球情報が記憶されているものとし、ステップS19にて連続第2入球数が「1以上」であれば第2入球情報が記憶されているものとして制御することができる。
・上記実施形態において、第1流下ルートR11を流下する遊技球が入球可能な位置にゲート24を配設してもよい。なお、上記実施形態におけるゲート24に加えて、第1流下ルートR11を流下する遊技球が入球可能な位置にゲート24を配設することが好ましい。
・上記実施形態において、普通当り抽選を行わず、「所定時間の経過」や「所定条件の成立」を契機として、可変第2始動入球装置15が開放状態となるように構成してもよい。
・上記実施形態において、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出するための方法は、第1始動入球装置14へ連続して遊技球が入球することや非可変第2始動入球装置15へ連続して遊技球が入球することを検出すること以外の方法であってもよい。例えば、回動弁19の振分状態を検知するセンサを配設して、当該センサにより回動弁19が交互に変位しているか否かを参照することで、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出可能に構成してもよい。
・上記実施形態において、第1始動スイッチSW1により振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14へ振り分けられたことを検知する以外にも、例えば、第1振分流下経路18aにセンサを設け、当該センサにより第1始動入球装置14へ振り分けられたことを検知することもできる。同様に、非可変用第2始動スイッチSW2により振分装置13へ入球した遊技球が非可変第2始動入球装置15へ振り分けられたことを検知する以外にも、例えば、第2振分流下経路18bにセンサを設け、当該センサにより非可変第2始動入球装置15へ振り分けられたことを検知することもできる。なお、上記第1振分流下経路18aに設けられるセンサや、上記第2振分流下経路18bに設けられるセンサを演出制御用CPU31aに接続し、演出制御用CPU31aが直接的に第1始動入球装置14や非可変第2始動入球装置15への入球を特定可能に構成してもよい。このように構成すれば、主制御基板30と演出制御基板31の間で故障等が生じた場合であっても、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出することができる。
・上記実施形態において、許容回数は変更してもよい。許容回数を「1」に設定した場合には、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち何れか一方へ遊技球が連続して入球した時点で特殊処理が行われることになる。この場合、早い段階で、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを報知することが可能となる。一方、許容回数を「2以上」に設定した場合には、第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15のうち何れか一方へ遊技球が偶然連続して入球したとしても特殊処理が行われない。このため、正常に遊技が行われているにもかかわらず特殊処理が行われることで、遊技者に不快感を与えてしまうことを抑制することができる。この「正常に遊技が行われている」とは、振分装置13等が故障しておらず、不正行為も行われていない状況での遊技を意味する。
・上記実施形態において、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15へ必ず入球するように構成(第1の構成)してもよいし、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14又は非可変第2始動入球装置15へ入球しない場合が発生するように構成(第2の構成)してもよい。第1の構成とする場合、許容回数を「1」で定めた場合であっても、正常に遊技が行われているにもかかわらず特殊処理が行われて、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止することができる。また、第2の構成とする場合、許容回数を「1」と定めた場合には、正常に遊技が行われているにもかかわらず特殊処理が行われる確率が高まってしまう。したがって、第2の構成とする場合には、許容回数を「2以上」で定めることが好ましい。なお、第1の構成を実現するためには、例えば、第1排出口13bと入球口14aの間隔や、第2排出口13cと入球口15aの間隔を遊技球の大きさよりも小さくなるように、各種装置13,14,15を配設すればよい。
・上記実施形態において、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出可能に構成しなくてもよい。このように構成すれば、振分装置13へ入球した遊技球が第1始動入球装置14と非可変第2始動入球装置15へ交互に振り分けられていないことを検出するための制御を行う必要がないため、各種CPUの制御負担を軽減させることや、制御プログラムの記憶容量を削減すること、制御上使用する記憶領域の縮小することができる。
・上記実施形態において、1回の開放遊技において大入賞装置23が開放状態となる回数が複数回であってもよい。
・上記実施形態において、高確率抽選状態が生起されないように構成してもよい。また、入球率向上状態が生起されないように構成してもよい。
・上記実施形態において、高確率抽選状態の終了条件を変更してもよい。例えば、大当り遊技が生起されることによって成立する終了条件のみを高確率抽選状態の終了条件として定めてもよい。
・上記実施形態において、入球率向上状態の終了条件を変更してもよい。例えば、大当り遊技が生起されることによって成立する終了条件のみを入球率向上状態の終了条件として定めてもよい。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で決定される大当りの種類が同じであってもよい。そして、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選のうち何れに当選する場合であっても、遊技者にとっての有利度に差がないように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後から高確率抽選状態が生起される確率と、第2の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後から高確率抽選状態が生起される確率と、を異ならせてもよい。例えば、第2の大当り抽選に当選した場合の方が、第1の大当り抽選に当選した場合よりも高確率抽選状態が生起され易いように構成してもよい。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後から入球率向上状態が生起される確率と、第2の大当り抽選に当選した場合に大当り遊技終了後から入球率向上状態が生起される確率と、が同一確率であってもよい。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選に当選した場合に生起される大当り遊技中に遊技者が獲得可能な賞球の個数と、第2の大当り抽選に当選した場合に生起される大当り遊技中に遊技者が獲得可能な賞球の個数と、が同程度になるように構成してもよい。「同程度」とは、全く同じ個数であることや、遊技球が賞球の個数の差を判別できない程度の誤差があることを意味する。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選のうち第2の大当り抽選に当選した方が遊技者にとって有利な種類の大当りが決定され易く構成する際、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起される確率が高いことによって遊技者にとって有利な種類の大当りが決定され易いことを規定してもよい。その他にも、大当り遊技中に獲得可能な賞球個数が多くなる確率が高いことや、大当り遊技終了後に高確率抽選状態が生起される確率が高いことによって遊技者にとって遊技な種類の大当りが決定され易いことを規定してもよい。
・上記実施形態を、小当り抽選(当り抽選)を行う遊技機に適用してもよい。小当り抽選は、取得した当り判定用乱数の値が大当り判定値とは異なる値で定められた小当り判定値と一致する場合に「当選」する抽選としてもよい。そして、小当り抽選に当選した際には、大入賞装置23が開放状態となる小当り遊技(当り遊技)が生起されるように構成してもよい。更に、小当り遊技の生起を契機として遊技状態が変更し得ないように構成してもよい。
・上記実施形態の遊技盤YBにおいて、アウト口28a,28bの位置や数を変更してもよい。例えば、遊技盤YBにおいて、下段アウト口28bのみが形成されるように構成してもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記振分判定処理は、前記変位可能第2始動入球手段への入球を判定対象とせず、前記第1始動入球手段への入球と前記変位不可能第2始動入球手段への入球を判定対象とする。
(ロ)前記特殊制御手段は、前記特殊制御において、前記振分装置に入球した遊技球が前記第1始動入球手段と前記変位不可能第2始動入球手段に交互に振り分けられていないことを報知する報知演出を実行させる。
(ハ)前記特殊制御手段は、前記特殊制御において、前記振分装置に入球した遊技球が前記第1始動入球手段と前記変位不可能第2始動入球手段に交互に振り分けられていないことを示す制御信号を遊技機外部へ出力させる。
(ニ)前記特殊制御手段は、前記特殊制御において、前記第1の大当り抽選及び前記第2の大当り抽選を規制する。
(ホ)前記抽選入球手段は、第2流下ルートを流下する遊技球が入球可能である一方、前記第1流下ルートを流下する遊技球が入球不可能に配置されている。
(ヘ)前記第1始動入球手段、前記変位可能第2始動入球手段及び前記変位不可能第2始動入球手段のうち何れかに遊技球が入球したことを契機に、変動ゲームを行うゲーム実行手段を備え、前記ゲーム実行手段は、前記第1始動入球手段への入球を契機とする変動ゲームと、前記変位不可能第2始動入球手段への入球を契機とする変動ゲームと、を異なるゲーム内容で実行する場合がある。