以下、遊技機の一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技盤YBが装備されている。遊技盤YBには、パチンコ遊技機10に装備されている発射ハンドルHの回動操作によって、遊技球が発射される。
また、発射ハンドルHの回動操作によって発射された遊技球は、誘導レールRaにて形成される非遊技領域YR1を通って、誘導レールRaの最下流に配置された逆戻り防止弁Bnを介して、遊技盤YBに定められる遊技領域YR2へと発射される。そして、遊技領域YR2へと発射された遊技球は、遊技領域YR2を流下する。
また、遊技盤YBにおける遊技領域YR2の略中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有し、表示演出を行う表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数の図柄列(本実施形態では、3列)の装飾図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の装飾図柄からなる図柄組み合わせ(表示結果)を導出する。図柄変動ゲームは、遊技盤YBに配置されている上始動入球装置15又は下始動入球装置17へ遊技球が入球することを契機に、実行される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各図柄列に[1]〜[8]の8種類の数字が装飾図柄として表示される。そして、大当り抽選に当選する場合、原則として、演出表示装置11には、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に当選するとともに特定の種類の大当りが決定された場合、演出表示装置11には、特定図柄組み合わせが確定停止表示される。また、大当り抽選に非当選する場合、演出表示装置11には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。因みに、本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が同一の図柄組み合わせ([222]や[777]等)である。また、本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせ([345]や[426]等)、又は1列の装飾図柄が他の2列の装飾図柄と異なる図柄組み合わせ([122]や[323]等)である。また、本実施形態の特定図柄組み合わせは、全列の装飾図柄が異なる図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(本実施形態では、[123]及び[456])である。
また、始動入球手段としての上始動入球装置15は、演出表示装置11の下方に配置されている。上始動入球装置15は、当該上始動入球装置15へ遊技球が入球したことを検知可能な上始動スイッチSW1(図3に示す)を有している。上始動入球装置15へ遊技球が入球すると、大当りか否かを決めるための大当り抽選が行われる。以下の説明において、上始動入球装置15への遊技球の入球を契機として行われる大当り抽選を、「第1の大当り抽選」という場合がある。
また、始動入球手段としての下始動入球装置17は、上始動入球装置15の下方に配置されている。下始動入球装置17は、開閉部材18を有している。また、下始動入球装置17は、当該下始動入球装置17へ遊技球が入球したことを検知可能な下始動スイッチSW2(図3に示す)を有している。下始動入球装置17へ遊技球が入球すると、大当り抽選が行われる。また、下始動入球装置17の開閉部材18は、電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、開閉部材18が開状態となるとき下始動入球装置17の入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態となる。一方、開閉部材18が閉状態となるとき下始動入球装置17の入口は閉鎖されて遊技球が入球し難い閉鎖状態となる。以下の説明において、下始動入球装置17への遊技球の入球を契機として行われる大当り抽選を、「第2の大当り抽選」という場合がある。
また、下始動入球装置17の下方には、大入賞扉を有する特別入賞手段としての大入賞装置20が配設されている。大入賞装置20は、当該大入賞装置20へ遊技球が入球したことを検知可能なカウントスイッチSW3(図3に示す)を有している。また、大入賞装置20の大入賞扉は、大入賞ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動によって開状態と閉状態に変位可能に構成されている。そして、大入賞扉が開状態となるとき大入賞装置20が開放状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容される。一方、大入賞扉が閉状態となるとき大入賞装置20が閉鎖状態となり、大入賞装置20への遊技球の入球が許容されない。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、当該当選の対象となる図柄変動ゲームの終了後に、大入賞装置20が開放状態となる大当り遊技が生起される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大入賞装置20へ遊技球が入球すると、予め決められた個数の遊技球が賞球として払い出される。
また、大当り遊技では、複数回の開放遊技が行われる。大当り遊技における開放遊技では、大入賞装置20が開放状態となる。1回の開放遊技は、開放遊技の終了条件が成立するまでの間、行われる。この開放遊技の終了条件は、規定時間が経過すること又は規定個数の遊技球が大入賞装置20へ入球することによって成立する。
また、遊技盤YBには、ゲート23が配設されている。ゲート23は、当該ゲート23へ遊技球が入球したことを検知可能なゲートスイッチSW4(図3に示す)を有している。ゲート23に遊技球が入球すると、普通当りか否かを決めるための普通当り抽選が行われ得る。また、普通当り抽選に当選すると、下始動入球装置17が開放状態となる普通当り遊技が生起される。
また、遊技盤YBには、LED等の発光部材が複数配置された発光部配置部材HSが配設されている。この発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される第1特別図柄表示装置25aと第2特別図柄表示装置25bが配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される第1保留表示装置26aと第2保留表示装置26bが配設されている。また、発光部配置部材HSには、複数の発光部材から構成される普通図柄表示装置27が配設されている。
第1特別図柄表示装置25aには、当該第1特別図柄表示装置25aを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで確定停止表示される。第1の大当り抽選に当選した場合、第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第1の大当り抽選に非当選した場合、第1特別図柄表示装置25aには、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングではずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行中、第1特別図柄表示装置25aには、特別図柄が変動表示される。
同様に、第2特別図柄表示装置25bには、当該第2特別図柄表示装置25bを構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる特別図柄が、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで確定停止表示される。第2の大当り抽選に当選した場合、第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングで大当り図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第2の大当り抽選に非当選した場合、第2特別図柄表示装置25bには、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームが終了するタイミングではずれ図柄に分類される特別図柄が確定停止表示される。また、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行中、第2特別図柄表示装置25bには、特別図柄が変動表示される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行と、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行と、をそれぞれ保留可能に構成されている。そして、第1保留表示装置26aでは、当該第1保留表示装置26aを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの回数(以下、「第1保留記憶数」という)が示される。同様に、第2保留表示装置26bでは、当該第2保留表示装置26bを構成する発光部材の点灯や点滅、消灯によって、実行が保留されている第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの回数(以下、「第2保留記憶数」という)が示される。
また、普通図柄表示装置27には、当該普通図柄表示装置27を構成する発光部材の点灯及び消灯の組み合わせによる普通図柄が確定停止表示される。普通当り抽選に当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通当り図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。一方、普通当り抽選に非当選した場合、普通図柄表示装置27には、普通はずれ図柄に分類される普通図柄が確定停止表示される。
また、遊技盤YBの遊技領域YR2の中央であって最下部には、入球した遊技球をパチンコ遊技機10の外部へと排出するアウト口HKが形成されている。本実施形態のパチンコ遊技機10において、遊技球の入球可能な装置(大入賞装置20等)へ入球しなかった遊技球は、アウト口HKに入球し、パチンコ遊技機10の外部へと排出されることになる。
また、図1に示すように遊技盤YBには、発射された遊技球がアウト口HKに向かって流下する第1のルートとしての第1流下ルートR1と、当該第1流下ルートR1とは異なるルートであって発射された遊技球がアウト口HKに向かって流下する第2のルートとしての第2流下ルートR2と、が規定される。
本実施形態において第1流下ルートR1は、遊技盤YBの略中央に配設された演出表示装置11の左側を流下するとともに、アウト口HKに向かって流下するルートである。また、本実施形態において第2流下ルートR2は、演出表示装置11の右側を流下するとともに、アウト口HKに向かって流下するルートである。なお、図1では、第1流下ルートR1と第2流下ルートR2を矢印で示したが、第1流下ルートR1を流下する遊技球及び第2流下ルートR2を流下する遊技球が必ずしも矢印に沿って流下することを示すものではない。
ここで、上始動入球装置15、下始動入球装置17、大入賞装置20及びゲート23の配置について説明する。
図1に示すように、遊技盤YBを正面視において左右に2等分することにより、左領域VLと右領域VRの2つの領域に区画したとする。この場合、第1流下ルートR1を流下する遊技球は、主に左領域VLを流下する。一方、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、主に右領域VRを流下する。
そして、本実施形態における上始動入球装置15は、左領域VLと右領域VRを跨いで配置されている。但し、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、演出表示装置11の右側を流下した後、右排出ルートR2aを流下し、上始動入球装置15の遊技球が入球可能な入球口よりも下部へと流下する。このため、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、上始動入球装置15へ入球することが想定されていない。一方、第1流下ルートR1を流下する遊技球は、上始動入球装置15の遊技球が入球可能な入球口よりも上部へと流下する場合がある。このため、第1流下ルートR1を流下する遊技球は、上始動入球装置15へ入球することが想定されている。
また、本実施形態における下始動入球装置17は、左領域VLと右領域VRを跨いで配置されている。このため、第1流下ルートR1を流下する遊技球は、下始動入球装置17が開放状態となれば、当該下始動入球装置17へ遊技球が入球し得る。更に、右排出ルートR2aを流下した遊技球は、下始動入球装置17よりも上部へと流下する。このため、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、下始動入球装置17が開放状態となれば、当該下始動入球装置17へ遊技球が入球し得る。
しかし、ゲート23は、右領域VRに配置されている。このため、第1流下ルートR1を遊技球が流下する場合には、ゲート23へ入球することがなく、普通当り抽選を行う機会を得ることができない。したがって、第1流下ルートR1を流下するように遊技球が発射され続けても、当該第1流下ルートR1を流下する遊技球は、下始動入球装置17へ入球することが想定されていない。一方、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、ゲート23へ入球し得るため、普通当り抽選を行う機会を得ることができる。したがって、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、下始動入球装置17へ入球することが想定されている。
また、本実施形態における大入賞装置20は、左領域VLと右領域VRを跨いで配置されている。このため、第1流下ルートR1を流下する遊技球は、大入賞装置20が開放状態となれば、当該大入賞装置20へ遊技球が入球し得る。更に、右排出ルートR2aを流下する遊技球は、大入賞装置20よりも上部へと流下する。このため、第2流下ルートR2を流下する遊技球は、大入賞装置20が開放状態となれば、当該大入賞装置20へ遊技球が入球し得る。したがって、第1流下ルートR1と第2流下ルートR2のうち何れを流下する遊技球も、大入賞装置20へ入球することが想定されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、逆戻り防止弁Bnから第1流下ルートR1を流下して大入賞装置20へ到達するまでに配置されている遊技釘等の流下方向変更手段の配置量は、逆戻り防止弁Bnから第2流下ルートR2を流下して大入賞装置20へ到達するまでに配置されている流下方向変更手段の配置量よりも多い。つまり、逆戻り防止弁Bnから第2流下ルートR2を流下して大入賞装置20へ到達するまでに、遊技球が流下するにあたって障害物となり得る流下方向変更手段の配置量が少なくなっている。したがって、本実施形態の遊技盤YBでは、第1流下ルートR1を流下させるよりも、第2流下ルートR2を流下させた方が、発射させた遊技球が大入賞装置20に到達するまでの到達時間が早くなる。これにより、第1流下ルートR1へ遊技球を流下させるよりも第2流下ルートR2へ遊技球を流下させた方が、規定個数の遊技球の入球によって開放遊技の終了条件が成立するまでの時間が短くなり易いため、当り遊技に要する時間が短くなる(又は、短くなる可能性が高い)。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、逆戻り防止弁Bnから第1流下ルートR1を流下する遊技球のうち開放状態となっている大入賞装置20へ入球する遊技球の割合を第1の割合とする。この場合、逆戻り防止弁Bnから第2流下ルートR2を流下する遊技球のうち開放状態となっている大入賞装置20へ入球する遊技球の割合を第2の割合とすれば、当該第2の割合よりも第1の割合の方が小さくなる。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2流下ルートR2へ遊技球を流下させた方が、第1流下ルートR1へ遊技球を流下させるよりも、大入賞装置20へ効率的に遊技球を入球させることができる。なお、「大入賞装置20へ効率的に遊技球を入球させること」とは、大入賞装置20へ遊技球が入球しない遊技球の数が少なくなり易いことを意味する。この結果からも、第1流下ルートR1へ遊技球を流下させるよりも第2流下ルートR2へ遊技球を流下させた方が、規定個数の遊技球の入球によって開放遊技の終了条件が成立するまでの時間が短くなり易いため、当り遊技に要する時間が短くなる(又は、短くなる可能性が高い)。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選の当選確率が通常よりも高確率となる高確率抽選状態を生起可能に構成されている。本実施形態において、高確率抽選状態は、高確率抽選状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「高確率抽選状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた確率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。
なお、高確率抽選状態が生起されていないときにおいて、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。また、高確率抽選状態が生起されているときにおいて、第1の大当り抽選の当選確率と第2の大当り抽選の当選確率は、同一である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率が通常よりも高確率となる入球率向上状態を生起可能に構成されている。入球率向上状態の生起中、入球率向上状態が生起されていないときと比較して、単位時間あたりに下始動入球装置17が開放状態となる機会(回数や時間)を増加させることで、下始動入球装置17へ遊技球が入球する確率を高めている。本実施形態において、入球率向上状態は、入球率向上状態の終了条件が成立するまでの間、継続して生起される。なお、本実施形態における「入球率向上状態の終了条件」は、大当り遊技が生起されること又は大当り抽選に当選することなく予め定められた入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了することによって成立する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確率向上回数と入球率向上回数は、同一回数と定めている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で、当選した際に決定され得る大当りの種類を異ならせている。ここで、各大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。
まず、図2(a)に基づき、第1の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。第1の大当り抽選に当選した場合には、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り及び短縮特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。
第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り及び短縮特定大当りのうち何れかの大当りに基づく大当り遊技が生起された場合、15回の開放遊技が行われる。また、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り及び短縮特定大当りに基づく大当り遊技における全ての開放遊技では、開放遊技が終了するまでの間、大入賞装置20が開放状態となる。また、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技の開放遊技のうち、1回目〜5回目の開放遊技では規定時間として長開放時間(第2時間)が定められ、6回目〜15回目の開放遊技では規定時間として短開放時間(第1時間)が定められている。一方、短縮特定大当りに基づく大当り遊技の全て(1回目〜15回目)の開放遊技では、規定時間として短開放時間が定められている。
本実施形態において「長開放時間」は、当該長開放時間が経過するまでの間に規定個数の遊技球を大入賞装置20へ入球させることが容易な時間(例えば、「25秒」)としている。一方、本実施形態において「短開放時間」は、長開放時間よりも短い時間としている。また、本実施形態において「短開放時間」は、当該短開放時間が経過するまでの間に規定個数の遊技球を大入賞装置20へ入球させることが困難な時間としている。更に、本実施形態において「短開放時間」は、当該短開放時間が経過するまでの間に1個の遊技球さえ大入賞装置20へ入球させることが困難な時間(例えば、「0.024秒」)としている。
また、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び短縮特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起される。一方、実質5R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起されない(図面では、「非生起」と示す)。
また、第1の実質5R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。
また、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り及び短縮特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技の終了後は、当該大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されていなければ、入球率向上状態が生起されない(図面では、「非生起」と示す)。一方、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り及び短縮特定大当りのうち何れかに基づく大当り遊技の終了後は、当該大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されていれば、入球率向上状態が生起される。
次に、図2(b)に基づき、第2の大当り抽選に当選した際に決定され得る大当りの種類について説明する。第2の大当り抽選に当選した場合には、15R特定大当りと15R非特定大当りのうち何れかの種類の大当りが決定される。
15R特定大当り又は15R非特定大当りに基づく大当り遊技が生起された場合、15回の開放遊技が行われる。また、15R特定大当り及び15R非特定大当りに基づく大当り遊技における開放遊技では、開放遊技が終了するまでの間、大入賞装置20が開放状態となる。また、15R特定大当り及び15R非特定大当りに基づく大当り遊技における開放遊技のうち、全ての開放遊技では規定時間として長開放時間が定められている。
また、15R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起される。一方、15R非特定大当りに基づく大当り遊技の終了後には、高確率抽選状態が生起されない。
また、15R特定大当りに基づく大当り遊技の終了後は、当該15R特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。同様に、15R非特定大当りに基づく大当りの終了後は、当該15R非特定大当りを決定した際に入球率向上状態が生起されているか否かに関係なく、入球率向上状態が生起される。
本実施形態において、全ての大入賞装置20の開放時間(開放可能な上限時間)として、第1時間となる短開放時間が定められた短縮特定大当りが、第1当り遊技に相当する。また、本実施形態において、複数回の開放のうち少なくとも1回の大入賞装置20の開放時間として、第2時間となる長開放時間が定められた第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りが、第2当り遊技に相当する。
次に、図3に基づき、パチンコ遊技機10の制御構成について説明する。
パチンコ遊技機10の裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、パチンコ遊技機10の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字等の表示画像等)や、装飾ランプLaの発光態様、スピーカSpの音声出力態様を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
図3に示すように、主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が接続されている。また、各種スイッチSW1〜SW4は、各種スイッチが遊技球を検知した際に出力する検知信号を主制御用CPU30aが入力できるように、主制御用CPU30aに接続されている。また、主制御用CPU30aには、各特別図柄表示装置25a,25b、各保留表示装置26a,26b及び普通図柄表示装置27が接続されている。また、主制御用CPU30aには、電動役物ソレノイドSOL1及び大入賞ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから当該図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間を特定し得る。また、本実施形態における変動パターンは、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpにて行われる演出の演出内容を特定し得る。変動パターンには、大当り演出用の変動パターンと、特定演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンと、がある。大当り演出用の変動パターンは、大当りのときであって所定の種類の大当り(本実施形態では、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れか)が決定されたときに決定される変動パターンである。また、特定演出用の変動パターンは、大当りのときであって特定の種類の大当り(本実施形態では、短縮特定大当り)が決定されたときに決定される変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンである。
また、主制御用ROM30bには、各種の判定値が記憶されている。例えば、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値である。高確率抽選状態が生起されているときの大当り判定値の個数は、高確率抽選状態が生起されていないときの大当り判定値の個数よりも多くなっている。また、主制御用ROM30bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当り抽選で用いる判定値である。
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す主制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、主制御用RAM30cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す主制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
また、主制御基板30内では、当り判定用乱数や、特別図柄振分用乱数、変動パターン振分用乱数として使用される各種乱数が生成される。因みに、当り判定用乱数は、大当り抽選に用いる乱数である。また、特別図柄振分用乱数は、大当りの種類を決定する際に用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを決定する際に用いる乱数である。なお、各種乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数であってもよいし、ソフトウェア乱数であってもよい。
次に、図3に基づき、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、装飾ランプLaが接続されている。また、演出制御用CPU31aには、スピーカSpが接続されている。
また、演出制御用ROM31bには、各種画像表示データ(装飾図柄、背景画像、文字等の画像データ)、各種の発光用データ及び各種の音声用データが記憶されている。
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ等)が記憶(設定)される。例えば、演出制御用RAM31cには、高確率抽選状態の生起中であるか否かを示す演出制御用高確率抽選状態フラグが記憶される。また、演出制御用RAM31cには、入球率向上状態の生起中であるか否かを示す演出制御用入球率向上状態フラグが記憶される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期毎に、各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、上始動入球装置15へ入球した遊技球を検知した際に上始動スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第1保留判定を行う。この第1保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
また、第1保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を第1保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように第1保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行が保留される。
また、主制御用CPU30aは、下始動入球装置17へ入球した遊技球を検知した際に下始動スイッチSW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの第2保留判定を行う。この第2保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える。それとともに、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
また、第2保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御基板30内で生成されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を取得し、その値を第2保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶(格納)し、特別図柄入力処理を終了する。このように第2保留記憶数に対応付けて各種乱数の値を主制御用RAM30cに記憶することにより、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームの実行が保留される。
なお、主制御用CPU30aは、第1保留判定の判定結果が否定の場合、及び第2保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各種乱数の値も取得することなく、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技の生起中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定の場合、第2保留記憶数を読み出し、当該第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第2保留数判定を実行する。この第2保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を読み出し、当該第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かの第1保留数判定を実行する。この第1保留数判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、待機演出の実行を指示するデモ信号を演出制御用CPU31aに出力する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行が保留されていないとき、待機演出の実行を演出制御用CPU31aに指示する。なお、主制御用CPU30aは、このデモ信号を一度出力すると、次の図柄変動ゲームが実行されるまではデモ信号を出力しない。このデモ信号の出力によって、図柄変動ゲームを実行する制御や、大当り遊技を生起する制御が行われない待機状態が生起されることになる。
また、第2保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームを実行させるための第2ゲーム処理を行う。また、第1保留数判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1の大当り抽選の対象となる図柄変動ゲームを実行させるための第1ゲーム処理を行う。
第1ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1保留表示装置26aの表示内容を制御する。
また、第1ゲーム処理において、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第1の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第1の大当り抽選を行う。
そして、第1の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第1特別図柄表示装置25aに確定停止表示させる大当り図柄を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、第1の実質5R特定大当りに対応する大当り図柄、第2の実質5R特定大当りに対応する大当り図柄、実質5R非特定大当りに対応する大当り図柄及び短縮特定大当りに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。また、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り図柄を決定することにより、大当りの種類も決定する。
その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。このとき、主制御用CPU30aは、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り及び実質5R非特定大当りのうち何れかを決定している際、変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。一方、主制御用CPU30aは、短縮特定大当りを決定している際、変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の特定演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。
一方、第1の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置25aに確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
また、第2ゲーム処理において、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数(当り判定用乱数、特別図柄振分用乱数及び変動パターン振分用乱数)の値を読み出す。更に、主制御用CPU30aは、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2保留表示装置26bの表示内容を制御する。
また、各種乱数の値を読み出した主制御用CPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(第2の大当り抽選)を行う。このとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であるか否かに応じた大当り判定値を用いて第2の大当り抽選を行う。
そして、この第2の大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、読み出した特別図柄振分用乱数の値に基づき、第2特別図柄表示装置25bに確定停止表示させる大当り図柄を決定する。このとき、主制御用CPU30aは、15R特定大当りに対応する大当り図柄と、15R非特定大当りに対応する大当り図柄の中から大当り図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
一方、第2の大当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄表示装置25bに確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。その後、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定し、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように第1特別図柄表示装置25a又は第2特別図柄表示装置25bの表示内容を制御する。
このように、本実施形態において、第1の大当り抽選や第2の大当り抽選を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段として機能する。また、本実施形態において、大当りの種類を決定する主制御用CPU30aが、当り種決定手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選の当選対象となる図柄変動ゲームの終了後、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態を制御し、大当り遊技を生起させる。このように、本実施形態において、大当り遊技を生起させる主制御用CPU30aが、当り遊技生起手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、主制御用高確率抽選状態フラグや主制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を制御する。具体的には、高確率抽選状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中であることを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、高確率抽選状態の生起中でないことを示す情報を主制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
また、入球率向上状態を生起させるとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中であることを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態を生起させないとき、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の生起中でないことを示す情報を主制御用入球率向上状態フラグに設定する。
このように、本実施形態において、主制御用入球率向上状態フラグに情報を設定することによって入球率向上状態を生起させる主制御用CPU30aが、入球率向上状態生起手段として機能する。
次に、普通当り遊技の生起に係る制御について説明する。
主制御用CPU30aは、ゲート23へ遊技球が入球したことをゲートスイッチSW4からの検知信号の入力によって特定すると、主制御基板30内で生成される普通当り判定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU30aは、普通当り遊技の生起中でない場合、取得した普通当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かの普通当り抽選を行う。そして、普通当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通当り図柄を確定停止表示させる。一方、普通当り抽選に非当選した場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置27にて所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に普通はずれ図柄を確定停止表示させる。
また、主制御用CPU30aは、普通当り図柄を普通図柄表示装置27に確定停止表示させた後、下始動入球装置17の開放状態と閉鎖状態を制御して、普通当り遊技を生起させる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
具体的に、演出制御用CPU31aは、第1の実質5R特定大当り、第2の実質5R特定大当り、実質5R非特定大当り、15R特定大当り及び15R非特定大当りのうち何れかに対応する大当り図柄が指定された場合、大当りの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、短縮特定大当りに対応する大当り図柄が指定された場合、特定図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、はずれの図柄組み合わせの中から確定停止表示させる装飾図柄の図柄組み合わせを決定する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各図柄列の装飾図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11における表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した装飾図柄の図柄組み合わせを確定停止表示させるように演出表示装置11における表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、デモ信号を入力すると、待機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。このデモ信号の入力により、演出制御用CPU31aは、待機状態が生起されたことを認識できる。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技が生起されると、当該大当り遊技の生起中、大当りの種類に応じた当り中演出を実行させるように、演出表示装置11の表示態様、スピーカSpの音声出力態様及び装飾ランプLaの発光態様を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用高確率抽選状態フラグや演出制御用入球率向上状態フラグの管理によって、遊技状態を特定できるようにする。具体的に、高確率抽選状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。また、高確率抽選状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、高確率抽選状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用高確率抽選状態フラグに設定する。
また、入球率向上状態が生起されるとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中であることを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。また、入球率向上状態が生起されないとき、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中でないことを特定可能な情報を演出制御用入球率向上状態フラグに設定する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置11にて報知演出を実行可能に構成されている。この報知演出は、第1流下ルートR1を流下させるように遊技球の発射を促す第1内容と、第2流下ルートR2を流下させるように遊技球の発射を促す第2内容と、のうち何れかの内容で実行される。
図4(a)に示すように、第1流下ルートR1を流下させるために演出表示装置11の左側へ遊技球を流下させるように遊技球の発射を促す左打ち画像Lgを演出表示装置11に表示させて、第1内容の報知演出が行われる。なお、本実施形態において、左打ち画像Lgは、第1のルートとなる第1流下ルートR1を流下させるように遊技球の発射を促すために表示させる画像に相当する。
また、図4(b)に示すように、第2流下ルートR2を流下させるために演出表示装置11の右側へ遊技球を流下させるように遊技球の発射を促す右打ち画像Rgを演出表示装置11に表示させて、第2内容の報知演出が行われる。なお、本実施形態において、右打ち画像Rgは、第2のルートとなる第2流下ルートR2を流下させるように遊技球の発射を促すために表示させる画像に相当する。
図4(c),(d)に示すように、演出表示装置11の画像表示部GHは、演出表示装置11にて演出を実行可能な演出領域に相当し、当該演出領域のうち中央に位置する領域を中央領域Tcとして規定される。更に、図4(c),(d)に示すように、演出表示装置11の演出領域(画像表示部GH)には、中央領域Tcを含むことなく構成される第1演出領域Tr1と、中央領域Tcを含んで構成される第2演出領域Tr2と、が規定される。
そして、本実施形態では、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させることによって、第1流下ルートR1を流下させるように遊技球の発射を促す第1内容の報知演出を実行する。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、入球率向上状態が生起されていない状態が、主な状態であり、通常時の遊技状態といえる。このため、通常時の遊技状態においては、原則、演出表示装置11に左打ち画像Lgや右打ち画像Rgを表示させない態様で、第1内容の報知演出が行われる。したがって、本実施形態においては、左打ち画像Lgが演出表示装置11にて表示される態様で行われる第1内容の報知演出と、左打ち画像Lg及び右打ち画像Rgが演出表示装置11にて表示されない態様で行われる第1内容の報知演出と、がある。
また、本実施形態では、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出を実行する場合と、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出を実行する場合と、がある。
第1演出領域Tr1は、第2演出領域Tr2よりも領域が狭く(面積が小さく)定められている。つまり、第1演出領域Tr1は、第2演出領域Tr2よりも演出表示装置11に規定される全体の演出領域(画像表示部GH)に対して、占める演出領域の割合が小さい。このため、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出が実行される場合には、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出が実行される場合よりも、当該報知演出の実行に使用しない演出領域が大きくなる。
ここで、本実施形態における各報知演出の実行態様について説明する。
まず、第1内容の報知演出について説明する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後に入球率向上状態が生起されない場合には、当該大当り遊技の終了に伴って、演出表示装置11に左打ち画像Lgが表示され、第1内容の報知演出が実行される。このとき、左打ち画像Lgは、第2演出領域Tr2に収まる大きさの最大の大きさで表示される。
また、本実施形態では、大当り遊技の終了後から大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了したことを契機に入球率向上状態が終了した場合、入球率向上状態の終了から所定時間(例えば、10秒)が経過するまでの間、演出表示装置11に左打ち画像Lgが表示され、第1内容の報知演出が実行される。このとき、左打ち画像Lgは、第2演出領域Tr2に収まる大きさの最大の大きさで表示される。
また、本実施形態では、左打ち画像Lgが表示される態様での第1内容の報知演出の実行が開始されてから、所定時間が経過すると、左打ち画像Lgの表示が消去され、演出表示装置11に左打ち画像Lgと右打ち画像Rgが表示されない態様で第1内容の報知演出が実行される。
次に、第2内容の報知演出について説明する。
本実施形態では、入球率向上状態の生起中、演出表示装置11に右打ち画像Rgが表示され、第2内容の報知演出が実行される。このとき、右打ち画像Rgは、第1演出領域Tr1に収まる大きさの最大の大きさで表示される。
また、本実施形態では、大当り遊技の生起中、演出表示装置11に右打ち画像Rgが表示され、第1内容の報知演出が実行される。
生起中の大当り遊技が、入球率向上状態の生起中に行われた大当り抽選に当選したことを契機として生起された大当り遊技である場合、右打ち画像Rgは、第1演出領域Tr1に収まる大きさの最大の大きさで表示される。
また、生起中の大当り遊技が、入球率向上状態が生起されていないときに行われた大当り抽選に当選したことを契機として生起された大当り遊技である場合も、原則として、右打ち画像Rgは、第1演出領域Tr1に収まる大きさの最大の大きさで表示される。但し、生起中の大当り遊技が、入球率向上状態が生起されていないときに行われた大当り抽選に当選したことを契機として生起された大当り遊技である場合、右打ち画像Rgが第2演出領域Tr2に収まる大きさの最大の大きさで表示される場合がある。
具体的には、生起中の大当り遊技において大入賞装置20が長開放時間だけ開放される場合、当該大当り遊技における最初の大入賞装置20の長開放時間の開放が開始されることを契機に、右打ち画像Rgが第2演出領域Tr2に表示される。そして、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgが表示されてから切替時間(例えば、10秒)が経過すると、第2演出領域Tr2における右打ち画像Rgの表示が終了され、第1演出領域Tr1に収まる大きさの最大の大きさで右打ち画像Rgが表示される。
なお、「長開放時間だけ大入賞装置20が開放される場合」とは、長開放時間だけ大入賞装置20が開放可能であることを意味し、本実施形態においては、規定時間として長開放時間が設定されている大入賞装置20の開放を意味する。つまり、大入賞装置20が開放されてから長開放時間が経過するまでの間に、規定個数の遊技球が大入賞装置20へ入球した場合には、大入賞装置20が閉鎖状態となるため、必ずしても長開放時間だけ大入賞装置20が開放されることを意味しない。
以下、報知演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、入球率向上状態の生起中、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起されない場合、当該大当り遊技の終了に伴って、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させて第1内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技終了後から大当り抽選に当選することなく入球率向上回数の図柄変動ゲームの実行が終了したことを契機に入球率向上状態が終了する場合、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させて第1内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させた場合、所定時間の計測を開始する。そして、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させてから所定時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、左打ち画像Lgと右打ち画像Rgを表示させない態様での第1内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技の生起中、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
但し、演出制御用CPU31aは、入球率向上状態が生起されていないときに生起させることが決定された大当り遊技の生起中において、最初の長開放時間の大入賞装置20の開放開始を契機として、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させて第2内容の報知演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。それとともに、演出制御用CPU31aは、切替時間の計測を開始する。そして、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させてから切替時間が経過すると、演出制御用CPU31aは、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させることを終了し、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
なお、本実施形態において、報知演出を実行する演出表示装置11が、報知演出実行手段として機能する。また、本実施形態において、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示して行われる第2内容の報知演出が、第1領域報知演出に相当する。また、本実施形態において、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示して行われる第2内容の報知演出が、第2領域報知演出に相当する。
ここで、図5(a),(b)に基づき、入球率向上状態が生起されていないときに行われた大当り抽選に当選した場合であって、当該当選を契機として第1の実質5R大当りに基づく大当り遊技が生起された際の、大入賞装置20の開放状態及び閉鎖状態と、報知演出の演出態様について説明する。
第1の実質5R大当りに基づく大当り遊技では、1回目の開放遊技が、最初の長開放時間の大入賞装置20の開放に相当する。
したがって、図5(a)に示すように、第1の実質5R大当りに基づく大当り遊技の1回目の開放遊技が開始されると切替時間が経過するまでの間、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgが表示され、第2内容の報知演出が行われる。このように、大きい領域を使用して報知演出を実行することにより、第2流下ルートR2を流下させるように遊技球の発射を遊技者に促し易くなる。
その後、図5(b)に示すように、切替時間の経過後は、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgが表示され、第2内容の報知演出が行われる。このように、報知演出に使用する領域を小さくすることにより、他の演出を実行する領域を大きくすることができる。
なお、図示しないが、第1の実質5R大当りに基づく大当り遊技の終了後は入球率向上状態が生起されるため、大当り遊技の終了後も第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgが表示される第2内容の報知演出が継続して行われることになる。
因みに、図5に示す大当り遊技が第2の実質大当りに基づく大当り遊技である場合、大当り遊技の終了後に入球率向上状態が生起されない。このような場合には、大当り遊技の終了に伴い、大当り遊技終了後から所定時間が経過するまで、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgが表示され、第1内容の報知演出が行われる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)大当り遊技が生起されているときは、第2流下ルートR2(第2のルート)を流下させるように遊技球の発射を促す報知演出が行われる。更に、長開放時間の大入賞装置20の開放を含む種類の大当り遊技(例えば、第1の実質5R特定大当り)では、大入賞装置20の開放時間が長くなるときに、当該開放の開始を契機に第1演出領域Tr1よりも広い第2演出領域Tr2にて報知演出が行われる。このため、大入賞装置20が長く開放されることを遊技者に認識させ易い。
その後、切替時間が経過すると、第2演出領域Tr2での第2内容の報知演出が終了し、第1演出領域Tr1にて第2内容の報知演出が行われる。この結果、報知演出が行われる領域以外の領域が拡大され、報知演出を実行させながら当該報知演出以外の演出を実行する領域が拡大される。このため、遊技球を流下させることを促すルートを遊技者に認識させつつ、報知演出以外の演出の設計の自由度が阻害されることを抑制することができる。
(2)特別入賞手段としての大入賞装置20の全ての開放時間が短開放時間(第1時間)となる大当り遊技(第1当り遊技)では、第1演出領域Tr1にて報知演出が行われる。このため、長開放時間だけ大入賞装置20が開放されない場面であっても最初から報知演出以外の演出で遊技者を楽しませることができるように報知演出以外の演出を設計することができる。それとともに、報知演出以外の演出の設計の自由度が阻害されてしまうことも抑制できる。
(3)大当り遊技(当り遊技)の終了後に入球率向上状態が生起されない場合には、当該大当り遊技の終了に伴って第1流下ルートR1(第1のルート)を流下させるように遊技球の発射を促す第1内容の報知演出が行われる。このため、大当り遊技の終了に伴って、遊技球を流下させるルートが変化する場合であっても、遊技球を流下させることが好ましいとされるルートを遊技者に認識させることができる。
(4)入球率向上状態と大当り遊技(当り遊技)が繰り返されるとき(所謂、連荘状態)には、遊技球を流下させるルートが変更されない。このような場合には、長開放時間だけ大入賞装置20が開放される大当り遊技(第2当り遊技)の生起中であっても、第1演出領域Tr1にて第2内容の報知演出が行われる。このため、連荘状態では、報知演出の実行によって、報知演出以外の演出の設計の自由度を阻害することなく、より効果的に興趣を向上させるための演出の設計を行うことができる。
(5)中央領域Tcを含む第2演出領域Tr2にて報知演出を行う際には、どのルートを流下させるように遊技球の発射を促しているかを効果的に遊技者に把握させることができる。一方、中央領域Tcを含まない第1演出領域Tr1で報知演出を行う際には、報知演出以外の演出を、中央領域Tcを含む領域で行うように設計することができ、当該報知演出以外の演出で効果的に興趣を向上させることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第2流下ルートR2を流下するように遊技球が発射されていることを特定可能に構成してもよい。例えば、第2流下ルートR2を流下するように遊技球が発射されるときにのみ入球が想定されているゲート23への入球をゲートスイッチSW4によって検知することにより、第2流下ルートR2を流下するように遊技球が発射されていることを特定するように構成してもよい。更に、大当り遊技において最初の長開放時間の大入賞装置20の開放開始を契機に第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させる場合、当該第2演出領域Tr2での右打ち画像Rgの表示を、第2流下ルートR2を流下するように遊技球が発射されていることを特定するまで継続するように構成してもよい。このように構成する場合には、第2流下ルートR2を流下させるように遊技球が発射されるまで、大きく右打ち画像Rgを表示して第2流下ルートR2を流下させるように遊技球の発射を確実に促すことができる。このように構成する場合、ゲート23が発射特定手段として機能する。そして、「大当り遊技において最初の長開放時間の大入賞装置20の開放開始を契機に第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させてから、第2流下ルートR2を流下するように遊技球が発射されていることを特定するまで」の時間が、切替時間に相当する。
・上記実施形態において、短開放時間だけ大入賞装置20の開放が開始される際には第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させ、長開放時間だけ大入賞装置20の開放が開始される際には第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させるように構成してもよい。このように、特別入賞手段としての大入賞装置20が開放される(開放可能な)時間に合わせて実行する報知演出を異ならせることで、大入賞装置20の開放時間に合わせて、報知演出以外の演出を設計することができる。つまり、大入賞装置20の開放時間に合わせて報知演出以外の演出を設計することで、大入賞装置20の開放時間に合った内容での演出によって、更なる興趣の向上を図ることができる。
・上記実施形態において、大当り遊技終了後に入球率向上状態が生起されない場合、当該大当り遊技終了に伴って、前記大当り遊技の終了よりも前のタイミング(例えば、最終回の開放遊技が終了したタイミング)から、左打ち画像Lgを表示させる態様での第1内容の報知演出の実行を開始してもよい。そして、第1内容の報知演出の開始から所定時間が経過後に、左打ち画像Lgと右打ち画像Rgを表示させない態様での第1内容の報知演出の実行に切り替えてもよい。
・上記実施形態において、第1流下ルートR1を流下する遊技球がゲート23へ入球し得るように、遊技盤YBにおけるゲート23の配置を変更してもよい。このように構成する場合には、第1流下ルートR1を流下するように遊技球を発射させた場合でも、当該遊技球が下始動入球装置17へ入球することが想定可能となる。
・上記実施形態において、切替時間を変更してもよい。例えば、大当り遊技において最初に長開放時間が規定時間として定められた開放遊技が終了するまでの時間を、切替時間として定めてもよい。
・上記実施形態において、規定時間として短開放時間を定めた開放遊技と、規定時間として長開放時間を定めた開放遊技と、の両方の開放遊技が行われる大当り遊技(上記実施形態では、実質5R非特定大当り等)において、開放遊技が行われる順序を変更してもよい。例えば、大当り遊技において、規定時間として短開放時間が定められた開放遊技の全てが行われた後に、規定時間として長開放時間が定められた開放遊技が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、規定時間として短開放時間を定めた開放遊技が行われないように構成してもよい。
・上記実施形態において、全ての大入賞装置20の開放時間(開放可能な上限時間)として短開放時間が定められた大当り遊技(上記実施形態では、短縮特定大当り)を備えなくてもよい。
・上記実施形態において、第1演出領域Tr1は、中央領域Tcを含む領域であってもよい。同様に、第2演出領域Tr2は、中央領域Tcを含まない領域であってもよい。
・上記実施形態において、大当り遊技の生起中にのみ報知演出を実行するように構成してもよい。すなわち、入球率向上状態が生起されているときには報知演出を行わないように構成してもよい。このように構成する場合、左打ち画像Lgと右打ち画像Rgが演出表示装置11に表示されない状況は、第1内容の報知演出が実行されている状況には相当せず、報知演出が実行されていないことに相当する。
・上記実施形態において、入球率向上状態が生起されているときに行われた大当り抽選に当選したことを契機とする大当り遊技の生起中であっても、長開放時間だけ大入賞装置20が開放されるとき(開放可能なとき)は、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示するように構成してもよい。更に、このように構成する場合、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させてから、切替時間が経過することを契機に、第1演出領域Tr1に右打ち画像Rgを表示させるように構成してもよい。
・上記実施形態において、右打ち画像Rgのみを表示するように構成してもよい。すなわり、左打ち画像Lgを表示させて行われる報知演出を実行しないように構成してもよい。
・上記実施形態において、切替時間が経過するまでの間や、切替時間の経過後において、右打ち画像Rgが断続的に表示されるように構成してもよい。このように構成する場合、右打ち画像Rgは、演出表示装置11において点滅しているかのように表示されることで、より遊技者の視界に入りやすくすることができる。なお、遊技者に認識させることを主目的とする状況、つまり、第2演出領域Tr2に右打ち画像Rgを表示させるときにのみ、右打ち画像Rgを断続的に表示させてもよい。
・上記実施形態において、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの実行が終了してから所定時間が経過するまでの間、変動パターン指定コマンドを入力しなかった場合、待機状態が生起されていることを特定し、待機演出の実行を開始するように構成してもよい。この場合、デモ信号を主制御用CPU30aが出力するように構成しなくてもよい。
・上記実施形態において、第2流下ルートR2を流下する遊技球が上始動入球装置15へ入球し得るように、遊技盤YBにおける上始動入球装置15の配置を変更してもよい。
・上記実施形態において、第2流下ルートR2を流下する遊技球のみが下始動入球装置17へ入球し得るように、遊技盤YBにおける下始動入球装置17の配置を変更してもよい。
・上記実施形態の遊技盤YBにおいて、特別入賞手段となる大入賞装置20を、第1流下ルートR1と第2流下ルートR2のうち何れか一方のルートを流下する遊技球のみ入球可能な位置に配設してもよい。例えば、遊技盤YBにおいて、第2流下ルートR2を流下する遊技球のみ入球可能に大入賞装置20を配置してもよい。
・上記実施形態において、報知演出は、演出表示装置11における画像表示によるものでなくても、例えば、複数の装飾ランプLaのような発光装置を用いて、報知演出を実行するように構成してもよい。このように構成する場合には、報知演出を行う際に使用する発光装置の量によって、演出領域の大小を異ならせてもよい。
・上記実施形態における第1演出領域Tr1と第2演出領域Tr2は、四角形で示したが、表示される画像Lg,Rgの外形に沿った形状であってもよい。また、演出領域の大きさや形状は、表示される画像の大きさや形状と、一緒であってもよい。但し、第1演出領域Tr1の面積は、第2演出領域Tr2の面積よりも小さいことが望ましい。
・上記実施形態において、入球率向上状態が生起されていない通常時の遊技状態において、左打ち画像Lgを継続的に表示するように構成してもよい。このように構成する場合、図柄変動ゲームの邪魔にならないように、左打ち画像Lgを表示する演出領域の大きさや位置を変更することが好ましい。例えば、入球率向上状態が終了してから所定時間が経過するまでは第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgを表示させ、前記所定時間の経過後は、第2演出領域Tr2とは異なる領域に左打ち画像Lgを表示させたり、左打ち画像Lgの大きさを小さくしたりしてもよい。なお、「第2演出領域Tr2とは異なる領域」としては、例えば、図柄変動ゲームを行う上で煩わしくない領域等(例えば、画像表示部GHの左下端の領域)が考えられる。
・上記実施形態において、第1演出領域Tr1に左打ち画像Lgや右打ち画像Rgが表示される際の、各画像Lg,Rgの大きさは、第1演出領域Tr1に収まる大きさであれば、第1演出領域Tr1に収まる大きさのうち最大の大きさに限らない。同様に、第2演出領域Tr2に左打ち画像Lgや右打ち画像Rgが表示される際の、各画像Lg,Rgの大きさは、第2演出領域Tr2に収まる大きさであれば、第2演出領域Tr2に収まる大きさのうち最大の大きさに限らない。
・上記実施形態において、1回の開放遊技において大入賞装置20が開放状態となる回数が複数回であってもよい。
・上記実施形態において、高確率抽選状態の終了条件を変更してもよい。例えば、大当り遊技が生起されることによって成立する終了条件のみを高確率抽選状態の終了条件として定めてもよい。
・上記実施形態において、左打ち画像Lgや右打ち画像Rgの意匠を変更してもよい。また、左打ち画像Lgや右打ち画像Rgを表示させる各演出領域Tr1,Tr2の大きさや、各演出領域Tr1,Tr2の位置を変更してもよい。但し、第2演出領域Tr2の大きさは、第1演出領域Tr1の大きさよりも大きいことが好ましい。
・上記実施形態において、待機演出を行わなくてもよい。
・上記実施形態における特定図柄組み合わせは、はずれの図柄組み合わせに含まれない図柄組み合わせであってもよい。
・上記実施形態において、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選で決定される大当りの種類が同じであってもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類を変更してもよい。例えば、第1の大当り抽選と第2の大当り抽選のうち何れに当選した場合であっても、15R特定大当りと15R非特定大当りのうち何れか一方のみが生起されるように構成してもよい。
・上記実施形態を、小当り抽選(当り抽選)を行う遊技機に適用してもよい。この小当り抽選は、取得した当り判定用乱数の値が大当り判定値とは異なる値で定めた小当り判定値と一致する場合に「当選」する抽選としてもよい。そして、小当り抽選に当選した際には、大入賞装置20を開放する小当り遊技(当り遊技)が生起されるように構成してもよい。更に、小当り遊技における大入賞装置20の開放状態と閉鎖状態の態様を、短縮特定大当りにおける大入賞装置20の開放状態と閉鎖状態の態様と、見た目上又は制御上、略同一の態様に設計してもよい。このように構成する場合には、小当り遊技も、第1当り遊技に相当する。更に、小当り遊技の生起中は、右打ち画像Rgを表示するように構成してもよい。このとき、右打ち画像Rgを第1演出領域Tr1に表示させるように構成してもよい。なお、主制御用CPU30aが小当り抽選を行うように構成する場合には、当該主制御用CPU30aが当り抽選手段として機能する。
・上記実施形態において、大当りとなる図柄変動ゲームの実行中から、右打ち画像Rgの表示を開始するように構成してもよい。このとき、右打ち画像Rgは、第1演出領域Tr1と第2演出領域Tr2の何れに表示するように構成してもよい。また、図柄変動ゲームの実行中から右打ち画像Rgを表示させる際、大当りの図柄組み合わせが導出された後のタイミングから右打ち画像Rgを表示させることが好ましい。
・上記実施形態の遊技盤YBにおいて、アウト口HKを複数形成してもよい。例えば、遊技盤YBにおいて、第1流下ルートR1を流下する遊技球が主に入球する第1のアウト口と、第2流下ルートR2を流下する遊技球が主に入球する第2のアウト口と、を形成してもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプLa及びスピーカSpをそれぞれ専用のCPUによって制御するように構成してもよい。このとき、各CPUは、単一の制御基板上に設けてもよいし、異なる制御基板上に設けてもよい。また、各CPUを設けることに伴い、各CPUがそれぞれ管理するROMやRAMを設けてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第2のルートを遊技球が流下していることを特定可能な発射特定手段を備え、前記切替時間は、前記発射特定手段によって前記第2のルートを遊技球が流下していることが特定されるまでの時間であることを特徴とする遊技機。
(ロ)前記報知演出実行手段は、前記当り遊技の生起中、前記第1時間の前記特別入賞手段の開放が開始されることを契機に前記第1領域報知演出の実行を開始し、前記第2時間の前記特別入賞手段の開放が開始されることを契機に前記第2領域報知演出の実行を開始することを特徴とする遊技機。
(ハ)前記第1演出領域は、前記演出領域の中央に規定される中央領域を含まない領域であり、前記第2演出領域は、前記中央領域を含む領域であることを特徴とする遊技機。
(ニ)遊技盤と、前記遊技盤に配置された始動入球手段と、前記始動入球手段に遊技球が入球したことを契機として、当りか否かの当り抽選を行う当り抽選手段と、前記当り抽選に当選したことを契機に、前記特別入賞手段の開放及び閉鎖を制御して当り遊技を生起させる当り遊技生起手段と、演出領域を有し、当該演出領域内で報知演出を実行する報知演出実行手段と、を備え、前記当り遊技生起中における前記特別入賞手段の開放には、前記特別入賞手段の開放時間として第1時間が定められた第1開放と、前記特別入賞手段の開放時間として前記第1時間よりも長い第2時間が定められた第2開放と、が含まれ、前記遊技盤には、発射された遊技球がアウト口に向かって流下する第1のルートと、前記第1のルートとは異なるルートであってアウト口に向かって流下する第2のルートと、が規定され、前記第2のルートを流下させるように遊技球の発射を促す報知演出には、前記演出領域のうち第1演出領域で実行する第1領域報知演出と、前記演出領域のうち前記第1演出領域よりも広い第2演出領域で実行する第2領域報知演出と、が含まれ、前記報知演出実行手段は、前記当り遊技の生起中、最初の前記第2開放が開始されてから切替時間が経過するまでは前記第2領域報知演出を実行し、前記切替時間の経過後は前記第1領域報知演出を実行することを特徴とする遊技機。