以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図12にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠Y1の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠Y2が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠Y2の前面側には前枠Y3が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠Y3は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠Y2に重なるように組み付けられている。
前枠Y3は、中央部に窓口Y3aを有するとともに、該窓口Y3aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)Y4を一体成形した構成とされている。前枠Y3の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口Y3aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠Y2に装着される。
また、中枠Y2の前面側であって前枠Y3の下部には、上皿Y4から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)Y5が装着されている。また、中枠Y2の前面側であって下皿Y5の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作(発射操作)される遊技球発射用の発射装置Y6が装着されている。遊技者が発射装置Y6の発射ハンドルY6aを把持して回動操作すると、上皿Y4に貯留されている遊技球が1球ずつ機内部に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量に応じて発射の強弱が設定される。具体的に言えば、遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量が大きくなるにしたがって発射強度が増加し、遊技盤YBの右方領域に到達し易くなる。一方、遊技球は、発射ハンドルY6aの回動量が小さくなるにしたがって発射強度が減少し、遊技盤YBの左方領域に到達し易くなる。
次に、遊技盤YBの構成を、図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドルY6aの操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域YBaを形成する誘導レールYRが円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レールYRによって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の発射レールとしての誘導路YRaが形成されるとともに、誘導レールYRの内側にほぼ円形の遊技領域YBaが形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レールYRの外側となる遊技領域YBa外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域YBbとされている。
なお、誘導路YRaの最下流には、遊技領域YBaに発射された遊技球が誘導路YRaに逆戻りすることを防止する逆戻り防止手段としての逆戻り防止弁YRbが設けられている。逆戻り防止弁YRbは、誘導路YRaの最下流に位置する誘導レールYRの先端に固定されている。そして、発射ハンドルY6aの操作によって発射された遊技球は、誘導路YRaによって誘導されるとともに、その誘導路YRaの最下流に位置する逆戻り防止弁YRbを通過することによって遊技領域YBaに到達する。つまり、遊技盤YBでは、誘導路YRaと遊技領域YBaの境界に逆戻り防止弁YRbが配置されており、この逆戻り防止弁YRbの配設部位が、発射された遊技球を遊技領域YBaに導入する導入部となる。なお、誘導路YRa、すなわち逆戻り防止弁YRbよりも下流側は、非遊技領域YBbとされる。
遊技盤YBの遊技領域YBaのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)HWが装着されている。表示枠体HWの略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口HWaが形成されており、当該セット口HWaに整合して表示枠体HWには液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が装着されている。
また、表示枠体HWの右下方であって、左サイド飾り部材SKには、7セグメント型の特別図柄表示装置12aが配設されている。特別図柄表示装置12aでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、当りか否かの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。特別図柄表示装置12aには、複数種類の特図の中から、当り抽選(大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となるはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、当り遊技(大当り遊技)が付与される。
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾図が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、及び特別図柄表示装置12aにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、特別図柄表示装置12aに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。
特別図柄表示装置12aの下方には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13aが配設されている。特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「特図保留記憶数」と示す。特図保留記憶数は、遊技盤YBに配設した始動手段としての第1始動入賞口16又は第2始動入賞口17に遊技球が入球(入賞)することで「1」加算される一方で、特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、特図変動ゲーム中に第1始動入賞口16又は第2始動入賞口17へ遊技球が入球すると、特図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。特図保留記憶数は、実行保留中の特図変動ゲームの実行回数を示す。
また、画像表示部GHの下方には、特図保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域Qが形成されている(図1に図示する)。保留画像表示領域Qは、特図保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を含んで構成されている。そして、特図保留記憶数が「1」の場合には、1つの個別表示領域が保留無表示の態様から保留有表示の態様で画像表示される。また、特図保留記憶数が「2」の場合には、2つの個別表示領域が、保留無表示の態様から保留有表示の態様で画像表示される。また、特図保留記憶数が「3」の場合には、3つの個別表示領域が、保留無表示の態様から保留有表示の態様で画像表示される。また、特図保留記憶数が「4」の場合には、4つの個別表示領域が、保留無表示の態様から保留有表示の態様で画像表示される。なお、特別図柄保留表示装置13aの表示内容と、保留画像表示領域Qの表示内容は、通常、同じ特図保留記憶数に基づいて制御されていることから同一表示内容(同一の特図保留記憶数)を示すことになる。
また、特別図柄表示装置12aの左方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
普通図柄表示装置14の下方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置15が配設されている。普通図柄保留表示装置15は、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤YBに配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19へ遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。普図保留記憶数は、実行保留中の普図ゲームの実行回数を示す。
また、表示枠体HWには、遊技球を転動可能なステージSTが、演出表示装置11の下方に位置するように表示枠体HWの左右方向に延設されている。また、表示枠体HWには、ステージSTの左方に接続される図示しないワープ路と、そのワープ路の入口となるワープ入球口Wが開口形成されている。
そして、遊技盤YBには、ステージSTのほぼ中央であって、ステージSTから排出される遊技球の排出口STaの直下に位置するように、遊技球の入球口としての第1入賞口16a(第1入球口)を有する第1始動入賞口16が配設されている。第1始動入賞口16の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図5に示す)が配設されている。第1始動入賞口16は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、遊技盤YBには、第1始動入賞口16の直下に、遊技球の入球口としての第2入賞口17a(第2入球口)を有する第2始動入賞口17が配設されている。第2始動入賞口17は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図5に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根18を備えている。第2始動入賞口17は、開閉羽根18の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開放状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根18の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉鎖状態(第2状態)とされる。すなわち、開閉羽根18は、第2始動入賞口17の第2入賞口17aを、遊技球が入球し難い閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。そして、第2始動入賞口17の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図5に示す)が配設されている。第2始動入賞口17は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、表示枠体HWには、演出表示装置11の左方に、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW5(図5に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW5で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口17の開閉羽根18を開放状態とするか否か(第2始動入賞口17に遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると、開閉羽根18の開放によって第2始動入賞口17に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、本実施形態の遊技盤YBには、第1の入賞手段としての左大入賞口20と、第2の入賞手段としての下大入賞口21とが、配設されている。左大入賞口20は、表示枠体HWの左方であって、作動ゲート19よりも演出表示装置11寄りに配設されている。左大入賞口20は、「龍」を模した可動装飾部材として構成されており、その上顎部が、大入賞口ソレノイドSOL2(図5に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉20aとされている。そして、図2の拡大図に示すように、左大入賞口20は、「龍」が開口するイメージで上顎部(大入賞口扉20a)が開動作すると、遊技球の入球口20bが開放し、遊技球の入球が許容される。また、左大入賞口20の裏側には、入球口20bに入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に通出させる通出路20dが配設されている。この通出路20dは、上顎部が開動作した際に、丁度、「龍」の口内に位置するように配置されている。このため、左大入賞口20の開動作時に入球した遊技球が通出路20dを通過すると、その遊技球によって「龍」が玉をくわえているかのように視認し得る。また、左大入賞口20は、その上顎部(大入賞口扉20a)の一部が、演出表示装置11(画像表示部GH)の前面に重合するように配設されている。
一方、下大入賞口21は、第2始動入賞口17の下方に配設されている。下大入賞口21は、正面視横長矩形状に形成されており、大入賞口ソレノイドSOL3(図5に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21aを備えている。下大入賞口21は、大入賞口扉21aが開動作すると、図示しない遊技球の入球口が開放され、遊技球の入球が許容される。
左大入賞口20と下大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3,SW4(図5に示す)がそれぞれ配設されている。左大入賞口20と下大入賞口21は、入球した遊技球をカウントスイッチSW3,SW4で検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。左大入賞口20と下大入賞口21は、大当り遊技中に大入賞口扉20a,21aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、表示枠体HWの左下方には、今回付与される大当り遊技の規定ラウンド数、すなわち今回の大当り遊技で行われるラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド報知装置RHが設けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、規定ラウンド数を「16回」又は「9回」に設定した大当り遊技が付与される。そして、ラウンド報知装置RHには、規定ラウンド数を「16回」に設定した大当り遊技が付与されること、又は規定ラウンド数を「9回」に設定した大当り遊技が付与されることを報知する報知部が設けられている。これらの報知部は、LEDによって構成されており、大当りの当選によって大当り遊技の開始とともに該当する報知部が点灯される。
また、遊技盤YBの最下方中央には、遊技球をアウト球として機外に排出するアウト口22が配設されている。また、遊技盤YBには、遊技領域YBaに発射された遊技球を流下案内するとともに、その遊技球の流下方向を変更させる流下方向変更手段としての遊技釘23や風車24が植設されている。そして、遊技釘23や風車24は、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、作動ゲート19、左大入賞口20、下大入賞口21などの各種の入球装置、ワープ入球口W、アウト口22に遊技球を流下案内するように植設されている。なお、前述した各種の入球装置、ワープ入球口W、ステージST、遊技盤YBに配設された各種のランプ部材も、流下方向変更手段となる。
本実施形態の遊技盤YBには、逆戻り防止弁YRbを遊技球の流下経路の上流側とした時、その上流側から作動ゲート19、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17及びアウト口22の順に配設されている。また、本実施形態の遊技盤YBには、逆戻り防止弁YRbと下大入賞口21との間、より詳しく言えば、作動ゲート19と第2始動入賞口17(第1始動入賞口16)の間に左大入賞口20が配設されている一方で、第2始動入賞口17とアウト口22の間に下大入賞口21が配設されている。すなわち、本実施形態の遊技盤YBでは、左大入賞口20が、下大入賞口21に比して、逆戻り防止弁YRbの配設部位(遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動するための入口部に相当する)の近くに配設されている。
そして、本実施形態の遊技盤YBの構成では、逆戻り防止弁YRbを通過して遊技領域YBaに到達した遊技球が、アウト口22を遊技球の流下経路における最下流として流下する。このとき、遊技球は、遊技盤YBに配設された流下方向変更手段によって流下方向を変更されながら流下する。そして、本実施形態の遊技盤YBでは、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路と、左大入賞口20の配設位置から下大入賞口21に至る流下経路のそれぞれに配設されている流下方向変更手段の配設量を比べると、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路の方がその配設量は少ない。つまり、逆戻り防止弁YRbから左大入賞口20に至る流下経路には、遊技球が流下するにあたって障害物となり得る流下方向変更手段の配設量が少なくなっている。したがって、本実施形態の遊技盤YBでは、左大入賞口20の方が下大入賞口21に比べて、逆戻り防止弁YRbを通過した遊技球の到達時間が早くなる。そして、この到達時間の差は、左大入賞口20の開閉動作による当り遊技に必要な時間(開始から終了までの時間)と、下大入賞口21の開閉動作による当り遊技に必要な時間の差に現れることになる。すなわち、本実施形態では、当り遊技を同一条件(ラウンド遊技の回数やラウンド遊技の終了条件)とした場合、左大入賞口20の開閉動作による当り遊技の方が、下大入賞口21の開閉動作による当り遊技よりも消化時間が短くなる(又は短くなる可能性が高い)。また、左大入賞口20は、下大入賞口21に比べて流下経路の長さや到達時間が短いことから、発射された遊技球が大入賞口へ入球しない無駄球の発生が少なく、その結果、獲得可能な賞球数が多くなり易い。その逆に、下大入賞口21は、左大入賞口20に比べて獲得可能な賞球数が少なくなり易い。なお、獲得可能な賞球数とは、大入賞口への入球個数に払出数を乗算した総払出数から遊技球の発射個数を減算した数である。
また、本実施形態の遊技盤YBでは、遊技盤YBを正面視して左右に2等分すると、その左方領域に左大入賞口20が配設されている。一方、下大入賞口21は、左右2等分線を跨ぐように配設されており、その左半分(一部)が左方領域に配設されている。このように遊技盤YBに配置した本実施形態の左大入賞口20と下大入賞口21は、遊技者から見て遊技領域YBaの左方領域を流下する遊技球が入球可能とされる。つまり、遊技領域YBaに発射された遊技球のうち、右方領域を流下する遊技球は、左大入賞口20へ入球不能とされる。そして、左大入賞口20と下大入賞口21は、何れも逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に配設されている。このため、本実施形態では、何れの大入賞口も左方領域を流下する遊技球が入球可能に配設されていることによって、当り遊技中と非当り遊技中、及び開閉動作する大入賞口が異なっても、発射ハンドルY6aの操作量(遊技球の発射強度)を大幅に変更する必要がない。さらに、本実施形態では、何れの大入賞口も逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に配設されている。このため、非当り遊技中に第1始動入賞口16や第2始動入賞口17を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルY6aの操作量と、当り遊技中に左大入賞口20や下大入賞口21を狙って遊技球を発射させるための発射ハンドルY6aの操作量を、大幅に変更する必要がない。
因みに、右方領域に右打ちのための大入賞口を配設した場合は、当り遊技中と非当り遊技中、及び開閉動作する大入賞口が異なることで、遊技球を左方領域に発射させるときと右方領域に発射させるときが生じ、発射ハンドルY6aの操作量を大幅に変更させる必要が生じ得る。また、左方領域に大入賞口を配設した場合であっても、その大入賞口が、逆戻り防止弁YRbの配設部材よりも上方に配設されている場合は、発射ハンドルY6aの操作量を若干、強めに変更させる必要が生じ得る。その理由は、遊技球の発射強度が弱い場合、逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも下方に遊技球は流下するが、逆戻り防止弁YRbの配設部位よりも上方の大入賞口に到達しない可能性があるからである。
また、本実施形態の遊技盤YBは、作動ゲート19の周辺に植設された遊技釘23b(図2の拡大図に示す)により、作動ゲート19へ向かって流下する遊技球、又は作動ゲート19を通過した遊技球が、左大入賞口20側へ流れ易くなっている。本実施形態の左大入賞口20は、前述したように、遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動する入口部(逆送り防止弁YRb)の近くに配設されている。また、同様に作動ゲート19も、前記入口部の近くに配設されている。そして、遊技盤YBにおいて作動ゲート19と左大入賞口20は、隣り合うように近くに配設されている。このため、遊技領域YBaに到達した遊技球は、作動ゲート19に向かって流下することになるが、それとともに作動ゲート19の右上部に植設されている遊技釘23bにより、左大入賞口20側へ流れるようになる。つまり、左大入賞口20の開放時、遊技球は、作動ゲート19へ向かう経路を取り得ることで、左大入賞口20に入球可能な経路を取り得る。また、左大入賞口20の入球口20bは、作動ゲート19の下方に位置している。このため、作動ゲート19を通過した遊技球は、作動ゲート19の右下部に植設されている遊技釘23bにより、左大入賞口20側へ流れるようになる。つまり、本実施形態の遊技盤YBでは、作動ゲート19に入球する前の遊技球、及び入球した後の遊技球の何れも、左大入賞口20へ流れる経路を取り得る。
また、本実施形態において作動ゲート19と左大入賞口20は、何れも表示枠体HWに取り付けられる部材(表示枠体HWの構成部材)とされている。そして、図2の拡大図に示すように、左大入賞口20の入球口20bの周辺部は、表示枠体HWとされているから、遊技釘を植設し得ない。このため、左大入賞口20に対する遊技球の流下経路の調整は、作動ゲート19周辺に植設されている遊技釘23(23b)によって行うことになる。しかし、本実施形態の構成によれば、左大入賞口20への遊技球の流下規制を行うように遊技釘23bを調整すると、作動ゲート19側へ遊技球が流下し易くなる。一方、本実施形態の構成によれば、作動ゲート19への遊技球の流下規制を行うように遊技釘23bを調整すると、左大入賞口20側へ遊技球が流下し易くなる。つまり、本実施形態の構成は、作動ゲート19及び左大入賞口20の何れに対しても流下規制を行い難いゲージ構成となっている。換言すれば、本実施形態の構成は、作動ゲート19及び左大入賞口20の何れに対してもバランス良く遊技球を流下させることが可能なゲージ構成となっている。一方、下大入賞口21は、その周辺に遊技釘23などの流下方向変更手段が多く配設されているので、左大入賞口20に比べて流下規制が行い易い。
また、本実施形態の遊技盤YBの左方領域は、表示枠体HWの外郭形状により、遊技球の流下経路の上流部から下流部に向かって流下経路の領域(左右幅、領域面積)が大きくなっている。つまり、逆戻り防止弁YRb、作動ゲート19及び左大入賞口20の配設部材である前記上流部は、流下経路の領域が小さくなっている(又は狭くなっている)。このため、遊技球の流下をスムーズに行う観点からすると、流下経路の領域が小さい上流部への流下方向変更手段(遊技釘23など)の配設量は限られることになる。すなわち、遊技球にとって障害物となり得る流下方向変更手段の配設量を多くすると、遊技球の流下が妨げられる。これに対して、前記下流部は、流下経路の領域も大きく、また最終的に遊技球をアウト口22へ流下させる必要性から、流下方向変更手段の配設量も多くなる。したがって、流下経路の領域が小さくなっている上流側に配設した左大入賞口20は、流下経路の領域が大きくなっている下流側に配設した下大入賞口21に比して、入球させ易い大入賞口とされる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な遊技特典としての確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、本実施形態において確変状態は、次回の大当りが生起されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の抽選確率状態が低確率状態から高確率状態に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利であり、遊技者は、確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後に、遊技者に有利な遊技特典としての変動時間短縮状態(以下、「変短状態」と示す)が付与される場合がある。変短状態では、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態(以下、「非変短状態」と示す)と比べて、特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)の変動時間が短縮される場合がある。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が、非変短状態と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り抽選の抽選確率状態(当選確率)が低確率状態から高確率状態に変動する。また、変短状態では、普図当り抽選に当選した際、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根18の開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。本実施形態において変短状態は、予め定めた変短上限回数(本実施形態では、30回又は次回の大当りに当選するまで)の特図変動ゲーム(及び飾図の図柄変動ゲーム)が終了する迄の間、又は変短上限回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。変短状態は、開閉羽根18が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口17への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根18の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について図3にしたがって説明する。
大当り遊技は、特図変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その特図変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、16ラウンド又は9ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)の開閉動作が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す4種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。4種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。
図柄Aの大当りは、16ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。なお、図3中の「R」は、ラウンドを示す。また、以下の説明では、図柄Aの大当りを「大当りA」と示す場合がある。
図柄Bの大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Bの大当りを「大当りB」と示す場合がある。
図柄Cの大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に高確率状態を付与する。また、図柄Cの大当りは、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄Cの大当りは、予め定めた変短上限回数(30回)の変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Cの大当りを「大当りC」と示す場合がある。
図柄Dの大当りは、9ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に低確率状態を付与する。つまり、図柄Dの大当りは、非確変大当りとなる。一方、図柄Dの大当りは、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に変短状態を付与する。具体的に言えば、図柄Dの大当りは、予め定めた変短上限回数(30回)の変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Dの大当りを「大当りD」と示す場合がある。
本実施形態において、前述した各大当りに基づく大当り遊技は、図3に示すように、大当り遊技中に開閉動作させる大入賞口(左大入賞口20又は下大入賞口21)の種類と、ラウンド数、大当り遊技終了後の遊技特典(確変状態と変短上限回数)の付与態様の相違によって区別される。
本実施形態において、大当りAに基づく大当り遊技は下大入賞口21を開閉動作させる大当り遊技である一方で、大当りB〜Dに基づく大当り遊技は左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技である。そして、各大当りに基づく大当り遊技は、何れも各ラウンド(ラウンド遊技)で、大入賞口を1回、所定時間(25秒)開放させる。すなわち、各大当りに基づく大当り遊技は、同一の開閉動作時間で、大入賞口を開閉動作させる。なお、開閉動作時間は上限値であって、開放中に規定個数(本実施形態では9個)の入球がなされた場合には開閉動作時間よりも短い時間の動作となる。
そして、本実施形態の大当りA〜Dは、大当りD<大当りC<大当りB<大当りAの順に有利な大当り、すなわち遊技特典が高特典に設定された大当りとされている。具体的に言えば、大当りAは、他の大当りC〜Dに比して大当り遊技のラウンド数が多く、さらに大当り遊技終了後には高確率状態と変短状態を、次回の大当りに当選するまで付与する。したがって、大当りAは、4種類の大当りA〜Dの中で最も有利な大当りとされる。
大当りBと大当りCは、何れもラウンド数が9回であって、大当り遊技終了後に高確率状態を付与する。しかし、大当りCは、大当り遊技終了後、変短上限回数(30回)の変短状態を付与することから、次回の大当りに当選するまで変短状態を付与する大当りBに比して不利な大当りとなる。したがって、大当りBは、大当りCよりも有利な大当りであって、4種類の大当りA〜Dの中で2番目に有利な大当りとされる。
大当りCと大当りDは、何れもラウンド数が9回であって、大当り遊技終了後に変短上限回数(30回)の変短状態を付与する。しかし、大当りDは、大当り遊技終了後、低確率状態を付与することから、高確率状態を付与する大当りCに比して不利な大当りとなる。したがって、大当りCは、大当りDよりも有利な大当りであって、4種類の大当りA〜Dの中で3番目に有利な大当りとされる。一方、大当りDは、4種類の大当りA〜Dの中で最も不利な大当りとされる。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図5を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板30が配設されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが配設されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ遊技機10の各枠や遊技盤YBに配設されている装飾ランプRB(図5に図示する)の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ遊技機10の各枠に配設されているスピーカSP(図5に図示する)の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。本実施形態では、統括制御基板31、表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34によって副制御手段が構成されている。
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図5を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW5が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12a、特別図柄保留表示装置13a、普通図柄表示装置14、普通図柄保留表示装置15、ラウンド報知装置RH、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り図柄となる特図を決定する場合に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当り抽選で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1582までの全1583通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として4個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の4となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値として40個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は1583分の40となる。また、リーチ判定値は、はずれを決定する場合にリーチを形成するか否かの内部抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜238までの全239通りの整数)の中から定められている。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜232までの全233通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として15個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の15となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として232個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は233分の232となる。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。なお、飾図による図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、大当り図柄を導出させる場合がある。
はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選した場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選、及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
次に、統括制御基板31について図5を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、表示制御基板32について図5を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機10の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づいて実行する特別図柄入力処理、特別図柄開始処理などの各種処理について以下に説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について図4にしたがって説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1、又は第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口16、又は第2始動入賞口17に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する(ステップS2)。特図保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を「1」加算する(ステップS3)。特図保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の特図保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、加算後の特図保留記憶数を指示する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力するように前記保留指定コマンドを送信バッファにセットする。この保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において統括制御基板31に出力される。画像表示部GHの保留画像表示領域Q(個別表示領域)の画像表示は、保留指定コマンドで指示される特図保留記憶数によって表示の態様が制御される。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。本実施形態において、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の各値を取得する。次に、主制御用CPU30aは、後に詳細に説明する事前判定処理を実行し(ステップS5)、特別図柄入力処理を終了する。事前判定処理とは、特別図柄入力処理において第1始動入賞口16又は第2始動入賞口17で入賞検知されたときに取得した当り判定用乱数の値を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンドを生成及び出力するための処理となっている。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件を判定する。この判定結果が肯定(変動ゲーム中、又は大当り遊技中である)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する。特図保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに特図変動ゲームを実行することを示す値「1」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の特図保留記憶数を表示するように特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、減算後の特図保留記憶数を指示する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力するように前記保留指定コマンドを送信バッファにセットする。この保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において統括制御基板31に出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定(大当り抽選)をする。このとき、主制御用CPU30aは、後述する確変フラグの設定値から、現在の遊技状態が確変状態か否かを判定する。そして、主制御用CPU30aは、確変状態の場合、確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を高確率状態として大当り判定を行う。一方、主制御用CPU30aは、非確変状態の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いることで、当選確率状態を低確率状態として大当り判定を行う。
大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特図保留記憶数に対応付けられた特図振分用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分用乱数の値に基づいて、特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。本実施形態では、特図に対して当りの種類が対応付けられていることから、特図を決定することによって当りの種類が決定されることになる。続いて、主制御用CPU30aは、特図の大当り図柄の種類(当りの種類)と、現在の遊技状態に基づき、当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを決定する。続いて、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンを選択すると、特別図柄開始処理を終了する。
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理において、特別図柄開始処理の決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置12aの表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図を確定停止表示させる。
本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄開始処理において当りか否かの当り抽選(大当り抽選)を行う主制御用CPU30aが、当り抽選手段(大当り抽選手段)として機能する。また、前記当り抽選手段の処理が、当り抽選処理となる。また、本実施形態では、メイン制御プログラムに基づき、特別図柄入力処理において、第1始動入賞口16及び第2始動入賞口17に入球した遊技球を始動保留球(保留記憶数)として記憶する主制御用RAM30cが、保留記憶手段として機能する。また、本実施形態では、特図を決定することによって当りの種類(大当りの種類)が決定される。このため、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り種決定手段として機能するとともに、当り種決定手段の処理が当り種決定処理となる。また、本実施形態では、特図を決定することによって当り遊技(大当り遊技)を行う大入賞口が決定されるので、主制御用CPU30aが、何れの入賞手段の開閉動作による当り遊技を付与するか抽選で決定する抽選手段となる。さらに、本実施形態では、特図を決定することによって遊技特典の種類(確変状態か否か、変短状態か否か、変短上限回数)が決定されるから、特図を決定する主制御用CPU30aが、特典決定手段として機能する。
次に、大当り遊技の当り遊技処理と、当り遊技終了後の遊技状態処理について説明する。
主制御用CPU30aは、当り変動の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを統括制御用CPU31aに出力する。また、主制御用CPU30aは、大当りの種類に応じて開閉動作する大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)と開閉動作の態様を特定し、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3に対して制御信号を出力する。前記制御信号は、開信号と閉信号からなる。開信号が出力された場合は、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの開動作が行われる一方で、閉信号が出力された場合は、大入賞口ソレノイドSOL2,SOL3によって大入賞口扉20a,21aの閉動作が行われる。主制御用CPU30aは、大当り遊技毎に、開放動作時間、インターバル時間、及びラウンド遊技の終了条件(規定個数の入球又は規定時間の経過)をもとに、大入賞口の開閉動作を制御する。また、主制御用CPU30aは、開信号及び閉信号の出力とともに、大入賞口の開放指定コマンドと閉鎖指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。なお、開放指定コマンドと閉鎖指定コマンドは、開放動作態様毎に設定されている。
そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって当り遊技を終了させる。また、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技中、大入賞口(左大入賞口20、下大入賞口21)に遊技球が入球し、カウントスイッチSW3,SW4が遊技球を検知する毎に、入球コマンドを統括制御用CPU31aに出力する。入球コマンドは、1球の遊技球の入球があったことを指示する。本実施形態では、主制御用CPU30aが、入賞手段(大入賞口)を開閉動作させる開閉処理を行う開閉制御手段として機能する。また、本実施形態では、主制御用CPU30aは、入賞手段(大入賞口)へ入球があったことを指示する入球指示手段として機能する。
次に、遊技状態処理を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態(高確率状態)を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合(低確率状態)には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、低確+変短なしとなる。本実施形態では、主制御用CPU30aが、確率変動状態を付与する付与手段として機能する。また、本実施形態では、主制御用CPU30aが、変動時間短縮状態を付与する変短付与手段として機能する。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターンの変動内容をもとに、サブ用の変動パターン指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。サブ用の変動パターン指定コマンドは、図柄変動ゲームを構成する変動サイクル単位の変動内容を指示するコマンドである。以下、サブ用の変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンを「サブ変動パターン」と示す。
また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドで指示される特図、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターン、及びサブ変動パターンをもとに、演出表示装置11(画像表示部GH)に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図を生成する。そして、統括制御用CPU31aは、生成した飾図を指示する飾図用の飾図指定コマンドを、各変動サイクルの開始時に、サブ変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドとともに表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。また、統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、開放指定コマンド、閉鎖指定コマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、大当りの種類などを考慮して、これらのコマンドに対応する大当り遊技中の演出を指示する演出指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。
また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、当りの種類をもとに、演出モードの移行を制御する。
本実施形態では、非変短状態時の演出モードとして通常モードが設定されているとともに、変短状態時の演出モードとして高確確定モード及び潜確モードが設定されている。通常モードは、他の演出モードと比較して大当り抽選の当選確率状態が高確率状態である期待度が低い演出モードとされている。高確確定モードは、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態である場合のみに移行可能な演出モードである。本実施形態では、大当りA,Bに当選した場合、大当り遊技終了後に高確確定モードに移行する。潜確モードは、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態及び低確率状態の何れの場合でも移行可能な演出モードである。本実施形態では、大当りC,Dに当選した場合、大当り遊技終了後に潜確モード移行する。
次に、表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
表示制御用CPU32aは、変動サイクルの開始時に、サブ用の変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される変動内容をもとに、画像表示用データを選択する。そして、表示制御用CPU32aは、画像表示用データをもとに図柄変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、各変動サイクルの終了時に飾図指定コマンドで指示される飾り図柄を一旦停止表示させる。また、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾図を演出表示装置11(画像表示部GH)に確定停止表示させて図柄変動ゲームを終了させる。本実施形態では、表示制御用CPU32aが、演出表示装置11に図柄変動ゲームを実行させる制御手段として機能する。
また、表示制御用CPU32aは、当り遊技用の演出指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、大当り遊技中における演出表示装置11(画像表示部GH)の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、当該コマンドに基づき、現在滞在している演出モードを遊技者に報知するためのモード報知画像を画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態のモード報知画像は、演出表示装置11における飾図の背面に画像表示される背景画像とされている。
次に、主制御用CPU30aが実行する事前判定処理(図4に示す特別図柄入力処理のステップS5)について図6及び図7にしたがって詳しく説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、入賞検知時(すなわち、入球した遊技球が始動保留球として記憶されることを契機)に、事前判定処理を行う。
事前判定処理において主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理(図4)のステップS4で取得した当り判定用乱数の値が、大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS10)。本実施形態のステップS10において、主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に関係なく、非確変状態用の大当り判定値を用いて判定を行う。以下、ステップS10の判定を「事前大当り判定」と示す。そして、ステップS10の事前大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値(非確変状態用)が一致)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS1の入賞検知の対象となる始動保留球が、大当りになることを事前に認識する。なお、主制御用CPU30aは、ステップS10において、入賞検知時に取得した当り判定用乱数の値が大当りを示す値であるか否かを判定している。ステップS10の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
一方、ステップS10で事前大当り判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、ステップS10の肯定判定結果を示す大当り用の事前判定コマンド「D5××H」を、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力するために送信バッファにセットする(ステップS11)。
大当り用の事前判定コマンドは、大当りを示す識別情報(識別子)とステップS11の判定時点の特図保留記憶数を示す保留情報の組み合わせによって構成されている。すなわち、事前判定コマンドは、ステップS11の肯定判定結果に対応して専用に設定されている。これにより、事前判定コマンドを構成する識別情報から、大当りを認識し得る。主制御用CPU30aは、ステップS10の事前大当り判定により、ステップS1の入賞検知の対象となる始動保留球が大当りとなるか否かを判定していることになる。このため、本実施形態において主制御用CPU30aは、事前判定手段として機能する。
また、ステップS11の終了後、主制御用CPU30aは、ステップS10で判定対象とした当り判定用乱数とともに取得した特図振分用乱数の値を参照し、その値に対応する特図の大当り図柄から大当りの種類を特定する。すなわち、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値が、大当りAを示す値であるか、大当りBを示す値であるか、大当りCを示す値であるか、大当りDを示す値であるか、を判定している。そして、主制御用CPU30aは、特図用の事前判定コマンド「D6××H」を、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力するために送信バッファにセットする(ステップS12)。その後、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
特図用の事前判定コマンドは、特図を示す識別情報(識別子)と大当りの種類を示す情報の組み合わせによって構成されている。すなわち、事前判定コマンドは、大当りの種類に対応して専用に設定されている。これにより、特図用の事前判定コマンドを構成する識別情報から、大当りの種類を認識し得る。
図7は、大当りの種類に対応して設定される事前判定コマンドを構成する情報を示す。大当りAには「00H」が、大当りBに「01H」が、大当りCには「02H」が、大当りDには「03H」が、それぞれ情報として設定されている。このため、例えば大当りの種類が大当りAの場合、特図用の事前判定コマンドは、「D600H」となる。
事前判定処理における事前大当り判定は、先に説明した特別図柄開始処理における大当り判定に対し、通常は所定の時間差をもって先に実行される。すなわち、事前判定処理を含む特別図柄入力処理は、始動入賞口へ遊技球が入球したことに基づく処理である。このため、事前大当り判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中であっても、始動入賞口へ入球した遊技球(始動保留球)を対象に実行される。一方、特別図柄開始処理は、始動保留球に基づく図柄変動ゲームを開始させる際に実行する処理である。このため、特別図柄開始処理に基づく大当り判定は、図柄変動ゲームの実行条件が成立した場合(図柄変動ゲームの実行中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)に、最も先に記憶されている始動保留球を対象に実行される。すなわち、大当り判定は、図柄変動ゲームの実行中や大当り遊技中には実行されない。
このような構成により、事前大当り判定と大当り判定は、その実行時期に時間差が生じ得ることになる。すなわち、事前判定処理の対象となった始動保留球に基づく大当り判定は、当該始動保留球の入球時の状態(図柄変動ゲームの実行中であるか否か、大当り遊技中であるか否か、始動保留球の記憶順)に応じて実行時期が後になる。このため、事前大当り判定は、大当り判定に比して先に実行されることから事前判定となる。
次に、事前判定コマンドを入力した統括制御用CPU31aの処理内容について説明する。
統括制御用CPU31aは、大当り用の事前判定コマンドを入力すると、当該事前判定コマンドに示される保留情報にしたがって、統括制御用RAM31cに先読み情報を記憶する。統括制御用RAM31cには、保留に対応付けて先読み情報として事前判定コマンドを記憶する。また、統括制御用CPU31aは、特図用の事前判定コマンドを入力すると、当該事前判定コマンドを、先読み情報として保留に対応付けて統括制御用RAM31cに記憶する。例えば、保留情報が「2(=保留記憶数)」の場合、2つ目の保留に対応付けて事前判定コマンドを記憶する。なお、統括制御用RAM31cの記憶内容は、図柄変動ゲームの開始によって順次、更新(消去)される。
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機10では、左大入賞口20を使用する大当りB〜Dに基づく大当り遊技中に、保留内当りの報知演出としての龍炎予告を実行させるようになっている。保留内当りの報知演出は、当り遊技(大当り遊技)中に図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球に、当り(大当り)となる始動保留球が含まれているかを報知する演出である。
本実施形態の龍炎予告は、図8に示すように、左大入賞口20の開閉動作と画像表示部GHの画像表示の連動によって行われる。具体的に言えば、本実施形態の左大入賞口20は、前述したように「龍」を模した可動装飾部材として構成されており、大入賞口扉20aが開動作した場合、「龍」が開口するイメージで上顎部が開動作する。そして、左大入賞口20が開動作(開放)すると、大入賞口扉20a(上顎部)が画像表示部GHに重合されるとともに、口元も同様に画像表示部GHに重合される。また、左大入賞口20が開動作(開放)すると、遊技球の通出路20dが露出されるとともに、左大入賞口20に入球して通出路20dへ到達した遊技球が視認可能とされる。
一方、画像表示部GHでは、龍炎予告の画像として、画像表示部GHの下縁部を伝うように左右方向に延びる「炎」の画像Fが画像表示される。本実施形態において「炎」の画像は、「白」、「青」、「黄」、「緑」、「赤」、「虹」の6色に設定されており、何れかの色の「炎」の画像Fが表示される。そして、本実施形態の龍炎予告は、後述する大当り遊技中の特定期間で行われるようになっており、その特定期間内に左大入賞口20に入球した遊技球の入球個数に応じて「炎」の画像Fの色が変化する。
このような左大入賞口20と画像表示部GHの連動により、本実施形態では、図8に示すイメージで龍炎予告が行われる。すなわち、左大入賞口20に入球した遊技球が通出路20dに到達すると、その遊技球は「龍」の口内に配置される。その状態で、画像表示部GHには、入球した遊技球に連動して「炎」の画像Fが画像表示される。この態様は、玉(遊技球)をくわえた龍が、炎を吐き出しているかのように視認し得る。
以下、保留内当りの報知演出としての龍炎予告を実行させるための統括制御基板31(統括制御用CPU31a)、及び表示制御基板32(表示制御用CPU32a)の具体的な制御内容を図9〜図12にしたがって説明する。
統括制御用CPU31aは、先に説明した事前判定処理の結果に基づく統括制御用RAM31cの記憶内容をもとに、図9に示す演出設定処理を行う。
演出設定処理において統括制御用CPU31aは、大当り遊技が開始するか否かを判定する(ステップS20)。ステップS30は、オープニングコマンドの入力により、大当り遊技が開始することを把握する。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。
一方、ステップS20の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの記憶内容を参照し、大当り用の事前判定コマンドが記憶されているか否か(保留内当りがあるか否か)を判定する(ステップS21)。このとき、統括制御用CPU31aは、保留順に事前判定コマンドが記憶されているか否かを判定する。そして、ステップS21の判定結果が肯定の場合、大当り遊技中に図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球に、大当りとなる始動保留球が含まれていることから、龍炎予告を実行させるための実行設定を行う(ステップS22)。
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドが記憶されていないが、龍炎予告を実行するか否かの実行抽選を行う(ステップS23)。この実行抽選は、予め定めた所定の確率(1/10)のもとで行われる。そして、統括制御用CPU31aは、実行抽選に当選すると、ステップS22に移行して龍炎予告を実行させるための実行設定を行う。一方、実行抽選に当選しなかった場合、統括制御用CPU31aは、演出設定処理を終了する。本実施形態では、ステップS21を肯定判定したことで龍炎予告を行う場合、その龍炎予告は保留内当りが確定している状態で行われることになる(本物予告)。一方で、ステップS23の実行抽選に当選したことで龍炎予告を行う場合、その龍炎予告は保留内当りが未確定の状態(保留内当りが現実化される場合と現実化されない場合とがある状態)で行われることになる(ガセ予告の可能性がある)。
そして、ステップS22に移行した統括制御用CPU31aは、図10に示す振分けテーブルにしたがって、龍炎予告の最終報知態様を抽選で決定する。龍炎予告の最終報知態様とは、龍炎予告において最終的に導出可能な「炎」の画像Fの色の種類を示す。本実施形態では、「炎」の画像Fの色として6色が設定されており、白<青<黄<緑<赤<虹の順に、遊技者にとって最も有利な大当りAに当選する可能性が高いことを報知する。そして、本実施形態において振分けテーブルには、最終的に導出可能な「炎」の画像Fの色として「黄」、「緑」、「赤」、「虹」の4色が設定されている。
統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力している場合、当該コマンドから特定される大当りの種類をもとに、図10に示す振分けテーブルから、龍炎予告の最終報知態様を決定する。また、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力していない場合、「はずれ」と見做して、図10に示す振分けテーブルから、龍炎予告の最終報知態様を決定する。
そして、本実施形態では、大当りの種類やはずれに応じて、図10に示す振分けテーブルにおける最終報知態様となり得る「炎」の画像Fの色の選択率が設定されている。具体的に言えば、「大当りA」では、虹<黄<緑<赤の順に選択率が大きくなるように抽選用の乱数値を振分けている。また、「大当りB」では、黄,緑<赤の順に選択率が大きくなるように抽選用の乱数値を振分けている。また、「大当りC」では、赤<黄,緑の順に選択率が大きくなるように抽選用の乱数値を振分けている。また、「大当りD」では、赤<緑<黄の順に選択率が大きくなるように抽選用の乱数値を振分けている。また、「はずれ」では、緑<黄の順に選択率が大きくなるように抽選用の乱数値を振分けている。
この振分けテーブルの振分けによれば、「虹」は、「大当りA」の場合のみに選択されるので、保留内当りとして「大当りA」に当選することを確定的に示す。また、「赤」は、「大当りA」や「大当りB」の場合の選択率が高いことから、保留内当りとして「大当りA」や「大当りB」に当選する可能性が高いことを示す。また、「黄」や「緑」は、「大当りC」、「大当りD」及び「はずれ」の場合の選択率が高いことから、保留内当りとして「大当りC」や「大当りD」に当選する可能性が高いことを示すと同時に、「はずれ」の可能性も高いことを示す。
そして、統括制御用CPU31aは、振分けテーブルをもとに最終報知態様を決定すると、続いて、最終報知態様として決定した「色」をもとに、図11(a)〜(d)に示す振分けテーブルから、予告実行パターンを決定する。予告実行パターンは、最終報知態様の色に到達するまでの色変化のパターンを示す。予告実行パターンには、図12(a),(b)に示すように、5つの段階が設定されており、各段階の色が定められている。5つの段階は、龍炎予告の実行期間中(本実施形態では6〜7ラウンド)に左大入賞口20に入球した遊技球の入球個数によって区分けされている。本実施形態では、入球個数「1〜5球」の第1段階(初期段階)と、入球個数「6〜9球」の第2段階と、入球個数「10〜13球」の第3段階と、入球個数「14〜17球」の第4段階と、入球個数「18球以上」の第5段階(最終段階)とに、区分けされている。そして、各段階には、予告実行パターン毎に「色」が設定されている。なお、第5段階に設定されている「色」は、最終報知態様の「色」に対応する。
本実施形態の色変化は、段階が進むに連れて、大当りAに当選する可能性が高い色を示すように行われる。このため、各予告実行パターンは、後の段階に設定されている色が、前の段階に設定されている色よりも、大当りAに当選する可能性が低い色とならないように設定されている。換言すれば、予告実行パターンに基づく色変化は、段階が進むと、後の段階は前の段階の色以上の期待度を設定した色となるようになっている。
本実施形態では、図12(a)に示すように、最終報知態様が「黄」となる予告実行パターンとして1種類の予告実行パターンP1が設定されている。予告実行パターンP1は、1段階目に「白」、2段階目に「青」、3〜5段階目に「黄」が設定されている。このため、予告実行パターンP1の龍炎予告は、入球個数に応じて、「白」→「青」→「黄」の順に色変化がなされることになる。
また、本実施形態では、図12(a)に示すように、最終報知態様が「緑」となる予告実行パターンとして7種類の予告実行パターンP2〜P8が設定されている。例えば、予告実行パターンP7は、1段階目に「白」、2段階目に「黄」、3〜5段階目に「緑」が設定されている。このため、予告実行パターンP7の龍炎予告は、入球個数に応じて、「白」→「黄」→「緑」の順に色変化がなされることになる。この予告実行パターンP7では、「白」→「黄」というようにその途中の期待度を示す「青」を飛び越して色変化が行われるようになっている。なお、このような色を飛び越して色変化を行うパターンは、他にも多数、設定されている。
また、本実施形態では、図12(a)に示すように、最終報知態様が「赤」となる予告実行パターンとして16種類の予告実行パターンP9〜P24が設定されている。例えば、予告実行パターンP24は、1段階目に「白」、2〜5段階目に「赤」が設定されている。このため、予告実行パターンP24の龍炎予告は、入球個数に応じて、「白」→「赤」の順に色変化がなされることになる。
また、本実施形態では、図12(b)に示すように、最終報知態様が「虹」となる予告実行パターンとして43種類の予告実行パターンP25〜P67が設定されている。例えば、予告実行パターンP34は、1段階目に「白」、2段階目に「青」、3段階目に「黄」、4段階目に「赤」、5段階目に「虹」が設定されている。このため、予告実行パターンP34の龍炎予告は、入球個数に応じて、「白」→「青」→「黄」→「赤」→「虹」の順に色変化がなされることになる。また、予告実行パターンP67は、1〜5段階目に「虹」が設定されている。このため、予告実行パターンP67の龍炎予告は、最初から「虹」色の画像Fが画像表示されることになる。
そして、各予告実行パターンP1〜P67は、図11(a)〜(d)に示すように、最終報知態様となる色毎の振分けテーブルから選択し得るように乱数値が振分けられている。図11(a)は、最終報知態様となる色が「黄」の振分けテーブルであって、予告実行パターンP1が振分けられている。図11(b)は、最終報知態様となる色が「緑」の振分けテーブルであって、予告実行パターンP2〜P8が振分けられている。図11(c)は、最終報知態様となる色が「赤」の振分けテーブルであって、予告実行パターンP9〜P24が振分けられている。図11(d)は、最終報知態様となる色が「虹」の振分けテーブルであって、予告実行パターンP25〜P67が振分けられている。そして、統括制御用CPU31aは、最終報知態様の色に対応する振分けテーブルから乱数抽選によって1つの予告実行パターンを決定する。
また、統括制御用CPU31aは、実行期間内(6〜7ラウンド)の入球個数を計数する。この入球個数の計数は、実行期間内に主制御用CPU30aから出力された入球コマンドを入力する毎に統括制御用RAM31cに設定されるカウンタを1加算することによって行う。そして、統括制御用CPU31aは、入球コマンドを入力する毎に加算後のカウンタ数と、決定した予告実行パターンの区分をもとに、色を抽出し、その色を指定する色指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。具体的に予告実行パターンP36をもとに例示説明すると、統括制御用CPU31aは、入球コマンドを入力した時のカウント数が「1」の場合、「白」を指定する色指定コマンドを出力する。統括制御用CPU31aは、「白」を指定する色指定コマンドを、カウント数が「1〜5球」の間、入球コマンドを入力する度、すなわち左大入賞口20へ入球する度に出力する。
そして、統括制御用CPU31aは、カウント数が「6」になると、「青」を指定する色指定コマンドを出力する。この段階において、表示制御用CPU32aには、異なる色を指示する色指定コマンド(白→青)が出力されることになり、その結果として色変化がなされる。統括制御用CPU31aは、「青」を指定する色指定コマンドを、カウント数が「6〜9球」の間、入球コマンドを入力する度に出力する。また、統括制御用CPU31aは、カウント数が「10」になると、「緑」を指定する色指定コマンドを出力する。この段階において、表示制御用CPU32aには、異なる色を指示する色指定コマンド(青→緑)が出力されることになり、その結果として色変化がなされる。統括制御用CPU31aは、「緑」を指定する色指定コマンドを、カウント数が「10〜13球」の間、入球コマンドを入力する度に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、カウント数が「14」になると、「赤」を指定する色指定コマンドを出力する。この段階において、表示制御用CPU32aには、異なる色を指示する色指定コマンド(緑→赤)が出力されることになり、その結果として色変化がなされる。統括制御用CPU31aは、「赤」を指定する色指定コマンドを、カウント数が「14〜17球」の間、入球コマンドを入力する度に出力する。また、統括制御用CPU31aは、カウント数が「18」になると、「虹」を指定する色指定コマンドを出力する。この段階において、表示制御用CPU32aには、異なる色を指示する色指定コマンド(赤→虹)が出力されることになり、その結果として色変化がなされる。統括制御用CPU31aは、「虹」を指定する色指定コマンドを、以降、入球コマンドを入力する度に出力する。
一方、色指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、当該コマンドで指示された色からなる「炎」の画像Fの画像データを生成し、画像表示部GHに画像表示させる。具体的に言えば、表示制御用CPU32aは、「白」の色指定コマンドの場合は白からなる「炎」の画像Fの画像データを生成するとともに、「青」の色指定コマンドの場合は青からなる「炎」の画像Fの画像データを生成する。また、表示制御用CPU32aは、「黄」の色指定コマンドの場合は黄からなる「炎」の画像Fの画像データを生成するとともに、「緑」の色指定コマンドの場合は緑からなる「炎」の画像Fの画像データを生成する。また、表示制御用CPU32aは、「赤」の色指定コマンドの場合は赤からなる「炎」の画像Fの画像データを生成するとともに、「虹」の色指定コマンドの場合は虹からなる「炎」の画像Fの画像データを生成する。
このとき、表示制御用CPU32aは、色指定コマンドで指示される色が変わるまで、同色の「炎」の画像Fの画像データを生成する一方で、色指定コマンドで指示される色が変わると、異なる色の「炎」の画像Fの画像データを生成する。これにより、表示制御用CPU32aが生成した画像データもとに「炎」の画像Fを画像表示させると、画像表示部GHには、色指定コマンドで指示される色が変わるまでの間、同色の「炎」の画像Fが画像表示される。そして、画像表示部GHには、色指定コマンドで指示される色が変わると、異なる色の「炎」の画像Fが画像表示される。
本実施形態では、統括制御用RAM31cの記憶内容にしたがって、図柄変動ゲームの実行が保留されている始動保留球に、当りとなる始動保留球が含まれているか否かを判定する統括制御用CPU31aが、保留内当り判定手段として機能する。また、本実施形態では、統括制御用RAM31cの記憶内容にしたがって、当りの種類(大当りの種類)を判定する統括制御用CPU31aが、当り種判定手段として機能する。また、本実施形態では、予告実行パターンにしたがって報知態様としての色を選択する統括制御用CPU31aが、報知態様選択手段として機能する。なお、予告実行パターンは、大当りの種類に応じて決定されているから、予告実行パターンにしたがって選択する色も大当りの種類に応じて選択されていることになる。また、大当りの種類に応じて、ラウンド数の多少、確変状態を付与するか否か、及び変短上限回数の多少などの遊技特典が決まることになるので、大当りの種類に応じて決定される予告実行パターン及び当該パターンにしたがって選択する色は、これらの遊技特典によって決定されているとも言える。また、本実施形態において統括制御用CPU31aは、入球コマンドの入力によって左大入賞口20に入球した遊技球を検知することから、検知手段として機能する。なお、本実施形態では、カウントスイッチSW3が、左大入賞口20に入球した遊技球を直接的に検知する手段となる。また、本実施形態では、色指定コマンドで指示された色の「炎」の画像Fを画像表示させて龍炎予告を演出実行手段としての演出表示装置11(画像表示部GH)に実行させる表示制御用CPU32aが、演出制御手段として機能する。
次に、龍炎予告の実行態様を、図8をもとに説明する。
最初に、大当りAを指示する事前判定コマンドを記憶しており、龍炎予告が予告実行パターンP25で行われる場合を例示説明する。
龍炎予告の実行期間である6〜7ラウンドでは、左大入賞口20に遊技球が入球する度に、「龍」の口から吐き出されたように「炎」の画像Fが画像表示される。すなわち、龍炎予告が行われる。このとき、「炎」の画像Fは、入球個数の増加に伴って色が変化する。具体的に言えば、予告実行パターンP25の場合は、白(1〜5球)→青(6〜9球)→黄(10〜17球)→虹(18球以上)の順に色が変化する。そして、7ラウンドの終了までに、「18球」以上の遊技球を入球させた場合には、虹の「炎」の画像Fを視認し得る。一方、「18球」以上の遊技球を入球させることができなかった場合は、虹の「炎」の画像Fを視認し得ない。そして、遊技者は、龍炎予告による「炎」の画像Fの色から、保留内に大当りが存在し、かつその大当りが大当りAであることを認識する。この例の場合、「18球」以上の遊技球を入球させていれば、虹の「炎」の画像Fを視認できるので、大当り遊技終了後に保留内で大当りAに当選することを確定的に認識する。その後、大当り遊技が終了すると、保留内で大当りに再び当選し、大当りAに基づく大当り遊技が行われる。
次に、事前判定コマンドを記憶しておらず、龍炎予告が予告実行パターンP1で行われる場合を例示説明する。
龍炎予告の実行期間である6〜7ラウンドでは、左大入賞口20に遊技球が入球する度に、「龍」の口から吐き出されたように「炎」の画像Fが画像表示される。すなわち、龍炎予告が行われる。このとき、「炎」の画像Fは、入球個数の増加に伴って色が変化する。具体的に言えば、予告実行パターンP1の場合は、白(1〜5球)→青(6〜9球)→黄(10〜)の順に色が変化する。7ラウンドの終了までに、「18球」以上の遊技球を入球させた場合には、黄の「炎」の画像Fを視認し得る。そして、遊技者は、龍炎予告による「炎」の画像Fの色から、保留内に大当りの可能性が低く、かつ保留内に大当りがあったとしても、その大当りが大当りC,Dの可能性が高いことを認識する。その後、大当り遊技が終了すると、保留内では大当りに当選せず、大当り遊技も付与されない。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)保留内当りの報知演出(龍炎予告)の報知態様(画像Fの色)は、大入賞口(左大入賞口20)へ遊技球を入球することによって変化させることができる。つまり、大当り遊技中、遊技者が必ず行う遊技球の発射操作と関連付けて報知演出を実行させることができる。したがって、大当り遊技の興趣の向上を図ることができる。
(2)大当りを獲得した遊技者は、その大当りに基づく大当り遊技に興味を持つと同時に、次回、何時大当りに当選するのかにも興味を持っている。このため、大当り遊技中に、保留内当りの報知演出を実行させることで、遊技者が知りたいと思う事柄に対応した演出を実現できる。
(3)保留内当りの報知演出(龍炎予告)の実行時期が特定期間(実施形態では6〜7ラウンド)に限定されることになるので、その特定期間中は特に大入賞口(左大入賞口20)へ遊技球を入球させることに意識を向けさせることができる。その結果、大当り遊技の全期間を報知演出の実行時期に定めるよりも、遊技者に緊張感を与えることができ、大当り遊技に集中させることができる。
(4)カウント数の多少によって報知態様(画像Fの色)に変化をもたらすことができるので、大入賞口(左大入賞口20)へ遊技球を入球させることに、より意識を向けさせることができる。
(5)大入賞口(左大入賞口20)の開放動作及び入球に合わせて、演出表示装置11に保留内当りの報知演出(龍炎予告)を画像表示させるので、大入賞口へ入球させることと報知演出が実行されることを、より関連付けることができる。
(6)保留内当りの報知演出(龍炎予告)の最終報知態様を決定してから、その最終報知態様を最終段階として予告実行パターン、すなわち最終段階に至るまでの色の変化の態様を決定するので、報知演出の結果の正確性を向上させることができる。
(7)保留内当りの報知演出は、保留内に大当りとなる始動保留球(非確変状態用の大当り判定値と一致する始動保留球)が存在していない場合であっても、実行可能とした。このため、報知演出が実行された場合であっても、必ずしも大当りが生起されるとは限らず、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームへの期待感を高めることができる。そして、本実施形態では、保留内に大当りとなる始動保留球が存在していない場合、低期待度の報知態様で報知演出を実行させ易くしている。このため、遊技者に過度の期待を持たせることを抑制することで、大当りが生起されなかったときにおける興趣の低下を抑制できる。
(8)非確変状態用の大当り判定値を使って事前判定を行っている。このため、保留内当りの報知演出が実行されなかった場合や、保留内に大当りとなる始動保留球が存在しておらず、低期待度の報知態様で報知演出が実行された場合でも、大当りが生起される可能性が残されている。したがって、大当り遊技終了後の図柄変動ゲームへの期待感を高めることができる。
(9)左大入賞口20は、下大入賞口21に比して、遊技球が非遊技領域YBbから遊技領域YBaへ移動するための入口部(逆戻り防止弁YRbの配設部位)の近くに配置されている。このため、遊技領域YBaへ移動した遊技球は、下大入賞口21よりも左大入賞口20に対して迅速に到達することになる。したがって、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に要する時間を短縮させることができる。すなわち、左大入賞口20を使用する大当り遊技において示唆演出(龍炎予告)を実行させるので、入球個数に応じて示唆態様を変化させる場合であっても、遊技者に所望の結果(最終報知態様)を示すことができる。
(10)流下方向変更手段(遊技釘23、風車24など)は、遊技領域YBaを流下する遊技球にとっては障害物となり得るものである。このため、流下経路上に流下方向変更手段の配設量が少ない左大入賞口20は、遊技領域YBaに発射された遊技球の到達時間も早く、その結果、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に要する時間を短縮させることができる。したがって、賞球獲得において有利となる。
(11)左大入賞口20へ遊技球が到達する経路長は、下大入賞口21へ遊技球が到達する経路長に比して短い。このため、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技と下大入賞口21を開閉動作させる大当り遊技は、従前と同様に大当り遊技を終了させるまでに必要な時間に差が生じ、左大入賞口20を開閉動作させる大当り遊技に必要な時間の方が短くなる。すなわち、左大入賞口20を設けることで、大当り遊技の時間短縮を図ることができる。
(12)左大入賞口20と下大入賞口21は、何れも遊技領域YBaの左方領域に配置されている。しかも、左大入賞口20は、逆戻り防止弁YRbと下大入賞口21の間に配置されている。つまり、左大入賞口20を狙って遊技球を発射させるための発射強度と下大入賞口21を狙って遊技球を発射させるための発射強度を、同等に設定することができる。したがって、大入賞口を右方領域に配置した場合に比して発射強度を弱く設定できるから、遊技球の衝突による衝撃を緩和することができる。
(13)遊技領域YBaの左方領域を狙って発射させた遊技球の流下経路上に、左大入賞口20、下大入賞口21、第1始動入賞口16、第2始動入賞口17、作動ゲート19を集約しているので、何れの入賞口(作動ゲート19を含む)にも入球せずにアウト口22へ到達する可能性を低減することができ、無駄球の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、左大入賞口20に代えて、画像表示部GHの近傍(上側や右側)に大入賞口を配設し、その大入賞口の開放及び入球と連動させて画像表示部GHで保留内当りの報知演出を実行させても良い。
・ 実施形態において、大当り遊技中、保留内当りの報知演出に加えて、今回生起された大当りの種類を遊技者に報知する演出(昇格演出)を実行させても良い。この場合、昇格演出の実行時期は、保留内当りの報知演出よりも前に行うことが好ましい。
・ 実施形態において、図柄変動ゲームで、当選した大当りの種類を確定的に示す演出(図柄の組み合わせなど)を実行させ、大当り遊技中は保留内当りの報知演出のみを実行させても良い。また、図柄変動ゲームでは、当選した大当りの種類を示す場合と示さない場合を作り、示さない場合には大当り遊技中に前記別例の昇格演出と保留内当りの報知演出を実行させても良い。
・ 実施形態において、保留内当りの実行期間を、統括制御用CPU31aが、抽選などによって決定しても良い。例えば、1回目と2回目のラウンド遊技でも良い。また、保留内当りの報知演出の実行時期を、1回のラウンド遊技を対象に設定しても良い。また、大当り遊技中に保留内当りの報知演出の実行時期を、複数設定しても良い。
・ 実施形態において、入球個数の区分を増減させても良いし、区分に定める入球個数の範囲を変更しても良い。
・ 実施形態において、左大入賞口20に遊技球の入球があった場合、保留内当りの報知演出を実行するか否かの実行抽選を行い、その抽選に当選したときに選択した報知態様で実行させるようにしても良い。
・ 実施形態は、左大入賞口20への遊技球の入球毎に保留内当りの報知演出を実行させていたが、大当り遊技開始後、最初の1球を対象として報知演出を実行させても良いし、所定個数の遊技球が入球する毎に報知演出を実行させても良い。また、入球毎に実行抽選を行って、当選した場合に報知演出を実行させても良い。
・ 実施形態において、保留内当りの報知演出は、「炎」の画像Fの色を変化させる態様であったが、「炎」の大きさを変化させる態様や、「炎」の形を変化させる態様の演出であっても良い。また、報知演出の態様は、「炎」の画像Fに限らず、変更しても良い。
・ 実施形態において、保留内当りの報知演出を、演出表示装置11に代えて又は加えて、遊技盤YBに配設した可動体、枠や遊技盤YBに配設した発光部材、スピーカSP、予告専用の装置などで行うようにしても良い。
・ 実施形態において、保留内当りの報知演出の対象を、下大入賞口21による大当り遊技としても良い。この場合、報知演出は、演出表示装置11で行っても良いし、遊技盤YBに配設した可動体、枠や遊技盤YBに配設した発光部材、スピーカSP、予告専用の装置などで行っても良い。
・ 実施形態では、主制御用CPU30aが特図指定コマンド(特図毎に設定されたコマンド)を出力し、その特図指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが当りの種類(大当りの種類)を把握している。これに代えて、主制御用CPU30aが、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を示す制御コマンドを出力しても良い。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、変動パターン指定コマンドをもとに統括制御用CPU31aが、当りの種類を把握するようにしても良い。
・ 実施形態は、遊技盤YBに単一の大入賞口を配設したパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 実施形態の事前判定処理において、当り判定用乱数の値が非確変状態用の大当り判定値と一致しなかった場合は、確変状態用の大当り判定値と一致するか否かを判定しても良い。この場合、主制御用CPU30aは、確変状態用の大当り判定値と一致したことを指示する事前判定コマンドを出力する。また、統括制御用CPU31aは、その事前判定コマンドを統括制御用RAM31cに記憶する。そして、統括制御用CPU31aは、大当り遊技中、統括制御用RAM31cに確変状態用の大当り判定値と一致したことを示す事前判定コマンドが記憶されている場合、今回の大当りの種類を判定する。この判定において統括制御用CPU31aは、今回の大当りが確変状態を付与する大当りである場合、前記事前判定コマンドを龍炎予告の実行対象とし、大当り遊技中に龍炎予告を実行させる。一方、統括制御用CPU31aは、今回の大当りが非確変状態を付与する大当りである場合、前記事前判定コマンドを龍炎予告の非実行対象とし、大当り遊技中に龍炎予告を実行させない、又は低期待度の内容で龍炎予告を実行させる。
・ 実施形態において、はずれの場合を龍炎予告の非実行対象とし、事前判定コマンドが記憶されている場合のみに龍炎予告を実行させても良い。この場合、龍炎予告が行われることで、保留内当りが確定することになる。
・ 実施形態において、大当りの種類に関係なく、龍炎予告によって保留内当りが存在するか否かを報知するようにしても良い。この場合は、色の変化によって保留内当りが存在する可能性を報知することになる。すなわち、この場合の演出は、龍炎予告の報知態様から大当りの種類までは判別できない。
・ 実施形態において、龍炎予告によって保留内に含まれる大当りの数を報知しても良い。この場合は、色の変化によって保留内当りの数を報知することになる。
・ 実施形態において、演出設定処理の実行時期を変更しても良い。例えば、龍炎予告の実行期間を6〜7ラウンドに設定したのであれば、演出設定処理の実行時期を5ラウンドとしても良い。この場合は、大当り遊技中に入球した遊技球も対象として龍炎予告が実行される可能性がある。また、大当り遊技中は、図柄変動ゲームが実行されないことにより、特図保留記憶数が増加し易い。このため、上記構成によれば、より多くの始動保留球を対象として龍炎予告を実行させることができる。
・ 実施形態において、主制御用CPU30aによる事前判定の時期を変更しても良い。例えば、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、その時点で保留されている全ての始動保留球を対象として事前判定を行い、事前判定コマンドを出力しても良い。
・ 実施形態において、図6の事前判定処理のステップS10を否定判定した場合に、その否定判定結果を示す事前判定コマンドを出力しても良い。そして、この事前判定コマンドを入力した統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶する。そして、統括制御用CPU31aは、前記否定判定結果を示す事前判定コマンドしか記憶されていない場合、実施形態と同様に龍炎予告を実行させても良い。また、統括制御用CPU31aは、前記否定判定結果を示す事前判定コマンドしか記憶されていない場合、龍炎予告を実行させないようにしても良い。また、前記別例で説明したように、確変状態用の大当り判定値と一致するか否かを判定する場合は、この判定結果が否定の場合に前記否定判定結果を示す事前判定コマンドを出力するようにしても良い。