以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、液晶ディスプレイ型の可変表示器Hを備えた表示装置20が配設されている。前記表示装置20では、可変表示器Hの変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。そして、可変表示器Hでは、表示演出に関連して、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出する図柄組み合わせゲーム(図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。従って、本実施形態では、可変表示器Hが複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームを行う表示手段となる。本実施形態では、図柄組み合わせゲームで3列の図柄による組み合わせを導出し、該組み合わせを構成する各列の図柄の種類を1〜8の8種類の数字を模した図柄としている。
そして、遊技者は、図柄組み合わせゲームにおいて最終的に表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器Hに表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが表示されると、遊技者には、大当り遊技状態が付与される。一方、可変表示器Hに表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄と異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせがはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄組み合わせゲームが開始すると(各列の図柄が変動を開始すると)、遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に図柄が表示されるようになっている。そして、表示された左図柄と右図柄が同一種類の図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識できる。このリーチを認識できる図柄組み合わせがリーチの図柄組み合わせとなる。
また、図1及び図2に示すように、表示装置20の下方には、第1始動入賞口25aが形成された第1始動入賞装置25が配設されている。第1始動入賞装置25の奥方には、第1始動入賞口25aに入球(入賞)した遊技球を検知する第1始動口スイッチSE1(図3に示す)が設けられている。第1始動入賞装置25は、遊技球の入球を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得るとともに、所定球数の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。
また、第1始動入賞装置25の直ぐ下(直下)には、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う作動部材としての開閉羽根26bを備え、第2始動入賞口26aが形成された第2始動入賞装置26が第1始動入賞装置25とは各別に配設されている。第2始動入賞装置26の奥方には、第2始動入賞口26aに入球(入賞)した遊技球を検知する第2始動口スイッチSE2(図3に示す)が設けられている。第2始動入賞装置26は、遊技球の入球を契機に、図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得るとともに、所定球数の賞球としての遊技球の払出条件を付与する。図2では、開状態とされた開閉羽根26bを実線で示し、閉状態とされた開閉羽根26bを2点破線で示している。第2始動入賞装置26は、開閉羽根26bが開状態になると、その第2始動入賞口26aに遊技球が入球することができる。なお、本実施形態では、第1始動入賞装置25に遊技球が入球した場合には、前記始動条件と賞球として3球の遊技球を払出す払出条件が付与されるとともに、第2始動入賞装置26に遊技球が入球した場合には、前記始動条件と賞球として4球の遊技球を払出す払出条件が付与される。
本実施形態のパチンコ機10において、第1始動入賞装置25と第2始動入賞装置26は、遊技盤13の遊技領域13aにおいて、上下となるように並設されている。遊技領域13aに発射された遊技球は、発射装置19の発射ハンドルの回動量に応じた強度によって遊技領域13aを流下し、第1始動入賞装置25、第2始動入賞装置26や遊技盤13の最下部に設けられるアウト口Dなどに流下案内され、その案内される流下経路(通過経路)が異なるようになっている。アウト口Dに入球する遊技球は、アウト球とされ、機内部に排出されるようになっている。このため、遊技領域13aに発射される発射強度により遊技球は、異なる流下経路で案内されるようになっている。すなわち、遊技者は、第1始動入賞装置25に遊技球を流下案内させたい場合には、第1始動入賞装置25に流下案内される発射強度で遊技球を発射させれば良い。
そして、本実施形態において第1始動入賞装置25と第2始動入賞装置とが上下に並設されているため、第1始動入賞装置25に向って発射された遊技球は、同時に第2始動入賞装置26にも向って発射されることとなる。すなわち、遊技盤13において、遊技球の流下経路は、上方から下方に向って形成されるとともに、第1始動入賞装置25と第2始動入賞装置26とは、同一経路上に位置するようになっている。さらに、遊技盤13において第1始動入賞装置25は、第2始動入賞装置26に比較して上部に配設されているとともに、遊技球の流下経路上において第1始動入賞装置25は、同一流下経路上の第2始動入賞装置26の上方に位置するようになっている。このため、遊技領域13aには、同一経路上に図柄組み合わせゲームの始動条件を付与し得る始動入賞口が複数設けられていることとなる。
また、本実施形態において、第2始動入賞装置26の直上に第1始動入賞装置25が配設され、該第1始動入賞装置25により第2始動入賞口26aへの遊技球の入球が規制されるようになっている。すなわち、閉状態における該開閉羽根26bと、第1始動入賞装置25とにより、第2始動入賞口26aへの遊技球の入球を許容しないように構成されている。このため、開閉羽根26bの閉状態においては開閉羽根26bによって、第2始動入賞装置26に遊技球がし得ない状態となるようになっている。したがって、第2始動入賞装置26への遊技球の入球は、開閉羽根26bが開状態である場合にのみ許容されるように構成され、常時、遊技球の入球が許容されないように構成されている。
一方、第1始動入賞装置25への遊技球の入球は、常時、遊技球の入球が許容されるように構成されている。また、開閉羽根26bの開状態においては、開閉羽根26bが開状態となる分だけ第2始動入賞口26aが拡大されることとなる。すなわち、第1始動入賞口25aと第2始動入賞口26aが同一の大きさに形成されている場合には、開閉羽根26bの開状態では第2始動入賞口26aが拡大される分だけ遊技球が入球し易くなる。したがって、第2始動入賞装置26の開閉羽根26bの開状態では、第1始動入賞装置25に比べて遊技球が入球し易いようになっている。
また、第2始動入賞装置26の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた大入賞口24が配設されている。大入賞口24は、大当り遊技状態が付与され、大当り遊技に移行したことに関連して大入賞口扉23が開閉動作し、開放又は閉鎖されるようになっている。大当り遊技状態が付与されると、大当り遊技に移行し、大入賞口扉23の開閉動作により大入賞口24が開放されて遊技球が入賞可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。
より詳しく説明すると、パチンコ機10では、大当り遊技状態が付与されると大当り遊技に移行するようになっている。そして、その大当り遊技において、大入賞口24は、予め定めた規定ラウンド数(本実施形態では15ラウンド)を上限に開放及び閉鎖を繰り返すようになっている。大当り遊技は、最初に大当り遊技の開始を示唆するオープニング演出が行われ、該オープニング演出の終了後、大入賞口扉23の作動によって大入賞口24が開放され、1ラウンド(1R)目の遊技が開始する。1ラウンド目の遊技中に所定の継続条件が成立していると、1ラウンド目の遊技終了によって閉鎖された大入賞口24が再び開放され、2ラウンド(2R)目の遊技が開始する。同様に、所定の継続条件の成立によって、3ラウンド(3R)目の遊技→4ラウンド(4R)目の遊技→・・・→15ラウンド(15R)目の遊技の順に行われる。そして、15ラウンド目の遊技が終了すると、大当り遊技の終了を示唆するエンディング演出が行われる。なお、大入賞口24は、各ラウンド遊技において、所定時間(例えば30秒間)が経過する間又は規定入賞個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口24に入賞する間、開放されるようになっている。また、大入賞口24に遊技球が入球すると、大入賞口24に奥方にあるカウントスイッチSE4により計測されるようになっており、また、カウントスイッチSE4により計測される毎に、所定球数の賞球としての遊技球の払出条件が付与されるようになっている。
また、図1に示すように、表示装置20の下側右寄りの位置には、可変表示装置としての普通図柄表示装置28が配設されている。普通図柄表示装置28では、変動画像(又は画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるとともに、当該表示演出に関連して、複数種類の図柄(普通図柄、以下、単に普図と示す場合がある)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われるようになっている。本実施形態の普図ゲームでは、1列の普通図柄が表示されるようになっている。また、本実施形態では、普通図柄の種類を、当り図柄「○」とはずれ図柄「×」の2種類としており、図柄変動ゲームとは異なる種類の図柄とされている。そして、遊技者は、普通図柄表示装置28に最終的に確定停止表示された普通図柄が当り図柄[○]の場合には当りを認識できるとともに、はずれ図柄[×]の場合にははずれを認識できる。普通図柄表示装置28で行われる普図ゲームは、第2始動入賞装置26の開閉羽根26bを開動作させるか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。
また、第2始動入賞装置26の左方には作動ゲート27が配設されている。作動ゲート27の奥方には、作動ゲート27を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE3(図3に示す)が設けられている。作動ゲート27は、遊技球の通過を契機に、普通図柄を変動表示させる普通図柄変動ゲーム(普図ゲーム)の始動条件を付与し得る。
また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動入賞装置25又は第2始動入賞装置26へ遊技球が入賞した場合、その入賞した遊技球の個数を記憶し、特別保留記憶数として機内部(主制御基板30のRAM30c)で記憶されるようになっている。図柄組み合わせゲームが行われている場合に累積された特別保留記憶数は、保留中(図柄組み合わせゲーム待機中)の図柄組み合わせゲームの回数を示している。特別保留記憶数は、第1始動入賞装置25又は第2始動入賞装置26に遊技球が入賞することで1加算され、図柄組み合わせゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄組み合わせゲーム中に第1始動入賞装置25又は第2始動入賞装置26へ遊技球が入賞すると、特別保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。そして、図2に示すように、表示装置20の可変表示器Hの右下側には、特別保留記憶数に基づく保留中の図柄組み合わせゲームの回数を遊技者に報知するための特別図柄保留表示装置21が配設されている。
特別図柄保留表示装置21は、保留ランプ21a、保留ランプ21b、保留ランプ21c及び保留ランプ21dからなる複数(本実施形態では4個)のLEDからなる発光手段によって構成されている。前記各保留ランプ21a〜21dの点灯個数により、保留中の図柄組み合わせゲームの回数を遊技者に報知している。例えば、保留ランプ21aのみが点灯している場合には1回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを示し、保留ランプ21a〜21dの全てが点灯している場合には4回の図柄組み合わせゲームが保留中であることを示している。
また、普通図柄表示装置28の左側には、普通図柄保留表示装置29が配設されている。普通図柄保留表示装置29は、作動ゲート27を通過し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「普通保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、普通図柄保留表示装置29の表示内容によって保留されている普図ゲームの開始の回数が報知される。普通保留記憶数は、作動ゲート27を遊技球が通過すると1加算(+1)され、普図ゲームが開始されることにより1減算(−1)され、普図ゲーム中に作動ゲート27を遊技球が通過すると普通保留記憶数はさらに加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。そして、普通図柄保留表示装置29は、保留ランプ29a、保留ランプ29b、保留ランプ29c及び保留ランプ29dからなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、保留ランプ29aのみが点灯している場合には1回の普図ゲームが保留中であることを報知している。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では2/631)から高確率(本実施形態では10/631)に変動させる確変状態(特別状態)を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、開閉羽根26bを開動作させる当り遊技を付与するか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26bは、確変状態が付与されている場合と、通常状態(非確変状態)である場合とでは、普図ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選し、当り遊技となった場合には、開閉羽根26bが1回開放し、開放してから300ms(0.3秒)経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、確変状態時に普図ゲームに当選し、当り遊技となった場合には、開閉羽根26bが3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1800ms(1.8秒、通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26bは、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄組み合わせゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄組み合わせゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
そして、大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、開閉羽根26bを開動作させるか否か(第2始動入賞口26aへの遊技球の入賞を許容するか否か)の抽選結果を導出する普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮される時短状態を付与する機能である。時短状態が付与されると、開閉羽根26bを開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26bは、時短状態が付与されている場合と、通常状態が付与されている場合とでは、普図ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26bが1回開放し、開放してから300ms(0.3秒)経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、時短状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26bが3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1800ms(1.8秒、通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根26bは、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄組み合わせゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄組み合わせゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄組み合わせゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与されなかった場合(抽選確率が低確率である非確変状態となった場合)に、時短状態が付与されるようになっている。
従って、本実施形態において、作動ゲート27及びゲートセンサSE3は、普通図柄入賞検知手段を構成する。また、普通図柄表示装置28は、普通図柄変動ゲームを表示する普通図柄表示手段となる。また、開閉羽根26bが第2始動入賞口26aへの遊技球の入賞を許容するように作動する作動部材となる。また、第2始動入賞装置26が、特別図柄始動入賞検知手段となる。可変表示器Hが、図柄組み合わせゲームを実行する特別図柄表示手段となる。また、大入賞口24及び大入賞口扉23が、特別入賞装置を構成する。
次に、パチンコ機10の制御構成を図3に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ・音声制御基板33が装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ・音声制御基板33を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示装置20(可変表示器H)の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。ランプ・音声制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的な構成を説明する。
図3に示すように主制御基板30には、メインCPU30aと、ROM30bと、RAM30cとが設けられている。メインCPU30aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新している。ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数の値など)が記憶(設定)されるようになっている。
変動パターンは、図柄が変動を開始(図柄組み合わせゲームの開始)してから全列の図柄が表示(図柄組み合わせゲームの終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、複数種類の変動パターンは、大当り演出用の変動パターンと、はずれリーチ演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されている。
大当り演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを停止するように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを停止するように展開される演出である。はずれ演出は、図柄組み合わせゲームが、リーチ演出を経ることなく、はずれの図柄組み合わせを停止するように展開される演出である。前記リーチ演出は、リーチの図柄組み合わせが一旦停止されてから(本実施形態においては、一旦停止された左図柄と同一種類の右図柄が一旦停止されてから)、大当りの図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせが停止されるまでの間に行われる演出である。
また、ROM30bには、普図ゲームの変動パターン(以下、「普図変動パターン」と示す)が記憶されている。普図変動パターンは、特定遊技状態(確変状態又は時短状態)用の普図変動パターンと通常状態用の普図変動パターンとに分類されている。特定遊技状態用の普図変動パターンと通常状態用の普図変動パターンは、普図ゲームが開始してから終了する迄の演出時間が異なっており、特定遊技状態用の普図変動パターンの方が通常状態用の普図変動パターンよりも演出時間が短く設定されている。本実施形態では、特定遊技状態用の普図変動パターンの演出時間(ゲーム時間)を「1.6秒」に設定し、通常状態用の普図変動パターンの演出時間(ゲーム時間)を「10.6秒」に設定している。本実施形態では、特定遊技状態用の普図変動パターンと通常状態用の普図変動パターンを各1種類設けている。なお、本実施形態において、普通図柄が表示された後には、普図ゲームの結果を確定停止表示させるため、所定の停止インターバル期間(本実施形態では、0.6秒)が設けられている。この停止インターバル期間は、遊技状態や当り判定の結果にかかわらず常に一定に設定される。このため、通常状態用の普図変動パターンに基づく普図ゲームにおいて、普通図柄が変動している変動時間は、1秒であり、残りの0.6秒が停止インターバル期間である。また、特定遊技状態用の普図変動パターンに基づく普図ゲームにおいて、図柄が変動している変動時間は、10秒であり、残りの0.6秒が停止インターバル期間である。
そして、メインCPU30aは、メイン制御プログラムに基づき、入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理を実行するようになっている。
まず、入賞処理について図4に基づき説明する。
メインCPU30aは、所定時間間隔で遊技球の入賞検知がなされたか否かを判定する(ステップS11)。つまり、メインCPU30aは、第1始動入賞装置25に遊技球が入賞したことを示す第1検知信号又は第2始動入賞装置26に遊技球が入賞したことを示す第2検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(入賞検知なしの場合)、メインCPU30aは、入力処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合(入賞検知ありの場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている特別保留記憶数が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。この判定結果が否定の場合(特別保留記憶数=4の場合)、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
一方、この判定結果が肯定の場合(特別保留記憶数<4の場合)、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている特別保留記憶数に「1」加算(+1)し、特別保留記憶数を書き換える(ステップS13)。続いて、メインCPU30aは、大当り乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、当該読み出した大当り乱数の値を特別保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。また、メインCPU30aは、大当り図柄乱数の値をRAM30cから取得し、当該読み出した大当り図柄乱数の値を特別保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。なお、大当り乱数及び大当り図柄乱数は、メインCPU30aによって所定の周期毎に順次更新される乱数であり、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。そして、メインCPU30aは、入賞処理を終了する。
次に、変動パターン決定処理について図5に基づき説明する。
まず、メインCPU30aは、所定時間間隔で特別保留記憶数が「0」よりも大きいか否か判定する(ステップS21)。ステップS21の判定結果が否定の場合(特別保留記憶数=0の場合)、保留中の図柄組み合わせゲームが存在しないので、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS21の判定結果が肯定の場合(特別保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、特別図柄が変動表示中であるか否か、すなわち、図柄組み合わせゲーム中であるか否か判定する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が肯定の場合(図柄組み合わせゲーム中である場合)、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS22の判定結果が否定の場合(図柄組み合わせゲーム中でない場合)、メインCPU30aは、特別保留記憶数に対応付けられてRAM30cに記憶されている大当り乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定を行う(ステップS23)。なお、本実施形態において、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かで変更されるようになっている。そして、通常状態の時(低確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、2/631としており、確変状態の時(高確率の時)、大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、10/631としている。また、メインCPU30aは、特別保留記憶数を「1」減算(−1)した後に、当該特別保留記憶数に対応付けられて記憶されている大当り乱数及び大当り図柄乱数の値を取得するようになっている。
大当り判定の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、特別保留記憶数に対応付けられている大当り図柄乱数の値に基づき、全列が同一種類の図柄となるように最終停止図柄を決定する(ステップS24)。それと共に、メインCPU30aは、大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS25)。
変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、表示制御基板32(サブCPU32a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップS26)。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、メインCPU30aは、各列毎の最終停止図柄を指定するための図柄指定コマンドを出力する。その後に、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて変動停止を指示し、図柄組み合わせゲームを終了するための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS23の大当り判定の判定結果が否定の場合(はずれの場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を行うか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS27)。本実施形態では、リーチ判定の判定結果が肯定となる確率(リーチ演出を行う確率)は、1/12としている。ステップS27のリーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、左列の図柄と右列の図柄を同一種類の図柄とし、中列の図柄を左右列の図柄と異なるように最終停止図柄を決定する(ステップS28)。そして、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS29)。そして、メインCPU30aは、ステップS26の処理に移行して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
一方、ステップS27のリーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、左列の図柄と右列の図柄が異なるように最終停止図柄を決定する(ステップS30)。そして、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS31)。そして、メインCPU30aは、ステップS26の処理に移行して、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
そして、メインCPU30aは、大当り判定にて大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄組み合わせゲームの終了後、大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出の実行開始を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出の実行開始を指示するラウンドコマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉23を開閉させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了時に、エンディング演出の実行開始を指示するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。その際、メインCPU30aは、図柄組み合わせゲーム終了時に表示した最終停止図柄に基づき、各種フラグを設定する。
具体的には、メインCPU30aは、最終停止図柄として「1,3,5,7」を表示した場合、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグを設定する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄として「2,4,6,8」を表示した場合、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグを設定する。なお、各フラグは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。
以上のように、本実施形態のメインCPU30aは、図柄組み合わせゲームが大当りとなるか否かを判定する大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、変動パターンを決定する変動パターン決定手段となる。
次に、メインCPU30aが制御プログラムに従って実行する普図ゲームに係る普図ゲーム開始処理を説明する。メインCPU30aは、普図ゲームが行われていない場合に、普通保留記憶数が1以上であるとき、普図ゲーム開始処理を実行する。なお、普通保留記憶数は、RAM30cに記憶されるようになっており、作動ゲート27に遊技球が入賞し、ゲートセンサSE3からの検知信号を入力する毎に(普通保留記憶数の上限値(本実施形態では「4」)に達してなければ)1加算され、普図ゲームが1回実行されるごとに1減算されるようになっている。
そして、普図ゲーム開始処理にてメインCPU30aは、当り判定用乱数の値を取得する。続いて、メインCPU30aは、読み出した当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている当り判定値とを比較して当りか否かを判定する当り判定(当りの抽選)を行う。本実施形態では、当り判定用乱数の取り得る数値を0〜9(全10通りの整数)としている。そして、メインCPU30aは、当り判定用乱数の取り得る数値(全10個)の中から定めた9個の当り判定値を用いて、当りの抽選確率(当選確率)を10分の9として当り判定を行う。
メインCPU30aは、当り判定の判定結果が肯定の場合、当りを決定する。当りを決定したメインCPU30aは、普通図柄表示装置28に最終的に表示する普図を決定する。本実施形態では、当りの場合、当り図柄[○]に決定する。その一方で、メインCPU30aは、当たり判定の判定結果が否定の場合、はずれを決定する。はずれを決定したメインCPU30aは、普通図柄表示装置28に最終的に表示する普図をはずれ図柄[×]に決定する。そして、メインCPU30aは、特定遊技状態(確変状態又は時短状態)中であるか否かを判定し、その判定結果に応じて普図変動パターンを決定する。詳しく言えば、メインCPU30aは、時短フラグ又は確変フラグが設定されているとき、特定遊技状態用の普図変動パターンを決定し、特定遊技状態中でなければ(通常状態中であれば)、通常状態用の普図変動パターンを決定する。
そして、メインCPU30aは、普図ゲーム開始処理にて決定した普図変動パターンに基づき、普図の変動を開始させるように普通図柄表示装置28の表示内容を制御する。そして、メインCPU30aは、普図変動パターンにより定められた変動時間経過後、普図ゲーム開始処理にて決定した普図を停止表示させるように、普通図柄表示装置28の表示内容を制御する。
以上のように、普通保留記憶数が、普図ゲーム中に記憶されることにより、普図ゲームが途切れることが少なくなる。そして、特定遊技状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮され、当り判定の回数が増えるので、開閉羽根26bが開放されやすくなる。従って、特定遊技状態中は、図柄組み合わせゲームが連続しやすくなる。
また、メインCPU30aは、当り判定の判定結果が肯定の場合、普図ゲームの終了後(普図ゲーム開始から演出時間(変動時間+停止インターバル期間)経過後)、当り遊技処理(開閉羽根26bの開放と閉鎖に係る処理など)を実行し、当り遊技を行う。詳しく言えば、メインCPU30aは、当り遊技中に、普通電動役物ソレノイドSOL1に対して開閉羽根26bの開動作を指示する開信号を出力し、所定時間の経過後に開閉羽根26bの閉動作を指示する閉信号を出力する。このとき、メインCPU30aは、時短状態又は確変状態中であれば、開信号の出力後、1.8秒経過時に閉信号を出力し、時短状態又は確変状態中でなければ、開信号の出力後、0.3秒経過時に閉信号を出力する。また、メインCPU30aは、時短状態又は確変状態中であれば、当り遊技において、この開信号の出力及び閉信号の出力を3回繰り返す。一方、通常状態中であれば、メインCPU30aは、当り遊技において、この開信号の出力及び閉信号の出力を1回だけ行う。なお、本実施形態において、当り遊技は、最初の開信号(1回目の閉信号)を出力した時点から開始され、最後の閉信号(特定遊技状態中は3回目の閉信号、通常状態中は1回目の閉信号)を出力した時点で終了する。また、時短状態又は確変状態中のとき、閉信号を出力してから、次の開信号を出力するまでに所定の開放インターバル期間(本実施形態では、1.2秒)が設けられている。従って、時短状態又は確変状態中の当り遊技は、7.8秒間(1.8×3+1.2×2秒間)あり、通常状態の当り遊技は、0.3秒間ある。
次に、統括制御基板31について説明する。統括制御基板31には、図3に示すように、統括CPU31aが設けられている。前記統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新するようになっている。また、統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。前記ROM31bには、前記各制御基板32〜33を統括的に制御するための統括制御プログラムなどが記憶されている。また、前記RAM31cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
そして、統括CPU31aは、メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括制御プログラムに基づき、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜33に出力する。また、統括CPU31aは、図柄指定コマンド又は全図柄停止コマンドを入力すると、当該各コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、オープニングコマンド、各ラウンドコマンド、又はエンディングコマンドを入力すると、当該各コマンドを各制御基板32〜33に出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32は、サブCPU32aを備えており、該サブCPU32aにはROM32b及びRAM32cが接続されている。ROM32bには、可変表示器Hの表示内容(図柄の変動やキャラクタの動作)を制御するため表示制御プログラムや、各種画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)などが記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
そして、サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器Hに停止させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。この制御により、可変表示器Hでは図柄組み合わせゲームが行われる。
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように可変表示器Hの表示内容を制御する。
なお、本実施形態では、ランプ・音声制御基板33も、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。これにより、ランプ・音声制御基板33は、可変表示器Hにおける表示演出に対応した発光演出を装飾ランプ16に実行させるように装飾ランプ16の発光態様を制御すると共に、可変表示器Hにおける表示演出に対応した音声演出をスピーカ17に実行させるようにスピーカ17の音声出力態様を制御する。
そして、本実施形態では、第2始動入賞装置26へ入賞した遊技球が不正行為によるものか否か判定している。以下、不正検出処理について図6に基づき説明する。この不正検出処理は、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力したとき、入賞処理を実行する前にメインCPU30aが実行するようになっている。
メインCPU30aは、不正検出処理を実行すると、第2始動入賞装置26から第2始動入賞装置26へ遊技球が入賞したことを示す第2検知信号を入力したか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、不正検出処理を終了する。一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、開閉羽根26bが開閉動作を行う当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS102)。この判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、不正行為はないものとして不正検出処理を終了する。なお、特定遊技状態中においては、複数回の開閉羽根26bの開閉動作の間に開放インターバル(本実施形態では、1.2秒)が存在するが、開放インターバル後は、開閉羽根26bが開放することが確実となっているので、開閉羽根26bが閉鎖していても当り遊技中であるとしている。一方、ステップS102の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、当り遊技終了後、所定の判定無効期間内であるか否かを判定する(ステップS103)。前記判定無効期間は、開閉羽根26bに遊技球が引っ掛かる所謂玉噛みを考慮して設けられた不正行為判定の無効期間である。従って、判定無効期間は、開閉羽根26bに遊技球が引っ掛かたときに、当該遊技球が引っ掛かりを自力で解消し、第2始動入賞装置26に入賞することができると想定した時間が設定されている。具体的には、1.0秒〜3秒の間で設定されることが好ましい。また、前記判定無効期間は、特定遊技状態における普図ゲームの演出時間(変動時間(1.0秒)+停止インターバル期間(0.6秒))よりも長く設定される。そこで、本実施形態では、判定無効期間を2秒としている。
ステップS103の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、不正行為はないものとして不正検出処理を終了する。一方、ステップS103の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、統括制御基板31を介して、ランプ・音声制御基板33に対して、不正報知の実行を指示する不正報知指示コマンドを出力する。ランプ・音声制御基板33は、この不正報知指示コマンドを入力すると、不正報知を実行させる。具体的には、ランプ・音声制御基板33は、不正報知指示コマンドを入力すると、装飾ランプ16の一部を点滅させるように装飾ランプ16の発光態様を制御する。また、ランプ・音声制御基板33は、不正報知指示コマンドを入力すると、スピーカ17から所定の音声を出力させるようにスピーカの音声出力態様を制御する。
以上のように、メインCPU30aは、開閉羽根26bが開閉動作し、第2始動入賞装置26への遊技球の入賞が許容される当り遊技中には、第2検知信号を入力しても不正行為があったと判定しない。一方、メインCPU30aは、当り遊技中以外の期間に第2検知信号を入力した場合には、開閉羽根26bが不正行為により無理矢理開放状態となったために、第2始動入賞装置26へ遊技球が入賞したと判定し、不正報知を行う。但し、当り遊技中以外の期間であっても、当り遊技終了後(最後に開閉羽根26bが閉動作した後)に設けた所定の判定無効期間中に遊技球が入賞したならば、メインCPU30aは、当該判定無効期間に第2検知信号を入力しても不正行為があったと判定しない。そして、前記判定無効期間は、閉動作する開閉羽根26bに遊技球が引っ掛かっても引っ掛かりが解消して遊技球が入賞するのに十分な期間である。このため、遊技者が正当に遊技を行ったにも係わらず不正行為があったと判定されない。
また、メインCPU30aは、特定遊技状態中、普図変動パターンを決定する際、判定無効期間より普図ゲームの演出時間が短くなるように、普図変動パターンを決定する。言い換えると、判定無効期間は、特定遊技状態中に決定される普図変動パターンにより特定される演出時間(変動時間に停止インターバル期間を加算した時間)よりも長く設定されている。このため、特定遊技状態中、遊技者が連続して遊技を行い、普図ゲームを連続して行うと、当り遊技が終了して判定無効期間が終了する前に、次の当り遊技が発生することとなる。このため、遊技者が連続して遊技を行う場合、開閉羽根26bが頻繁に開閉動作するために球噛みが発生しやすい特定遊技状態中には、不正行為を判定しなくなる。従って、遊技者が正当に遊技をして、球噛みが頻発しても不正報知がされなくなり、正当な遊技者に不快な思いをさせることがなくなる。
また、特定遊技状態中であっても、遊技者が遊技を継続しなくなり、当り遊技が継続しなくなれば、最後の当り遊技から所定の判定無効期間経過後に第2検知信号を入力したときには、不正報知を行う。このため、特定遊技状態中に、不正行為が行われても不正を防止することができる。
従って、本実施形態では、メインCPU30aが、入力した第2検知信号が不正行為による第2検知信号であるか否かを判定する不正判定手段となる。また、メインCPU30aが、普図ゲームの演出時間を決定する普通図柄変動パターン決定手段となる。また、メインCPU30aが、特定遊技状態を付与する特定遊技状態付与手段となる。また、スピーカ17及び装飾ランプ16は、不正行為を報知する報知手段を構成する。
次に、不正報知の実行タイミングについて図7及び図8に基づき説明する。なお、図7及び図8のタイムチャートは説明の便宜上長さを省略しているものがある。
図7は、通常遊技状態中における不正報知の実行タイミングを示したものである。図7では、普通保留記憶数の数が2であるとして、普図ゲームが2回連続して行われるものとして説明する。また、図7では、普図ゲームが2回連続して当りとなる場合を想定して説明する。
メインCPU30aは、普通保留記憶数の数を1減算させる(2→1)と共に、通常状態用の普図変動パターンに基づき、普図ゲームを開始させ(時点T1)、終了させる(時点T3)。仮に、この普図ゲーム中(時点T1〜T3)に、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力すると(時点T2)、メインCPU30aは、当り遊技中でもなく判定無効期間でもないので不正検出処理により、不正行為であると判定し、不正報知を実行させる(時点T2)。
そして、時点T3において、普図ゲームが当りとなると、普図ゲーム終了後、メインCPU30aは、当り遊技を開始させ、開閉羽根26bを開動作させる(時点T3)。そして、メインCPU30aは、所定時間経過後、開閉羽根26bを閉動作させ、当り遊技を終了させる(時点T5)。仮に、この当り遊技中(時点T3〜T5)の時点T4において、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力しても、メインCPU30aは、当り遊技中であるので不正検出処理にて不正行為があると判定しない。このため、不正報知も行われない。
そして、メインCPU30aは、当り遊技が終了した時点で普通保留記憶数が1以上あるので、普通保留記憶数から1減算して(1→0)、通常状態用の普図変動パターンに基づき、普図ゲームを開始させ(時点T5)、終了させる(時点T8)。そして、仮に、1回目の普図ゲームに対する当り遊技終了後から所定の判定無効期間経過前(時点T5〜T6)までの間(図では時点T5)において、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力しても、メインCPU30aは、判定無効期間であるので不正検出処理にて不正行為があると判定しない。その一方、所定の判定無効期間経過後から普図ゲーム終了時まで(時点T6〜T8)の間(図では時点T7)において、仮に第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力すると、メインCPU30aは、当り遊技中でもなく判定無効期間でもないので不正検出処理において不正行為があったと判定し、不正報知を実行する。また、普図ゲーム終了後の当り遊技及び無効判定期間終了後(時点T9以降)に、第2検知信号を入力すると、メインCPU30aは、不正検出処理において不正行為があったと判定し、不正報知を実行する。
図8は、特定遊技状態中(確変状態又は時短状態中)における不正報知の実行タイミングを示したものである。図8では、普通保留記憶数の数が2であるとして、普図ゲームが2回連続して行われるものとして説明する。また、図8では、普図ゲームが2回連続して当りとなる場合を想定して説明する。
メインCPU30aは、普通保留記憶数の数を1減算させる(2→1)と共に、特定遊技状態用の普図変動パターンに基づき、普図ゲームを開始させ(時点T11)、終了させる(時点T13)。仮に、この普図ゲーム中(時点T11〜T13)に、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力すると(時点T12)、メインCPU30aは、当り遊技中でもなく判定無効期間でもないので不正検出処理により、不正行為であると判定し、不正報知を実行させる(時点T12)。
そして、時点T13において、普図ゲームが当りとなると、普図ゲーム終了後、メインCPU30aは、当り遊技を開始させ、開閉羽根26bを開動作させる(時点T13)。そして、メインCPU30aは、所定時間経過後、開閉羽根26bに最後(3回目)の閉動作をさせ、当り遊技を終了させる(時点T15)。仮に、この当り遊技中(時点T13〜T15)における時点T14において、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力しても、メインCPU30aは、当り遊技中であるので不正検出処理にて不正行為があると判定しない。このため、不正報知も行われない。
そして、メインCPU30aは、当り遊技が終了した時点で普通保留記憶数が1以上であれば、普通保留記憶数から1減算して(1→0)、通常状態用の普図変動パターンに基づき、普図ゲームを開始させる(時点T15)。そして、仮に、1回目の普図ゲームに対する当り遊技終了後(普図ゲーム開始後)から所定の判定無効期間経過前(時点T15〜T18)までの間(図では時点T16)において、第2始動入賞装置26から第2検知信号を入力しても、メインCPU30aは、判定無効期間であるので不正検出処理にて不正行為があると判定しない。
そして、特定遊技状態中の普図ゲームの演出時間(時点15〜時点T17までの時間)は、判定無効期間(時点T15〜時点T18の時間)よりも短いため、判定無効期間が終了する前に、2回目の普図ゲームが終了する。そして、前提より、この普図ゲームも当りとなるため、判定無効期間が終了する前に、2回目の普図ゲームに対する当り遊技が開始される(時点T17)。このため、1回目の普図ゲームによる当り遊技開始(時点T13)から、2回目の普図ゲームによる当り遊技終了後の判定無効期間終了時(時点T20)までの間、メインCPU30aは、第2検知信号を入力しても不正検出処理にて不正行為があると判定しない。そして、この当り遊技及び当該当り遊技終了後の判定無効期間が終了した時点T20以降に、第2検知信号を入力すると(時点T21)、メインCPU30aは、不正行為があったとして判定し、不正報知が行われる。
以上のように、特定遊技状態中で当り遊技が連続すると、当り遊技間に亘って判定無効期間を設けたので判定無効期間が終了する前に第2検知信号を入力しても、不正行為があったと判定しない。このため、開閉羽根26bが連続して開閉動作し、球噛みが発生しやすい状況では、不正報知は行われない。その一方、当り遊技が連続しなくなると、当り遊技から所定の判定無効期間経過後は、特定遊技状態中であっても不正報知が行われる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)メインCPU30aは、不正検出処理において、開閉羽根26bが開閉動作し、第2始動入賞装置26への遊技球の入賞が許容される当り遊技中には、第2検知信号を入力しても不正行為があったと判定しない。一方、メインCPU30aは、当り遊技中以外の期間に第2検知信号を入力した場合には、開閉羽根26bが不正行為により無理矢理開放状態となったために、第2始動入賞装置26へ遊技球が入賞したと判定し、不正報知を行う。但し、当り遊技中以外の期間であっても、当り遊技終了後(最後に開閉羽根26bが閉動作した後)に設けた所定の判定無効期間中に遊技球が入賞したならば、メインCPU30aは、当該判定無効期間に第2検知信号を入力しても不正行為があったと判定しない。そして、前記判定無効期間は、閉動作する開閉羽根26bに遊技球が引っ掛かっても引っ掛かりが解消して遊技球が入賞するのに十分な期間としている。このため、遊技者が正当に遊技を行ったにも係わらず不正行為があったと判定されない。
また、メインCPU30aは、特定遊技状態中、普図変動パターンを決定する際、判定無効期間より普図ゲームの演出時間が短くなるように、普図変動パターンを決定する。言い換えると、判定無効期間は、特定遊技状態中に決定される普図変動パターンにより特定される演出時間(普通図柄の変動時間に停止インターバル期間を加算した時間)よりも長く設定されている。このため、特定遊技状態中、遊技者が連続して遊技を行い、当り遊技が連続すると、当り遊技が終了して判定無効期間が終了する前に、次の当り遊技が発生することとなる。このため、遊技者が連続して遊技を行う場合、開閉羽根26bが頻繁に開閉動作するために球噛みが発生しやすい特定遊技状態中には、不正行為を判定しなくなる。従って、遊技者が正当に遊技をして、球噛みが頻発しても不正報知がされなくなり、正当な遊技者に不快な思いをさせることがなくなる。
その一方、通常状態又は特定遊技状態において、普図ゲームが終了してから所定の判定無効期間経過後に不正行為により第2始動入賞装置26に遊技球を入賞させても、メインCPU30aは、判定無効期間を過ぎていれば、当該不正行為を判定し、不正報知を実行させる。このため、不正行為を遊技状態にかかわらず検出することができる。
(2)また、当り遊技終了後から所定の判定無効期間を設け、メインCPU30aは、特定遊技状態中には、判定無効期間より短い演出時間の普図変動パターンを決定することにより、遊技状態にかかわらず、同一の不正検出処理を実行することにより、不正行為を検出することができる。このため、メインCPU30aの制御負担や処理プログラム作成の手間を省くことができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
○上記実施形態において、判定無効期間を2秒としたが、判定無効期間を開閉羽根26bに引っ掛かった遊技球が入賞することができると想定された時間であって、特定遊技状態における普図ゲームの演出時間以上の時間であれば、任意に変更しても良い。このとき、判定無効期間を開閉羽根26bに引っ掛かった遊技球が入賞することができると想定された時間であって、特定遊技状態における普図ゲームの演出時間以上の時間のうち、なるべく短い時間を設定してもよい(本実施形態では、1.6秒)。このようにすれば、当り遊技終了後、素早く不正行為を検出でき、より不正行為を検出する時間が増え、効果的に不正を検出できる。
○上記実施形態において、判定無効期間を2秒としたが、特定遊技状態における普図ゲームの演出時間以上の時間であれば、任意に変更しても良い。
○上記実施形態では、確変状態中又は時短状態中に、普図ゲームの当り判定の当選確率は変動しなかったが、変動させても良い。例えば、確変状態中又は時短状態中には、通常状態の当選確率より高確率で普図ゲームの当り判定を当選させても良い。
○上記実施形態では、確変状態中又は時短状態中に、普図ゲームの演出時間を短縮させたが、短縮させることなく、普図ゲームの当り判定の当選確率を変動させても良い。例えば、確変状態中又は時短状態中には、通常状態の当選確率より高確率で普図ゲームの当り判定を当選させても良い。
○上記実施形態では、確変状態中又は時短状態中の当り遊技において、開閉羽根26bは3回開閉動作したが、確変状態中又は時短状態中の当り遊技における開閉羽根26bの合計開放時間が、通常状態の当り遊技における合計開放時間よりも長くなるならば、回数を任意に変更しても良い。また、上記実施形態では、確変状態中又は時短状態中の当り遊技において、開閉羽根26bは1.8秒間開放状態となったが、確変状態中又は時短状態中の当り遊技における開閉羽根26bの合計開放時間が、通常状態の当り遊技における合計開放時間よりも長くなるならば、開放状態となる時間を任意に変更しても良い。例えば、確変状態中又は時短状態中の当り遊技において、開閉羽根26bを1回だけ開閉動作させて、1回の開放時間が6秒となるようにしてもよいし、開閉羽根26bを4回開閉動作させて、1回の開放時間が1.4秒となるようにしてもよい。
○上記実施形態では、不正検出処理に基づいて不正報知を行うようにしたが、不正検出処理に基づいて不正を検出した場合、不正報知を行うと共に大当り判定を行わないようにすることや、不正報知を行うと共に賞球の払い出しを行わないようにしてもよい。また、上記のようにする場合、不正検出処理を入賞処理よりも前に行うのではなく、入賞処理内で不正検出処理を行うようにしてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記作動部材は、当り遊技期間中、複数回開閉動作を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
(ロ)前記判定無効期間は、前記作動部材に引っ掛かった遊技球が入賞することができる時間であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
H…可変表示器(特別図柄表示手段)、SE1…第1始動口センサ、SE2…第2始動口センサ、SE3…ゲートセンサ(普通図柄入賞検知手段)、10…パチンコ機(遊技機)、16…装飾ランプ(報知手段)、17…スピーカ(報知手段)、23…大入賞口(特別入賞装置)、24…大入賞口扉(特別入賞装置)、25…第1始動入賞装置、25a…第1始動入賞口、26…第2始動入賞装置(特別図柄始動入賞装置)、26a…第2始動入賞口、26b…開閉羽根(作動部材)、27…作動ゲート(普通図柄入賞検知手段)、28…普通図柄表示装置(普通図柄表示手段)、30…主制御基板、30a…メインCPU(不正判定手段、普通図柄変動パターン決定手段、特定遊技状態付与手段)、30b…ROM、31…統括制御基板、30a…統括CPU、30b…ROM、30c…RAM、31…表示制御基板。