以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図14にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、前枠14には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール26が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール26によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路26aが形成されるとともに、誘導レール26の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール26の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段及び演出実行装置としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
また、表示枠体27の左下方には、表示手段としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示装置30には、複数種類(本実施形態では101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において演出表示装置28は、特別図柄表示装置30に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置28に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置28に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置28に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][757]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ図柄)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(本実施形態では、[191][212][323][434][545][656][767][878][989])が表示された場合には、大当り遊技が付与される場合もあることを認識できる。この大当り遊技を認識できる図柄組み合わせが大当り判定の確率が低確率から高確率となる確率変動状態が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
また、本実施形態において、演出表示装置28における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置28において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を一旦停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾図を一旦停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、さらに最後に飾図を一旦停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
また、表示枠体27の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される。
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口34の下方には、図示しないアクシュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉40を備えた入賞手段としての大入賞口41が配設されている。大入賞口41の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3が設けられている。そして、大当り遊技が生起されると、大入賞口扉40の開動作によって大入賞口41が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉40の開動作により大入賞口41が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球する、の何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、図3に示すように、規定ラウンド数を「16回」又は「2回」に設定した大当り遊技が付与されるようになっている。
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート42が配設されている。普通図柄作動ゲート42の奥方には、該普通図柄作動ゲート42へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート42は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口43が形成されている。アウト球口43を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート42の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、下始動入賞口34の開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合と、入球率向上状態が付与されていない通常状態の場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。また、本実施形態の入球率向上状態は、確変図柄(大当り遊技)の種類及び確変大当りとなる図柄変動ゲームがどのような遊技状態で行われたか(本実施形態では入球率向上状態であるか否か)によって付与されるか否かが決定される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与される場合がある。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において100種類の特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、特別図柄A、特別図柄B、特別図柄Cの3種類に分類されている。
そして、特別図柄Aには70種類の大当り図柄が、特別図柄Bには10種類の大当り図柄が、特別図柄Cには20種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、特別図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の70%(100分の70)となり、特別図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の10%(100分の10)となり、特別図柄Cに基づく大当り遊技は大当り全体の20%(100分の20)となる。
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口(本実施形態では大入賞口41)を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「16R大当り遊技」と示す。16R大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R大当り遊技では、確変状態と入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(10000回経過する、又は次に大当り遊技が付与される)の間付与されるようになっている。そして、16R大当り遊技は、オープニング演出時間として「8000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「11000(ms)」が設定されている。また、16R大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「2回(2ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「2R確変大当り遊技」と示す。2R確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態及び入球率向上状態が付与される場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみが付与される場合とがある。具体的には、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、大当り遊技終了後に確変状態は付与されるが入球率向上状態は付与されない結果、確変状態のみが付与される(入球率向上状態が0回付与される)。すなわち、本実施形態において、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、確変状態のみが確変状態の最大付与期間の間付与されるようになっている。その一方で、2R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていれば、確変状態が次に大当り遊技が付与されるまでを上限とする確変状態の最大付与期間の間付与される一方で、入球率向上状態が100回を上限とする時短状態の最大付与期間の間付与されるようになっている。なお、2R確変大当り遊技終了後、入球率向上状態が付与された場合には、図柄変動ゲームが100回行われる又は次の大当り遊技が付与されるいずれかが到来するまでの間、入球率向上状態が付与されるようになっている。
また、2R確変大当り遊技では、オープニング時間として「400(ms)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「600(ms)」が、エンディング時間として「2092(ms)」がそれぞれ設定されている。なお、2R確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「1000(ms)」に設定されており、最終開放インターバル時間(最終ラウンド終了時からエンディング開始時までの時間)は、「1000(ms)」に設定されている。また、2R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
また、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R確変大当り遊技のラウンド遊技時間(600(ms))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口41に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600(ms)」となる。すなわち、2R確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(600(ms))内に、入球上限個数となる「8球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
特別図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「2回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口41を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口41を「2回(2ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Cに基づく大当り遊技を「2R非確変大当り遊技」と示す。2R非確変大当り遊技は、大入賞口41を開放させて行い、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、時短状態(すなわち、入球率向上状態)が付与されるか否かが異なるようになっている。具体的には、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、大当り遊技終了後に時短状態(入球率向上状態)が付与されないようになっている。すなわち、本実施形態において、2R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていなければ、確変状態と入球率向上状態が共に付与されないようになっている。その一方で、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていれば、大当り遊技終了後に時短状態(入球率向上状態)が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、2R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時において、入球率向上状態が付与されていれば、時短状態(入球率向上状態)が100回を上限とする時短状態(入球率向上状態)の最大付与期間の間付与されるようになっている。なお、2R非確変大当り遊技終了後、入球率向上状態が付与された場合には、図柄変動ゲームが100回行われる又は次の大当り遊技が付与されるいずれかが到来するまでの間、入球率向上状態が付与されるようになっている。
また、2R非確変大当り遊技では、オープニング時間として「400(ms)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「600(ms)」が、エンディング時間として「2092(ms)」それぞれ設定されている。なお、2R非確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「1000(ms)」に設定されており、最終開放インターバル時間(最終ラウンド終了時からエンディング開始時までの時間)は、「1000(ms)」に設定されている。また、2R非確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「8球」に設定されている。
また、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、2R非確変大当り遊技のラウンド遊技時間(600(ms))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口41に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「600(ms)」となる。すなわち、2R非確変大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(600(ms))内に、入球上限個数となる「8球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に無理である。
つまり、2R非確変大当り遊技におけるオープニング時間、ラウンド遊技時間及びエンディング時間は、2R確変大当り遊技のオープニング時間、ラウンド遊技時間及びエンディング時間と、それぞれ同一時間に設定されている。また、2R確変大当り遊技における大入賞口扉40の開放態様は、2R非確変大当り遊技における大入賞口扉40の開放態様と同一となっている。
このため、大入賞口扉40の開放態様や、オープニング時間、ラウンド遊技時間及びエンディング時間から2R確変大当り遊技と、2R非確変大当り遊技のうちいずれが付与されたかを判別することはできないようになっている。同様に、大当り当選時の遊技状態や、大当り遊技終了後に入球率向上状態が付与されるか否かにより、入球率向上状態が付与されていない場合に2R確変大当り遊技と、2R非確変大当り遊技のうちいずれが付与されたかを判別することはできないようになっている。すなわち、大当り遊技終了後に入球率向上状態が付与されない場合、2R確変大当り遊技、又は2R非確変大当り遊技終了後に、確変状態が付与されているか否かを判別できないようになっている。また、大当り遊技終了後に入球率向上状態が付与される場合、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技終了後に確変状態が付与されているか否かを判別できないようになっている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御装置としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。本実施形態では、サブ統括制御基板46と、演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48によって副制御装置が構成されている。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口41に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート42を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30と普通図柄表示装置31が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30及び普通図柄表示装置31と対応する位置にそれぞれ装着されており、主制御基板45が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置30及び普通図柄表示装置31の表示内容を制御する。
また、主制御用CPU45aは、大当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、主制御用CPU45aには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
主制御用ROM45bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM45bには、メイン制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用(大当り演出用(大当り変動用))、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)及びはずれ演出用(通常変動用用)からなる変動内容毎に分類されている。
変動パターンは、図5に示すように、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンP3〜P5がある。また、変動パターンは、大当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれリーチ演出用の変動パターンP2とはずれ演出用(はずれリーチなし演出用)の変動パターンP1がある。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が入球率向上状態の付与中であるか否かに基づいて選択し得る変動パターンの種類が異なるようになっており、図5には入球率向上状態の付与中である場合の変動パターンを示している。したがって、図5は、本実施形態のパチンコ遊技機10において、主制御用ROM45bに記憶されている変動パターンの一部を示しており、実際には図5に示す変動パターンの他に入球率向上状態の付与中に選択される変動パターンや入球率向上状態の付与中でないときに選択される変動パターンなどがある。本実施形態では、当該本実施形態の説明を通じて図5に示す入球率向上状態の付与中に選択され得る変動パターンを中心に説明する。
本実施形態において大当り演出用の変動パターンには、16R大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP3,P4がある。また、大当り演出用の変動パターンには、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP5がある。本実施形態のパチンコ遊技機10では、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技が決定された際に同一の変動パターンP5が選択されるようになっており、図柄変動ゲームの演出内容が同一内容(同一変動時間)となるようになっている。
なお、変動パターンP3,P4に基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される大当り演出である。また、変動パターンP5に基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームがリーチ演出を経て、最終的に確変示唆の図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される大当り演出である。また、変動パターンP2に基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。また、変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、演出表示装置28の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ、確変示唆の図柄組み合わせ又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。なお、本実施形態では、変動パターンP2〜P5が特定変動パターンとなる。
以下、各変動パターンP1〜P5について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP2〜P5には、リーチ変動を行う大当り演出のパターンが対応付けされている。そして、これら変動パターンP2〜P5では図柄変動ゲームを展開させる具体的な表示演出内容を特定するためのゲーム表示パターンとして、同じ展開となるゲーム表示パターン(リーチ演出)を特定し得るようになっており、互いに同一種類のゲーム表示パターンが特定され得るようになっている。また、これら変動パターンP2〜P5では、ゲーム表示パターンにより同じ展開となる結果、確定停止表示される図柄組み合わせと最終的に導出される演出結果が異なるのみで、図柄組み合わせが確定停止表示される及び最終的に演出結果が導出されるまでの展開を同一展開になるように構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、変動パターンP2〜P5に基づく図柄変動ゲームでは、当該図柄変動ゲームの演出内容を視認しても、図柄変動ゲームで図柄組み合わせが確定停止表示される及び最終的に演出結果が導出されるまでの間、いずれの変動パターンに基づく図柄変動ゲームであるか(大当り演出及びはずれリーチ演出や、大当りの場合に付与される大当り遊技の種類)を遊技者に認識させないようになっている。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は600分の2(300分の1)となる。なお、通常状態と、確変状態では、大当り判定値の数が異なり、確変状態の方が大当り判定値の数が多くなっている。例えば、通常状態(非確変状態)では、大当り判定値として2個の値を取り得る場合、確変状態では、大当り判定値として10個の値を取り得るようになっている。これより、確変状態時、大当り判定における当選確率が高くなる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
また、統括制御用ROM46bには、前記制御プログラムに加え、各種演出を決定する際に参照する各種テーブルが記憶されている。なお、各種テーブルについての詳細は、後述する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。なお、表示制御用ROM47bには、統括制御用CPU46aによって実行が指示される各種演出に応じて実行させる内容を特定したりするテーブルなどが記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。最初に、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図3に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。そして、大当り図柄を決定した主制御用CPU45aは、決定した大当り図柄を主制御用RAM45cに記憶する。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、入球率向上状態の付与中、大当り図柄として特別図柄Aを決定する場合には、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP3,P4を選択し得る一方で、大当り図柄として特別図柄B,Cを決定する場合には、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP5を選択し得る。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、入球率向上状態の付与中、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定する場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2を選択し得る。一方、主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、主制御用CPU45aは、入球率向上状態の付与中、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定しない場合には、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1を選択し得る。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。本実施形態では、特別図柄として大当り図柄を指示する場合の停止図柄指定コマンドが、大当り図柄コマンドとなる。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
なお、本実施形態では、主制御用CPU45aが、大当り判定手段、変動パターン決定手段として機能する。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームの具体的な表示演出内容を特定して指示するためのゲーム表示パターンを指示する表示パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。なお、ゲーム表示パターンとは、図柄変動ゲームにおける図柄の変動表示内容(表示演出内容)を特定可能なパターンであり、図柄変動ゲームでは、ゲーム表示パターンによって演出表示装置28(画像表示部GH)における変動表示内容が特定される。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該停止図柄指定コマンドにより大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄の大当り図柄を統括制御用RAM46cに記憶する。また、統括制御用CPU46aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、1回の図柄変動ゲームが終了されるので、次の図柄変動ゲームの実行に係る処理に移行する。
また、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置28で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。統括制御用CPU46aは、大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ指定された特別図柄が16R大当り遊技に対応する大当り図柄の場合には、最終的に停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当りの図柄組み合わせ([111][222][333][444][555][666][777][888])を決定する。
また、統括制御用CPU46aは、指定された最終停止図柄が、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技に対応する大当り図柄の場合、飾り図柄の図柄組み合わせとして、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。
このように、本実施形態では、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技の場合、確変示唆の図柄組み合わせのみを決定し得るようにした。このため、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技では、これら大当り遊技の態様を同一態様にし、入球率向上状態の付与態様が同一態様となる場合においては遊技態様からだけでなく演出表示装置28の表示内容からも各大当り遊技のいずれが付与されているかを、遊技者に認識し得ないようになっている。
また、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用又ははずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
そして、統括制御用CPU46aは、決定した各列の飾り図柄を指定する飾り図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。また、統括制御用CPU46aは、全図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
また、図6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する確変報知モード演出(以下、「確変モード」と示す)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、遊技状態が確変状態であることに対して期待を持つことができることを遊技者に報知するチャンスモード演出(以下、「CHモード」と示す)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成している。また、前記確変モード及び前記CHモードのいずれでもない場合に、主に遊技状態が確変状態でないときに実行される確変状態でない可能性が高いことを遊技者に報知する通常モード演出(以下、「通常モード」と示す)をモード実行手段である演出表示装置28で実行可能に構成されている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10において通常モード滞在中、実際には、確変状態であるか否かを遊技者に把握させていない秘匿状態であるので、遊技状態が確変状態である可能性が皆無であるというわけではない。そして、本実施形態では、演出表示装置28でそれぞれに表示態様の異なる複数種類の各種モード演出を実行させることで、演出表示装置28の表示態様(表示演出)により現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態であることに対して期待を持つことができるかどうかを報知したり、確変状態であることを報知したりするようになっている。
確変モードは、確変状態と入球率向上状態が共に10000回を上限として付与されている間に実行される演出(モード)となっている。すなわち、確変モードは、16R大当り遊技を契機に移行し得る演出モードである。また、CHモードは、入球率向上状態が付与されている場合であって100回を上限とする入球率向上状態が付与されている間に実行される演出(モード)となっている。すなわち、CHモードは、2R確変大当り遊技、及び2R非確変大当りを契機に移行し得る演出モードであって、これら大当り遊技を契機として入球率向上状態が付与される(入球率向上状態の付与中に当選する)場合に移行し得る演出モードである。なお、CHモードでは、確変状態及び非確変状態のいずれの抽選状態も存在する。また、通常モードは、入球率向上状態が付与されていない間に実行される演出(モード)となっている。なお、通常モードでは、確変状態及び非確変状態のいずれの抽選状態も存在する。
次に、遊技の進行に伴う各種モードの移行態様について、説明する。
16R大当り遊技に当選した場合には、いずれの演出モード(確変モード、CHモード、又は通常モード)に滞在していたとしても確変モードに移行するようになっている。すなわち、16R大当り遊技のように、確変状態とともに入球率向上状態が当選時の遊技状態に係わらず10000回を上限として付与される場合、これら大当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態であることを報知する確変報知状態となるように、演出表示装置28で確変モードを実行させるようになっている。なお、確変モードは、16R大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに付与されるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、16R大当り遊技の終了に伴って確変モードの開始を指示するモード指定コマンドを各制御基板47,48に出力する。その結果、演出表示装置28では、確変モードによる演出モードが実行されることで遊技者にその旨、報知される。
また、確変モード滞在中において、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技に当選した場合には、CHモードに移行するようになっている。入球率向上状態が付与されている確変モード滞在中では、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、少なくとも時短状態の上限回数を上限として入球率向上状態が付与されるようになっている。このため、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後から少なくとも100回の図柄変動ゲームが経過するまでの間では、開閉羽根35の動作態様から遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が認識し得ないようになっている。すなわち、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技のように、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が認識し得ない場合、これら大当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態であることに期待を持つことができることを報知する確変秘匿状態となるように、演出表示装置28でCHモードを実行させるようになっている。なお、CHモードは、確変モードの滞在中における第1,第2の2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに付与されるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、確変モード滞在中における2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了に伴ってCHモードの開始を指示するモード指定コマンドを各制御基板47,48に出力する。その結果、演出表示装置28では、CHモードによる演出モードが実行されることで遊技者にその旨、報知される。
また、CHモード滞在中において、2R大当り遊技、2R非確変大当り遊技に当選した場合には、CHモードを継続させるようになっている。入球率向上状態が付与されているCHモード滞在中では、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技の終了後、いずれの場合にも入球率向上状態が必ず継続して付与されるようになっている。このため、確変モードからCHモードに移行してから少なくとも100回の図柄変動ゲームが経過するまでの間では、開閉羽根35の動作態様から遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が認識し得ないようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、CHモード滞在中における第1,第2の2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の終了に伴ってCHモードの開始を指示するモード指定コマンドを各制御基板47,48に出力する。その結果、演出表示装置28では、CHモードによる演出モードが継続されることで遊技者にその旨、報知される。
また、CHモードは、入球率向上状態が付与されている間、継続されるようになっており、入球率向上状態が付与されている状態から入球率向上状態が付与されていない状態に遊技状態が移行することを条件に、通常モードに移行するようになっている。例えば、CHモードに移行してから20回目の図柄変動ゲームで2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技に当選する場合には、その当選から100回目の図柄変動ゲームの終了に伴って入球率向上状態の付与が終了されるとともに通常モードに移行する。すなわち、CHモードの滞在中に入球率向上状態が終了されるように、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者が依然として認識し得ない場合には、通常モードに移行するときであっても、これら大当り遊技の終了後の遊技状態が確変状態であることに期待を持つことができることを報知する確変秘匿状態となる。なお、通常モードは、入球率向上状態の付与の終了後、次の図柄変動ゲームの開始とともに付与されるようになっている。すなわち、統括制御用CPU46aは、CHモード滞在中における入球率向上状態の付与の終了に伴って通常モードの開始を指示するモード指定コマンドを各制御基板47,48に出力する。その結果、演出表示装置28では、通常モードによる演出モードが実行されることで遊技者にその旨、報知される。
なお、通常モードの滞在中に2R確変大当り遊技、及び2R非確変大当り遊技が付与される場合には、そのまま通常モードを継続させるようになっている。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において指定された変動パターンに基づき図柄変動ゲームの具体的な表示演出内容を特定して指示するためのゲーム表示パターンの決定態様について説明する。なお、ゲーム表示パターンとは、図柄変動ゲームにおける図柄の変動表示内容(表示演出内容)を特定可能なパターンであり、図柄変動ゲームでは、ゲーム表示パターンによって変動表示内容が特定される。
ここでは、確変モードの滞在中における変動パターンP1〜P5に応じたゲーム表示パターンの決定態様を中心に説明する。
統括制御用CPU46aは、主制御用CPU45aから変動パターン指定コマンドを入力すると、入力したコマンドに基づいて図柄変動ゲームを構成するゲーム表示パターンを選択する。
まず、確変モードの滞在中における図柄変動ゲームの演出の流れを示す演出フローについて図7に基づいて説明する。
確変モードの滞在中の図柄変動ゲームでは、大きく分けて分岐点JC1で分岐される第1系統に分類されるゲーム表示パターン(特別表示パターン)と、第2系統に分類されるゲーム表示パターン(通常表示パターン)とがある。本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1系統に分類されるゲーム表示パターンでは、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタの仲間4人のキャラクタがそれぞれに敵(相手)キャラクタと対決し、仲間のキャラクタの対決の勝敗を導出することで大当り(第1系統では特に16R大当り遊技)の付与を示唆するパターンとなっている。そして、第1系統に分類されるゲーム表示パターンには、仲間のキャラクタ毎に4種類の第1種〜第4種演出のいずれかの演出内容に基づき展開され、最終的に「勝利」を導出するゲーム表示パターンHP1と、最終的に「敗北」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP2がある。なお、ゲーム表示パターンHP1,HP2では、最終的に「勝利」又は「敗北」を導出することを特定するものであって、第1〜第4種演出のいずれも出現させ得るようになっている。したがって、第1系統の展開を特定するゲーム表示パターンでは、出現する第1種〜第4種演出毎に4種類(複数種類)と、「勝利」及び「敗北」の2種類(複数種類)の演出結果を導出する、合計8種類(複数種類)の展開となるゲーム表示パターンがあることとなる。
また、第2系統に分類されるゲーム表示パターンでは、さらに分岐点JC2で分岐されるAパターン(第1種展開)に分類されるゲーム表示パターン(第2通常表示パターン)と、Bパターン(第2種展開)に分類されるゲーム表示パターン(第1通常表示パターン)とがある。本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2系統に分類されるゲーム表示パターンでは、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタが出現して敵(相手)キャラクタと対決し、モチーフとなっているキャラクタの対決の勝敗を導出することで大当り(第2系統のAパターンでは全ての大当り遊技、Bパターンでは16R大当り遊技)の付与を示唆するパターンとなっている。
また、第2系統のAパターンに分類されるゲーム表示パターンでは、モチーフとなっているキャラクタが先制攻撃を受ける展開となる一方で、第2系統のBパターンに分類されるゲーム表示パターンでは、モチーフとなっているキャラクタが先制攻撃を与える展開となるようになっている。そして、第2系統に分類されさらにAパターンに分類されるゲーム表示パターンには、モチーフとなっているキャラクタが先制攻撃を受ける結果、最終的に「勝利」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP3がある。また、第2系統に分類されさらにAパターンに分類されるゲーム表示パターンには、相手の攻撃を受け耐えて最終的に「引分け」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP4と、相手の攻撃を受けて最終的に「敗北」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP5とがある。なお、本実施形態において、変動パターンP4に基づき決定され得る、ゲーム表示パターンHP1,HP3,HP6,HP8は、同じ展開で最終的に失敗パターンの演出結果を導出するゲーム表示パターンHP2,HP5,HP7,HP9で演出結果を導出する直前まで同じ態様で、演出結果を導出する直前で逆転して成功パターンの演出結果を導出するパターンとなっている。すなわち、変動パターンP3,P4の両パターンで決定され得るゲーム表示パターンHP1,HP6,HP8は、変動パターンP3に基づいて実行される図柄変動ゲームにおいて直接、成功パターンとする展開であり、変動パターンP4基づいて実行される図柄変動ゲームにおいて一旦、失敗パターンと見せかけて演出結果を導出する直前で逆転して成功パターンとする展開である。
また、第2系統のBパターンに分類されるゲーム表示パターンでは、さらにCパターンに分類されるゲーム表示パターンと、Dパターンに分類されるゲーム表示パターンとがある。本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2系統のBパターンに分類され、さらにCパターンに分類されるゲーム表示パターンでは、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタが出現して敵の城門に攻め入る先制攻撃をする態様とし、モチーフとなっているキャラクタの勝敗(城門を突破したか否か)を導出することで大当り(16R大当り遊技)の付与示唆するパターンとなっている。また、第2系統のBパターンに分類され、さらにDパターンに分類されるゲーム表示パターンでは、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタが出現して敵(相手)キャラクタを次々と薙ぎ倒していく先制攻撃をする態様とし、モチーフとなっているキャラクタの勝敗(敵キャラクタを全て倒すことができたか否か)を導出することで大当り(16R大当り遊技)の付与示唆するパターンとなっている。そして、第2系統のBパターンに分類されさらにCパターンに分類されるゲーム表示パターンには、最終的に「勝利」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP6と、最終的に「敗北」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP7とがある。また、第2系統のBパターンに分類されさらにDパターンに分類されるゲーム表示パターンには、最終的に「勝利」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP8と、最終的に「敗北」の演出結果を導出するゲーム表示パターンHP9とがある。
このように本実施形態では、複数種類の演出経路及び演出結果を特定するゲーム表示パターンHP1〜HP9を備えることで、複数種類の演出経路及び演出結果で展開されるように図柄変動ゲームが行われることとなる。
そして、図7に示すように、ゲーム表示パターンHP1に基づく展開は、大当り抽選に当選して且つ、16R大当り遊技を決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP1は、変動パターンP3,P4が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP1に基づく展開は、16R大当り遊技の付与に先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
また、ゲーム表示パターンHP2に基づく展開は、大当り抽選に当選しないではずれを決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP2は、変動パターンP2が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP2に基づく展開は、はずれとなって遊技状態が移行することなく確変状態が継続するのに先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。したがって、第1系統に分類されるゲーム表示パターンHP1,HP2に基づく展開は、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
また、ゲーム表示パターンHP3に基づく展開は、大当り抽選に当選して且つ、16R大当り遊技を決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP3は、変動パターンP4が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP3に基づく展開は、16R大当り遊技の付与に先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
また、ゲーム表示パターンHP4に基づく展開は、大当り抽選に当選しないではずれを決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP4は、変動パターンP2が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP4に基づく展開は、はずれとなって遊技状態が移行することなく確変状態が継続するのに先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
また、ゲーム表示パターンHP5に基づく展開は、大当り抽選に当選して且つ、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技を決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP5は、変動パターンP5が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP5に基づく展開は、2R確変大当り遊技又は2R非確変大当り遊技の付与に先立って実行されるので、確変モードが終了されてCHモード移行することを遊技者に報知するパターンである。
したがって、第2系統に分類されさらにAパターンに分類されるゲーム表示パターンHP3〜HP5に基づく展開は、確変モードが継続することを遊技者に報知する場合と、確変モードが終了してCHモードに移行することを遊技者に報知する場合とがある。また、第2系統に分類されさらにAパターンに分類されるゲーム表示パターンHP5に基づく展開は、確変モード滞在中の図柄変動ゲームの展開において、確変状態が終了する(非確変状態に移行する)可能性が存在する唯一の展開となっている。
また、ゲーム表示パターンHP6,HP8に基づく展開は、大当り抽選に当選して且つ、16R大当り遊技を決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP6,HP8は、変動パターンP3,P4が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP6,HP8に基づく展開は、16R大当り遊技の付与に先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
また、ゲーム表示パターンHP7,HP9に基づく展開は、大当り抽選に当選しないではずれを決定している場合に辿るようになっている。すなわち、ゲーム表示パターンHP7,HP9は、変動パターンP2が決定されている場合に選択され得るゲーム表示パターンである。また、ゲーム表示パターンHP7,HP9に基づく展開は、はずれとなって遊技状態が移行することなく確変状態が継続するのに先立って実行されるので、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。したがって、第2系統に分類されさらにBパターン(Cパターン及びDパターン)に分類されるゲーム表示パターンHP6〜HP9に基づく展開は、確変モードが継続することを遊技者に報知するパターンである。
次に、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンに基づいてゲーム表示パターンを決定する態様について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに記憶されている個別情報(ステータス情報)の記憶内容(設定内容)に基づいてゲーム表示パターン振分テーブルを選択し、選択したゲーム表示パターン振分テーブルにしたがってゲーム表示パターンを決定するようになっている。本実施形態において、個別情報とは、第1系統に分類される展開で出現し得る第1種〜第4種演出の演出内容のことであり、第1系統に分類される展開のうちゲーム表示パターンHP1(「勝利」となる)を決定することを条件に、出現させた演出内容の種類を示す情報(フラグなど)のことである。なお、本実施形態では、演出表示装置28(画像表示部GH)上に個別情報として記憶している情報の種類を示す個別表示情報が画像表示されるようになっており、個別表示情報によって遊技者に記憶している個別情報の種類と数を報知するようになっている。また、個別表示情報としては、各個別情報に対応する第1種〜第4種演出で出現するキャラクタに因んだ(関連する)家紋や武器などを画像表示させることで、個別情報の種類を遊技者に報知している。
そして、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP1を決定し、その決定に伴って第1種〜第4種演出の中から演出内容を選択した場合に、その選択した演出内容を示す情報(フラグなど)を個別情報として統括制御用RAM46cに記憶(設定)するようになっている。すなわち、個別情報を統括制御用RAM46cに記憶することで、記憶した個別情報に対応する第1系統の展開となるゲーム表示パターンに基づく図柄変動ゲームの実行履歴を記憶している。個別情報は、第1系統の第1種〜第4種演出毎にそれぞれを特定可能な情報で構成されており、記憶している個別情報が第1種〜第4種演出のいずれに対応するかを特定可能な情報となっている。そして、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP1に基づき第1種〜第4種演出のいずれかを決定する毎に対応する個別情報を統括制御用RAM46cにそれぞれ記憶する。また、統括制御用CPU46aは、個別情報を新たに統括制御用RAM46cに記憶する場合、記憶したことを示す個別情報表示コマンドを各制御基板47,48に出力するようになっている。個別情報表示コマンドでは、統括制御用RAM46cに個別情報として新たに記憶した個別情報の種類を特定することができるようになっている。その結果、演出表示装置28には、所定のタイミングで(本実施形態では、16R大当り遊技の終了に伴って)新たに記憶された個別情報に基づく個別表示情報が画像表示される。これにより、遊技者は、個別情報が新たに記憶されたことを認識する。
なお、本実施形態では、個別情報を記憶保持している期間においては、ゲーム表示パターンHP1の演出内容として同じ種類の演出内容を決定しない構成となっており、個別情報として各種個別情報を1つずつ記憶し、同じ個別情報を重複して記憶しないようになっている。このため、本実施形態では、統括制御用RAM46cに記憶される個別情報は、第1種〜第4演出に対応するそれぞれ1つずつ合計4種類(4つ)記憶することを上限として記憶するようになっている。
また、統括制御用CPU46aは、個別情報を確変モードの滞在中にのみ新たに記憶可能とし、確変モードに滞在している間、累積的に個別情報を記憶していくようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、個別情報を統括制御用RAM46cに一旦記憶させると、演出モードが確変モードに移行してからCHモードを経由して通常モードに移行するまでの間、その記憶内容を継続して記憶保持するようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、通常モードへの移行に伴って統括制御用RAM46cに記憶されている個別情報をクリア(何も記憶していない状態にリセット)する。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変モード及びCHモードが継続され、入球率向上状態の継続的な付与中である、所謂、「連チャン(連荘)中」の間、個別情報を継続的に記憶保持可能になっている。また、CHモードへの移行後、再び16R大当り遊技への当選を契機に確変モードに再移行する場合であっても、個別情報は、継続的に記憶保持されるようになっている。なお、本実施形態では、ゲーム表示パターンHP1を、確変モードの滞在中でのみ決定し得る構成としているので、個別情報を新たに記憶可能な期間が確変モードの滞在中であり、個別情報を記憶保持可能な期間が確変モード及びCHモードの滞在中である。すなわち、本実施形態では、個別情報を新たに記憶可能な所定期間(確変モードの滞在中)は勿論のこと、個別情報を継続して記憶保持可能な特別期間(CHモードの滞在中)としてさらに定め、特別期間では、個別情報を新たに記憶することなくそのまま継続的に記憶保持するのみとしている。
統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンの決定に際し、統括制御用RAM46cに記憶されている個別情報を確認し、個別情報に応じたゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5にしたがってゲーム表示パターンを決定する。そして、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターン(及び特別図柄用の停止図柄指定コマンドに指定される特別図柄)の種類に基づいて乱数による乱数抽選を実行する。
そして、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cにいずれの個別情報も記憶されていない場合、図8(a)に示すゲーム表示パターン振分テーブルGT1にしたがってゲーム表示パターンを選択して決定する。
ゲーム表示パターン振分テーブルGT1には、変動パターンの種類毎に(特別図柄の種類に基づいて)それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP1(ゲーム表示パターンHP1)」〜「HP9(ゲーム表示パターンHP9)のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
例えば、ゲーム表示パターン振分テーブルGT1では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、100個の乱数を「HP1」に、100個の乱数を「HP6」に、51個の乱数を「HP8」に振分けている。このため、ゲーム表示パターン振分テーブルGT1では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、「HP1」が選択される確率を100/251に振分け、「HP6」が選択される確率を100/251に振分け、「HP8」が選択される確率を51/251に振分けている。
また、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに第1種〜第4種演出のうち1種類の個別情報が記憶されている場合、図8(b)に示すゲーム表示パターン振分テーブルGT2にしたがってゲーム表示パターンを選択して決定する。なお、図8(b)には、図8(a)のゲーム表示パターン振分テーブルGT1と乱数の振分け態様が異なる変動パターンP2〜P4にかかわる部分のみの抜粋である。
ゲーム表示パターン振分テーブルGT2には、変動パターンの種類毎に(特別図柄の種類に基づいて)それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP1(ゲーム表示パターンHP1)」〜「HP9(ゲーム表示パターンHP9)のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
例えば、ゲーム表示パターン振分テーブルGT2では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、90個の乱数を「HP1」に、110個の乱数を「HP6」に、51個の乱数を「HP8」に振分けている。このため、ゲーム表示パターン振分テーブルGT2では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、「HP1」が選択される確率を90/251に振分け、「HP6」が選択される確率を110/251に振分け、「HP8」が選択される確率を51/251に振分けている。
また、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに第1種〜第4種演出のうち2種類の個別情報が記憶されている場合、図8(c)に示すゲーム表示パターン振分テーブルGT3にしたがってゲーム表示パターンを選択して決定する。なお、図8(c)には、図8(a),(b)のゲーム表示パターン振分テーブルGT1,GT2と乱数の振分け態様が異なる変動パターンP2〜P4にかかわる部分のみの抜粋である。
ゲーム表示パターン振分テーブルGT3には、変動パターンの種類毎に(特別図柄の種類に基づいて)それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP1(ゲーム表示パターンHP1)」〜「HP9(ゲーム表示パターンHP9)のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
例えば、ゲーム表示パターン振分テーブルGT2では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、70個の乱数を「HP1」に、130個の乱数を「HP6」に、51個の乱数を「HP8」に振分けている。このため、ゲーム表示パターン振分テーブルGT3では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、「HP1」が選択される確率を70/251に振分け、「HP6」が選択される確率を130/251に振分け、「HP8」が選択される確率を51/251に振分けている。
また、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに第1種〜第4種演出のうち3種類の個別情報が記憶されている場合、図8(d)に示すゲーム表示パターン振分テーブルGT2にしたがってゲーム表示パターンを選択して決定する。なお、図8(d)には、図8(a)〜(c)のゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT3と乱数の振分け態様が異なる変動パターンP2〜P4にかかわる部分のみの抜粋である。
ゲーム表示パターン振分テーブルGT4には、変動パターンの種類毎に(特別図柄の種類に基づいて)それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP1(ゲーム表示パターンHP1)」〜「HP9(ゲーム表示パターンHP9)のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
例えば、ゲーム表示パターン振分テーブルGT4では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、64個の乱数を「HP1」に、137個の乱数を「HP6」に、50個の乱数を「HP8」に振分けている。このため、ゲーム表示パターン振分テーブルGT4では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、「HP1」が選択される確率を64/251に振分け、「HP6」が選択される確率を137/251に振分け、「HP8」が選択される確率を50/251に振分けている。
また、統括制御用CPU46aは、統括制御用RAM46cに第1種〜第4種演出の4種類全ての個別情報が記憶されている場合、図8(e)に示すゲーム表示パターン振分テーブルGT5にしたがってゲーム表示パターンを選択して決定する。なお、図8(e)には、図8(a)〜(d)のゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT4と異なる変動パターンP2〜P4にかかわる部分のみの抜粋である。
ゲーム表示パターン振分テーブルGT5には、変動パターンの種類毎に(特別図柄の種類に基づいて)それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP1(ゲーム表示パターンHP1)」〜「HP9(ゲーム表示パターンHP9)のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。
例えば、ゲーム表示パターン振分テーブルGT5では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、0個の乱数を「HP1」に、192個の乱数を「HP6」に、59個の乱数を「HP8」に振分けている。このため、ゲーム表示パターン振分テーブルGT5では、大当り演出用の変動パターンP3が指定されている場合に(特別図柄Aが指定されるときに)、「HP1」が選択される確率を0/251に振分け、「HP6」が選択される確率を192/251に振分け、「HP8」が選択される確率を59/251に振分けている。
本実施形態においてゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5では、図8(b)〜(e)における各数値の括弧内に示すように、統括制御用RAM46cに記憶される個別情報の種類が増加するほど、第1系統に分類されるゲーム表示パターンHP1,HP2に振分けられている乱数の個数が減少している。その一方で、ゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5では、図8(b)〜(e)における各数値の括弧内に示すように、統括制御用RAM46cに記憶される個別情報の種類が増加するほど、第2系統のBパターンに分類されるゲーム表示パターンHP6,HP7に振分けられている乱数の個数が増加している。さらに、ゲーム表示パターン振分テーブルGT5にあっては、図8(e)に示すように、第1系統に分類されるゲーム表示パターンHP1,HP2を全く選択しない(乱数を振分けていない)ようになっている。このため、本実施形態では、統括制御用RAM46cに記憶されている個別情報の種類が増加するほど、第1系統に分類されるゲーム表示パターンHP1,HP2が選択され難くなり、さらに、個別情報の種類が全て揃った状態では、第1系統に分類されるゲーム表示パターンHP1,HP2の選択を規制する(選択しない)ようになっている。
また、本実施形態において、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドに指定される変動パターンが変動パターンP1である場合、確変モード滞在中の通常変動用のゲーム表示パターンを選択して決定するようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、個別情報の記憶態様(所定条件の成立態様)に応じてゲーム表示パターンの決定態様を異ならせることで、図柄変動ゲームで出現する展開の割合に変化を与えるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、統括制御用CPU46aは、確変モード及びCHモードの間(確変モードに移行してから通常モードに移行するまでの間)において、各ゲーム表示パターンが出現した出現履歴を記憶可能に構成されている。すなわち、本実施形態では、個別情報と出現履歴とを同じ期間の間、継続して記憶保持可能としている。そして、統括制御用CPU46aは、確変モードに移行してから通常モードに移行するまでの間の期間を履歴記憶期間として、各ゲーム表示パターンが出現した出現履歴を記憶するようになっている。なお、統括制御用CPU46aは、通常モードへの移行を契機に、各出現履歴をクリアし、確変モードへの移行を契機に、再度、各出現履歴を記憶していく。
また、統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間の間、所定条件が成立する期間において、各ゲーム表示パターンを決定するに際し、各ゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5で一旦選択したゲーム表示パターンを各ゲーム表示パターンの出現履歴により算出される各種出現率に応じて、再選択することで各種出現率を補正する補正制御を実行する。そして、統括制御用CPU46aは、大当り抽選の結果に応じて、はずれ時の補正制御と、大当り時の補正制御とを実行するようになっている。
なお、本実施形態において、各補正制御を実行するための所定条件は、確変モードへの移行契機となる16R大当り遊技を特定の大当り遊技として、確変モードが継続していることを条件に当該確変モードの突入契機となった16R大当り遊技(特定の大当り遊技)を含む3回(所定回数)の大当り遊技が終了されることと、統括制御用RAM46cに4種類全ての個別情報が記憶されていないことである。また、本実施形態では、変動パターンP1及び変動パターンP5に基づきゲーム表示パターンを決定する際には選択されたゲーム表示パターンがそのまま決定されて指示される。本実施形態では、4種類全ての個別情報が記憶されている場合、強制的に第1系統を特定するゲーム表示パターンが選択されないので、所定条件として「4種類全ての個別情報が記憶されていないこと」を設定している。
また、本実施形態では、ゲーム表示パターンHP3,HP5以外のゲーム表示パターンHP1,HP2,HP4,HP6〜HP9を対象として補正制御を実行する。なお、本実施形態では、ゲーム表示パターンHP3,HP5を決定する際には選択されたゲーム表示パターンがそのまま決定されて指示される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10において、補正制御では、各ゲーム表示パターンHP1,HP2,HP4,HP6〜HP9の出現履歴に基づく各種出現率に応じて、各系統及び第2系統の各パターンの各出現率、さらに各系統及び第2系統の各パターン出現時の勝利(又は敗北)の割合を算出し、各種出現率を予め定めた基準となる規定出現率(規定値)に近づけるように補正する。なお、本実施形態において基準となる各規定値は、パチンコ遊技機10における各種演出の特性を加味した上で、開発段階で設定される出現率であって、パチンコ遊技機のゲーム性、大当り確率などの仕様や備える演出の内容によって異なるものであって、本実施形態で登場する各規定値の具体的な数値はその一例である。
次に、補正制御の処理態様について、図9〜図14を用いて説明する。
統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間において、図9に示すように、ゲーム表示パターン毎に複数種類(本実施形態では7種類)のカテゴリに分類して、カテゴリ毎に出現回数をカウントすることで出現履歴を記憶するようになっている。本実施形態では、カテゴリaとしてゲーム表示パターンHP7の出現履歴を記憶し、カテゴリbとしてゲーム表示パターンHP9の出現履歴を記憶し、カテゴリcとしてゲーム表示パターンHP4の出現履歴を記憶し、カテゴリdとしてゲーム表示パターンHP2の出現履歴を記憶する。また、本実施形態では、カテゴリeとしてゲーム表示パターンHP6の出現履歴を記憶し、カテゴリfとしてゲーム表示パターンHP8の出現履歴を記憶し、カテゴリgとしてゲーム表示パターンHP1の出現履歴を記憶する。そして、統括制御用CPU46aは、これら各カテゴリに分類されるそれぞれの出現履歴から所定の出現率を百分率(%)で算出し、算出した各出現率をパラメータとして各出現率の補正制御を実行するようになっている。本実施形態では、パラメータにより算出される出現率が、各演出経路及び演出結果における各種出現率となる。
次に、補正制御で利用される各パラメータについて、図10を用いて説明する。
統括制御用CPU46aは、パラメータAとして、カテゴリa,eを利用して「第2系統のCパターンの出現時における勝利の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP6,HP7のうちゲーム表示パターンHP6の出現率((カテゴリe)/((カテゴリa)+(カテゴリe))×100(%))を算出する。なお、パラメータAによる出現率は、「第2系統のCパターンの出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP6の出現率となる。その一方で、統括制御用CPU46aは、パラメータ(1−A)として、カテゴリa,eを利用して「第2系統のCパターンの出現時における敗北の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP6,HP7のうちゲーム表示パターンHP7の出現率((1−(カテゴリe)/((カテゴリa)+(カテゴリe)))×100(%))を算出する。なお、パラメータ(1−A)による出現率は、「第2系統のCパターンの出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP7の出現率となる。
また、統括制御用CPU46aは、パラメータBとして、カテゴリb,fを利用して「第2系統のDパターンの出現時における勝利の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP8,HP9のうちゲーム表示パターンHP8の出現率((カテゴリf)/((カテゴリb)+(カテゴリf))×100(%))を算出する。なお、パラメータBによる出現率は、「第2系統のDパターンの出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP8の出現率となる。その一方で、統括制御用CPU46aは、パラメータ(1−B)として、カテゴリb,fを利用して「第2系統のDパターンの出現時における敗北の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP8,HP9のうちゲーム表示パターンHP9の出現率((1−(カテゴリf)/((カテゴリb)+(カテゴリf)))×100(%))を算出する。なお、パラメータ(1−B)による出現率は、「第2系統のDパターンの出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP9の出現率となる。
また、統括制御用CPU46aは、パラメータCとして、カテゴリd,gを利用して「第1系統の出現時における勝利の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP1,HP2のうちゲーム表示パターンHP1の出現率((カテゴリg)/((カテゴリd)+(カテゴリg))×100(%))を算出する。なお、パラメータCによる出現率は、「第1系統の出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP1の出現率となる。その一方で、統括制御用CPU46aは、パラメータ(1−C)として、カテゴリd,gを利用して「第1系統の出現時における敗北の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP1,HP2のうちゲーム表示パターンHP2の出現率((1−(カテゴリg)/((カテゴリd)+(カテゴリg)))×100(%))を算出する。なお、パラメータ(1−C)による出現率は、「第1系統の出現のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP2の出現率となる。
また、統括制御用CPU46aは、パラメータIとして、カテゴリa,b,c,dを利用して「はずれ時のうち第2系統のAパターンの割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP2,HP4,HP7,HP9のうちゲーム表示パターンHP4の出現率((カテゴリc)/((カテゴリa)+(カテゴリb)+(カテゴリc)+(カテゴリd))×100(%))を算出する。なお、パラメータIによる出現率は、「はずれ時のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP4の出現率となる。その一方で、統括制御用CPU46aは、パラメータ(1−I)として、カテゴリa,b,c,dを利用して「はずれ時のうち第2系統のAパターン以外の割合」を算出する。すなわち、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP2,HP4,HP7,HP9のうちゲーム表示パターンHP4以外の出現率((1−(カテゴリc)/((カテゴリa)+(カテゴリb)+(カテゴリc)+(カテゴリd)))×100(%))を算出する。なお、パラメータ(1−I)による出現率は、「はずれ時のうち」という条件下におけるゲーム表示パターンHP4以外(ゲーム表示パターンHP2,HP7,HP9)の出現率となる。
次に、はずれ時の補正制御について説明する。
統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間の間において、変動パターンP2が指定され、はずれに対応する特別図柄が指定されることに伴って、ゲーム表示パターンを選択するに際し、個別情報の記憶態様に基づくゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5にしたがってゲーム表示パターンを一旦選択する。続いて、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンがいずれのゲーム表示パターンであるかを確認し、その種類と各パラメータにより算出される出現率を用いたはずれ時の補正制御を実行する。
はずれ時の補正制御において、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンが第2系統のAパターンを特定するゲーム表示パターンHP4である場合、パラメータI(「はずれ時のうち第2系統のAパターンの割合」)として算出される出現率を確認し、その出現率が予め定めたI用の規定値以上であるか否かを判定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、はずれが決定されている場合に、第2系統のAパターン(第1種展開)が選択されることを条件に、第2系統のAパターン(第1種展開)の出現率が対応するI用の規定値以上であるか否か(規定値と同等又は高いか否か)を判定する第1種展開判定を実行することとなる。
統括制御用CPU46aは、第1種展開判定の判定結果が肯定であって、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上の場合、図11に示す展開振分テーブルに基づき、満たしている条件(ここでは第1種展開判定を肯定判定)に応じて乱数による第1種展開再選択抽選(乱数抽選)を実行する。統括制御用CPU46aは、第1種展開判定を肯定判定することで、「Aパターン多」を判定している。そして、統括制御用CPU46aは、満たしている条件に応じて、「Aパターン多」の欄にしたがって一旦選択したゲーム表示パターンに代えて、ゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、統括制御用CPU46aは、第1種展開判定の判定結果が否定であって、パラメータIによる出現率がI用の規定値よりも下の場合、第1種展開再選択抽選を実行しないで、一旦選択しているゲーム表示パターンをそのまま決定する。
展開振分テーブルの「Aパターン多」の欄には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP2」、「HP7」、「HP9」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。そして、展開振分テーブルの「Aパターン多」の欄では、「HP2」が選択される確率を5/251、「HP7」が選択される確率を100/251、「HP9」が選択される確率を45/251となるように乱数をそれぞれに振分けている一方で、「HP4」に乱数を振分けていない。
本実施形態において展開振分テーブルの「Aパターン多」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第2系統のAパターンの選択時、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP7,HP9(第2系統のBパターン)を再選択し易く、ゲーム表示パターンHP4を再選択しないようになっている。すなわち、展開振分テーブルの「Aパターン多」の欄では、はずれ時の第2系統のAパターンの選択時、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP4以外を再選択するようになっている。このように、本実施形態のはずれ時の補正制御では、「Aパターン多」と判定される場合、強制的に第2系統のAパターンの出現を規制して他の展開を出現させることで相対的にパラメータIによる出現率を低下させる結果、当該パラメータIによる出現率をI用の規定値に近づけるように補正が実行される。
また、はずれ時の補正制御において、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンが、第1系統を特定するゲーム表示パターンHP2、又は第2系統のBパターンを特定するゲーム表示パターンHP7,HP9である場合、パラメータ(1−I)(「はずれ時のうち第2系統のAパターン以外の割合」)として算出される出現率を確認し、当該出現率が予め定めた(1−I)用の規定値以上であるか否かを判定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、はずれが決定されている場合に、第2系統のAパターン(第1種展開)以外の第2系統のBパターン(第2種展開)や第1系統が選択されることを条件に、第2系統のAパターン(第1種展開)以外(第2系統のBパターン(第2種展開)や第1系統)の出現率が対応する(1−I)用の規定値以上であるか否か(規定値と同等又は高いか否か)を判定する第2種展開一次判定を実行することとなる。なお、本実施形態では、第2種展開一次判定により、第2種展開(第2系統のBパターン)の出現率のみでなく第1系統の出現率の補正制御も実行している。
統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定の判定結果が肯定であって、パラメータ(1−I)による出現率が(1−I)用の規定値以上の場合、図11に示す展開振分テーブルに基づき、満たしている条件(ここでは第2種展開一次判定を肯定判定)に応じて乱数による第2種展開一次再選択抽選(乱数抽選)を実行する。統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定を肯定判定することで、相対的に「Aパターン少」を判定している。そして、統括制御用CPU46aは、満たしている条件に応じて、「Aパターン少」の欄にしたがって一旦選択したゲーム表示パターンに代えて、ゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定の判定結果が否定であって、パラメータ(1−I)による出現率が(1−I)用の規定値よりも下の場合、第2種展開一次再選択抽選を実行しないで、さらに詳細な展開の出現率を補正制御する、後述する第2種展開二次判定(第2種展開二次再選択抽選)を実行するようになっている。
展開振分テーブルの「Aパターン少」の欄には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP4」、「HP7」、「HP9」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。そして、展開振分テーブルの「Aパターン少」の欄では、「HP4」が選択される確率を236/251、「HP7」が選択される確率を10/251、「HP9」が選択される確率を5/251となるように乱数をそれぞれに振分けている一方で、「HP2」に乱数を振分けていない。
本実施形態において展開振分テーブルの「Aパターン少」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第2系統のAパターン以外の選択時、パラメータ(1−I)による出現率が(1−I)用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP4(第2系統のAパターン)を最も再選択し易くなるようになっている。すなわち、展開振分テーブルの「Aパターン少」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第2系統のAパターン以外の選択時、パラメータ(1−I)による出現率が(1−I)用の規定値以上の場合、第2系統のBパターンを選択し難く、第1系統を選択しないようになっている。このように、本実施形態のはずれ時の補正制御では、「Aパターン少」と判定される場合、第2系統のAパターンの出現を上昇させ得るように再選択を実行することで相対的にパラメータ(1−I)による出現率を低下させる結果、当該出現率を(1−I)用の規定値に近づけるように補正が実行される。
また、はずれ時の補正制御において、統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定の判定結果が否定であって、さらに詳細な展開の出現率を補正制御するために第2種展開二次判定を実行する。そして、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンの種類に応じて処理を実行する。
第2種展開二次判定において、統括制御用CPU46aは、第2系統のBパターンのうちCパターンを特定するゲーム表示パターンHP7である場合、パラメータ(1−A)(「第2系統のCパターンの出現時における敗北の割合」)として算出される出現率を確認し、その出現率が予め定めた(1−A)用の規定値以上であるか否かを判定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、はずれが決定されている場合に、第2系統のBパターンでさらにCパターンが選択されることを条件に、第2系統のCパターンの出現率が対応する(1−A)用の規定値以上であるか否か(規定値と同等又は高いか否か)を判定する第2種展開二次判定を実行することとなる。
統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が肯定であって、パラメータ(1−A)による出現率が(1−A)用の規定値以上の場合、図11に示す展開振分テーブルに基づき、満たしている条件(ここでは第2種展開二次判定を肯定判定)に応じて乱数による第2種展開二次再選択抽選(乱数抽選)を実行する。統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定を肯定判定することで、「Cパターン多」を判定している。そして、統括制御用CPU46aは、満たしている条件に応じて、「Cパターン多」の欄にしたがって一旦選択したゲーム表示パターンに代えて、ゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が否定であって、パラメータ(1−A)による出現率が(1−A)用の規定値よりも下の場合、第2種展開二時再選択抽選を実行しないで、一旦選択しているゲーム表示パターンをそのまま決定する。
展開振分テーブルの「Cパターン多」の欄には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP2」、「HP9」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。そして、展開振分テーブルの「Cパターン多」の欄では、「HP2」が選択される確率を15/251、「HP9」が選択される確率を236/251となるように乱数をそれぞれに振分けている一方で、「HP4」及び「HP7」に乱数を振分けていない。
本実施形態において展開振分テーブルの「Cパターン多」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第2系統のCパターンの選択時、パラメータ(1−A)による出現率が(1−A)用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP9(第2系統のBパターンでさらにDパターン)を再選択し易く、ゲーム表示パターンHP4,HP7を再選択しないようになっている。すなわち、展開振分テーブルの「Cパターン多」の欄では、はずれ時の第2系統のCパターンの選択時、パラメータ(1−A)による出現率が(1−A)用の規定値以上の場合、第2種展開一次判定を否定判定していることから、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上である可能性があるので、ゲーム表示パターンHP4,HP7以外を再選択するようになっている。このように、本実施形態のはずれ時の補正制御では、「Bパターン多」と判定されないで「Cパターン多」と判定される場合、第2系統のCパターンの出現を規制して他の展開、特に第2系統のDパターンの展開を出現させることで、相対的にパラメータ(1−I)の出現率も上昇させつつパラメータ(1−A)による出現率を低下させる結果、当該パラメータ(1−A)による出現率を(1−A)用の規定値に近づけるとともにパラメータ(1−I)による出現率を(1−I)用の規定値に近づけるように補正が実行される。
また、第2種展開二次判定において、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンが第2系統のBパターンのうちDパターンを特定するゲーム表示パターンHP9である場合、パラメータ(1−B)(「第2系統のDパターンの出現時における敗北の割合」)として算出される出現率を確認し、その出現率が予め定めた(1−B)用の規定値以上であるか否かを判定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、はずれが決定されている場合に、第2系統のBパターンでさらにDパターンが選択されることを条件に、第2系統のDパターンの出現率が対応する(1−B)用の規定値以上であるか否か(規定値と同等又は高いか否か)を判定する第2種展開二次判定を実行することとなる。
統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が肯定であって、パラメータ(1−B)による出現率が(1−B)用の規定値以上の場合、図11に示す展開振分テーブルに基づき、満たしている条件(ここでは第2種展開二次判定を肯定判定)に応じて乱数による第2種展開二次再選択抽選(乱数抽選)を実行する。統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定を肯定判定することで、「Dパターン多」を判定している。そして、統括制御用CPU46aは、満たしている条件に応じて、「Dパターン多」の欄にしたがって一旦選択したゲーム表示パターンに代えて、ゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が否定であって、パラメータ(1−B)による出現率が(1−B)用の規定値よりも下の場合、第2種展開二時再選択抽選を実行しないで、一旦選択しているゲーム表示パターンをそのまま決定する。
展開振分テーブルの「Dパターン多」の欄には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP2」、「HP7」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。そして、展開振分テーブルの「Dパターン多」の欄では、「HP2」が選択される確率を15/251、「HP7」が選択される確率を236/251となるように乱数をそれぞれに振分けている一方で、「HP4」及び「HP9」に乱数を振分けていない。
本実施形態において展開振分テーブルの「Dパターン多」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第2系統のDパターンの選択時、パラメータ(1−B)による出現率が(1−B)用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP7(第2系統のBパターンでさらにCパターン)を再選択し易く、ゲーム表示パターンHP4,HP9を再選択しないようになっている。すなわち、展開振分テーブルの「Dパターン多」の欄では、はずれ時の第2系統のDパターンの選択時、パラメータ(1−B)による出現率が(1−B)用の規定値以上の場合、第2種展開一次判定を否定判定していることから、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上である可能性があるので、ゲーム表示パターンHP4,HP9以外を再選択するようになっている。このように、本実施形態のはずれ時の補正制御では、「Bパターン多」と判定されないで「Dパターン多」と判定される場合、第2系統のDパターンの出現を規制して他の展開、特に第2系統のCパターンの展開を出現させることで、相対的にパラメータ(1−I)の出現率も上昇させつつパラメータ(1−B)による出現率を低下させる結果、当該パラメータ(1−B)による出現率を(1−B)用の規定値に近づけるとともにパラメータ(1−I)による出現率を(1−I)用の規定値に近づけるように補正が実行される。
また、第2種展開二次判定において、統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンが第1系統を特定するゲーム表示パターンHP2である場合、パラメータ(1−C)(「第1系統の出現時における敗北の割合」)として算出される出現率を確認し、その出現率が予め定めた(1−C)用の規定値以上であるか否かを判定する。すなわち、統括制御用CPU46aは、はずれが決定されている場合に、第1系統が選択されることを条件に、第1系統の出現率が対応する(1−C)用の規定値以上であるか否か(規定値と同等又は高いか否か)を判定する第2種展開二次判定を実行することとなる。
統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が肯定であって、パラメータ(1−C)による出現率が(1−C)用の規定値以上の場合、図11に示す展開振分テーブルに基づき、満たしている条件(ここでは第2種展開二次判定を肯定判定)に応じて乱数による第2種展開二次再選択抽選(乱数抽選)を実行する。統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定を肯定判定することで、「第1系統多」を判定している。そして、統括制御用CPU46aは、満たしている条件に応じて、「第1系統多」の欄にしたがって一旦選択したゲーム表示パターンに代えて、ゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、統括制御用CPU46aは、第2種展開二次判定の判定結果が否定であって、パラメータ(1−C)による出現率が(1−C)用の規定値よりも下の場合、第2種展開二時再選択抽選を実行しないで、一旦選択しているゲーム表示パターンをそのまま決定する。
展開振分テーブルの「第1系統多」の欄には、それぞれ乱数の取り得る数値(本実施形態では全251通りの整数)が「HP7」、「HP9」のそれぞれに所定個数ずつ振分けられている。そして、展開振分テーブルの「第1系統多」の欄では、「HP7」が選択される確率を126/251、「HP9」が選択される確率を125/251となるように乱数をそれぞれに振分けている一方で、「HP2」及び「HP4」に乱数を振分けていない。
本実施形態において展開振分テーブルの「第1系統多」の欄では、図11に示すように、はずれ時の第1系統の選択時、パラメータ(1−C)による出現率が(1−C)用の規定値以上の場合、ゲーム表示パターンHP7,HP9(第2系統のBパターン)を再選択し易く、ゲーム表示パターンHP2,HP4を再選択しないようになっている。すなわち、展開振分テーブルの「第1系統多」の欄では、はずれ時の第1系統の選択時、パラメータ(1−C)による出現率が(1−C)用の規定値以上の場合、第2種展開一次判定を否定判定していることから、パラメータIによる出現率がI用の規定値以上である可能性があるので、ゲーム表示パターンHP2,HP4以外を再選択するようになっている。このように、本実施形態のはずれ時の補正制御では、「Bパターン多」と判定されないで「第1系統多」と判定される場合、第1系統の出現を規制して他の展開、特に第2系統のBパターンの展開を出現させることで、相対的にパラメータ(1−I)の出現率も上昇させつつパラメータ(1−C)による出現率を低下させる結果、当該パラメータ(1−C)による出現率を(1−C)用の規定値に近づけるとともにパラメータ(1−I)による出現率を(1−I)用の規定値に近づけるように補正が実行される。
そして、統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間となる確変モードへ移行してから通常モードに移行するまでの間、付与された大当り遊技の回数に基づき3回目の16R大当り遊技の終了後からはずれ時の補正制御を実行するようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、図12に示すはずれ時規定値振分テーブルにしたがって、履歴記憶期間で付与された16R大当り遊技の回数に応じて各規定値を予め定めており、これら各規定値によりはずれ時の補正制御を実行する。なお、本実施形態では、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技が終了するまでの間、すなわち、確変モードの移行契機となった16R大当り遊技の終了から2回目の16R大当り遊技が付与されるまで間、2回目の16R大当り遊技の終了から3回目の16R大当り遊技が付与されるまでの間、はずれ時の補正制御が実行されないようになっている。
例えば、はずれ時規定値振分テーブルでは、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技が終了されると、履歴記憶期間が継続していることを条件に、4回目の16R大当り遊技が付与されるまでの間、「回数」欄の「3(回)」に対応する各規定値がはずれ時の補正制御で参照される。すなわち、はずれ時規定値振分テーブルでは、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技の終了後、履歴記憶期間が継続していることを条件に、I用の規定値が「65%」、(1−I)用の規定値が「70%」、(1−A)用の規定値が「40%」、(1−B)の規定値が「20%」、(1−C)用の規定値が「15%」となる。そして、統括制御用CPU46aは、はずれ時の補正制御において、確変モードに移行してから通常モードに移行するまでに付与されている16R大当り遊技の「回数」欄の各規定値を用い、当該各規定値を、履歴記憶期間が継続していることを条件に、次に16R大当り遊技が付与されるまでの間、継続的に用いる。
本実施形態においてはずれ時規定値振分テーブルでは、図12に示すように、履歴記憶期間が継続していることを条件に、16R大当り遊技が付与される回数が増加するほど(連続するほど)それぞれの規定値が低くなるようになっている。また、本実施形態においてはずれ時規定値振分テーブルでは、ゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5に基づく各ゲーム表示パターンの選択率に近づける態様で、各規定値が定められており、例えば、(1−C)用の規定値を他の規定値よりも低く定めることで、第1系統の展開の出現を他の展開に比べて補正し易くなっている。
次に、大当り時(本実施形態では16R大当り遊技に対応する大当り)の補正制御について説明する。
統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間の間において、変動パターンP3,P4が指定され、16R大当り遊技に対応する特別図柄が指定されることに伴って、ゲーム表示パターンを選択するに際し、個別情報の記憶態様に基づくゲーム表示パターン振分テーブルGT1〜GT5にしたがってゲーム表示パターンを一旦選択する。続いて、統括制御用CPU46aは、各パラメータにより算出される出現率を用いた大当り時の補正制御を実行する。なお、本実施形態において、統括制御用CPU46aは、第1系統を特定するゲーム表示パターンHP1、第2系統のCパターンを特定するゲーム表示パターンHP6、第2系統のDパターンを特定するゲーム表示パターンHP8が一旦選択される場合に大当り時の補正制御を実行する。
大当り時の補正制御において、統括制御用CPU46aは、一旦、ゲーム表示パターンを選択すると、補正制御を実行するか否かの実行可否を補正実行抽選により決定する。統括制御用CPU46aは、一旦選択したゲーム表示パターンの種類にかかわらず同一の抽選態様で、補正実行抽選を実行するようになっており、実行可の当選確率を予め定めた当選確率となるように乱数を振分けた補正実行抽選(乱数抽選)を実行する。なお、後述するように、補正実行抽選における実行可の当選確率は、履歴記憶期間で付与された16R大当り遊技の回数に応じて予め定められている。
統括制御用CPU46aは、補正実行抽選で実行否を決定する場合、大当り時の補正制御を実行しないで、一旦選択したゲーム表示パターンをそのまま決定して指示する。その一方で、統括制御用CPU46aは、補正実行抽選で実行可を決定する場合、大当り時の補正制御にかかる処理を実行する。
また、統括制御用CPU46aは、補正実行抽選で実行可を決定する場合、大当り時の補正制御において、パラメータA(第2系統のCパターンの出現時における勝利の割合)、パラメータB(第2系統のDパターンの出現時における勝利の割合)、パラメータC(第1系統の出現時における勝利の割合)により算出される各出現率が、各パラメータに対応する規定値により定めた規定区間のいずれに属しているかを判定することで、大当り時の補正制御を行うようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13(a)〜(c)に示すように、各パラメータにより算出される出現率を、パラメータ毎に0%〜100%の数値を規定値として、複数区間(本実施形態では5区間)の規定区間に区分けするようになっている。そして、パラメータ毎に規定値に基づいて規定区間が定められており、各規定区間は、基準となる規定値(基準規定値)が振分けされる基準規定区間と、当該基準規定区間に振分けられる規定値よりも高い高規定値が振分けられる高規定区間と、当該基準規定区間に振分けられる規定値よりも低い低規定値が振分けられる低規定区間に区分けされている。さらに、高規定区間は、当該高規定区間に振分けられる高規定値のうち特定の高規定値よりも低い規定値が振分けられる通常高規定区間と、特定の高規定値以上の規定値が振分けられる高規定区間(特定高規定区間)にさらに区分けされる。また、低規定区間は、当該低規定区間に振分けられる低規定値のうち特定の低規定値よりも高い規定値が振分けられる通常低規定区間と、特定の低規定値以下の規定値が振分けられる低規定区間(特定低規定区間)にさらに区分けされる。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図13(a)に示すように、パラメータAにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間を、0〜39%を振分ける区間を低規定区間とし、40〜49%を振分ける区間を通常低規定区間とし、50〜64%を振分ける区間を基準規定区間とし、65〜79%を振分ける区間を通常高規定区間とし、80〜100%を振分ける区間を高規定区間と定めている。なお、パラメータAにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間では、39%を特定の低規定値とし、80%を特定の高規定値とするとともに、50〜64%を基準規定値としている。
また、本実施形態では、図13(b)に示すように、パラメータBにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間を、0〜14%を振分ける区間を低規定区間とし、15〜19%を振分ける区間を通常低規定区間とし、20〜24%を振分ける区間を基準規定区間とし、25〜29%を振分ける区間を通常高規定区間とし、30〜100%を振分ける区間を高規定区間と定めている。なお、パラメータBにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間では、14%を特定の低規定値とし、30%を特定の高規定値とするとともに、20〜24%を基準規定値としている。
また、本実施形態では、図13(c)に示すように、パラメータCにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間を、0〜74%を振分ける区間を低規定区間とし、75〜79%を振分ける区間を通常低規定区間とし、80〜89%を振分ける区間を基準規定区間とし、90〜93%を振分ける区間を通常高規定区間とし、94〜100%を振分ける区間を高規定区間と定めている。なお、パラメータCにより算出される出現率に対応する規定値に基づく各規定区間では、74%を特定の低規定値とし、94%を特定の高規定値とするとともに、80〜89%を基準規定値としている。
そして、大当り時の補正制御では、基準規定区間に振分けられる規定値(パラメータAでは50〜64%、パラメータBでは20〜24%、パラメータCでは80〜89%)が基準となる規定値となり、この基準規定区間に振分けられる基準となる規定値に各パラメータにより算出される出現率を近づけるようになっている。すなわち、大当り時の補正制御において、基準となる規定値は、ただ1つの値ではなく区間に振分けられる値群となる。また、本実施形態では、パラメータ毎に対応する規定区間に振分ける規定値の値を異ならせている。例えば、図13(a)〜(c)では、パラメータCに対応する低規定区間に振分ける規定値を、他に対応する低規定区間に振分ける規定値よりも高い規定値を振分けている。また、図13(a)〜(c)では、パラメータBに対応する高規定区間に振分ける規定値を、他に対応する高規定区間に振分ける規定値よりも低い規定値を振分けている。
そして、統括制御用CPU46aは、補正実行抽選で実行可を決定することで大当り時の補正制御を実行するに際し、一旦選択したゲーム表示パターンの種類を特定し、特定したゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される出現率を中心に参照して、以下の処理手順1〜4の処理を順次実行する。なお、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンHP1を特定する場合にパラメータCにより算出される出現率を、ゲーム表示パターンHP6を特定する場合にパラメータAにより算出される出現率を、ゲーム表示パターンHP8を特定する場合にパラメータBにより算出される出現率を対応付けて参照する。
統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される各出現率を確認し、各出現率のうち低規定区間に属すものが存在するという第1条件を満たしているか否かを判定する(処理手順1)。処理手順1の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、低規定区間に属する出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンを一旦選択したゲーム表示パターンの種類にかかわらず再選択して決定する。なお、処理手順1の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、低規定区間に属する出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンが複数存在するときには、予め定めた優先順序(優先度)に基づき1つのゲーム表示パターンを決定する。本実施形態において、統括制御用CPU46aは、大当り時の補正制御により優先的に出現(再選択)させる優先順序を予め定めており、ゲーム表示パターンHP6→ゲーム表示パターンHP1→ゲーム表示パターンHP8の順に優先順序を(優先度を高く)定めている。なお、本実施形態において優先順序は、パチンコ遊技機10における各種演出の特性を加味した上で、開発段階で設定される優先順序であって、パチンコ遊技機のゲーム性、大当り確率などの仕様や備える演出の内容によって異なるものであって、本実施形態で定める優先順序はその一例である。例えば、処理手順1の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、低規定区間に属する出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンとして、ゲーム表示パターンHP1,HP6が存在するときには優先順序に基づきゲーム表示パターンHP6を優先的に再選択して決定する。
その一方で、処理手順1の判定結果が否定の場合、すなわち、第1条件を満たしていないとき、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される各出現率を確認し、各出現率のうち高規定区間に属すものが存在するという第2条件を満たしているか否かを判定する(処理手順2)。処理手順2の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、高規定区間に属さない出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、処理手順2の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、高規定区間に属さない出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンが複数存在するときには予め定めた優先順序に基づき1つのゲーム表示パターンを決定する。また、処理手順2の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、パラメータA,B,Cにより算出される出現率の全てが高規定区間に属するときには一旦選択したゲーム表示パターンをそのまま決定して指示する。
その一方で、処理手順2の判定結果が否定の場合、すなわち、第1条件及び第2条件を満たしていないとき、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される各出現率を確認し、各出現率のうち通常低規定区間に属すものが存在するという第3条件を満たしているか否かを判定する(処理手順3)。処理手順3の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、通常低規定区間に属する出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンを一旦選択したゲーム表示パターンの種類にかかわらず再選択して決定する。なお、処理手順3の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、通常低規定区間に属する出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンが複数存在するときには、予め定めた優先順序(優先度)に基づき1つのゲーム表示パターンを決定する。また、処理手順3の判定結果が肯定である場合には、第1条件を満たしていないことを既に判定しているので、低規定区間に属する出現率が存在していないこととなる。
その一方で、処理手順3の判定結果が否定の場合、すなわち、第1条件〜第3条件を満たしていないとき、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される各出現率を確認し、各出現率のうち通常高規定区間に属すものが存在するという第4条件を満たしているか否かを判定する(処理手順4)。処理手順4の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、通常高規定区間に属さない出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンを再選択して決定する。なお、処理手順4の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、通常高規定区間に属さない出現率を算出するパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンが複数存在するときには予め定めた優先順序に基づき1つのゲーム表示パターンを決定する。また、処理手順4の判定結果が肯定である場合、統括制御用CPU46aは、パラメータA,B,Cにより算出される出現率の全てが通常高規定区間に属するときには一旦選択したゲーム表示パターンをそのまま決定して指示する。また、処理手順4の判定結果が肯定である場合には、第2条件を満たしていないことを既に判定しているので、高規定区間に属する出現率が存在していないこととなる。
続いて、処理手順4の判定結果が否定の場合、すなわち、第1条件〜第4条件を満たしていないとき、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに応じたパラメータにより算出される各出現率の全てが基準規定区間に属していることになるので、一旦選択したゲーム表示パターンをそのまま決定して指示する。
このように、本実施形態のゲーム表示パターンHP1,HP6,HP8が選択される場合における大当り時の補正制御では、補正実行抽選で実行可を決定するとき、各パラメータにより算出される出現率に基づき、高規定区間に属する出現率が存在する場合、高規定区間以外に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを強制的に決定することで高規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンの決定を規制する。また、大当り時の補正制御では、補正実行抽選で実行可を決定するとき、通常高規定区間に属する出現率が存在する場合、通常高規定区間以外に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを強制的に決定することで高規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンの決定を規制する。なお、通常高規定区間に属する出現率が存在するか否かの判定時は、すでに第2条件を満たしていないことを判定しており、高規定区間に属する出現率も存在していない状態であるので、高規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンが選択されることはない。
その一方で、大当り時の補正制御では、補正実行抽選で実行可を決定するとき、低規定区間に属する出現率が存在する場合、低規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを強制的に決定することで低規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを積極的に決定する。また、大当り時の補正制御では、補正実行抽選で実行可を決定するとき、通常低規定区間に属する出現率が存在する場合、通常低規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを強制的に決定することで低規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンを積極的に決定する。なお、通常低規定区間に属する出現率が存在するか否かの判定時は、すでに第1条件を満たしていないことを判定しており、低規定区間に属する出現率も存在していない状態であるので、低規定区間に属する出現率が存在しているにもかかわらず通常低規定区間に属する出現率に対応するゲーム表示パターンが選択されることはない。
このため、出現し過ぎている演出に関してはその出現を規制しつつ、出現しなさ過ぎている演出に関してはその出現を積極的に決定することで、各パラメータにより算出される出現率を基準となる規定値(基準規定区間に振分けられる規定値)に近づけることができる。
そして、統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間となる確変モードへ移行してから通常モードに移行するまでの間、付与された大当り遊技の回数に基づき3回目の16R大当り遊技の終了後から大当り時の補正制御を実行するようになっている。そして、統括制御用CPU46aは、図14に示す大当り時補正実行抽選テーブルにしたがって、履歴記憶期間で付与された16R大当り遊技の回数に応じて補正実行抽選の実行可否の当選確率を予め定めており、これら当選確率により大当り時の補正制御の実行可否を抽選する。なお、本実施形態では、履歴記憶期間となる確変モードへ移行してから通常モードに移行するまでの間、付与された大当り遊技の回数にかかわらず各パラメータA,B,Cにより算出される各出現率に対応する規定区間の区分け態様を同じにしている。また、本実施形態では、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技が終了するまでの間、すなわち、確変モードの移行契機となった16R大当り遊技の終了から2回目の16R大当り遊技が付与されるまで間、2回目の16R大当り遊技の終了から3回目の16R大当り遊技が付与されるまでの間、大当り時の補正制御が実行されない(補正実行抽選自体を行わない)ようになっている。
例えば、大当り時補正実行抽選テーブルでは、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技が終了されると、履歴記憶期間が継続していることを条件に、4回目の16R大当り遊技が付与されるまでの間、「回数」欄の「3(回)」に対応する当選確率で補正制御の実行可否を決定する。すなわち、大当り時補正実行抽選テーブルでは、確変モードへ移行してから3回目の16R大当り遊技の終了後、履歴記憶期間が継続していることを条件に、補正実行抽選で実行可の当選確率が45/251、実行否の当選確率が206/251となる。そして、統括制御用CPU46aは、大当り時の補正制御において、確変モードに移行してから通常モードに移行するまでに付与されている16R大当り遊技の「回数」欄の各当選確率に基づいて、補正実行抽選を実行する。
本実施形態において大当り時補正実行抽選テーブルでは、図14に示すように、履歴記憶期間が継続していることを条件に、16R大当り遊技が付与される回数が「4回」では「3回」よりも補正実行抽選で実行可を決定する当選確率が低くなるようになっている。また、大当り時補正実行抽選テーブルでは、16R大当り遊技が付与される回数が「5回」〜「9回」では「4回」よりも補正実行抽選で実行可の当選確率が高くなり、「10回」〜「14回」では「9回」よりも補正実行抽選で実行可の当選確率が低くなっている。また、大当り時補正実行抽選テーブルでは、16R大当り遊技が付与される回数が「15回」〜「17回」では「14回」よりも補正実行抽選で実行可の当選確率が高くなり、「18回」〜「20回」では「17回」よりも補正実行抽選で実行可の当選確率が低くなっている。また、大当り時補正実行抽選テーブルでは、16R大当り遊技が付与される回数が「21回」以上では「20回」よりも補正実行抽選で実行可の当選確率が高くなっている。
このように、本実施形態において、大当り時補正実行抽選テーブルでは、履歴記憶期間が継続していることを条件に、16R大当り遊技が付与される回数に応じて、補正実行抽選の当選確率が高く変動したり、低く変動したりすることで、補正実行高確率期間と、補正実行低確率期間が到来するようになっている。
そして、統括制御用CPU46aは、以上のようにして各ゲーム表示パターンを選択及び再選択して決定すると、決定しているゲーム表示パターンを指示する表示パターン指定コマンドを各制御基板47,48に出力する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、CHモードの滞在中にも変動パターンP1〜P5は変動パターンとして決定し得るようになっている。このため、統括制御用CPU46aは、CHモードの滞在中、これら変動パターンP1〜P5を指定する変動パターン指定コマンドを入力すると、確変モードの滞在中に決定し得るゲーム表示パターンHP1〜HP9とは異なるCHモード用のゲーム表示パターンの展開を決定するようになっている。
なお、本実施形態では、統括制御用CPU46aが、表示パターン決定手段、表示演出指示手段、出現率算出手段、出現率判定手段として機能する。また、本実施形態では、統括制御用CPU46aと統括制御用RAM46cが、回数記憶手段として機能する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、表示パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示されるゲーム表示パターンに対応する演出内容(変動内容)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように演出表示装置28の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を演出表示装置28に確定停止表示させるように表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
例えば、表示制御用CPU47aは、確変モードの滞在中に変動パターンP1に基づく通常変動用のゲーム表示パターンである場合、各列の図柄の変動後、所定のタイミングで各列の図柄を確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
その結果、演出表示装置28では、各列の図柄の変動開始後、はずれの図柄組み合わせが導出される。これにより、遊技者は、通常変動によるはずれを認識する。
例えば、表示制御用CPU47aは、確変モードの滞在中にゲーム表示パターンHP1であって、第1種演出による展開の実行が指示される場合、各列の図柄の変動後、第1種演出の展開で最終的に「勝利」の演出結果を導出させて大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。その結果、演出表示装置28では、第1種演出に対応するキャラクタが対決する結果、「勝利」が画像表示されて大当りの図柄組み合わせが導出される。これにより、遊技者は、ゲーム表示パターンHP1による大当りと確変モードの継続を認識する。なお、表示制御用CPU47aは、ゲーム表示パターンHP2による展開が指示される場合、「敗北」の演出結果を導出させてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHを制御することで、遊技者にはずれを認識させる一方で、確変モードの継続を認識させる。
例えば、表示制御用CPU47aは、確変モードの滞在中にゲーム表示パターンHP3による展開が指示される場合、各列の図柄の変動後、最終的に「勝利」の演出結果を導出させて大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。その結果、演出表示装置28では、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタが対決する結果、「勝利」が画像表示されて大当りの図柄組み合わせが導出される。これにより、遊技者は、ゲーム表示パターンHP3による大当りと確変モードの継続を認識する。なお、表示制御用CPU47aは、ゲーム表示パターンHP4による展開が指示される場合、「引分け」の演出結果を導出させてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHを制御することで、遊技者にはずれを認識させる一方で、確変モードの継続を認識させる。また、表示制御用CPU47aは、ゲーム表示パターンHP5による展開が指示される場合、「敗北」の演出結果を導出させて確変示唆の図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHを制御することで、遊技者に2R大当り遊技とCHモードへの移行(確変モードの終了による確変状態が終了したかもしれないこと)を認識させる。
例えば、表示制御用CPU47aは、確変モードの滞在中にゲーム表示パターンHP6,HP8による展開が指示される場合、各列の図柄の変動後、最終的に「勝利」の演出結果を導出させて大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。その結果、演出表示装置28では、パチンコ遊技機10のモチーフとなっているキャラクタが対決する結果、「勝利」が画像表示されて大当りの図柄組み合わせが導出される。これにより、遊技者は、ゲーム表示パターンHP6,HP8による大当りと確変モードの継続を認識する。なお、表示制御用CPU47aは、ゲーム表示パターンHP7,HP9による展開が指示される場合、「敗北」の演出結果を導出させてはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHを制御することで、遊技者にはずれを認識させる一方で、確変モードの継続を認識させる。
また、表示制御用CPU47aは、モード指定コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される演出モードとなるように演出表示装置28の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU47aは、次にモード指定コマンドを入力するまで間、現在の演出モードの表示内容を維持するようになっている。
また、表示制御用CPU47aは、個別情報表示コマンドを入力すると、該コマンドに指定される個別情報に基づく個別表示画像を表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、表示制御用ROM47bの画像データを用いて対応する個別表示画像を表示するための表示用データを生成する。表示制御用CPU47aは、第1種〜第4種演出に対応する個別表示画像のうちいずれかを既に表示させている場合、既に表示させている画像に加えて新たに指定された個別表示画像を表示させるように表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU47aは、通常モードの移行を示すモード指定コマンドを入力するまでの間、個別表示画像の更新及び表示内容の保持を継続する。
なお、本実施形態では、表示制御用CPU47aが、表示演出指示手段として機能する。
また、音声・ランプ制御基板48は、各種コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様、及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板48は、演出表示制御基板47と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
次に、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容として、大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、大当り演出となる図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を付与する。このとき、主制御用CPU45aは、大当り演出となる図柄変動ゲームの開始直前に決定した特別図柄(大当り図柄)の種類から、付与する大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に応じた制御を実行する。
そして、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が16R大当り遊技に対応する特別図柄Aの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、16回のラウンド遊技を実行させる。これらの大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口(本実施形態では大入賞口41)が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図3に示すように、「25000(ms)」に設定されている。このため、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では8球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では2100(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、16回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において、作動フラグに「1」を設定するとともに、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に10000回を設定する。
また、主制御用CPU45aは、決定した特別図柄が2R確変大当り遊技に対応する特別図柄B、2R非確変大当り遊技に対応する特別図柄Cの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、主制御用CPU45aは、2回のラウンド遊技を実行させる。これらの大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口(本実施形態では大入賞口41)が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口41の開放時間は、図3に示すように、「600(ms)」に設定されている。このため、主制御用CPU45aは、大入賞口41を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では8球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、主制御用CPU45aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドをサブ統括制御基板46に出力する。そして、主制御用CPU45aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口41を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、主制御用CPU45aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
1回のラウンド遊技を終了させた主制御用CPU45aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では1000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口41を開放させる。そして、2回のラウンド遊技が終了したならば、主制御用CPU45aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与する場合に入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する場合、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与しない場合に入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「0」を設定する。
また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに「0」を設定すると共に、入球率向上状態を付与する場合に入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、主制御用CPU45aは、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する場合、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。また、主制御用CPU45aは、特別図柄Cに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに「0」を設定すると共に、入球率向上状態を付与しない場合に入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「0」を設定する。
そして、大当り遊技を終了させた主制御用CPU45aは、大当り終了時点における特別図柄用の保留記憶数が「1」以上の場合、その始動保留球をもとに、図柄変動ゲームに係る処理を実行し、図柄変動ゲームを行わせる。一方、主制御用CPU45aは、大当り終了時点における特別図柄用の保留記憶数が「0」の場合、上始動入賞口33又は下始動入賞口34に遊技球が入球する迄の間、図柄変動ゲームを実行させることなく、待機する。
次に、サブ統括制御基板46の大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定し、オープニング演出の演出内容を指示するオープニング演出コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド開放指定コマンドを入力すると、ラウンド遊技中の演出を指示するために、ラウンド演出コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板に出力する。また、統括制御用CPU46aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを入力すると、ラウンド閉鎖指定コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板に出力する。そして、統括制御用CPU46aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定し、エンディング演出の演出内容を指示するエンディング演出コマンドを演出表示制御基板47及び音声・ランプ制御基板48に出力し、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技、16R大当り遊技の実行にかかる制御を終了する。なお、統括制御用CPU46aは、大当り遊技中の各種演出(大当り遊技中演出)の実行を指示するにあたっては、大当り遊技中表示パターンを各種コマンドで指示することで、演出表示制御基板47に大当り遊技中演出を展開させる具体的な表示演出内容(演出内容)を指示する。
なお、統括制御用CPU46aは、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技の開始に伴って、オープニングコマンドを入力すると、同一態様(見た目上に遊技者が違いを認識することができない)となる大当り遊技中表示パターンとなるように、オープニング演出、各ラウンド演出、エンディング演出のそれぞれで実行を指示する。
次に、演出表示制御基板47の大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、統括制御用CPU46aが出力するオープニング演出コマンドを入力すると、そのオープニング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中表示パターン)でオープニング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、オープニング演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
また、表示制御用CPU47aは、各ラウンド演出コマンドを入力すると、そのラウンド演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中表示パターン)で各ラウンド演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、各ラウンド演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
また、表示制御用CPU47aは、エンディング演出コマンドを入力すると、そのエンディング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中表示パターン)でエンディング演出を実行させるように演出表示装置28(画像表示部GH)の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU47aは、エンディング演出の開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
なお、音声・ランプ制御基板48は、オープニング演出コマンド、エンディング演出コマンド、各ラウンド演出コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様及びスピーカ20,21,25の音声出力態様を制御する。すなわち、音声・ランプ制御基板48は、演出表示制御基板47と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンを一旦選択すると、はずれ時の補正制御において、各パラメータにより算出される各種出現率に対応させて予め定めた基準となる規定値と、各パラメータにより算出される各種出現率とを判定する結果(第1種展開判定、第2種展開一次,二次判定の結果)にしたがってゲーム表示パターンを決定するようにした。また、統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンを一旦選択したことに伴って、選択されたゲーム表示パターンの種類に基づいて各種判定(第1種展開判定、第2種展開一次,二次判定)を実行するようにした。そして、統括制御用CPU46aは、第1種展開判定の判定結果に基づきゲーム表示パターンを決定することで、パラメータIにより算出される出現率を対応する予め定めたI用の規定値に近づけることができる。すなわち、統括制御用CPU46aは、第1種展開判定の判定結果が肯定であってパラメータIによる出現率が規定値よりも高い割合である場合、第1種展開再選択抽選により第1種展開(第2系統のAパターン)以外のゲーム表示パターンを決定することで相対的にパラメータIによる出現率をI用の規定値に近づけるようになっている。また、統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定及び第2種展開二次判定の判定結果に基づきゲーム表示パターンを決定することで、パラメータ(1−I)の出現率を対応する予め定めた(1−I)用の規定値に近づけるだけでなく、パラメータ(1−A),(1−B),(1−C)による出現率を予め定めた対応する規定値に近づけることができる。すなわち、統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定の判定結果が肯定であってパラメータ(1−I)による出現率が(1−I)用の規定値よりも高い割合で出現している場合、第2種展開一次再選択抽選により第1種展開(第2系統のAパターン)のゲーム表示パターンを決定し易くすることで相対的にパラメータ(1−I)による出現率を(1−I)用の規定値に近づけるようになっている。また、統括制御用CPU46aは、第2種展開一次判定が否定、且つ第2種展開二次判定が肯定の場合であって、各パラメータ(1−A),(1−B),(1−C)による出現率が対応する規定値よりも高い割合の場合、第2種展開二次再選択抽選により対応するゲーム表示パターン以外のゲーム表示パターンを決定し易くすることで相対的に出現率が規定値よりも高くなっているパラメータによる出現率を規定値に近づけるようになっている。したがって、図柄変動ゲームが複数種類の演出経路や複数種類の演出結果で展開されるパチンコ遊技機10において、それぞれの演出経路や演出結果の出現率を予め定めた基準となる規定値に近づけることで図柄変動ゲームの演出に対する興趣を向上させることができる。
(2)ゲーム表示パターンHP1〜HP9に基づく図柄変動ゲームにおいて、遊技者は単にいずれの系統、いずれのパターンの展開が出現するかに関心を抱くのではなく、いずれの系統、いずれのパターンの展開から大当り遊技(特に16R大当り遊技)に繋がっていくかのように大当り遊技に絡めて関心を抱くこととなる。また、16R大当り遊技が到来する毎に、各系統毎及び各パターン毎の各パラメータによる出現率と、図柄変動ゲームが行われることで各系統毎及び各パターン毎に各パラメータによる大当り遊技に繋がった割合とに偏りを生じる可能性がある。このため、16R大当り遊技の付与を契機として、各規定値のうち少なくとも1種類の規定値を変化させることで、16R大当り遊技が到来することで生じ得る偏りを推測した上で、各系統毎及び各パターン毎の各パラメータによる出現率を基準となる各種規定値に近づけることができる。
(3)統括制御用CPU46aは、特定の大当り遊技が付与されてから所定回数だけ大当り遊技が付与されるまでの間においては、出現率判定手段の各種判定結果にかかわらず選択した表示パターンをそのまま決定するようにした。このため、特に特定の大当り遊技が付与されてから所定回数目の大当り遊技の終了後から次以降の図柄変動ゲームの演出に対して、それぞれの演出経路や演出結果の出現率を予め定めた基準となる規定値に近づけることができる。
(4)統括制御用CPU46aは、第1種展開再選択抽選においては第1種展開(第2系統のあパターン)を特定するゲーム表示パターン以外の表示パターンを再選択することで、パラメータIによる出現率をI用の規定値に近づけると同時に、パラメータ(1−I)などの他のパラメータによる出現率も対応する規定値に近づけ得るようになっている。したがって、図柄変動ゲームが複数種類の演出経路や複数種類の演出結果で展開されるパチンコ遊技機10において、それぞれの演出経路や演出結果の出現率を予め定めた基準となる規定値により確実に近づけることで図柄変動ゲームの演出に対する興趣を向上させることができる。
(5)統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンを一旦選択すると、大当り時の補正制御において、各パラメータにより算出される各種出現率に対応させて予め定めた規定値に基づき区分けされる各規定区間と、各パラメータにより算出される各種出現率とに基づく判定にしたがってゲーム表示パターンを決定するようにした。そして、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに対応付けされるパラメータによる出現率が低規定区間に属しているかとともに高規定区間に属しているかに基づきゲーム表示パターンを決定することで、各パラメータA,B,Cによる出現率を対応する予め定めた基準規定区間の規定値に近づけることができる。すなわち、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに対応付けされるパラメータによる出現率のうち基準規定区間よりも低い割合となる(低規定区間や通常低規定区間に属する)出現率が存在する場合、低い割合となる出現率であるパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンを積極的に決定することで相対的に各パラメータによる出現率を基準規定区間の規定値に近づけるようになっている。また、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに対応付けされるパラメータによる出現率のうち基準規定区間よりも高い割合となる(高規定区間や通常高規定区間に属する)出現率が存在する場合、高い割合となる出現率であるパラメータに対応付けされるゲーム表示パターンの決定を規制することで相対的に各パラメータによる出現率を基準規定区間の規定値に近づけるようになっている。したがって、図柄変動ゲームが複数種類の演出経路や複数種類の演出結果で展開されるパチンコ遊技機10において、それぞれの演出経路や演出結果の出現率を予め定めた基準となる規定値に近づけることで図柄変動ゲームの演出に対する興趣を向上させることができる。
(6)各規定区間では、各規定区間のうち高規定区間及び低規定区間をそれぞれに振分けられる規定値に応じてさらに細分化するようにした。そして、統括制御用CPU46aは、各パラメータによる各種出現率に対応させて予め定めた規定値に基づきさらに細分化して区分けされる各規定区間と、各パラメータによる各種出現率とに基づく判定にしたがってゲーム表示パターンを決定するようにした。そして、統括制御用CPU46aは、各ゲーム表示パターンに対応付けされるパラメータによる各出現率が低規定区間及び通常低規定区間に属しているかとともに高規定区間及び通常高規定区間に属しているかに基づきゲーム表示パターンを決定することで、各パラメータA,B,Cによる出現率を対応する予め定めた基準規定区間の規定値に近づける精度を上昇させることができる。
(7)統括制御用CPU46aは、ゲーム表示パターンを決定するに際し、選択し得るゲーム表示パターンが複数存在するときには優先順序を最も高く定めているゲーム表示パターンを選択して決定するようにした。すなわち、図柄変動ゲームの演出として出現させる優先順序にしたがって、図柄変動ゲームで予め定められる演出のバランスを崩すことなく各パラメータによる出現率を基準規定区間の規定値に近づけることができる。
(8)統括制御用CPU46aは、第1条件を満たしていないで第2条件を満たしている場合で各ゲーム表示パターンに対応付けされる各パラメータによる各出現率の全てが高規定区間に属しているとき、再選択することなく最初に選択したゲーム表示パターンを決定するようにした。このような場合、各ゲーム表示パターンに対応付けされる各パラメータによる各出現率の全てが基準規定区間よりも高い割合で出現しているので、再選択するといった処理を行わないことで統括制御用CPU46aの処理負担の増加を抑制することができる。
(9)統括制御用CPU46aは、第1条件〜第3条件を満たしていないで第4条件を満たしている場合で各ゲーム表示パターンに対応付けされる各パラメータによる各出現率の全てが通常高規定区間に属しているとき、再選択することなく最初に選択したゲーム表示パターンを決定するようにした。このような場合、各ゲーム表示パターンに対応付けされる各パラメータによる各出現率の全てが基準規定区間よりも高い割合なので、再選択するといった処理を行わないことで統括制御用CPU46aの処理負担の増加を抑制することができる。
(10)統括制御用CPU46aは、確変モードに移行することを契機に履歴記憶期間として、各ゲーム表示パターンの出現履歴を記憶する。また、統括制御用CPU46aは、履歴記憶期間のうち所定条件(確変モードを継続していることを条件に、3回目の16R大当り遊技が終了される、及び4種類全ての個別情報を記憶していない)が成立している場合に各補正制御を実行するようにした。このため、所定条件の成立となる確変モードを継続していることを条件に、3回目の大当り遊技の終了時における各ゲーム表示パターンの出現履歴は、確変モードの到来毎に異なることとなる。このため、各種規定値を予め定めている一方で、所定条件が成立するまでの間においては、各パラメータによる出現率をばらつかせることで、図柄変動ゲームにおける演出の出現態様にある程度の変化を持たせることもできる。したがって、単に各パラメータによる出現率を基準となる規定値に近づけるのではなく、ランダム性といったパチンコ遊技機10の特性を活かしつつも遊技における演出の出現によるバランスも調整することが可能となる。
(11)大当り時の補正制御では、補正実行抽選で実行可の当選確率が比較的に高くなる補正実行高確率期間と、補正実行低確率期間が到来するようになっている。そして、補正実行高確率期間は、確変モードが継続していることを条件に、確変モードに移行してから16R大当り遊技の回数がある程度少ない回数(5回〜9回)で到来するようにした。また、大当り時の補正制御では、優先順序でゲーム表示パターンHP1を2番目に定めている。また、大当り時の補正制御では、パラメータCに対応する低規定区間の規定値を、他のパラメータに対応する低規定区間の規定値よりも高く定めている。すなわち、ゲーム表示パターンHP1に対応付けされるパラメータCによる出現率は、他のパラメータによる出現率よりも低規定区間や通常低規定区間に継続して属す可能性が高くなる。このため、ゲーム表示パターンHP1が一旦選択される場合には、補正制御により補正(再選択)される可能性は他のゲーム表示パターンが再選択される場合よりも低い。一方で、他のゲーム表示パターンが一旦選択される場合には、補正制御により補正される結果、ゲーム表示パターンHP1が再選択される可能性が高い。したがって、確変モードの滞在中においては、確変モードの継続中の早い段階でゲーム表示パターンHP1の出現により個別情報を記憶し易くするチャンスを到来させるようにした。その結果、記憶している個別情報の記憶態様によって図柄変動ゲームの演出に変化を与えるようなパチンコ遊技機10においては、その遊技性を十分に生かすことが可能となる。
(12)統括制御用CPU46aは、入球率向上状態の付与中である確変モード及びCHモードの滞在中にゲーム表示パターンHP1を決定する毎に決定したゲーム表示パターンHP1の展開(第1種〜第4種演出)が特定される個別情報を累積的に記憶保持するようにした。そして、すでに記憶保持している個別情報が存在する場合には、その記憶保持されている個別情報の記憶態様(種類の数)に応じてゲーム表示パターンに基づき指示する具体的な表示演出内容(演出内容)の決定態様を変化させるようにした。このため、図柄変動ゲームの演出内容を決定するに際し、個別情報の記憶態様に応じて各種演出の決定態様に変化を与えることができる構成を採用することで、遊技のマンネリ化を抑制して遊技の興趣を十分に向上させることができる。
(13)はずれ時の補正制御で用いるパラメータの1つしては、「はずれ時のうち第2系統のAパターンの割合」を示すパラメータIを用いるようにした。第2系統のAパターンは、第1系統及び第2系統の展開の中で唯一CHモードに移行し得る(確変状態から非確変状態に移行し得る)パターンを含むパターンである。このため、CHモードに移行し得る第2系統のAパターンばかり頻繁に出現すると、出現毎に遊技者は確変状態から非確変状態に移行してしまうのではないかと不安ばかりを抱くことになってしまう。その一方で、CHモードへの移行時以外であまり第2系統のAパターンが出現しないと、遊技者は第2系統のAパターンの出現時に確変モードの継続を期待することができなくなってしまう。したがって、第1系統及び第2系統の展開の中で唯一CHモードに移行し得る第2系統のAパターンにかかるパラメータIによる出現率を補正制御によって調整する(対応する規定値に近づける)ことが重要となる。そして、パラメータIによる出現率を、I用の規定値に近づけるようにはずれ時の補正制御を実行する結果、第2系統のAパターンの出現時における確変モードの継続に対する期待と緊張感の調和を図り遊技のマンネリ化を抑制して遊技の興趣を十分に向上させることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、変動パターンP4が決定されていることに基づくゲーム表示パターンHP3の展開を、特定の救済キャラクタ又は通常の救済キャラクタが出現する結果、「勝利」とする態様として、特定の救済キャラクタが出現するゲーム表示パターンHP3aと、通常の救済キャラクタが出現するゲーム表示パターンHP3bを設定してもよい。そして、カテゴリxとしてゲーム表示パターンHP3aの出現履歴を、カテゴリyとしてゲーム表示パターンHP3bの出現履歴を記憶し、これらカテゴリx,yを用いて「第2系統のAパターンのうち特定の救済キャラクタの割合」をパラメータDとして算出する。そして、統括制御用CPU46aは、変動パターンP4が決定されていることに基づくゲーム表示パターンHP3a,HP3bを一旦選択すると、パラメータDによる出現率がD用の規定値以上であるか否かを判定し、肯定の場合には強制的に通常の救済キャラクタを出現させるゲーム表示パターンHP3bを選択し、否定の場合には一旦選択したゲーム表示パターンをそのまま決定するといった大当り時の補正制御を実行することもできる。また、本別例における大当り時の補正制御では、当該補正制御の実行に先立って補正実行抽選を実行することもできる。また、D用の規定値を、16R大当り遊技の回数に応じて、例えば、回数が増加するほど規定値を低く変化させることもできる。
・本実施形態では、変動パターンP3が決定されていることに基づくゲーム表示パターンHP1,HP6,HP8と、変動パターンP4が決定されていることに基づくゲーム表示パターンHP1,HP6,HP8を、それぞれに異なるゲーム表示パターンとして備えるようにしてもよい。但し、変動パターンP3用のゲーム表示パターンHP1と変動パターンP4用のゲーム表示パターンHP1は、同一カテゴリgとして分類されるようにし、各種補正制御で用いられるようにする。また、変動パターンP3用のゲーム表示パターンHP6と変動パターンP4用のゲーム表示パターンHP6は、同一カテゴリeとして分類されるようにし、各種補正制御で用いられるようにする。また、変動パターンP3用のゲーム表示パターンHP8と変動パターンP4用のゲーム表示パターンHP8は、同一カテゴリfに分類されるようにし、各種補正制御で用いられるようにする。
・本実施形態では、はずれ時の補正制御において、第1種展開再選択抽選の結果、第1種展開(第2系統のAパターン)以外の展開を選択し易ければよく、展開振分テーブルの振分け態様を任意に変更してもよい。また、第2種展開一次,二次再選択抽選の結果、一旦選択したゲーム表示パターン以外の展開を選択し易ければよく、展開振分テーブルの振分け態様を任意に変更してもよい。
・本実施形態では、各補正制御を実行する所定条件のうち、16R大当り遊技の所定回数を、例えば、2回や4回以上に任意に変更してもよい。また、確変モードの滞在中には、各補正制御を実行するといった構成を採用することもできる。
・本実施形態では、はずれ時の補正制御の態様を大当り時、はずれ時にかかわらず適用することもできるし、大当り時の補正制御の態様を大当り時、はずれ時にかかわらず適用することもできる。
・本実施形態において、補正制御の対象を変更してもよく全てのゲーム表示パターンを対象に補正を実行することもできるし、第2系統(第1種展開及び第2種展開)を特定するゲーム表示パターンのみを対象に補正を実行することもできる。但し、対象とするゲーム表示パターンに合わせて、適用するカテゴリを新たに設定したりする必要がある。
・本実施形態では、大当り時の補正制御において、再選択し得るゲーム表示パターンが複数存在する場合、抽選によりいずれかのゲーム表示パターンを決定するようにしてもよい。
・本実施形態では、大当り時の補正制御において、各パラメータによる出現率が全て高規定区間に属している、又は高規定区間及び通常高規定区間に属している場合、優先順序にしたがって再選択したり、抽選によりいずれかのゲーム表示パターンを決定したりするようにしてもよい。
・本実施形態では、各補正制御を実行する期間と履歴記憶期間を同期させるようにし、確変モードに移行してから所定条件が成立するまでの間は各ゲーム表示パターンの出現履歴を記憶しないで、所定条件の成立を契機に各ゲーム表示パターンの出現履歴の記憶を開始するようにしてもよい。
・本実施形態では、優先順序を任意に変更してもよい。
・本実施形態において、各規定区間は、低規定区間、基準規定区間、高規定区間の3区間のみとしたり、低規定区間や高規定区間をさらに細分化したりすることもできる。
・本実施形態においては、各補正制御で用いるパラメータの種類を、例えば、「全ゲーム表示パターンのうち」とする条件下の各ゲーム表示パターンの出現率などのようにさらに増加させてもよく、増加させることで各条件下における各ゲーム表示パターンの出現割合をさらに詳細に補正することもできる。
・本実施形態においては、はずれ時の補正制御で参照する規定値を、変化しない固定値とすることもできる。また、大当り時の補正制御で参照する規定値(規定区間)を、例えば、16R大当り遊技の回数に応じて変動する変動値とすることもできる。
・本実施形態においては、各種規定値の値を、パチンコ遊技機の遊技性などによって任意に変更したり、16R大当り遊技の回数に応じた変化態様を変化させたりすることができる。
・本実施形態においては、補正実行抽選の当選確率を、変化しない固定値としたり、ゲーム表示パターンに応じて変化させたりその態様を任意に変更してもよい。
・本実施形態では、CHモードの滞在中にもゲーム表示パターンHP1〜HP9による展開を決定するようにすることもできる。このように構成する場合には、CHモードの滞在中の期間も確変モードの滞在中と同様に各補正制御を行う期間として定めることもできる。
・本実施形態において、各系統及び各パターンの展開としては、複数種類の演出経路及び演出結果を有していればその種類と内容を任意に変更してもよい。
・本実施形態では、確変モードの移行を契機に各出現履歴をクリアする構成としてもよく、確変モードとCHモードを通じて個別情報をそのまま記憶保持し、CHモードから再び確変モードへ移行する場合には各出現履歴をクリアした状態で移行するようにしてもよい。
・本実施形態では、確変機能を備えないパチンコ遊技機に適用することもできる。
・本実施形態は、ゲーム表示パターンと変動パターンを一対一の関係で構成することもでき、変動パターンにより予め態様付けされたゲーム表示パターンを特定するといった仕様においても実現可能となる。
・本実施形態において、個別情報の記憶態様に応じて変化させる対象は、例えば、図柄変動ゲーム中の予告演出や大当り遊技中演出やそれらの決定態様など、何かを変化を与えることができるもので変更してもよい。
・本実施形態では、確変状態であるか否かを遊技者に秘匿することなく報知する仕様のパチンコ遊技機に適用することもできる。すなわち、遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に認識させ得る報知ランプを備えるようにしてもよい。
・本実施形態では、2R確変大当り遊技、2R非確変大当り遊技における大入賞口41の開放時間を延長させることで、遊技者に賞球を獲得させるといった構成とすることもできる。
・本実施形態において、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの決定に関する各種乱数を、各始動入賞口33,34の入賞時に全て主制御用RAM45cから取得するようにしてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記表示パターン決定手段は、前記表示パターンを決定するに際しては前記表示パターンを一旦選択するようになっており、前記第1条件を満たしていないで前記第2条件を満たしている場合において、前記出現率判定手段で全ての表示パターンが前記高規定区間に属していると判定されているときには一旦選択した表示パターンをそのまま決定する。
(ロ)前記表示パターン決定手段は、前記第1条件〜前記第3条件を満たしていないで前記第4条件を満たしている場合において、前記出現率判定手段で全ての表示パターンが前記通常高規定区間に属していると判定されているときには一旦選択した表示パターンをそのまま決定する。
(ハ)複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示手段と、前記図柄変動ゲームを展開させる具体的な表示演出内容を前記表示手段に指示するための表示パターンを複数種類の中から選択して決定する表示パターン決定手段と、前記表示パターン決定手段で決定された表示パターンに基づいて前記表示手段に表示演出の実行を指示する表示演出指示手段と、を備え、前記表示パターンにはそれぞれに異なる第1種展開と第2種展開を含む複数種類の展開に分類されるとともに前記第2種展開の中でさらに表示演出内容の展開が分岐されることで複数種類の演出経路及び複数種類の演出結果を導出する複数種類の表示パターンを有する遊技機において、前記表示パターン決定手段で決定された表示パターン毎の決定回数をそれぞれに記憶する回数記憶手段と、前記回数記憶手段に記憶されている各決定回数に基づいて、前記表示パターン毎の各種条件下における各種出現率を算出する出現率算出手段と、前記表示パターン決定手段で前記表示パターンが選択された場合に、前記出現率算出手段で算出される各種出現率と、各種条件下における各種出現率毎に対応させて予め定めた基準となる規定値との高低を判定する出現率判定手段と、を備え、前記出現率判定手段は、前記表示パターン決定手段で前記第1種展開を特定する表示パターンが選択される場合、前記第1種展開に分類される表示パターンの出現率が対応する規定値よりも高いか否かを判定する第1種展開判定を実行する一方で、前記表示パターン決定手段で前記第2種展開を特定する表示パターンが選択される場合、前記第2種展開に分類される表示パターンの出現率が対応する規定値よりも高いか否かを判定する第2種展開一次判定を実行するとともに、当該第2種展開一次判定の判定結果が否定のとき、さらに選択された表示パターンの出現率が対応する規定値よりも高いか否かを判定する第2種展開二次判定を実行するようになっており、前記表示パターン決定手段は、前記表示パターンを決定するに際し、前記第1種展開を特定する表示パターンを選択した場合、前記出現率判定手段の判定結果にしたがい、前記第1種展開判定の判定結果が肯定のときには選択した表示パターンに代えて前記第1種展開を特定する表示パターン以外の表示パターンを再選択し易い第1種展開再選択抽選を実行することで前記表示パターンを再選択して決定する一方で、前記出現率判定手段の前記第1種展開判定の判定結果が否定のときには前記第1種展開再選択抽選を実行しないで選択した表示パターンをそのまま決定するようになっており、前記表示パターンを決定するに際し、前記第2種展開を特定する表示パターンを選択した場合、前記出現率判定手段の判定結果にしたがい、前記第2種展開一次判定の判定結果が肯定のときには選択した表示パターンに代えて前記第2種展開を特定する表示パターン以外の表示パターンを再選択し易い第2種展開一次再選択抽選を実行することで前記表示パターンを再選択して決定する一方で、前記第2種展開一次判定の判定結果が否定である、且つ前記第2種展開二次判定の判定結果が肯定のときには選択した表示パターンに代えて前記第2種展開を特定する表示パターンのうち当該表示パターン以外の表示パターンを再選択し易い第2種展開二次再選択抽選を実行することで前記表示パターンを再選択して決定する他方で、前記第2種展開一次判定の判定結果及び前記第2種展開二次判定の判定結果がともに否定のときには前記第2種展開一次再選択抽選及び前記第2種展開二次再選択抽選を実行しないで選択した表示パターンをそのまま決定することを特徴とする遊技機。
(ニ)前記図柄変動ゲームの始動条件の成立を契機に大当りとするか否かを判定する大当り判定を実行する大当り判定手段と、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、前記図柄変動ゲームの変動内容を特定可能な変動パターンを複数種類の中から決定する変動パターン決定手段と、を備え、前記大当り判定で大当りが決定された場合には前記図柄変動ゲームで大当り表示結果の導出後に遊技球の入球が許容される入賞手段を開放するラウンド遊技により構成される大当り遊技が行われ、前記表示パターン決定手段は、前記変動パターン決定手段で決定された変動パターンに基づいて前記表示パターンを選択して決定するようになっており、前記出現率判定手段は、前記大当り遊技が終了してから次の大当り遊技が付与されるまでの間、各規定値を保持する一方で、前記大当り遊技が付与されることを契機に各規定値のうち少なくとも1種類の規定値を変化させる技術的思想(ハ)に記載の遊技機。
(ホ)前記表示パターン決定手段は、前記表示パターンを決定するに際し、前記表示パターンを選択した場合、特定の大当り遊技が付与されてから次に前記特定の大当り遊技が付与されるまでの間であって、前記特定の大当り遊技が付与されてから所定回数だけ前記大当り遊技が付与されるまでの間においては前記出現率判定手段の各種判定結果にかかわらず選択した表示パターンをそのまま決定する技術的思想(ニ)に記載の遊技機。
(ヘ)前記表示パターン決定手段は、前記第1種展開再選択抽選においては前記第1種展開を特定する表示パターン以外の表示パターンを再選択するように構成された技術的思想(ハ)〜(ホ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
P1〜P5…変動パターン、HP1〜HP9…ゲーム表示パターン、10…パチンコ遊技機、28…演出表示装置、45…主制御基板、45a…主制御用CPU、45b…主制御用ROM、45c…主制御用RAM、46…サブ統括制御基板、46a…統括制御用CPU、46b…統括制御用ROM、46c…統括制御用RAM、47…演出表示制御基板、47a…表示制御用CPU、47b…表示制御用ROM、47c…表示制御用RAM。