図1は、本実施例1のパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにより可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数に分割された可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄を可変表示する。なお、画像表示装置5の表示領域では、例えば色図柄表示エリアにて、色図柄(「第4図柄」ともいう)を可変表示してもよい。こうした飾り図柄や色図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動のいずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアは、画像表示装置5の表示領域内で移動可能とされ、飾り図柄を縮小あるいは拡大して表示することができるようにしてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字「一」〜「八」、英文字「A」〜「H」、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなど。なお、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい。)が含まれていればよい。また、こうした8種類の飾り図柄の他に、ブランク図柄(大当り組合せを構成しない図柄)が含まれていてもよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hも配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留(可変表示の権利)は、遊技盤2の前面の遊技領域内に設けられた本発明の第1始動領域となる第1始動入賞口S1や、本発明の第2始動領域となる第2始動入賞口S2および本発明の第3始動領域となる普通可変入賞球装置6Bに遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
一例として、始動入賞記憶表示エリア5Hには、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられている。そして、第1始動入賞口S1に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときや、第1始動入賞口S1や普通可変入賞球装置6Bに遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を通常表示(有色)に変化させる。なお、始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図保留記憶数を示す数字を表示することなどにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。例えば、特図保留表示器は、第1始動入賞口S1に進入した有効始動入賞球数としての第1保留記憶数と、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6Bに進入した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数と、の合計値である合計保留記憶数を特定可能に表示する。特図保留表示器は、例えば合計保留記憶数における上限値(例えば「8」)に対応した個数(例えば8個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤2の盤面上に形成された遊技領域には、画像表示装置5の天辺からみて左側の左遊技領域2A(第2領域)と、右側の右遊技領域2B(第1領域)とがある。第2領域である左遊技領域2Aと、第1領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域内における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれた遊技球は、第2領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第1領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、第1始動入賞口S1と第2始動入賞口S2の上部位置に振分装置6Aが設けられている。例えば振分装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられる。
第1始動入賞口S1と第2始動入賞口S2は、不変の所定の大きさとされた流入口を有することによって常に一定の開放状態に保たれる。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入可能な第1始動入賞口S1と第2始動入賞口S2とが設けられている。
本実施例の振分装置6Aは、図3に示すように、略釣り鐘状の形状を有しており、上端面に1の遊技球が流入可能な流入口62と、下端面に流入口62から流入した遊技球が排出される流出口63、64とが設けられている。
流出口63、64は、図3に示すように、流出口63が第1始動入賞口S1の直上に位置し、第1始動入賞口S1の流入口に対向して臨むように設けられている。また、流出口64も第2始動入賞口S2の直上に位置し、第2始動入賞口S2の流入口に対向して臨むように設けられており、流出口63や流出口64から流出した遊技球の殆どは、第1始動入賞口S1または第2始動入賞口S2に進入するようになる。
つまり、流出口63と第1始動入賞口S1との間隔並びに流出口64と第2始動入賞口S2との間隔は、遊技球の直径よりも大きなものとされており、流出口63や流出口64から流出した遊技球が、第1始動入賞口S1や第2始動入賞口S2に進入せずに、該間隔から遊技領域内に流下することがあり得る。
振分装置6Aの内部には、流入口62から流出口63や流出口64に繋がる2股の流路が形成されているとともに、該流路の分岐部には、図3に示すように、遊技球の自重によって左右に交互に揺動する振分け部材65が設けられている。
この振分け部材65は、揺動軸に軸支されることで、流出口63方向と流出口64方向とに揺動可能な主板と、該主板の下端部において主板の板面から流出口63方向と流出口64方向に突出するように形成された突出版とから構成されており、これら主板が、図3に示すように、遊技球の通過に伴って流出口63方向の通路或いは流出口64の通路の一方を交互に塞ぐように揺動することで、流入口62から流入した遊技球が流出口63と流出口64とに交互に振分けられるようになっている。
つまり、図3(a)の状態において遊技球が流入口62から流入した場合には、流入した遊技球が、流出口64方向を塞ぐように傾斜状態にある振分け部材65の主版に衝突して流出口63方向に進路を変更し、該進路を変更した遊技球の流出口63への流下に伴って、振分け部材65の突出版が遊技球により押されることにより、振分け部材65が図3(b)に示すように揺動して、流出口63方向を塞ぐように傾斜状態となる。
次いで、これら流出口63方向を塞ぐような傾斜状態となっている状況において、図3(c)に示すように、遊技球が流入口62から流入した場合には、流入した遊技球が、流出口63方向を塞ぐように傾斜状態にある振分け部材65の主版に衝突して流出口64方向に進路を変更し、該進路を変更した遊技球の流出口64への流下に伴って、振分け部材65の突出版が遊技球により押されることにより、振分け部材65が図3(d)に示すように揺動して、流出口64方向を塞ぐように傾斜状態となる。
尚、本実施例では、図3に示すように、振分け部材65による振分装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら振分装置としては、遊技球をその自重によって交互に振分けできるものであれば、任意の形態のものを使用することができる。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右下方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方(画像表示装置5の右側方)に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備える。
尚、これら普通可変入賞球装置6Bに入賞した遊技球と、第2始動入賞口S2に入賞した遊技球は、図示しない1の球検出流路に誘導され、該球検出流路に設けられた第2始動口スイッチ22B(図2参照)によって、第2始動入賞として検出される。つまり、本発明の第2始動口である第2始動入賞口S2だけではなく、本発明の第3始動口である普通可変入賞球装置6Bへの入賞も第2始動入賞として検出される。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第3始動口に進入しない閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、遊技球が第3始動口に進入する開放状態(第1状態)となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態(第2状態)であるときでも、第3始動口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、遊技球が進入可能な第1状態と、遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化する第3始動口を形成する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける振分装置6A(第1始動入賞口S1、第2始動入賞口S2)や普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第2領域である左遊技領域2Aに進入した遊技球は、第1領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第3始動口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第1領域である右遊技領域2Bへ進入した遊技球は、第2領域である左遊技領域2Aに設けられた第1始動入賞口S1や第2始動入賞口S2に入賞(進入)することが不可能または困難である。
振分装置6Aにより振分けられて第1始動入賞口S1に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。振分装置6Aにより振分けられて第2始動入賞口S2に進入した遊技球並びに普通可変入賞球装置6Bに進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22B(例えば近接スイッチ)によって検出された後、入賞確認スイッチ25(例えばフォトセンサ)によって検出される。第2始動口スイッチ22Bによる検出結果に加えて入賞確認スイッチ25の検出結果に基づいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことに基づいてセキュリティ信号が外部出力されればよい。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7は、第1領域となる右遊技領域2Bに設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用のソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7に形成された大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左下方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、LED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20は、例えば複数(2つ)の装飾ランプ(またはLED)を所定順序で点灯させることにより、普通図柄を可変表示する。なお、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を可変表示してもよい。複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。また、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する普図保留表示器が設けられてもよい。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が一般入賞口スイッチ24によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば振分装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)31が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
普通図柄表示器20による普図ゲームは、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームは、振分装置6Aにより振分けされて第1始動入賞口S1に進入した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、開始される。第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームは、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6Bに進入した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、所定時間(特図変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄や小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「5」を示す数字を小当り図柄とし、「−」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。なお、大当り図柄や小当り図柄は、遊技者が認識不可能あるいは認識困難とするために、数字を示す特別図柄とせずに予め定められた記号(例えば「コ」など)にしてもよい。
この実施の形態では、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を15ラウンド大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を2ラウンド大当り図柄とする。特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンド中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。
15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。特別可変入賞球装置7が第1状態であるときには、大入賞口に遊技球が進入可能となり、特別可変入賞球装置7が第2状態であるときには、大入賞口に遊技球が進入不可能または進入困難となればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として2ラウンド大当り図柄が停止表示された後に制御される少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(2ラウンド大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる期間(開閉板により大入賞口を開放状態とする期間)が、15ラウンド大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)となる。また、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が、15ラウンド大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、2ラウンド大当り状態では、ラウンドの実行回数が第2ラウンド数となるように制御されればよく、それ以外の制御は15ラウンド大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。ラウンドの実行回数が「2」となる2ラウンド大当り状態における遊技は、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた所定の入賞球装置において、大入賞口となる所定の入賞口を閉鎖状態から開放状態とすることなどにより、遊技者にとって不利な第2状態から遊技者にとって有利な第1状態に変化させ、所定期間(第1期間または第2期間)が経過した後に第2状態へと戻すようにしてもよい。
2ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(1秒間)であって、非常に短い。そのため、2ラウンド大当り状態は実質的には出玉が得られない大当り遊技状態である。なお、2ラウンド大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。また、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、多ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、ラウンドの実行回数が少ないものに限定されず、例えばラウンドの実行回数は少ラウンド特定遊技状態と多ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、少ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限期間(例えば2秒間)が多ラウンド特定遊技状態での上限期間(例えば29秒間)に比べて短くなるものであってもよい。すなわち、少ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が多ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が多ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、通常状態(低確低ベース状態)に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動時間(特図変動時間)が短縮される時短制御(時間短縮制御)が行われる。こうした時短制御が行われる一方で、後述する確変制御(確率変動制御)が行われない遊技状態は、特別遊技状態の1つであり、時短状態(あるいは低確高ベース状態)という。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態における時短制御は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。こうした「3」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に時短状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15ラウンド通常大当り図柄(「15ラウンド非確変大当り図柄」ともいう)と称される。また、15ラウンド非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15ラウンド通常大当り」(「15ラウンド非確変大当り」ともいう)と称される。
15ラウンド大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき15ラウンド大当り状態が終了した後には、時短制御とともに、継続して確変制御(確率変動制御)が行われる。こうした時短制御とともに確変制御が行われる遊技状態は、特別遊技状態の1つであり、時短付確変状態(あるいは高確高ベース状態)という。確変制御が行われることにより、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。確変制御は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。あるいは、確変制御は、時短制御と同様に、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了してもよい。こうした「7」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に高確高ベース状態といった確変状態に制御される15ラウンド大当り図柄は、15ラウンド確変大当り図柄と称される。また、15ラウンド確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「15ラウンド確変大当り」と称される。
2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき2ラウンド大当り状態が終了した後には、継続して確変制御が行われる。なお、2ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が行われるか否かは、その2ラウンド大当り状態となる以前に時短制御が行われていたか否かによって決定されればよい。すなわち、時短制御が行われていないときに実行された特図ゲームにおいて「1」の数字を示す確定特別図柄が停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、確変制御が行われる一方で時短制御が行われない時短なし確変状態(高確低ベース状態)に制御される。時短状態や時短付確変状態において時短制御が行われているときに実行された特図ゲームにおいて「1」の数字を示す確定特別図柄が停止表示されたことに基づく2ラウンド大当り状態が終了した後には、時短制御とともに確変制御が行われる時短付確変状態(高確高ベース状態)に制御される。こうした「1」の数字を示す特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変制御が行われる2ラウンド大当り図柄は、2ラウンド確変大当り図柄(「突確大当り図柄」ともいう)と称される。2ラウンド確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「2ラウンド確変大当り」(「突確」や「突然確変大当り」などともいう)と称される。なお、時短制御が行われているときの「突確」を、特に「時短中突確」ともいい、時短制御が行われていないときの「突確」を、特に「時短外突確」ともいう。
低確低ベース状態と低確高ベース状態は、まとめて「低確状態」ともいう。高確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて「高確状態」ともいう。低確低ベース状態と高確低ベース状態は、まとめて「低ベース状態」ともいう。低確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて「高ベース状態」ともいう。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動入賞となる第3始動口に遊技球を進入しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、時短制御とともに、第2始動入賞となる第3始動口に遊技球を進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御(あるいは有利開放制御)ともいう。高開放制御が行われることにより、第3始動口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態や時短付確変状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
図1に示すパチンコ遊技機1の遊技領域では、第1領域となる右遊技領域2Bに普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。したがって、時短制御とともに高開放制御が行われているときには、右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射すれば、普通可変入賞球装置6Bにより形成された第3始動口を遊技球が通過(進入)しやすい。また、時短制御が行われていることから、速やかに特図ゲームを消化して、可変表示結果が「大当り」となるまでの時間を短縮することができる。このように、時短制御とともに高開放制御が行われる時短制御中には、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bとなる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として小当り図柄が停止表示された後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7を第2状態から第1状態とした後に第2状態へと戻す可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口を第2期間にわたり開放状態とする動作が、第2回数に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、2ラウンド大当り状態と同様に、大入賞口を開放状態とする期間が第2期間となることと、大入賞口を開放状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。すなわち、小当り遊技状態への制御が開始される直前の大当り確率は、小当り遊技状態への制御中も、小当り遊技状態への制御が終了した後も変更されることなく維持(継続)される。また、小当り遊技状態への制御が開始される直前に時短制御が行われているときには、小当り遊技状態への制御中も、小当り遊技状態への制御が終了した後も変更されることなく時短制御が行われる。可変入賞動作により大入賞口を開放状態とする回数が「2」である小当り遊技状態における遊技は、2ラウンド大当り状態における遊技と同様に、2回開放遊技とも称される。なお、2ラウンド大当り状態における各ラウンドで特別可変入賞球装置7とは別個に設けられた入賞球装置を第1状態に変化させる場合には、小当り遊技状態でも、2ラウンド大当り状態と同様の態様で、その入賞球装置を第1状態に変化させるようにすればよい。
15ラウンド大当り状態では、各回のラウンドにおいて大入賞口を開放状態とする上限時間が長いことや、ラウンドの実行回数が多いことなどにより、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすい。これに対して、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態では、各回のラウンドまたは可変入賞動作において大入賞口を開放状態とする上限時間が短いことや、ラウンドまたは可変入賞動作の実行回数が少ないことなどにより、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい。このように、大当り遊技状態のうちには、15ラウンド大当り状態のように、大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに制御可能な第1特定遊技状態と、2ラウンド大当り状態のように、大入賞口を遊技球が通過(進入)しにくい第2変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに制御可能な第2特定遊技状態とが含まれている。なお、第1特定遊技状態は、すべてのラウンドで大入賞口の変化態様が第1変化態様となるものに限定されず、少なくとも1回のラウンドにおける大入賞口の変化態様が第1変化態様となるものであればよい。すなわち、第1特定遊技状態は、大入賞口の変化態様が第1変化態様を含むものであればよい。その一方で、第2特定遊技状態は、大入賞口の変化態様が第2変化態様のみとなるものであればよい。
小当り遊技状態は、その終了後に以前の遊技状態を継続させる点で大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態である。小当り遊技状態における大入賞口の変化態様は、大当り遊技状態に含まれる第2特定遊技状態としての2ラウンド大当り状態と同様に、第2変化態様のみとなる。
図1に示すパチンコ遊技機1の遊技領域では、第1領域となる右遊技領域2Bに特別可変入賞球装置7が設けられている。したがって、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射すれば、大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、景品として多数の賞球が得られる可能性がある。このように、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化するときには、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bとなる。ただし、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態では、大入賞口が開放状態(第1状態)となる開放回数が少ないことや開放時間が短いことなどにより、15ラウンド大当り状態における大入賞口の変化態様(第1変化態様)に比べて、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい変化態様(第2変化態様)となる。
画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。すなわち、画像表示装置5の表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定飾り図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて所定順序で飾り図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて同時に確定飾り図柄となる飾り図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」、「擬似連」といった可変表示演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、2つ以上の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。ここで、仮停止表示とは、後述する複数種類の変動パターン毎に定められた変動時間が経過したことにより、確定飾り図柄が停止表示(最終停止表示)される以前に行われる飾り図柄の停止表示をいう。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに基づき、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大4回まで)行うことができる。一例として、「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、複数種類の擬似連チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄が仮停止表示される。なお、擬似連チャンス目は、特殊組合せに含まれる飾り図柄の組合せとして、予め定められていればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15ラウンド通常大当り図柄である「3」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。ここで、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短状態(低確高ベース状態)に制御されることになる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、15ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち15ラウンド確変大当り図柄である「7」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。ここで、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。このように、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として15ラウンド確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となった後には、15ラウンド大当り状態に制御され、その15ラウンド大当り状態が終了すると、時短付確変状態(高確高ベース状態)に制御されることになる。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されてもよい。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する変動中昇格失敗演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する変動中昇格成功演出が実行されることもあれば、変動中昇格失敗演出が実行されることもある。
非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が非確変大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて非確変図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示され、変動中昇格成功演出や大当り中昇格演出などが行われず、「15ラウンド確変大当り」であることが報知されない場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第1確変」の大当り種別であるともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、変動中昇格演出を行わずに確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第2確変」の大当り種別であるともいう。特図ゲームにおける確定特別図柄が確変大当り図柄となることに対応して、変動中昇格成功演出を行って確変大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される場合や、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示された後に大当り中昇格演出を行って確変状態に制御することが報知された場合の可変表示態様は、「確変」の大当り種別のうちで、特に「第3確変」の大当り種別であるともいう。大当り種別が「第2確変」または「第3確変」である場合には、15ラウンド大当り状態の終了後に時短付確変状態(高確高ベース状態)となることを遊技者が認識可能となる一方で、大当り種別が「第1確変」である場合には、15ラウンド大当り状態の終了後に時短状態(低確高ベース状態)となるか時短付確変状態(高確高ベース状態)となるかを遊技者が認識不可能または認識困難となる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合や、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、2回開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。特図ゲームにおける確定特別図柄が2ラウンド大当り図柄である「1」の数字を示す特別図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。こうして「突確」の可変表示態様により可変表示結果が「大当り」となった後には、2ラウンド大当り状態に制御され、その2ラウンド大当り状態が終了すると、高確高ベース状態である時短付確変状態(時短中突確の場合)または高確低ベース状態である時短なし確変状態(時短外突確の場合)に制御されることになる。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような電源基板10、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板15、発射制御基板17といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板18なども搭載されている。なお、音声制御基板13やランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個の独立した基板によって構成されてもよいし、演出制御基板12にまとめられて1つの基板として構成されてもよい。その他、パチンコ遊技機1の背面には、例えば情報端子基板などといった、各種の制御基板が配置されている。
電源基板10は、主基板11、演出制御基板12、払出制御基板15等の各制御基板と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各制御基板及び機構部品が使用する電圧を生成する。例えば、電源基板10では、AC24V、VLP(直流+24V)、VSL(直流+30V)、VDD(直流+12V)、VCC(直流+5V)及びVBB(直流+5V)を生成する。電源基板10には、バックアップ電源回路500と、クリアスイッチ501とが搭載されていればよい。バックアップ電源回路500は、例えばVDD(直流+5V)の電源ラインから充電されるコンデンサを含んでいればよい。
電源基板10には、電源監視回路が搭載されてもよい。電源監視回路は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、電源断信号を出力可能な回路である。例えば、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(一例としてVSL)が所定値(一例として+22V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、所定電源電圧が所定値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になると、直ちにオン状態の電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。電源監視回路から出力された電源断信号は、例えば電源基板10に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11や払出制御基板15へと伝送される。なお、電源断信号は、払出制御基板15を介して主基板11へと伝送されるようにしてもよい。
電源断信号を出力するための監視対象となる所定電源電圧は、例えば電源電圧VSLといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値(一例として+12V)よりも高い電圧であることが好ましい。これにより、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下して各種スイッチ(例えばゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25など)の動作状態が不安定となる以前に、電源断信号を出力する(オン状態にする)ことで、各種スイッチによる誤検出に基づく遊技制御の進行を防止できる。すなわち、スイッチ作動用の電源電圧VDDが低下すると負論理(ローレベルでオン状態となる)のスイッチ出力がオン状態となるものの、電源電圧VDDよりも早く低下する電源電圧VSLを監視して電力供給の停止を認識することで、スイッチ出力がオン状態となる以前に、電源復旧待ちの状態となってスイッチ出力を検出しない状態となることができる。
なお、ソレノイド駆動用の電源電圧VSLに代えて、例えば発光体点灯用の電源電圧VLPといった、スイッチ作動用の電源電圧VDDにおける規定値よりも高い任意の電源電圧を監視対象として、電源断信号を出力するようにしてもよい。また、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止を検出するための条件としては、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になったことに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できる任意の条件であればよい。例えば、AC24V等の交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をデジタル化した信号を監視して、デジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことの検出条件としてもよい。
電源基板10に搭載されたクリアスイッチ501は、例えば押しボタン構造を有し、押下操作などの所定操作に応じてオン状態となるクリア信号を出力する。クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてローレベルとなることでオン状態となる電気信号であればよい。あるいは、クリア信号は、例えば押下操作などの所定操作に応じてハイレベルとなることでオン状態となる電気信号であってもよい。クリアスイッチ501から出力されたクリア信号は、例えば所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11へと伝送され、主基板11から払出制御基板15へと伝送される。また、クリアスイッチ501の操作がなされていないときには、クリア信号の出力を停止(ハイレベルあるいはローレベルに設定)する。なお、クリアスイッチ501は、押しボタン構造以外の他の構成(例えばスライドスイッチ構造やトグルスイッチ構造、ダイヤルスイッチ構造など)であってもよい。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。例えば、主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100や、スイッチ回路114、ソレノイド回路115が搭載されている。スイッチ回路114には、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24、入賞確認スイッチ25などの各種スイッチからの検出信号が入力される。スイッチ回路114は、これらの検出信号を取り込んで、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って各ソレノイド81、82に対する駆動信号を出力する。
図4(a)は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示している。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路101と、リセット/割込みコントローラ102と、乱数回路103と、CPU(Central Processing Unit)104と、ROM(Read Only Memory)105と、RAM(Random Access Memory)106と、タイマ回路(PIT)107と、シリアル通信回路(SCI)108と、外部バスインタフェース109とを備えて構成されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるクロック回路101は、例えば制御用外部クロック端子に入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックを生成する回路である。クロック回路101により生成された内部システムクロックは、例えばCPU104といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックは、乱数回路103にも供給され、例えば乱数用クロックの周波数を監視するために用いられる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるリセット/割込みコントローラ102は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部や外部にて発生する各種リセット、割込み要求を制御するためのものである。リセット/割込みコントローラ102が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。CPU104は、乱数回路103から抽出した数値データに基づき、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路103とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工あるいは更新することで、乱数値MR1〜MR5の全部又は一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。あるいは、CPU104は、乱数回路103を用いることなく、例えばRAM106の所定領域に設けられたランダムカウンタのみを用いて、ソフトウェアによって乱数値MR1〜MR5を示す数値データの一部をカウント(更新)するようにしてもよい。一例として、ハードウェアとなる乱数回路103からCPU104により抽出された数値データを、ソフトウェアにより加工することで、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが更新され、それ以外の乱数値MR2〜MR6(図9参照)を示す数値データは、CPU104がランダムカウンタなどを用いてソフトウェアにより更新すればよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
図9に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作などに基づいて分類された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されたものであればよい。なお、複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを一部に含んで構成されたものがあってもよく、一方の変動パターン種別に含まれる変動パターンの全部が、他方の変動パターン種別にも含まれるように構成されたものがあってもよい。変動パターン決定用の乱数値MR4は、変動パターン種別の決定結果に基づいて、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを開放状態(第1状態)に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。ランダム5初期値決定用の乱数値MR6は、ランダム5の初期値を決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104は、ROM105から読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU104がROM105から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU104がRAM106に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU104がRAM106に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU104が外部バスインタフェース109やシリアル通信回路108などを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU104がROM105に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(又はCPU104)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU104がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM105には、セキュリティチェックプログラムが記憶されていてもよい。CPU104は、パチンコ遊技機1の電源投入やシステムリセットの発生に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100がセキュリティモードに移行したときに、ROM105に記憶されたセキュリティチェックプログラムを読み出し、ROM105の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。なお、セキュリティチェックプログラムは、ROM105とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラムは、例えば外部バスインタフェース109を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM106の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM106の少なくとも一部の内容が保存される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路107は、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。タイマ回路107は、内部システムクロックに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108は、払出制御基板15(払出制御用マイクロコンピュータ150)とのシリアル通信により信号を入出力(送受信)するための回路である。シリアル通信回路108は、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間における双方向のシリアル通信に使用されればよい。また、シリアル通信回路108は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120との間における単一方向(送信のみ)のシリアル通信に使用されてもよい。これにより、演出制御基板12の側から主基板11に対する信号入力を禁止して、不正行為を防止することができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース109は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。
図2に示す演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板18を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
演出制御基板12には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1における演出動作を制御する演出制御用マイクロコンピュータ120や、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)121、演出データメモリ122が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ120は、内蔵または外付けの演出制御用ROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作するCPU120Aを備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ120は、主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)とのシリアル通信により信号を入力(受信)するシリアル通信回路を内蔵してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、主基板11から伝送された制御信号としての演出制御コマンドに基づいて、VDP121に画像表示装置5の表示制御を行わせる。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、受信した演出制御コマンドに従って演出データメモリ122から必要なデータを読み出すための指令をVDP121に出力する。演出データメモリ122は、画像表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくための記憶領域を有する。VDP121は、CPU120Aの指令に応じて、演出データメモリ122の所定領域から画像データを読み出す。そして、VDP121は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、演出データメモリ122の所定領域に予め記憶された演出制御パターンを構成するパターンデータを読み出し、音声制御基板13やランプ制御基板14に対して各種の制御指令を出力してもよい。
払出制御基板15は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータ51による遊技球の払出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、払出制御基板15は、払出モータ51による賞球の払出動作を制御する機能を備えている。また、払出制御基板15は、例えばインタフェース基板を介したカードユニットとの通信結果に応じて払出モータ51の駆動制御を行って、球貸し動作を制御する機能を備えていてもよい。
払出制御基板15には、プログラムに従って遊技球の払出動作を制御する払出制御用マイクロコンピュータ150や、スイッチ回路151が搭載されている。スイッチ回路151には、満タンスイッチ26や球切れスイッチ27からの検出信号を受信するための配線や、払出モータ位置センサ71や払出カウントスイッチ72、エラー解除スイッチ73からの検出信号を受信するための配線が接続されている。また、払出制御基板15には、払出モータ51における遊技球の払出制御を行うための指令信号を送信するための配線や、エラー表示用LED74における表示制御を行うための指令信号を送信するための配線、インタフェース基板を介してカードユニットとの間で通信を行うための配線などが接続されている。
ここで、満タンスイッチ26は、例えば遊技盤2の背面下方にて打球供給皿と余剰球受皿の間を連通する余剰球通路の側壁に設置され、余剰球受皿の満タンを検出するためのものである。賞球又は球貸し要求に基づく遊技球が多数払い出されて打球供給皿が満杯になり、遊技球が連絡口に到達した後、さらに遊技球が払い出されると、遊技球は余剰球通路を経て余剰球受皿へと導かれる。さらに遊技球が払い出されると、例えば所定の感知レバーが満タンスイッチ26を押圧してオンする。
また、球切れスイッチ27は、例えば遊技盤2の背面にて遊技球を払出モータ51が設置された払出装置へと誘導する誘導レールの下流に設置され、誘導レールの下流にてカーブ樋を介して連通された2列の球通路内における遊技球の有無を検出するためのものである。一例として、球切れスイッチ27は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止され、球貸しの一単位の最大払出個数(例えば100円分に相当する25個)以上が確保されていることを確認可能にする。なお、誘導レールは、遊技盤2の背面上方にて補給球としての遊技球を貯留する貯留タンクからの遊技球を払出装置へと誘導するものであり、球通路の下部には、払出モータ51が設置された払出装置が固定されている。
エラー解除スイッチ73は、払出制御用マイクロコンピュータ150が所定のエラー状態に制御されているときに、ソフトウェアリセットによって、そのエラー状態を解除するためのスイッチである。エラー表示用LED74は、例えば7セグメントLEDにより構成され、払出制御用マイクロコンピュータ150にてセットされたエラーフラグなどに基づいて、各種のエラーに対応するエラーコードを表示するためのものである。
図4は、払出制御用マイクロコンピュータ150の構成例を示している。払出制御用マイクロコンピュータ150は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様の1チップマイクロコンピュータであり、クロック回路211と、リセット/割込みコントローラ212と、乱数回路213と、CPU214と、ROM215と、RAM216と、タイマ回路(PIT)217と、シリアル通信回路(SCI)218と、外部バスインタフェース219とを備えて構成されている。なお、乱数回路213は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路103と同様の構成を有するものであればよく、シリアル通信回路218は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108と同様の構成を有するものであればよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ150には、乱数回路213が設けられていなくてもよい。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるROM215には、払出制御用のプログラムが記憶されている。払出制御用マイクロコンピュータ150では、例えばCPU214がROM215に記憶されている払出制御用のプログラムを読出し、主基板11から送信された払出制御コマンドやカードユニットとの通信結果などに基づいて各種の処理を実行することにより、遊技球の払出動作を制御する。
払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるRAM216には、遊技球の払出動作などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域が設けられている。RAM216の少なくとも一部は、電源基板10のバックアップ電源回路500において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定時間は、RAM216の少なくとも一部の内容は保存される。この実施の形態では、RAM216の全体がバックアップされているバックアップRAMであるものとする。
図2に示す発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に応じて、所定の発射装置による遊技球の発射動作を制御するためのものである。発射制御基板17には、例えば電源基板10あるいは主基板11からの駆動信号を伝送する配線や、カードユニットからの接続信号を伝送する配線、及び操作ノブ31からの配線が接続されるとともに、発射モータ61への配線が接続されている。なお、カードユニットからの接続信号は、払出制御基板15にて分岐されて発射制御基板17に伝送されてもよいし、カードユニットから払出制御基板15を経由せずに発射制御基板17に伝送されてもよい。発射制御基板17は、操作ノブ31の操作量に対応して発射モータ61の駆動力を調整する。発射モータ61は、例えば発射制御基板17により調整された駆動力により発射バネを弾性変形させ、発射バネの付勢力を打撃ハンマに伝達して遊技球を打撃することにより、遊技球を操作ノブ31の操作量に対応した速度で遊技領域に向けて発射させる。
中継基板18を介して主基板11から演出制御基板12に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図5(a)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(第7ビット[ビット7])は必ず“1”とされ、EXTデータの先頭ビットは“0”とされる。なお、図5(a)に示された演出制御コマンドの形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、演出制御コマンドが2バイト構成であるとしているが、演出制御コマンドを構成するバイト数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図5(a)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける第1特図の変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける第2特図の変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、第1及び第2変動開始コマンドと、変動パターン指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1特図及び第2特図のいずれが変動開始となるかの指定内容と、変動パターンの指定内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)と変動パターンとの組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを特定できるようにしてもよい。ここで、変動開始となる特別図柄と変動パターンとを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、変動開始となる特別図柄(第1特図あるいは第2特図)に応じた2種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動開始となる特別図柄を指定する演出制御コマンドと、変動パターンを指定する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動開始となる特別図柄に対応した2種類の演出制御コマンドと、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図5(b)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」、「大当り」、「小当り」のいずれとなるかの事前決定結果、また、可変表示結果が「大当り」となる場合のうち「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「時短外突確」、「時短中突確」のいずれとなるかに対応して、異なるEXTデータが設定される。
この実施の形態では、変動パターン指定コマンドと可変表示結果通知コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、変動パターン指定コマンドに示される変動パターンと、可変表示結果通知コマンドに示される可変表示結果とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、変動パターンと可変表示結果(「ハズレ」、「大当り」及び「小当り」のいずれかと、「大当り」となる場合における大当り種別など)との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果を特定可能な情報が伝送されるようにしてもよい。あるいは、3つ以上の演出制御コマンドにより、変動パターンと可変表示結果とを特定できるようにしてもよい。ここで、変動パターンと可変表示結果とを1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成した場合には、1つの変動パターンに対して、複数種類の可変表示結果に応じた複数種類の演出制御コマンドを用意しなければならないことがある。これに対して、変動パターンを指定する演出制御コマンドと、可変表示結果を通知する演出制御コマンドとを別個に用意すれば、変動パターンの種類数に対応した個数の演出制御コマンドと、可変表示結果の種類数に対応した個数の演出制御コマンドとを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の可変表示の停止を指定する飾り図柄停止コマンドである。なお、飾り図柄停止コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送されないようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応する可変表示時間を、演出制御基板12の側で特定し、飾り図柄の可変表示を開始してからの経過時間が可変表示時間に達したときに、主基板11からの演出制御コマンドを受信しなくても、確定飾り図柄を完全停止表示して可変表示結果を確定させるようにしてもよい。
コマンド9E00Hは、客待ちデモンストレーション表示を指定する客待ちデモ指定コマンドであり、特別図柄の可変表示が終了してから所定時間(例えば約20秒)が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板12に対して送出されたときには、画像表示装置5に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
コマンド9F00Hは、通過ゲート41を遊技球が通過したことを通知するゲート通過通知コマンドであり、ゲートスイッチ21による遊技球の検出に基づいて送出される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。大当り開始指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定されればよい。あるいは、大当り開始指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA1XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間における演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態に対応して、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間おける演出画像(例えばラウンド間のインターバルにおける演出画像)の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、例えば15ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)や、2ラウンド大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」または「2」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。なお、15ラウンド大当り状態であるか、2ラウンド大当り状態であるかに応じて、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを別個に用意してもよい。これに対して、15ラウンド大当り状態と2ラウンド大当り状態で共通の大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを用いることにより、演出制御コマンドの種類数を削減することができる。また、2ラウンド大当り状態である場合には、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。大当り遊技状態では、各ラウンドで大入賞口が開放状態となっている期間であるか、各ラウンドの終了により大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であるかに関わりなく、大当り遊技状態の開始時点から終了時点まで継続的な演出動作が実行されるようにしてもよい。
コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、大当り種別や「時短外突確」または「時短中突確」などに応じて異なるEXTデータが設定される。あるいは、大当り終了指定コマンドでは、大当り種別などに応じて設定されるEXTデータを、可変表示結果通知コマンドや大当り開始指定コマンドとは異ならせるようにしてもよい。
コマンドA600Hは、小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する小当り開始指定コマンドである。コマンドA700Hは、小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する小当り終了指定コマンドである。なお、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されるようにしてもよい。あるいは、小当り遊技状態である場合には、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドが送信されないようにしてもよい。
コマンドB001Hは、第1始動入賞口S1に遊技球が入賞したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB002Hは、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞(第2始動入賞)したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB101Hは、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB101Hは、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB102(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
コマンドB2XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドC0XXHは、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との合計値である合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドである。保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したことに対応して、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかが送信されたことに続いて、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。保留記憶数通知コマンドでは、例えば図15に示す特図保留記憶部591における保留データの総記憶数(例えば「1」〜「8」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。これにより、演出制御基板12の側では、第1始動条件と第2始動条件のいずれかが成立したときに、主基板11から伝送された保留記憶数通知コマンドを受信して、特図保留記憶部591における保留データの総記憶数を特定することができる。
コマンドC1XXHは、後述する保留記憶エラーの等の各種エラーの発生を通知するためのエラー通知コマンドである。コマンドC1XX(H)における「XX」が、発生したエラーのエラーコードを示す。
この実施の形態では、第1及び第2始動口入賞指定コマンドと保留記憶数指定コマンドとを、互いに別個の演出制御コマンドとして用意している。これに対して、第1始動条件及び第2始動条件のいずれが成立したかの通知内容と、合計保留記憶数の通知内容とを、1つの演出制御コマンドにより特定可能となるように構成してもよい。一例として、成立した始動条件(第1始動条件あるいは第2始動条件)と合計保留記憶数との組合せに対応してEXTデータが設定される演出制御コマンドを用意して、その演出制御コマンドにより、成立した始動条件と合計保留記憶数とを特定できるようにしてもよい。ここで、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを、合計保留記憶数とともに1つの演出制御コマンドで特定可能とする場合には、例えば合計保留記憶数の上限値が「8」である場合に、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれが成立した場合に対応して8種類ずつの合計16種類の演出制御コマンドを用意しなければならない。これに対して、第1始動条件と第2始動条件のいずれが成立したかを特定可能な演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な演出制御コマンドとを別個に用意すれば、第1始動条件と第2始動条件のそれぞれを特定可能な2種類の演出制御コマンドと、合計保留記憶数を特定可能な8種類の演出制御コマンドとからなる、合計10種類の演出制御コマンドを用意すればよく、予め用意するコマンドの種類や、コマンドテーブルの記憶容量などを、削減することができる。
主基板11から払出制御基板15に対して送信される制御コマンドは、例えば電気信号として伝送される払出制御コマンドである。なお、払出制御コマンドは、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるCPU104によって払出制御コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路108により払出制御基板15に対して送信されるものである。以下の説明では、主基板11から払出制御基板15に対する払出制御コマンドの送信動作に、こうした遊技制御用マイクロコンピュータ100に設けられたCPU104やシリアル通信回路108による一連の動作が含まれているものとする。
払出制御基板15から主基板11に対しては、例えば電気信号としての払出通知コマンドなどが送信される。払出通知コマンドは、払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるCPU214によって払出通知コマンドを送信するための設定が行われ、その設定に基づいて払出制御用マイクロコンピュータ150が備えるシリアル通信回路218により主基板11に対して送信されるものである。以下の説明では、払出制御基板15から主基板11に対する払出通知コマンドの送信動作に、こうした払出制御用マイクロコンピュータ150に設けられたCPU214やシリアル通信回路218による一連の動作が含まれているものとする。加えて、以下の説明では、主基板11及び払出制御基板15のいずれか一方から他方に対する所定動作の指令だけでなく、一方での動作状態を他方に通知する通知信号も、払出制御コマンドや払出通知コマンドに含まれるものとする。
図6(A)は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信される制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御基板15に搭載された払出制御用マイクロコンピュータ150との間では、払出動作に関する各種の制御を行うために、各種の制御コマンドが送受信される。この実施の形態では、主基板11の側から払出制御基板15の側へと伝送される払出制御コマンドに、接続確認コマンド、賞球個数コマンドが含まれている。また、払出制御基板15の側から主基板11の側へと伝送される払出通知コマンドに、接続OKコマンド、賞球個数受付コマンド、賞球終了コマンド、賞球準備中コマンドが含まれている。
接続確認コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ100と払出制御用マイクロコンピュータ150との間の接続状態が正常であるか否かを確認するために、一定間隔(例えば1秒)毎に遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される制御コマンドである。
接続OKコマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が接続確認コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。接続OKコマンドの2バイト目は、払出制御用マイクロコンピュータ150における所定のエラーが発生したか否かや、発生した場合のエラーの種類などに応じて、異なるデータが設定されればよい。また、エラー以外の制御状態に応じて異なるデータが設定されてもよい。
賞球個数コマンドは、払出要求を行う遊技球の個数(例えば0〜15個のいずれか)を通知するための制御コマンドであり、遊技制御用マイクロコンピュータ100が入賞の発生に基づいて送信する。賞球個数コマンドの2バイト目は、払出用球を行う遊技球の個数に応じて異なるデータが設定されればよい。賞球個数受付コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が賞球個数コマンドの受信に応じて応答信号として送信する制御コマンドである。
賞球終了コマンドは、払出制御用マイクロコンピュータ150が賞球払出動作の終了に基づいて送信する制御コマンドである。賞球準備中コマンドは、賞球払出動作に時間がかかっている場合や、貸球動作中であったり所定のエラーが発生したりして賞球払出動作が終了していないことを通知するために、払出制御用マイクロコンピュータ150が送信する制御コマンドである。賞球準備中コマンドの2バイト目は、接続OKコマンドと同様に、エラー状態に応じて異なるデータが設定されればよい。なお、賞球準備中コマンドでは、貸球動作中であるために賞球の払出動作を直ちに開始できない状態や、賞球払出動作の実行中の状態を、遊技制御用マイクロコンピュータ100において特定可能に示すものであってもよい。
主基板11と払出制御基板15との間では、シリアル通信による払出制御コマンドや払出通知コマンドの送受信の他に、払出制御信号の送受信も行われる。図6(B)は、主基板11と払出制御基板15との間で送受信される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御信号に、接続信号と払出検出信号とが含まれている。
接続信号は、主基板11の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ100の起動時)に出力され、払出制御基板15に対して主基板11が立ち上がったことを通知するための信号(主基板11の接続信号)である。また、接続信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。接続信号は、1ビットのデータであり、1本の信号線によって主基板11の側から払出制御基板15の側へと伝送されればよい。
払出検出信号は、払出制御基板15の側において所定個数(例えば10個)の賞球が払い出されたことを検出するごとに、その検出結果を主基板11の側に通知するための信号である。払出検出信号は、1ビットのデータであり、1本の信号線によって払出制御基板15の側から主基板11の側へと伝送されればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムとなる制御コードの他に、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データや決定用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM105には、CPU104が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM105には、CPU104が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、飾り図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
図7は、ROM105に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30099」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や時短付確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第3始動口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や時短付確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図8は、ROM105に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確状態や時短付確変状態といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第3始動口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2ラウンド大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や時短付確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、「突確」の大当り種別に決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図11(a)〜(c)は、ROM105に記憶される大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132cには、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「非確変大当り」である場合に用いられる図11(a)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132aと、大当り種別が「確変大当り1〜3」である場合に用いられる図11(b)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り用変動パターン種別判定テーブル132bにはスーパーCA3−3に対して判定値が割り当てられているのに対して、大当り用変動パターン種別判定テーブル132aにはスーパーCA3−3に対して判定値が割り当てられていない。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図11(a),(b)に示すように、この実施例では、非確変大当りまたは確変大当り1〜3である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図11(d)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図11(d)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図12(a)〜(d)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135dを示す説明図である。このうち、図12(a)は、遊技状態が低ベース状態であるとともに総保留記憶数が6未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135aを示している。また、図12(b)は、遊技状態が低ベース状態であるとともに総保留記憶数が6以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bを示している。また、図12(c)は、遊技状態が時短状態(確変状態中を含む)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135cを示している。また、図12(d)は、時短状態が終了した後の最初の可変表示において用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135dを示している。
これらのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図12に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と総保留記憶数が6以上である場合とで個別のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短状態である場合と総保留記憶数が6以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。
また、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして総保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、総保留記憶数が6以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135bとして1つのテーブルのみを用いる場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、総保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、総保留記憶数6個用、総保留記憶数7個用、総保留記憶数8個用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a〜135dには、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図12(a)〜(d)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135aは、図12(a)に示すように、非リーチCA2−3に対する判定値の割り当てがなく、これら超短縮や短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3が決定されないことで、超短縮や短縮の変動パターンが決定されないように設定されている。
これに対し、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135bは、図12(b)に示すように、通常の非リーチを含む非リーチCA2−4に代えて、超短縮や短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3に対して比較的多くの判定値が割り当てられていることで、非リーチCA2−3が高い割合にて決定されるようになっている。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135cは、図12(c)に示すように、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135aにおいて判定値が割り当てられている非リーチCA2−2や非リーチCA2−4に対して判定値の割り当てがなく、非リーチCA2−1と非リーチCA2−3のみに判定値が割り当てられているとともに、短縮ではない非リーチの変動パターンを含む非リーチCA2−1に対して割り当てられている判定値の数が少ない一方、超短縮や短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3に対して比較的多くの判定値が割り当てられていることで、非リーチCA2−3がより一層高い割合にて決定されるようになっている。
また、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135dは、図12(d)に示すように、スーパーCA2−7に対しては、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135aと同じ判定値数が割り当てられているが、該判定値以外が全て非リーチCA2−3に割り当てられていることで、超短縮や短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3が非常に高い割合にて決定されるようになっている。
図13(a),(b)は、ROM105に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(MR4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3〜スーパーCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図13(a)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3、スーパーCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、図13(b)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図13(b)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図14は、ROM105に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138a〜138bを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、遊技状態が通常状態(総保留記憶数が6未満または6以上であるとき)に可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(MR4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
また、はずれ変動パターン判定テーブル138bは、遊技状態が時短状態または通常遊技状態であって時短状態が終了した最初の可変表示である場合において可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(MR4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
これらはずれ変動パターン判定テーブル138aとはずれ変動パターン判定テーブル138bとの違いとしては、主に、非リーチCA2−3に含まれる非リーチPA1−0(超短縮)と非リーチPA1−1(短縮)に対する判定値の割り当てが異なっている。
つまり、図14に示すように、はずれ変動パターン判定テーブル138aでは、MR4の判定値全てが非リーチPA1−1(短縮)に対して割り当てられていることで、非リーチPA1−1(短縮)のみが決定され、非リーチPA1−0(超短縮)の変動パターンが決定されることがないのに対し、はずれ変動パターン判定テーブル138bでは、MR4の判定値全てが非リーチPA1−0(超短縮)に対して割り当てられていることで、非リーチPA1−0(超短縮)の変動パターンのみが決定され、非リーチPA1−1(短縮)の変動パターンが決定されることはない。
つまり、総保留記憶数が6以上となった場合に非リーチCA2−3が決定された場合には、通常の非リーチの変動時間(11.5秒)よりは短いが超短縮の変動時間(1.0秒)よりは長い変動時間(3.0秒)の非リーチPA1−1(短縮)のみが決定されるのに対し、時短状態中や時短終了後の最初の可変表示において非リーチCA2−3が決定された場合には、最も変動時間が短い非リーチPA1−0(超短縮)のみが決定されることで、可変表示が直ぐに終了して保留記憶が素早く消化される。
図10は、飾り図柄の変動パターンを例示する説明図である。この実施の形態では、図10に示すように、可変表示結果が「はずれ」であり飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図10に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図10に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
また、図10に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図10に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は11.50秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が27.50秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。
なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM106には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図15に示すような遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。遊技制御用データ保持エリア590は、特図保留記憶部591と、遊技制御フラグ設定部592と、遊技制御タイマ設定部593と、遊技制御カウンタ設定部594と、遊技制御バッファ設定部595とを備えている。
特図保留記憶部591は、第1始動入賞口S1や、第2始動入賞口S2或いは普通可変入賞球装置6Bを遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞の発生に対応して第1始動条件或いは第2始動条件は成立したが第1開始条件または第2開始条件は成立していない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム、または第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データ(権利)を、第1始動条件の成立による保留データ(権利)を上限値である4つ、第2始動条件の成立による保留データ(権利)を上限値である4つ、合計8つまで記憶する。
一例として、特図保留記憶部591は、図15に示すように、始動入賞の発生順に保留番号と関連付けて、成立した始動条件により可変表示の対象となる特図の種別(第1特図であることを示す第1、または第2特図であることを示す第2)と、その入賞による第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいてCPU104により取得(抽出)された各種の乱数値を示す数値データを、最下位の保留データとして記憶する。この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データと、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データとが、保留データとして特図保留記憶部591に記憶される。
よって、本実施例では、前述したように振分装置6Aが設けられているので、普通可変入賞球装置6Bの高開放制御が実施されない通常状態(低ベース状態)においては、該振分装置6Aによって第1始動入賞口S1と第2始動入賞口S2とに交互に遊技球が入賞することになるので、図10に示すように、種別のデータとして「第1」と「第2」とが交互に記憶されることになり、第1特図による特図ゲームと、第2特図による特図ゲームとが交互に実施されるようになる。
尚、図10においては、総保留記憶の上限である8まで記憶されている状態を示したが、総保留記憶数の状態としては、1〜8までの各数の状態と成り得る。例えば、通常状態において総保留記憶数が2である場合には、「第1」と「第2」の保留記憶数はいずれも1であり、総保留記憶数が4である場合には、「第1」と「第2」の保留記憶数はいずれも2であり、総保留記憶数が6である場合には、「第1」と「第2」の保留記憶数はいずれも3であり、総保留記憶数が8である場合には、「第1」と「第2」の保留記憶数はいずれも4である。
また、例えば、通常状態において総保留記憶数が1である場合には、「第1」と「第2」のいずれかの保留記憶数が「1」であり他の保留記憶数が「0」であり、総保留記憶数が3である場合には、「第1」と「第2」のいずれかの保留記憶数が「2」であり他の保留記憶数が「1」であり、総保留記憶数が5である場合には、「第1」と「第2」のいずれかの保留記憶数が「3」であり他の保留記憶数が「2」であり、総保留記憶数が7である場合には、「第1」と「第2」のいずれかの保留記憶数が「4」であり他の保留記憶数が「3」である。
また、普通可変入賞球装置6Bの開放制御が実施される時短状態においては、種別のデータとして「第1」と「第2」とが交互ではなく、「第2」が連続する記憶が許容される。但し、この時短状態において「第2」の保留記憶数が4つとなっているが総保留記憶数が8となっていない状態において、第2始動入賞の発生に対応して新たに第2始動条件が成立しても、該成立が無効とされて「第2」の保留記憶は実施されない。
すなわち、「第1」と「第2」の保留記憶数はいずれも上限値である4以下の範囲において記憶可能とされる。
遊技制御フラグ設定部592には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部592には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部593には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部593には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部594には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部594には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部594には、遊技用乱数の一部または全部をCPU104がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部594のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU104によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU104がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路103における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路103から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部595には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部595には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100の出力ポート0からは、払出制御基板15に送信される払出制御信号としての接続信号が出力される。また、大入賞口扉により大入賞口を開閉する特別可変入賞球装置7に設けられたソレノイド82に対する駆動信号や、可動翼片により第3始動口を開閉する普通可変入賞球装置6Bに設けられたソレノイド81に対する駆動信号も、出力ポート0から出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0からは、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、投入時状態信号が出力される。投入時状態信号は、パチンコ遊技機1における制御に関わる各種の情報出力信号に含まれ、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、所定の初期化処理が実行されていないことに加えて確変状態(高確状態)であることを示すデータがRAM106の所定領域(例えば確変フラグを記憶するバックアップ領域など)に記憶されていることに基づいて、状態出力信号として出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0からは、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、払出条件成立信号が出力される。払出条件成立信号は、パチンコ遊技機1における制御に関わる各種の情報出力信号に含まれ、パチンコ遊技機1にて所定個数(例えば10個)の賞球を景品として払い出すための条件(払出条件)が成立したときに、その払出条件が成立したことを示す信号である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート1からは、セキュリティ信号、時短信号、遊技機固有情報、図柄確定信号、第2始動口信号、第1始動口信号といった、各種の信号や情報が出力される。セキュリティ信号は、パチンコ遊技機1のセキュリティ状態を示す信号である。一例として、第2始動口スイッチ22Bの検出結果と入賞確認スイッチ25の検出結果とに基づいて、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6B
への異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が所定期間(例えば、4分間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、電波などを用いて第2始動入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
他の一例として、パチンコ遊技機1への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
異常入賞が検出された場合と、初期化処理(例えば、パチンコ遊技機1への電源投入時に、クリアスイッチ501による操作が行われたことに基づいてRAM106の記憶内容をクリアするなどの処理)が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を外部出力している。これについて、初期化処理が実行されるのは、通常、遊技店の開店時に遊技機の電源リセット作業を行う場合のみであることから、1日のうち1回程度しか出力されない信号のために専用の構成(コネクタや半導体リレーなど)を設けることは効率的ではなく無駄が多い。そこで、この実施の形態では、異常入賞が検出された場合と、初期化処理が実行された場合とで、共通のセキュリティ信号を出力するように構成することによって、外部出力用の信号線や回路素子の無駄を低減している。すなわち、ホールコンピュータなどの外部装置に情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
時短信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、時短制御が行われる遊技状態(時短状態または時短付確変状態)であるときにオン状態となる信号である。時短信号は、パチンコ遊技機1において時短制御が行われていることを示す信号となる。
遊技機固有情報は、パチンコ遊技機1において遊技制御用マイクロコンピュータ100のチップごとに、あるいはパチンコ遊技機1ごとに、予め個別に付与された情報であり、例えばメーカーコード、チップ個別ナンバー、及び、型式名コードを含んでいる。遊技機固有情報は、予め定められた複数の異なる情報出力条件のうち、いずれかの情報出力条件の成立に基づいて外部出力されることで、ホールコンピュータなどの外部装置側にて遊技機固有情報の正当性を判定可能にすればよい。遊技機固有情報が外部出力されるための情報出力条件は、電源投入時や大当り時、ドア開放時などに成立すればよい。また、所定の異常入賞が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号が外部出力されることにあわせて、情報出力条件が成立して遊技機固有情報が外部出力されるようにしてもよい。
図柄確定信号は、特別図柄の変動回数を通知するために外部出力される信号である。第2始動口信号は、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6Bを通過(進入)した遊技球の検出を通知するために外部出力される信号である。第1始動口信号は、第1始動入賞口S1を通過(進入)した遊技球の検出を通知するために外部出力される信号である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート2からは、発射位置指定信号(右)、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号といった、各種の信号が出力される。発射位置指定信号(右)は、パチンコ遊技機1での遊技状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、遊技領域内における遊技球の最適な発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2Bであるときにオン状態となる右位置指定の信号である。なお、発射位置指定信号(右)は、単に「発射位置指定信号」ともいう。発射位置指定信号は、遊技媒体としての遊技球を所定領域としての右遊技領域2Bに発射すべきことを示す信号となる。
大入賞口開放中信号は、特別電動役物となる特別可変入賞球装置7の作動状態に応じて信号状態(オン/オフ)が変化し、特別可変入賞球装置7が作動して大入賞口が開放状態であるときにオン状態となる。小当り中信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態が小当り遊技状態であるときにオン状態となる信号である。大当り中信号は、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態であるときにオン状態となる信号である。
なお、上記に示された「論理」(例えば1がオン状態)と逆の論理(例えば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続信号については、主基板11と払出制御基板15との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ150では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板11と払出制御基板15との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御手段における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板11において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート0や出力ポート1から、所定のターミナル基板(情報端子基板)を介し、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に向けて、情報出力信号となる各種信号や情報(例えば第1始動口信号、第2始動口信号、図柄確定信号、遊技機固有情報、セキュリティ信号、投入時状態信号、払出条件成立信号)の出力データが出力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100における出力ポート1や出力ポート2からは、試験端子出力信号となる各種信号(例えば発射位置指定信号、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号、時短信号)の出力データを出力することができる。試験端子出力信号は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104が遊技制御を行っているときに適宜、もしくは、試験端子出力信号作成プログラムに基づいて作成することができればよい。
なお、同一の信号が複数のビットから異なる用途のために出力されてもよい。例えば、出力ポートにおける1のビットからは試験端子出力信号として出力され、他のビットからは情報出力信号として出力されてもよい。
上記した各信号の他に、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であることを示す確変信号などが出力されてもよい。時短信号や確変信号は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20のそれぞれに対応して、特別図柄や普通図柄の可変表示について時短制御や確変制御が行われていることを個別に示す複数の信号として出力されてもよい。
一方、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える外部バスインタフェース109に含まれる入力ポート(遊技制御用マイクロコンピュータ100のポート入力)の入力ポート0には、入賞確認スイッチ25や一般入賞口スイッチ24、カウントスイッチ23からの検出信号が入力される。入力ポート1には、払出制御基板15からの払出検出信号やドア開放信号の他に、磁石センサ信号や電波センサ信号が入力される。入力ポート2には、電源基板10からの電源断信号やクリアスイッチ501の操作検出信号(クリア信号)、さらには、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22Bからの検出信号が入力される。
図2に示す演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、演出制御用のプログラムの他に、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、演出制御用ROMには、CPU120Aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、演出制御用ROMには、CPU120Aが各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
モードNは、ノーマルモードともいい、いずれの演出モードにも移行していないとき、即ち電源投入後などの演出モードはこのモードNとなる。図16に示すように、任意の演出モードにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「第1確変」であり、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確状態)へと移行されることが報知されない場合(確変報知なし)には、大当り遊技状態の終了後における演出モードがモードAに移行する。任意の演出モードにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2確変」または「第3確変」であり、大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確状態)へと移行されることが報知された場合(確変報知あり)には、大当り遊技状態の終了後における演出モードがモードBに移行する。モードN、モードA、モードCのいずれかにおいて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合や、可変表示結果が「小当り」である場合には、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態の終了後における演出モードがモードCに移行する。
モードAは、時短制御が行われる高ベース状態であることを遊技者が確定的に認識することができる一方で、確変制御が行われる高確状態(時短付確変状態)であるか否かを認識することが困難な演出モードである。モードBは、高確高ベース状態(時短付確変状態)であることを遊技者が確定的に認識することができる演出モードである。モードCは、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態の終了後に、確変制御が行われる高確状態(時短付確変状態または時短なし確変状態)であるか否かを認識することが困難な演出モードである。
モードAまたはモードBであるときには、時短制御が終了することに対応して、演出モードがモードNに移行する。モードCであるときには、所定のモード移行終了判定がなされたことに対応して、演出モードがモードNに移行する。モード移行終了判定は、例えば演出モードがモードCに移行してからの経過時間が所定時間に達したこと、演出モードがモードCに移行してからの可変表示回数が所定回数に達したこと、可変表示が開始されるごとに所定割合でモード移行の終了抽選を行って終了する旨の抽選結果が得られたことといった、予め定められた所定条件が成立したことに基づいて、モード移行を終了して演出モードをモードNに戻すと判定できればよい。
なお、パチンコ遊技機1における演出モードの移行態様は、図16に示す移行例に限定されず、少なくとも可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合と、可変表示結果が「小当り」である場合とに対応して、2ラウンド大当り状態または小当り遊技状態が終了した後に、確変制御が行われる確変状態といった特別遊技状態であるか否かにかかわらず、共通の演出モードに移行することができればよい。また、可変表示結果が「大当り」となった場合のうち、大当り種別が「非確変」である場合と、大当り種別が「第1確変」である場合とに対応して、15ラウンド大当り状態が終了した後に、時短付確変状態(高確高ベース状態)であるか時短状態(低確高ベース状態)であるかにかかわらず、共通の演出モードに移行することができればよい。こうした共通の演出モードに移行することにより、いわゆる潜伏確変といった、確変制御が行われているか否かを遊技者が認識不可能または認識困難な演出態様とすることができればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵または外付けされた演出制御用ROMには、モードA、モードB、モードC、モードNといった複数種類の演出モードに対応して、図17に示すような演出制御パターンテーブル250A〜250Dを構成するテーブルデータが記憶されている。また、演出制御用ROMには、それぞれの演出モードに共通の演出制御パターンテーブル250Eを構成するテーブルデータが記憶されている。大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間などにおける、各種の演出制御の内容を示すデータは、各種演出制御パターンとして、各演出モードに共通の演出制御パターンテーブル250Eに予め格納されていればよい。
演出制御パターンテーブル250A〜250Dには、パチンコ遊技機1における演出モードが複数のモードA、モードB、モードC、モードNのいずれであるかに応じて、互いに演出態様が異なる各種の演出動作の制御内容を示すデータが、演出制御パターンとして複数種類格納されていればよい。例えば、演出制御パターンテーブル250A〜250Dのそれぞれには、複数種類の変動パターンに対応する特図変動時演出制御パターンが予め格納されていればよい。
各演出モードでは、例えば背景画像や可変表示中に出現するキャラクタ画像、飾り図柄のモチーフといった、任意の演出態様を演出モードに応じて変化させることができればよい。一例として、図18は、各演出モードにおける背景画像を示している。図18(A)は、モードNにおける背景画像を示している。モードN(ノーマルモード)では、図18(A)に示すように背景画像が表示されない。図18(B)は、モードAにおける背景画像を示している。モードAでは、「海」の背景画像が表示される。図18(C)は、モードBにおける背景画像を示している。モードBでは、「山」の背景画像が表示される。図18(D)は、モードCにおける背景画像を示している。モードCでは、「宇宙」の背景画像が表示される。このように、各演出モードは背景画像によって区別される。これ以外に各演出モードに対応した飾り図柄やキャラクタ画像の一方または双方を表示させるなどして、各演出モードを区別してもよい。また、各演出モードに応じて、飾り図柄の可変表示中にスピーカ8L、8Rから出力させる効果音を異ならせること、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯態様を異ならせることなどにより、各演出モードを区別してもよい。
図19(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図19(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用マイクロコンピュータ120において、CPU120Aは演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される期間において検出された操作部に対する操作に基づいて演出動作を変化させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、演出制御用ROMから読み出して演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータの演出制御用ROMにおける記憶アドレスを、演出制御用RAMの所定領域に一時記憶させて、演出制御用ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、CPU120Aは、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などの発光体等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用マイクロコンピュータ120からVDP121や音声制御基板13あるいはランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けたVDP121では、その指令に示される画像データを演出データメモリ122から読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ150が備える外部バスインタフェース219に含まれる出力ポート(払出制御用マイクロコンピュータ150のポート出力)の割当てについて説明する。払出制御用マイクロコンピュータ150の出力ポート0からは、ステッピングモータによる払出モータ51に供給される各相の信号が出力される。また、所定のカードユニットへと伝送されるPRDY信号やEXS信号、パチンコ遊技機1が所定のエラー状態(球切れエラー状態や満タンエラー状態など)であることを示す遊技機エラー状態信号、景品としての賞球払出を検出したことを示す賞球信号も、出力ポート0から出力される。
払出制御用マイクロコンピュータ150における出力ポート1からは、7セグメントLEDによるエラー表示用LED74の各セグメント出力信号が出力される。また、景品として所定個数(例えば10個)の賞球払出を検出したことを示す払出検出信号も、出力ポート1から出力される。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ150が備える外部バスインタフェース219に含まれる入力ポート(払出制御用マイクロコンピュータ150のポート入力)の割当てについて説明する。払出制御用マイクロコンピュータ150の入力ポート0には、カードユニットからのVL信号、BRDY信号、およびBRQ信号が入力される。また、主基板11からの接続信号や、満タンスイッチ26、球切れスイッチ27、払出モータ位置センサ71からの検出信号も、入力ポート0に入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータ150における入力ポート1には、エラー解除スイッチ73からの操作信号や払出カウントスイッチ72からの検出信号が入力される。
次に、パチンコ遊技機1から出力可能な各種信号を説明する。この実施の形態では、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から、所定のターミナル基板(情報端子基板)などを介して、所定の外部装置(ホールコンピュータなど)に情報出力信号が外部出力される。なお、情報出力信号の一部は、払出制御基板15に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ150から主基板11へと一旦伝送されてから外部出力されてもよい。情報出力信号には、第1始動口信号、第2始動口信号、図柄確定信号、遊技機固有情報、セキュリティ信号、投入時状態信号、払出条件成立信号、払出検出信号、遊技機エラー状態信号が含まれている。なお、情報出力信号はこれらの信号に限定されず、例えばドア開放信号といった、外部装置へと外部出力するために予め定められた信号を含んでいればよい。こうした情報出力信号は、例えばホールコンピュータといった外部装置において、パチンコ遊技機1における動作状態を管理するために用いられる信号であればよい。
また、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100では、試験端子出力信号を外部出力するための処理が実行される。なお、払出制御基板15に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ150においても、試験端子出力信号の一部を外部出力するための処理が実行されてもよい。試験端子出力信号には、発射位置指定信号、大入賞口開放中信号、小当り中信号、大当り中信号、時短信号が含まれている。こうした試験端子出力信号は、例えば試験装置といった外部装置を接続した場合に、パチンコ遊技機1における動作の検査を可能にする信号であればよい。
同一の信号が試験端子出力信号と情報出力信号の双方に含まれることがあってもよい。例えば時短信号は、試験端子出力信号と情報出力信号の双方に含まれてもよい。また、確変信号といった所定信号が、試験端子出力信号や情報出力信号に含まれてもよい。
主基板11は、発射位置指定信号を含む試験端子出力信号を外部装置へと伝送可能な配線パターンを有する。この配線パターン上には、パチンコ遊技機1に対する外部装置となる試験装置との接続に用いられる接続用部品を搭載するために、接続用部品搭載部が設けられればよい。接続用部品は、試験時にのみ搭載され、試験時以外の通常使用時には未搭載であればよい。
一例として、主基板11には、試験端子出力信号を外部出力するための試験信号端子を含む試験信号出力回路が搭載されてもよい。試験信号出力回路の試験信号端子は、外部装置となる試験装置からのプローブを接続可能な信号ピンや試験装置からのケーブルを接続可能なコネクタで構成されればよい。試験信号出力回路は、主基板11に実装されてもよいが、量産時のコストを低減するために、主基板11から取り外し可能な中継基板等として構成されてもよい。また、コネクタを用いる場合には、主基板11にコネクタ搭載用の配線パターンを用意しておき、試験時にのみコネクタを搭載するようにしてもよい。また、信号ピンやコネクタを試験時以外の通常使用時には封止(密封)、除去、未搭載または破壊して、試験端子出力信号の外部出力に基づく不正行為を防止できるようにしてもよい。
ただし、試験時以外の通常使用時であっても、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、試験端子出力信号を外部出力するための処理が実行されればよい。試験端子出力信号を外部出力するために専用の処理を実行するものに限定されず、例えば遊技制御を行うための処理の一部や、情報出力信号を外部出力するための処理の一部として、試験端子出力信号を外部出力できるようにする処理が実行されてもよい。
試験端子出力信号を外部出力するための処理を遊技制御用マイクロコンピュータ100において実行するものに限定されず、遊技制御用マイクロコンピュータ100における処理内容に基づいて、試験端子出力信号を外部出力するための処理を実行する信号処理モジュール(例えばプロファイラモジュールなど)が、主基板11などに着脱可能に構成されてもよい。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作を説明する。主基板11では、電源基板10からの電力供給が開始されて遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動すると、CPU104が所定のセキュリティチェック処理を実行した後などに、図20のフローチャートに示すような遊技制御メイン処理を実行する。
図20に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU104は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ100の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU104は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、CPU104は、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して、接続信号の出力を開始する(ステップS4)。なお、CPU104は、ステップS4で接続信号の出力を開始すると、遊技機の電源供給が停止したり、何らかの通信エラーが生じて出力不能とならないかぎり、払出制御用マイクロコンピュータ150に対して接続信号を継続して出力する。
続いて、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS5)。ステップS5の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるリセット/割込みコントローラ102やタイマ回路107などの設定(初期化)がなされる。その後、CPU104は、RAM106をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、ステップS6にてRAM106をアクセス可能状態に設定したときには、所定の信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化するようにしてもよい。一例として、遊技制御タイマ設定部593といったRAM106の所定領域に設けられた条件成立信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化する。条件成立信号出力タイマは、賞球個数の累積値が所定数(例えば「10」)以上となったことにより所定の払出条件が成立したことを示す払出条件成立信号の出力時間を計測するために用いられる。パチンコ遊技機1における電源投入時に条件成立信号出力タイマをクリアすることにより、電源遮断の直前に出力中であった払出条件成立信号が、電源再投入後は継続して外部出力されないようにして、払出条件が1回成立したことに基づく払出条件成立信号が、電源遮断の前後に分かれて2回分外部出力されてしまうことを防止できる。
遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板15)に対して、遊技制御基板(主基板11)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
クリア信号のチェック処理において、CPU104は、クリアスイッチ501からオン状態のクリア信号(操作検出信号)が伝送されたか否か、すなわち、クリアスイッチ501がオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU104は、入力ポート2を介して1回だけクリア信号の状態(オン/オフ)を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチ501がオンでない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合に、CPU104は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU104は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU104は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU104は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10,S11の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU104は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態へと戻すために、電断復旧時の設定を行う(ステップS91)。具体的には、ROM105に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM106内の領域)に設定する。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。これによって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU104は、ROM105に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定することにより、電断復旧時に対応したコマンドの送信設定を行う。なお、この送信設定がなされた後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定処理が行われてからバックアップコマンドが送信されることになる。
こうしてステップS91にて電断復旧時の設定が行われた後には、パチンコ遊技機1の電力供給停止時(電断時)における遊技状態が確変状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定を行う(ステップS92)。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501がオフであり初期化処理が実行されないことに対応して、電断復旧時の設定が行われるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が特別遊技状態としての確変状態(高確状態)であることを示すデータが記憶されているか否かを判定する。
一例として、RAM106のバックアップ領域にて確変フラグの状態(オン/オフ)を示す記憶データをチェックする。このとき、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定すればよい。なお、この実施の形態では、RAM106の全部が電源バックアップされていることから、確変フラグがRAM106のどのような領域に記憶されていても、その内容は電力供給が停止された後に所定期間は保存されることになる。
なお、確変フラグがオンであるか否かに対応して、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定するものにかぎられない。例えば、確変フラグとは別個に所定の記憶領域などから記憶データを読み出すようにしてもよい。より具体的には、電源断処理(図21のステップS20参照)が実行されたときに、電源断信号が出力されていることに基づいて、確変フラグの状態を示すデータがRAM106の所定領域(バックアップ領域)に記憶され、電力供給が停止されても所定期間は、このデータが保存されるようにする。この場合、ステップS91の処理により、RAM106の所定領域における記憶データに対応した確変フラグの設定が行われて、電力供給停止時(電断時)における遊技状態へと復旧されるようにしてもよい。また、特別遊技状態として、確変状態だけでなく時短状態であることも示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。例えば、RAM106のバックアップ領域に記憶された時短フラグの状態をチェックして、時短フラグがオンであるか否かに応じて、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かを判定してもよい。
こうして電断時の確変記憶(あるいは時短状態を含めた特別遊技状態の記憶)があるときには、投入時状態信号の出力指定を行う(ステップS93)。例えば、CPU104は、RAM106の所定領域に記憶された確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力を指定すればよい。この投入時状態信号の出力指定がなされた後、後述するステップS131〜S136、S147の処理(図28参照)が実行されることにより、投入時状態信号がパチンコ遊技機1から外部装置へと外部出力されることになる。なお、ステップS93で投入時状態信号の出力指定を行った後に、タイマ割込の発生に基づく情報出力処理(図21のステップS28参照)により投入時状態信号の外部出力が開始されるものにかぎられない。例えば、ステップS93の処理として、情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置(出力ポート0のビット3)をセットした後、情報バッファを出力値にセットするとともに、その出力値を出力ポート0に出力することによって、投入時状態信号の外部出力を開始させるようにしてもよい。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に確変フラグの状態をそのまま保持することにより、投入時状態信号の出力指定がなされる。すなわち、確変フラグの状態(オン/オフ)は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるか否かを示すとともに、電源投入時に投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を示すことになる。こうして、遊技状態が確変状態であるか否かに対応した確変フラグの状態を示すデータを、投入時状態信号を外部出力するか否かの出力指定を行うためのデータと共通化することにより、投入時状態信号を外部出力するために専用のデータを用意する必要がなくなり、RAM106に記憶されるデータ容量の増大などを防止することができる。
なお、確変フラグとは別個に設けられた投入時状態信号出力指定フラグをオン状態にセットすることなどにより、投入時状態信号の出力指定がなされるようにしてもよい。投入時状態信号出力指定フラグは、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期化処理が実行されないことに加えて確変状態等の特別遊技状態であることに基づいてオン状態にセットされることにより、投入時状態信号の出力指定を示すものであればよい。
初期化処理では、CPU104は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM106の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。続いて、作業領域の初期設定を行う(ステップS11)。例えば、CPU104は、ROM105に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する。
ステップS11の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU104は、初期化コマンドの送信設定を行う(ステップS12)。例えば、ROM105に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する。初期化コマンドとして、画像表示装置5に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板15への初期化コマンド等を使用することができる。なお、ステップS13で設定された後、後述するステップS15aのシリアル通信回路設定が行われてから初期化コマンドが送信されることになる。
また、CPU104は、初期化処理時に対応して予め定められたセキュリティ信号出力時間(本例では、30秒)を設定する(ステップS13)。例えば、セキュリティ信号出力時間に対応したタイマ初期値を、RAM106の所定領域に設けられたセキュリティ信号情報タイマにセットする。セキュリティ信号情報タイマは、外部出力するセキュリティ信号のオン時間を計測するためのタイマである。この実施の形態では、ステップS13でセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされたことにもとづいて、後述する情報出力処理(図21のS28参照)が実行されることによって、遊技機の電源投入時に初期化処理が実行されたときに、セキュリティ信号が所定時間(本例では、30秒)外部出力される。
CPU104は、パチンコ遊技機1における電力供給の開始(電源投入)に対応して、遊技機固有情報を外部出力するための設定を行う(ステップS14)。遊技機固有情報を外部出力するための設定としては、例えば、遊技機固有情報の外部出力を要求する固有情報出力要求フラグをセットし、遊技機固有情報の読出開始アドレスを固有情報読出ポインタにセットする。
また、CPU104は、乱数回路103を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS15)。この場合、CPU104は、所定の乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路103に乱数値を更新させるための設定を行う。
続いて、CPU104は、シリアル通信回路108を初期設定する(ステップS15a)。この場合、CPU104は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM105の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路108に設定することによって、シリアル通信回路108に払出制御用マイクロコンピュータ150とシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路108を初期設定すると、CPU104は、シリアル通信回路108の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS15b)。この場合、CPU104は、所定の割込優先順位設定プログラムに従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。
例えば、CPU104は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、各割込処理の優先順位を初期設定する。この実施の形態において、CPU104は、割込処理優先順位テーブルに従って、シリアル通信回路108において通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行するように初期設定する。この場合、例えば、CPU104は、通信エラーが発生したことを割込原因とする割込処理を優先して実行する旨を示す通信エラー時割込優先実行フラグをセットする。
なお、この実施の形態では、タイマ割込とシリアル通信回路108からの割り込み要求とが同時に発生した場合、CPU104は、タイマ割込による割込処理を優先して行う。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM105の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU104は、ROM105の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
なお、ステップS15〜S15bだけでなく、乱数回路103やシリアル通信回路108の設定処理の一部は、ステップS5の処理においても実行される。例えば、ステップS5において、内蔵デバイスレジスタとして、シリアル通信回路108のボーレートレジスタや通信設定レジスタ、割込制御レジスタ、ステータスレジスタに、初期値を設定する処理が実行される。
そして、CPU104は、所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに定期的にタイマ割込がかかるようにタイマ割込設定を行う(ステップS16)。タイマ割込の設定が完了すると、CPU104は、まず、割込禁止状態にして(ステップS17)、初期値用乱数更新処理(ステップS18a)と表示用乱数更新処理(ステップS18b)を実行して、再び割込許可状態にする(ステップS19)。すなわち、CPU104は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
ステップS19で割込許可状態に設定されると、次にステップS17の処理が実行されて割込禁止状態とされるまで、タイマ割込またはシリアル通信回路108からの割り込み要求を許可する状態となる。そして、割込許可状態に設定されている間に、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、後述するタイマ割込処理を実行する。また、本実施の形態では、ステップS17からステップS19までのループ処理の前にステップS15bを実行することによって、タイマ割込または割り込み要求を許可する状態に設定される前に、割込処理の優先順位を設定または変更する処理が行われる。
パチンコ遊技機1の電源投入時には、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM105のプログラムデータエリアに記憶されたユーザプログラムに基づいてCPU104により実行される遊技制御メイン処理において、初期化処理が実行されないことに加えて遊技状態が特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていることに基づき、ステップS93にて投入時状態信号の出力指定が行われる。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われる。なお、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムに基づいて行われるものにかぎらない。例えば、電源投入時における投入時状態信号の外部出力は、ハードウェアにより行われるようにしてもよい。あるいは、電源投入時にROM105から読み出したユーザプログラムを実行する前にセキュリティチェックプログラムが実行される場合であれば、このセキュリティチェックプログラムに基づいてCPU104により実行される処理において、投入時状態信号の出力設定や情報バッファの設定などが行われてもよい。すなわち、投入時状態信号の外部出力は、ユーザプログラムとは異なるシステムプログラムなどに基づいて行われるようにしてもよい。この場合、特別遊技状態であることを示すデータが記憶されているか否かの判定は、クリアスイッチ501がオンであるか否かの判定よりも先に実行されてもよい。そのように構成しても、投入時状態信号が外部出力されたパチンコ遊技機1については、電源投入時に特別遊技状態であることを示すデータが記憶されていると認識することができ、例えば遊技場の管理者がクリアスイッチ501を操作することなどにより、初期化処理を実行させてパチンコ遊技機1の記憶内容を確実に初期化(クリア)させることができる。
この実施の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作(例えば押下操作など)が行われた場合には(ステップS7;Yes)、ステップS10,S11の初期化処理が実行される。この場合には、ステップS13でセキュリティ信号出力時間が設定されることにより、所定時間(例えば30秒)にわたりオン状態のセキュリティ信号が外部出力される。これに対して、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに、クリアスイッチ501の所定操作が行われていないことなどに基づいて(ステップS7;No)、ステップS10,S11の初期化処理が実行されていない場合には、電断復旧時の設定が行われるとともに(ステップS91)、確変状態等の特別遊技状態を示すデータが記憶されているか否かが判定される(ステップS92)。そして、このようなデータが記憶されているときには(ステップS92;Yes)、ステップS93での出力指定などに基づいて、オン状態の投入時状態信号が外部出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるタイマ割込処理について説明する。図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ100において所定時間(例えば4ミリ秒)ごとに発生するタイマ割込に基づいて実行される遊技制御用タイマ割込処理を示すフローチャートである。遊技制御メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU104は、タイマ割込の発生に応じて起動される遊技制御用タイマ割込処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理において、CPU104は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。そして、CPU104は、スイッチ回路114を介して、ゲートスイッチ21、第1及び第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24および入賞確認スイッチ25などのスイッチの検出信号を入力し、各スイッチの入力を検出する(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
続いて、CPU104は、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。その後、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS23)。また、遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。
遊技用乱数更新処理を実行した後には、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部592に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU104は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU104は、主基板11から演出制御基板12や払出制御基板15などのサブ側の制御基板に向けて制御コマンドを送信したり、払出制御基板15から伝送された制御コマンドを受信したりするためのコマンド制御処理を実行する(ステップS27)。
コマンド制御処理を実行した後、CPU104は、情報出力処理として、例えばホールコンピュータといった外部装置に対して情報出力信号を外部出力するための処理を実行する(ステップS28)。また、CPU104は、シリアル通信回路108を介して、払出制御用マイクロコンピュータ150と信号を送受信(入出力)する処理を実行するとともに、入賞が発生した場合には賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS29)。
賞球処理に続いて、CPU104は、試験端子処理として、試験端子出力信号となる試験信号を外部出力するための処理を実行してから(ステップS30)、遊技制御用タイマ割込処理を終了する。試験端子処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1に外部接続された試験装置で確認できるようにする。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図21のステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU104は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図23は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU104は、まず、第1始動入賞口S1に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第2始動入賞口S2と普通可変入賞球装置6Bに対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU104は、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口S1を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口S2や普通可変入賞球装置6Bを遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部594に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU104は、乱数回路103や遊技制御カウンタ設定部594のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた種別(始動口バッファ値が「1」であれば第1、始動口バッファ値が「2」であれば第2)とともに、特図保留記憶部における空きエントリの先頭(最上位)、つまり、保留記憶データの最下位にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM105における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM105における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。また、例えばROM105における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS212)。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図21に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
次いで、時短終了時カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS213)。この時短終了時カウンタは、時短の終了が判定されたときにおいて第2保留記憶の上限数である4がセットされるカウンタであって、1の可変表示毎に1つずつ減算更新されるようになっており、該時短終了時カウンタの値が「0」でない場合とは、時短終了後における4回の範囲内の可変表示であることを示すことになる。
時短終了時カウンタの値が「0」である場合、つまり、時短終了後における4回の範囲内の可変表示ではなく、時短状態中において連続して記憶される第2保留記憶が全て消化されている状態であって、保留記憶として第1保留記憶と第2保留記憶とが必ず交互に記憶されている状態である場合には、特図保留記憶部591において記憶されている保留データが、種別が「第1」である第1保留記憶と種別が「第2」である第2保留記憶とが交互に記憶されているか否か、つまり、新たに記憶された保留データが振分装置6Aの異常等により、直前の第1保留記憶と同じ種別の保留記憶が記憶されていないかを判定する保留記憶交互記憶判定を実施する(ステップS214)。
そして、第1保留記憶と第2保留記憶とが交互に記憶されていない交互記憶異常である場合には、ステップS215でYesと判定されてステップS216に進み、始動入賞異常指定コマンドを送信するための設定を行った後、ステップS217に進む一方、交互記憶異常である場合には、ステップS215でNoと判定されてステップS216を経由することなくステップS217に進む。
このようにして設定された始動入賞異常指定コマンドは、図21に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送され、該始動入賞異常指定コマンドを受信したことに応じて演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120におけるCPU120Aが、画像表示装置5の画面隅部に、図53に示すように、例えば、「保留記憶エラー発生」等の反転表示により強調された文字によるメッセージを表示することにより、交互記憶異常が発生したことが報知される。
尚、本実施例では、交互記憶異常であると判定した場合には、該交互記憶異常が発生したことを、外部の管理装置である、例えばホールコンピュータ等に、図21に示すステップS28の情報出力処理において出力するようにしても良い。
また、時短終了時カウンタの値が「0」でない場合、つまり、時短終了後における4回の範囲内の可変表示である場合には、上記したステップS214〜S216の判定や処理を実施することなく、ステップS217に進む。
すなわち、時短状態中において連続して記憶される第2保留記憶が全て消化されていない可能性がある、時短終了後における4回の範囲内の可変表示である場合には、保留記憶交互記憶判定を実施しないことで、時短状態中にて連続して記憶された第2保留記憶が残存することにより、誤った保留記憶交互記憶判定が実施されてしまうことを防止できる。
ステップS217においては、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS217;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS218)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS217;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS219)、始動入賞判定処理を終了する。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合には、所定時間内(例えば4ミリ秒内)で実行される処理(タイマ割込処理)によって、双方のスイッチが有効な遊技球の始動入賞を検出したことに基づく処理が実行される。すなわち、ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオンであるときには、ステップS202、S203の処理を実行してから、ステップS207〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「1」であることに対応して、ステップS214の処理を実行してから、ステップS204の処理に進む。そして、ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオンであるときには、ステップS205〜S212の処理を実行した後、ステップS213にて始動口バッファ値が「2」であることに対応して、ステップS215の処理を実行してから、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図22に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU104は、遊技制御フラグ設定部592に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」や「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に対応して、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部593に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかに関わりなく、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。さらに、大当りフラグ及び小当りフラグがいずれもオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口を開放状態(第1状態)とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであることに対応して15ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定する。これに対して、大当り種別が「突確」であることに対応して2ラウンド大当り状態に制御される場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、ラウンドの実行回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(第2状態)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り種別に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において可変入賞動作の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば可変表示結果が「小当り」であることに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.5秒」に設定するとともに、可変入賞動作における大入賞口の開放回数を「2回」に設定すればよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。
図24は、特別図柄通常処理として、図22のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄通常処理において、CPU104は、合算保留記憶数(総保留記憶数)の値を確認する(ステップS231)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であればステップS250に進んで、所定のデモ表示設定を行ってから、特別図柄通常処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU104は、特図保留記憶部591に記憶されている保留データのうち、最上位である保留番号1の保留記憶の種別が「第2」であるか否かを確認する。「第2」であれば、CPU104は、変動特図指定バッファ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すデータを格納するバッファ)に「第2」を示すデータをセットする(ステップS233)。一方、保留番号1の保留記憶の種別が「第2」でなければ、CPU104は、変動特図指定バッファに「第1」を示すデータをセットする(ステップS234)。
つまり、この実施例では、ステップS231〜S234の処理が実行されることによって、特別図柄の変動表示が、特図保留記憶部591に記憶された順、すなわち、始動入賞の順に実行される。
そして、ステップS235に進み、特図保留記憶部591にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す。このとき読み出された数値データは、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
そして、CPU104は、変動特図指定バッファが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、特図保留記憶部591の内容を1エントリずつ上位にシフトする(ステップS236)。具体的には、CPU104は、変動特図指定バッファが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、変動特図指定バッファが「第1」を示している場合に、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する。
また、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算した後(ステップS237)、減算後の合算保留記憶数を演出制御基板12に対して通知する保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS238)。
次に、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。CPU104は、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのいずれかを使用テーブルに選択すればよい。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには第1特図表示結果決定テーブル130Aを選択する一方で、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには第2特図表示結果決定テーブル130Bを選択すればよい。また、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルにおけるテーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、いずれの特図表示結果に割り当てられた決定値と合致するかに応じて、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応したテーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態または時短状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が通常状態または時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。他方、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、特図表示結果決定テーブルにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部592に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。このときには、変動特図指定バッファ値に応じて、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかが特定されればよい。CPU104は、大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値と比較して、大当り種別を「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部595に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「第1確変」であれば「1」とし、「第2確変」であれば「2」とし、「第3確変」であれば「3」とし、「突確」であれば「4」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部592に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、15ラウンド非確変大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとする決定結果に応じて、15ラウンド確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、2ラウンド確変大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。
また、ステップS231にて合計保留記憶数が「0」である場合には(ステップS231;Yes)、ステップ250のデモ表示設定が実施された後、特別図柄通常処理を終了する。
このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が終了したときから計時を開始し、該特別図柄の可変表示が実行されないまま所定時間(例えば約20秒)が経過したと判定した場合、遊技待機条件が成立したとして、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aに対し客待ちデモ演出の実行を指示する客待ちデモ指定コマンドを演出制御基板12に対して送出する。
また、ステップS250の処理では、客待ちデモ指定コマンドとともに、背景指定コマンドの送信設定が行われてもよい。これにより、電源投入後や大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されない場合でも、その時点における遊技状態に対応した背景画像を演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に通知することができる。
こうした特別図柄通常処理において、例えばステップS240にて特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定することなどにより、特別図柄の可変表示結果を特定表示結果となる大当り図柄として遊技状態を大当り遊技状態に制御するか否かや、特別図柄の可変表示結果を所定表示結果となる小当り図柄として遊技状態を小当り遊技状態に制御するか否かを、特図ゲームにおける可変表示結果としての特図表示結果が導出される以前に決定することができる。
図25は、変動パターン設定処理として、図22のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す変動パターン設定処理において、CPU104は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS261)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU104は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132a〜132c(図11(a)〜(c)参照)のいずれかを選択する(ステップS262)。そして、ステップS272に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU104は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS263)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU104は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132d(図11(d)参照)を選択する(ステップS264)。そして、ステップS272に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU104は、時短状態が終了した時点における可変表示であることを示す時短終了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS265)。なお、時短終了フラグは、時短状態における最後の可変表示が終了したときにセットされ、該時短状態の終了後における最初の可変表示が終了するときにリセットされる。
尚、本実施例では、時短終了フラグを時短状態における最後の可変表示が終了したときにセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短状態の最後の可変表示が終了したときに、普通可変入賞球装置6Bにおける高開放制御が実施中である場合もあるので、このような場合には、時短状態の最後の可変表示が終了した後であって、該高開放制御が終了したときに時短終了フラグをセットするようにしても良い。
また、本実施例では、これら時短終了フラグを時短状態の終了後における最初の可変表示が終了するときにリセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、時短終了フラグを、第2保留記憶の上限値である4の可変表示が終了したときにリセットするようにしても良く、このようにすることにより、これら時短状態の終了後における4の可変表示において時短終了フラグがセットされることにより、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135dが選択されることで、超短縮の変動パターンが決定されやすくなることで、いち早く連続する第2保留記憶が消化されて第1保留記憶と第2保留記憶が交互に記憶される状態に移行できるようにしても良い。
時短終了フラグがセットされていれば(ステップS265のYes)、CPU104は、ステップS271に移行して、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135d(図12(d)参照)を選択した後、ステップS272に移行する。
時短終了フラグがセットされていなければ(ステップS265のNo)、CPU104は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS266)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、非確変大当り、確変大当り1〜3または突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
時短フラグがセットされていれば(ステップS266のYes)、CPU104は、ステップS270に移行して、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135c(図12(c)参照)を選択した後、ステップS272に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS266のNo)、CPU104は、合算保留記憶数(総保留記憶数)が6以上であるか否かを確認する(ステップS267)。合算保留記憶数が6未満であれば(ステップS267のNo)、CPU104は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(図12(a)参照)を選択する(ステップS268)。そして、ステップS272に移行する。
また、合算保留記憶数が6以上である場合(ステップS267のYes)には、CPU104は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135b(図12(b)参照)を選択した後(ステップS269)、ステップS272に移行する。
この実施例では、ステップS265〜S271の処理が実行されることによって、原則的に、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)、合算保留記憶数が6以上である場合、並びに時短状態の終了後における最初の可変表示である場合には、短縮や超短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3の変動パターン種別に判定値が割り当てられているはずれ用変動パターン種別判定テーブル135b、135c、135dが選択される。従って、この実施例では、遊技状態が時短状態である場合や、合算保留記憶数が6以上である場合、時短状態の終了後における最初の可変表示である場合には、短縮や超短縮の変動表示が行われる場合がある。
ここで、ステップS265〜S271の処理が実行されることによって、遊技状態の変化と、使用されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルの変化について図52を用いて説明すると、遊技状態が通常遊技状態(通常状態;低確低ベース状態)である場合には、合算保留記憶数が6未満である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135aが使用するテーブルとして選択され、合算保留記憶数が6以上満である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135bが使用するテーブルとして選択される。
これら通常遊技状態において大当りが発生し、該大当りが終了した後の時短状態においては、超短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3の変動パターン種別に判定値が割り当てられているはずれ用変動パターン種別判定テーブル135cが使用するテーブルとして選択されることで、これら超短縮の変動パターンが、通常遊技状態よりも決定され易くなる。
そして、該時短状態が終了して低ベース状態が終了した場合には、図52に示すように、該低ベース状態において選択されるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a、135bに代えて、超短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3とスーパーリーチに変動パターンを含むスーパーCA2−7のみに判定値が割り当てられているはずれ用変動パターン種別判定テーブル135dが使用するテーブルとして選択されることで、超短縮の変動パターンが、通常遊技状態並びに時短状態よりも決定され易くなる。
つまり、時短終了後の初回の可変表示においては、超短縮の変動パターンが高い割合で決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135dを使用することで、超短縮の変動パターンが高い割合で決定されるようになるため、超短縮の変動パターンにより、新たな第2始動入賞が発生する前に、時短中に上限まで記憶された第2保留記憶が迅速に消化されるようになるので、第2保留記憶が上限に達していて新たな第2始動入賞が無駄となってしまうことを低減できるようになる。
尚、本実施例では、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135dにおいて、スーパーリーチに変動パターンを含むスーパーCA2−7にも判定値を割り当てているが、本発明はこれに限定されるものではなく、超短縮の変動パターンを含む非リーチCA2−3のみに判定値を割り当てることで、時短終了後の初回の可変表示におけるはずれの変動パターンとしては、超短縮の変動パターンのみが決定されるようにしても良い。
そして、時短終了後の2回目以降の可変表示については、通常遊技状態であることにより、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(合算保留記憶数が6未満)またははずれ用変動パターン種別判定テーブル135b(合算保留記憶数が6以上)が使用するテーブルとして選択される。
なお、この実施例では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数が所定の下限値(例えば、1或いは2)以下である場合には、超短縮の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU104は、ステップS266でYesと判定したときに、合算保留記憶数が下限値以下であるか否かを確認し、合算保留記憶数が下限値以下であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135a(図12(a)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU104は、ステップS235において特図保留記憶部591から読み出して変動用乱数バッファに記憶している変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS268〜S271で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS272)。
このステップS272の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(図13参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a、138b(図14参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS273)。
また、変動用乱数バッファに記憶しているから変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS273の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS275)。
次いで、主基板11から演出制御基板12に対して特図変動開始時の各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS276)。例えば、変動特図指定フラグの値が「1」である場合には、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。他方、変動特図指定フラグの値が「2」である場合には、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルを選択して、送信コマンドバッファにセットする。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は、任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドを送信し、最後に変動パターン指定コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、ステップS276の処理では、背景指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなどを送信するための設定が行われてもよい。ステップS276の処理にて背景指定コマンドの送信設定を行うことにより、特図ゲームの開始時における遊技状態に対応した背景画像を演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120に通知することができる。
そして、決定した変動パターンに対応した特図変動時間を設定する(ステップS277)。ステップS277の処理では、特図変動時間に応じて予め定められたタイマ初期値を、遊技制御タイマ設定部593に設けられた特図変動タイマにセットする。この場合には、図22に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1減算するように更新し、その値が「0」になったときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。あるいは、ステップS277の処理では、特図変動タイマをクリアすることによりタイマ初期値として「0」をセットするとともに、特図変動時間に対応する特図変動終了判定値を設定するようにしてもよい。この場合には、図22に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、例えば特図変動タイマの値を1加算するように更新し、その値が特図変動終了判定値に達したときに、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達した旨の判定を行うようにすればよい。
ステップS277の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の変動を開始するための設定を行う(ステップS278)。ステップS278の処理では、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させればよい。一例として、変動特図指定フラグの値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM105から読出可能にセットする。これに対して、変動特図指定フラグの値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の表示を更新させるための特別図柄表示制御データを、ROM105から読出可能にセットする。その後、セットされた特別図柄表示制御データに基づき第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bに駆動信号を送信することなどにより、変動特図指定フラグの値に応じて、第1特図あるいは第2特図の変動表示を開始させればよい。
その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS279)、変動パターン設定処理を終了する。
図26は、特別図柄停止処理として、図22のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す特別図柄停止処理において、CPU104は、まず、時短終了フラグがセットされている場合には、該セットされている時短終了フラグをリセットする(ステップS280a)。つまり、時短状態が終了することにより後述するステップS299においてセットされた時短終了フラグが、次の可変表示の停止処理においてリセットされる。
そして、時短終了時カウンタがセットされている場合(0でない場合)には、該セットされている時短終了時カウンタを−1する(ステップS280b)。つまり、時短状態が終了することにより後述するステップS299においてセットされた時短終了時カウンタが、可変表示の停止処理が実施される毎に1つずつ減算更新されることで、該時短終了時カウンタにセットされる数である、第2保留記憶の上限値である4の可変表示が完了したか否かを該時短終了時カウンタにより把握できるようになっている。
次に、CPU104は、大当りフラグがオンであるかオフであるかを判定する(ステップS281)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS281;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS282)。例えば、ステップS282の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部593に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、大当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS283)。
ステップS283の処理を実行した後には、時短フラグがオンとなっているか否かに対応して時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS284)。そして、時短制御中であれば(ステップS284;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS285)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであるかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS286)。
ステップS286にて「突確」の大当り種別であると判定されたときには(ステップS286;Yes)、時短制御の実行中に特図表示結果が「大当り」で「突確」の大当り種別となり2ラウンド大当り状態に制御されることに対応して、遊技制御フラグ設定部592に設けられた時短中突確フラグをオン状態にセットする(ステップS287)。こうして時短中突確フラグをオン状態にセットしておくことにより、時短制御の実行中における「突確大当り」に対応して、2ラウンド大当り状態の終了後に確変制御とともに時短制御が行われる時短付確変状態に移行可能とする。
ステップS284にて時短フラグがオフであるときや(ステップS284;No)、ステップS286にて大当り種別が「突確」ではないとき(ステップS286;No)、あるいは、ステップS287の処理を実行した後には、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS288)。また、特図表示結果が「大当り」となったことに対応して、確変制御や時短制御を終了するための設定を行う(ステップS289)。例えば、ステップS289の処理では、確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする。また、時短回数カウント値が「0」以外の値であれば、時短回数カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化すればよい。また、時短終了時カウンタの値が「0」以外の値であれば、時短終了時カウンタをクリアして、そのカウンタ値を「0」に初期化すればよい。その後、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS290)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS281にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS281;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。そして、小当りフラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、小当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、小当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。続いて、小当り開始指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS293)。また、小当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS294)。その後、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した値である“8”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS291にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS291;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化する(ステップS296)。ステップS295、S296の処理のいずれかを実行した後には、確変制御や時短制御を終了するか否かの判定を行う(ステップS297)。例えば、ステップS297の処理では、時短回数カウント値が「0」であるか否かを判定し、「0」以外の値であれば、時短回数カウント値を1減算するように更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が「0」となったときには、時短制御を終了する旨の判定を行うようにすればよい。このとき、時短制御を終了すると判定された場合には、例えば時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御を終了するための設定を行う。また、時短制御を終了するとともに確変制御を終了させてもよい。あるいは、確変制御が行われている確変制御中は、特図表示結果が「大当り」となるまで、時短制御も継続して行われるようにしてもよい。また、時短制御を終了させるか否かの判定とは別個に、確変制御を終了させるか否かの判定が行われるようにしてもよい。
そして、例えば、更新後の時短回数カウント値が「0」となったことにより時短が終了したと判断した場合には(ステップS297;Yes)、該時短が終了した次の可変表示であることを特定するための時短終了フラグをセットするともに、時短状態の終了時から第2保留記憶の上限値である4の可変表示が完了したか否かを特定可能とするための時短終了時カウンタに、第2保留記憶の上限値である4をセットする(ステップS299)。尚、時短の終了ではない場合(ステップS297;No)には、ステップS299を経由せずにステップS300に進む。
尚、本実施例では、時短終了時カウンタに第2保留記憶の上限値である4を一義的にセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、時短が終了したと判断した時点において特図保留記憶部591に記憶されている第2保留記憶の数をセットするようにしても良い。
ステップS300においては、背景指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定を行い、特別図柄停止処理を終了する。
図27は、大当り終了処理として、図22のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す大当り終了処理において、CPU104は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。一例として、図22に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS311の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS311;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS311にて大当り終了時演出待ち時間が経過したときには(ステップS311;Yes)、大当り種別バッファ値を読み出して(ステップS312)、大当り種別が「非確変」、「第1確変」〜「第3確変」、「突確」のいずれであったかを特定する。このときには、特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS313)。
ステップS313にて大当り種別が「突確」と判定された場合には(ステップS313;Yes)、時短中突確フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS314)。時短中突確フラグがオンであるときには(ステップS314;Yes)、時短中突確フラグをクリアしてオフ状態に初期化してから(ステップS315)、ステップS316の処理に進む。これに対して、ステップS314にて時短中突確フラグがオフであるときには(ステップS314;No)、ステップS317の処理に進む。
ステップS313にて大当り種別が「突確」ではないと判定された場合や(ステップS313;No)、ステップS315の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS316)。例えば、CPU104は、時短フラグをオン状態にセットするとともに、時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を、時短回数カウンタに設定する。
ステップS314にて時短中突確フラグがオフと判定された場合や(ステップS314;No)、ステップS316の処理を実行した後には、ステップS312の処理により特定された大当り種別が「非確変」であるか否かを判定する(ステップS317)。大当り種別が「非確変」ではないと判定された場合には(ステップS317;No)、確変制御を開始するための設定を行う(ステップS318)。例えば、CPU104は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS317にて大当り種別が「非確変」と判定された場合や(ステップS317;Yes)、ステップS318の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に初期化してから(ステップS319)、大当り終了処理を終了する。
図28は、情報出力処理として、図21のステップS28にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す情報出力処理において、CPU104は、まず、投入時状態信号出力中フラグがオンであるかを確認する(ステップS131)。投入時状態信号出力中フラグは、投入時状態信号の外部出力を開始することに対応して、後述するステップS133でオン状態に設定される。投入時状態信号出力中フラグがオフであれば(ステップS131;No)、投入時状態信号の出力指定があるか否かを判定する(ステップS132)。この実施の形態では、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期化処理が実行されていないことに加えてRAM106の所定領域に確変状態であることを示すデータが記憶されている場合には、投入時状態信号の出力指定が行われる(図20のステップS93参照)。
投入時状態信号の出力指定があるときには(ステップS132;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部592といったRAM106の所定領域に設けられた投入時状態信号出力中フラグをオン状態にセットする(ステップS133)。なお、確変フラグとは別個に設けられた投入時状態信号出力指定フラグにより投入時状態信号の出力指定が行われる場合には、ステップS133の処理により投入時状態信号出力中フラグをセットするときに、投入時状態信号出力指定フラグをクリアしてオフ状態とすることにより、投入時状態信号の出力指定を初期化(消去)すればよい。これに対して、確変フラグの状態をそのまま保持することにより投入時状態信号の出力指定が行われる場合には、ステップS133の処理が実行されても確変フラグの状態は変更せず、例えば改めてクリアスイッチ501を押下操作しながらパチンコ遊技機1の電源を再投入することや、大当り遊技状態が開始されることなどにより、確変制御が終了するときに、確変フラグをクリアしてオフ状態とし、投入時状態信号の出力指定も初期化(消去)されることになればよい。
また、ステップS131にて投入時状態信号出力中フラグがオンであるときには(ステップS131;Yes)、投入時状態信号の出力停止条件が成立したか否かを判定する(ステップS134)。投入時状態信号の出力停止条件は、例えばパチンコ遊技機1の電源投入後に最初の大当り遊技状態に制御されたときに、成立すればよい。あるいは、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初に遊技球が第1または第2始動口スイッチ22A、22Bのいずれかにより検出されたときや、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の確変状態に制御されたとき、パチンコ遊技機1の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達したとき、パチンコ遊技機1の電源投入時からの経過時間が所定時間に達したとき、電源投入後に遊技領域へと発射された遊技球の個数が所定数に達したとき、電源投入後にクリアスイッチ501の操作が検出されたときのいずれかといった、予め定められた任意のタイミングにて、投入時状態信号の出力停止条件が成立してもよい。
ステップS133にて投入時状態信号出力中フラグをオン状態にセットしたときや、ステップS134にて投入時状態信号の出力停止条件が成立していないと判定したときには(ステップS134;No)、情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置(出力ポート0のビット3)をセットする(ステップS135)。情報バッファの投入時状態信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS147で情報バッファのビット値を出力ポート0に出力することによって、投入時状態信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。
ステップS134にて投入時状態信号の出力停止条件が成立したと判定されたときには(ステップS134;Yes)、投入時状態信号出力中フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS136)。なお、ステップS132で投入時状態信号の出力指定がない場合や(ステップS132;No)、ステップS134で投入時状態信号の出力停止条件が成立した場合には(ステップS134;Yes)、ステップS135の処理が実行されない結果、投入時状態信号はオフ状態となる。
投入時状態信号の出力指定は、パチンコ遊技機1の電源投入時に行われることがあるだけで(図20のステップS93参照)、その後に出力指定がなされることはない。したがって、パチンコ遊技機1の電源投入後に遊技の進行などが開始されてからは、たとえ特別遊技状態(確変状態など)を示すデータが記憶された場合であっても、投入時状態信号が外部出力されることはないように制限される。また、電源投入時の出力指定に基づいて投入時状態信号の外部出力を開始した後、出力停止条件の成立により投入時状態信号の外部出力を停止した以後は、たとえ特別遊技状態(確変状態など)を示すデータが記憶された場合であっても、投入時状態信号が外部出力されることはないように制限される。
ステップS132にて投入時状態信号の出力指定がない場合や(ステップS132;No)、ステップS135、S136の処理のいずれかを実行した後には、例えば遊技制御カウンタ設定部594といったRAM106の所定領域に記憶された払出条件判定カウント値が、予め定められた条件成立判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS137)。払出条件判定カウント値は、入賞球の検出結果に基づいて加算更新される(図30のステップS153参照)。
ステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達している場合には(ステップS137;Yes)、払出条件判定カウント値について、所定数(例えば「10」)が減算されるように更新する(ステップS138)。また、条件成立信号出力残回数を1加算するように更新する(ステップS139)。ステップS139の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部595といったRAM106の所定領域に記憶された条件成立信号出力残回数バッファ値を1加算(インクリメント)すればよい。
ステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達していない場合や(ステップS137;No)、ステップS139の処理を実行した後には、条件成立信号出力タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS140)。条件成立信号出力タイマ値は、例えば遊技制御タイマ設定部593といったRAM106の所定領域に記憶され、後述するステップS144の処理により所定の初期値が設定される。条件成立信号出力タイマ値が「0」ではない場合には(ステップS140;No)、そのタイマ値を1減算するように更新する(ステップS141)。
ステップS140にて条件成立信号出力タイマ値が「0」である場合には(ステップS140;Yes)、条件成立信号出力残回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS142)。条件成立信号出力残回数が「0」以外であれば(ステップS142;No)、その値を1減算するように更新する(ステップS143)。そして、払出条件成立信号の出力時間(例えば1秒)に対応して予め定められたタイマ初期値を、条件成立信号出力タイマに設定する(ステップS144)。
ステップS141、S144の処理のいずれかを実行した後には、情報バッファの払出条件成立信号出力ビット位置(出力ポート0のビット4)をセットする(ステップS145)。情報バッファの払出条件成立信号出力ビット位置がセットされると、その後のステップS147で情報バッファのビット値を出力ポート0に出力することによって、払出条件成立信号が出力ポート0から出力される(オン状態となる)。
ステップS141にて条件成立信号出力タイマ値を1減算したときに、そのタイマ値が「0」になれば、次のタイマ割込処理が実行されることでステップS142の処理が実行され、条件成立信号出力残回数が「0」以外であれば、続けて払出条件成立信号の外部出力が行われることになる。すなわち、所定個数(例えば10個)の遊技球を景品として賞球払出を行うための払出条件が連続して成立したときには、払出条件成立信号の外部出力時間が延長されることになる。したがって、例えばホールコンピュータなどの外部装置では、払出条件成立信号がオン状態となっている時間長から、払出条件が連続して成立した回数を特定することができる。
なお、払出条件が連続して成立した場合に払出条件成立信号の外部出力時間を延長するものに限定されず、所定の信号出力待機時間が経過するまで、払出条件成立信号を一旦オフ状態とするようにしてもよい。この場合には、例えばステップS141における減算後のタイマ値が「0」になったときに、信号出力待機時間を設定し、その時間が経過するまでは、ステップS140にてタイマ値が「0」であると判定されても、ステップS142の処理を実行せずにステップS146の処理に進むようにすればよい。
ステップS142にて条件成立信号出力残回数が「0」である場合や(ステップS142;Yes)、ステップS145の処理を実行した後には、その他の情報出力信号について出力条件の成否に基づいて、情報バッファにおける信号出力ビット位置の設定を行う(ステップS146)。そして、情報バッファの各ビット値に応じた情報出力信号の出力制御を行ってから(ステップS147)、情報出力処理を終了する。
図29は、投入時状態信号の出力タイミングを示す説明図である。この実行の形態では、パチンコ遊技機1への電力供給開始時に、図29(A)に示すように電源電圧が所定電圧に達して遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動された後、初期化処理が実行されずに電断復旧時の設定が行われた場合に(図20のステップS91参照)、例えばRAM106の所定領域に記憶された確変フラグがオンであることなどにより、特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて、投入時状態信号の出力指定がなされる(図20のステップS93参照)。情報出力処理では、ステップS131〜S136、S147の処理が実行されて、図29(B)に示すように、ホールコンピュータなどの外部装置に対して投入時状態信号が出力される。このように、パチンコ遊技機1への電源投入時に、クリアスイッチ501からのクリア信号が入力されておらず(図20のステップS7;No)、初期化処理が実行されていないことに加えてRAM106の所定領域に特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて(図20のステップS92;Yes)、投入時状態信号が外部出力される。
こうして投入時状態信号の外部出力が開始された後には、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号の外部出力が継続して行われる。例えば、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の大当り遊技状態に制御されるまで、あるいは、パチンコ遊技機1の電源投入後に最初の確変状態に制御されるまで、パチンコ遊技機1の電源投入後に実行された可変表示の回数が所定回数に達するまで、パチンコ遊技機1の電源投入時からの経過時間が所定時間に達するまで、電源投入後に遊技領域へと発射された遊技球の個数が所定数に達するまで、電源投入後にクリアスイッチ501の操作が検出されるまでといった、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号を継続して外部出力することができる。
図30は、賞球処理として、図21のステップS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す賞球処理において、CPU104は、まず、第1及び第2始動口スイッチ22A、22Bや、カウントスイッチ23、一般入賞口スイッチ24などからの検出信号に基づいて、入賞球の検出があったか否かを判定する(ステップS151)。ステップS151の処理では、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値いずれかがスイッチオン判定値に達していれば、そのスイッチに対応した入賞口を通過(進入)した遊技球が入賞球として検出されたと判定すればよい。
ステップS151にて入賞球の検出があった場合には(ステップS151;Yes)、入賞球の検出結果を記憶する(ステップS152)。ステップS152の処理では、例えば遊技制御カウンタ設定部594といったRAM106の所定領域に設けられた賞球コマンド出力カウンタの値を1加算するように更新すればよい。賞球コマンド出力カウンタは、各入賞口(第1始動入賞口S1、第2始動入賞口S2、普通可変入賞球装置6B、大入賞口、一般入賞口)に対応して予め複数設けられ、入賞球が検出された入賞口に対応したカウント値が1加算されるようにすればよい。その後、入賞球の検出結果に応じて、払出条件判定カウント値の加算更新を行う(ステップS153)。ステップS153の処理では、いずれかの入賞口への新たな入賞球を検出したことに基づく賞球個数を、払出条件判定カウント値に加算するように更新する。
ステップS151にて入賞球の検出がない場合や(ステップS151;No)、ステップS153の処理を実行した後には、賞球個数コマンドの送信が制限されている送信制限中であるか否かを判定する(ステップS154)。一例として、主基板11から払出制御基板15に対して賞球個数コマンドを送信した後、所定時間(例えば10秒間)が経過する前に払出制御基板15から伝送される賞球個数受付コマンドと賞球終了コマンドを受信するまでは、次の賞球個数コマンドについて送信が制限される送信制限中となり、賞球個数コマンドの送信待機状態となればよい。その一方で、所定時間が経過する以前でも、賞球個数コマンドを送信した後に賞球個数受付コマンドと賞球終了コマンドを受信したときには、送信待機状態となっている賞球個数コマンドについての送信制限が解除されるようにすればよい。
ステップS154にて賞球個数コマンドの送信制限中ではない場合には(ステップS154;No)、入賞球の検出記憶があるか否かを判定する(ステップS155)。入賞球の検出記憶があれば(ステップS155;Yes)、入賞口に対応した賞球個数コマンドを主基板11から払出制御基板15に対して送信するための制御を行う(ステップS156)。ステップS156の処理では、例えば複数の賞球個数コマンド出力カウンタのうちで、そのカウント値が「0」でないものに対応する賞球個数が、賞球個数コマンドにより指定されるようにセットすればよい。また、シリアル通信回路108の送信データレジスタに、賞球個数を指定する賞球個数コマンドの出力データが設定されればよい。
ステップS156の処理を実行した後には、賞球個数コマンド送信制限時間(例えば10秒)を設定する(ステップS157)。ステップS157にて設定された賞球個数コマンド送信制限時間に基づいて、賞球個数コマンドを送信した後、10秒以内に賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信したか否かが確認される。賞球個数受付コマンドや賞球準備中コマンドを受信することなく10秒が経過すると、接続確認コマンドの送信が行われるようにすればよい。なお、賞球個数コマンド送信制限時間が経過するより前に、賞球個数受付コマンドに続いて賞球終了コマンドを受信したときには、賞球個数コマンド送信制限時間の設定がクリアされて、賞球個数コマンドの送信制限を解除できればよい。
ステップS157の処理に続いて、ステップS156の処理により送信された賞球個数コマンドで指定した賞球個数を、賞球個数カウンタの格納値である賞球個数カウント値に加算するように更新する(ステップS158)。賞球個数カウンタは、遊技制御用マイクロコンピュータ100の側で未払出の賞球数を把握するために用いられるカウンタであり、賞球個数コマンドを送信するときに指定される賞球個数が加算され、所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送される払出検出信号に基づいて減算更新される。
ステップS154にて賞球個数コマンドの送信制限中である場合や(ステップS154;Yes)、ステップS155にて入賞球の検出記憶がない場合(ステップS155;No)、あるいはステップS158の処理を実行した後には、所定の賞球エラーが発生したか否かを判定する(ステップS159)。ステップS156の処理では、例えばシリアル通信回路108のステータスレジスタを確認して、いずれかのエラービットがセットされている場合に、賞球エラーが発生したと判定してもよい。さらに、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送された賞球準備中コマンドを受信したときに、賞球エラーが発生したと判定してもよい。
ステップS159にて賞球エラーが発生していないと判定した場合には(ステップS159;No)、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送される払出検出信号の正常な入力があったか否かを判定する(ステップS160)。ステップS160の処理では、入力ポート1のビット7を入力し、払出検出信号がオン状態であるか否かを確認する。払出検出信号がオン状態であるときには、その信号入力を8回確認したうちの6回以上がオン状態である場合に、払出検出信号の正常な入力があったと判定すればよい。払出検出信号の正常な入力があった場合には(ステップS160;Yes)、賞球個数カウント値の減算更新を行う(ステップS161)。ステップS161の処理では、賞球個数カウント値から所定数(例えば「10」)を減算するように更新が行われればよい。
ステップS160にて払出検出信号の正常入力がない場合や(ステップS160;No)、ステップS161の処理を実行した後には、賞球個数のカウントエラーが発生したか否かを判定する(ステップS162)。ステップS162の処理では、賞球個数カウント値が所定の賞球不足判定値(例えば「501」)以上であるときや、賞球過剰判定値(例えば「0」)未満であるときに、賞球不足や賞球過剰といった賞球エラーが発生したと判定すればよい。賞球個数カウンタには、例えば遊技制御メイン処理の初期設定処理にて、初期値として「250」がセットされればよい。そして、賞球個数カウント値が「501」以上である場合には、未払出の賞球個数が異常に増大した状態となり、賞球不足と判断される。また、賞球個数カウント値が「0」未満である場合には、払出済みの賞球個数が異常に増大した状態となり、賞球過剰と判断される。
ステップS159にて賞球エラーが発生したと判定された場合や(ステップS159;Yes)、ステップS162にて賞球個数のカウントエラーが発生したと判定された場合には(ステップS162;Yes)、払出エラー発生時の設定を行ってから(ステップS163)、賞球処理を終了する。ステップS163の処理では、例えば払出エラーフラグをセットするとともに、払出エラーコマンドを主基板11から演出制御基板12に送信して、所定の演出装置を用いて払出エラーの発生を報知させるようにしてもよい。
なお、賞球個数コマンドを送信した後、所定時間が経過するまでは、常に次の賞球個数コマンドについて送信制限中となり、所定時間が経過してから、累積されている賞球個数の記憶に対応した次の賞球個数コマンドが送信可能となるようにしてもよい。
図31は、試験端子処理として、図21のステップS30にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図31に示す試験端子処理において、CPU104は、特図プロセスフラグの値が“4”未満であるか否かを判定する(ステップS171)。図22に示す特別図柄プロセス処理において、特図プロセスフラグの値が“4”未満であるときには、パチンコ遊技機1における遊技状態が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていないときの処理に対応している。したがって、特図プロセスフラグの値が“4”以上であれば、遊技状態が大当り遊技状態または小当り遊技状態となっており、特別可変入賞球装置7が備える大入賞口扉により大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する期間であることを特定できる。
ステップS171にて特図プロセスフラグの値が“4”未満である場合には(ステップS171;Yes)、所定の時短チェック処理を実行することにより、時短制御中であるか否かを判定する(ステップS172)。時短チェック処理では、時短制御が行われる期間に対応してオン状態となる時短フラグがセットされているか否かを確認すればよい。
ステップS171にて特図プロセスフラグの値が“4”以上である場合や(ステップS171;No)、ステップS172にて時短制御中である場合には(ステップS172;Yes)、情報バッファの発射位置指定信号出力ビット位置(出力ポート2のビット6)をセットする(ステップS173)。
ステップS172にて時短制御中ではない場合や(ステップS172;No)、ステップS173の処理を実行した後には、その他の試験端子出力信号について出力条件の成否に基づいて、情報バッファにおける信号出力ビット位置の設定を行う(ステップS174)。そして、情報バッファの各ビット値に応じた試験端子出力信号の出力制御を行ってから(ステップS175)、試験端子処理を終了する。
ステップS173の処理を実行した後にステップS175の処理を実行することにより、大当り遊技状態や小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態となることに対応して、また、時短制御とともに高開放制御が行われることにより普通可変入賞球装置6Bが開放状態となりやすいことに対応して、遊技球を第1領域である右遊技領域2Bに発射すべきことを示す発射位置指定信号を外部出力することができる。なお、実際にパチンコ遊技機1の外部へと発射位置指定信号が出力されるのは、主基板11に試験装置を接続するなどして取り付けたときに限定され、試験装置が取り外された通常使用時には、発射位置指定信号が外部出力されないようにしてもよい。ただし、ステップS173、S175の処理は、発射位置指定信号を外部出力するための処理として、通常使用時においても実行されるようにすればよい。
次に、払出制御基板15における動作を説明する。払出制御基板15では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、払出制御用マイクロコンピュータ150が起動して、CPU214によって図32のフローチャートに示すような払出制御メイン処理が実行される。
図32に示す払出制御メイン処理において、CPU214は、まず、必要な初期設定を行う。すなわち、割込禁止に設定してから(ステップS401)、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS402)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS403)。また、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(ステップS404)。ステップS404の処理では、例えばタイマ回路217における1つのチャネルをタイマモードで使用するためのレジスタ設定や、割込発生を許可するためのレジスタ設定、割込ベクタを指定するためのレジスタ設定などを行い、タイマ割込の発生間隔(例えば1ミリ秒)に対応したレジスタ初期値が設定されればよい。
ステップS404の処理に続いて、RAM216をアクセス可能状態に設定し(ステップS405)、RAM216のクリア処理を行う(ステップS406)。このときには、RAM216の所定領域あるいはRAM216とは別個のレジスタなどに設けられた信号出力タイマをクリアして初期化する(ステップS407)。一例として、RAM216の所定領域に設けられた検出信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化する。検出信号出力タイマは、所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されたことを示す払出検出信号の出力時間を計測するために用いられる。パチンコ遊技機1における電源投入時に検出信号出力タイマをクリアすることにより、電源遮断の直前に出力中であった払出検出信号が、電源再投入後は継続して外部出力されないようにして、所定個数の賞球払出が1回検出されたことに基づく払出検出信号が、電源遮断の前後に分かれて2回分外部出力されてしまうことを防止できる。
ステップS406の処理に続いて、RAM216における作業領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS408)。また、シリアル通信回路218を初期設定する(ステップS409)。この場合、CPU214は、シリアル通信回路設定プログラムに従ってROM215の所定領域に格納されているデータをシリアル通信回路218に設定することによって、シリアル通信回路218に遊技制御用マイクロコンピュータ100とシリアル通信させるための設定を行う。そして、割込を許可してから(ステップS408)、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
こうして割込が許可された後、払出制御用マイクロコンピュータ150にてタイマ割込が発生すると、CPU214は、所定のタイマ割込処理を実行する。図33は、CPU214が実行する払出制御用タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。
図33に示す払出制御用タイマ割込処理において、CPU214は、まず、スイッチチェック処理を実行する(ステップS421)。スイッチチェック処理では、入力ポート1の入力に基づいて、払出カウントスイッチ72およびエラー解除スイッチ73の状態(オン/オフ)を確認する。続いて、入力判定処理を実行する(ステップS422)。入力判定処理では、入力ポート0の状態(オン/オフ)を検出し、検出結果をRAM216の所定領域に設けられたセンサ入力状態フラグに反映させる。
入力判定処理を実行した後には、プリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS423)。プリペイドカードユニット制御処理は、所定のカードユニットとの間で通信を行うための処理である。また、CPU214は、主制御通信処理を実行する(ステップS424)。主制御通信処理は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100との間で通信を行うための処理である。主制御通信処理に続いて、払出制御処理を実行する(ステップS425)。払出制御処理では、所定のカードユニットによる球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御や、主基板11からの賞球個数コマンドで指定された個数の賞球を払い出す制御が行われる。
払出制御処理を実行した後には、払出モータ制御処理を実行する(ステップS426)。払出モータ制御処理は、払出モータ51を作動させる駆動信号を出力するための処理である。また、払出側エラー処理を実行する(ステップS427)。そして、プリペイドカードユニットエラー制御処理を実行する(ステップS428)。プリペイドカードユニットエラー制御処理に続いて、払出情報出力処理を実行する(ステップS429)。払出情報出力処理では、主基板11を介して払出検出信号を外部出力するための処理や、遊技機エラー状態信号を外部出力するための処理が実行される。
払出情報出力処理を実行した後には、払出表示制御処理を実行する(ステップS430)。払出表示制御処理は、払出制御基板15におけるエラー状態に応じてエラー表示用LED74の表示動作を制御する処理である。その後、払出側出力処理を実行する(ステップS431)。払出側出力処理では、RAM216の所定領域に設けられた情報バッファのビット値に応じて、外部バスインタフェース219における出力ポートの設定が行われる。
図34は、主制御通信処理として、図33のステップS424にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図34に示す主制御通信処理において、CPU214は、まず、接続エラーが発生したか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501の処理では、例えば主基板11から出力される接続信号が入力されているか否かを確認すればよい。
ステップS501にて接続エラーが発生していない場合には(ステップS501;No)、シリアル通信エラーが発生したか否かを判定する(ステップS502)。ステップS502の処理では、例えばシリアル通信回路218のステータスレジスタにて受信エラーフラグがセットされているか否かを確認すればよい。例えば、シリアル通信回路218のステータスレジスタにてパリティエラーや、フレーミングエラー、ノイズエラー、オーバーランエラー、アイドルラインエラーを示すフラグがセットされていれば、シリアル通信回路218の受信エラー状態であると判定する。
ステップS501にて接続エラーが発生した場合や(ステップS501;Yes)、ステップS502にてシリアル通信エラーが発生した場合には(ステップS502;Yes)、主基板11との通信エラー時における設定を行ってから(ステップS503)、主制御通信処理を終了する。ステップS503の処理では、例えばシリアル通信回路218における受信回路を初期化するとともに、所定のエラーフラグをオン状態にセットする。
ステップS502にてシリアル通信エラーが発生していない場合には(ステップS502;No)、受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、例えばシリアル通信回路218の受信データバッファを読み出し、受信コマンドの有無を確認する。受信コマンドがない場合には(ステップS504;No)、主制御通信処理を終了する。受信コマンドがある場合には(ステップS504;Yes)、その受信コマンドをシリアル通信回路218から取得して、例えばRAM216の所定領域に設けられた払出側受信バッファに格納する(ステップS505)。
ステップS505の処理に続いて、接続確認フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS506)。接続確認フラグは、主基板11から伝送される接続確認コマンドの受信に応じて、後述するステップS509の処理によりオン状態にセットされる。接続確認フラグがオフであるときには(ステップS506;No)、接続確認コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS507)。このとき、接続確認コマンドの受信がなければ(ステップS507;No)、主制御通信処理を終了する。
ステップS507にて接続確認コマンドの受信があった場合には(ステップS507;Yes)、払出制御基板15から主基板11に対して接続OKコマンドを送信するための制御を行う(ステップS508)。そして、接続確認フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。また、予め定められた主制御通信制御時間(例えば1050ミリ秒)を設定する(ステップS510)。主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100は、払出制御用マイクロコンピュータ150から伝送された接続OKコマンドを受信すると、1秒が経過するごとに接続確認コマンドを送信する。払出制御用マイクロコンピュータ150では、主制御通信制御時間が経過しても次の接続確認コマンドを受信できない場合には、賞球個数コマンド等の受信を無効化し、通信状態の回復を待つように制御する。
ステップS506にて接続確認フラグがオンである場合には(ステップS506;Yes)、主制御通信制御時間が経過したか否かを判定する(ステップS511)。主制御通信制御時間が経過したときには(ステップS511;Yes)、接続確認フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS512)、主制御通信処理を終了する。主制御通信制御時間が経過していない場合には(ステップS511;No)、賞球個数コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS513)。賞球個数コマンドの受信がなければ(ステップS513;No)、主制御通信処理を終了する。
ステップS513にて賞球個数コマンドの受信があった場合には(ステップS514;Yes)、賞球の払出制御を開始するための設定を行う(ステップS514)。ステップS514の処理では、例えば賞球個数コマンドで指定された賞球個数を未払出個数カウンタにセットする。未払出個数カウンタは、賞球や貸し球の未払出数をカウントするためのカウンタである。また、賞球個数コマンドの受信に応答して、賞球個数受付コマンドを主基板11に対して送信するための制御を行う。なお、賞球個数受付コマンドを送信した後、1秒が経過しても賞球払出動作が完了しなければ賞球準備中コマンドが送信される。
図35は、払出情報出力処理として、図33のステップS429にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図35に示す払出情報出力処理において、CPU214は、まず、球貸し払出動作中であるか否かを判定する(ステップS521)。ステップS521の処理では、例えばRAM216の所定領域に設けられた払出制御状態フラグの球貸し払出動作中指定ビットがセットされているか否かを確認することにより、球貸し払出動作中であるか否かを判定すればよい。球貸し払出動作中であるときには(ステップS521;Yes)、払出情報出力処理を終了する。
ステップS521にて球貸し払出動作中ではない場合には(ステップS521;No)、払出カウントスイッチ72からの検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS522)。払出カウントスイッチ72がオンしたときには(ステップS522;Yes)、賞球払出個数を1加算する(ステップS523)。ステップS523の処理では、例えばRAM216の所定領域に設けられた賞球払出個数カウンタの格納値である賞球払出個数カウント値を1加算するように更新すればよい。
ステップS523の処理に続いて、賞球払出個数が予め定められた払出検出判定値(例えば「10」)に達したか否かを判定する(ステップS524)。賞球払出個数が払出検出判定値に達した場合には(ステップS524;Yes)、賞球払出個数について、所定数(例えば「10」)が減算されるように更新する(ステップS525)。また、検出信号出力残回数を1加算するように更新する(ステップS526)。ステップS526の処理では、例えばRAM216の所定領域に記憶された検出信号出力残回数バッファ値を1加算(インクリメント)すればよい。
ステップS522にて払出カウントスイッチ72がオフである場合や(ステップS522;No)、ステップS524にて賞球払出個数が払出検出判定値に達していない場合(ステップS524;No)、あるいはステップS526の処理を実行した後には、検出信号出力タイマ値が「0」であるか否かを判定する(ステップS527)。検出信号出力タイマ値は、例えばRAM216の所定領域に記憶され、後述するステップS531の処理により初期値が設定される。検出信号出力タイマ値が「0」ではない場合には(ステップS527;No)、そのタイマ値を1減算するように更新する(ステップS528)。
ステップS528、S531の処理のいずれかを実行した後には、例えば情報バッファの払出検出信号出力ビット位置(出力ポート1のビット7)をセットするといった、払出検出信号の出力制御を行う(ステップS532)。こうして、払出検出信号が出力ポート1から出力される(オン状態となる)。
ステップS528にて検出信号出力タイマ値を1減算したときに、そのタイマ値が「0」になれば、次のタイマ割込処理が実行されることでステップS529の処理が実行され、検出信号出力残回数が「0」以外であれば、続けて払出検出信号の外部出力が行われることになる。すなわち、所定個数(例えば10個)の遊技球を景品とする賞球払出が連続して検出されたときには、払出検出信号の外部出力時間が延長されることになる。したがって、例えばホールコンピュータなどの外部装置では、払出検出信号がオン状態となっている時間長から、所定個数の賞球払出が連続して検出された回数を特定することができる。
なお、所定個数の賞球払出が連続して検出された場合に払出検出信号の外部出力時間を延長するものに限定されず、所定の信号出力待機時間が経過するまで、払出検出信号を一旦オフ状態とするようにしてもよい。この場合には、例えばステップS528における減算後のタイマ値が「0」になったときに、信号出力待機時間を設定し、その時間が経過するまでは、ステップS527にてタイマ値が「0」であると判定されても、ステップS529の処理を実行せずに払出情報出力処理を終了すればよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aが行う演出内容について説明する。
本実施例では、通常遊技状態(通常状態)であるときには、右遊技領域2Bよりも左遊技領域2Aに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利であり、大当り遊技状態や時短状態であるときには、左遊技領域2Aよりも右遊技領域2Bに向けて遊技球を発射した方が遊技者にとって有利である。言い換えると、大当り遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となり、通常遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって不利となる。
つまり、大当り遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域2Aに向けて発射されるよりも遊技者にとって有利となるのは、特別可変入賞球装置7の開放制御が行われることで第1始動入賞口S1や第2始動入賞口S2よりも遊技球の入賞確率が高くなり、該入賞の発生による賞球数が増加するためである。
また、通常遊技状態であるときに遊技球が右遊技領域2Bに向けて発射された場合、左遊技領域Aに向けて発射するよりも遊技者にとって不利となるのは、例えば第1始動入賞口S1や第2始動入賞口S2よりも普通可変入賞球装置6Bへの遊技球の進入確率が低くなることで、入賞の発生による賞球数が減少するとともに、可変表示の開始条件が成立しにくくなるためである。
そしてCPU120Aは、遊技状態に応じて、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知または右遊技領域2Bに発射すべきことを遊技者に報知する右打ち指示報知のいずれかを行う。また、特に遊技状態の移行に伴って遊技球を発射すべき領域が変わる場合、遊技者がこれに気付かずにそのまま遊技球を打ち続けていると損をする虞があるため、遊技者に対し発射すべき領域を指示する報知を行う。
CPU120Aは、主基板11から送信された演出制御コマンドに基づいて遊技状態を判定し、該遊技状態に応じた発射領域を指示する報知を行う。具体的には、例えば、大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態においては右打ち指示報知を行い、通常遊技状態の場合は左打ち指示報知を行う。特に、大当り遊技状態の終了後に移行した時短状態が終了して通常遊技状態に移行する場合など、遊技状態の移行に応じて発射領域が変化する場合には、移行した遊技状態の最初の可変表示が開始されてから報知が行われる。例えば時短状態中は右打ち指示報知を行っているため、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを遊技者に報知する左打ち指示報知を行う。
この報知を行うタイミングは、基本的に、時短状態が終了した後に最初に送信された変動開始コマンド(第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンド)を受信したとき、該変動の変動パターンが超短縮の変動パターンである場合には、該超短縮の変動が終了して次の変動開始コマンド(第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンド)を受信したときであり、変動パターンが超短縮の変動パターンではなくスーパーリーチの変動パターンである場合には、該スーパーリーチの変動中において後述する左打ち指示報知開始タイマがタイマアップしたときである(図41参照)。
つまり、CPU120Aは、時短状態が終了して最初の可変表示が開始されるときには所定期間、具体的には、該可変表示の変動パターンが超短縮の変動パターンである場合には、該超短縮の可変表示が終了する期間、該可変表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合には、左打ち指示報知開始タイマがタイマアップするまでの期間が経過した時点において左打ち指示報知を実施する。このようにすることによって、時短状態が終了した時点から所定期間が経過するまでは左打ち指示報知が実施されないので、第2始動入賞口S2への入賞の発生を遅らせることができるため、これら第2始動入賞口S2への入賞が発生するまでの期間内に、時短状態中に上限まで記憶された第2保留記憶を消化することができるようになるので、これら第2始動入賞口S2への入賞が無駄となってしまうことによる遊技者の不利益の発生をより一層低減することができる。
ここで、時短状態であるときには、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞しやすい状態であるため、該時短状態が終了したときには、基本的に第2保留記憶が上限となっていることが多い。よって、時短状態が終了した後に最初に送信される変動開始コマンドは、通常遊技状態に移行した後の最初の保留消化に基づいて送信される変動開始コマンドである可能性が著しく高い。
しかし、例えば、障害釘の配列等により普通可変入賞球装置6Bに入賞しにくい状態である、あるいは、例えば時短状態が終了した後に高確状態が所定の可変表示回数分継続するもの等において、時短状態が終了してから高確状態が終了するまで、遊技球の発射を止めて保留消化していた、保留が発生しないように単発打ちを行っていたなどの要因により、時短状態が終了したときに保留記憶がない場合もあり得る。このような場合、時短状態が終了しても変動開始コマンドが送信されてこないため、CPU120Aは第1左打ち指示報知を実行できない。
また、時短状態から移行した通常遊技状態では、右遊技領域2Bに設けられた普通可変入賞球装置6Bは開放されにくく、かつ、開放時間も極めて短いことで、時短状態が終了した後も右打ちを続けた場合、普通可変入賞球装置6Bへの入賞に基づいて変動開始コマンドが送信される可能性は極めて低い。よって、第1左打ち指示報知が実行されないまま遊技者が延々と右打ちを続けて損をする可能性がある。
そこで、CPU120Aは、時短状態が終了してから変動開始コマンドを受信する前に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、デモ演出とともに左打ち指示報知を行う。すなわち、客待ちデモ指定コマンドは、特別図柄の可変表示が終了してから所定時間(例えば、20秒)が経過したことに応じて送信されるものであるため、変動開始コマンドが送信されなくても、客待ちデモ指定コマンドを受信したことに基づき、デモ演出において左打ち指示報知を行うことができる。
左打ち指示報知は、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知される第1左打ち指示報知AL1(図49(A)参照)と、第1左打ち指示報知AL1のような明確な報知ではなく、第1左打ち指示報知AL1よりも遊技者が認識不可能または認識困難な第2左打ち指示報知AL2(図49(B)参照)と、を含む。
第1左打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図49(A)に示すような演出画像を表示することによる左打ち指示報知AL1であればよい。左打ち指示報知AL1は、例えば「左打ちに戻して!」といった文字によるメッセージや、左向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが第1左打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、左打ち指示報知AL1が行われるようにしてもよい。第1左打ち報知態様による左打ち指示報知AL1では、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。尚、第1左打ち指示報知は、例えば、時短状態が終了した後、通常状態に移行して最初の可変表示開始時や、通常遊技状態において遊技球が通過ゲート41を通過した場合に行われる。
第2左打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図49(B)に示すような演出画像を表示することによる左打ち指示報知AL2であればよい。左打ち指示報知AL2は、例えば左向き矢印を示す演出画像などを、ほぼ透明な状態で表示することにより、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが、左打ち指示報知AL1における第1左打ち報知態様とは異なる第2左打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、音声出力や発光体の点灯動作により左打ち指示報知AL2が行われてもよいが、左打ち指示報知AL1のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な報知が行われればよい。尚、第2左打ち指示報知は、例えば、時短状態が終了した後、通常状態に移行して第1左打ち指示報知が実施された直後の1回目、2回目の可変表示開始時や、デモ演出が開始されたときに行われる。
右打ち指示報知は、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知される第1右打ち指示報知AR1(図43(b)参照)と、第1右打ち指示報知AR1のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な第2右打ち指示報知AR2(図43(a)参照)と、を含む。
第1右打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図43(A)に示すような演出画像を表示することによる右打ち指示報知AR1であればよい。右打ち指示報知AR1は、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが第1右打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知AR1が行われるようにしてもよい。第1右打ち報知態様による右打ち指示報知AR1では、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。尚、第1右打ち指示報知は、例えば、大当り遊技状態中(非確変、第1確変、第2確変、第3確変)及び時短状態中に行われる。
第2右打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図43(B)に示すような演出画像を表示することによる右打ち指示報知AR2であればよい。右打ち指示報知AR2は、例えば右向き矢印を示す演出画像などを、ほぼ透明な状態で表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが、右打ち指示報知AR1における第1右打ち報知態様とは異なる第2右打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、音声出力や発光体の点灯動作により右打ち指示報知AR2が行われてもよいが、右打ち指示報知AR1のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な報知が行われればよい。尚、第2右打ち指示報知は、例えば、大当り遊技状態中(突確)、小当り遊技状態中のいずれかに行われる。
また、CPU120Aは、時短状態が終了した後、変動開始コマンドを受信することなく客待ちデモ指定コマンドを受信したときだけでなく、時短状態が終了した後、1回目或いは2回目の可変表示が停止表示されてから次の変動開始コマンドを受信せずに所定時間(例えば、20秒)が経過したときにも、第2左打ち指示報知AL2を行う。
このように、時短状態が終了して左打ち指示報知AL1が実施された後、1,2回目の可変表示やデモ演出が開始されたときにも左打ち指示報知を繰り返し行うことで、左打ち指示報知の見逃しを防止できる。また、繰り返しの報知を、遊技者が認識不可能または認識困難な態様の第2左打ち指示報知AL2で行うことで、既に左打ちに戻している遊技者に対し嫌味にならないばかりか、報知が行われていることが周囲に悟られて遊技者が不快に思うことを回避できる。
また、CPU120Aは、通常遊技状態において、所定時間(例えば、5秒)内に通過ゲート41を所定数(例えば、2球)の遊技球が通過したと判定した場合、遊技球を右遊技領域2Bに発射しているものと判定して、第1左打ち指示報知を行うようになっている。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板10から電源電圧の供給を受けると、演出制御用マイクロコンピュータ120が起動して、CPU120Aによって図36のフローチャートに示すような演出制御メイン処理が実行される。
図36に示す演出制御メイン処理を開始すると、CPU120Aは、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、演出制御用RAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば演出制御用RAMの所定領域に設けられ、CTCのレジスタ設定に基づき所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御側受信バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる演出用乱数として、所定のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
ステップS76にて演出用乱数更新処理を実行した後には、ゲート通過処理を実行する(ステップS77)。ステップS77のゲート通過処理では、ステップS74のコマンド解析処理にて、通常遊技状態においてゲート通過通知コマンドを受信したと判定したときから所定時間(例えば、5秒)内に2回目のゲート通過通知コマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合にはゲート通過報知フラグをセットして、第1左打ち指示報知が行われるようにする。その後、ステップS72の処理に戻る。
図37は、演出制御プロセス処理として、図36のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、例えば演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS180〜S187の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS180の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS181の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS182の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、演出用模型制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、例えばVDP121へと伝送する表示制御信号の決定や、音声制御基板13やランプ制御基板14へと伝送する各種指令の決定などが行われる。これらの決定結果に基づく各種信号の出力により、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった各種の演出装置を用いて、特図ゲームの実行中における各種の演出制御が行われる。そして、演出制御パターンから終了コードが読み出されると、所定の表示制御信号をVDP121に対して送信することなどにより、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄を表示させたり、特図ゲームの終了に対応した演出画像を表示させたりする。
ステップS183の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、CPU120Aは、主基板11から送信された大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。大当り開始指定コマンドを受信したきには、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、小当り開始指定コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り開始指定コマンドや小当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS184の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種指令の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態における各種の演出制御が行われる。また、小当り中演出処理では、主基板11からの小当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS185の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS186の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態における各種の演出制御を行う。そして、主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS187のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御パターンから読み出された演出制御実行データに基づいて、VDP121、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対する各種信号の出力制御を行う。これにより、各種の演出装置を用いて大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御が行われる。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS188のデモ演出開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。このデモ演出開始待ち処理は、主基板11からの客待ちデモ指定コマンドを受信したか否かに基づき、時短状態が終了して通常遊技状態に移行してから3回目の可変表示が開始されるまでの期間であるか否かを判定し、期間内ではない場合にはデモ演出制御パターンを決定し、期間内である場合には、デモ演出中に左打ち指示報知を行うための演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS189のデモ演出処理は、演出プロセスフラグの値が“9”のときに実行される処理である。このデモ演出処理において、CPU120Aは、所定の演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、デモ演出に対応する演出制御パターンから表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データといった演出制御実行データを読み出す。このとき読み出された演出制御実行データに従って、例えばVDP121へと伝送する表示制御信号の決定や、音声制御基板13やランプ制御基板14へと伝送する各種指令の決定などが行われる。これらの決定結果に基づく各種信号の出力により、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった各種の演出装置を用いて、特図ゲームの非実行中における各種の演出制御が行われる。また、左打ち指示報知が設定されている場合は、デモ演出中において画像表示装置5に第2左打ち指示報知画像を表示する。
デモ演出の開始条件は、客待ちデモ指定コマンドを受信したこと、または前回のデモ演出が終了してから変動開始コマンドを受信しないまま所定時間(例えば1分)が経過したこと、などを含む。また、デモ演出の終了条件は、デモ演出が開始されてから所定時間(例えば1分間)が経過したこと、デモ演出の実行中に変動開始コマンドを受信したこと、などを含む。尚、これらデモ演出の開始条件や終了条件は種々に変更可能である。
図38は、可変表示開始待ち処理として、図37のステップS180にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す可変表示開始待ち処理において、CPU120Aは、まず、コマンド解析処理において受信した第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドに基づく変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS810)。第1変動開始コマンド受信フラグまたは第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS810;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理(ステップS181)に対応した値に更新する(ステップS811)。また、変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS810;No)、コマンド解析処理において受信した客待ちデモ指定コマンドに基づく客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。デモ指定コマンド受信フラグがセットされていれば(ステップS812;Yes)、演出制御プロセスフラグの値をデモ演出開始待ち処理(ステップS183)に対応した値に更新する(ステップS813)。デモ指定コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS812;No)、そのまま処理を終了する。
図39は、可変表示開始設定処理として、図37のステップS181にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す可変表示開始設定処理において、CPU120Aは、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板11から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、CPU120Aは、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
そしてステップS823に進み、左打ち指示報知及び右打ち指示報知を行うか否か及び行う場合はいずれの指示報知にするかの判定及び決定した報知の設定を行う、図40に示す発射領域報知判定処理を実施する。
次いで、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択し(ステップS824)、該選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。
そしてCPU120Aは、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、スピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS826)。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS827)、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中処理(ステップS182)に対応した値にする(ステップS828)。
図40は、発射領域報知判定処理として、図39のステップS823にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図40に示す発射領域報知判定処理において、CPU120Aは、まず、右打ち指示報知の設定があるか否かを判定する(ステップS830)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に右打ち指示報知AR1または右打ち指示報知AR2の設定が記憶されていれば、右打ち指示報知の設定があると判定すればよい。
ステップS830にて右打ち指示報知の設定がある場合、つまり、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了した後の1回目の可変表示である場合や時短状態中である場合には(ステップS830;Yes)、時短制御に伴う高開放制御が行われない通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態に対応する背景画像を指定する背景指定コマンドの受信があったか否か、つまり、通常遊技状態に移行するか否かを判定する(ステップS831)。背景指定コマンドは、例えば図24に示すステップS250の処理や、図25に示すステップS264の処理、あるいは図26に示すステップS298の処理において、主基板11から演出制御基板12へと送信するための設定が行われるものであればよい。
ステップS831にて低ベース状態に対応する背景指定コマンドの受信があった場合、つまり、通常遊技状態に移行する場合には(ステップS831;Yes)、記憶されている右打ち指示報知の設定の終了設定を行う(ステップS832)。具体的には、記憶されている右打ち指示報知の設定が、第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1の設定であれば第1右打ち指示報知の終了設定を行う。なお、ステップS833の終了設定では、第1右打ち指示報知AR1を開始してからの経過時間が所定時間に達した場合といった、所定の第1右打ち報知終了条件が成立した場合に第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1を終了させるものであればよく、例えば当該変動の停止に合わせて終了させるようにしてもよいし、あるいは一定時間が経過した後に終了させるようにしてもよい。
一方、記憶されている右打ち指示報知の設定が、第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2の設定であれば第2右打ち指示報知の終了設定を行う。なお、該第2右打ち指示報知の終了設定では、第2右打ち指示報知AR2を開始してからの経過時間が所定時間に達した場合といった、所定の第2右打ち報知終了条件が成立した場合に第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2を終了させるものであればよく、例えば当該変動の停止に合わせて終了させるようにしてもよいし、あるいは一定時間が経過した後に終了させるようにしてもよい。
そして、ステップS832にて右打ち指示報知の終了設定を行った後、右打ち報知指示フラグをセットする(ステップS833)。
そして、当該可変表示について決定された変動パターンが、超短縮の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS834)。これら判定は、ステップS821において読み出した変動パターンコマンドに基づいて実施すれば良い。
変動パターンが超短縮の変動パターンである場合(ステップS834;Yes)には、発射領域報知判定処理を終了する。また、変動パターンが超短縮の変動パターンではない場合、つまり、変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合(ステップS834;No)には、ステップS835に進んで、左打ち指示報知開始タイマを設定して発射領域報知判定処理を終了する。
一方、ステップS831にて低ベース状態に対応する背景指定コマンドの受信がない場合、つまり、時短状態中である場合には(ステップS831;No)、第1右打ち指示報知の復帰指定があるか否かを判定する(ステップS836)。例えば、第1報知復帰指定フラグがオンであるときには、第1右打ち指示報知の復帰指定があると判定すればよい。第1右打ち指示報知の復帰指定があるとき、つまり、時短状態中に発生した突確や小当り遊技状態の終了後には(ステップS836;Yes)、第1右打ち指示報知の設定を行う(ステップS837)。このときの指示報知設定は、例えば第1右打ち指示報知用の演出制御パターンを使用パターンにセットし直して所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、第1右打ち指示報知を再開するなどして復帰するための復帰設定であればよい。これにより、時短制御の実行中に2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態に制御された場合に、これらの終了後にも時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態)となることに対応して、第1右打ち指示報知を再開させることができる。なお、ステップS836、S837の処理は、発射領域報知判定処理にて実行されるものに限定されず、例えば小当り終了演出処理(図44(A)などを参照)にて小当り終了演出時間が経過したときと、エンディング演出処理(図45(A)などを参照)にてエンディング演出時間が経過したときに、実行されるようにしてもよい。また、ステップS684の処理を実行したときには、例えば第1報知復帰指定フラグをクリアしてオフ状態とすることにより、第1右打ち指示報知の復帰指定を初期化(消去)すればよい。
次に、ステップS830にて右打ち指示報知の設定がない場合には(ステップS830;No)、右打ち指示報知終了フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS838)。右打ち指示報知終了フラグがセットされている場合(ステップS838;Yes)、つまり、左打ち指示報知が所定回数(3回)の可変表示の期間において実行されている間は、まず、報知終了用カウンタのカウンタ値を1加算した後(ステップS839)、報知終了用カウンタのカウンタ値が1であるか否かを判定する(ステップS840)。報知終了用カウンタのカウンタ値が1である場合(ステップS840;Yes)、つまり、通常遊技状態に移行して最初の可変表示である超短縮の可変表示が実施された後の次の可変表示である場合は、第1左打ち指示報知を設定し(ステップS841)、第1左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定して(ステップS842)、該発射領域報知判定処理を終了する。
このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)に達したことなど、第1左打ち指示報知に対応して予め定められた第1左打ち報知終了条件であればよい。また、決定されている変動パターンの変動時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)よりも短い場合、変動パターンの変動時間に合わせればよい。
また、ステップS840において、報知終了用カウンタのカウンタ値が1ではない場合(ステップS840;No)、つまり、2回目以降の左打ち指示報知である場合は、報知終了用カウンタのカウンタ値が4以上であるか否かを判定し(ステップS843)、カウンタ値が4以上ではない場合(ステップS843;No)、つまり、カウンタ値が2または3である場合、2回目または3回目の左打ち指示報知であるとして、第2左打ち指示報知を設定し(ステップS844)、第2左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定して(ステップS845)、処理を終了する。
このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が第2報知終了判定時間(例えば10秒)に達したことなど、第2左打ち指示報知に対応して予め定められた第2左打ち報知終了条件であればよい。また、決定されている変動パターンの変動時間が第2報知終了判定時間(例えば10秒)よりも短い場合、変動パターンの変動時間に合わせればよい。ここで、第2左打ち報知終了条件は、例えば第2報知終了判定時間が第1報知終了判定時間よりも短く設定されることや、第2報知終了判定回数が第1報知終了判定回数よりも少なく設定されることにより、第1左打ち報知終了条件に比べて短期間で成立するものであればよい。
また、ステップS843において、報知終了用カウンタのカウンタ値が4以上である場合(ステップS843;Yes)、つまり、所定回数である3回目の左打ち指示報知が完了している場合は、セットされている右打ち指示報知終了フラグをクリアするとともに、報知終了用カウンタのカウンタ値をリセット(0)にして(ステップS846)、処理を終了する。
また、ステップS838において右打ち指示報知終了フラグがセットされていない場合(ステップS838;No)、ゲート通過報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS847)。
ゲート通過報知フラグがセットされていれば(ステップS847;Yes)、通常遊技状態において遊技球が右遊技領域2Bに発射されているとして、第1左打ち指示報知を設定し(ステップS848)、第1左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定した後(ステップS849)、ゲート通過報知フラグをクリアした後(ステップS850)、処理を終了する。
このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)に達したことなど、第1左打ち指示報知に対応して予め定められた第1左打ち報知終了条件であればよい。また、決定されている変動パターンの変動時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)よりも短い場合、変動パターンの変動時間に合わせればよい。
図41は、演出制御プロセス処理における可変表示中処理(ステップS182)を示すフローチャートである。可変表示中処理において、CPU120Aは、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、CPU120Aは、左打ち指示報知開始タイマがセットされているか否かを判定し(ステップS841)、セットされていない場合には(ステップS841;No)、ステップS843に進み、セットされている場合には(ステップS841;Yes)、ステップS860に進む。
ステップS860においては、セットされている左打ち指示報知開始タイマの値を−1した後、該減算後の左打ち指示報知開始タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップS861)。
左打ち指示報知開始タイマがタイマアウトしていない場合には(ステップS861;No)、ステップS843に進む。一方、左打ち指示報知開始タイマがタイマアウトしている場合、つまり、当該可変表示の開始から左打ち指示報知開始タイマに設定されている所定時間(例えば、3秒)が経過した場合には、ステップS862に進んで、報知終了用カウンタのカウンタ値に1を加算した後、第1左打ち指示報知を設定し(ステップS863)、第1左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定した後(ステップS864)、ステップS843に進む。
このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)に達したことなど、第1左打ち指示報知に対応して予め定められた第1左打ち報知終了条件であればよい。また、決定されている変動パターンの変動時間が第1報知終了判定時間(例えば10秒)よりも短い場合、変動パターンの変動時間に合わせればよい。
CPU120Aは、ステップS843においてプロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ並びに操作部発光制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、CPU120Aは、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、左中右の飾り図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示制御が実現される。VDP121は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を画像表示装置5に出力する。そのようにして、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および飾り図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、CPU120Aは、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS183)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を特図当り待ち処理(ステップS183)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図42は、特図当り待ち処理として、図37のステップS183にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図42に示す特図当り待ち処理において、CPU120Aは、まず、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS601)。当り開始指定コマンド受信待ち時間は、図37に示すステップS182の可変表示中演出処理にて、飾り図柄停止コマンドを受信したことなどに応じて予め定められた一定時間が設定される。
ステップS601にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過していない場合には(ステップS601;No)、主基板11から伝送される大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS602)。大当り開始指定コマンドの受信があれば(ステップS602;Yes)、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する(ステップS603)。このときには、大当り開始指定コマンドにより大当り種別として「突確」が指定されたか否かを判定する(ステップS604)。
ステップS604にて大当り種別として「突確」以外が指定された場合には(ステップS604;No)、大当り遊技状態の開始を報知するために予め用意された大当り報知用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS605)。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、大当り報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS606)。また、第1右打ち指示報知の設定を行う(ステップS607)。このときの指示報知設定は、例えば第1右打ち指示報知を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始させるといった、第1右打ち指示報知の開始設定であればよい。こうした右打ち指示報知の設定は、所定の終了設定が実行されるまで、演出制御用RAMの所定領域に記憶されていればよい。
第1右打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図43(A)に示すような演出画像を表示することによる右打ち指示報知AR1であればよい。右打ち指示報知AR1は、例えば「右打ちしてね!」といった文字によるメッセージや、右向き矢印を示す演出画像などを、不透明な所定の表示色(例えば赤色など)で表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが第1右打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、あるいは演出画像の表示とともに、スピーカ8L、8Rからの音声出力や、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体の点灯動作などにより、右打ち指示報知AR1が行われるようにしてもよい。第1右打ち報知態様による右打ち指示報知AR1では、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知されればよい。
ステップS602にて大当り開始指定コマンドの受信がない場合には(ステップS602;No)、小当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS608)。小当り開始指定コマンドの受信がなければ(ステップS608;No)、特図当り待ち処理を終了して、当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過するまで待機する。小当り開始指定コマンドの受信があった場合には(ステップS608;Yes)、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する(ステップS609)。
ステップS604にて大当り種別として「突確」が指定された場合や(ステップS604;Yes)、ステップS609の処理を実行した後には、第1右打ち指示報知の設定があるか否かを判定する(ステップS609A)。このとき、例えば演出制御用RAMの所定領域に右打ち指示報知AR1の設定が記憶されていれば、第1右打ち指示報知の設定があると判定すればよい。第1右打ち指示報知の設定がある場合には(ステップS609A;Yes)、第1右打ち指示報知の復帰指定を行う(ステップS609B)。一例として、演出制御用RAMの所定領域に設けられた第1報知復帰指定フラグをオン状態にセットすることにより、第1右打ち指示報知の復帰指定がなされればよい。時短制御の実行中に、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり2ラウンド大当り状態に制御された場合や、特図表示結果が「小当り」となり小当り遊技状態に制御された場合には、これらの2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態が終了した後も、時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態)となる。こうした状況に対応して、2ラウンド大当り状態や小当り遊技状態の終了後に第1右打ち指示報知を行うことができるように、ステップS609Bの処理により復帰指定を行っておけばよい。
ステップS609Aにて第1右打ち指示報知の設定がない場合や(ステップS609A;No)、ステップS609Bの処理を実行した後には、演出モードがモードCに移行することを報知するために予め用意されたモード移行用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする(ステップS610)。なお、演出モードが既にモードCに移行している場合には、モードCが継続することを報知するために予め用意されたモード継続用の演出制御パターンが使用パターンにセットされてもよい。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、モード移行報知動作の制御を開始するための設定を行う(ステップS611)。また、第2右打ち指示報知の設定を行う(ステップS612)。このときの指示報知設定は、例えば第2右打ち指示報知を実行するために予め用意された演出制御パターンを使用パターンにセットして所定の演出動作を実行する制御を開始するといった、第2右打ち指示報知の開始設定であればよい。
第2右打ち指示報知は、例えば画像表示装置5の画面上に図43(B)に示すような演出画像を表示することによる右打ち指示報知AR2であればよい。右打ち指示報知AR2は、例えば右向き矢印を示す演出画像などを、ほぼ透明な状態で表示することにより、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが、右打ち指示報知AR1における第1右打ち報知態様とは異なる第2右打ち報知態様で遊技者に報知されるものであればよい。なお、画像表示装置5における演出画像の表示に代えて、音声出力や発光体の点灯動作により右打ち指示報知AR2が行われてもよいが、右打ち指示報知AR1のような明確な報知ではなく、遊技者が認識不可能または認識困難な報知が行われればよい。
ステップS601にて当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過した場合には(ステップS601;Yes)、例えば演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出モードフラグを確認することなどにより、現在の演出モードを特定する(ステップS613)。そして、特定した演出モードがノーマルモードとしてのモードNであるか否かを判定する(ステップS614)。演出モードがモードN以外である場合には(ステップS614;No)、その演出モードへのモード移行を終了させるか否かを判定する(ステップS615)。ステップS615の処理では、例えば演出モードがモードAまたはモードBである場合に、時短制御が終了したことに対応して、モード移行を終了させると判定されればよい。また、演出モードがモードCである場合には、例えば演出モードがモードCに移行してからの経過時間が所定時間に達したことといった、所定条件が成立したときに、モード移行を終了させると判定されればよい。このようにモード移行を終了させると判定された場合には(ステップS615;Yes)、例えば演出モードフラグの値をモードNに対応した値に更新するといった、演出モードをモードNに復帰させる設定を行う(ステップS616)。
ステップS614にて演出モードがモードNである場合や(ステップS614;Yes)、ステップS615にてモード移行を終了させないと判定された場合(ステップS615;No)、あるいはステップS616の処理を実行した後には、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS617)、特図当り待ち処理を終了する。
図44(A)は、小当り終了演出処理として、図37のステップS185にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図44(A)に示す小当り終了演出処理において、CPU120Aは、まず、小当り終了演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS631)。小当り終了演出中フラグは、小当り終了演出が開始されることに対応して、後述するステップS634の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS631にて小当り終了演出中フラグがオフである場合には(ステップS631;No)、予め定められた小当り終了演出時間を設定する(ステップS632)。そして、小当り終了演出の開始設定を行う(ステップS633)。ステップS633の処理では、小当り終了演出を実行するために予め用意された小当り終了演出用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、小当り終了演出となる演出動作の開始制御が行われればよい。このときには、小当り終了演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS634)、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS631にて小当り終了演出中フラグがオンであるときには(ステップS631;Yes)、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS635)。小当り終了演出時間が経過していなければ(ステップS635;No)、小当り終了演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS636)、小当り終了演出処理を終了する。小当り終了演出時間が経過したときには(ステップS635;Yes)、小当り終了演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS637)。また、小当り終了後の演出モードを移行させる設定を行う(ステップS638)。そして、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS639)、小当り終了演出処理を終了する。
図44(B)は、ステップS638における演出モードの移行設定例を示している。この移行設定例では、小当り遊技状態となる前の演出モードがモードA、モードC、モードNのいずれかである場合と、モードBである場合とに応じて、移行先の演出モードを設定している。すなわち、小当り前の演出モードがモードA、モードC、モードNのいずれかである場合には、移行先の演出モードをモードCとする。その一方で、小当り前の演出モードがモードBである場合には、移行先の演出モードをモードBとする。小当り遊技状態の終了後には、その小当り遊技状態となる以前の遊技状態を継続させる。演出モードが演出モードBであるときには、時短制御と確変制御の双方が行われる時短付確変状態であることを遊技者が認識できるように報知されている。したがって、演出モードがモードBである場合には、小当り遊技状態の前後で演出モードは変更せずに、そのままモードBに移行した状態とすればよい。
図45は、エンディング演出処理として、図37のステップS187にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図45に示すエンディング演出処理において、CPU120Aは、まず、エンディング演出中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS651)。エンディング演出中フラグは、エンディング演出が開始されることに対応して、後述するステップS654の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS651にてエンディング演出中フラグがオフである場合には(ステップS651;No)、予め定められたエンディング演出時間を設定する(ステップS652)。そして、エンディング演出の開始設定を行う(ステップS652)。ステップS652の処理では、エンディング演出を実行するために予め用意されたエンディング演出用の演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。その後、使用パターンとしてセットした演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、エンディング演出となる演出動作の開始制御が行われればよい。なお、大当り種別が「突確」である場合には、小当り終了演出と同様の演出動作が行われるように、演出制御パターンに基づく演出動作の制御が行われればよい。このときには、エンディング演出中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS654)、エンディング演出処理を終了する。
ステップS651にてエンディング演出中フラグがオンである場合には(ステップS651;Yes)、エンディング演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS655)。エンディング演出時間が経過していなければ(ステップS655;No)、エンディング演出となる演出動作の制御を行ってから(ステップS656)、エンディング演出処理を終了する。エンディング演出時間が経過したときには(ステップS655;Yes)、エンディング演出中フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS657)。また、大当り終了後の演出モードを移行させる設定を行う(ステップS658)。そして、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS659)、エンディング演出処理を終了する。
図45(B)は、ステップS658における演出モードの移行設定例を示している。この移行設定例では、大当り種別や大当り遊技状態となる前の演出モードなどに応じて、移行先の演出モードを設定している。例えば大当り種別が「非確変」または「第1確変」の場合(確変報知なしの場合)に対応する15ラウンド大当り状態の終了に対応して、大当り遊技状態となる前の演出モードにかかわらず、移行先の演出モードをモードAとする。大当り種別が「第2確変」または「第3確変」の場合(確変報知ありの場合)に対応する15ラウンド大当り状態の終了に対応して、大当り遊技状態となる前の演出モードにかかわらず、移行先の演出モードをモードBとする。
大当り種別が「突確」である場合には、大当り遊技状態となる前の演出モードがモードA、モードC、モードNのいずれかである場合と、モードBである場合とに応じて、移行先の演出モードを異ならせている。すなわち、大当り前の演出モードがモードA、モードC、モードNのいずれかである場合には、移行先の演出モードをモードCとする。その一方で、大当り前の演出モードがモードBである場合には、移行先の演出モードをモードBとする。大当り種別が「突確」である場合に対応した2ラウンド大当り状態の終了後には、確変制御が行われる一方で、時短制御については大当り前の制御を継続させる。演出モードが演出モードBであるときには、時短制御と確変制御の双方が行われる時短付確変状態であることを遊技者が認識できるように報知されている。したがって、演出モードがモードBである場合には、大当り遊技状態の前後で演出モードは変更せずに、そのままモードBに移行した状態とすればよい。こうした大当り種別が「突確」である場合の移行設定は、小当り遊技状態となった場合の移行設定と同様である。したがって、遊技者は、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合であるか、可変表示結果が「小当り」となった場合であるかを、演出モードの移行態様から認識することが不可能または困難である。
図42に示すステップS607の処理により第1右打ち指示報知が開始されるとき、あるいはステップS612の処理により第2右打ち指示報知が開始されるときには、右打ち指示報知AR1や右打ち指示報知AR2の設定が、例えば演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に記憶されればよい。こうした右打ち指示報知に関する設定の記憶に基づいて、最適な遊技球の発射位置(発射目標位置)が右遊技領域2B(第1領域)から左遊技領域2A(第2領域)へと変化したときに、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に報知されてもよい。
図46は、デモ演出開始待ち処理として、図37のステップS188にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図46に示すデモ演出開始待ち処理において、CPU120Aは、まず、右打ち指示報知終了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS870)。右打ち指示報知終了フラグがセットされていれば(ステップS870;Yes)、つまり、通常遊技状態に移行してから4回目の可変表示が開始されるまでの期間であれば、報知終了用カウンタのカウンタ値が0〜2であるか否か、すなわち、通常遊技状態に移行してからの可変表示の実行回数が0〜2回目であるか否かを確認する(ステップS871)。
そして、報知終了用カウンタのカウンタ値が0(通常遊技状態に移行してから1回目の可変表示が開始されるまで)、カウンタ値が1(1回目の可変表示が終了してから2回目の可変表示が開始されるまで)、カウンタ値が2(2回目の可変表示が終了してから3回目の可変表示が開始されるまで)のいずれかである場合には(ステップS871;Yes)、通常遊技状態に移行してから3回目の可変表示が開始されるまでに客待ちデモ指定コマンドを受信したとして、第2左打ち指示報知を設定し(ステップS872)、第2左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定して(ステップS873)、処理を終了する。
このとき設定される報知終了条件は、報知開始からの経過時間が第2報知終了判定時間(例えば10秒)に達したことなど、第2左打ち指示報知に対応して予め定められた第2左打ち報知終了条件であればよい。また、決定されている変動パターンの変動時間が第2報知終了判定時間(例えば10秒)よりも短い場合、変動パターンの変動時間に合わせればよい。ここで、第2左打ち報知終了条件は、例えば第2報知終了判定時間が第1報知終了判定時間よりも短く設定されることや、第2報知終了判定回数が第1報知終了判定回数よりも少なく設定されることにより、第1左打ち報知終了条件に比べて短期間で成立するものであればよい。
ステップS873にて第2左打ち指示報知に対応した報知終了条件を設定した後、ステップS870において、右打ち指示報知終了フラグがセットされていなかった場合(ステップS870;No)、及びステップS871において、報知終了用カウンタのカウンタ値が0〜2でなかった場合(ステップS871;No)には、デモ演出制御パターン(プロセステーブル)を選択し(ステップS874)、該選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS875)。
そしてCPU120Aは、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、スピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS876)。
そして、演出時間タイマに、デモ演出時間(例えば、1分)に相当する値を設定し(ステップS877)、演出制御プロセスフラグの値をデモ演出処理(ステップS189)に対応した値にする(ステップS878)。
図47は、デモ演出処理として、図37のステップS189にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図47に示すデモ演出処理において、CPU120Aは、まず、プロセスタイマ、演出時間タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS880,881)。次いで、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS882)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら(ステップS882;Yes)、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS883)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS884)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS885)。
次いで、演出時間タイマがタイムアウトしているか否か確認し(ステップS886)、演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS886;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を可変表示開始待ち処理(ステップS180)に応じた値に更新する(ステップS887)。
図48は、ゲート通過処理として、図36のステップS77にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図48に示すゲート通過処理において、CPU120Aは、まず、遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する(ステップS890)。通常遊技状態であるか否かは、背景指定コマンドの受信に基づいて背景指定フラグがセットされているか否かに基づいてもよいし、遊技状態を示す他のコマンドに基づいて判定してもよい。
遊技状態が通常遊技状態であれば(ステップS890;Yes)、ゲート通過報知フラグがセットされているか否か、つまり、ゲート通過に基づく左打ち指示報知の実行中であるか否かを確認し(ステップS891)、ゲート通過報知フラグがセットされていれば(ステップS891;Yes)、処理を終了する。
ゲート通過報知フラグがセットされていなければ(ステップS891;No)、ゲート用タイマのカウント中であるか否かを確認し(ステップS892)、ゲート用タイマのカウント中でなければ(ステップS892;No)、そのままステップS895に進む。ゲート用タイマのカウント中であれば(ステップS892;Yes)、ゲート用タイマのカウンタ値を1減算し(ステップS893)、ゲート用タイマのカウンタ値が0になったか否か、つまり、カウントを開始してから5秒が経過したか否かを判定する(ステップS894)。そして、5秒が経過していなければ(ステップS894;No)、ステップS895に進み、5秒が経過していれば(ステップS894;Yes)、通過検出をリセットするためにステップS901に進み、ゲート用カウンタ及びゲート用タイマのカウンタ値をそれぞれリセットして処理を終了する。
ステップS895においては、ゲート通過通知フラグがセットされているか否か、つまり、ゲート通過通知コマンドの受信に基づくフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS895)、ゲート通過通知フラグがセットされていなければ(ステップS895;No)、ゲート通過は検出されなかったとして処理を終了する。また、ゲート通過通知フラグがセットされていれば(ステップS895;Yes)、ゲート通過通知フラグをクリアして(ステップS896)、ゲート用カウンタのカウンタ値を1加算する(ステップS897)。
次いで、ゲート用カウンタのカウンタ値が2であるか否か、つまり、2球目のゲート通過であるか否かを判定し(ステップS898)、ゲート用カウンタのカウンタ値が2でなければ(ステップS898;No、カウンタ値=1)、1球目のゲート通過であるとして、ゲート用タイマに所定値(例えば、5秒に相当する数値)をセットし(ステップS899)、処理を終了する。
ゲート用カウンタのカウンタ値が2であれば(ステップS898;Yes)、ゲート用タイマによるカウント開始から5秒以内に2球目のゲート通過を検出したとして、第1左打ち指示報知を実施するためにゲート通過報知フラグをセットし(ステップS900)、ゲート用カウンタ及びゲート用タイマのカウンタ値をそれぞれリセットして(ステップS901)、処理を終了する。
図50は、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかとなる場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。なお、発射領域報知は、遊技球を発射すべき遊技領域を遊技者に報知するものであり、第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1と、第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2と、第1左打ち指示報知となる左打ち指示報知AL1と、第2左打ち指示報知となる左打ち指示報知AL2とが含まれている。
可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「非確変」や「第1確変」〜「第3確変」のいずれかであることに基づいて、15ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、例えば図31に示すステップS174、S175の処理により、図50(A)に示すように、大当り中信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図26に示すステップS290の処理により、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。そして、図31に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”以上であると判定され、ステップS173、S175の処理により、図50(C)に示すように、発射位置指定信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が開始される。また、図42に示すステップS607の処理により、図50(D)に示すように、第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1が開始される。
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図50(A)に示すように、大当り中信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、15ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が開始されることに対応して、例えば図31に示すステップS174、S175の処理により、図50(B)に示すように、時短信号がオフ状態からオン状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が開始される。15ラウンド大当り状態の終了後に特図ゲームが実行されるときには、図31に示すステップS171の処理にて特図プロセスフラグの値が“4”未満であると判定されるが、ステップS172の処理にて時短制御中であると判定されることで、ステップS173、S175の処理により、図50(C)に示すように、発射位置指定信号がオン状態に維持される。すなわち、時短制御中においても発射位置指定信号の外部出力が継続して行われる。第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1は、図50(D)にて実線で示すように時短制御が終了するまで行われてもよいし、図50(D)にて破線で示すように所定の第1右打ち報知終了条件が成立した場合に、時短制御が終了するより前に終了させてもよい。
時短制御が終了するときには、図50(B)に示すように、時短信号がオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、時短信号の外部出力が終了する。このときには、図31に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図50(C)に示すように、発射位置指定信号もオン状態からオフ状態に変化する。すなわち、発射位置指定信号の外部出力が終了する。
図51は、時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる時短外突確の場合に、各種信号の出力例や発射領域報知の動作例を示すタイミング図である。可変表示結果が「大当り」となる場合に、大当り種別が「突確」であることに基づいて、2ラウンド大当り状態に制御される。こうして大当り遊技状態が開始されることに対応して、図51(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が開始される。このときには、図51(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力も開始される。また、図42に示すステップS604の処理では、「突確」の大当り種別が指定されたと判定される。これに基づいて、ステップS612の処理により、図51(D)に示すように、第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2が開始される。
その後、大当り遊技状態が終了することに対応して、図51(A)に示すように、大当り中信号の外部出力が終了する。このときには、2ラウンド大当り状態の終了後に時短制御が行われないことから、図51(B)に示すように、時短信号の外部出力は開始されない。また、図31に示すステップS172の処理にて時短制御中ではないと判定されることで、図51(C)に示すように、発射位置指定信号の外部出力が終了する。第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2は、図51(D)にて実線で示すように大当り遊技状態が終了するまで行われてもよいし、図51(D)にて破線で示すように所定の第2右打ち報知終了条件が成立した場合に、大当り遊技状態が終了するより前に終了させてもよい。第2右打ち報知終了条件は、第1右打ち報知終了条件よりも短期間で成立すればよい。したがって、右打ち指示報知AR2は、右打ち指示報知AR1よりも報知時間が短くなる。
時短制御が行われていない遊技状態(通常状態や時短なし確変状態)において、特別図柄の可変表示結果が「小当り」となる時短外小当りの場合にも、図51(D)に示した時短外突確の場合と同様に、第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2や、第2左打ち指示報知となる左打ち指示報知AL2が行われる。また、小当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化することに対応して、図51(C)に示した時短外突確の場合と同様に、発射位置指定信号の外部出力が行われる。
図43(A)に示すような右打ち指示報知AR1は、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知される第1右打ち報知態様で行われる。この場合、遊技者は、右打ち指示報知AR1に従って、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべく操作ノブ31の操作量を調整する可能性が高い。これに対して、図43(B)に示すような右打ち指示報知AR2は、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことが遊技者にとって認識不可能または認識困難に報知される第2右打ち報知態様で行われる。この場合、遊技者は、右打ち指示報知AR2が行われるにもかかわらず、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべく操作ノブ31の操作量を調整する可能性が低い。こうして、遊技者は、右打ち指示報知AR1に応じて遊技球を右遊技領域2Bに発射させる可能性が高いと想定される一方で、右打ち指示報知AR2に応じて遊技球を右遊技領域2Bに発射させる可能性が低いと想定される。
そこで、右打ち指示報知AR1が行われた後には、第1左打ち報知態様にて図49(A)に示すような左打ち指示報知AL1を行うことで、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者に対して明確に報知される。これに対して、右打ち指示報知AR2が行われた後には、第2左打ち報知態様にて図49(B)に示すような左打ち指示報知AL2を行うことで、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことが遊技者にとって認識不可能または認識困難に報知される。このように、右打ち指示報知AR1や右打ち指示報知AR2に応じて想定される遊技球の発射態様に適した報知態様で、遊技球を左遊技領域2Aに発射すべきことを報知する左打ち指示報知AL1や左打ち指示報知AL2が行われる。
図50および図51では、試験端子出力信号に含まれる大当り中信号や時短信号、発射位置指定信号について、外部出力が行われる場合の出力タイミングを示している。こうした試験端子出力信号は、例えば主基板11の配線パターン上に設けられた信号ピンやコネクタなどの接続用部品に、外部装置となる試験装置を接続した場合に限り外部出力が行われ、試験装置が接続されない通常使用時には外部出力が行われないようにしてもよい。接続用部品は試験時に限り外部装置を接続可能な状態とし、試験時以外の通常使用時には封止(密封)、除去、未搭載または破壊して、外部装置を接続不可能としてもよい。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態にて大入賞口が開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化することに対応して、その変化態様が15ラウンド大当り状態のように遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすい第1変化態様であるか、2ラウンド大当り状態のように遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい第2変化態様であるかにかかわらず、遊技球を右遊技領域2Bに発射すべきことを示す発射位置指定信号を外部出力するための処理(図31のステップS173、S175)が実行される。また、15ラウンド大当り状態のように大入賞口の変化態様が第1変化態様となるときには、第1右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR1が行われ、2ラウンド大当り状態のように大入賞口の変化態様が第2変化態様となるときには、第2右打ち指示報知となる右打ち指示報知AR2が行われる。これにより、発射位置指定信号のような所定信号が外部出力されるにもかかわらず報知が行われない事態を防止して、パチンコ遊技機1における遊技の公正を保持することができる。
右打ち指示報知AR1が行われた後には、ステップS841の開始設定に基づいて、図49(A)に示すような第1左打ち指示報知となる左打ち指示報知AL1が行われる。その一方で、右打ち指示報知AR2が行われた後には、ステップS844の開始設定に基づいて、図49(B)に示すような第2左打ち指示報知となる左打ち指示報知AL2が行われる。左打ち指示報知AL1における第1左打ち報知態様は、左打ち指示報知AL2における第2左打ち報知態様とは異なるものとなる。こうして、右打ち指示報知AR1や右打ち指示報知AR2に応じて想定される遊技球の発射態様に適した第1左打ち報知態様または第2左打ち報知態様で左打ち指示報知AL1や左打ち指示報知AL2を行い、遊技者に適切な発射操作を指示することができる。
右打ち指示報知AR2では、右打ち指示報知AR1よりも報知時間が短くなればよい。また、右打ち指示報知AR2では、右打ち指示報知AR1における第1右打ち報知態様よりも遊技者が認識しにくい第2右打ち報知態様となればよい。これにより、パチンコ遊技機1における遊技の公正を保持しつつ、報知により遊技者に不快感を与えることを防止できる。
特別図柄の可変表示結果が「小当り」となって小当り遊技状態に制御されたときには、2ラウンド大当り状態の場合と同様に、大入賞口が第2変化態様で開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する。このときにも、発射位置指定信号を外部出力するための処理(図31のステップS173、S175)が実行されるとともに、右打ち指示報知AR2が行われる。これにより、小当り遊技状態であるときにも、「突確」に基づき確変制御が行われることへの期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
パチンコ遊技機1への電源投入時には、クリアスイッチ501の所定操作(例えば押下操作)が検出されず初期化処理が実行されないことに加えて、確変フラグがオンであることといった特別遊技状態を示すデータが記憶されていることに基づいて、所定の出力停止条件が成立するまで、投入時状態信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときの遊技状態をホールコンピュータなどの外部装置で統括して管理可能とし、遊技場の管理者などが容易に把握することができる。例えば、パチンコ遊技機1における前回の電力供給停止時(電断時)に確変制御が行われていた場合に、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されるときに電断復旧時の設定(図20のステップS91)が行われて確変制御が継続して行われるように復旧される可能性がある。特に、モードAやモードCの演出モードのように、確変制御が行われているか否かにかかわらず共通の演出を実行可能な共通演出モードが設けられている場合には、パチンコ遊技機1の外見上からは確変制御が行われているか否かを判別不可能または判別困難になるおそれがある。そして、確変制御が行われたまま復旧後の遊技が行われると、容易に特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されてしまい、遊技場が意図せぬ不利益を受けるおそれがある。そこで、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときの遊技状態を外部で容易に認識できるようにして、こうした不利益の発生を防止することができる。この場合、遊技場の管理者などは、個別のパチンコ遊技機1を電源投入時に監視して確変状態等の特別遊技状態であるか否かを確認する必要がなく、ホールコンピュータなどの外部装置において、特別遊技状態となっているパチンコ遊技機1の有無を統括して容易に確認することができる。
図28に示す情報出力処理では、例えばステップS137にて払出条件判定カウント値が条件成立判定値に達し、景品として所定個数(例えば10個)の遊技球を払い出すための払出条件が成立したことに基づいて、ステップS140〜S145、S147の処理により、払出条件の成立を示す払出条件成立信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、払出条件の成立タイミングを正確に把握することができる。
図35に示す払出情報出力処理では、例えばステップS524にて賞球払出個数が払出検出判定値に達し、景品として所定個数(例えば10個)の賞球払出が検出されたことに基づいて、ステップS527〜S532の処理により、所定個数の賞球払出が検出されたことを示す払出検出信号が外部出力される。これにより、パチンコ遊技機1の外部において、景品として所定個数の遊技球が払い出されたことを容易に把握することができ、異常な払出動作を特定可能になる。
図20に示すステップS6の処理では、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたことに対応して遊技制御用マイクロコンピュータ100のRAM106をアクセス可能状態に設定してから、条件成立信号出力タイマをクリアして、そのタイマ値を「0」に初期化すればよい。また、図32に示すステップS407の処理では、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたことに対応して、検出信号出力タイマのクリアを行い、そのタイマ値を「0」に初期化する。こうして、パチンコ遊技機1における電源投入時に所定の信号出力タイマをクリアして初期化することにより、パチンコ遊技機1の電力供給が中断された場合に、1回の信号出力が2回分に分割されてしまう不都合を防止できる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、大当り遊技状態や時短状態であるときと通常遊技状態であるときとで、遊技者にとって有利となる遊技球の発射領域が異なっても、左打ち指示報知または右打ち指示報知が行われることにより、遊技球を発射すべき領域が遊技者に報知されるので、遊技者が不利な領域に遊技球を打ち続けてしまうことが防止される。
例えば、時短状態が終了したにも関わらず右遊技領域2Bに遊技球を打ち続ける場合、右遊技領域2Bにある普通可変入賞球装置6Bには遊技球が入賞しにくく可変表示が実行されないため、変動開始コマンドの受信に基づく左打ち指示報知の実行が遅れる可能性がある。しかし、変動開始コマンドを受信しなくても、時短状態の終了後、変動開始コマンドを受信しないまま所定期間(例えば、20秒)が経過したとき、遊技制御用マイクロコンピュータ100が非可変制御情報としての客待ちデモ指定コマンドを送信することで、演出制御用マイクロコンピュータ120のCPU120Aは、客待ちデモ指定コマンドの受信に基づいて左打ち指示報知を確実に行うことができる。よって、時短状態の終了後、デモ演出が開始されるまで遊技者が右遊技領域2Bに遊技球を無駄に打ち続けてしまうことがあっても、少なくともそれ以上長い時間、遊技者が右遊技領域2Bに遊技球を打ち続けることを回避できる。
また、CPU120Aは、特別図柄の可変表示が終了してから所定時間(例えば約20秒)が経過したことに応じて送出される客待ちデモ指定コマンドの受信に基づいて、所定の客待ちデモ演出を実行可能であり、時短状態が終了した後、可変開始コマンドを受信しないまま客待ちデモ指定コマンドを受信したときに左打ち指示報知を行うことで、待機演出のために送信される客待ちデモ指定コマンドを利用して報知を行うことができるため、演出制御コマンドの種類を増加させなくて済む。