JP6391466B2 - ブロー成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

この発明は、湾曲した中空部分を有するブロー成形品の製造方法と、該成形品の製造装置とに関するものである。
ダクトやホースのような中空状の部材を製造する方法として、熱可塑性樹脂からなる中空パリソンを金型で挟み、該パリソンの内部に強制的に空気を吹き込むことで、金型のキャビティに合致した外部輪郭形状を有する中空成形品を製造するブロー成形が広く実用化されている。例えば、自動車のエンジンルームに配設される中空ダクトは、エンジンルーム内の限られたスペースに収納するため、湾曲した形状を呈するようになっている。このように湾曲部分を有する中空ダクトをブロー成形するには、一対の割型からなる金型のキャビティに前記湾曲形状を転写した内部輪郭形状を付与し、中空パリソンを垂下させた後に、該中空パリソンを前記金型で挟んで型締めする方法が採用されている。この場合、キャビティからはみ出た中空パリソンが割型で挟まれることで、中空ダクトの上下だけでなく外側にも板状のバリが生じてしまう。このため、湾曲部分を有する中空ダクトを前記ブロー成形で製造すると、バリを除去する手間が余分に掛かり、また原料樹脂の歩留りが悪くなる欠点がある。
そこで、金型を型締めし、中空パリソンを金型の上部からキャビティへ供給しつつ、該金型の下方からキャビティ内の空気を吸引して、該パリソンをキャビティの前記湾曲形状に沿って移動させる所謂サクションブロー工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。図8は、従来のサクションブロー工法によって、湾曲部分を有する中空ダクトを製造する工程を示している。図8(a)に示す如く、中空ダクトの外部輪郭形状に合致したキャビティ76を形成した金型70,70を型締めし、該金型70,70の下開口部72を介してサクションブロワ74でキャビティ76の空気を吸引して、該キャビティ76に下流へ向かう気流(負圧)を形成しつつ、金型70,70の上方に位置するノズル78から加熱されて軟化した中空パリソンPを垂下させる。この中空パリソンPは、金型70,70の上開口部80からキャビティ76へ供給され、前記吸引空気によってキャビティ76が有する湾曲形状に沿って案内される。次いで、金型70,70の上開口部80および下開口部72に対応的に配置した上シャッタ82,82および下シャッタ84,84を閉成して、前記キャビティ76を閉成する。また、図示しないブローピンを中空パリソンPに挿入して空気を吹き込み、図8(b)に示す如く、該パリソンPをキャビティ76に沿って膨張させ、冷却後に金型70,70から取り出すことで、湾曲形状を有する中空ダクトが製造される。
特許第4861299号 実用新案公報平4-52033号
前記中空パリソンPは、前記ノズル78の上流で約160℃〜350℃(使用する原料により異なる)の高温に加熱され、原料としての熱可塑性樹脂を軟化させてある。しかし、図8(a)に示すように、前記中空パリソンPは、前記ノズル78を出て金型70,70の上開口部80へ至るまでの距離を移動する間、外部空気に晒される。このため中空パリソンPは、温度差の大きい外部の空気に触れることで、中空パリソンPの外表面の温度が急激に低下する。中空パリソンPの原料となる熱可塑性樹脂は、温度依存性が高く、ブロー成形に適した硬度を維持できる温度範囲が狭い傾向にある。このため、外部空気に触れて温度が低下することで中空パリソンPの外表面が硬くなり、空気吸引されつつ前記キャビティ76の湾曲部76aを通過する際に、該パリソンPが曲がり難くなり詰まってしまうことがある。中空パリソンPがキャビティ76の湾曲部76aで詰まると、それより下流へのパリソン供給ができず成形不良を来たしてしまう。更に、詰まってからも中空パリソンPは金型70,70へ供給されるため、該金型70,70から溢れた中空パリソンPを除去しなくてはならない。また、温度低下により外表面が硬化し、柔軟性が不足する中空パリソンPを無理に吸引することで、該パリソンPの相対的に柔らかい部分が伸ばされ、成形体のダクトが偏肉してその耐圧力性能が低下するなど不良品になってしまう虞がある。また、中空パリソンPの射出後、該中空パリソンPを封止するため上下のシャッタ82,82,84,84を閉じるが、中空パリソンPの外表面が硬化すると、特に下シャッタ84,84が閉じなくなり、中空パリソンP内に空気を吹き込んでも該パリソンPが膨らまない虞もある。
前記問題に対処するため、特許文献2の図1に示すように、ノズル(ヘッド)10と金型1,2との間を外部空気の流通を妨げる上部カバー12で覆い、加熱装置24で加熱した該カバー12内の気体をサクションブロワ8で吸引させることでパリソン11の搬送気体を加熱して、パリソン11の外表面の温度低下を防いでいる。しかし、特許文献2の方法では、ノズル10の先端部に残留したパリソン11の余剰部は、該パリソン11を膨張させ冷却する間も、外部空気の流入が妨げられた前記上カバー12内にあるため、積極的な冷却がなされない。このようにパリソン11の余剰部の冷却が不十分なままで成形体を取り出すと、当該余剰部の樹脂が伸びて、ノズル10の先端部に歪な樹脂の塊が残ってしまう。この状態で次のダクトの製造を開始すると、前記ノズル10からのパリソン供給が阻害され、結果として成形不良を生じてしまう。また、冷却されない余剰部は、成形体を取り出す際に製品部分にくっついてしまうこともある。そこで、パリソン11における前記余剰部の冷却に時間をかけるようにすると、次の製造への移行が遅延して製造効率が悪くなる。
すなわち本発明は、従来のブロー成形技術に内在している前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、ノズルから金型へ供給されるパリソンの温度低下を防いでブロー成形品を効率良く製造する方法と、当該製造方法に使用される製造装置とを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
成形型における一対の割型を型締めすることで、該成形型の内部に湾曲形状のキャビティを画成し、ノズルからの中空パリソンを前記成形型の上開口部から前記キャビティへ供給すると共に、前記キャビティの下方から空気吸引を行って前記中空パリソンを該キャビティの湾曲形状に沿わせて案内することで、湾曲した部分を有するブロー成形品を製造する方法において、
前記一対の割型を型締めした後に、前記成形型の上開口部上方のパリソン通過領域を前記成形型に設けられた対向する発熱体で該パリソン通過領域を挟んだ状態で加熱し、
前記発熱体による加熱開始後に、前記中空パリソンを前記キャビティへ供給し、
前記成形型の上開口部を開閉するシャッタが閉成する動作に連係して前記発熱体を前記パリソン通過領域の周囲から退避させることで前記発熱体による前記パリソン通過領域の加熱を停止するようにしたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、パリソン通過領域を発熱体で加熱しながら中空パリソンをキャビティへ供給するようにしたので、パリソン通過領域を通過する際の、中空パリソンの外表面の温度低下を抑えることができる。すなわち、キャビティを案内される中空パリソンの硬化を抑制して、該中空パリソンをキャビティの湾曲形状に沿って移動させて該キャビティに行き渡らせることができる。また、上開口部を開閉するシャッタが閉成する動作に連係して発熱体をパリソン通過領域の周囲から退避するようにしたので、キャビティへの中空パリソンの供給が完了すると、パリソン通過領域への外部空気の流入が発熱体により妨げられない。このため、パリソン通過領域に残留する前記中空パリソンの余剰部を、該パリソン通過領域へ流入した外部空気により効果的に冷却できる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項に係る発明は、
開閉自在に対向配置した一対の割型からなり、該割型の型締めにより内部に湾曲形状のキャビティが画成されると共に、該キャビティの上方に上開口部が形成される成形型と、前記成形型の上方に配置され、加熱した中空パリソンを前記上開口部を介して前記キャビティへ供給するノズルと、前記夫々の割型の上部に対応的に配置されて、前記成形型の上開口部を開閉する一対のシャッタと、前記キャビティの下方から空気を吸引して、該キャビティへ供給された中空パリソンを該キャビティの湾曲形状に沿って案内するサクションブロワとを備えるブロー成形品の製造装置において、
前記割型の上部に配置され、該割型の型締めにより前記上開口部上方のパリソン通過領域を挟んで対向すると共に、前記シャッタが閉成する動作に連係して前記パリソン通過領域の周囲から退避するプレート状の発熱体を備えていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、割型の上部に、該割型の型締めによりパリソン通過領域を挟んで加熱するプレート状の発熱体を配置したので、パリソン通過領域を通過する中空パリソンの外表面の温度低下を抑えることができる。すなわち、キャビティを案内される中空パリソンの硬化を抑制して、中空パリソンをキャビティの湾曲形状に沿って移動させて該キャビティに行き渡らせることができる。また、パリソン通過領域を挟んで加熱するプレート状の発熱体により、パリソン通過領域を通る中空パリソンが受ける外部の風の影響を抑制できる。このため、パリソン通過領域を通過する際の中空パリソンの軌道の変化を防ぎ、該中空パリソンをキャビティへ安定して供給できる。また、発熱体をシャッタが閉成する動作に連係してパリソン通過領域の周囲から退避するよう構成したので、キャビティへの中空パリソンの供給が完了したタイミングで、パリソン通過領域の加熱が停止される。このため、ノズルとシャッタとの間のパリソン通過領域に残された中空パリソンの余剰部は、前記発熱体により加熱されない。更に、発熱体をパリソン通過領域の周囲から退避させたことで、該発熱体がパリソン通過領域への外部空気の流通を妨げないので前記中空パリソンの余剰部を、パリソン通過領域へ流入する外部空気により効果的に冷却できる。すなわち、前記中空パリソンの余剰部を迅速に冷却して、該余剰部をノズルからスムーズに切り離し、次のブロー成形品の製造に備えることができる。
請求項に係る発明は、前記プレート状の発熱体は、前記一方の割型の上部と、前記他方の割型の上部とに対をなして配置され、一方の割型に設けた発熱体と他方の割型に設けた発熱体とを相互に近接させることで該発熱体の発熱を開始し、両発熱体を離間させることで前記発熱を停止させることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、発熱体の動作により、該発熱体の発熱開始と発熱停止とを行うことができる。また、発熱体の動作と発熱体によるパリソン通過領域の加熱とを適切に連動させることができる。
請求項に係る発明は、前記プレート状の発熱体は前記シャッタに連係機構を介して連結され、前記シャッタを進退させて前記上開口部を開閉することで前記連係機構が動作して、前記発熱体の進退移動をなし得るようになっていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、シャッタを開閉することで、該シャッタと発熱体とを連結する連係機構が動作して、発熱体を進退移動させることができるので、シャッタを開閉する駆動手段とは別に発熱体を進退させる駆動手段を設ける必要がない。また、連係機構によりシャッタの動作が発熱体の動作に伝達されるので、シャッタの開閉動作と発熱体の進退動作とを適切に連係させることができる。
本発明に係るブロー成形品の製造方法およびブロー成形品の製造装置によれば、成形型へ供給されるパリソンの温度低下を防ぎブロー成形品を効率良く製造できる。
本発明の好適な実施例に係るダクトの製造装置の概略構成図であって、(a)は型開きした状態を示し、(b)は型締めした状態を示す。 本発明の好適な実施例に係るダクトの製造工程を示す説明図であって、(a)は割型を型締めする前の状況を示し、(b)は割型を型締めする前に、ノズルからパリソンを少量垂下させた状況を示し、(c)は割型を型締めした状況を示し、(d)はノズルからキャビティへパリソンを供給する状況を示している。 図2に続くダクトの製造工程を示す説明図であって、(a)は上シャッタを閉成した状況を示し、(b)はパリソンを膨張させた状況を示し、(c)は上シャッタを開放した状態を示し、(d)は割型を型開きした状況を示す。 (a)は図2(c)のX-X線断面図であり、(b)は図3(b)のY-Y線断面図である。 上シャッタを閉成する際の連係機構の動作を示す説明図であって、(a)は上シャッタ側の動作を示し、(b)はヒータ側の動作を示す。 上シャッタを開放する際の連係機構の動作を示す説明図であって、(a)は上シャッタ側の動作を示し、(b)はヒータ側の動作を示す。 図1に示す右側の割型を斜め上方から観察した概略斜視図であり、手前側のヒータを2点鎖線で示す。 従来のダクトを製造する工程の説明図であって、(a)はパリソンをキャビティへ供給する状況を示し、(b)はパリソンを膨張させた状況を示す。
次に、本発明に係るブロー成形品の製造方法およびブロー成形品の製造装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して説明する。実施例ではブロー成形品として、自動車のエンジンルームに配設される湾曲する部分を有するダクトを例示して説明する。なお、実施例では、一対の割型を左右に配置した場合を基準として方向を指称する。
(製造装置について)
図1に示すように、ダクトの製造装置10は、一対の割型14,14を備え、内部にキャビティ20を画成する成形型12と、中空のパリソンPを前記キャビティ20へ供給するノズル22と、前記割型14,14の上部に設けられた一対の上シャッタ24,24(シャッタ)と、前記割型14,14の下部に設けられた一対の下シャッタ34,34と、前記キャビティ20の下方から空気を吸引するサクションブロワ40と、前記割型14,14の上部に配置されたヒータ42(発熱体)とを備えている。
(成形型について)
図1に示すように、前記成形型12は、左右に対向配置した一対の割型14,14を、図示しない型開閉手段により開閉可能に構成されている。成形型12は、図1(a)に示す両割型14,14が離間する型開き状態から、両割型14,14を互いに近接させて型締めすることで、図1(b)に示す如く、内部に前記ダクトの外部輪郭形状に応じたキャビティ20が画成される。以下、特に断りがない場合は、製造装置10について割型14,14を型締めした状態で説明する。また、以下の説明において、割型14,14を開閉する方向を型開閉方向と云い、割型14,14を型締めする方向を型締め方向と云い、割型14,14を型開きする方向を型開き方向と云う。前記キャビティ20は、上下方向に長手が延在すると共に、上下方向の中央部に前記ダクトの湾曲する部分に対応する湾曲部20aが形成されている。また成形型12には、上部に前記キャビティ20の上端部に連通する上開口部16が形成されると共に、下部に該キャビティ20の下端部に連通する下開口部18が形成されている。すなわち、キャビティ20は、上開口部16および下開口部18により成形型12を上下に貫通するよう形成されている。
(ノズルについて)
図1に示すように、前記成形型12の上方には、前記上開口部16と上下に整列する位置に、前記ノズル22が配置されている。このノズル22は、熱可塑性樹脂を原料とする円筒状のパリソンPを、加熱して軟化させた状態で押出して垂下させるよう構成されている。なお、ノズル22から垂下されるパリソンPの外径は、前記キャビティ20を上流から下流まで通過し得る寸法に設定される。
(上シャッタについて)
図1および図4に示すように、前記割型14,14の上部には、前記上開口部16を開閉する前記一対の上シャッタ24,24が配設されている。上シャッタ24,24は、各割型14,14に1つずつ対応的に設けられ、前記型開閉方向に対向配置されている。図7に示すように、前記割型14,14の上部には、型開閉方向に延在する2つのシャッタレール30が、前記上シャッタ24,24を挟むように前後(型開閉方向に交差する方向)に離間して配設されている。そして、上シャッタ24,24は、下部に形成されたガイド部26を、前記シャッタレール30のガイド溝30aに摺動可能に挿入することで、割型14,14の上部に型開閉方向にスライド移動可能に支持されている。また、上シャッタ24,24における型開き方向側の面には、割型14,14の上部に配設された上シリンダ32の型開閉方向に伸縮可能なロッド32aが夫々固定されている。そして、上シャッタ24,24は、両上シリンダ32のロッド32aを同期して動作することで、互いに当接して前記上開口部16の上方に進出して前記上開口部16を閉成する閉成位置(図1(b)に2点鎖線で示す)と、前記上開口部16の上方から退避するよう互いに離間して該上開口部16を開放する開放位置(図1(b)に実線で示す)との間を進退移動するよう構成されている。なお、図1(b)に示すように、上シャッタ24,24には、該上シャッタ24,24を閉成した際に、前記上開口部16を介して前記キャビティ20に連通する上方空間28が形成されている。また、上シャッタ24,24には、キャビティ20に供給されたパリソンPの内部に空気を吹き込むブローピン(図示せず)が前後方向に進退可能に配設されている。
(下シャッタについて)
図1に示すように、前記割型14,14の下部には、前記下開口部18を開閉する前記一対の下シャッタ34,34が配設されている。この下シャッタ34,34は、各割型14,14に1つずつ対応的に設けられ、前記型開閉方向に対向配置されている。前記上シャッタ24,24と同様に、下シャッタ34,34は、シャッタレール(図示せず)により割型14,14の下部に型開閉方向にスライド移動可能に支持されている。また、下シャッタ34,34は、対応的の設けられた下シリンダ36により、互いに当接して前記下開口部18を閉成する閉成位置(図1(b)に2点鎖線で示す)と、互いに離間して前記下開口部18を開放する開放位置(図1(b)に実線で示す)との間を進退移動するよう構成されている。なお、図1(b)に示すように、下シャッタ34,34には、下開口部18を閉成した状態で、該下開口部18記キャビティ20に連通する下方空間38が形成されている。また、前記下シャッタ34,34の下方には、下開口部18を介してキャビティ20の空気を吸引し、該キャビティ20に下方へ向かう気流を作成するサクションブロワ40が配設されている。
図1(b)に示すように、前記上シャッタ24,24を開放することで、前記ノズル22と上開口部16との間のパリソンPが通るパリソン通過領域Rと前記キャビティ20とが連通し、該キャビティ20へのパリソンPの供給が許容される。また、前記下シャッタ34,34を開放することで、前記サクションブロワ40の吸引口40aとキャビティ20とが連通する。そして、前記上シャッタ24,24および下シャッタ34,34を閉成することで、前記キャビティ20は空間的に閉鎖される。
(ヒータについて)
図1および図4に示すように、前記各割型14,14の上部には、前記上シャッタ24,24の上端部より上方まで延在する2枚のプレート状のヒータ42,42が配設されている。各割型14,14の2枚のヒータ42,42は、前記上シャッタ24,24を挟むよう前後に離間すると共に互いに板面を対向させて配置されている。そして、各割型14,14の2つヒータ42,42は、他方の割型14,14の2つのヒータ42,42と型開閉方向に整列して配置され、該他方の割型14,14の整列するヒータ42,42と対をなしている。すなわち、成形型12の上部には、両割型14,14に分かれて配置された2枚のヒータ42,42からなるヒータ対42Aが2組設けられている。
図7に示すように、割型14,14の上部には、型開閉方向に延在するヒータレール48が、各ヒータ42に隣接して配設されている。前記ヒータ42は、下部に形成されたガイド部44を、前記ヒータレール48のガイド溝48aに摺動可能に挿入することで、割型14,14の上部に型開閉方向にスライド移動可能に支持されている。そして、ヒータ42は、詳細は後述する連係機構50を作動することで、前記上開口部16上方の前記パリソン通過領域Rと前後に重なるよう該パリソン通過領域R側へ進出する作動可能位置(図5(b)参照)と、パリソン通過領域Rの周囲から退避する待機位置(図6(b)参照)とに進退移動可能に構成されている。前記ヒータ対42Aを構成する2つのヒータ42,42は、各ヒータ42に連結された連係機構50を同期して作動することで、互いに近接するよう型締め方向へ移動して前記作動可能位置へ進出し、互いに離間するよう型開き方向へ移動して待機位置へ退避する。
図1(b)および図4(a)に示すように、実施例の前記ヒータ対42Aは、前記作動可能位置で互いに対向する各ヒータ42の型締め方向側の端部42aが当接するよう寸法設定され、作動可能位置で両ヒータ42,42を合体させて一体化するようになっている。また、図5(b)および図6(b)に示すように、ヒータ対42Aにおける作動可能位置で接触する型締め方向側の端部42aには、互いに接触することで発熱を開始し、接触が解除されることで発熱を停止する接触スイッチ46,46が夫々設けられている。すなわち、前記ヒータ42は、作動可能位置で対をなす他方のヒータ42に接触すると発熱し、作動可能位置から退避して該他方のヒータ42と離間すると発熱を停止する。
(連係機構について)
図7に示すように、前記ヒータ42は、前記上シャッタ24,24に、該上シャッタ24,24の開閉動作を該ヒータ42の進退動作に連係させる連係機構50で連結されている。各割型14,14に設けた2つのヒータ42,42は、該割型14,14に設けた片側の上シャッタ24に前記連係機構50を介して夫々連結され、該片側の上シャッタ24を開閉方向へスライドすることで、2つの連係機構50が同期して動作して、該割型14,14の2つのヒータ42,42を連係して進退させるようになっている。そして、各上シャッタ24,24に設けた両上シリンダ32,32を同期して作動することで、4つのヒータ42,42,42,42は、前記作動可能位置および前記待機位置の間を同期して進退移動するようになっている。なお、上シャッタ24,24およびヒータ42は、上シャッタ24,24が開放位置にある場合、ヒータ42は作動可能位置となり、上シャッタ24,24が閉成位置にある場合、ヒータ42は待機位置となるよう連係機構50で連結されている。また、割型14,14を型開きした状態では、上シャッタ24,24および下シャッタ34,34は開放位置にあり、ヒータ42は作動可能位置にあるよう設定されている。
前記連係機構50は、前記割型14,14に回転可能に軸支されたピニオンギア52と、前記上シャッタ24,24における前記ヒータ42と対向する面に固定され、前記ピニオンギア52に噛合するシャッタラック54と、前記ヒータ42における上シャッタ24,24と対向する面に固定され、前記ピニオンギア52に噛合するヒータラック56とを備えている。前記ピニオンギア52は、前後方向に延在する回転軸52cの両端に固定されたシャッタ側ギア部52aと、ヒータ側ギア部52bとを備えている。なお、前記回転軸52cは、割型14,14の上部に固定された軸受部53により回転可能に支持され、前記シャッタ側ギア部52aおよびヒータ側ギア部52bは該回転軸52cと一体的に回転する。前記シャッタラック54は、型開閉方向に延在し、下面で前記シャッタ側ギア部52aと噛合する。また、前記ヒータラック56は、型開閉方向に延在し、上面で前記ヒータ側ギア部52bと噛合する。このように、シャッタラック54およびヒータラック56は、前記ピニオンギア52を挟んで上下の関係で配置され、該ピニオンギア52の回転により両ラック54,56における噛み合い位置が逆方向へ移動するようになっている。
図1(b)および図4(a)に示すように、前記ヒータ42は、前記作動可能位置では、2組の前記ヒータ対42A,42Aで、前記パリソン通過領域Rを前後に挟んで対向し、該通過領域Rを加熱する。作動可能位置にある各ヒータ42の型開放方向側の両端は、開放位置にある両上シャッタ24,24における型締め方向側の端部よりも、型開放方向側へ延出するよう寸法設定されている。そして、ヒータ42が作動可能位置にある場合、パリソン通過領域Rは、ヒータ42および上シャッタ24,24により囲繞されるようになっている。また、実施例のヒータ42は、前記作動可能位置において、ヒータ42の型締め方向側の端部42aと、該ヒータ42の設けられた割型14,14における型締め方向側の端部とが略揃うよう寸法設定されている。また、図3(b)およびお図4(b)に示すように、ヒータ42は、前記待機位置では、前記パリソン通過領域Rの周囲から退避して、前記パリソン通過領域Rと前後方向に重ならず、外部とパリソン通過領域との間の空気の出入りを阻害しないようになっている。
図5を参照して、上シャッタ24,24を閉成する際の連係機構50の動作について説明する。図5(a)は、開放位置にある上シャッタ24,24を閉成する際の、上シリンダ32、上シャッタ24,24、シャッタラック54およびシャッタ側ギア部52aの動作を示し、図5(b)は、開放位置にある上シャッタ24,24を閉成する際の、ヒータ42、ヒータラック56およびヒータ側ギア部52bの動作を示している。前記上シリンダ32のロッド32aを同期して型締め方向へ伸長させて、図5(a)に白抜き矢印で示す如く、上シャッタ24,24を型締め方向へ移動すると、図5(a)に2点鎖線の矢印で示す如く、該上シャッタ24,24に固定された前記シャッタラック54も型締め方向へ移動する。このシャッタラック54の移動に伴い、該シャッタラック54の下面に噛合する前記シャッタ側ギア部52aは、図5(a)に実線の矢印で示す方向へ回転する。この際、前記ヒータ側ギア部52bは、前記シャッタ側ギア部52aと一体的に、図5(b)に実線の矢印で示す方向へ回転する。そして、前記ヒータ側ギア部52bと上面で噛合する前記ヒータラック56は、該噛み合いにより図5(b)に2点鎖線の矢印で示す型開き方向へ移動し、該ヒータラック56が固定された前記ヒータ42も図5(b)に白抜き矢印で示す型開き方向へ移動する。このように、連係機構50は、上シャッタ24,24を閉成する動作に連係させてヒータ42を作動可能位置から待機位置へ退避させるようになっている。
次に、図6を参照して、上シャッタ24,24を開放する際の連係機構50の動作について説明する。図6(a)は、閉成位置にある上シャッタ24,24を開放する際の、上シリンダ32、上シャッタ24,24、シャッタラック54およびシャッタ側ギア部52aの動作を示し、図6(b)は、閉成位置にある上シャッタ24,24を開放する際の、ヒータ42、ヒータラック56およびヒータ側ギア部52bの動作を示している。前記上シリンダ32のロッド32aを同期して型開き方向へ引き込み、図6(a)に白抜き矢印で示す如く、上シャッタ24,24を型開き方向へ移動すると、図6(a)に2点鎖線の矢印で示す如く、該上シャッタ24,24に固定された前記シャッタラック54も型開き方向へ移動する。このシャッタラック54の移動に伴い、該シャッタラック54の下面に噛合する前記シャッタ側ギア部52aは、図6(a)に実線の矢印で示す方向へ回転する。この際、前記ヒータ側ギア部52bは、前記シャッタ側ギア部52aと一体的に、図6(b)に実線の矢印で示す方向へ回転する。そして、前記ヒータ側ギア部52bと上面で噛合する前記ヒータラック56は、該噛み合いにより図6(b)に2点鎖線の矢印で示す型締め方向へ移動し、該ヒータラック56が固定された前記ヒータ42も図6(b)に白抜き矢印で示す型締め方向へ移動する。このように、連係機構50は、上シャッタ24,24を開放する動作に連係させてヒータ42を待機位置から作動可能位置へ進出させるようになっている。
次に、前述の製造装置10を用いたダクトの製造方法について、主に図2および図3を参照して説明する。図2(a)に示すように、前記割型14,14を型開きした状態では、前記上シャッタ24,24および下シャッタ34,34は開放位置にあり、前記ヒータ42は作動可能位置にある。この際、前記ヒータ対42Aの接触スイッチ46,46は互いに離間しており、ヒータ42は発熱を停止している。図2(b)に示すように、割型14,14を型締めする前に、ノズル22からパリソンPを少しだけ押出し、パリソンPの先端部Paをパリソン通過領域Rの空気に接触させて冷却して硬化させる。
次に、図2(c)に示すように、前記型開閉手段により割型14,14を型締めして、成形型12の内部に前記キャビティ20を画成する。前記上シャッタ24,24および下シャッタ34,34は開放位置にあるので、キャビティ20は、前記上開口部16を介して前記パリソン通過領域Rに連通すると共に、前記下開口部18を介して前記サクションブロワ40の吸引口40aに連通する。そして、型締めした状態で、サクションブロワ40の吸引口40aからキャビティ20の空気を吸引することで、キャビティ20に下方へ向かう気流を形成する。また、型締めにより、前記ヒータ対42Aを構成する作動可能位置にある両ヒータ42,42は当接し、各ヒータ42の当接する端部42aに設けた接触スイッチ46,46が接触し、ヒータ42の発熱が開始される。このヒータ42の発熱により、図4(a)に示す如く、2組の前記ヒータ対42Aで前後に挟まれた前記パリソン通過領域Rの雰囲気温度は上昇する。この際、パリソン通過領域Rは、2組の前記ヒータ対42A,42Aおよび前記上シャッタ24,24に囲繞され外部からの空気の流通が妨げられているので、該パリソン通過領域Rの雰囲気温度は、ヒータ42の発熱により効果的に上昇する。
図2(d)に示すように、前記ヒータ42による加熱開始後に、該加熱を行いながら、前記ノズル22からパリソンPを垂下させ、前記上開口部16を介して該パリソンPをキャビティ20へ供給する。この際パリソンPは、前記ヒータ42で加熱中のパリソン通過領域Rを通過する。そして、キャビティ20へ供給されたパリソンPは、前記先端部Paを先頭として前記サクションブロワ40で作成した気流によりキャビティ20の湾曲形状に沿って案内される。
図3(a)に示すように、パリソンPの先端部Paが下シャッタ34,34を通過したタイミングで前記上シャッタ24,24および下シャッタ34,34を閉成して、前記キャビティ20を閉鎖する。パリソンPは、上シャッタ24,24および下シャッタ34,34で挟まれた箇所で封をされる。この際、パリソン通過領域Rには、ノズル22から前記上シャッタ24,24間のパリソンPの余剰部Pbが残留する。また、上シャッタ24,24を閉成する動作に連係して前記ヒータ42は、作動可能位置から待機位置へ退避し、接触スイッチ46,46が離間して発熱を停止する。すなわち、上シャッタ24,24を閉成するタイミングで、ヒータ42によるパリソン通過領域Rの加熱が停止されると共に、ヒータ42は待機位置へ退避する。パリソン通過領域Rの雰囲気温度は、前記加熱の停止と、外部からの空気の流入とにより速やかに低下する。
図3(b)に示すように、キャビティ20を閉鎖した状態で、上シャッタ24,24に設けた前記ブローピンをパリソンPに挿入し、該パリソンPの内部に空気を吹き込んでパリソンPを膨張させることで、キャビティ20に合致した形状の中間成形体Iを成形する。そして、中間成形体Iが十分に硬化するまで冷却後、図3(c)に示すように、上シャッタ24,24および下シャッタ34,34を開放する。この上シャッタ24,24を開放する動作に連係して、前記ヒータ42は、待機位置から作動可能位置へ進出する。前記上シャッタ24,24および下シャッタ34,34の開放が完了すると、図3(d)に示すように、割型14,14を型開きし、中間成形体Iを取り出す。なお、割型14,14の型開きは、ヒータ42の作動可能位置への到達と同時に開始されるよう設定してあり、該ヒータ42が発熱することはない。また、割型14,14を型開きした状態で、ヒータ42の型締め方向側の端部42aと割型14における型締め方向側の端部とが略揃っているので、ヒータ42により中間成形体Iの取り出しが阻害されることもない。成形型12から取り出した中間成形体Iは、上端部および下端部をカットして目的とするダクトの形状にされる。なお、前記パリソン通過領域RにあったパリソンPの余剰部Pbは、中間成形体Iを取り出す際には冷却されているので、ノズル22からきれいに分離し、中間成形体Iとともに取り出される。そのため、特にパリソン余剰部Pbを除去する作業等を行わなくても次のダクトの製造を開始できる。
〔実施例の作用〕
実施例のダクトの製造方法によれば、パリソン通過領域Rをヒータ42で加熱しながらパリソンPをキャビティ20へ供給するようにしたので、パリソン通過領域Rを通過する際の、パリソンPの外表面の温度低下を抑えることができる。すなわち、キャビティ20へ案内されるパリソンPの硬化を抑制して、パリソンPをキャビティ20の湾曲形状に沿って該キャビティにパリソンPを行き渡らせることができる。更に、パリソンPの外表面の温度低下を抑えることで、パリソンPの硬化による下シャッタ34,34の閉成不良の発生も抑制されるので、前記下シャッタ34,34を確実に閉成できる。このため、下シャッタ34,34の動作不良に由来する成形不良の発生も抑えることができる。また、パリソンPをキャビティ20へ供給する際に、プレート状のヒータ42でパリソン通過領域Rを挟んで加熱するようにしたので、該ヒータ42により、パリソン通過領域Rを通るパリソンPの軌道を変動させる外部の風の影響を抑制できる。このため、パリソン通過領域Rを通過するパリソンPの軌道を安定させて、前記成形型12の上開口部16からパリソンPをキャビティ20へ確実に供給できる。
また、上シャッタ24,24を閉成する動作に連係してヒータ42の発熱を停止するようにしたので、キャビティ20へのパリソンPの供給が完了したタイミングで、パリソン通過領域Rの加熱が停止される。このため、パリソン通過領域Rに残留する前記パリソンPの余剰部Pbが、ヒータ42で加熱されない。すなわち、パリソンPの余剰部Pbの冷却時間を長く確保して、ノズル22からの余剰部Pbの切り離しをきれいに行うことができ、次のダクトの製造へ効率良く移行できる。また、余剰部Pbを十分に冷却することで、該余剰部Pbとノズル22の切断部位の樹脂が伸びてノズル22に歪な樹脂の塊が残ることはなく、切断面を整えることができる。このため、次のダクトの製造において、ノズル22に残った樹脂の塊によりキャビティへのパリソンPの供給が阻害されるのを抑制し、パリソンPをキャビティ20へ安定して供給できる。更に、上シャッタ24,24を閉成する動作に連係してヒータ42を待機位置へ退避させるようにしたので、キャビティ20へパリソンPの供給が完了したタイミングで、ヒータ42がパリソン通過領域Rへの外部空気の流入を妨げないようになる。このため、パリソン通過領域Rの雰囲気温度は、外部空気の流入により速やかに低下する。すなわち、前記パリソンPの余剰部Pbをより効果的に冷却できる。
また、割型14,14を型締めする前に、ノズル22から少量のパリソンPを垂下させ、パリソンPの先端部Paを冷却して硬化させるようにしたので、先頭となってキャビティ20を通過するパリソンPの先端部Paがキャビティ20を滑らかに通過する。すなわち、パリソンPの先端部Paが、キャビティ20の湾曲部20aで引っ掛かって止まるのを抑制し、パリソンPをキャビティ20へ行き渡らせることができる。なお、パリソンPの先端部Paが前記下シャッタ34,34を通過したタイミングで該下シャッタ34,34を閉成するようにしたので、パリソンPの硬化した先端部Paにより下シャッタ34,34の閉成が阻害されることはない。
実施例のダクトの製造装置によれば、割型14,14の上部に、該割型14,14の型締めにより前記パリソン通過領域Rを前後に挟んで対向し、該パリソン通過領域Rを加熱する前記2組のヒータ対42A,42Aを配設したので、パリソン通過領域Rを通過する際の、パリソンPの外表面の温度低下を抑えることができる。このため、前述の製造方法と同様に、キャビティ20にパリソンPを行き渡らせることができ、下シャッタ34,34を確実に閉成し得るという効果も期待できる。また、プレート状のヒータ対42Aでパリソン通過領域Rを前後に挟むよう構成したので、前記製造方法と同様に、該ヒータ対42Aにより、パリソン通過領域Rを通るパリソンPの軌道を変動させる外部の風の影響を抑制できる。更に、パリソン通過領域Rをヒータ42および上シャッタ24,24で囲繞するよう構成したので、外部の風の影響をより効果的に抑えることができる。なお、ヒータ対42Aを構成する両ヒータを作動可能位置で一体化するようにしたので、両ヒータの間に隙間がある場合に比べて、外部の風を抑制する効果やパリソン通過領域を加熱する効果が高い。
また、上シャッタ24,24が閉成する動作に連係してヒータ42を待機位置へ退避させるよう構成したので、キャビティ20へのパリソンPの供給が完了したタイミングで、パリソン通過領域Rの加熱が停止されると共に、ヒータ42がパリソン通過領域Rへの外部空気の流入を妨げないようになる。このため、前述の製造方法と同様に、パリソン通過領域Rの雰囲気温度を速やかに低下させ、前記パリソンPの余剰部Pbを効率良く冷却できる。
また、前記ヒータ対42Aを構成する両ヒータ42,42に接触スイッチ46を夫々設け、両ヒータ42,42が互いに近接し、両接触スイッチ46,46が接触することでヒータ42の発熱が開始され、両ヒータ42,42が互いに離間し、両接触スイッチ46,46が離間するとヒータ42の発熱が停止されるよう構成したので、ヒータ42の進退動作により該ヒータ42の発熱を制御できる。また、ヒータ42の進退動作と該ヒータ42の発熱状態とを適切に連動させることができる。
また、2つのヒータ42,42と上シャッタ24,24とを連係機構50で連結し、上シャッタ24,24を開閉する上シリンダ32のロッド32aを伸縮することで、該連係機構50を作動させてヒータ42を進退させるようにしたので、ヒータ42を進退させる別の駆動源を設定する場合に比べてコストを抑えることができる。更に、前記連係機構50により、上シャッタ24,24の開閉動作とヒータ42と進退動作とを確実に連係させることができる。また、2つのラック54,56と、ピニオンギア52とから連係機構50を構成したので、上シャッタ24,24の開閉動作とヒータ42の進退動作との連係を簡単な構成で実現できる。
このように、実施例のダクトの製造方法およびダクトの製造装置によれば、パリソンPをキャビティ20へ行き渡らせることができるので、パリソンPの外表面の温度低下が懸念される長尺なダクトや、蛇腹のような凹凸形状を含めた複雑な湾曲形状を有するダクトを製造できる。また、パリソンPの外表面の温度低下を抑制することで、成形型12の設定温度を下げることも可能となるので、前記中間成形体Iの冷却に要する時間の短縮も期待できる。
〔変更例〕
前述した実施例の製造方法および実施例の製造方法に限定されず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1)実施例では、ブロー成形品として自動車のエンジンルームに配設されるダクトを例に挙げたが、これに限定されない。例えば、空調設備に用いられるホースや、建物等に配設されるダクト等であってもよい。
(2)実施例では、発熱体としてプレート状のヒータを作用したが、電熱線や、熱風を発生する装置等であってもよい。
(3)実施例では、接触スイッチを備える発熱体を例に挙げて説明したが、近接すると発熱を開始し、離間すると発熱を停止する近接スイッチを採用してもよい。また、発熱体の移動とは関係なく、発熱体の発熱開始や発熱停止を制御してもよい。更に、発熱したままの発熱体をパリソン通過領域の周囲から退避することで、該発熱体によるパリソン通過領域の加熱を停止してもよい。
(4)実施例では、パリソン通過領域を挟んで加熱する発熱体を例に挙げて説明したが、発熱体の配置はこれに限定されない。また、発熱体の数は、3つ以下や5つ以上であってもよい。例えば、1つの発熱体でパリソン通過領域を加熱してもよい。
(5)実施例では、ピニオンギアと2つのラックとからなる連係機構を採用したが、シャッタと発熱体とを連係して動作させ得る機構であれば特に限定されない。なお、発熱体は、シャッタとは別の駆動手段により進退動作させてもよく、割型に固定され進退しない構成であってもよい。
(6)割型の型締め前にノズルから少量のパリソンを垂下させる工程は省略してもよい。
10 製造装置,12 成形型,14 割型,16 上開口部,20 キャビティ,
22 ノズル,24 上シャッタ(シャッタ),42 ヒータ(発熱体),50 連係機構,
P パリソン(中空パリソン),R パリソン通過領域

Claims (4)

  1. 成形型における一対の割型を型締めすることで、該成形型の内部に湾曲形状のキャビティを画成し、ノズルからの中空パリソンを前記成形型の上開口部から前記キャビティへ供給すると共に、前記キャビティの下方から空気吸引を行って前記中空パリソンを該キャビティの湾曲形状に沿わせて案内することで、湾曲した部分を有するブロー成形品を製造する方法において、
    前記一対の割型を型締めした後に、前記成形型の上開口部上方のパリソン通過領域を前記成形型に設けられた対向する発熱体で該パリソン通過領域を挟んだ状態で加熱し、
    前記発熱体による加熱開始後に、前記中空パリソンを前記キャビティへ供給し、
    前記成形型の上開口部を開閉するシャッタが閉成する動作に連係して前記発熱体を前記パリソン通過領域の周囲から退避させることで前記発熱体による前記パリソン通過領域の加熱を停止するようにした
    ことを特徴とするブロー成形品の製造方法。
  2. 開閉自在に対向配置した一対の割型からなり、該割型の型締めにより内部に湾曲形状のキャビティが画成されると共に、該キャビティの上方に上開口部が形成される成形型と、前記成形型の上方に配置され、加熱した中空パリソンを前記上開口部を介して前記キャビティへ供給するノズルと、前記夫々の割型の上部に対応的に配置されて、前記成形型の上開口部を開閉する一対のシャッタと、前記キャビティの下方から空気を吸引して、該キャビティへ供給された中空パリソンを該キャビティの湾曲形状に沿って案内するサクションブロワとを備えるブロー成形品の製造装置において、
    前記割型の上部に配置され、該割型の型締めにより前記上開口部上方のパリソン通過領域を挟んで対向すると共に、前記シャッタが閉成する動作に連係して前記パリソン通過領域の周囲から退避するプレート状の発熱体を備えている
    ことを特徴とするブロー成形品の製造装置。
  3. 前記プレート状の発熱体は、前記一方の割型の上部と、前記他方の割型の上部とに対をなして配置され、一方の割型に設けた発熱体と他方の割型に設けた発熱体とを相互に近接させることで該発熱体の発熱を開始し、両発熱体を離間させることで前記発熱を停止させる請求項記載のブロー成形品の製造装置。
  4. 前記プレート状の発熱体は前記シャッタに連係機構を介して連結され、前記シャッタを進退させて前記上開口部を開閉することで前記連係機構が動作して、前記発熱体の進退移動をなし得るようになっている請求項または記載のブロー成形品の製造装置。
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