JP6391145B2 - 可倒式柵 - Google Patents

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Description

本発明は、通路に沿って設置され、通路の外側に倒すことができる可倒式柵に関する。
従来、トンネル内や崖などの法面の上に設けられた通路を歩行者や作業員などが歩行する際に通路から転落するのを防止する転落防止柵が知られている。また、歩道と車道を区画する柵など通路からの立ち入りを禁止する柵が知られている。しかし、幅の狭い通路に転落防止柵などの柵が設けられると、清掃や設備交換などの保守点検作業をする際に、転落防止柵などの柵の存在が障害となる。このため、作業が困難であったり、十分な作業スペースを確保できなかったりするという問題があった。
そこで、このような場合、作業スペースを確保するために柵を撤去することが考えられる。しかし、柵を撤去すると、今度は再設置するためには大変な手間とコストが掛かってしまうという問題が発生する。これらの問題を解決することを課題として、例えば、特許文献1及び2に、柵を撤去することなく作業スペースを確保できる発明が開示されている。
特許文献1に開示された可倒式ハンドレール(転落防止柵)は、脚部3aに設けた側方突片4を固定ベース2に設けた1対の直立突片5にピン部材6によりハンドレール本体1を固定ベース2に回動自在に連結し、脚部3aに設けた後方突片8及び固定ベース2に設けた後方直立突片9に閂バー部材10を嵌入可能にすると共に、閂バー部材10に設けた把手レバー12を固定ベース2に設けた傾斜ロックプレート部13と後方直立突片9及び側壁11aとの間の間隙に把手レバー12を嵌め込んだとき閂バー部材10を閉鎖位置と開放位置とにロック可能にするものである。
このため、特許文献1に開示された可倒式ハンドレールは、高速道路内トンネル壁面及び歩道清掃後のハンドレールの再設置を簡単にするという作用効果を奏するものである(特許文献1の明細書の段落0012〜0022、0033、図面の図4等参照)。
また、特許文献2に開示された転落防止柵は、管理通路の車道側近傍に埋設したケースパイプ2に支柱部材6を嵌挿し、支柱部材6に形成した曲折部11をケースパイプ2内に位置させて直立状態を維持し、支柱部材6を上昇させて、係合部10において倒し、曲折部11で更に折曲げて、支柱部材6を管理通路面に沿い、且つ、管理通路の側壁に垂下させるものである。
このため、特許文献2に開示された転落防止柵は、転落防止柵で高速道路のトンネル内における管理通路の作業員の転落防止をはかることができ、トンネル内壁面の清掃時には、支柱部材をケ−スパイプから上昇させて管理通路面に沿わせて倒し、更にこの管理通路の車道側の側壁面に沿って垂下させるという操作によって、前記の清掃の能率を大幅に向上させることができるという作用効果を奏するものである(特許文献2の明細書の段落0009〜0017、図面の図1、図3等参照)。
特開平09−059946号公報 特開平06−158618号公報
しかし、特許文献1、2に開示された可倒式ハンドレールや転落防止柵などの可倒式の柵は、柵を倒した場合に、通路の外側(谷側)である車道側の側壁に沿って垂下する状態となる。そうすると、この柵を起こす際の回動支点が通路の外側にあるため、保守点検作業が終了した後に、垂下した状態から元の直立状態に戻すためには、通路の外側へ身を乗り出して柵の支柱を掴んで回し起こさねばならない。このため、通路の外側へ転落するおそれがあり危険であるという問題点がある。
また、特許文献1、2に開示された可倒式ハンドレールや転落防止柵は、柵が倒れて垂下した状態から元の直立状態に戻すためには、保守点検作業が終了した後に、柵の支柱の根元部分を持って回し起こさねばならない。このため、支点である柵の回動軸から柵を握った力点までの距離が短く、回し起こす際のモーメントが大きくなってしまう。そうすると、柵を起立させる際に大きな力(腕力)が必要であり、重労働であると共に、一人で作業することができないという問題点もある。それに加えて、柵の設置距離が長い場合は、大変な労力と長い作業時間を要してしまうという問題点もある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、柵を外側へ倒したり、柵を回し起こし元の状態に戻したりする際に通路から身を乗り出す必要がなく、安全に作業をすることができる可倒式柵を提供することにある。
第1発明に係る可倒式柵は、通路に沿って設置され、前記通路の側に倒すことができる可倒式柵であって、前記通路に沿って立設固定される複数のベース部と、前記ベース部に嵌合されて支持される柵状体とを備え、前記柵状体は、前記ベース部に着脱自在に嵌合される複数本の支柱と、前記複数本の支柱に架け渡された1本又は複数本の横桟とを有し、前記支柱には、長孔が形成され、前記長孔には、前記ベース部と前記柵状体とを回動自在に連結する連結部材が挿通され、前記連結部材は、前記ベース部の部材上に前記長孔に対して摺動可能に取り付けられており、前記柵状体は、前記長孔に沿って上下に移動することで前記ベース部に着脱自在となっていると共に、通路上に位置する前記連結部材を中心に前記谷側の斜面の勾配に沿って略平行となるまで傾倒可能に構成され、且つ前記長孔に沿ってスライド移動させて重心位置を前記連結部材に近づけ、揺動する際のモーメントを小さくした状態で起立可能に構成されていることを特徴とする。
第2発明に係る可倒式柵は、第1発明において、前記ベース部と前記支柱とは、低摩擦ワッシャを介して前記連結部材で連結されることを特徴とする。
第3発明に係る可倒式柵は、第1発明又は第2発明において、前記柵状体は、前記支柱が前記ベース部に内嵌されることにより、前記ベース部に連結して支持されるよう構成され、前記長孔は、前記支柱に形成されていることを特徴とする。
第4発明に係る可倒式柵は、第3発明において、前記ベース部には、前記柵状体が所定角度回動可能なように通路側及び側に、それぞれ前記支柱の幅を超える幅を有する切欠きが形成されていることを特徴とする。
発明に係る可倒式柵は、第1発明乃至第4発明の何れかの発明において、前記ベース部は、水平断面において2方向にリブを有する補剛部材を有することを特徴とする。
発明に係る可倒式柵は、第1発明乃至第発明の何れかの発明において、前記柵体には、線条体を連結する接続具が取り付けられていることを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、柵状体の支柱が、長孔に沿って摺動して通路に沿って立設固定されるベース部の部材上に取り付けられた連結部材の軸を中心に柵状体が回動するので、柵を倒したり起こしたりする柵の傾倒・起立の作業の際に、通路から身を乗り出す必要がなく、安全に作業をすることができる。また、スライド移動させて重心位置を前記連結部材に近づけ、揺動する際のモーメントを小さくした状態で起立可能に構成されているので、作用点となる柵状体の重心位置から力点までの距離が小さくなり、従来の可倒式柵と比べて小さなモーメントで柵を元の状態に起立させることができる。
また、第1発明〜第発明によれば、柵状体がベース部に連結部材で連結された状態で柵状体をベース部から上方に引き抜いて傾倒することができるので、保守点検作業をする際に、従来の柵のように柵を撤去したり、その撤去した柵を仮置きしたりする必要がなく、保守点検作業の作業時間を短縮して作業効率を向上させることができる。
特に、第2発明によれば、ベース部と支柱とは、低摩擦ワッシャを介して連結部材で連結されるので、連結部材の軸を中心に支柱を回動(揺動)させる際に摩擦抵抗を減らして傾倒又は起立の動作をスムーズにすることができる。このため、柵を起立させる際にも少ない力で作業をすることができる。
第3発明、第4発明によれば、柵状体の支柱がベース部に内嵌されるタイプの可倒式柵において、前記作用効果を奏することができる。
特に、第4発明によれば、長孔の下端以外である中央付近から上端までの間に連結部材の軸が位置する場合において、即ち長穴の中央寄りにおいて柵状体を回動することができるように構成されているので、柵を起立させる際に、柵状体を長穴に沿って引き上げた後、柵状体を回動させて起立させることができる。このため、作用点となる柵状体の重心位置から力点までの距離が小さくなり、従来の可倒式柵と比べて小さなモーメントで柵を元の状態に起立させることができる。
特に、第発明によれば、水平断面において2方向にリブがある補剛部材を有するので、柵状体を支持するベース部の曲げ剛性を高めることができ、可倒式柵の耐久性が向上する。
特に、第発明によれば、柵体には、線条体を連結する接続具が取り付けられているので、線条体を用いてゆっくり柵状体を揺動させることができ、傾倒・起立作業の際に可倒式柵が損傷することを防げる。また、柵状体の倒れ込む勢いで転落することも防ぐことができ、安全性が向上する。
本発明を適用した一実施の形態である第1実施形態に係る可倒式柵とその設置場所を示す斜視図である。 図1の可倒式柵の柵状体を倒した状態を示す斜視図である。 図1の可倒式柵をX方向に見た状態を示す正面図である。 図1の可倒式柵をY方向に見た状態を示す右側面図である。 図1の可倒式柵をZ方向に見た状態を示す平面図である。 図1の可倒式柵の設置場所を主に示す斜視図である。 図1で示した可倒式柵のベースを示す斜視図である。 図7のベースをX方向に見た正面図である。 図7のベースをX反対方向に見た背面図である。 図7のベースをY方向に見た右側面図である。 図7のベースをZ方向に見た平面図である。 図1で示した可倒式柵の柵状体を示す斜視図である。 図12の柵状体をX方向に見た正面図である。 図12の柵状体をY方向に見た右側面図である。 図1で示した可倒式柵の連結部材を主に示す部分拡大図である。 図4の状態から柵状体を上方に引き上げた状態を示す右側面図である。 図16の状態から柵状体を外側に倒した状態を示す右側面図である。 図17の状態から柵状体を上方に引き上げた状態を示す右側面図である。 図18の状態から柵状体を矢印方向に回動した状態を示す右側面図である。 本発明を適用した一実施の形態である第2実施形態に係る可倒式柵とその設置場所を示す斜視図である。 図20で示した可倒式柵のベースを示す斜視図である。 図20で示した可倒式柵の柵状体を示す斜視図である。 図20の可倒式柵をY方向に見た状態を示す右側面図である。 図23の状態から柵状体を上方に引き上げた状態を示す右側面図である。 図24の状態から柵状体を外側に倒した状態を示す右側面図である。 本発明を適用した一実施の形態である第3実施形態に係る可倒式柵とその設置場所を示す斜視図である。 図26の可倒式柵をX方向に見た状態を示す正面図である。 図26の可倒式柵をY方向に見た状態を示す右側面図である。 図26の可倒式柵をZ方向に見た状態を示す平面図である。 図26で示した可倒式柵のベースを示す斜視図である。 図30のベースをX方向に見た正面図である。 図30のベースをX反対方向に見た背面図である。 図30のベースをY方向に見た右側面図である。 図30のベースをZ方向に見た平面図である。 図26で示した可倒式柵の柵状体を示す斜視図である。 図26で示した可倒式柵の連結部材を主に示す部分拡大図である。 図26で示した可倒式柵の連結部材を主に示す部分拡大端面図である。 図29の柵状体を外側に倒した状態から引き上げる状態を示す右側面図である。
以下、本発明を適用した可倒式柵を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図19を用いて、本発明を適用した一実施の形態である第1実施形態に係る可倒式柵1について説明する。
本発明に係る可倒式柵は、崖上や斜面(法面)上の通路、トンネル内の避難通路、保守点検用の高架通路など通路の両側又は一方の側(一側)に転落のおそれがあったり、車道であるなど危険であったりする場合にそちら側に転落しないように防止するため、又は通路から柵外への通行を禁止するため設置されるものである。
そして、図2に示すように、本発明に係る可倒式柵は、斜面(法面)の草刈りや通路周辺の清掃、通路に沿って設けられた排水管等の設備の点検・交換などの保守点検作業をする際に、柵が障害となることを避けるため、必要に応じて通路の外側へ倒せる可倒式となっている。
よって、本実施の形態では、図1〜図6等に示すように、第1実施形態に係る可倒式柵1が、斜面S(法面)上に設けられた通路Pの両側のうち谷側(通路から見て図のX方向側)となる一側沿いに設置され、通路から谷側への転落を防止する転落防止柵として設置される場合を例示して説明する。
なお、斜面Sとしては、3寸水平に行って10寸鉛直に下がる程度の急勾配の斜面を想定している。
本実施形態に係る可倒式柵1は、複数のベース部としての2つのベース2、2と、これらのベース2、2に嵌合して支持される柵状体3と、これらベース2,2と柵状体3とを回動自在に連結する2つの連結部材4、4と、を備えている。この可倒式柵1は、人が通過できないような100mm程度の所定の間隔をおいて、通路Pの谷沿いに複数連設されるものである。
(ベース部)
このベース2、2は、図6〜図11等に示すように、それぞれ150mm角×9mm厚の略正方形の鋼製の板からなるベースプレート20と、このベースプレート20の中央において、プレートの板面に対して垂直に立設された60mm角の角形鋼管からなるベース本体21と、から主に構成され、後で詳述する支持体Aに力を伝達して柵を支持する機能を有している。
このベースプレート20には、図7、図11等に示すように、四隅に直径φ16mmの4つの孔20aが穿設され、これらの孔20aに挿通される4本のM12のアンカーボルトA1〜A4により(図6参照)、ベースプレート20が通路Pの谷側にある支持体Aにボルト止めされ、ベース2、2が通路Pの谷側沿いに立設固定されることとなる。
図6等に示すように、本実施形態に係る支持体Aは、コンクリート製であり、前述の4本のM12のアンカーボルトA1〜A4は、この支持体Aに、支持に必要な所定の定着長さだけ定着(埋設)されて支持されている。また、アンカーボルトA1〜A4は、本実施形態では、ホークアンカーボルトが使用され、経時にボルトとナットとの螺合が緩むことを防止するため緩み止めナットNによりボルト止めさている。なお、ナットが緩むのを防止するには、二重ナットとしても構わない。
ベース本体21は、角形鋼管に限らず、後述の柵状体3の支柱を内側に嵌合して装着可能な筒状の部材であれば、特に材質は限定されるものではない。
しかし、費用などを考慮すると、引張強さが400N/mm2以上である2.3mm厚の一般構造用角形鋼管(STKR400)が好ましく、耐食性を考慮すると、引張強さが520N/mm2以上である3.0mm厚の熱間圧延ステンレス鋼板(SUS304)からなる角形鋼管が好ましい。
図10等に示すように、ベース本体21の通路方向に略垂直な(Y方向に沿って見える)両側面の上部には、M12ボルトを挿通することのできる程度の径からなるボルト孔21aが穿設されている。そして、このボルト孔21aに、後述の支柱30、31が、ボルト止めされることにより、柵状体3がベース2、2に連結される(図15も参照)。
また、図7〜図9等に示すように、ベース本体21の谷側である外側及び通路側である内側の(X方向に沿って見える)両側面の上部には、柵状体3が連結部材4のボルト軸を中心として揺動(回動)可能なように(図19も参照)、それぞれ柵状体3の支柱が通る程度の幅の長方形(矩形)の切欠き22、23が形成されている。
図8等に示すように、通路側(内側、山側)の切欠き22は、ベース本体21の上端から鉛直(縦)方向に80mm、即ちベース本体21の高さの1/6〜1/5程度切り欠かれており、図9等に示すように、通路外側(谷側)の切欠き23は、ベース本体21の上端から鉛直(縦)方向に230mm、即ちベース本体21の高さの半分程度切り欠かれている。
(柵状体)
柵状体3は、図12〜図14に示すように、ベース2、2に嵌着される50mm角の角形鋼管からなる2本の支柱30、31と、これらの支柱30と支柱31とに架け渡された50mm角の角形鋼管からなる2本の横桟(32,33)と、を有し、人の転落を防止する柵としての機能を有している。
図12、図14に示すように、これらの支柱30、31の下部には、それぞれ連結部材4であるM12ボルトを丁度挿通できる程度の幅の直線状の長孔30a、31aが形成されている。この長孔30a、31aの長さは、柵状体3の支柱30、31をベース2に挿入した際に支柱30、31の下端がベースプレート20の上面に当接する長さである、407mm程度となっている。
これらの横桟は、図13等に示すように、支柱同士を繋ぎ止める構造材としての機能の他、手摺としても機能する、天端が通路面から1200mmの高さに設置された上桟32と、天端が通路面から600mmの高さに設置された下桟33など、から構成される。
なお、前述の支柱30、31及び横桟である上桟32、下桟33は、角形鋼管に限らず、円筒状の管材や棒材であっても構わない。特に、支柱30、31は、ベース本体21に内嵌してベース2、2に支持されることができるものであればよい。
また、柵状体3の各部材は、材質についても、風雨に耐えるなど柵として機能するものであれば特に限定されるものではない。しかし、費用などを考慮すると、引張強さが400N/mm2以上である3.2mm厚の一般構造用圧延鋼材(SS400)が好ましく、耐食性を考慮すると、引張強さが520N/mm2以上である3.0mm厚の熱間圧延ステンレス鋼板(SUS304)が好ましい。
さらに、上桟32及び下桟33は、支柱30、31に架け渡されて両者を繋ぎ止める構造材としての機能を有しているものであるが、少なくとも何れか1本が支柱30、31間に架け渡されていれば、その機能を果たすものである。よって、上桟32、下桟33は、管材や棒材などの直線状の部材に限らず、曲線状や装飾を施したものであっても構わない。
(連結部材)
連結部材4、4は、図15等に示すように、それぞれM12のボルトからなるボルト40と、そのナットであるナット41など、からなり、ベース本体21のボルト孔21aと支柱30、31の長孔30a、31aの両方の孔に挿通され、ベース2、2と柵状体3とを回動自在に連結する機能を有している。
なお、連結部材4、4のナット41は、経時にナットが緩むことを防止するため、前述の緩み止めナットNであることが好ましい。
このように、ベース2、2と柵状体3とは、長孔30a、31aを介して連結部材4、4で連結されるため、柵状体3は、ベース2、2に対して長孔30a、31aに沿ってスライド移動(摺動)可能となっていると共に、連結部材4、4のボルト40の軸を中心に揺動(回動)可能となっている。
また、図15に示すように、ベース本体21と柵状体3の支柱30、31との間には、低摩擦ワッシャWが挿置されており、柵状体3のベース2、2に対する揺動(回動)をスムーズに行うことができる。
ここで、低摩擦ワッシャとは、支柱30、31とベース本体21とに当接(摺接)するワッシャの表裏両面にフッ素樹脂が塗布されるなど静止及び動摩擦係数を鋼同士の摩擦係数より低減する何らかの表面処理が施されたワッシャをいい、本実施の形態では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂からなるワッシャが使用されている。
(可倒式柵1の傾倒・起立動作)
次に、図4、図16〜図19等を用いて、第1実施形態に係る可倒式柵1の傾倒及び起立動作について説明する。
先ず、可倒式柵1を通路の外側へ倒す場合は、図4に示す柵状体3の支柱30、31がベース2、2のベース本体21、21の内側に嵌合(内嵌)されている状態から、図16に示すように、連結部材4が長孔31a(30a)の下端LE付近に位置するまでベース2から引き抜くように柵状体3を上方へ持ち上げる。
続いて、柵状体3を静かに離すなどすれば、連結部材4のボルト40の軸が長孔31a(30a)下端LE付近に位置する状態において、柵状体3の自重等により連結部材4のボルト40の軸を中心に柵状体3が図において時計回りに斜面の勾配に応じた所定角度(図示形態では、直立状態から163度程度)回動する。その後、長孔31a(30a)の下端LEに連結部材4の軸が当接するまで自重で柵状体3が長孔31a(30a)滑り落ち、図17に示すように、可倒式柵1が斜面Sの勾配に沿って略平行に外側に倒れた状態となる。
このため、柵を通路外へ傾倒する作業において通路から身を乗り出す必要がない。
前述の切欠き23の長さは、図17に示す、柵状体3の支柱30、31がベース本体21の切欠き23の下端に当接した際に斜面Sの勾配に沿って略平行となるように設定されている。
なお、前述の長孔31a(30a)の下端LEとは、図4等で示す直立状態の下端を指すものとする。
また、可倒式柵1を直立状態に起立させる場合は、図17の状態から、図18に示すように、下枠33等を掴んで、図の矢印方向へ長孔31a(30a)に沿って、柵状体3をスライド移動(摺動)させながら、長孔31a(30a)の上端UE付近に連結部材4が位置するようになるまで引き上げる。
続いて、図19に示すように、連結部材4のボルト40の軸を中心に柵状体3を図において時計反対回りに回動させて、切欠き22の下端に柵状体3の支柱30、31が当接するまで引き起こす。
このとき、前述のように、一旦、柵状体3を引き上げているので、柵状体3の重心位置が回動中心であるボルト軸から近い距離となり、引き起こす際のモーメントが小さくなる。
その後、下枠33等を掴んで図16に示す状態になるまで柵状体3を持ち上げた後、支柱30,31をそれぞれベース2のベース本体21内に挿入して嵌合させ、支柱30、31の下端をベースプレート20に当接させる。これにより、ベース2に柵状体3が嵌着されて支持される状態、即ち、図4に示す起立状態となり、可倒式柵1の起立作業が終了する。
なお、切欠き22の長さにより、図19で示す柵状体3の起立時の回転角度の上限が定まるので、部材強度や使用状態等を考慮し、適宜定めるとよい。
(可倒式柵1の作用効果)
以上のように、第1実施形態に係る可倒式柵1によれば、通路Pの谷側沿いに鉛直に立設されているベース2、2の部材上に穿設されたボルト孔21aに連結部材4、4がボルト止めされている。そして、このボルト孔21aに挿通された連結部材4、4を中心に、柵状体3が揺動するので、通路Pから谷側へ身を乗り出して柵を倒したり起こしたりすることなく、安全に可倒式柵1の傾倒・起立作業をすることができる。
また、可倒式柵1によれば、柵状体3がベース2,2に連結部材4で連結された状態でベース2、2から上方に引き抜くように柵状体3を持ち上げて傾倒させることができる。このため、保守点検作業をする際に、従来の柵のように柵を撤去したり、その撤去した柵を仮置きしたりする必要がなく、保守点検作業の作業時間を短縮して作業効率を向上させることができる。
よって、柵の仮置きスペース等も不要となる。
さらに、可倒式柵1によれば、柵を倒した状態でもベース2は、通路Pに立設した状態のままである。このため、可倒式柵1を傾倒させ、又は起立させる際に、このベース2に安全帯等を掛け止めて作業することができ、転落防止用のロープを張るなどの作業することなく、安全に可倒式柵1の傾倒・起立作業をすることができる。
そして、可倒式柵1によれば、前述のように、引き起こす際のモーメントが小さくなるため、腕力の小さな女性などでも容易に引き起こすことができたり、二人で作業する必要がなくなったりするなど、保守点検作業を軽減して人件費等を削減することができる。
また、可倒式柵1によれば、前述のように、ベース本体21と支柱30、31との間に、低摩擦ワッシャWが挿置されている。このため、柵状体3のベース2、2に対する回動(揺動)をスムーズに行うことができ、より小さな力で容易且つ安全に柵の傾倒・起立作業を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、図20〜図25を用いて、本発明を適用した一実施の形態である第2実施形態に係る可倒式柵1’について説明する。第1実施形態に係る可倒式柵1と相違する点は、長孔がベースに設けられているのではなく、柵状体に設けられている点である。それに加え、柵状体の支柱がベースのベース本体に内嵌されているのではなく、外嵌されている点の主に2点だけである。よって、これらの点についてだけ説明し、他の説明は省略する。また、同一形態は同一符号を付すものとする。
第2実施形態に係る可倒式柵1’は、図20等に示すように、ベース部である2つのベース2’、2’と、これらのベース2’、2’に嵌合して支持される柵状体3’と、これらベース2’,2’と柵状体3’とを連結する2つの連結部材4、4と、を備えている。
(ベース部)
このベース2’、2’は、図21等に示すように、それぞれ150mm角×9mm厚の略正方形の鋼製の板からなるベースプレート20’と、のベースプレート20’の中央において、プレートの板面に対して垂直に立設された50mm角の角形鋼管からなるベース本体21’と、から主に構成され、支持体Aに力を伝達して柵を支持する機能を有している(図20等参照)。
このベースプレート20’には、四隅に直径φ16mmの4つの孔20a’が穿設され、これらの孔20a’に挿通される4本のM12のアンカーボルトA1〜A4により(図6も参照)、ベースプレート20’が通路Pの谷側にある支持体Aにボルト止めされ、ベース2’、2’が通路Pの谷側沿いに立設固定されることとなる。
このベース本体21’の通路方向に略垂直な両側面(Y方向視立面)には、連結部材4のボルト40を挿通する第1実施形態に係る長孔30a、31aと同様の直線状の長孔21a’が形成されている。そして、この長孔21a’に、後述の支柱30’、31’がボルト止めされることにより、柵状体3’がベース2’、2’に連結される。
(柵状体)
柵状体3’は、図22等に示すように、ベース2’、2’に嵌着される60mm角の角形鋼管からなる2本の支柱30’、31’と、これらの支柱30’と支柱31’とに架け渡された60mm角の角形鋼管からなる2本の横桟(32’,33’)と、を有し、人の転落を防止する柵としての機能を有している。
これらの支柱30’、31’の下部には、連結部材4のボルト40用のボルト孔30a’、31a’が形成されており、これらのボルト孔30a’、31a’と長孔21a’とを貫通するように前述の連結部材4でボルト止めされている。このため、柵状体3’が長孔21a’に沿ってベース2’、2’の部材上を上下にスライド自在、且つ、長孔21a’の上端UE’近でボルト孔30a’、31a’を中心に柵状体3’が揺動自在となっている。
また、支柱30’、31’の通路内側の側面の下部には、長孔21a’の上端UE’付近でボルト孔30a’、31a’を中心に柵状体3’が揺動できるように、それぞれ、切欠き30b‘、31b’が形成されている。そして、支柱30’、31’の通路外側の側面の下部には、斜面Sの勾配に沿った角度まで柵が倒れるように、それぞれ、切欠き30c’、31c’が形成されている。
横桟は、支柱同士を繋ぎ止める構造材としての機能の他、手摺としても機能する、天端が通路面から1200mmの高さに設置された上桟32’と、天端が通路面から600mmの高さに設置された下桟33’など、から構成される。
(可倒式柵1’の傾倒・起立動作)
次に、図23〜図25を用いて、第2実施形態に係る可倒式柵1’の傾倒及び起立動作について説明する。
先ず、可倒式柵1’を通路の外側へ倒す場合は、図23に示す柵状体3’の支柱30’、31’がベース2’、2’のベース本体21’、21’の外側に嵌合(外嵌)されている状態から、図24に示すように、連結部材4が長孔21a’の上端UE’付近に位置するまでベース2’から引き抜くように柵状体3’を上方へ持ち上げる。
続いて、柵状体3’を静かに離すなどすれば、柵状体3’の自重等により、ボルト孔30a’、31a’に挿通された連結部材4のボルト軸を中心に柵状体3’が図において時計回りに斜面Sに応じた所定角度回動する。すると、図25に示すように、可倒式柵1’が斜面Sの勾配に沿って略平行に外側に倒れた状態となる。
このため、柵を通路外へ傾倒する作業において通路から身を乗り出す必要がない。
前述の切欠き30c’、31c’の長さは、支柱30’、31’の切欠き30c’、31c’の上端が、ベース本体21の側面に当接した際に斜面Sの勾配に沿って略平行となるように設定されている。
なお、切欠き30c’、31c’の上端とは、図23等で示す直立状態の上端を指すものとする。
可倒式柵1’を直立状態に起立させる場合は、図25の状態から図24を経て図23に示すように、前述の工程を逆に行う。
なお、切欠き30b’、31b’の長さにより、図24で示す柵状体3’の傾倒を開始できる、又は柵状体3’をベース2’に嵌合することができる、柵状体3’を持ち上げる際の高さが定まるので、部材強度や使用状態等を考慮し、適宜定めるとよい。
(可倒式柵1‘の作用効果)
以上のように、第2実施形態に係る可倒式柵1’によれば、通路Pの谷側沿いに鉛直に立設されているベース2’、2’の部材上に穿設された長孔21a’に連結部材4、4がボルト止めされている。そして、連結部材4、4は、柵状体3’のこのボルト孔21aに挿通された連結部材4、4を中心に、柵状体3が揺動するので、通路Pから谷側へ身を乗り出して柵を倒したり起こしたりすることなく、安全に可倒式柵1の傾倒・起立作業をすることができる。
また、可倒式柵1’によれば、柵状体3’がベース2’,2’に連結部材4で連結された状態でベース2’、2’から上方に引き抜くように柵状体3’を持ち上げて傾倒させることができる。このため、保守点検作業をする際に、従来の柵のように柵を撤去したり、その撤去した柵を仮置きしたりする必要がなく、保守点検作業の作業時間を短縮して作業効率を向上させることができる。
よって、柵の仮置きスペース等も不要となる。
さらに、可倒式柵1’によれば、柵を倒した状態でもベース2’は、通路Pに立設した状態のままである。このため、可倒式柵1’を傾倒させ、又は起立させる際に、このベース2’に安全帯等を掛け止めて作業することができ、転落防止用のロープを張るなどの作業することなく、安全に可倒式柵1’の傾倒・起立作業をすることができる。
それに加え、可倒式柵1’によれば、上部にある柵状体3’の支柱30’、31’がベース2’、2’の外側を覆っているため、雨仕舞がよく、連結部材4などの部品が錆びるおそれが少なくなり、耐久性が向上する。
[第3実施形態]
次に、図26〜図38を用いて、本発明を適用した一実施の形態である第3実施形態に係る可倒式柵1”について説明する。第1実施形態に係る可倒式柵1と相違する点について主に説明し、他の説明は省略する。また、同一形態は同一符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る可倒式柵1”は、図26等に示すように、ベース部である2つのベース2”、2”と、これらのベース2”、2”に嵌合して支持される柵状体3”と、これらベース2”、2”と柵状体3”とを連結する2つの連結部材4”、4”と、を備えている。
(ベース部)
このベース2”、2”は、図30等に示すように、それぞれ150mm角×9mm厚の略正方形の鋼製の板からなるベースプレート20”と、このベースプレート20”の中央において、プレートの板面に対して垂直に立設された角形鋼管からなるベース本体21”と、連結部材4”、4”を支持する補剛部材24”、25”など、から主に構成され、支持体Aに力を伝達して柵を支持する機能を有している(図38等参照)。
このベースプレート20”には、図34等に示すように、四隅に直径φ16mmの4つの孔20a”が穿設され、これらの孔20a”に挿通される4本のM12のアンカーボルトA1〜A4により(図6参照)、ベースプレート20”が通路Pの谷側にある支持体Aにボルト止めされ、ベース2”、2”が通路Pの谷側沿いに立設固定されることとなる。
ベース本体21”は、2mm厚の50mm角のステンレス(SUS304)製の角形鋼管からなり、ベースプレート20”のプレート板面からの高さが230mmとなっている。この高さは、前述の可倒式柵1のベース本体21の切欠き23までの高さに相当する。なお、図30、図32に示すように、ベースプレート20”下端の外側側面には、直径10mmの水抜き孔21b”が穿設されている。
また、ベース本体21”の通路方向に略垂直な両側面には、柵状体3”の揺動(回動)軸である連結部材4”を支持する左右一対の補剛部材24”、25”が取り付けられている。これらの左右一対の補剛部材24”、25”は、一辺が50mmの4mm厚ステンレス(SUS304)製の等辺山形鋼(L型チャンネル)からなり、等辺山形鋼の長手方向がベースプレート20”に対して垂直となるよう取り付けられている(垂設されている)。
この補剛部材24”、25”は、ベースプレート20”からの高さが、ベース本体21”の高さの倍近い460mmとなっており、図26、図33等に示すように、その上端付近に、M10ボルトを挿通することのできる程度の径からなるボルト孔24a”、25a”が穿設されている。このボルト孔24a”、25a”には、連結部材4”が止め付けられ、後述の支柱30”、31”がベース2”、2”に揺動(回動)自在に連結される(図36も参照)。
また、図30に示すように、この補剛部材24”、25”の上端の出隅部分は、人が角にぶつかって怪我をしないように安全のため面取り成形されている。
このような補剛部材24”、25”によれば、ベース2”にどのような方向から曲げ応力が作用しても、ベース2”の水平断面である山形断面の二辺のうちの何れかがリブの役割を果たすため、ベース2”の曲げ剛性を高めることができると共に、柵状体3”の揺動(回動)軸を確実に支持することができ、可倒式柵1”の安全性を高めることができる。
(柵状体)
柵状体3”は、図35、図27〜図29に示すように、ベース2”、2”に嵌着される40mm角の角形鋼管からなる2本の支柱30”、31”と、これらの支柱30”と支柱31”とに架け渡された40mm角の角形鋼管からなる2本の横桟(32”,33”)と、を有し、人の転落を防止する柵としての機能を有している。
図35に示すように、これらの支柱30”、31”の下部には、それぞれ連結部材4であるM10ボルトを丁度挿通できる程度の幅の部材の長手方向(図のZ正逆方向)に沿った直線状の長孔30a”、31a”が形成されている。この長孔30a”、31a”の長さは、柵状体3”の支柱30”、31”をベース2に挿入した際に支柱30”、31”の下端がベースプレート20”の上面に当接する長さである、404mm程度となっている。
これらの横桟は、図35、図27等に示すように、支柱同士を繋ぎ止める構造材としての機能の他、手摺としても機能する、天端が通路面から1200mmの高さに設置された上桟32”と、天端が通路面から600mmの高さに設置された下桟33”など、から構成されている。
なお、前述の支柱30”、31”及び横桟である上桟32”、下桟33”は、角形鋼管に限らず、円筒状の管材や棒材であっても構わない。特に、支柱30”、31”は、ベース本体21に内嵌されてベース2”、2”に支持されることができるものであればよい。
柵状体3”の各部材の材質は、風雨に耐えるなど柵として機能するものであれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、耐食性を考慮して、引張強さが520N/mm2以上である2.0mm厚の熱間圧延ステンレス鋼板(SUS304)が採用されている。また、前述第1実施形態の上桟32、下桟33と同様に、上桟32”及び下桟33”は、管材や棒材などの直線状の部材に限らず、曲線状や装飾を施したものであっても構わない。
そして、本実施形態に係る柵状体3”には、長孔30a”、31a”の周りを補強する2本の補強部材34”、35”がそれぞれの支柱30”、31”の下部内側に嵌め込まれている(内嵌されている)。この補強部材34”、35”は、2.0mm厚のステンレス製(SUS304)33mm×36mmの溝形で、長さが470mm程度となっている。
また、柵状体3”の支柱30”、31”の通路P側には、上桟32”と下桟33”の丁度間ぐらいの高さに、紐やロープなどの線条体を結び付ける接続具Fがそれぞれ突設されている。この接続具Fは、アイボルトが支柱30”、31”通路P側の側面に溶接されたものであるが、形状や取付位置は、図示形態に限られず、線条体と連結できる形状や位置であればよい。また、接続具Fの柵状体3”への取り付け方もネジ止めでもよく溶接に限られない。但し、線条体が抜け落ちるおそれがないため、接続具Fの線条体を掛け止める部分は、丸環などの開先部分のないものが好ましい。なお、この接続具Fがなくても本発明が成立することは云うまでもない。
(連結部材)
連結部材4”、4”は、図36、図37等に示すように、それぞれM10のボルトからなるボルト40”と、そのナットであるナット41”など、からなり、補剛部材24”、25”のボルト孔24a”、25a”と支柱30”、31”の長孔30a”、31a”の両方の孔に挿通され、ベース2”、2”と柵状体3”とを回動自在に連結する機能を有している。なお、連結部材4”、4”のナット41”は、経時にナットが緩むことを防止するため、前述の緩み止めナットNであることが好ましい。
このように、ベース2”、2”と柵状体3”とは、長孔30a”、31a”を介して連結部材4”、4”で連結されるため、柵状体3”は、ベース2”、2”に対して長孔30a”、31a”に沿ってスライド移動(摺動)可能となっていると共に、連結部材4”、4”のボルト40”の軸を中心に揺動(回動)可能となっている。
また、図37に示すように、支柱30”、31”の長孔30a”、31a”には、低摩擦ワッシャである2枚のステンレスワッシャW1、W1と、ステンレス(SUS304)製の円筒B1からなるブッシュBが嵌着されている。このため、ブッシュBにより、柵状体3”とベース2”、2”との摩擦をステンレスワッシャW1、W1で低減するとともに、連結部材4”、4”と長孔30a”、31a”との摩擦を円筒B1で低減し、柵状体3”のベース2”、2”に対する揺動(回動)をスムーズに行うことができる。
(可倒式柵1”の起立動作)
次に、図38等を用いて、第3実施形態に係る可倒式柵1”の傾倒・起立動作について説明する。先ず、可倒式柵1”を通路の外側へ倒す場合は、可倒式柵1と同様に、柵状体3”を持ち上げ、支柱30”、31”をベース2”、2”から引き抜く(図示せず)。
続いて、接続具Fに結び付けた線条体を手に持ったまま少しずつ線条体を繰り出して、柵状体3を静かに離して行けば、柵状体3”が連結部材4”を中心に回動し、可倒式柵1”が斜面Sの勾配に沿って略平行に外側に倒れた状態となる。このとき、線条体を手に持ったまま少しずつ繰り出してゆっくり柵状体3”を回動させることができるため、勢いよく回動して斜面Sに柵状体3が当接して損傷するおそれがなくなる。また、可動式柵1と比べても、通路Pから身を乗り出す必要がなく、安全である。
また、可倒式柵1”を直立状態に起立させる場合は、図38に示すように、通路Pから接続具Fに結び付けた線条体を引っ張り上げながら、図の矢印方向へ長孔31a”(30a”)に沿ってスライド移動(摺動)させ、柵状体3”を長孔31a”(30a”)の上端付近に連結部材4”が位置するようになるまで引き上げる。
続いて、線条体を引っ張りながら連結部材4”のボルト40”の軸を中心に柵状体3”を図において時計反対回りに回動させて、柵状体3を引き起こす。そして、下枠33”等を掴んで柵状体3を持ち上げた後、支柱30”、31”をそれぞれベース2”のベース本体21”内に挿入して嵌合させ、支柱30”、31”の下端をベースプレート20”に当接させる。これにより、ベース2”に柵状体3”が嵌着されて支持される状態、即ち、図28に示す起立状態となり、可倒式柵1”の起立作業が終了する。
(可倒式柵1”の作用効果)
以上のように、第3実施形態に係る可倒式柵1”によれば、可倒式柵1の奏する作用効果に加え、柵状体3”に線条体を結び付ける接続具Fが突設されているので、線条体を用いてゆっくり柵状体3”揺動させることができ、可倒式柵1”が損傷することを防げると共に、柵状体3”の倒れ込む勢いで転落することも防ぐことができる。このため、可倒式柵1”によれば、可倒式柵1、1’と比べても、より安全に傾倒・起立作業をすることができる。
また、可倒式柵1”によれば、柵状体3”の長孔30a”、31a”の周りを補強する2本の補強部材34”、35”がそれぞれの支柱30”、31”の下部内側に嵌め込まれているので、柵状体3”の傾倒・起立動作による長孔30a”、31a”の損耗を防ぐことができ、可倒式柵1”の耐久性を向上させることができる。それに加え、可倒式柵1”によれば、損耗し易い部位を重点的に補強することができるため、柵状体3”全体の軽量化を図ることができ、傾倒・起立動作がより一層容易となる。
さらに、可倒式柵1”によれば、柵状体3”の回動軸である連結部材4”を、曲げ剛性に貢献する2方向にリブの付いた補剛部材24”、25”で支持するので、傾倒・起立動作による可倒式柵1”の損耗を防いで、可倒式柵1”の耐久性を向上させることができる。
また、可倒式柵1”によれば、連結部材4”の周りに耐久性が高く摩擦係数の低いステンレス製のブッシュBが装着されているため、さらに、耐久性を向上させることができると共に、柵状体3”の傾倒・起立動作をスムーズに行うことができ、より安全である。
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態に係る可倒式柵1〜1”について詳細に説明したが、特に、前述の複数のベース2(2’、2”)、・・・、2(2’、2”)がプレート等で結合されて一体となっていても構わない。即ち、前述のベース2、2’、2”のようなベース部を2以上の複数有していればよい。
また、切欠き22、23(30b’、31b’、30c’、31c’)の長さやベース本体20”の高さは、実施形態として図に例示した斜面の勾配等から定めたものであり、適宜、変更可能であることは云うまでもない。
そして、前述した又は図示した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたって具体化した一実施の形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1、1’、1” :可倒式柵
2、2’、2” :ベース(ベース部)
20、20’、20” :ベースプレート
21、21’、21” :ベース本体
21a’ :長孔
22、23 :切欠き
24”、25” :補剛部材
3、3’、3” :柵状体
30、31、30’、31’、30”、31” :支柱
30a、31a :長孔
30b’、31b’ :切欠き
30c’、3cb’ :切欠き
32、32’、32” :上桟(横桟)
33、33’、33” :下桟(横桟)
4、4” :連結部材
40、40” :ボルト
41、41” :ナット
W :低摩擦ワッシャ
W1 :ステンレスワッシャ(低摩擦ワッシャ)
B :ブッシュ
F :接続具
P :通路
S :斜面(法面)
A :支持体

Claims (6)

  1. 通路に沿って設置され、前記通路の側に倒すことができる可倒式柵であって、
    前記通路に沿って立設固定される複数のベース部と、前記ベース部に嵌合されて支持される柵状体とを備え、
    前記柵状体は、前記ベース部に着脱自在に嵌合される複数本の支柱と、前記複数本の支柱に架け渡された1本又は複数本の横桟とを有し、
    前記支柱には、長孔が形成され、前記長孔には、前記ベース部と前記柵状体とを回動自在に連結する連結部材が挿通され、
    前記連結部材は、前記ベース部の部材上に前記長孔に対して摺動可能に取り付けられており、
    前記柵状体は、前記長孔に沿って上下に移動することで前記ベース部に着脱自在となっていると共に、通路上に位置する前記連結部材を中心に前記谷側の斜面の勾配に沿って略平行となるまで傾倒可能に構成され、且つ前記長孔に沿ってスライド移動させて重心位置を前記連結部材に近づけ、揺動する際のモーメントを小さくした状態で起立可能に構成されていること
    を特徴とする可倒式柵。
  2. 前記ベース部と前記支柱とは、低摩擦ワッシャを介して前記連結部材で連結されること
    を特徴とする請求項1記載の可倒式柵。
  3. 前記柵状体は、前記支柱が前記ベース部に内嵌されることにより、前記ベース部に連結して支持されるよう構成され、
    前記長孔は、前記支柱に形成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の可倒式柵。
  4. 前記ベース部には、前記柵状体が所定角度回動可能なように通路側及び側に、それぞれ前記支柱の幅を超える幅を有する切欠きが形成されていること
    を特徴とする請求項3記載の可倒式柵。
  5. 前記ベース部は、水平断面において2方向にリブがある補剛部材を有することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の可倒式柵。
  6. 前記柵体には、線条体を連結する接続具が取り付けられている請求項1乃至何れか1項記載の可倒式柵。
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